JP5756716B2 - 磁気データの復調方法および磁気データの復調装置 - Google Patents

磁気データの復調方法および磁気データの復調装置 Download PDF

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Description

本発明は、NRZI(Non Return to Zero Inversion)方式で記録された磁気データを読み取って復調データを生成する磁気データの復調方法および磁気データの復調装置に関する。
従来、磁気カード等の磁気情報記録媒体に記録される磁気データの記録方式として、NRZI方式が知られている。NRZI方式で磁気データが記録される磁気情報記録媒体には、同期信号を生成するための同期トラックと磁気データが記録されるデータトラックとを有する磁気ストライプが形成されている。また、従来、NRZI方式で記録された磁気データを読み取って復調データを生成する磁気カード読取装置が広く利用されている。この種の磁気カード読取装置は、同期トラックに記録されるデータに基づいて生成される同期信号を基準にした所定のサンプリングタイムで、データトラックに記録された磁気データに基づいて生成されるデータ信号を読み取って、この読取結果から復調データを生成している。
NRZI方式で磁気データが記録される場合、同期トラックとデータトラックとが個別に磁気ストライプに形成されている。そのため、磁気ヘッドの傾きや磁気情報記録媒体の傾き等の影響で、データの書込時に、磁気ストライプの長手方向において、同期トラックのデータとデータトラックの磁気データとがずれた状態で書き込まれることがあり、また、データの読取時に、磁気ストライプの長手方向において、同期トラックのデータとデータトラックの磁気データとがずれた状態で読み取られることがある。また、磁気情報記録媒体の搬送速度の変動等によって、同期トラックのデータのビット間隔やデータトラックの磁気データのビット間隔が変動することもある。このように、磁気ストライプの長手方向におけるトラック間のデータのずれが生じたり、ビット間隔が変動したりすると、磁気データの読取エラー率(読取エラーの発生率)が高くなるおそれがある。
そこで、磁気ストライプの長手方向におけるトラック間のデータのずれが生じたり、ビット間隔が変動しても、磁気データの読取エラー率を低減させることが可能な磁気カード読取方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の磁気カード読取方法では、同期トラック以外のトラックに記録されたデータに基づいて生成される信号と同期信号との時間のずれを所定の頻度で取得し、取得された時間のずれに基づいて計算されたサンプリングタイムを用いて、データトラックに記録された磁気データに基づいて生成されるデータ信号を読み取っている。そのため、特許文献1に記載の磁気カード読取方法によれば、磁気ストライプの長手方向におけるトラック間のデータのずれが生じたり、ビット間隔が変動しても、磁気データの読取エラー率を低減させることが可能になる。
特開平5−298831号公報
しかしながら、特許文献1に記載の磁気カード読取方法では、1ビットごとにサンプリングタイムを計算しているため、磁気データの読取処理の際にサンプリングタイムの計算時間が必要となり、磁気データの読取処理に時間がかかる。
そこで、本発明の課題は、磁気データの読取エラー率を低減させるとともに、磁気データの読取処理時間を短くすることが可能となる磁気データの復調方法を提供することにある。また、本発明の課題は、磁気データの読取エラー率を低減させるとともに、磁気データの読取処理時間を短くすることが可能な磁気データの復調装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の磁気データの復調方法は、同期トラックとデータトラックとを有する磁気情報記録媒体のデータトラックにNRZI方式で記録された磁気データを読み取って復調データを生成する磁気データの復調方法において、同期トラックに記録されたデータの読取結果に基づいて生成される矩形波状の信号を同期信号とし、データトラックに記録された磁気データの読取結果に基づいて生成される矩形波状の信号をデータ信号とすると、同期信号の立上りエッジおよび/または立下りエッジを基準にした第1の読取タイミングでデータ信号を読み取るとともに、同期信号の立上りエッジおよび/または立下りエッジを基準にした、第1の読取タイミングと異なる第2の読取タイミングでデータ信号を読み取るデータ読取ステップと、第1の読取タイミングで読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成する第1復調データ生成ステップと、第1復調データ生成ステップで生成された復調データの正否を判定する第1正否判定ステップと、第1正否判定ステップで復調データが正しくないと判定された場合に、第2の読取タイミングで読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成する第2復調データ生成ステップと、第2復調データ生成ステップで生成された復調データの正否を判定する第2正否判定ステップとを備え、第1の読取タイミングは、同期信号の1ビット分の時間間隔の1/2であり、第2の読取タイミングは、同期信号の1ビット分の時間間隔の1/4であることを特徴とする。
