JP2022121037A - カードリーダ及び磁気データ復調方法 - Google Patents

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Yukio Kuroiwa
茂樹 小澤
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Abstract

【課題】読み取りエラーを少なくしつつ操作性を改善するカードリーダを提供する。【解決手段】挿入口4は、カードが挿入される。搬送路5は、挿入口4から挿入されたカードが搬送される。第一磁気ヘッド11は、搬送路5を搬送される搬送方向に沿って、挿入口4に近い手前側に配置されている。第二磁気ヘッド12は、第一磁気ヘッド11より奥側に配置されている。ここで、第一磁気ヘッド11の磁気ギャップG1は、搬送方向における第一磁気ヘッド11の幅の中間位置よりも奥側に設けられている。第二磁気ヘッド12の磁気ギャップG2は、搬送方向における第二磁気ヘッド12の幅の中間位置よりも手前側に設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、特に磁気ヘッドが設けられたカードリーダ及び磁気データ復調方法に関する。
従来から、磁気ヘッドが二つ設けられた手動抜き差し式のカードリーダが存在する。
たとえば、特許文献1には、磁気ヘッドを磁気カードの移動方向に二つ設けて磁気カードより同一のデータを取り込み二つの復調データを得るようにしたカードリーダが記載されている。このカードリーダでは、二つの復調データのうち、一方の復調データのエラーを検出するエラー検出部を設け、エラー検出部により検出されたエラー箇所を他方の復調データを用いて補正するエラー補正部を設けている。
これにより、リードエラーが発生した場合に、二つの復調データのうち一方の復調データのエラー箇所を他方の復調データを用いて正常な復調データに補正することが可能となり、読み取りエラーを減少させられる。
特開2001-202723号公報
しかしながら、手動抜き差し式のカードリーダでは、奥行きが深いと操作性が悪くなる。このため、特許文献1に記載されたように、二つの磁気ヘッドを並べると、搬送路を長くする必要があり、奥行きが深くなって、実用上の操作性が損なわれる可能性があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消し、二つの磁気ヘッドを設けても読み取りエラーを少なくしつつ操作性を改善したカードリーダを提供することを目的とする。
本発明のカードリーダは、カードが挿入される挿入口と、前記挿入口から挿入された前記カードが搬送される搬送路と、前記搬送路を搬送される搬送方向に沿って、前記挿入口に近い手前側に配置された第一磁気ヘッドと、前記第一磁気ヘッドより奥側に配置された第二磁気ヘッドとを備え、前記第一磁気ヘッドの磁気ギャップは、前記搬送方向における前記第一磁気ヘッドの幅の中間位置よりも奥側に設けられ、前記第二磁気ヘッドの磁気ギャップは、前記搬送方向における前記第二磁気ヘッドの幅の中間位置よりも手前側に設けられることを特徴とする。
このように構成することで、読み取りエラーを少なくしつつ操作性を改善することができる。
本発明のカードリーダは、前記搬送方向における前記第二磁気ヘッドの磁気ギャップから前記挿入口までの距離は、前記第二磁気ヘッドの前記磁気ギャップが前記幅の中間位置に設けられる場合の距離未満であることを特徴とする。
このように構成することで、第一磁気ヘッドの磁気ギャップの位置が従来より奥側になり、カードを浅めに挿入した際のカードスキューを少なくすることができる。
本発明のカードリーダは、前記搬送方向における前記第一磁気ヘッドの磁気ギャップから前記挿入口までの距離は、前記第二磁気ヘッドの前記磁気ギャップが前記幅の中間位置に設けられる場合と同じであることを特徴とする。
このように構成することで、カードスキューによる磁気データの読み取り性能低下を抑えることができる。
本発明のカードリーダは、前記第一磁気ヘッドの磁気ギャップと前記第二磁気ヘッドの磁気ギャップとの距離は、1~10mmであることを特徴とする。
このように構成することで、操作性を改善しつつ、カードスキューによる読み取り性能低下を抑え、十分なエラー補正を行うことができる。
本発明のカードリーダは、前記カードの挿入時及び引き抜き時の少なくともいずれかに前記第一磁気ヘッド及び前記第二磁気ヘッドの磁気データを復調する復調部と、前記復調部により復調された前記第一磁気ヘッド及び前記第二磁気ヘッドの復調データのいずれか一方にエラーが検出された場合、前後から復調された復調データに基づいてエラー補正するエラー補正部とを更に備えることを特徴とする。
このように構成することで、磁気ギャップ間の距離を従来より短くした場合であっても、磁気ヘッド間で異なる復調データにより補正できる確率を高めることができる。
