JP5757484B2 - ファラデー回転子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光アイソレータや光サーキュレータなどのファラデー回転子に用いられる希土類鉄ガーネット単結晶に関する。詳しくは、永久磁石を用いないビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶からなるファラデー回転子に関する。
光ファイバ通信や光計測では多くの場合、信号源として半導体レーザが使用されている。しかし、半導体レーザは、光ファイバ端面などから反射し、再び半導体レーザ自身に戻ってくるところの所謂反射戻り光があると、発振が不安定になるという重大な欠点がある。そのため半導体レーザの出射側に光アイソレータを設けて、反射戻り光を遮断し、半導体レーザの発振を安定化させることが行われている。
一般的に、光アイソレータは偏光子、検光子、ファラデー回転子およびファラデー回転子を磁気的に飽和させるための永久磁石からなる。このファラデー回転子として用いられるビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶の中には、いったん外部磁界を加え磁気的に飽和させた後、外部磁界を無くしても磁気的飽和状態が保たれるという性能を有するものがある。この特性を有するファラデー回転子を用いた場合、光アイソレータにおいて、永久磁石が不要となるため、光アイソレータの小型化やコスト面において非常に大きなメリットがある。
これまで、このように光アイソレータといった光部品を構成する場合に、永久磁石を必要しない性能を有するビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶には、(TbBi)(FeGaAl)12(特許文献1)、(TbHoBi)(FeGa)12(特許文献2)、(EuHoBi)(FeGa)12(特許文献3)、(TbYbBi)(FeGa)12(特許文献4)等が提案され、また、実用化されている。
一般に、ファラデー回転子として使用されるビスマスを置換した希土類鉄ガーネット単結晶(以下、RIGと適宜略す)は、液相エピタキシャル(以下、LPEと略す)法にて、主に3インチ(111)ガーネット単結晶(GdCa)(GaMgZr)12基板を用いて育成される。その後、10mm×10mm程度へ切断し、両面を鏡面に研磨後、両面に反射防止膜を付着するという製造工程を歩む。
その後、1mm×1mm程度のチップの製品形状に切断した後に、永久磁石を不要とする性能を有するRIGでは、外部から磁界を加え磁気的に飽和させ、永久磁石が不要なファラデー回転子として用いられる。
永久磁石を必要としないファラデー回転子にて問題となるのが、外部磁界及び環境温度の影響で磁気的な飽和状態が破られる、という点である。光アイソレータが使用される温度環境は、通常、−40〜85℃であり、また光アイソレータの設置場所に外部磁界が存在するケースも想定される。したがって、−40〜85℃の温度範囲で、外部磁界が存在した場合、例えば100(Oe)程度、好ましくは200(Oe)程度までの外部磁界が存在した場合にも、一旦飽和させたファラデー回転角が維持されることが、これらファラデー回転子には望まれる。ここで、外部磁界、特に磁気的に飽和したファラデー回転子に対して逆向きの磁界であって、この磁気的に飽和した状態を破る磁界を保磁力Hcと定義する。
永久磁石を不要とする性能を有するRIGとするためには、すなわち大きなHcをRIGに持たせるためには、RIGの磁気異方性を上げ、飽和磁界(以下、Hsと適宜略す)を下げることが有効である。したがって、磁気異方性の増大に寄与する希土類元素やその組み合わせを選択して、かつ四面体サイトの鉄を非磁性元素で置換するなどして飽和磁界を下げることが有効となる。四面体サイトの鉄を置換する非磁性元素には、一般にGaやAlが使われる。これは、GaやAlが四面体と八面体の2サイトある鉄の内、四面体サイトの方に選択的に置換され、フェリ磁性体であるRIGの飽和磁界を下げる効果があるためである。特にGaの四面体へのサイト選択率は、一般に90%程度と言われていて飽和磁界を下げる目的に適している。特許文献1〜4のRIGでは、飽和磁界を下げて、永久磁石を不要とする性能を有するRIGが実現される。