本発明の磁気データの復調方法では、データ読取ステップで、同期信号の立上りエッジおよび/または立下りエッジを基準にした第1の読取タイミングでデータ信号を読み取るとともに、同期信号の立上りエッジおよび/または立下りエッジを基準にした、第1の読取タイミングと異なる第2の読取タイミングでデータ信号を読み取っている。また、本発明では、第1復調データ生成ステップで、第1の読取タイミングで読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成し、生成された復調データが正しくない場合に、第2復調データ生成ステップで、第2の読取タイミングで読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成している。すなわち、本発明では、少なくとも異なる2つの読取タイミングで読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成することが可能になっている。そのため、第1の読取タイミングで読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて正しい復調データが得られなくても、第2の読取タイミングで読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて正しい復調データを得ることが可能になる。したがって、本発明では、磁気データの読取エラー率を低減させることが可能になる。
また、本発明の磁気データの復調方法では、データ読取ステップで、第1の読取タイミングでデータ信号を読み取るとともに、第2の読取タイミングでデータ信号を読み取っている。そのため、特許文献1に記載の磁気カード読取方法のように、第1の読取タイミングや第2の読取タイミング(すなわち、サンプリングタイム)を所定の頻度で計算する必要がない。したがって、本発明では、磁気データの読取処理時間を短くすることが可能となる。
また、本発明では、第1の読取タイミングは、同期信号の1ビット分の時間間隔の1/2であり、第2の読取タイミングは、同期信号の1ビット分の時間間隔の1/4であるため、磁気データが読み取られる装置内で磁気情報記録媒体を往復搬送させながら磁気データを読み取ることが可能となっている場合に、磁気データの読取エラー率を効果的に低減させることが可能になる。
また、上記の課題を解決するため、本発明の磁気データの復調装置は、同期トラックとデータトラックとを有する磁気情報記録媒体のデータトラックにNRZI方式で記録された磁気データを読み取る磁気ヘッドと、磁気ヘッドで読み取った磁気データを復調して復調データを生成するデータ復調部とを備え、同期トラックに記録されたデータの読取結果に基づいて生成される矩形波状の信号を同期信号とし、データトラックに記録された磁気データの読取結果に基づいて生成される矩形波状の信号をデータ信号とすると、データ復調部は、同期信号の立上りエッジおよび/または立下りエッジを基準にした第1の読取タイミングでデータ信号を読み取るとともに、同期信号の立上りエッジおよび/または立下りエッジを基準にした、第1の読取タイミングと異なる第2の読取タイミングで前記データ信号を読み取り、第1の読取タイミングで読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成して、生成された復調データの正否を判定するととともに、第1の読取タイミングで読み取られて生成された復調データが正しくないと判定した場合に、第2の読取タイミングで読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成して、生成された復調データの正否を判定し、第1の読取タイミングは、同期信号の1ビット分の時間間隔の1/2であり、第2の読取タイミングは、同期信号の1ビット分の時間間隔の1/4であることを特徴とする。