本発明の磁気データ復調方法は、カードリーダにより読み取られたカードの磁気データを復調する磁気データ復調方法であって、前記カードリーダは、前記カードが挿入される挿入口と、前記挿入口から挿入された前記カードが搬送される搬送路と、前記搬送路を搬送される搬送方向に沿って、前記挿入口に近い手前側に配置された第一磁気ヘッドと、前記第一磁気ヘッドより奥側に配置された第二磁気ヘッドと、前記第一磁気ヘッド及び前記第二磁気ヘッドの磁気データを復調する復調部と、前記復調部により復調された前記第一磁気ヘッド及び前記第二磁気ヘッドの復調データのいずれか一方にエラーが検出された場合、エラー補正するエラー補正部とを備え、前記第一磁気ヘッドの磁気ギャップは、前記搬送方向における前記第一磁気ヘッドの幅の中間位置よりも奥側に設けられ、前記カードリーダにより、前記第二磁気ヘッドの磁気ギャップは、前記搬送方向における前記第二磁気ヘッドの幅の中間位置よりも手前側に設けられ、前記カードの挿入時及び引き抜き時の少なくともいずれかに前記第一磁気ヘッド及び前記第二磁気ヘッドの磁気データを復調し、復調された前記第一磁気ヘッド及び前記第二磁気ヘッドの復調データのいずれか一方にエラーが検出された場合、前後から復調された復調データに基づいてエラー箇所を減少させ、残った前記エラー箇所を他方の復調データで置き換えることでエラー補正することを特徴とする。
このように構成することで、読み取りエラーを少なくしつつ操作性を改善することができる。
本発明の磁気データ復調方法は、カードリーダにより読み取られたカードの磁気データを復調する磁気データ復調方法であって、前記カードリーダは、前記カードの挿入時及び引き抜き時の少なくともいずれかに前記磁気データを復調し、復調時にエラーが検出された場合、前後から復調された復調データに基づいてエラー補正することを特徴とする。
このように構成することで、読み取りエラーを少なくすることができる。
本発明によれば、第一磁気ヘッド及び第二磁気ヘッドを備えていて、第一磁気ヘッドの磁気ギャップを磁気ヘッドの幅の中間位置より奥側、第二磁気ヘッドの磁気ギャップを手前側に設けることで、読み取りエラーを少なくしつつ操作性を改善することが可能なカードリーダを提供することができる。
本発明の実施の形態に係るカードリーダの概略構成を説明するための平面図である。 従来の磁気ヘッド及び図1に示す磁気ヘッドの配置を示す概略断面図である。 図1に示すカードリーダの制御構成を示すブロック図である。 本発明のカード読み取り処理のフローチャートである。 図4に示すエラー減少処理及び置き換え処理の概念図である。
<実施の形態>
〔カードリーダ1の概略構成〕
まず、図1及び図2により、本発明の実施の形態に係るカードリーダ1の概略構成について説明する。
本実施形態のカードリーダ1は、ユーザが手動でカード2を操作して、カード2を搬送する搬送路5に配置された磁気ヘッドにより、カード2に記録された磁気データを読み取る手動式の磁気データ処理装置、いわゆる「ディップ式のカードリーダ」の一例である。
具体的には、本実施形態に係るカードリーダ1は、この磁気ヘッドとして、第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12を備えている。本実施形態において、カードリーダ1は、カードリーダ1の装置内部にカード2を手動で挿入する際、又は、カードリーダ1の装置内部に挿入されたカード2を手動で排出する際に、カード2の磁気データを第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12で読み取る。
加えて、本実施形態のカードリーダ1は、ATM(Automated Teller Machine)、キオスク(Kiosk)の端末、交通機関のチケット発行システム、コンビニエンスストア等のポイントカード端末、小売店のメンバーカード発行システム、遊技機の支払システム、入退場管理システム等(以下、単に「ATM等」と省略して記載する。)の上位装置に搭載されて使用される。
本実施形態では、図1等に示すX2方向にカード2が挿入され、X1方向にカード2が排出される。すなわち、X2方向は、カード2の挿入方向である。また、X2方向側は、カード2の挿入方向(搬送方向)における奥側であり、X1方向側は、カード2の挿入方向(搬送方向)における手前側である。したがって、以下では、X2方向側を「奥」側、X1方向側を「手前」側とする。
カード2は、例えば、厚さが0.7~0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。カード2の表面には、磁気データが記録される磁気ストライプ2aが形成されている。また、カード2は、ICチップを含んでいてもよい。なお、カード2には、ICチップを備えずに磁気ストライプ2aが形成されていてもよい。また、カード2に、通信用のアンテナが内蔵されていてもよい。また、カード2の表面に、感熱方式等によって印字される印字領域が形成されていてもよい。さらに、カード2は、厚さが0.18~0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードや、所定の厚さの紙カード等であってもよい。
筐体3は、各部を保持する保持部材と回路基板(図示せず)とから構成されている。回路基板には、フロントセンサ16及びリアセンサ17が接続され、第一磁気ヘッド11、第二磁気ヘッド12、IC接点等からの信号を取得し、各部を制御するための各種回路を含んでいる。この各種回路は、カードリーダ1を制御するための制御部10(図2)を含んでいる。
