JP5759155B2 - 貼り薬の包装用積層フィルム及びそれを用いた貼り薬の包装袋 - Google Patents

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Description

本発明は心臓用等の貼り薬を包装するための包装用フィルム及びそれを用いた包装袋に関するものである。
従来、シート状貼付剤1等の貼り薬は(図8(a)参照)、基材フィルム2表面に薬効成分を含む粘着剤層3を塗布し、その上から剥離紙4を被覆することにより構成されており、このシート状貼付剤1を包装袋5内に収納している。
かかる従来の貼り薬の包装袋5では、包装袋5内部の貼り薬の基材フィルム2が粘着剤層3の薬効成分を吸着して膨張し、図8(b)に示すように、上記基材フィルム2が剥離紙4より大きくなって上記粘着剤層3が上記剥離紙4の周囲からはみ出してしまうという現象が発生していた。
このように基材フィルム2が膨張して上記粘着剤層3が上記剥離紙4からはみ出すと、はみ出した粘着剤層3が包装袋5の内面5’に強く密着してしまい、その結果、包装袋5をミシン目6から破って開口し、内部のシート状貼付剤1を把持して矢印A方向に取り出す際に、上記粘着剤層3と上記内面5’の密着(接着)が大きな抵抗となって、上記シート状貼付剤1を非常に取り出し難いという課題があった。
また、従来、包装袋内に収納された内容物の取り出し易さを改善するために、包装袋の内面を構成する樹脂フィルムにスリップ剤を配合することが提案されている(特許文献1,2)。
実開昭61−153742号 特開2008−254758号
ところで、特許文献1,2の包装材では魚のスリ身の取り出し性、或いは輸液等の液体の入ったバッグの充填性を向上させるためのものであり、シート状貼付剤1等の貼り薬の粘着剤層3が包装袋5の内側5’に直接密着した場合について、その取り出し性を改善するものではない。
また、シート状貼付剤1等の貼り薬の包装用積層フィルムでは、上記ミシン目6を利用しての開封時の易カット性も良好なものであることが望まれる。
本発明は貼り薬の包装用積層フィルムであって、貼り薬の粘着剤層がフィルム面に付着しても粘着剤層とフィルム面との密着強度を低くすることにより、容易に貼り薬を取り出すことが可能であり、又は、易カット性をも損なわれない貼り薬の包装用積層フィルム及びそれを使用した貼り薬の包装袋を提供することを目的とする。
本発明は上記従来の課題を解決するために、
第1に、樹脂フィルムを含む積層フィルムにより構成された貼り薬の包装用積層フィルムであって、上記積層フィルムの一方の表面にスリップ剤を塗工したものであることを特徴とする貼り薬の包装用積層フィルムからなり上記スリップ剤は脂肪酸アマイド及びイソプロピルアルコールの混合物又はイソプロピルアルコールから構成されるものであることを特徴とする貼り薬の包装用積層フィルムにより構成される。
上記積層フィルムの一方の表面は、例えばシール面としての押出しポリエチレンフィルムの表面とすることができる。上記樹脂フィルムを含む積層フィルムは、例えば第1層はポリエチレンテレフタレートフィルム(11)、第2層は押出しポリエチレンフィルム(12)、第3層はアルミニウム箔のフィルム(13)、第4層はシール面としての押出しポリエチレンフィルム(14)からなる4層の積層フィルムをいう。上記スリップ剤は例えば上記押出しポリエチレンフィルム(14)の表面に印刷等の手法により薄膜状に塗工することができる。このように構成すると、上記スリップ剤が塗工された面にシート状貼付剤等の貼り薬の粘着剤層が密着したとき、その密着強度を低下することができるので、貼り薬の取り出し性の良好な貼り薬の包装用積層フィルムを実現することができる。
第2に、上記積層フィルムの一方の表面を構成するフィルムは、押出し成形により積層されたシール面としての押出しポリエチレンフィルムであり、上記押出しポリエチレンフィルムの上記表面に上記スリップ剤が塗工されたものであることを特徴とする上記第1記載の貼り薬の包装用積層フィルムにより構成される。
このように、上記積層フィルムのシール面としての押出しポリエチレンフィルムの表面にスリップ剤を薄く塗工したので、シール面としての機能を損なうことなく、当該表面と貼り薬の粘着剤層との密着強度を低下することができる。