しかしながら、これら非磁性元素にて鉄を置換すると、ファラデー回転角45degのファラデー回転子において、温度1℃当たりのファラデー回転角の変化(以下、温度特性と記す)が非磁性元素量の増加と共に悪化することが知られている。構成する希土類の種類に応じて異なるが、通常、非磁性イオンで置換しないファラデー回転子の温度特性は絶対値で、0.045〜0.07(deg/℃)(以下、温度特性値は絶対値の値で表記する)であるのに対して、一般に市販されていて永久磁石を必要としない、特許文献2または特許文献3記載のRIGでは、その温度特性が0.09〜0.1(deg/℃)と大きい。RIGの大きな温度特性は、光アイソレータの外部温度変化による性能低下の要因となる。
一方、特許文献1記載のRIGは、温度特性は0.07〜0.08(deg/℃)と比較的良好であるが、このRIGからなる市販されているファラデー回転子のHcの保証値は室温にて200(Oe)(製品カタログ値)であり、他の市販品(400〜500(Oe))と比較すると小さい。更に、高温にてHcの低下が大きいことを本発明者らは確認している。RIGの磁気的な物性である磁気異方性定数を大きくするとHcは大きくなる。磁気異方性定数と、希土類イオンの種類やそのイオン半径に関連があることは一般に知られている。特許文献1記載のRIGに、イオン半径が小さく磁性を有するHoを加えてHcの向上を提案したものが特許文献2であり、特許文献3では磁性を有してイオン半径の異なるEuとHoが組み合わされている。特許文献4で特許文献1記載のRIGに、イオン半径が小さく磁性を有するYbを組み合わせることでも大きなHcを有することを見出して、そして、その温度特性が従来よりも小さな0.075〜0.08(deg/℃)であるRIGが提案されている。
さらに、特許文献5においては、特許文献2及び特許文献4記載のRIGに、RIGを育成する際の坩堝材を金とし、加えてCaをRIGに混入させることで、その温度特性が0.075(deg/℃)以下となることが見出されている。しかし、温度特性の向上のためには、坩堝材に金を用いることが必須であり、従来から使用されていて、金よりも融点が高く、生産性に優れている白金製の坩堝が使用できないという制約がある。
また、育成後の熱処理で鉄サイトを置換しているGaのサイト選択率を変化させることが知られているが(非特許文献1)、この場合は雰囲気制御用の熱処理炉という大掛かりな装置が必要となり、さらに熱処理工程のための工数が必要となる。
特許第3520889号 特開平10−31112 特許第3198053号 特開2010−72263 特開2010−256588
バブル技術ハンドブック 電気学会著 オーム社
本発明者らは、Hcの大きな特許文献2にて提案されているRIGにおいて、実績のある生産性の高い白金坩堝を使って生産してもなお、温度特性に優れた当該ファラデー回転子の製造方法を提供することを課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、育成温度の上昇と共に、RIGの鉄サイトへ置換されるGaにおいて、飽和磁界を下げる効果がある四面体サイトへのサイト選択率が上昇するという知見を得、結果として従来よりも少ないGa置換量にて、RIGの温度特性を悪化させることなく、飽和磁界を低下させることが可能であるとの知見を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、化学式Tb3−x−yHoBiFe5−zGa12(式中、0.4≦x≦0.7,1.1≦y≦1.3,0.6≦z≦0.75)で示される、液相エピタキシャル法にて育成されるビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶及びこれを磁化処理してなる角型ヒステリシスを示すファラデー回転子の製造方法において、結晶育成温度を870℃以上950℃以下とすることで、温度特性0.075(deg/℃)以下が達成された。
育成温度と飽和磁界を調整するために必要なGa置換量と、温度特性の関係を示したグラフ図。
表1は、実施例1〜5、比較例1〜2の製造方法で作製したファラデー回転子の評価結果をまとめたものである。
Figure 0005757484
