JP5033945B2 - 希土類鉄ガーネット単結晶 - Google Patents

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Description

本発明は、光アイソレータや光サーキュレータなどのファラデー回転子に用いられる希土類鉄ガーネット単結晶に関する。
近年、光ファイバ通信や光計測の発展はめざましいものがある。この光ファイバ通信や光計測では多くの場合、信号源として半導体レーザが使用されている。しかし、半導体レーザは、光ファイバ端面などから反射し、再び半導体レーザ自身に戻ってくるところの所謂反射戻り光があると、発振が不安定になるという重大な欠点がある。そのため半導体レーザの出射側に光アイソレータを設けて、反射戻り光を遮断し、半導体レーザの発振を安定化させることが行われている。
光アイソレータは偏光子、検光子、ファラデー回転子およびファラデー回転子を磁気的に飽和させるための永久磁石からなる。光アイソレータの中心的な機能を担うファラデー回転子には、主に液相エピタキシャル(以下、LPEと略す)法で育成される厚さが数十μmから500μm程度のビスマスを置換した希土類鉄ガーネット単結晶(以下、RIGと適宜略す)、たとえば(HoTbBi)Fe12、(YbTbBi)Fe12などが提案されている。
一般的なLPE法によるRIGの育成法は、フラックス成分であるPbO−Bi−Bにガーネット単結晶成分である希土類や鉄を溶かした融液を、ガーネット単結晶が析出する過飽和温度状態にして、種結晶基板上を浸漬して結晶育成が行われる。この際に、フラックス成分であり、かつファラデー効果の増大をもたらすビスマスが多量に取り込まれ、ビスマスの置換されたRIGが育成されるのである。しかしながら、同じくフラックス成分である鉛も、不純物として0.2重量%〜0.8重量%が取り込まれる。
近年、環境に対する規制が厳しくなってきている。鉛は中枢神経系機能障害やガンを引き起こす物質であることから、例えば、RoHS指令「電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会および理事会指令」での指定物質であり、その最大許容量は0.1重量%と定められている。このRoHS指令を満足するための最も有効な手段は、鉛を含まないフラックス成分を使った融液による結晶育成であることは明白である。例えば、鉛を含まないフラックス成分としてBi(特許文献1)を用いる例が報告されているが、光通信用途のファラデー回転子に必要な厚さ0.5mm程度の良質なRIGを、Biだけのフラックスを用いて安定に育成する技術は確立されていない。また、困難だとされている。
RIGを結晶育成するLPE法には、様々なフラックス成分に関する研究が成されている。例えば非特許文献1では、各種フラックスの性質である表面張力や融点に関する報告されている。この非特許文献1によると、BiにPbO、またはNaOやKOといったアルカリ金属酸化物を添加すると、表面張力が下がりRIGの育成条件が安定することが、またBの添加により、表面張力は上がるものの融点が下がり低温域下でも多量にビスマスを置換量できることが示唆されている。また、非特許文献2では、SiOやGeOなどを添加することで粘度が下がり、これら元素の添加がやはり育成条件に対して重要な役割を持つとの報告がある。ここで、非特許文献1や下記の特許文献2では、フラックス成分にNaOやKOを添加するとされているが、実際にはNaCOやKCOを添加している。添加するものが炭酸化合物や水酸化物であっても高温の融液中では、分解されNaOやKOとして存在していると考えるのが一般的であるので、本文では文献の内容のままアルカリ金属酸化物と記載した。
これら研究成果を経て、特許文献2では鉛を使わないLPE法のフラックス成分として、BiにNaOやKOといったアルカリ金属酸化物とSiOやGeOなどを添加したフラックスを用いるLPE法が報告されている。しかしながら、最終的に今日では、安定したフラックスとして、PbO−Bi−Bを用いるLPE法が、一般的となっている。
PbO−Bi−BフラックスにおいてPbOは表面張力を下げ、RIGの結晶育成の安定化に寄与する。同様な効果を持つNaOなどアルカリ金属酸化物と比較して安定な結晶育成条件が見つけ易いことから、今日広く利用されている。しかしながら、上述したように鉛のRIGへの混入は、環境上好ましくない。