に、上記スリップ剤は、上記積層フィルムの上記一方の表面に、グラビア印刷又はオフセット印刷又はフレキソ印刷の手法により薄膜状に塗工されたものであることを特徴とする上記第1又は2に記載の貼り薬の包装用積層フィルムにより構成される。
上記薄膜状に塗工とは、スリップ剤による例えば1μm〜2μmの薄膜層(15’)が形成されるように塗工することをいう。このように構成すると、従来公知の印刷手法によりスリップ剤を塗工することができ、スリップ剤を塗工するにあたって新たな機器を設置する必要がない。
に、上記スリップ剤の厚みは1μm〜2μmであることを特徴とする上記第1〜の何れかに記載の貼り薬の包装用積層フィルムにより構成される。
このようにスリップ剤の薄膜は極めて薄いので、スリップ剤が塗工されるシール面(例えば押出しポリエチレンフィルムのシール面)としての機能を損なうことがない。
に、上記積層フィルムは、第1層がポリエチレンテレフタレートフィルム、第2層が押出しポリエチレンフィルム、第3層がアルミニウム箔のフィルム、第4層が押出しポリエチレンフィルムであることを特徴とする上記第1〜の何れかに記載の貼り薬の包装用積層フィルムにより構成される。
このように構成すると、貼り薬の包装材としての機能を維持しつつ、貼り薬の粘着剤層との密着強度を低下した包装用積層フィルムを得ることができる。
に、上記第1層のポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みが9μm〜25μm、第2層の押出しポリエチレンフィルムの厚みが13μm〜25μm、第3層のアルミニウム箔のフィルムの厚みが7μm〜28μm、第4層の押出しポリエチレンフィルムの厚みが13μm〜35μmであることを特徴とする上記第記載の貼り薬の包装用積層フィルムにより構成される。
このように構成すると、腰のある包装用積層フィルムとしてスリップ剤の塗工時にフィルムにシワが発生することを防止することができると共に、易カット性も良好な貼り薬の包装用積層フィルムを実現することができる。
に、上記包装用積層フィルムの2枚を、上記スリップ剤が塗工された上記積層フィルムの一方の表面を対向配置した状態で両フィルムの周辺をシールすることにより構成したものであることを特徴とする上記第1〜の何れかの貼り薬の包装用積層フィルムを用いた貼り薬の包装袋により構成される。

このように構成すると、貼り薬の粘着剤層が包装袋の内面に密着してもその密着強度を低減して貼り薬の取り出し性を良好とすることができ、かつ易カット性をも良好な貼り薬の包装袋を実現し得る。
本発明は、上述のように、スリップ剤が塗工された面に貼り薬の粘着剤層が密着したとき、その密着強度を低下することができるので、貼り薬の取り出し性の良好な貼り薬の包装用積層フィルムを実現することができる。
また、上記積層フィルムのシール面としての押出しポリエチレンフィルムの表面にスリップ剤を薄く塗工したので、シール面としての機能を損なうことなく、当該表面と貼り薬の粘着剤層との密着強度を低下することができる。
また、積層フィルムによって貼り薬の包装材としての機能を維持しつつ、貼り薬の粘着剤層との密着強度を低下した包装用積層フィルムを得ることができる。
また、グラビア印刷等の手法によりスリップ剤を塗工する際、積層フィルムにシワが発生することがなく円滑にスリップ剤を塗布することができ、しかも、易カット性をも良好な貼り薬の包装用積層フィルムを実現することができる。
また、貼り薬の粘着剤層が包装袋の内面に密着してもその密着強度を低減して貼り薬の取り出し性を良好とすることができ、かつ易カット性をも良好な貼り薬の包装袋を実現し得る。
本発明に係る貼り薬の包装用積層フィルムの断面図を示すものであり、(a)(b)はその製造過程の積層フィルムの断面図、(c)は完成した包装用積層フィルムの断面図である。 同上フィルムの製造工程を示すブロック図である。 同上フィルムの製造方法を示す製造工程の説明図である。 同上フィルムのスリップ剤の塗工工程を示す説明図である。 同上フィルムを使用した貼り薬の包装袋の正面図である。 同上フィルムを使用した貼り薬の包装袋とシート状貼付剤の一部拡大断面図である。 同上フィルムと包装袋のT型剥離実験の様子を示す説明図である。 (a)はシート状貼付剤を収納した貼り薬の包装袋の一部切り欠き正面図、(b)は同上包装袋においてシート状貼付剤の基材フィルムが膨張した状態を示す同上包装袋の一部切り欠き正面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1(c)は、本発明に係る貼り薬の包装用積層フィルム10を示すものであり、包装袋において最外側を構成する第1層フィルムはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム11(厚みは例えば16μm)、第2層は押出しポリエチレン(PE)フィルム12(厚みは例えば15μm)、第3層はアルミニウム箔によるフィルム13(厚みは例えば10μm)、第4層は押出しポリエチレン(PE)フィルム14(厚みは例えば30μm)により構成されており、これらの4層のフィルムを4層の積層フィルム10”(図1(b))という。そして、上記積層フィルム10”の一方の表面(包装袋を構成する場合においては最内層)を構成する上記第4層の押出しポリエチレンフィルム14の表面(シール面)14’に、スリップ剤15の薄膜層15’が例えば印刷により塗工形成されている(図1(c))。
上記スリップ剤15は、例えば、脂肪酸アマイド(RCONH)が1%〜5%、イソプロピルアルコール((CHCHOH)が90%〜100%が混合された液状体(混合物)からなるものであり、上記第4層の押出しポリエチレンフィルム14の表面14’にグラビア印刷等の手法により、スリップ剤15による1μm〜2μmの薄膜層15’が塗工される。尚、上記スリップ剤としては、イソプロピルアルコール100%の単体でも良い。上記スリップ剤の塗工には、グラビア印刷の手法の他、オフセット印刷、フレキソ印刷等の他の公知の印刷方法を用いることができるし、その他、手塗りによる塗工であっても良い。
このような包装用積層フィルム10を製造する場合は(図2参照)、まずは、上記最外層を構成する第1層のポリエチレンテレフタレートフィルム11に例えばグラビア印刷によって外装デザインを印刷し(図2、工程1)、その後、ポリサンドラミネートの手法によって上記ポリエチレンテレフタレートフィルム11と上記アルミニウム箔によるフィルム13との間に溶融したポリエチレン樹脂を押し出し、上記ポリエチレンテレフタレートフィルム11と上記押出しポリエチレンフィルム12と上記アルミニウム箔のフィルム13による3層の積層フィルム10’を形成する(図1(a))。
さらにポリラミネートの手法により上記3層の積層フィルム10’のアルミニウム箔のフィルム13の表面に、溶融したポリエチレン樹脂を押し出して上記第4層の押出しポリエチレンフィルム14を形成し、4層の積層フィルム10”を形成する(図1(b)、図2、工程2)。
その後、上記押出し成形により形成した上記4層の積層フィルム10”の上記第4層の押出しポリエチレンフィルム14の表面14’に例えばグラビア印刷の手法によりスリップ剤15を印刷(塗工)してスリップ剤の薄膜層15’を形成する(図2、工程3)。上記グラビア印刷によりスリップ剤を塗工した場合、塗工されたスリップ剤の厚みは例えば1μm〜2μmとなる。
上記3工程により、スリップ剤を塗工した包装用積層フィルム10(図1(c))が形成されるため、当該フィルム10を所定長さにカットして包装袋35(図5参照)が加工形成される(図2、工程4)。
次に、上記第2工程の押出しラミネートによる4層の積層フィルム10”の製法をより詳細に説明する。
図3において、11aは上記工程1の印刷が終了したポリエチレンテレフタレートフィルム11のロールであり、該ロール11aから上記フィルム11が引き出された後、塗工部20において、上記フィルム11の一面に槽内のアンカーコート剤21が塗布ロール22により塗布され、ドライヤー23で乾燥された後、ポリサンドラミネート部24において、上記ポリエチレンテレフタレートフィルム11の上記一面11’と、アルミニウム箔のフィルム13のロール13aから引き出されたアルミニウム箔のフィルム13の一面13’の間に押出機25から溶融したポリエチレン樹脂を押し出してラミネート加工し、冷却ロール26によって冷却することで上記ポリエチレン樹脂を固化し、厚さ15μmの押出しポリエチレンフィルム12を形成し、これによりポリエチレンテレフタレートフィルム11と上記押出しポリエチレンフィルム12と上記アルミニウム箔のフィルム13による3層の積層フィルム10’を形成する。