カードリーダ1の手前端側の一部分は、ユーザによるカード2の挿入及びカード2の排出(引抜き)が可能となるように切り欠かれた切欠部4cが形成されている。このため、カードリーダ1の奥端側に挿入されたカード2の一部は切欠部4cにおいて露出する。また、搬送路5の手前端が、カード2が挿入される挿入口4となる。
カードリーダ1の装置内部には、挿入口4から挿入されたカード2が通過し搬送される搬送路5が直線状に形成されている。すなわち、搬送路5は、挿入口4に繋がるように形成されている。
この上で、カードリーダ1の手前端側に、搬送路5を搬送される搬送方向に沿って、カード2の磁気ストライプ2aに記録された磁気データを信号として読み取る第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12がタンデム(縦並び)配置されている。
本実施形態においては、第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12は、どちらも、図1における搬送路5の下側に配置されている。このうち、第一磁気ヘッド11は、挿入口4に近い手前側に配置されている。第二磁気ヘッド12は、第一磁気ヘッド11より奥側に配置されている。
第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12は、例えば、カード2の磁気ストライプ2aに記録される3トラックの同一の磁気データを、それぞれ読み取ることが可能である。第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12は、磁気データを読むための磁気ギャップG1及び磁気ギャップG2が、それぞれ形成された磁気コアと、この磁気コアに巻回されるコイルとから構成されている。
ここで、本実施形態に係る第一磁気ヘッド11の磁気ギャップG1は、搬送方向における第一磁気ヘッド11の幅の中間位置よりも奥側、すなわち中間位置よりもX2方向側に設けられている。一方、本実施形態に係る第二磁気ヘッド12の磁気ギャップは、搬送方向における第二磁気ヘッド12の幅の中間位置よりも手前側、すなわち中間位置よりもX1方向側に設けられている。この配置の詳細については、後述する。
また、カードリーダ1は、カード2が内部に挿入されたことを検出するためのカード検出部として、フロントセンサ16(フロント検出機構)及びリアセンサ17(リア検出機構)を備えている。
フロントセンサ16は、カードリーダ1の手前端側に配置されている。このフロントセンサ16は、挿入口4からカード2が挿入されたことを検出するカード検出部として機能する。本実施形態において、フロントセンサ16は、例えば、接触部材であるセンサ板と、このセンサ板の変位を検出する発光素子と受光素子とを備える機械式及び光学式の検出手段等であってもよい。
リアセンサ17は、カードリーダ1の奥端側に配置されている。このリアセンサ17は、カードリーダ1の奥端側までカード2が挿入されたことを検出するカード検出部として機能する。すなわち、リアセンサ17は、通常、カード2の先端がカード通路の奥端側に到達してカード2がカード停止位置に停止したことを検出する。本実施形態において、リアセンサ17は、フロントセンサ16と同様に、例えば、接触部材であるセンサ板と、このセンサ板の変位を検出する発光素子と受光素子とを備える機械式及び光学式の検出手段等であってもよい。
図2の概略図により、カードリーダ1の第一磁気ヘッド11の磁気ギャップG1と第二磁気ヘッド12の磁気ギャップG2の配置の詳細について説明する。
図2(a)は、従来の第一磁気ヘッド11b及び第二磁気ヘッド12bと、その磁気ギャップG1b及び磁気ギャップG2bとの配置について示す。図2(b)は、本実施形態に係る第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12と、その磁気ギャップG1及び磁気ギャップG2との配置について示す。それぞれの図は、カード2が、搬送路5の最奧のカード停止位置まで挿入されている状態を示す。
図2(a)に示すように、従来、磁気ヘッドはヘッドの中央(幅の中間位置)に磁気ギャップを配置していた。具体的には、従来のカードリーダ1bの第一磁気ヘッド11b及び第二磁気ヘッド12bは、例えば、ISO2トラックの磁気データを読む磁気ヘッドの場合、カード2の搬送方向に沿って、それぞれ、幅が11mmである。したがって、従来の第一磁気ヘッド11b及び第二磁気ヘッド12bとも、その搬送方向での幅の中間位置である5.5mmの位置に磁気ギャップG1b及び磁気ギャップG2bが設けられている。このため、このヘッドを搬送方向に並べて設けると、単純に磁気ギャップG1b及び磁気ギャップG2bの間の距離が11mm以上になる。ここで、奥側の第二磁気ヘッド12bはカード2の磁気データ全体を読み取る必要があるため、カード停止位置から第二磁気ヘッド11bの磁気ギャップG2bまでの距離として、所定の距離eが必要となる。このため、カード停止位置から挿入口4までの距離(距離e+距離d1)は、第一磁気ヘッド11bの幅の分、少なくとも11mmは、磁気ヘッドが単一のカードリーダよりも延びる。これにより、カード2の操作性が損なわれる可能性があった。