鉛成分を含んだフラックスからの鉛のRIGへの混入を、同じ2価であるCaを添加して抑制する技術を、本発明者らは提案している(特許文献3)。しかし、この方法では鉛を全く含まないRIGは原理的に製造できない。
PbOと同等の効果を持つNaOをPbOの代わりに用いたフラックスからLPE育成するRIGが提案されてはいる(特許文献2、および特許文献4)。しかし、この方法で育成したRIGでは、光学部品としての挿入損失が高くなることが報告されている(特許文献5)。挿入損失は、特許文献6や特許文献7などで、窒素や水素の雰囲気下で熱処理によって低下することが知られているが、参考文献6では結晶育成に金(Au)るつぼが使われ、理由は確かでは無いが白金(Pt)るつぼ使って結晶育成され、Naといったアルカリ金属を含んだRIGでは、熱処理の効果が見られず、熱処理によって上昇するケースがあることを、本発明者らは確認している。
Caを含んだ融液から育成されCaを少量置換したRIGでは、窒素や水素、またはその混合ガス雰囲気下で加熱することで、挿入損失を低下する技術が提案されている(特許文献7)。また、本研究者らは、Bi−BフラックスにCaが少量でも添加されると、結晶育成条件が変化して、結晶性は向上するものの、量産性に重要な結晶育成速度が低下してしまうことを見出している。一方、鉛を使わず大きな結晶育成速度を有するフラックス組成比、すなわちBi−BやNaOなどアルカリ金属酸化物、及びRIG成分の割合、を見出すことは難しい。このフラックスに更にCaを加え、実用可能なRIGを結晶育成した例は、本発明者らが知る限りは無く、上述した効果のあるCaを少量添加して挿入損失が低く、かつ鉛をフラックス成分に用いず白金るつぼを使って、安定に結晶育成可能で量産性に富んだ希土類鉄ガーネット単結晶は、実用化されていないのである。
特開昭50−134000 特公昭57−45719 特開2007−153696 特開2006−169093 特開2007−217278 特開2007−226192 特願2007−176263 「Journal Electrochem Soc., 123」、J.M.Robertson. 1976年 p.1248 「Journal of Research of the National Bureau of Standards 68A−2」、Ernest M. Levin et.al. 1964年 p.197
フラックス成分に鉛を含まないLPE法にて、安定的に結晶育成が可能で量産性に富み、かつ挿入損失が低く、ファラデー効果の大きいビスマスを置換した希土類鉄ガーネット単結晶を提案する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、一般に用いられる白金るつぼを使って結晶育成を行っても、カルシウムを含んだRIGであれば、熱処理効果があり挿入損失の小さなRIGが得られるとの知見を得て、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、鉛成分をフラックスとして用いない液相エピタキシャル法によって、非磁性ガーネット単結晶基板上に育成され、
一般式 : R3−x−y-wBiCaFe5−z−vPt12 (1)
(式中、RはY、Eu、Gd、Tb、Ho、YbおよびLuからなる群から選ばれる一種または二種以上の元素である。MはNaまたはKから選ばれる一種または二種以上の元素である。Aは、GaまたはAl、およびその両方の元素である。また、0.7<x<1.4、0.01<y<0.1、z<1.0、w<0.05、0.01<v<0.1である。)
で示されるビスマスとカルシウムを置換したことを特徴とする希土類鉄ガーネット単結晶。
環境への規制、例えばRoHS指令を満足し、光学特性の優れたファラデー回転子の提供が可能となる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明の一般式(1)のRIGにおいて、ビスマス置換量xが0.7を下回るとファラデー効果が低下し、必要な膜厚が厚くなるので好ましくない(ファラデー効果はビスマス置換量にほぼ比例する)。逆に、xが1.4を超えると非磁性ガーネット単結晶基板との格子定数のマッチングがとれなくなり、良質な単結晶が得られなくなる。