さらに、上記3層の積層フィルム10’を次段のポリラミネート部27に引き出し、当該ポリラミネート部27によって上記3層の積層フィルム10’の上記アルミニウム箔のフィルム13の表面13’に押出機28から溶融したポリエチレン樹脂を押し出してラミネート加工し、冷却ロール29によって冷却することで上記ポリエチレン樹脂を固化し、厚みが30μmのポリエチレンフィルム14を形成し、これによって上記3層フィルム10’のアルミニウムフィルム13の一面13’に押出しポリエチレンフィルム14がラミネートされた4層の積層フィルム10”が形成される。この4層の積層フィルム10”は巻取軸29にロール10a”として巻き取られる。
次に、図4に示すように、上記4層の積層フィルム10”のロール10a”から当該4層フィルム10”を引き出して、当該フィルム10”の上記押出しポリエチレンフィルム14の一面14’にグラビア印刷の手法によりスリップ剤15を塗工する。
図4において、30はグラビア印刷機であり、通常は印刷用インキが投入される槽31に液状の上記スリップ剤15が投入されている。この印刷機30は、上記スリップ剤15が投入されている槽31と、該槽31に下半部を浸漬した状態で回転自在に設置された版胴32と、該版胴32の表面に上記フィルムを圧着させるための圧胴33により構成されており、上記版胴32と上記圧胴33との間に上記積層フィルム10”を通して、上記版胴32及び圧胴33を図4の矢印B方向に回転させることにより、上記積層フィルム10”を矢印C方向に送り、上記積層フィルム10”の上記表面(一方の表面)14’に上記スリップ剤15を塗工するものである。
上記スリップ剤15が塗工された上記フィルム10”は乾燥ボックス33内に導入され、スリップ剤が乾燥されることにより、図1(c)に示ように、第4層の押出しポリエチレンフィルム14の表面14’に厚みが1μm〜2μm程度のスリップ剤15の薄膜層15’が形成された包装用積層フィルム10が形成される。この包装用積層フィルム10はロール10aとして巻取部34に巻き取られていく。
上記印刷機30の版胴32はグラビア印刷であれば、その表面に凹版が形成されており、凹版の凹部内に残ったスリップ剤が上記ポリエチレンフィルム14の表面14’全面に均等な厚みで塗布される。上記版胴32としては、凹版が形成されたものの他、上記ポリエチレンフィルム14の表面14’に均等に塗布し得るものであれば良いので、凹部の全く存在しない版胴であっても良い。尚、上述のように、スリップ剤の塗工手段としての印刷手法は上記グラビア印刷に限らず、公知のオフセット印刷或いは公知のフレキソ印刷の手法で塗工しても良いし、手塗りにて塗工しても良い。
その後、上記包装用積層フィルム10の所定長毎にミシン目6を刻設し、上記包装用積層フィルム10を所定長にカットし、カット後の2枚の包装用積層フィルム10のスリップ剤15が塗工された押出しポリエチレンフィルム14の面(シール面)同士を包装袋の内側面として対向させ(図5参照)、3辺35a〜35cを熱シールすることにより包装袋を形成する。その後、当該包装袋にシート状貼付剤1を入れて残りの一辺35dを熱シールすることにより、貼り薬の包装袋35が形成される(図5)。尚、このときシール面である押出しポリエチレンフィルム14には上記スリップ剤15による薄膜層15’が形成されているが、当該スリップ剤15は極めて薄い(1μm〜2μm)ので、上記スリップ剤15が塗工されている面同士を密着して熱を加えることにより両面をシールすることができる。
この貼り薬の包装袋35において、図6に示すように、内部のシート状貼付剤1の基材フィルム2が粘着剤層3の薬効成分を吸収して膨張し、これにより粘着剤層3が剥離紙4からはみ出して、はみ出した粘着剤層3が包装袋35の内面35’に接触したとしても、上記包装袋35の内面の押出しポリエステルフィルム14の表面にはスリップ剤15の薄膜層15’が塗工されているため、はみ出した粘着剤層3’は上記押出しポリエチレンフィルム14に直接接触することはなく、図6に示すように、上記スリップ剤の薄膜層15’を介して接触する。