本発明の磁気データの復調装置では、データ復調部は、同期信号の立上りエッジおよび/または立下りエッジを基準にした第1の読取タイミングでデータ信号を読み取るとともに、同期信号の立上りエッジおよび/または立下りエッジを基準にした、第1の読取タイミングと異なる第2の読取タイミングでデータ信号を読み取っている。また、本発明では、データ復調部は、第1の読取タイミングで読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成し、生成された復調データが正しくない場合に、第2の読取タイミングで読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成している。そのため、第1の読取タイミングで読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて正しい復調データが得られなくても、第2の読取タイミングで読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて正しい復調データを得ることが可能になる。したがって、本発明では、磁気データの読取エラー率を低減させることが可能になる。
また、本発明の磁気データの復調装置では、データ復調部は、第1の読取タイミングでデータ信号を読み取るとともに、第2の読取タイミングでデータ信号を読み取っている。そのため、特許文献1に記載の磁気カード読取方法のように、第1の読取タイミングや第2の読取タイミングを所定の頻度で計算する必要がない。したがって、本発明では、磁気データの読取処理時間を短くすることが可能となる。また、本発明では、第1の読取タイミングは、同期信号の1ビット分の時間間隔の1/2であり、第2の読取タイミングは、同期信号の1ビット分の時間間隔の1/4であるため、磁気データが読み取られる装置内で磁気情報記録媒体を往復搬送させながら磁気データを読み取ることが可能となっている場合に、磁気データの読取エラー率を効果的に低減させることが可能になる。
以上のように、本発明の磁気データの復調方法および磁気データの復調装置では、磁気データの読取エラー率を低減させるとともに、磁気データの読取処理時間を短くすることが可能になる。
本発明の実施の形態にかかる磁気データの復調装置の機械的な構成の概略図である。 図1に示すカードの平面図である。 図1に示す磁気データの復調装置の復調回路および復調回路に関連する構成のブロック図である。 図3に示す復調回路での磁気データの復調方法を説明するための図である。 図1に示す磁気データの復調装置での磁気データの復調方法を説明するためのフローチャートである。 従来技術の問題点を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(磁気データの復調装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる磁気データの復調装置1の機械的な構成の概略図である。図2は、図1に示すカード2の平面図である。図3は、図1に示す磁気データの復調装置1の復調回路9および復調回路9に関連する構成のブロック図である。図4は、図3に示す復調回路9での磁気データの復調方法を説明するための図である。
本形態の磁気データの復調装置1(以下、「復調装置1」とする)は、NRZI方式でカード2に記録された磁気データを読み取って復調データを生成するための装置であり、たとえば、カード2を搬送しながらカード2の磁気データを読み取るカード搬送式のカードリーダである。この復調装置1は、所定の上位装置に搭載されて使用される。図1に示すように、復調装置1は、カード2に記録された磁気データを読み取る磁気ヘッド3と、カード2を搬送する搬送機構4と、カード2を検知するセンサ5、6とを備えている。また、復調装置1は、図3に示すように、磁気ヘッド3に接続される整形回路7、8と、整形回路7、8に接続されるデータ復調部としての復調回路9とを備えている。
カード2は、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。このカード2の一方の面には、図2に示すように、同期信号(図4参照)を生成するためのデータが記録される同期トラック2aと、データ信号(図4参照)を生成するための磁気データがNRZI方式で記録されるデータトラック2bとを有する磁気ストライプ2cが形成されている。なお、同期トラック2aおよびデータトラック2bは、図2に示すように、1本の磁気ストライプ2cに形成されても良いし、同期トラック2aを有する磁気ストライプと、データトラック2bを有する磁気ストライプとが個別に形成されても良い。また、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
搬送機構4は、カード2に当接してカード2を搬送する駆動ローラ11を備えている。駆動ローラ11は、駆動ローラ11を駆動させる駆動機構に連結されている。また、駆動ローラ11には、パッドローラ12が対向配置されており、パッドローラ12は、駆動ローラ11に向かって付勢されている。センサ5、6は、たとえば、カード2が搬送されるカード搬送路を挟むように配置される発光素子と受光素子とを備える光学式のセンサである。センサ5は、磁気ヘッド3よりも手前側(カード2の挿入口が形成される側)に配置され、センサ6は、磁気ヘッド3よりも奥側に配置されている。