ガリウムとアルミニウムにて鉄を置換する手法は、RIGの飽和磁界を下げるために通常に用いるが、置換量zが1.0を超えると、ファラデー回転効果の温度変化が大きくなり、好ましくない。
また、Rは、光学特性と磁気特性を考慮し、かつ、育成基板との格子定数の適合性などを考慮して選択するものであるが、具体的には、Y、Eu、Gd、Tb、Ho、Yb、Luの組み合わせが挙げられる。
カルシウム置換量yが0.01を下回ると熱処理による光挿入損失の低減効果が薄れるので好ましくない。カルシウムを置換すると、RIG中にはごく少量の4価の鉄が含まれることになるが、この4価の鉄は熱処理による還元効果で3価に戻すことができ、光挿入損失の原因となる4価の鉄を減らすことができる。しかし、カルシウムが置換されていない、あるいはカルシウム置換量yが0.01を下回ると、RIG中にはごく少量の2価と4価の鉄が存在し、熱処理は2価の鉄に効果を及ぼさないため、2価の鉄に起因した光挿入損失が低減できない。とはいえ、カルシウム置換量yが多すぎると、RIG中の4価の鉄が増え過ぎるため、熱処理での損失低減も困難となり、やはり好ましくない。本発明者らは、熱処理可能なカルシウム置換量yの上限を0.1と見積もっている。
ナトリウム、カリウムなどアルカリ金属はフラックス成分から混入する。その置換量wは、本発明者が確認した限り最大でも0.05程度である。また本発明者らは、アルカリ金属を含まないフラックスであっても、含んだものより比較的生産性は劣るもののRIGの結晶育成は可能であることを確認しているので、置換量wの範囲には0を含めた。
白金はLPE法で用いる白金を主成分としたるつぼから溶け出し、RIG中に混入する成分である。本発明者らが確認する限りその置換量vは、0.01<v<0.1である。
本発明のRIGの製造に用いる育成基板(基板)としては、公知のものが使用できる。一般には、既に、SGGG基板と称して市販されている格子定数が1.2490nmから1.2515nmの非磁性ガーネット〔(GdCa)(GaMgZr)12〕基板や〔NdGa12〕から適宜選択する。
以下、本発明を実施例によって、具体的に説明する。
実施例1
白金製ルツボに酸化ビスマス[Bi]5500g、酸化第2鉄[Fe]330g、酸化ほう素[B]53g、水酸化ナトリウム[NaOH]90g、酸化テルビウム[Tb]80g、酸化カルシウム[CaO]2gを仕込み融液とした。
この融液を精密縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱溶融し、十分に攪拌することで均一に混合してRIG育成融液とした。ここに得られた融液の温度を飽和温度以下の温度まで低下させて後、融液表面に、常法に従って、厚さが760μmで、格子定数が1.2497±0.0002nmの3インチ(111)ガーネット単結晶[(GdCa)(CaMgZr)12]基板の片面を接触させ、基板を回転させながらエピタキシャル成長を行った結果、膜厚570μmの良質なRIGを得た。この結晶をICP分析により組成分析した結果、組成はTb2.1Bi0.9Ca0.05Na0.008Fe4.95Pt0.0512であった。またこのRIGを波長1550nmでファラデー回転角が45度になるように基板及びRIGを研磨した。次いで水素と窒素の混合ガスにて熱処理を行い、さらに両面に誘電多層膜の反射防止膜を形成して、光学特性を評価した。ファラデー回転角は1550nm波長にて890deg/cm、消光比43dB、光挿入損失は0.07dBであった。
実施例2
実施例1で得たRIGを波長1310nmでファラデー回転角が45度になるように基板及びRIGを研磨した。次いで窒素ガスにて熱処理を行い、さらに両面に誘電多層膜の反射防止膜を形成して、光学特性を評価した。ファラデー回転角は1310nm波長にて1340deg/cm、消光比47dB、光挿入損失は0.03dBであった。
実施例3
白金製ルツボに酸化ビスマス[Bi]5000g、酸化第2鉄[Fe]450g、酸化ほう素[B]160g、炭酸ナトリウム[NaCO]290g、酸化テルビウム[Tb]75g、酸化イッテリビウム[Yb]6g、酸化カルシウム[CaO]2gを仕込み融液とした。