表1内における各実施例および各比較例に記載した方法により製造したRIGにおいて、その時の育成温度とRIG中のGaの置換量及び温度特性の関係を図1に示す。表1内、Hcの値の定義としては、下記実施例で述べているように得られたRIGにおいて、1mm×1mmチップに加工された100チップのHcにおける平均値とし、さらに十分なHcが得られたという判断基準を上記100チップのHcにおける平均値が1000(Oe)以上であることとした。HcはHsに反比例するため、表1における飽和磁界が70(Oe)を超えると、Hcが低くなる。また、30(Oe)未満では、磁気補償温度が室温付近となるため、Hcが高くなり過ぎて、製品化する際に大きな着磁磁界を必要とするなどの支障が生じる。
図1で明確なように、育成温度の上昇とともに十分なHcを得るための、飽和磁界の調整に必要なGa置換量は減少し、それに伴い温度特性が向上することを本発明者らは見出した。飽和磁界の調整に必要なGa量が減少した理由は、育成温度の上昇と共に、RIGの鉄サイトへ置換されるGaにおいて、飽和磁界を下げる効果がある鉄サイトの四面体サイトへのサイト選択率が上昇したためと、本発明者らは考えている。図1より、育成温度が870℃以上とすることで温度特性0.075(deg/℃)以下が達成できる。
また、本発明は坩堝材の制約が無いため、金坩堝を用いた製造方法でも有効である。金は融点が1064℃と低いため、育成温度は950℃以下であることが望ましいが、白金製のルツボを使用する際はそれ以上の育成温度でもよい。
Hoの置換量xは、0.4以上0.7以下が好ましい。xが0.4未満ではBiの置換量が減りファラデー効果が低下して必要な膜厚が厚くなるので好ましくない。逆にxが0.7を超えるとBiが多く入ることになるが、Biを多量に置換すると結晶の質や生産性が低下するので好ましくない。Hoの置換量xを上記の様に設定することで、RIG中の希土類サイトにおけるHo、Tb、Biの各イオン半径と使用する基板の格子定数との整合性によりTb、Biの置換量はそれぞれ決定され、Biの置換量yは1.1以上1.3以下となる。
Gaの置換量zは、できるだけ少ないことがファラデー回転角の温度特性に対して有効である。本発明を用いると、Gaの置換量zは0.6〜0.75の範囲で上記飽和磁界を得ることができる。
本発明は、組成(TbHoBi)(FeGa)Oに関するものであるが、特許文献1記載の(TbBi)(FeGaAl)12、特許文献4及び特許文献5記載の(TbYbBi)(FeGa)12等においても、育成温度を上昇させることで飽和磁界の調整に必要なGa及びAl量が減少し、温度特性が向上することが期待できる。
本発明に用いる上記RIG膜の製造に用いる種結晶基板としては、公知のものが使用できる。一般には、SGGG基板と称して市販されている格子定数が1.2490nmから1.2515nmの非磁性ガーネット(GdCa)(GaMgZr)12基板から適宜選択する。
以下、表1に記載したRIGの製法と評価結果の詳細を記載する。実施例や比較例では、すべて3Nかそれ以上の高純度試薬を用いている。また、いずれの製法による液相エピタキシャル法における結晶育成中においては、特別な雰囲気制御は実施していなく、いずれも大気中で行っている。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1
白金製坩堝に原料、酸化ビスマス(Bi)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化テルビウム(Tb)、酸化ガリウム(Ga)、酸化第2鉄(Fe)、酸化ほう素(B)、酸化鉛(PbO)において、酸化第2鉄に対する酸化ガリウムのモル比[Ga]/[Fe]が0.11、さらに酸化ホルミウム、酸化テルビウム、酸化第2鉄、酸化ガリウムのそれぞれのモル分率の和が0.19となるように仕込み、融液とした。
この融液を精密縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱溶融し、十分に攪拌することで均一に混合してRIG育成融液とした。ここに得られた融液の温度を878℃まで低下させて後、融液表面に、格子定数が1.2496nmの3インチ(111)ガーネット単結晶(GdCa)(GaMgZr)12基板の片面を接触させ、基板を回転させながらエピタキシャル成長を行い、RIG(以下RIG−1と記す)を得た。RIG−1の飽和磁界Hsを測定した結果、値は40(Oe)であった。このRIG−1をICP発光分析法で分析した結果、組成はTb1.21Ho0.54Bi1.25Fe4.27Ga0.7312であった。得られたRIG−1を11mm×11mmに分割した後、基板を除去し、ファラデー回転角が45度になるように厚さを調整した。その後、波長1550nmを中心とする反射防止膜を付与した。