磁気ヘッド3は、そのギャップ部がカード搬送路に臨むように配置されている。この磁気ヘッド3は、図3に示すように、同期トラック2aに記録されたデータを読み取る第1チャンネル3aと、データトラック2bに記録された磁気データを読み取る第2チャンネル3bとを有する2チャンネル型の磁気ヘッドである。なお、同期トラック2aに記録されたデータを読み取る磁気ヘッドと、データトラック2bに記録された磁気データを読み取る磁気ヘッドとが別体で形成されても良い。
整形回路7、8は、フィルタ回路、増幅回路、および、微分回路(または積分回路)等によって構成されている。整形回路7は、磁気ヘッド3の第1チャンネル3aに接続されており、第1チャンネル3aから出力されるアナログ状の読取信号に基づいて、図4に示すような矩形波状の同期信号を生成する。すなわち、整形回路7は、同期トラック2aに記録されたデータの読取結果に基づいて同期信号を生成する。整形回路8は、磁気ヘッド3の第2チャンネル3bに接続されており、第2チャンネル3bから出力されるアナログ状の読取信号に基づいて、図4に示すような矩形波状のデータ信号を生成する。すなわち、整形回路8は、データトラック2bに記録された磁気データの読取結果に基づいてデータ信号を生成する。
復調回路9は、CPU14およびRAM15等を備えており、磁気ヘッド3で読み取った磁気データを復調して、“0”データと“1”データとからなる復調データを生成する。
NRZI方式には、復調データが“1”のときにデータ信号のレベルが反転し、かつ、復調データが“0”のときにデータ信号のレベルが維持されるNRZM方式と、復調データが“0”のときにデータ信号のレベルが反転し、かつ、復調データが“1”のときにデータ信号のレベルが維持されるNRZS方式とがある。また、一般に、NRZI方式で磁気データが記録されている場合、同期信号の立上りエッジおよび/または立下りエッジを基準にした一定の読取りタイミングでデータ信号を読み取って、このデータ信号の読取結果に基づいて復調データが生成される。そのため、NRZS方式で磁気データが記録されている場合、たとえば、図6(A)に示すように、同期信号の立上りエッジEを基準にした一定の読取タイミングt0でデータ信号を読み取ると、読取結果として“L”、“H”、“H”、“L”、“H”が得られ、このデータ信号の読取結果に基づいて復調データ“0”、“1”、“0”、“0”が生成される。なお、読取タイミングt0は、立上りエッジEを基準とする同期信号の反転タイミング(すなわち、立下りエッジが検出されるタイミング)であり、同期信号の1ビット分の時間間隔Tの1/2である。
ここで、NRZI方式で磁気データが記録される場合、同期信号とデータ信号とが同期していることが前提であり(たとえば、データ信号のレベルが反転するのは、通常、図6(A)に示すように、立上りエッジEが検出されるタイミングであることが前提であり)、たとえば、図6(A)に示すように、同期信号の複数の立上りエッジEのうちの1つの立上りエッジE1と、データ信号のある1つのエッジE2とが同期していれば、正しい復調データ“0”、“1”、“0”、“0”を生成することができる。しかしながら、実際には、磁気ヘッド3の傾きや搬送されるカード2の傾き等の影響で、たとえば、図6(B)に示すように、同期しているはずの立上りエッジE1とエッジE2とがずれて、立上りエッジEが検出されるタイミング以外のタイミングでデータ信号のレベルが反転することがある。この場合に、同期信号の立上りエッジEを基準にした読取タイミングt0でデータ信号を読み取ると、読取結果として、“H”、“H”、“L”、“L”、“H”が得られるため、このデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成すると、誤った復調データ“1”、“0”、“1”、“0”が生成される。その結果、この場合には、磁気データの読取エラーが発生する。
そこで、本形態では、復調回路9のCPU14は、図4に示すように、同期信号の立上りエッジEを基準にした一定の読取タイミング(第1の読取タイミング)t1でデータ信号を読み取るとともに、同期信号の立上りエッジEを基準にした、読取タイミングt1と異なる一定の読取タイミング(第2の読取タイミング)t2でデータ信号を読み取る。また、CPU14は、読取タイミングt1で読み取ったデータ信号の読取結果をRAM15の第1のバッファ(第1バッファ)16に記憶し、読取タイミングt2で読み取ったデータ信号の読取結果をRAM15の第2のバッファ(第2バッファ)17に記憶する。