図2(b)に示すように、これに対して、本実施形態に係る第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12は、巻線を従来と同等としつつ、磁気ギャップG1及び磁気ギャップG2をそれぞれ片側に寄せて形成する。この際、第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12は、同様の構成のものを使用し、磁気ギャップが近い側を背中合わせに配置してもよい。
このように構成し、磁気ギャップG1は第一磁気ヘッド11の幅の中間位置より奥側、磁気ギャップG2は第二磁気ヘッド12の幅の中間位置より手前側にあることで、磁気ギャップG1と磁気ギャップG2との間の幅を従来より短くすることが可能となる。
より詳しく説明すると、図2(a)(b)に示すように、カード2が再奥(奧端)に入った位置が磁気データ挿入時の読み取り完了の位置、すなわちカード停止位置となる。
この際、本実施形態においては、カード2を挿入した際の奧端であるカード停止位置から第二磁気ヘッド12bの磁気ギャップG2bまでの距離e、及びカード停止位置から第二磁気ヘッド12の磁気ギャップG2までの距離eもほぼ同じであってもよい。
一方、搬送方向における第二磁気ヘッド12の磁気ギャップG2から挿入口4までの距離d2は、従来の磁気ギャップが幅の中間位置に設けられる第二磁気ヘッド12bの場合の距離d1未満となる。これにより、第一時期ヘッドの磁気ギャップG1の位置は、従来の磁気ギャップG1bの位置より奥側になる。よって、カード停止位置(奧端)から挿入口4までの距離も短くなり、操作性を向上させることができる。
さらに、図2(a)によれば、第一磁気ヘッド11bと挿入口4との距離が近ければ近い程、カードスキュー(曲がり、反り)が発生する。このカードスキューが大きいと、磁気データの読み取り性能が低下する可能性があるため、所定の距離c以上の距離であることが好適である。すなわち、挿入口4の奥側から第一磁気ヘッド11bまでの距離を距離c以上とすることで、カード2が曲がる量を抑えることが可能である。
これについて、図2(b)によれば、本実施形態においては、搬送方向における第一磁気ヘッド11の磁気ギャップG1から挿入口4までの距離cは、第一磁気ヘッド11bの磁気ギャップG1bが第一磁気ヘッド11bの幅の中間位置に設けられる従来の場合の距離cと、ほぼ同じである。これにより、従来と同様にカードスキューを抑えることが可能となる。さらに、挿入口4が従来より奥側にあることにより、操作性を高めてカードスキュー自体を少なくすることができる。
ここで、本実施形態においては、第一磁気ヘッド11の磁気ギャップG1と第二磁気ヘッド12の磁気ギャップG2との距離は、1~10mmであることが好適である。これは、後述する復調による磁気データの修正においては、操作速度にもよるものの、1mm以上あれば、十分可能であるためである。すなわち、ISO/IEC7811、7813の2トラックの場合、75BPI(bit per inch)であり、2.95ビット/mmとなるため、2mm離れれば約6ビット分となり、十分以上となるからである。逆に、これら磁気ギャップG1及び第二磁気ヘッド12の磁気ギャップG2の間の位置は、1mmより近すぎると、磁気データの修正の部位が接近するため好ましくない。一方、10mmより大きいと従来と同様の操作性の問題が生じる可能性があるため好ましくない。
〔カードリーダ1の制御構成〕
次に、図3により、本実施形態に係るカードリーダ1の制御構成について説明する。
制御部10には、第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12からの磁気データを復調する第一復調部13及び第二復調部14がそれぞれ接続されている。また、制御部10には、フロントセンサ16とリアセンサ17とが接続されており、フロントセンサ16からの出力信号とリアセンサ17からの出力信号とが入力される。さらに、制御部10には、制御部10には、各種データ及びプログラムが格納される記憶部15も接続されている。加えて、カードリーダ1が搭載される上位装置(図示せず)と接続するインターフェイス部18が接続されている。
なお、各部は、各種バスや信号線等の通信ラインにより接続されている。
制御部10は、カードリーダ1の全体を統合的に制御し、第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12を用いて信号の読み取りやIC接点を介してデータの書き込みを制御する。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等から構成される。また、制御部10は、フロントセンサ16及びリアセンサ17の信号から、カード2の挿入状態、読み取りや書き込みの終了等を判断する。
第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12で読み取られたカード2の磁気ストライプ2a等の磁気信号は、アナログの出力信号として第一復調部13及び第二復調部14へ、それぞれ出力される。
