JP2014015234A - 背貼り包装袋 - Google Patents

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正信 東
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Abstract

【課題】合掌貼り形式の背貼り部を有する包装袋に関し、生産性を有し、優れた開封性を有する背貼り包装袋を提供することである。
【解決手段】一枚のフィルムの両端縁部の内面同士を合掌状に対向させシールした背貼り部と、該背貼り部と直交する端縁の内面同士をシールし、天地シール部を形成した背貼り包装袋において、
前記フィルムが、基材層とシーラント層を積層した積層フィルムからなり前記両端縁部の中、右端縁部に、天地端縁および該天地端縁と連結した天地シール部の一部に、それぞれ切り欠け部が形成され、左端縁部に、摘みとなるフラップが外方向に突出し形成され、
前記天地シール部の接着強度が、1〜25{N/15mm}の範囲であることを特徴とする背貼り包装袋である。
【選択図】図2

Description

本発明は、合掌貼り形式の背貼り部を有する包装袋に関し、特に優れた開封性を有する背貼り包装袋に関するものである。
従来、一枚のフィルムの両端縁部の内面同士を合掌状に対向させた背貼り包装袋の開封方法は、種々の提案がなされている。
例えば、基材層とイージーピール性を有するシーラント層からなる積層フィルムを用いて背貼り部を形成し、該背貼り部に二箇所のノッチを設け、該ノッチ間の背貼り部のシーラント層間を剥がし開封する包装袋の提案がある(特許文献1)。しかし、開封のきっかけが背貼り部に設けたノッチである為、小容量のスティック状ピロー袋などでは、背貼り部にノッチを設けること自体が困難であり、また、ノッチを持って開封する作業が難しい問題がある。
また、背貼り部と平行に包装袋の全長にわたって設けた二本の切れ目線を設け、該切れ目線の端縁に切込みを入れ、該二本の切り目線に沿って裏面側の積層フィルムを引き裂き、二本の切れ目線に挟まれた領域を開口する提案がある(特許文献2)。しかし、開封の際に内容物が飛び出す問題がある。
また、筒状の周方向に折り曲げられたテープ状開封片の長さ方向の延長線上に位置する背貼り部の谷折側フィルムの内縁端より包装袋内部側の非融着に傷痕を設け、引き裂き時に破断するようにしている提案がある(特許文献3)。しかしテープの挿入はコストアップに繋がり、また包装袋が二つに分離されるので、取り扱いが不便である。また包装袋の所定位置に傷痕を設ける場合、包装袋のサイズに合わせて、例えば、金属刃などの位置を変えなければならず、生産コストが、さらにアップする問題がある。
また背貼り部に一対の切れ目線を形成して、開封の際の摘み部とし、摘み部内にあって開封方向と反対側の背貼り部の折れ曲がり基部周辺のフィルムに粗面加工部を形成し、引き裂き易くした提案がある(特許文献4)。フィルム基材であるポリエステルフィルムに粗面ローラで圧着し凹部、または貫通孔を生じさせるために、別途加工工程を必要とする。包装袋の所定位置に傷痕を設けたい場合、包装袋のサイズに合わせて粗面ローラの位置を変えなければならず生産コストがアップする問題がある。
特許第4131138号公報 特許第4139620号公報 特許第4272869号公報 特許第3578419号公報
本発明は、以上のような状況に鑑みなされたものであり、合掌貼り形式の背貼り部を有する包装袋に関し、生産性を有し、優れた開封性を有する背貼り包装袋を提供することである。
上記の課題を解決するために、発明者らは鋭意検討を行い、本発明を完成した。
本発明の請求項1に係る発明は、一枚のフィルムの両端縁部の内面同士を合掌状に対向させシールした背貼り部と、該背貼り部と直交する端縁の内面同士をシールし、天地シール部を形成した背貼り包装袋において、
前記フィルムが、基材層とシーラント層を積層した積層フィルムからなり、
前記両端縁部の中、右端縁部に、天地端縁および該天地端縁と連結した天地シール部の一部に、それぞれ切り欠け部が形成され、
左端縁部に、摘みとなるフラップが外方向に突出し形成され、