このため、上記シート状貼付剤1の粘着剤層3と上記包装袋35の内面フィルム14との密着強度は非常に低くなり(例えば1.7N/15mm)、上記貼付剤1の上記粘着剤層3が上記包装袋35の内面35’(押出しポリエステルフィルム14のスリップ剤15の薄膜層15’)に強く密着することはない。
よって、上記シート状貼付剤1を取り出すときは、当該シート状貼付剤1を把持して、包装袋35の開口部方向に引き出すと、上記スリップ剤15の薄膜層15’と上記粘着剤層3(3’)は容易に分離するため、上記スリップ剤15の薄膜層15’と上記粘着剤層3とを容易に引き離して、上記シート状貼付剤1を包装袋35から容易に取り出すことができる。
次に、上記包装用積層フィルム10の各層の厚みによる作用について述べる。
上記グラビア印刷の手法により積層フィルムにスリップ剤15を塗工する際、図4のスリップ剤15の塗工工程中に、スリップ剤を塗工する積層フィルムにシワが発生するという問題が発生した。各種テストの結果、上記積層フィルムにシワが発生しても、スリップ剤15の上記効果(シート状貼付剤1の粘着剤層3のスリップ性)には問題がないことが判明したが、上記積層フィルムにシワが発生した場合、包装袋としての外観上問題がある。
そこで、本発明の発明者らは各種実験を重ねた結果、上記シワの発生は、スリップ剤15が塗工される積層フィルムの厚みを増してフィルムの腰を上げることで解消できることを見出した。
また、フィルムの厚みを増す場合、工程2のサンドラミネートの手法によって3層のフィルム(例えばポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm)/押出しポリエチレンフィルム(厚み15μm)/アルミニウム箔のフィルム(厚み7μm)の3層の積層フィルム)の積層フィルムを形成し、さらにサンドラミネートの手法によって、3層の積層フィルムの上記アルミニウム箔のフィルムに、押出しポリエチレンフィルム(厚み15μm)を介して直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)フィルム(厚み40μm)を形成し、5層の積層フィルムを形成し、上記L−LDPEフィルムの表面に上記スリップ剤15を上記グラビア印刷の手法により塗工することを試みた。
その結果、積層フィルムのシワの発生は防止できたが、フィルムの全体の厚みが増したため、フィルムがカットし難いという問題が発生した。
そこで、L−LDPEフィルム(厚み40μm)を廃止し、その代わりにポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミニウム箔のフィルム及び第4層としての押出しポリエチレンフィルムの各厚みを増すことで、フィルム全体の腰を上げつつ、易カット性を実現することを試みた。
その結果、L−LDPEフィルムを廃止し、ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みを4μm、アルミニウム箔の厚みを3μm増加し、第4層としての押出しポリエチレンフィルムの厚みを15μm増加させ、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み16μm)/押出しポリエチレンフィルム(厚み15μm)/アルミニウム箔のフィルム(厚み10μm)/押出しポリエチレンフィルム(厚み30μm)(スリップ剤塗工)の構成の4層の積層フィルム(図1(c)の包装用積層フィルム10)とすることで、当該包装用積層フィルム10に腰を与え、グラビア印刷時にフィルムのシワの発生をなくし、かつフィルムの易カット性を実現した包装用積層フィルム10を得ることができた。
また、上記包装用積層フィルム10の厚みは、上記第1層のポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みが9μm〜25μm(好ましくは14μm〜18μm)、第2層の押出しポリエチレンフィルムの厚みが13μm〜25μm(好ましくは13μm〜17μm)、第3層のアルミニウム箔のフィルムの厚みが7μm〜28μm(好ましくは8μm〜12μm)、第4層の押出しポリエチレンフィルムの厚みが13μm〜35μm(好ましくは28μm〜32μm)の範囲の厚みであっても、上記と同様の効果を発揮することができる。
(1)実施例(T字剥離実験)
