JP4432875B2 - ガーネット単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フラックス法を用いて磁性ガーネットなどの単結晶を育成するガーネット単結晶の製造方法に関する。
ファラデー回転子は、透過する光の偏光面を回転させる機能を有する光学素子であり、光アイソレータ、光アッテネータ、光磁界センサ等の光デバイスに使用される。ファラデー回転子は、一般に板状のビスマス(Bi)置換希土類鉄ガーネット単結晶を用いて作製される。Bi置換希土類鉄ガーネット単結晶は、フラックス法の一種である液相エピタキシャル(LPE)法により育成される。
フラックス法等の溶液法によりBi置換希土類鉄ガーネット単結晶を育成する際には、過飽和状態を保ちながらガーネット単結晶を安定に成長させるために、一般にPbO、Bi及びBが溶媒として用いられる。このため磁性ガーネット単結晶の育成時には結晶中に少量の鉛(Pb)が混入する。従来、通信用光デバイスに使用されるファラデー回転子には、化学式Bi3−α−βM1αPbβFe5−γ−δM2γM3δ12においてPbの量βが0.03〜0.06程度である磁性ガーネット単結晶が用いられる。
特開2001−044026号公報 特開2001−044027号公報
ところが近年の環境保護運動の高まりと共に、全ての工業製品で環境負荷物質であるPbの含有量を削減する努力がなされている。従って、LPE法により育成する磁性ガーネット単結晶においても、少量ではあるが混入するPbが環境汚染の要因になり得るとして問題になってきた。そこでファラデー回転子を構成する材料である磁性ガーネット単結晶に含有するPbの量を削減する必要が生じている。
本発明の目的は、Pbの含有量を削減したガーネット単結晶の製造方法を提供することにある。
上記目的は、B、Na及びBiを含み、Naの配合率y(mol%)とBiの配合率z(mol%)とが0<y/(y+z)≦0.41を満たす溶液を生成し、前記溶液を用いてガーネット単結晶を育成することを特徴とするガーネット単結晶の製造方法によって達成される。
また上記目的は、B、Na及びBiを含み、Bの配合率x(mol%)とNaの配合率y(mol%)とBiの配合率z(mol%)とが0<y/(y+z)≦0.0143x+0.24を満たす溶液を生成し、前記溶液を用いてガーネット単結晶を育成することを特徴とするガーネット単結晶の製造方法によって達成される。
上記本発明のガーネット単結晶の製造方法であって、前記配合率xは2.0mol%以上12.0mol%以下であることを特徴とする。
さらに上記目的は、B、Na及びBiを含み、Bの配合率xが2.0mol%以上12.0mol%以下である溶液を生成し、前記溶液を用いてガーネット単結晶を育成することを特徴とするガーネット単結晶の製造方法によって達成される。
本発明によれば、Pbの含有量を削減したガーネット単結晶を実現できる。
本発明の一実施の形態によるガーネット単結晶の製造方法について図1乃至図3を用いて説明する。本実施の形態では、ガーネット単結晶に微量含まれていたPbを完全に除去するために、従来の溶媒に含まれるPbをナトリウム(Na)で代替し、Na、Bi及びホウ素(B)を含む溶媒からBi置換希土類鉄ガーネット単結晶を育成する。ところが、Na、Bi及びBを含む溶媒からガーネット単結晶を育成する技術は開発されて間もないため、ガーネット単結晶を安定に育成できる育成条件の詳細は明らかになっていない。特に、溶媒の成分であるNa、Bi及びBに関する育成条件は分かっていない。そのため、育成条件によってはガーネット単結晶が得られないという問題や、欠陥や割れが多数あるガーネット単結晶しか得られないという問題が生じ得る。
本実施の形態では、Naの配合率やBの配合率を変えた種々の育成条件でガーネット単結晶の育成を試みた。ここで、本願明細書中で用いられる「配合率」とは、ルツボに充填されるNa、Bi、B、鉄(Fe)、希土類元素など溶液中でカチオン(陽イオン)となる元素の総mol数に占める各元素のmol数の割合(mol%)のことである。例えば、配合したBのmol数をaとして、同じく配合したNa、Bi、B、Fe及び希土類元素の総mol数をbとすると、Bの配合率xは(100×a/b)mol%となる。本実施の形態では、Bの配合率x(mol%)と、Na及びBiの配合率をそれぞれy(mol%)及びz(mol%)としたときのNa配合比(y/(y+z))とを育成条件のパラメータとして用いた。
図1は、Bの配合率xとNa配合比(y/(y+z))との関係を示すグラフである。グラフの横軸はBの配合率x(mol%)を表し、縦軸はNa配合比(y/(y+z))を表している。まず、Bの配合率xを変えてガーネット単結晶の育成を試みた。Bの配合率xが2.0mol%より小さいと過飽和状態を保つことができず、溶液の温度が飽和温度より低くなるとガーネットが溶液中に析出してしまい単結晶を育成できなかった。一方、Bの配合率xが2.0mol%以上の条件では過飽和状態を保つことができ、ガーネット単結晶を育成できた。ただし、Bの配合率xが12.0mol%より大きくなると溶液の粘性が増してしまうため、ガーネット単結晶に割れや欠陥が多数発生してしまった。したがって、Bの配合率xが2.0mol%以上12.0mol%以下である場合(図1の直線a、b及びその間)に、割れや欠陥のないガーネット単結晶を安定に育成できることが分かった。