この融液を精密縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱溶融し、十分に攪拌することで均一に混合してRIG育成融液とした。ここに得られた融液の温度を飽和温度以下の温度まで低下させて後、融液表面に、常法に従って、厚さが760μmで、格子定数が1.2497±0.0002nmの3インチ(111)ガーネット単結晶[(GdCa)(CaMgZr)12]基板の片面を接触させ、基板を回転させながらエピタキシャル成長を行った結果、膜厚550μmの良質なRIGを得た。この結晶をICP分析により組成分析した結果、組成はTb1.7Yb0.1Bi1.1Ca0.03Na0.017Fe4.98Pt0.0212であった。またこのRIGを波長1550nmでファラデー回転角が45度になるように基板及びRIGを研磨した。次いで水素と窒素の混合ガスにて熱処理を行い、さらに両面に誘電多層膜の反射防止膜を形成して、光学特性を評価した。ファラデー回転角は1550nm波長にて960deg/cm、消光比43dB、光挿入損失は0.06dBであった。
実施例4
実施例3で得たRIGを波長1550nmでファラデー回転角が45度になるように基板及びRIGを研磨した。次いで水素ガスにて熱処理を行い、さらに両面に誘電多層膜の反射防止膜を形成して、光学特性を評価した。ファラデー回転角は1550nm波長にて890deg/cm、消光比44dB、光挿入損失は0.08dBであった。
実施例5
白金製ルツボに酸化ビスマス[Bi]5500g、酸化第2鉄[Fe]330g、酸化ほう素[B]53g、水酸化ナトリウム[NaOH]90g、酸化ガドリウム[Gd]40g、酸化イットリウム[Y]40g、酸化カルシウム[CaO]2gを仕込み融液とした。
この融液を精密縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱溶融し、十分に攪拌することで均一に混合してRIG育成融液とした。ここに得られた融液の温度を飽和温度以下の温度まで低下させて後、融液表面に、常法に従って、厚さが760μmで、格子定数が1.2497±0.0002nmの3インチ(111)ガーネット単結晶[(GdCa)(CaMgZr)12]基板の片面を接触させ、基板を回転させながらエピタキシャル成長を行った結果、膜厚450μmの良質なRIGを得た。この結晶をICP分析により組成分析した結果、組成はGd0.90.9Bi1.1Ca0.05Na0.008Fe4.95Pt0.0512であった。またこのRIGを波長1550nmでファラデー回転角が45度になるように基板及びRIGを研磨した。次いで水素と窒素の混合ガスにて熱処理を行い、さらに両面に誘電多層膜の反射防止膜を形成して、光学特性を評価した。ファラデー回転角は1550nm波長にて1110deg/cm、消光比48dB、光挿入損失は0.03dBであった。
実施例6
白金製ルツボに酸化ビスマス[Bi]5500g、酸化第2鉄[Fe]300g、酸化アルミニウム[Al]25g、酸化ほう素[B]53g、水酸化ナトリウム[NaOH]90g、酸化ガドリウム[Gd]55g、酸化テリビウム[Tb]20g、酸化カルシウム[CaO]2gを仕込み融液とした。
この融液を精密縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱溶融し、十分に攪拌することで均一に混合してRIG育成融液とした。ここに得られた融液の温度を飽和温度以下の温度まで低下させて後、融液表面に、常法に従って、厚さが760μmで、格子定数が1.2497±0.0002nmの3インチ(111)ガーネット単結晶[(GdCa)(CaMgZr)12]基板の片面を接触させ、基板を回転させながらエピタキシャル成長を行った結果、膜厚530μmの良質なRIGを得た。この結晶をICP分析により組成分析した結果、組成はGd1.3Tb0.5Bi1.2Ca0.04Na0.01Fe4.55Al0.4Pt0.0412であった。またこのRIGを波長1550nmでファラデー回転角が45度になるように基板及びRIGを研磨した。次いで水素と窒素の混合ガスにて熱処理を行い、さらに両面に誘電多層膜の反射防止膜を形成して、光学特性を評価した。ファラデー回転角は1550nm波長にて900deg/cm、消光比44dB、光挿入損失は0.05dBであった。