図7に示すように、基材フィルム2と該フィルム2上に貼り薬の粘着剤層3を塗工した幅(横幅)15mmの帯状貼付剤1’と、本発明に係る下記の構成の幅(横幅)15mmの包装用積層フィルム10を密着させた実験用包装材36を形成し、強制的に基材フィルム2を膨張させるために、この実験用包装材36を温度40℃、湿度80%の恒温恒湿器に6ヶ月間放置し、放置後において上記帯状貼付剤1’と上記包装用積層フィルム10を互いに反対方向(矢印D,D’方向)に引き離したときの、帯状貼付剤1’と包装用積層フィルム10の密着強度を測定した。実験は4個の実験用包装材36について密着強度試験を行い、密着強度の平均値を求めた。測定結果を表1に示す。
(実験に使用した包装用積層フィルムの構成)
(構成)図1に示す包装用積層フィルム10
ポリエチレンテレフタレートフィルム11(厚み16μm)/押出しポリエチレンフィルム12(厚み15μm)/アルミニウム箔のフィルム13(厚み10μm)/押出しポリエチレンフィルム14(厚み30μm)(スリップ剤15塗工(厚み1μm〜2μm))
Figure 0005759155
(2)比較例(T字剥離実験)
スリップ剤を塗工しない下記の15mm幅(横幅)の積層フィルムを用い、上記(1)と同様の15mm(横幅)の帯状貼付剤1’と貼り合わせ、強制的に基材フィルム2を膨張させるために、上記(1)と同様に、この比較実験用包装材を温度40℃、湿度80%の恒温恒湿器に6ヶ月間放置し、放置後において上記帯状貼付剤1’と積層フィルムを互いに反対方向(矢印D,D’方向)に引き離したときの、帯状貼付剤1’と積層フィルムとの密着強度を測定した。実験は4つの比較実験用包装材について密着強度試験を行い、密着強度の平均値を求めた。測定結果を表2に示す
(比較実験に使用した積層フィルムの構成)
(構成)スリップ剤が塗工されていない積層フィルム
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み16μm)/押出しポリエチレンフィルム(厚み15μm)/アルミニウム箔のフィルム(厚み10μm)/押出しポリエチレンフィルム(厚み30μm)(スリップ剤塗工なし)
Figure 0005759155
(3)評価
帯状貼付剤1’と包装用積層フィルム10の密着強度は、握力の低下したお年寄り等でも容易にシート状貼付剤1を取り出すことができることを前提として、5.9N/15mm以下の密着強度を目標とした。
上記実施例の結果から明らかなように、本発明に係る包装用積層フィルム10によると、密着強度は比較例の14.5N/15mmより大幅に低い1.8N/15mmを実現することができ、目標の5.9N/15mm以下をクリアすることができた。
また、上記実施例の構成の包装用積層フィルム10により図5に示す包装材35を作成し、ユーザーによって実際に包装袋35からシート状貼付剤1の取り出し試験を行ったところ、問題なく円滑に取り出すことができた。また、押出しポリエチレンフィルム14の表面にスリップ剤を外部から塗工(印刷)することにより、スリップ剤のスリップ性等の機能(上記フィルム14面の平滑性)を長期間に亘り維持することができることがわかった。
また、スリップ剤15による貼付剤の薬効効果の劣化も見られなかった。
また、ユーザーによるミシン目6によるカット試験も行ったところ、円滑にカットすることができ、包装袋35の易カット性も良好であった。
本発明は、以上のように、スリップ剤15が塗工された面にシート状貼付剤1等の貼り薬の粘着剤層3が密着したとき、その密着強度を大きく低下させることができるので、貼り薬の取り出し性の良好な貼り薬の包装用積層フィルムを実現することができる。
また、上記包装用積層フィルム10のシール面としての押出しポリエチレンフィルム14の表面にスリップ剤15を薄く塗工したので、同フィルム14のシール面としての機能を損なうことなく、当該表面14と貼り薬の粘着剤層3との密着強度を低下することができる。
また、従来公知の印刷手法(例えばグラビア印刷等)によりスリップ剤15を塗工することができ、スリップ剤15を塗工するにあたって新たな機器を設置する必要がない。
また、スリップ剤15の薄膜層15’は極めて薄いので、スリップ剤15が塗工されるシール面(例えば押出しポリエチレンフィルム14の表面14’)の熱シール性等の機能を損なうことがない。