また、CPU14は、読取タイミングt1で読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成して、生成された復調データの正否を判定する。また、CPU14は、読取タイミングt1で読み取られて生成された復調データが正しくないと判定した場合に、読取タイミングt2で読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成して、生成された復調データの正否を判定する。以下、復調回路9での磁気データの復調方法を説明する。
なお、本形態では、読取タイミングt1は、立上りエッジEを基準とする同期信号の反転タイミング(すなわち、立下りエッジが検出されるタイミング)であり、同期信号の1ビット分の時間間隔Tの1/2である。また、読取タイミングt2は、同期信号の1ビット分の時間間隔T未満である。具体的には、読取タイミングt2は、同期信号の1ビット分の時間間隔Tの1/4である。また、本形態の同期信号のレベルは、1ビット分の時間間隔Tの1/2の周期で反転するが、同期信号のレベルは、時間間隔Tの周期で反転しても良い。
(磁気データの復調方法)
図5は、図1に示す磁気データの復調装置1での磁気データの復調方法を説明するためのフローチャートである。
たとえば、カード2の挿入口に配置されるセンサ(図示省略)によって、カード2が復調装置1に挿入されたことが検知されると、復調装置1が搭載される上位装置からの制御指令によって、復調装置1は、磁気データの読取動作を開始する。すなわち、まず、搬送機構4が起動して、カード2の搬送が開始され(ステップS1)、復調装置1の奥側に向かって搬送されるカード2の先端がセンサ5で検知されると、磁気データの読取処理の初期動作が行われる(ステップS2)。具体的には、ステップS2において、復調回路9は、第1バッファ16および第2バッファ17を初期化する。また、復調回路9は、同期信号の“L”から“H”への磁化反転(信号レベルの反転)があったときに(すなわち、同期信号の立上りエッジEが検出されたときに)割り込み処理を実行することを許可する。
その後、カード2が磁気ヘッド3に当接しながら搬送機構4によって搬送されると、同期信号およびデータ信号が復調回路9(具体的には、CPU14)に入力されるため、復調回路9は、磁気データの読取処理を実行する(ステップS3)。具体的には、ステップS3において、復調回路9は、まず、同期信号の“L”から“H”への磁化反転があると(ステップS21において、“Yes”である場合)、同期信号の“H”から“L”への磁化反転があったときの割込処理を許可するとともに、データ信号を読み取るためのタイマーを設定して、このタイマーがカウントアップしたときのタイマー割込処理を許可する(ステップS22)。すなわち、ステップS22において、復調回路9は、立上りエッジEを基準とした同期信号の反転タイミング(すなわち、立下りエッジが検出されるタイミング)である読取タイミングt1での割込処理を許可するとともに、同期信号の立上りエッジEを基準とした読取タイミングt2でデータ信号を読み取るためのタイマーを設定して、タイマーがカウントアップしたときの割込処理を許可する。
その後、タイマーがカウントアップして、タイマーのカウントアップに基づく第1の割込処理が発生すると(ステップS23)、復調回路9は、立上りエッジEを基準とした読取タイミングt2でデータ信号を読み取って(すなわち、データ信号が“H”であるか、あるいは、“L”であるかを取得して)、読取結果を第2バッファ17へ記憶する(ステップS24)。また、同期信号が“H”から“L”へ磁化反転して、同期信号の反転タイミングに基づく第2の割込処理が発生すると(ステップS25)、復調回路9は、データ信号を読み取って(すなわち、データ信号が“H”であるか、あるいは、“L”であるかを取得して)、読取結果を第1バッファ16へ記憶する(ステップS26)。すなわち、復調回路9は、立上りエッジEを基準とした読取タイミングt1でデータ信号を読み取って、読取結果を第1バッファ16へ記憶する。また、ステップS26で、第1バッファ16に読取結果が記憶されると、ステップS21へ戻る。
搬送されるカード2の後端がセンサ6から抜けて、センサ6でカード2が検知されなくなると、搬送機構4が停止して、カード2の搬送が終了する(ステップS4)。カード2の搬送が終了すると、磁気データの読取処理が終了する(ステップS5)。具体的には、ステップS5において、復調回路9は、同期信号の“L”から“H”への磁化反転があったときの割り込み処理を禁止する。なお、ステップS4では、磁気ヘッド3の奥側に配置される駆動ローラ11とパッドローラ12との間にカード2が挟まれた状態でカード2が停止する。
その後、復調回路9は、第1バッファ16に記憶されているデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成して(ステップS6)、ステップS6で生成された復調データの正否を判定する(ステップS7)。すなわち、ステップS7において、復調回路9は、磁気データの読取エラーが発生したか否かを判定する。このステップS7では、復調回路9は、パリティチェック等のデータフォーマットごとに定められたエラーチェック方法で読取エラーが発生したか否かを判定する。