実施例7
白金製ルツボに酸化ビスマス[Bi]5000g、酸化第2鉄[Fe]360g、酸化ガリウム[Ga]60g、酸化ほう素[B]160g、炭酸ナトリウム[NaCO]290g、酸化テルビウム[Tb]55g、酸化ホルミウム[Ho]25g、酸化カルシウム[CaO]3gを仕込み融液とした。
この融液を精密縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱溶融し、十分に攪拌することで均一に混合してRIG育成融液とした。ここに得られた融液の温度を飽和温度以下の温度まで低下させて後、融液表面に、常法に従って、厚さが760μmで、格子定数が1.2497±0.0002nmの3インチ(111)ガーネット単結晶[(GdCa)(CaMgZr)12]基板の片面を接触させ、基板を回転させながらエピタキシャル成長を行った結果、膜厚590μmの良質なRIGを得た。この結晶をICP分析により組成分析した結果、組成はTb1.1Ho0.6Bi1.2Ca0.06Na0.019Fe4.2Ga0.7Pt0.0612であった。またこのRIGを波長1550nmでファラデー回転角が45度になるように基板及びRIGを研磨した。次いで水素と窒素の混合ガスにて熱処理を行い、さらに両面に誘電多層膜の反射防止膜を形成して、光学特性を評価した。ファラデー回転角は1550nm波長にて850deg/cm、消光比43dB、光挿入損失は0.07dBであった。
実施例8
白金製ルツボに酸化ビスマス[Bi]5600g、酸化第2鉄[Fe]290g、酸化ほう素[B]50g、酸化テルビウム[Tb]100g、酸化イッテリビウム[Yb]8g、酸化カルシウム[CaO]3gを仕込み融液とした。
この融液を精密縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱溶融し、十分に攪拌することで均一に混合してRIG育成融液とした。ここに得られた融液の温度を飽和温度以下の温度まで低下させて後、融液表面に、常法に従って、厚さが760μmで、格子定数が1.2497±0.0002nmの3インチ(111)ガーネット単結晶[(GdCa)(CaMgZr)12]基板の片面を接触させ、基板を回転させながらエピタキシャル成長を行った結果、膜厚560μmの良質なRIGを得た。この結晶をICP分析により組成分析した結果、組成はTb1.6Yb0.2Bi1.1Ca0.07Fe4.95Pt0.0512であった。またこのRIGを波長1550nmでファラデー回転角が45度になるように基板及びRIGを研磨した。次いで水素と窒素の混合ガスにて熱処理を行い、さらに両面に誘電多層膜の反射防止膜を形成して、光学特性を評価した。ファラデー回転角は1550nm波長にて960deg/cm、消光比45dB、光挿入損失は0.08dBであった。
実施例9
白金製ルツボに酸化ビスマス[Bi]3900g、酸化第2鉄[Fe]200g、酸化ほう素[B]30g、酸化テルビウム[Tb]70g、炭酸カリウム[KCO]7g、酸化カルシウム[CaO]2gを仕込み融液とした。
この融液を精密縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱溶融し、十分に攪拌することで均一に混合してRIG育成融液とした。ここに得られた融液の温度を飽和温度以下の温度まで低下させて後、融液表面に、常法に従って、厚さが760μmで、格子定数が1.2497±0.0002nmの3インチ(111)ガーネット単結晶[(GdCa)(CaMgZr)12]基板の片面を接触させ、基板を回転させながらエピタキシャル成長を行った結果、膜厚450μmの良質なRIGを得た。この結晶をICP分析により組成分析した結果、組成はTb2.0Bi0.9Ca0.050.001Fe4.95Pt0.0512であった。またこのRIGを波長1550nmでファラデー回転角が45度になるように基板及びRIGを研磨した。次いで水素と窒素の混合ガスにて熱処理を行い、さらに両面に誘電多層膜の反射防止膜を形成して、光学特性を評価した。ファラデー回転角は1550nm波長にて890deg/cm、消光比47dB、光挿入損失は0.09dBであった。