次に、任意の11mm×11mmのRIG−1を1枚選択し、ファラデー回転角の温度特性を測定した結果、値は0.075(deg/℃)であった。
このRIG−1、1枚を1mm×1mmの大きさに切断した。得られたチップ100個において、各々の保磁力Hcを測定した結果、100個のHcの平均値は1384(Oe)であった。
実施例2
白金製坩堝に原料、酸化ビスマス(Bi)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化テルビウム(Tb)、酸化ガリウム(Ga)、酸化第2鉄(Fe)、酸化ほう素(B)、酸化鉛(PbO)において、酸化第2鉄に対する酸化ガリウムのモル比[Ga]/[Fe]が0.11、さらに酸化ホルミウム、酸化テルビウム、酸化第2鉄、酸化ガリウムのそれぞれのモル分率の和が0.20となるように仕込み、融液とした。
この融液を精密縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱溶融し、十分に攪拌することで均一に混合してRIG育成融液とした。ここに得られた融液の温度を891℃まで低下させて後、融液表面に、格子定数が1.2496nmの3インチ(111)ガーネット単結晶(GdCa)(GaMgZr)12基板の片面を接触させ、基板を回転させながらエピタキシャル成長を行い、RIG(以下RIG−2と記す)を得た。RIG−2の飽和磁界Hsを測定した結果、値は35(Oe)であった。このRIG−2をICP発光分析法で分析した結果、組成はTb1.25Ho0.53Bi1.22Fe4.28Ga0.7212であった。得られたRIG−2を11mm×11mmに分割した後、基板を除去し、ファラデー回転角が45度になるように厚さを調整した。その後、波長1550nmを中心とする反射防止膜を付与した。
次に、任意の11mm×11mmのRIG−2を1枚選択し、ファラデー回転角の温度特性を測定した結果、値は0.074(deg/℃)であった。
このRIG−2、1枚を1mm×1mmの大きさに切断した。得られたチップ100個において、各々の保磁力Hcを測定した結果、100個のHcの平均値は1516(Oe)であった。
実施例3
白金製坩堝に原料、酸化ビスマス(Bi)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化テルビウム(Tb)、酸化ガリウム(Ga)、酸化第2鉄(Fe)、酸化ほう素(B)、酸化鉛(PbO)において、酸化第2鉄に対する酸化ガリウムのモル比[Ga]/[Fe]が0.11、さらに酸化ホルミウム、酸化テルビウム、酸化第2鉄、酸化ガリウムのそれぞれのモル分率の和が0.21となるように仕込み、融液とした。
この融液を精密縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱溶融し、十分に攪拌することで均一に混合してRIG育成融液とした。ここに得られた融液の温度を901℃まで低下させて後、融液表面に、格子定数が1.2496nmの3インチ(111)ガーネット単結晶(GdCa)(GaMgZr)12基板の片面を接触させ、基板を回転させながらエピタキシャル成長を行い、RIG(以下RIG−3と記す)を得た。RIG−3の飽和磁界Hsを測定した結果、値は65(Oe)であった。このRIG−3をICP発光分析法で分析した結果、組成はTb1.24Ho0.51Bi1.25Fe4.30Ga0.7012であった。得られたRIG−3を11mm×11mmに分割した後、基板を除去し、ファラデー回転角が45度になるように厚さを調整した。その後、波長1550nmを中心とする反射防止膜を付与した。
次に、任意の11mm×11mmのRIG−3を1枚選択し、ファラデー回転角の温度特性を測定した結果、値は0.072(deg/℃)であった。
このRIG−3、1枚を1mm×1mmの大きさに切断した。得られたチップ100個において、各々の保磁力Hcを測定した結果、100個のHcの平均値は1008(Oe)であった。