前記天地シール部の接着強度が、1〜25{N/15mm}の範囲であることを特徴とする背貼り包装袋である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記シーラント層が、イージーピール性を有する樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の背貼り包装袋である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記基材層が、一軸延伸フィルムであることを特徴とする請求項1または2記載の背貼り包装袋である。
本発明の背貼り包装袋は、背貼り部に突出しているフラップを摘み、横方向に引っ張ることで、天地シール部から剥離し、背貼り部に沿って縦方向に積層フィルムを引き裂くことにより開封するものである。特に開封するために他の素材を用いたり、傷痕などの加工工程を増やす必要がなく、生産コストをアップさせず、生産性を有する背貼り包装袋である。
本発明の請求項1によれば、両端縁部の中、右端縁部に、天地端縁および該天地端縁と連結した天地シール部の一部に、それぞれ切り欠け部を設けることで、天地シール部を剥離しながら、背貼り部の基部を縦方向に積層フィルムを引き裂くことにより開封することができる。右端縁部の天地シール部は、切り欠け部によりシール幅が狭幅になっている。例えば、フラップを摘みながら横方向に引っ張ることで、天シール部を剥離しながら、狭幅シール部を引き裂いていく。狭幅シール部に到達すると引き裂く力が増大され、さらに背貼り部の基部の非シール部を縦方向に引き裂いていく。このようにして背貼り包装袋が引き裂かれる。よって開封することができる。また天地のシール強度を1〜25N/15mmの範囲にすることにより安定して剥がすことができる。また左端縁部の外側にフラップを突出させることで、フラップを摘むことにより開封し易くしたものである。
本発明の請求項2によれば、シーラント層が、イージーピール性を有する樹脂を用いることで、天地シール部を安定して剥離することができる。
本発明の請求項3によれば、基材層が、一軸延伸フィルムから形成されることで、引き裂き性を向上させることができる。開封方向と一軸延伸フィルムの延伸方向を合わせることで開封性を向上することができる。
背貼り包装袋の製袋前の積層フィルムの状態の一例を示す説明図である。 図1の積層フィルムを製袋した背貼り包装袋の一例を示す説明図である。 図2に示した背貼り包装袋を開封する状態の一例を示す説明図である。 図3の背貼り包装袋を開封した状態の一例を示す説明図である。 図4の背貼り包装袋を開封した状態の一例を示す説明図である。 本発明の積層フィルムの一例を示す説明図である。
図1は、背貼り包装袋の製袋前の積層フィルムの状態の一例を示す説明図である。一枚の積層フィルムの両端縁部には、背貼り部を形成する左端縁部2、右端縁部3が形成されている。左端縁部2には、外側にフラップ4が形成されている。また右端縁部3には、天地端縁および該天地端縁と連結した天地シール予定部5,6の一部に、それぞれ切り欠け部7、7´が形成されている。
図2は、図1の積層フィルムを製袋した背貼り包装袋の一例を示す説明図である。背貼り部8は、左端縁部、右端縁部が合掌貼り形式にシールされている。左端縁部には、連続して突出したフラップ4が形成されている。右端縁部3には、天地端縁および該天地端縁と連結した天地シール部の一部にそれぞれ切り欠け部7、7´が形成されている。天地シール部10には、切り欠け部によりシール幅を狭くした狭幅シール部9が形成されている。
図3は、図2に示した背貼り包装袋を開封する状態の一例を示す説明図である。例えば、開封する際には、フラップ4を摘み、フラップ側横方向Aに引っ張ることで、開封することができる。例えば、引っ張ると、右端縁部3の天シール部10が剥離され、次いで狭幅シール部9が引き裂かれ、その引き裂きと同時に、背貼り部8の基部の非シール部12が背貼り部に沿って、縦方向に引き裂かれる。即ち積層フィルムが引き裂かれる。
図4は、図3の背貼り包装袋を開封した状態の一例を示す説明図である。天シール部10を剥離させながら積層フィルムを縦方向に引き裂き、かつ地シール部11も剥離されながら開封される。安定して開封が可能である。
図5は、図4の背貼り包装袋を開封した状態の一例を示す説明図である。図4の背貼り包装袋の開封後の状態の一例を示す説明図である。開封された背貼り包装袋は、二つに分離されることはなく、取り扱いが容易である。
図6は、本発明の積層フィルムの一例を示す説明図である。積層フィルム1は、基材層20とシーラント層22が積層されている。また基材層20とシーラント層22との間に接着層21を介することにより強固に接着できる。また積層フィルムの諸物性、例えば酸素ガス、水蒸気などのガスバリア性、隠蔽性、剛性などの向上が必要になれば、基材層とシーラント層の間に中間層を設けることができる。中間層には、要求品質に見合うように積層すればよい。またシーラント層には、イージーピール性を有した樹脂を使用するのが好ましい。