次に、Na配合比(y/(y+z))を変えてガーネット単結晶が育成できる条件を検討した。Na配合比(y/(y+z))が比較的小さいときにはガーネットが溶液中に析出したが、Na配合比(y/(y+z))が大きくなるとナトリウムフェライト(NaFeO)が溶液中に析出した。ガーネットが析出する条件とナトリウムフェライトが析出する条件との境界は、Bの配合率xによって変化する。Na配合比(y/(y+z))とBの配合率x(mol%)がy/(y+z)≦0.0143x+0.24を満たすとき(図1の直線c及びそれより下)にガーネットが析出し、それ以外のときはナトリウムフェライトが析出することが分かった。
Bの配合率xが増加すると、ガーネットの析出が可能なNa配合比(y/(y+z))の値が大きくなる。Bの配合率xが2.0mol%以上12.0mol%以下の範囲では、配合率xが12.0mol%のときに、ガーネットの析出が可能なNa配合比(y/(y+z))が最大の約0.41(=0.0143×12.0+0.24)となる。したがって、Na、Bi、Bを含む溶液からガーネット単結晶を育成するためには、Na配合比(y/(y+z))を0.41以下にすること(図1の直線d及びそれより下)が少なくとも必要である。
Naの配合率yが少ない溶媒であっても更にカリウム(K)を溶媒として加えることでガーネットが析出した。これにより、Na配合比(y/(y+z))が0より大きければ(図1の直線eより上)ガーネット単結晶を育成できることが分かった。
したがって、Na配合比(y/(y+z))が0より大きく0.41以下である場合(0<y/(y+z)≦0.41)、特にNa配合比(y/(y+z))が0より大きく0.0143x+0.24以下である場合(0<y/(y+z)≦0.0143x+0.24)にガーネット単結晶を育成できることが分かった。また、Na配合比(y/(y+z))が0より大きく0.0143x+0.24以下であって、かつBの配合率xが2.0mol%以上12.0mol%以下である場合(0<y/(y+z)≦0.0143x+0.24,2.0(mol%)≦x≦12.0(mol%))に、ガーネット単結晶をより安定に育成できることが分かった。
以上のように本実施の形態によれば、Pbの含有量を削減したガーネット単結晶を育成できる。また本実施の形態によれば、Na、Bi及びBを含む溶媒を用いてファラデー回転子に適したBi置換希土類鉄ガーネット単結晶を安定に育成することが可能になる。
以下、本実施の形態によるガーネット単結晶の製造方法について、実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。
(実施例1)
図2は、単結晶を育成する工程の一部を示している。まず金(Au)製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率zは、それぞれ7.0mol%、25.4mol%、51.6mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.33(≦0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液(溶液)8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG(ガドリニウム・ガリウム・ガーネット)基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。770℃まで融液8の温度を下げてから基板10の片面を融液8に接触させてエピタキシャル成長を4時間行った。その結果、欠陥のない膜厚80μmの単結晶膜12が育成できた。蛍光X線分析法により単結晶を組成分析したところ、組成はBi1.00Gd1.70Yb0.30Fe5.0012であり、Naは検出できたが組成を確定することはできなかった。次にICP(Inductively Coupled Plasma;高周波誘導結合プラズマ)分析法で詳しく組成を評価したところ、磁性ガーネット単結晶の化学式は、(BiGdYb)2.998Na0.002Fe5.00012であることが分かり、ファラデー回転子に使用可能なBi置換希土類鉄ガーネット単結晶であることを確認した。
(実施例2)
Au製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率zは、それぞれ7.0mol%、15.4mol%、61.6mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.20(≦0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。790℃まで融液8の温度を下げてから基板10の片面を融液8に接触させてエピタキシャル成長を4時間行った。その結果、欠陥のない膜厚80μmの単結晶膜12が育成できた。蛍光X線分析法により単結晶を組成分析したところ、組成はBi1.00Gd1.70Yb0.30Fe5.0012であり、Naは検出できたが組成を確定することはできなかった。次にICP分析法で詳しく組成を評価したところ、磁性ガーネット単結晶の化学式は、(BiGdYb)2.998Na0.002Fe5.00012であることが分かり、ファラデー回転子に使用可能なBi置換希土類鉄ガーネット単結晶であることを確認した。