第一復調部13及び第二復調部14は、第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12から出力されるアナログの磁気データの信号(アナログ信号)を、それぞれ復調して、デジタル信号データを生成(符号化)する磁気信号処理IC(Integrated Circuit)等の回路等の復調部である。本実施形態においては、例えば、第一復調部13及び第二復調部14は、増幅器、バンドパスフィルタ、微分回路、コンパレータ、A/D(Analog-to-digital)コンバータ等の回路を含んでいる。
第一復調部13及び第二復調部14は、第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12から出力されたアナログ信号を増幅し、A/D変換したデジタル信号データ(以下、「波形データ」という。)を生成する。この波形データは、磁気ストライプ2aの同一トラックにデータとクロックが合成され記録されたF2F(Two Frequency Coherent Phase Encoding)方式の記録電流波形の磁気データに対応したデータである。具体的には、この波形データは、例えば、多値のデジタルデータであってもよい。
第一復調部13及び第二復調部14は、この波形データを、例えば、DMA(Direct Memory Access)等により、記憶部15に格納する(図示せず)。この波形データに基づいて、後述する各復調データが生成される。
記憶部15は、制御部10によりアクセスされる制御部10用の一時的でない記録媒体である。記憶部15は、制御部10のワーキングエリア等となるRAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)とを含む。また、記憶部15は、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等を含んでいてもよい。記憶部15には、制御部10により実行される制御部10用の制御プログラムを含む各種プログラム、及び取得された各復調データが格納されている。
インターフェイス部18は、カードリーダ1と、ATM本体等に備えられた上位装置とを接続するインターフェイスである。インターフェイス部18は、上位装置と通信するためのUSB(Universal Serial Bus)、RS-232C、パラレル、LAN(Local Area Network)等のインターフェイスを含んでいる。
次に、カードリーダ1の機能的な構成について説明する。
制御部10は、エラー補正部100を備えている。
記憶部15は、第一挿入データ210、第一引抜データ211、第二挿入データ220、第二引抜データ221を格納する。
エラー補正部100は、第一復調部13及び第二復調部14により復調され、記憶部15に格納された波形データからピーク値を検出して矩形波、すなわち「0」「1」のビット列を生成し、この矩形波に基づいた各復調データを生成する。具体的には、エラー補正部100は、この復調データとして、波形データの記録の最初から最後までの順(以下、復調順が「前」方向という。)、又は最期から最初までの順(以下、復調順が「後」方向という。)で、波形データから矩形波を生成する。そして、エラー補正部100は、生成された各矩形波を同期信号と文字の箇所に分解したデジタルデータを、それぞれの復調データとして記憶部15に格納する。ここで、エラー補正部100は、各復調データの格納の際、磁気データに記録された文字の並び順となるように、挿入又は引き抜きにおける磁気データの読み出し方向、復調の前後方向に応じて、データの並び順を変更させて格納する。
この上で、エラー補正部100は、第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12からの磁気データが第一復調部13及び第二復調部14により復調された復調データのいずれかにエラーが検出された場合、エラー補正する。
エラー補正部100は、このエラーの検出は、例えば、ISO/IEC7811のフォーマットに照らし合わせて、異常な値があった箇所をエラーと判断可能である。本実施形態においては、本実施形態においては、当該一方の磁気ヘッドのカードの挿入時の復調データ及びカードの引き抜き時の復調データのいずれにおいても、前後から復調された復調データに基づいてエラー箇所を減少させる。この上で、エラー補正部100は、残ったエラー箇所を他方の磁気ヘッドに由来する復調データで置き換えることでエラー補正する。この処理の詳細については、後述する。
第一挿入データ210、第一引抜データ211、第二挿入データ220、第二引抜データ221は、本実施形態に係る磁気データが復調された復調データである。
具体的には、第一挿入データ210は、第一磁気ヘッド11にて挿入時に読み取られた磁気データが第一復調部13にて復調された波形データに基づいて復調された復調データである。第一挿入データ210は、復調順が前方向の第一挿入データ210f、及び復調順が後方向の第一挿入データ210rを含んでいる。
第一引抜データ211は、第一磁気ヘッド11にて、引き抜き時に読み取られた磁気データが第一復調部13にて復調された波形データに基づいて復調された復調データである。第一引抜データ211は、復調順が前方向の第一引抜データ211f、及び復調順が後方向の第一引抜データ211rを含んでいる。