更に発明を実施するための形態を詳しく説明する。
基材層20としては、フィルム状のものであって、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸プロピレンフィルムなどが挙げられる。またガスバリア性が必要であれば、これらのフィルムに金属酸化物を蒸着、アルミニウムを蒸着したものなどが使用できる。また一軸延伸ポリエステルフィルム、一軸延伸ナイロンフィルム、一軸延伸ポリプロピレンフィルムなどを使用することにより、更に引き裂き性を向上させることができる。開封方向と延伸方向を合わせるように一軸延伸フィルムを積層することにより可能である。
また基材層に、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができる。必要に応じて適宜添加できる。さらに基材の裏面をコロ
ナ放電処理、アンカーコート処理などの表面処理を行うことにより、シーラント層との接着性を向上させることができる。
シーラント層22としては、熱によって溶融し相互に融着し得る低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などの樹脂単体もしくはこれら樹脂の混合樹脂が使用できる。シーラント層は、これらの樹脂を押出し機により製膜したフィルムからなる。フィルムは、単層または多層でもよく、その厚みは10〜60μmの範囲、好ましくは15〜30μmの範囲に設定するとよい。
シーラント層には、内容物を密封するシール強度およびイージーピール性が必要になる。
シール強度としては、1〜25{N/15mm}の範囲が好ましい。シール強度が、1N/15mm未満であると、落下や外部からの衝撃などに対し強度不足になる心配がある。また25N/15mmを超えると開封性が難しくなる。
イージーピール性の特性については、特に限定されず、凝集剥離タイプ、層間剥離タイプを用いてもよい。
凝集破壊タイプは、シーラント層自体が凝集破壊するタイプで、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどの樹脂を混合した樹脂を用いて、フィルム化し、基材層に積層したり、またはこの樹脂の塗工液を塗布することにより使用することができる。
層間剥離タイプは、共押出し法にて三層フィルムを作成し、中間から剥離するものである。この共押出しフィルムを使用することもできる。
接着層21としては、ウレタン系接着剤などを用いたドライラミネート法またはポリエチレン樹脂による押出しラミネート法を用いることができる。基材層とシーラント層を貼り合わせることができる。特にドライラミネート法は、接着力を強固にすることができるため、積層フィルムの引き裂き性を向上させることができる。
また積層フィルムの諸物性を向上させる場合は、基材層とシーラント層との間に中間層を積層させるとよい。例えば、積層フィルムの剛性付与には、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルムなどが好ましい。またガスバリア性付与には、この中間層にも、ガスバリア性を有するフィルムを使用すればよい。
また必要に応じて、基材層の表面または裏面に印刷を行い、絵柄、文字表現を行うことができる。印刷する方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、インクジェット印刷など、通常使用される公知の方式で可能である。
本発明の背貼り包装袋の製造について説明する。
基材層の所定の部位に、レーザー加工や、金属刃を用いて二本の折り曲げ線(図には示していない)を形成する。この折り曲げ線は、製袋する際に、合掌貼り形式の背貼りをし易くしたり、また内容物を充填し易くするためのものである。しかし、特に必要がなければ、形成しなくともよい。次いで基材層とシーラント層を積層するために、シーラント層を、接着剤を介してドライラミネート法にて貼り合わせ、積層フィルムを作成する。その後、積層フィルムを所定の幅にスリットし、所定幅の積層フィルムを製袋機に通しながら