(実施例3)
Au製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOH、KOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率z、Kの配合率は、それぞれ7.0mol%、2.8mol%、53.9mol%、20.3mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.05(≦0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。770℃まで融液8の温度を下げてから基板10の片面を融液8に接触させてエピタキシャル成長を4時間行った。その結果、欠陥のない膜厚80μmの単結晶膜12が育成できた。蛍光X線分析法により単結晶を組成分析したところ、組成はBi1.00Gd1.70Yb0.30Fe5.0012であり、Naは検出できたが組成を確定することはできなかった。次にICP分析法で詳しく組成を評価したところ、磁性ガーネット単結晶の化学式は、(BiGdYb)2.998Na0.002Fe5.00012であることが分かり、ファラデー回転子に使用可能なBi置換希土類鉄ガーネット単結晶であることを確認した。
(実施例4)
Au製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率zは、それぞれ2.0mol%、21.4mol%、60.8mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.26(≦0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。770℃まで融液8の温度を下げてから基板10の片面を融液8に接触させてエピタキシャル成長を4時間行った。その結果、欠陥のない膜厚50μmの単結晶膜12が育成できた。蛍光X線分析法により単結晶を組成分析したところ、組成はBi1.00Gd1.70Yb0.30Fe5.0012であり、Naは検出できたが組成を確定することはできなかった。次にICP分析法で詳しく組成を評価したところ、磁性ガーネット単結晶の化学式は、(BiGdYb)2.998Na0.002Fe5.00012であることが分かり、ファラデー回転子に使用可能なBi置換希土類鉄ガーネット単結晶であることを確認した。
(実施例5)
Au製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOH、KOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率z、Kの配合率は、それぞれ2.0mol%、3.0mol%、57.5mol%、21.6mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.05(≦0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。770℃まで融液8の温度を下げてから基板10の片面を融液8に接触させてエピタキシャル成長を4時間行った。その結果、欠陥のない膜厚50μmの単結晶膜12が育成できた。蛍光X線分析法により単結晶を組成分析したところ、組成はBi1.00Gd1.70Yb0.30Fe5.0012であり、Naは検出できたが組成を確定することはできなかった。次にICP分析法で詳しく組成を評価したところ、磁性ガーネット単結晶の化学式は、(BiGdYb)2.998Na0.002Fe5.00012であることが分かり、ファラデー回転子に使用可能なBi置換希土類鉄ガーネット単結晶であることを確認した。
(実施例6)
Au製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率zは、それぞれ12.0mol%、28.8mol%、43.1mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.40(≦0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。800℃まで融液8の温度を下げてから基板10の片面を融液8に接触させてエピタキシャル成長を4時間行った。その結果、欠陥のない膜厚80μmの単結晶膜12が育成できた。蛍光X線分析法により単結晶を組成分析したところ、組成はBi1.00Gd1.70Yb0.30Fe5.0012であり、Naは検出できたが組成を確定することはできなかった。次にICP分析法で詳しく組成を評価したところ、磁性ガーネット単結晶の化学式は、(BiGdYb)2.998Na0.002Fe5.00012であることが分かり、ファラデー回転子に使用可能なBi置換希土類鉄ガーネット単結晶であることを確認した。