たとえば、図4(A)に示すように、同期信号の複数の立上りエッジEのうちの1つの立上りエッジE1と、データ信号のある1つのエッジE2とが同期しており、ステップS6で、正しい復調データ“0”、“1”、“0”、“0”が生成された場合には、ステップS7で磁気データの読取エラーが発生しないため(ステップS7で“No”)、磁気データが正常に復調されたとして、復調装置1による磁気データの読取動作が正常終了する。
一方、図4(B)に示すように、立上りエッジE1とエッジE2とがずれおり、ステップS6で、誤った復調データ“1”、“0”、“1”、“0”が生成された場合には、ステップS7で磁気データの読取エラーが発生する(ステップS7で“Yes”)。ステップS7で、磁気データの読取エラーが発生すると、復調回路9は、第2バッファ17に記憶されているデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成して(ステップS8)、ステップS8で生成された復調データの正否を判定する(ステップS9)。このステップS9では、ステップS7と同様に、復調回路9は、パリティチェック等のエラーチェック方法で読取エラーが発生したか否かを判定する。
たとえば、図4(B)に示すように、ステップS8で、正しい復調データ“0”、“1”、“0”、“0”が生成された場合には、ステップS9で磁気データの読取エラーが発生しないため(ステップS9で“No”)、磁気データが正常に復調されたとして、復調装置1による磁気データの読取動作が正常終了する。一方、ステップS9で磁気データの読取エラーが発生すると(ステップS9で“Yes”の場合)、磁気データが正常に復調されないとして、復調装置1による磁気データの読取動作が異常終了する。
なお、復調装置1による磁気データの読取動作が異常終了した場合には、カード2の挿入口に向かう逆方向へのカード2の搬送が開始されて、ステップS2〜S9およびステップS21〜S26の処理が実行されることもある。
本形態のステップS3(S21〜S26)は、同期信号の立上りエッジEを基準にしたデータ信号を読取タイミング(第1の読取タイミング)t1で読み取るとともに、同期信号の立上りエッジEを基準にした、読取タイミングt1と異なる読取タイミング(第2の読取タイミング)t2でデータ信号を読み取るデータ読取ステップである。また、ステップS6は、読取タイミングt1で読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成する第1復調データ生成ステップであり、ステップS7は、ステップS6で生成された復調データの正否を判定する第1正否判定ステップである。さらに、ステップS8は、ステップS7で復調データが正しくないと判定された場合に、読取タイミングt2で読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成する第2復調データ生成ステップであり、ステップS9は、ステップS8で生成された復調データの正否を判定する第2正否判定ステップである。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、同期信号の立上りエッジEを基準にした読取タイミングt1でデータ信号を読み取るとともに、同期信号の立上りエッジEを基準にした読取タイミングt2でデータ信号を読み取っている。また、本形態では、読取タイミングt1で読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成し、生成された復調データが正しくない場合には、読取タイミングt2で読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成している。すなわち、本形態では、異なる2つの読取タイミングt1、t2で読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成することが可能になっている。そのため、たとえば、図4(B)に示すように、読取タイミングt1で読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて正しい復調データが得られなくても、読取タイミングt2で読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて正しい復調データを得ることができる。したがって、本形態では、磁気データの読取エラー率を低減させることが可能になる。