本発明の包装用積層フィルムは、貼り薬の薬効成分を逃さないためにアルミニウム箔を使用し、外部からのピンホールの防止のために表面にポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、シール面を確保するために他の表面にポリエチレンフィルムを使用している。このように、貼り薬の包装用積層フィルムとして必要とされる包装材の機能を維持しつつ、貼り薬の粘着剤層3との密着強度を低下した包装用積層フィルムを得ることができる。
また、腰のある包装用積層フィルムとしてスリップ剤15の塗工時にフィルムにシワ等の発生を防止することができると共に、易カット性も良好な貼り薬の包装用積層フィルムを実現することができる。
また、貼り薬の粘着剤層3が包装袋の内面に密着してもその密着強度を低減して貼り薬の取り出し性を良好とすることができ、かつ易カット性も良好な貼り薬の包装袋を実現し得る。
また、従来のようにスリップ剤をフィルム原材料中に混合する場合と比較して、スリップ剤を積層フィルムのシール面の表面に塗工することにより、シール面の表面におけるスリップ剤の効果を長期間に亘り持続させることができる。
本発明は、シート状貼付剤等の取り出し性の良好な貼り薬の包装用積層フィルム及び貼り薬の包装用袋を提供するものであるから、心臓用その他の各種のシップ剤、ハップ剤の包装用積層フィルム及び包装袋として広く利用することができる。また、ヒートシール層を具備する包装用積層フィルムに広く適用することができる。
1 シート状貼付剤
10 包装用積層フィルム
10’,10” 積層フィルム
11 ポリエチレンテレフタレートフィルム
12 押出しポリエチレンフィルム
13 アルミニウム箔によるフィルム
14 押出しポリエチレンフィルム
15 スリップ剤
15’ 薄膜層

Claims (7)

  1. 樹脂フィルムを含む積層フィルムにより構成された貼り薬の包装用積層フィルムであって、
    上記積層フィルムの一方の表面にスリップ剤を塗工したものであることを特徴とする貼り薬の包装用積層フィルムからなり、
    上記スリップ剤は脂肪酸アマイド及びイソプロピルアルコールの混合物又はイソプロピルアルコールから構成されるものであることを特徴とする貼り薬の包装用積層フィルム。
  2. 上記積層フィルムの一方の表面を構成するフィルムは、押出し成形により積層されたシール面としての押出しポリエチレンフィルムであり、
    上記押出しポリエチレンフィルムの上記表面に上記スリップ剤が塗工されたものであることを特徴とする請求項1記載の貼り薬の包装用積層フィルム。
  3. 上記スリップ剤は、上記積層フィルムの上記一方の表面に、グラビア印刷又はオフセット印刷又はフレキソ印刷の手法により薄膜状に塗工されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の貼り薬の包装用積層フィルム。
  4. 上記スリップ剤の厚みは1μm〜2μmであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の貼り薬の包装用積層フィルム。
  5. 上記積層フィルムは、第1層がポリエチレンテレフタレートフィルム、第2層が押出しポリエチレンフィルム、第3層がアルミニウム箔のフィルム、第4層が押出しポリエチレンフィルムであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の貼り薬の包装用積層フィルム。
  6. 上記第1層のポリエチレンテレフタレートフィルムの厚みが9μm〜25μm、第2層の押出しポリエチレンフィルムの厚みが13μm〜25μm、第3層のアルミニウム箔のフィルムの厚みが7μm〜28μm、第4層の押出しポリエチレンフィルムの厚みが13μm〜35μmであることを特徴とする請求項5記載の貼り薬の包装用積層フィルム。
  7. 上記包装用積層フィルムの2枚を、上記スリップ剤が塗工された上記積層フィルムの一方の表面を対向配置した状態で両フィルムの周辺をシールすることにより構成したものであることを特徴とする請求項1〜6の何れかの貼り薬の包装用積層フィルムを用いた貼り薬の包装袋
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