(実施例7)
Au製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率zは、それぞれ12.0mol%、14.4mol%、57.5mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.20(≦0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。820℃まで融液8の温度を下げてから基板10の片面を融液8に接触させてエピタキシャル成長を4時間行った。その結果、欠陥のない膜厚80μmの単結晶膜12が育成できた。蛍光X線分析法により単結晶を組成分析したところ、組成はBi1.00Gd1.70Yb0.30Fe5.0012であり、Naは検出できたが組成を確定することはできなかった。次にICP分析法で詳しく組成を評価したところ、磁性ガーネット単結晶の化学式は、(BiGdYb)2.998Na0.002Fe5.00012であることが分かり、ファラデー回転子に使用可能なBi置換希土類鉄ガーネット単結晶であることを確認した。
(実施例8)
Au製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOH、KOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率z、Kの配合率は、それぞれ12.0mol%、2.6mol%、50.3mol%、18.9mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.05(≦0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。800℃まで融液8の温度を下げてから基板10の片面を融液8に接触させてエピタキシャル成長を4時間行った。その結果、欠陥のない膜厚50μmの単結晶膜12が育成できた。蛍光X線分析法により単結晶を組成分析したところ、組成はBi1.00Gd1.70Yb0.30Fe5.0012であり、Naは検出できたが組成を確定することはできなかった。次にICP分析法で詳しく組成を評価したところ、磁性ガーネット単結晶の化学式は、(BiGdYb)2.998Na0.002Fe5.00012であることが分かり、ファラデー回転子に使用可能なBi置換希土類鉄ガーネット単結晶であることを確認した。
(比較例1)
Au製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率zは、それぞれ13.0mol%、28.4mol%、42.5mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.40(≦0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。800℃まで融液8の温度を下げてから基板10の片面を融液8に接触させてエピタキシャル成長を4時間行った。その結果、膜厚30μmの単結晶膜12が育成できたが、単結晶膜に多数の結晶欠陥が発生し、ファラデー回転子に使用することは不可能であった。
(比較例2)
Au製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOH、KOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率z、Kの配合率は、それぞれ13.0mol%、2.5mol%、49.4mol%、18.9mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.05(≦0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。800℃まで融液8の温度を下げてから基板10の片面を融液8に接触させてエピタキシャル成長を4時間行った。その結果、膜厚30μmの単結晶膜12が育成できたが、単結晶膜に多数の結晶欠陥が発生し、ファラデー回転子に使用することは不可能であった。
(比較例3)
Au製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率zは、それぞれ12.0mol%、32.4mol%、39.5mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.45(>0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。800℃まで融液8の温度を下げたところ、融液8中に固形物が析出したため単結晶膜の育成を中断した。炉を室温まで冷却した後、ルツボ4中の材料表面に析出していた固形物をX線回折装置で分析した。固形物はNaFeOであることが分かった。
(比較例4)