第二挿入データ220は、第二磁気ヘッド12にて挿入時に読み取られた磁気データが第二復調部14にて復調された波形データに基づいて復調された復調データである。第二挿入データ220は、復調順が前方向の第二挿入データ220f、及び復調順が後方向の第二挿入データ220rを含んでいる。また、本実施形態においては、後述するように、第二挿入データ220fがエラー補正されたデータが、優先して出力される。
第二引抜データ221は、第二磁気ヘッド12にて、引き抜き時に読み取られた磁気データが第二復調部14にて復調された波形データに基づいて復調された復調データである。第二引抜データ221は、復調順が前方向の第二引抜データ221f、及び復調順が後方向の第二引抜データ211rを含んでいる。
〔カード読み取り処理〕
次に、図4及び図5により、本発明の実施の形態に係るカードリーダ1によるカード読み取り処理の説明を行う。
本実施形態のカード読み取り処理は、主に、カード2が手動で挿入口4に挿入されてから排出される(引き抜かれる、抜き取られる)までの処理である。しかしながら、本実施形態においては、主に第二磁気ヘッド12にてカード2の挿入時にエラー補正する例について説明する。具体的には、読み取られ復調された第二挿入データ220fを優先して出力するデータとし、読み取りエラーの発生時、まず復調順の前後別の復調データである第二挿入データ220f及び第二挿入データ220rに基づいてエラーを減少させる。その後、第一挿入データ210で更に置き換えてエラー補正する例について記載する。
本実施形態のカード読み取り処理は、主に制御部10が、記憶部15に記憶された制御プログラムを、各部と協働し、ハードウェア資源を用いて実行する。
以下で、図4のフローチャートにより、カード読み取り処理の詳細をステップ毎に説明する。
(ステップS101)
まず、第一復調部13、第二復調部14、及びエラー補正部100が、磁気データ取得復調処理を行う。
具体的には、上位装置のコマンド等による指示があった場合、制御部10のエラー補正部100は、カード2からの磁気データを読み取り可能な状態にする。
そして、カード2は、ユーザにより手動で挿入口4に挿入されて、奥側のカード停止位置で停止する。この際、磁気ストライプ2aの磁気信号が第一磁気ヘッド11にて読み取られた磁気データが第一復調部13にて復調され、この波形データが記憶部15に格納される。加えて、第二磁気ヘッド12にて読み取られた磁気データが第二復調部14にて復調され、この波形データも記憶部15に格納される。
その後、カード2は、ユーザにより排出される(引き抜かれる)。この際、第一磁気ヘッド11にて読み取られた磁気データが第一復調部13にて復調され、この波形データが記憶部15に格納される。同様に、第二磁気ヘッド12にて読み取られた磁気データが第二復調部14にて復調され、この波形データも、記憶部15に格納される。
ここで、カード2が挿入され、停止位置まで到達したこと、及びカード2が排出されたことは、それぞれ、フロントセンサ16とリアセンサ17とにより検知され、エラー補正部100が状態把握する。
次に、エラー補正部100が、各波形データから各復調データを生成する。具体的には、エラー補正部100は、第一挿入データ210f、第一挿入データ210r、第二挿入データ220f、第二挿入データ220r、第一引抜データ211f、第一引抜データ211r、第二引抜データ221f、第二引抜データ221rを生成して、記憶部15に格納する。
図5(a)、図5(b)により、各復調データの構造と復調順とについて説明する。
図5(a)によれば、挿入時の磁気データが前方向に復調された第一挿入データ210f及び第二挿入データ220f、引き抜き時(排出時)の磁気データが後方向に復調された第一引抜データ211r及び第二引抜データ221rは、Aの箇所の文字が1番目~Oの箇所の文字が15番目の順に復調されて生成された復調データとなる。
図5(b)によれば、逆に、挿入時の磁気データが後方向に復調された第一挿入データ210r及び第二挿入データ220r、引き抜き時の磁気データが後方向に復調された第一引抜データ211f及び第二引抜データ221fは、Oの箇所の文字が1番目~Aの箇所の文字が15番目の順に復調されて生成された復調データとなる。
(ステップS102)
次に、エラー補正部100が、エラーを検出したか否かを判定する。
図5(c)を参照して、このエラーの検出について説明する。エラー補正部100は、復調データの生成時において、文字の箇所の前後にある同期信号を基準に、エラーチェックを行ってもよい。具体的には、エラー補正部100は、文字毎の偶数パリティチェック、奇数パリティチェック、チェックサム、CRC等のチェックにより、当該文字が正しいか否か(エラー)を検出することが可能である。これに加えて、エラー補正部100は、復調データ全体のチェックにより、復調データ全体でエラーがあったか否かを検出可能である。
ここで、図5(c)では、第二挿入データ220f-1の「H」の箇所の文字、すなわち8番目でカード2の一時停止や減磁等によりエラーが生じた例を示す。
これらのように、復調データの少なくとも一つの箇所でエラーが検出された場合、エラー補正部100は、Yesと判定する。エラー補正部100は、それ以外の場合には、Noと判定する。