また、本形態では、同期信号の立上りエッジEを基準にした一定の読取タイミングt1でデータ信号を読み取るとともに、同期信号の立上りエッジEを基準にした一定の読取タイミングt2でデータ信号を読み取っているため、復調回路9は、読取タイミングt1、t2を所定の頻度で計算する必要がない。したがって、本形態では、復調回路9での処理負担を軽減して、磁気データの読取処理時間を短くすることが可能となる。
なお、カード2の挿入口に向かう逆方向へカード2が搬送されるときの同期信号に対するデータ信号のずれの方向は、カード2の挿入口から復調装置1の奥側へ向かう正方向へカード2が搬送されるときの同期信号に対するデータ信号のずれの方向と逆転する。そのため、本形態のように、読取タイミングt1が同期信号の1ビット分の時間間隔Tの1/2であり、かつ、読取タイミングt2が時間間隔T未満であれば、正方向へカード2を搬送したときの磁気データの読取動作が異常終了した場合であっても、逆方向へカード2を搬送して磁気データの読取動作を行えば、磁気データを適切に読み取って、磁気データの読取動作を正常終了させられる可能性が高くなる。すなわち、本形態では、正方向へカード2を搬送したときの磁気データの読取動作が異常終了した場合に、逆方向へカード2を搬送して磁気データの読取動作を行えば、磁気データの読取エラー率を効果的に低減させることが可能になる。
(他の実施の形態)
上述した形態および変形例は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、読取タイミングt1は、同期信号の1ビット分の時間間隔Tの1/2であり、読取タイミングt2は、同期信号の1ビット分の時間間隔Tの1/4であるが、読取タイミングt1、t2は、時間間隔T内の異なるタイミングであれば良い。たとえば、読取タイミングt1、t2は、時間間隔Tの1/3等の時間間隔Tの1/2未満であっても良いし、時間間隔Tの3/4等の時間間隔Tの1/2を超える値であって、かつ、時間間隔T未満であっても良い。
また、読取タイミングt2は、時間間隔Tであっても良い。カード2の挿入口から復調装置1の奥側へ向かう正方向へカード2が搬送されるときのみに磁気データの読取動作が行われる場合には、読取タイミングt2が時間間隔Tとなっていると、磁気データの読取エラー率を効果的に低減させることが可能になる。
上述した形態では、復調回路9は、同期信号の立上りエッジEを基準にした読取タイミングt1、t2でデータ信号を読み取っている。この他にもたとえば、復調回路9は、同期信号の立上りエッジEを基準にした読取タイミングt1、t2でデータ信号を読み取るのに加え、同期信号の立上りエッジEを基準にした読取タイミングt1、t2と異なる読取タイミングt3でさらにデータ信号を読み取り、読取タイミングt2で読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて生成された復調データが正しくない場合に、読取タイミングt3で読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成して、この生成された復調データの正否を判定しても良い。すなわち、復調回路9は、同期信号の立上りエッジEを基準にした互いに異なる読取タイミングt1〜tn(nは、2以上の整数)でデータ信号を読み取り、読取タイミングtn−1で読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて生成された復調データが正しくない場合に、読取タイミングtnで読み取られたデータ信号の読取結果に基づいて復調データを生成して、この生成された復調データの正否を判定しても良い。
また、上述した形態では、データ信号のレベルが反転するのが立上りエッジEが検出されるタイミングであることが前提であるため、復調回路9は、同期信号の立上りエッジEを基準にした読取タイミングt1、t2でデータ信号を読み取っているが、データ信号のレベルが反転するのが立下りエッジが検出されるタイミングであることが前提であれば、復調回路9は、同期信号の立下りエッジを基準にした読取タイミングt1、t2でデータ信号を読み取っても良い。
なお、同期信号のレベルが時間間隔Tの周期で反転する場合(すなわち、同期信号のレベルが時間間隔Tのタイミングでは反転するが、時間間隔Tの1/2のタイミングでは反転しない場合)には、復調回路9は、同期信号の立上りエッジEおよび立下りエッジを基準にした読取タイミングt1でデータ信号を読み取るためのタイマー1と、同期信号の立上りエッジEおよび立下りエッジを基準にした読取タイミングt2でデータ信号を読み取るためのタイマー2とを設定して、タイマー1、2がカウントアップしたときの割込処理を許可すれば良い。すなわち、この場合には、タイマー割込処理によって読取タイミングt1、t2でデータ信号を読み取れば良い。