、積層フィルムの右端縁部の天地端縁および該天地端縁と連結した天地シール予定部の一部に、それぞれ切り欠け部を形成する。その後、左端縁部と重ね合わせ、合掌貼り形式にシールして背貼り部を形成する。この際、左端縁部に摘みとなるフラップを外側に突出するように形成する。その後、背貼り部と直交する端縁の内面同士をシールして天地シール部を形成する。密封された背貼り包装袋が形成される。右端縁部の天地シール部には、切り欠け部により、狭幅シールが形成される。
また、切り欠け部を形成するには、トムソン抜き刃や金属刃によるプレス抜き加工などにより行うことができる。
本発明の背貼り包装袋は、フラップを摘み、フラップ側横方向に引っ張ることで、安定して開封することができる。また開封後も包装袋が二つに分離されず取り扱いがよい。開封用の他の素材を用いたり、また傷痕などの加工工程を増やすことがなく、生産性がよい背貼り包装袋である。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
基材層としてポリエステルフィルム12μmと、シーラント層として、ポリエチレン樹脂/ポリプロピレン樹脂を混合したポリエチレン樹脂系フィルム30μmを、二液反応型ウレタン系接着剤を用いドライラミネート法により貼り合わせ、積層フィルムを作成した。
この積層フィルムを製袋機上で横方向60mm、縦方向24mmの背貼り包装袋を作成した。包装袋の形状としては、右端縁部の天地端縁および該天地端縁に連結した天地シール部の一部に、それぞれ切り欠け部を形成した。切り欠け部は、横方向8mm、縦方向3mmで形成した。次いで背貼り部を横方向5mm、縦方向18mm、またフラップを横方向7mm、縦方向24mmにて形成した。また天地シール部は、シール幅5mmとした。図2に示すような背貼り包装袋を作成した。
基材層に一軸延伸ポリエステルフィルム12μmを用い、延伸方向を積層フィルムの引き裂き方向に合わせて積層フィルムを作成した以外は、実施例1と同様に行い背貼り包装袋を作成した。
以下、具体的比較例について説明する。
<比較例1>
切り欠け部を形成しない以外は、実施例1と同様に行って背貼り包装袋を作成した。
<比較例2>
シーラント層として、ポリエチレンフィルム20μmを用いた以外は、実施例1と同様に行って背貼り包装袋を作成した。
<評価方法>
・シール強度:サンプル15mm幅、引張速度300mm/min、180°剥離、テンシロン測定機を使用。シール強度は、N/15mmで示す。
・開封性:背貼り包装袋のフラップを掴み、フラップ側横方向に引っ張り、引き裂かれ開封出来たものを○。開封出来なかったものを×とした。
<評価結果>
表1に結果を示す。
実施例1および2では、シール強度が、10N/15mmを示した。また開封性も良好であった。しかし比較例1では、切り欠け部がないために、開封できなかった。また比較例2では、シール強度が30N/15mmを示し剥離ができず開封できなかった。
本発明の背貼り包装袋は、ガムなどの固形物に最適である。特にガムの包装袋としては、使用後に包み紙として使用できる。また包装袋の縦ピロー袋、横ピロー袋、また三方シール袋などに使用できる。
1 積層フィルム
2 左端縁部
3 右端縁部
4 フラップ
5 天シール予定部
6 地シール予定部
7 切り欠け部
7´ 切り欠け部
8 背貼り部
9 狭幅シール部
10 天シール部
11 地シール部
12 非シール部
20 基材層
21 接着層
22 シーラント層
30 背貼り包装袋
A 引っ張る方向

Claims (3)

  1. 一枚のフィルムの両端縁部の内面同士を合掌状に対向させシールした背貼り部と、該背貼り部と直交する端縁の内面同士をシールし、天地シール部を形成した背貼り包装袋において、
    前記フィルムが、基材層とシーラント層を積層した積層フィルムからなり、
    前記両端縁部の中、右端縁部に、天地端縁および該天地端縁と連結した天地シール部の一部に、それぞれ切り欠け部が形成され、
    左端縁部に、摘みとなるフラップが外方向に突出し形成され、
    前記天地シール部の接着強度が、1〜25{N/15mm}の範囲であることを特徴とする背貼り包装袋。
  2. 前記シーラント層が、イージーピール性を有する樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の背貼り包装袋。
  3. 前記基材層が、一軸延伸フィルムであることを特徴とする請求項1または2記載の背貼り包装袋。
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