Yesの場合、エラー補正部100は処理をステップS103に進める。
Noの場合、エラー補正部100は、カード読み取り処理を終了する。
(ステップS103)
エラーが検出された場合、エラー補正部100が、エラー減少化処理を行う。
エラー補正部100は、復調された第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12に由来する復調データのいずれか一方にエラーが検出された場合、前後から復調された復調データに基づいてエラーを減少させる。これは、エラーが生じると、その後の続く何箇所かについては、ビット列としては正しいものの、同期ずれから復調エラーとなる場合があるためである。ここで、復調順が前後逆になると、同期ずれはその後の箇所から生じる。このため、復調順が前方向、後方向で異なるデータを掛け合わせることで、エラーの箇所を減少させることが可能となる。
具体的には、本実施形態においては、例えば、エラー補正部100は、挿入時の復調データである第一挿入データ210f及び第一挿入データ210rのいずれか又は両方でエラーが生じた場合、これらを掛け合わせてエラーを減少させる。または、エラー補正部100は、第二挿入データ220f及び第二挿入データ220rのいずれか又は両方でエラーが生じた場合も、これらを掛け合わせてエラーを減少させる。
図5(c)は、第二挿入データ220f-1の「H」の文字の箇所、すなわち8番目にエラーが生じて、同期ずれから、次の「I」の9番目、「J」の10番目の箇所もエラーとなった例を示す。
図5(d)は、同様に「H」の文字の箇所、すなわち8番目でエラーが生じた第二挿入データ220r-1で、次の「G」の9番目、「F」の10番目の箇所がエラーとなった例を示す。
図5(e)は、エラー補正部100が、第二挿入データ220r-1から、正常箇所である「I」の箇所と、「J」の箇所の文字を抜き出して置き換えた第二挿入データ220f-2を生成した例を示す。すなわち、前後から復調された復調データを掛け合わせることで、エラーの箇所を減らすことが可能となる。
(ステップS104)
次に、エラー補正部100が、置き換え処理を行う。
エラー補正部100は、残ったエラー箇所を他方の復調データで置き換える。具体的には、エラーの原因が、カード2の挿入時にユーザがカード2を一時的に停止させたような場合、読み取り時の磁気ストライプ2aの位置に対応した磁気データの位置が磁気ヘッドにより異なる。すなわち、どのビットの箇所でエラーが生じるかは、第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12で異なっている。さらに、減磁等であっても、挿入や引抜の際に速度が微妙に異なると、第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12のいずれかでエラーになったりならなかったりする。このため、エラーの箇所を他の磁気ヘッドの磁気データを復調した復調データで置き換える。この際に、上述のように、一方の磁気ヘッドに由来する復調順が前後方向の復調データでエラーを減少させてから、その後、置き換えるため、エラー箇所を正常箇所で置き換えられる可能性を高められる。
図5(f)は、第一挿入データ210f-1において、「N」の箇所の文字以降がエラーとなっている例を示す。しかしながら、この例において、第一挿入データ210f-1の「H」の箇所の文字は、エラーとなっておらず、正常である。
図5(g)では、エラー補正部100が、第一挿入データ210f-1の「H」の箇所の文字を抜き出して置き換えた第二挿入データ220f-3を生成した例を示す。このようにして、全ての箇所を正常とした復調データを生成可能となる。
以上により、本発明の実施の形態に係るカード読み取り処理を終了する。
〔本実施形態の主な効果〕
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
従来、特許文献1に記載されたように、磁気ヘッドを二つタンデムに並べて配置することで、カードを持ち替える等でカード操作を止めても、読み取りエラーとなる可能性を減少させるディップ式のカードリーダが存在した。
このように、磁気ヘッドを二つタンデムに並べる場合、奥側の磁気ヘッドでは、カードの磁気データ全体を読み取ることが可能な位置に配置する必要がある。このため、特許文献1に記載されたカードリーダでは、手前側の磁気ヘッドの分だけ挿入口(ベゼル)の位置を、手前側に設ける必要性が生じでいた。
しかしながら、ディップ式のカードリーダでは、搬送路の最奧のカード停止位置までの距離が長い、すなわち、奥行きが深いと操作性が悪くなる。このため、特許文献1に記載されたカードリーダのように、挿入口の位置が手前側になると、実用上の操作性が損なわれる可能性があった。
これに対して、本発明の実施の形態に係るカードリーダ1は、カードが挿入される挿入口4と、挿入口4から挿入されたカードが搬送される搬送路5と、搬送路5を搬送される搬送方向に沿って、挿入口4に近い手前側に配置された第一磁気ヘッド11と、第一磁気ヘッド11より奥側に配置された第二磁気ヘッド12とを備え、第一磁気ヘッド11の磁気ギャップG1は、搬送方向における第一磁気ヘッド11の幅の中間位置よりも奥側に設けられ、第二磁気ヘッド12の磁気ギャップG2は、搬送方向における第二磁気ヘッド12の幅の中間位置よりも手前側に設けられることを特徴とする。