Au製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率zは、それぞれ7.0mol%、30.8mol%、46.2mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.40(>0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。770℃まで融液8の温度を下げてところ、融液8中に固形物が析出したため単結晶膜の育成を中断した。炉を室温まで冷却した後、ルツボ4中の材料表面に析出していた固形物をX線回折装置で分析した。固形物はNaFeOであることが分かった。
(比較例5)
Au製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率zは、それぞれ2.0mol%、24.7mol%、57.5mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.30(>0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。770℃まで融液8の温度を下げたところ、融液8中に固形物が析出したため単結晶膜の育成を中断した。炉を室温まで冷却した後、ルツボ4中の材料表面に析出していた固形物をX線回折装置で分析した。固形物はNaFeOであることが分かった。
(比較例6)
Au製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率zは、それぞれ1.0mol%、21.6mol%、61.6mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.26(>0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。770℃まで融液8の温度を下げたところ、融液8中に固形物が析出したため単結晶膜の育成を中断した。炉を室温まで冷却した後、ルツボ4中の材料表面に析出していた固形物をX線回折装置で分析した。固形物はガーネットであることが分かった。
(比較例7)
Au製のルツボ4に、合計で2.3kgの重量になるGd、Yb、Fe、B、Bi、NaOH、KOHを充填した。Feの配合率は15.5mol%であった。また、Bの配合率x、Naの配合率y、Biの配合率z、Kの配合率は、それぞれ1.0mol%、3.0mol%、58.5mol%、21.6mol%であった。Na配合比(y/(y+z))は0.05(≦0.0143x+0.24)であった。材料が充填されたルツボ4を電気炉に配置した。900℃まで炉温を上げてルツボ4内の材料を融解して攪拌し、均一な融液8を生成した。直径2インチのCaMgZr置換GGG基板10を固定冶具2に取り付けて炉内に投入した。770℃まで融液8の温度を下げたところ、融液8中に固形物が析出したため単結晶膜の育成を中断した。炉を室温まで冷却した後、ルツボ4中の材料表面に析出していた固形物をX線回折装置で分析した。固形物はガーネットであることが分かった。
図3は、上記の実施例及び比較例の育成条件等をまとめて示している。また、図1の●印(E1〜E8)は実施例1〜8でのBの配合率x及びNa配合比(y/(y+z))をそれぞれ示し、図1の△印(C1〜C7)は比較例1〜7でのBの配合率x及びNa配合比(y/(y+z))をそれぞれ示している。図1及び図3に示すように、Na配合比(y/(y+z))が0より大きく0.41以下の場合(0<y/(y+z)≦0.41)に、ファラデー回転子に使用可能なBi置換希土類鉄ガーネット単結晶を育成できる。また、Na配合比(y/(y+z))が0より大きく0.0143x+0.24以下である場合(0<y/(y+z)≦0.0143x+0.24)に、ファラデー回転子に使用可能なBi置換希土類鉄ガーネット単結晶を育成できる。さらに、Bの配合率xが2.0mol%以上12.0mol%以下である場合(2.0(mol%)≦x≦12.0(mol%))に、ファラデー回転子に使用可能なBi置換希土類鉄ガーネット単結晶を育成できる。また、Na配合比(y/(y+z))が0より大きく0.0143x+0.24以下であって、かつBの配合率xが2.0mol%以上12.0mol%以下である場合(0<y/(y+z)≦0.0143x+0.24,2.0(mol%)≦x≦12.0(mol%))に、ファラデー回転子に使用可能なBi置換希土類鉄ガーネット単結晶をより安定に育成できる。
本発明の一実施の形態によるガーネット単結晶の製造方法におけるBの配合率xとNa配合比(y/(y+z))との関係を示すグラフである。 単結晶を育成する工程の一部を示す図である。 実施例1乃至8及び比較例1乃至7の育成条件等をまとめて示す表である。
符号の説明
2 固定冶具
4 ルツボ
8 融液
10 基板
12 単結晶膜

Claims (1)

  1. B、Na及びBiを含み、Bの配合率x(mol%)とNaの配合率y(mol%)とBiの配合率z(mol%)とが0<y/(y+z)≦0.0143x+0.24を満たし、前記配合率xが2.0mol%以上12.0mol%以下である溶液を生成し、
    前記溶液を用いてガーネット単結晶を育成すること
    を特徴とするガーネット単結晶の製造方法。
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