比較例1
白金製ルツボに酸化ビスマス[Bi]5500g、酸化第2鉄[Fe]330g、酸化ほう素[B]50g、水酸化ナトリウム[NaOH]90g、酸化テルビウム[Tb]80gを仕込み、実施例1の酸化カルシウム[CaO]を仕込まず融液とした。
この融液を精密縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱溶融し、十分に攪拌することで均一に混合してRIG育成融液とした。ここに得られた融液の温度を飽和温度以下の温度まで低下させて後、融液表面に、常法に従って、厚さが760μmで、格子定数が1.2497±0.0002nmの3インチ(111)ガーネット単結晶[(GdCa)(CaMgZr)12]基板の片面を接触させ、基板を回転させながらエピタキシャル成長を行った結果、膜厚500μmの良質なRIGを得た。この結晶をICP分析により組成分析した結果、組成はTb2.1Bi0.9Na0.008Fe4.95Pt0.0512であった。またこのRIGを波長1550nmでファラデー回転角が45度になるように基板及びRIGを研磨した。次いで熱処理を行い、さらに両面に誘電多層膜の反射防止膜を形成して、光学特性を評価した。ファラデー回転角は1550nm波長にて880deg/cm、消光比42dBであったが、光挿入損失は1.0dBであって熱処理条件を振っても、ファラデー回転子に要求される光挿入損失0.1dB以下には下がらなかった。
比較例2
白金製ルツボに酸化ビスマス[Bi]3900g、酸化第2鉄[Fe]200g、酸化ほう素[B]30g、炭酸カリウム[KCO]7g、酸化テルビウム[Tb]70gを仕込み融液とした。
この融液を精密縦型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱溶融し、十分に攪拌することで均一に混合してRIG育成融液とした。ここに得られた融液の温度を飽和温度以下の温度まで低下させて後、融液表面に、常法に従って、厚さが760μmで、格子定数が1.2497±0.0002nmの3インチ(111)ガーネット単結晶[(GdCa)(CaMgZr)12]基板の片面を接触させ、基板を回転させながらエピタキシャル成長を行った結果、膜厚370μmの良質なRIGを得た。この結晶をICP分析により組成分析した結果、組成はTb2.1Bi0.90.001Fe4.95Pt0.0512であった。またこのRIGを波長1310nmでファラデー回転角が45度になるように基板及びRIGを研磨した。次いで熱処理を行い、さらに両面に誘電多層膜の反射防止膜を形成して、光学特性を評価した。ファラデー回転角は1310nm波長にて1350deg/cm、消光比46dBであったが、光挿入損失は2.1dBであり熱処理条件を振っても、ファラデー回転子に要求される光挿入損失0.1dB以下には下がらなかった。
有害物質である鉛を含まず、安定に結晶育成可能で量産性に富み、かつ挿入損失が低くファラデー効果の大きい希土類鉄ガーネット単結晶を得ることができ、その産業上の意義は極めて高い。

Claims (1)

  1. フラックス成分に酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化カルシウムを含み、かつ鉛成分をフラックスとして用いないことを特徴とした液相エピタキシャル法によって非磁性ガーネット単結晶基板上に育成され、かつ、
    一般式:R3−x−y−wBiCaFe5−z−vPt12 (1)
    (式中、RはY、Eu、Gd、Tb、Ho、YbおよびLuからなる群から選ばれる一種または二種以上の元素である。MはNaまたはKから選ばれる一種または二種以上の元素であって、RまたはFeの一部が置換される。Aは、GaまたはAl、およびその両方の元素である。また、0.7<x<1.4、0.01<y<0.1、z<1.0、w<0.05、0.01<v<0.1である。)
    で示されるビスマスとカルシウムを置換したことを特徴とする希土類鉄ガーネット単結晶の製造方法
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