比較例1
白金製坩堝に原料、酸化ビスマス(Bi)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化テルビウム(Tb)、酸化ガリウム(Ga)、酸化第2鉄(Fe)、酸化ほう素(B)、酸化鉛(PbO)において、酸化第2鉄に対する酸化ガリウムのモル比[Ga]/[Fe]が0.13、さらに酸化ホルミウム、酸化テルビウム、酸化第2鉄、酸化ガリウムのそれぞれのモル分率の和が0.13となるように仕込み、融液とした。
この融液を精密縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱溶融し、十分に攪拌することで均一に混合してRIG育成融液とした。ここに得られた融液の温度を790℃まで低下させて後、融液表面に、格子定数が1.2496nmの3インチ(111)ガーネット単結晶(GdCa)(GaMgZr)12基板の片面を接触させ、基板を回転させながらエピタキシャル成長を行い、RIG(以下RIG−4と記す)を得た。RIG−4の飽和磁界Hsを測定した結果、値は50(Oe)であった。このRIG−4をICP発光分析法で分析した結果、組成はTb1.17Ho0.58Bi1.25Fe4.17Ga0.8312であった。得られたRIG−4を11mm×11mmに分割した後、基板を除去し、ファラデー回転角が45度になるように厚さを調整した。その後、波長1550nmを中心とする反射防止膜を付与した。
次に、任意の11mm×11mmのRIG−4を1枚選択し、ファラデー回転角の温度特性を測定した結果、値は0.085(deg/℃)であった。
このRIG−4、1枚を1mm×1mmの大きさに切断した。得られたチップ100個において、各々の保磁力Hcを測定した結果、100個のHcの平均値は1574(Oe)であった。
比較例2
白金製坩堝に原料、酸化ビスマス(Bi)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化テルビウム(Tb)、酸化ガリウム(Ga)、酸化第2鉄(Fe)、酸化ほう素(B)、酸化鉛(PbO)において、酸化第2鉄に対する酸化ガリウムのモル比[Ga]/[Fe]が0.12、さらに酸化ホルミウム、酸化テルビウム、酸化第2鉄、酸化ガリウムのそれぞれのモル分率の和が0.15となるように仕込み、融液とした。
この融液を精密縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱溶融し、十分に攪拌することで均一に混合してRIG育成融液とした。ここに得られた融液の温度を823℃まで低下させて後、融液表面に、格子定数が1.2496nmの3インチ(111)ガーネット単結晶(GdCa)(GaMgZr)12基板の片面を接触させ、基板を回転させながらエピタキシャル成長を行い、RIG(以下RIG−5と記す)を得た。RIG−5の飽和磁界Hsを測定した結果、値は55(Oe)であった。このRIG−5をICP発光分析法で分析した結果、組成はTb1.19Ho0.59Bi1.22Fe4.23Ga0.7712であった。得られたRIG−5を11mm×11mmに分割した後、基板を除去し、ファラデー回転角が45度になるように厚さを調整した。その後、波長1550nmを中心とする反射防止膜を付与した。
次に、任意の11mm×11mmのRIG−5を1枚選択し、ファラデー回転角の温度特性を測定した結果、値は0.080(deg/℃)であった。
このRIG−5、1枚を1mm×1mmの大きさに切断した。得られたチップ100個において、各々の保磁力Hcを測定した結果、100個のHcの平均値は1313(Oe)であった。

Claims (1)

  1. 化学式Tb3−x−yHoBiFe5−zGa12(式中、0.4≦x≦0.7,1.1≦y≦1.3,0.6≦z≦0.75)で示される、液相エピタキシャル法にて育成されるビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶及びこれを磁化処理してなる角型ヒステリシスを示すファラデー回転子の製造方法において、結晶育成温度を870℃以上950℃以下とすることを特徴とする製造方法。
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