上述した形態では、復調装置1は、カード搬送式のカードリーダであるが、復調装置1は、手動でカード2を移動させながらカード2の磁気データを読み取る手動式のカードリーダであっても良い。また、上述した形態では、復調装置1は、カード2に記録された磁気データを読み取って復調データを生成するための装置であるが、本発明の構成が適用される復調装置は、通帳等のカード2以外の磁気情報記録媒体に記録された磁気データを読み取って復調データを生成するための装置であっても良い。この場合には、停止している磁気情報記録媒体の磁気ストライプに磁気ヘッド3が当接しながら移動することで、磁気ヘッド3による磁気データの読取が行われても良い。また、上述した形態では、カード2に形成されるデータトラック2bは1つであるが、2つ以上のデータトラック2bがカード2に形成されても良い。
1 磁気データの復調装置
2 カード(磁気情報記録媒体)
2a 同期トラック
2b データトラック
3 磁気ヘッド
9 復調回路(データ復調部)
E 立上りエッジ
S3(S21〜S26) データ読取ステップ
S6 第1復調データ生成ステップ
S7 第1正否判定ステップ
S8 第2復調データ生成ステップ
S9 第2正否判定ステップ
T 同期信号の1ビット分の時間間隔
t1 読取タイミング(第1の読取タイミング)
t2 読取タイミング(第2の読取タイミング)

Claims (2)

  1. 同期トラックとデータトラックとを有する磁気情報記録媒体の前記データトラックにNRZI(Non Return to Zero Inversion)方式で記録された磁気データを読み取って復調データを生成する磁気データの復調方法において、
    前記同期トラックに記録されたデータの読取結果に基づいて生成される矩形波状の信号を同期信号とし、前記データトラックに記録された前記磁気データの読取結果に基づいて生成される矩形波状の信号をデータ信号とすると、
    前記同期信号の立上りエッジおよび/または立下りエッジを基準にした第1の読取タイミングで前記データ信号を読み取るとともに、前記同期信号の前記立上りエッジおよび/または前記立下りエッジを基準にした、前記第1の読取タイミングと異なる第2の読取タイミングで前記データ信号を読み取るデータ読取ステップと、
    前記第1の読取タイミングで読み取られた前記データ信号の読取結果に基づいて前記復調データを生成する第1復調データ生成ステップと、
    前記第1復調データ生成ステップで生成された前記復調データの正否を判定する第1正否判定ステップと、
    前記第1正否判定ステップで前記復調データが正しくないと判定された場合に、前記第2の読取タイミングで読み取られた前記データ信号の読取結果に基づいて前記復調データを生成する第2復調データ生成ステップと、
    前記第2復調データ生成ステップで生成された前記復調データの正否を判定する第2正否判定ステップとを備え
    前記第1の読取タイミングは、前記同期信号の1ビット分の時間間隔の1/2であり、
    前記第2の読取タイミングは、前記同期信号の1ビット分の時間間隔の1/4であることを特徴とする磁気データの復調方法。
  2. 同期トラックとデータトラックとを有する磁気情報記録媒体の前記データトラックにNRZI方式で記録された磁気データを読み取る磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドで読み取った前記磁気データを復調して復調データを生成するデータ復調部とを備え、
    前記同期トラックに記録されたデータの読取結果に基づいて生成される矩形波状の信号を同期信号とし、前記データトラックに記録された前記磁気データの読取結果に基づいて生成される矩形波状の信号をデータ信号とすると、
    前記データ復調部は、
    前記同期信号の立上りエッジおよび/または立下りエッジを基準にした第1の読取タイミングで前記データ信号を読み取るとともに、前記同期信号の前記立上りエッジおよび/または前記立下りエッジを基準にした、前記第1の読取タイミングと異なる第2の読取タイミングで前記データ信号を読み取り、
    前記第1の読取タイミングで読み取られた前記データ信号の読取結果に基づいて前記復調データを生成して、生成された前記復調データの正否を判定するととともに、
    前記第1の読取タイミングで読み取られて生成された前記復調データが正しくないと判定した場合に、前記第2の読取タイミングで読み取られた前記データ信号の読取結果に基づいて前記復調データを生成して、生成された前記復調データの正否を判定し、
    前記第1の読取タイミングは、前記同期信号の1ビット分の時間間隔の1/2であり、
    前記第2の読取タイミングは、前記同期信号の1ビット分の時間間隔の1/4であることを特徴とする磁気データの復調装置。
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