このように構成することで、カードリーダ1の全長が長くなることを抑制しつつ、磁気ヘッドを搬送方向に二つ配置できる。これにより、搬送路5の最奧のカード停止位置までの距離を短くして、挿入口4の手前側への飛び出しを抑えることができる。結果として、磁気データの読み取り精度を向上させ、読み取りエラーを少なくしつつ、操作性を改善することが可能となる。
さらに、磁気ヘッドを小さくすると巻線の巻きが少なくなるので、磁気出力が確保できなくなり、摩耗にも弱くなる。さらに、磁気ヘッドの価格自体も高価となる。このため、磁気ヘッドを単純に小型化することもできなかった。
これに対して、本発明の実施の形態に係るカードリーダ1は、磁気ギャップG1、磁気ギャップG2の位置を変更するだけで、大きさ(幅)自体は従来と同様の磁気ヘッドを用いることができるため、磁気出力及び摩耗性能を確保しつつ、価格も安価に抑えた磁気ヘッドを用いることができる。
また、従来、磁気ヘッドが一つのディップ式カードリーダでは、挿入時はカードの一時的な停止によりエラー検出されることが多いため、引き抜き時に読み取るように構成していたことが多かった。
これに対して、本実施形態に係るカードリーダ1は、挿入時に一時的に停止させてもエラー補正された正しい復調データを出力可能となる。すなわち、カードリーダ1は、挿入方向での読み取り性能がよいディップ式等の手動のカードリーダとして提供できる。
さらに、挿入時の復調データにおいてエラーが検出されなければ、そのまま上位装置へ復調データを送信できるため、処理の待ち時間を減らすこともできる。
また、本発明の実施の形態に係るカードリーダ1は、搬送方向における第二磁気ヘッド12の磁気ギャップG2から挿入口4までの距離d2は、従来のカードリーダ1bのように第二磁気ヘッド12bの磁気ギャップG2bが第二磁気ヘッド12bの幅の中間位置に設けられる場合の距離d1未満であることを特徴とする。
このように構成することで、図2に示したように、第一磁気ヘッド11の磁気ギャップG1の位置が従来の磁気ギャップG1bの位置より奥側になる。これにより、カード2を浅めに挿入した際のカードスキューを少なくすることができる。よって、カード2の読み取り性能を向上させられる。
本発明の実施の形態に係るカードリーダ1は、搬送方向における第一磁気ヘッド11の磁気ギャップG1から挿入口4までの距離cは、第一磁気ヘッド11bの磁気ギャップG1bが第一磁気ヘッド11bの幅の中間位置に設けられる従来のカードリーダ1bの場合の距離cと、ほぼ同じであることを特徴とする。
このように構成することで、カード2のカードスキューによる磁気データの読み取り性能の低下を抑えることができる。このため、更にカード読み取り性能を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係るカードリーダ1は、第一磁気ヘッド11の磁気ギャップG1と第二磁気ヘッド12の磁気ギャップG2との距離は、1~10mmであることを特徴とする。
このように構成することで、従来のカードリーダ1bよりも操作性を改善しつつ、カードスキューによる読み取り性能低下を抑え、十分なエラー補正を行うこともできる。すなわち、そもそも操作性がよいためにカード2を一時的に停止させなくてもスムーズにカード2を挿入、引抜でき、仮にエラーが検出されても、他の磁気ヘッドの復調データを用いて従来と同様にエラー補正を行うことが可能である。
本発明の実施の形態に係るカードリーダ1は、カードの挿入時及び引き抜き時に第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12の磁気データを復調する復調部と、復調部により復調された第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12の復調データのいずれか一方にエラーが検出された場合、前後から復調された復調データに基づいてエラー補正するエラー補正部100とを更に備えることを特徴とする。
このように構成することで、エラー以降が正しいビット列でも同期ずれによりエラーとして検出された場合、同じ磁気ヘッドの復調順が逆の復調データで置き換えてエラーを少なくすることができる。加えて、挿入方向の復調データだけでエラー補正することで、より早くデータをより正確に読み取ることができるカードリーダを実現できる。また、処理の待ち時間を減らすこともできる。
さらに、特に、本実施形態のように、磁気ギャップG1と磁気ギャップG2との距離を従来より短くした場合であっても、磁気ヘッド間で異なる復調データで補正可能とする確率を高めることができる。これにより、実用性を更に高めることができる。
さらに加え、磁気データの記録値である「生」の波形データの前後から矩形波を生成して、復調データを生成することで、同期ずれによるエラーの発生をより少なくすることが期待できる。
〔他の実施の形態〕
なお、上述の実施形態においては、従来と同様の幅であるものの、搬送方向において磁気ギャップを長さ方向の中間位置より片側に寄せた第一磁気ヘッド11と第二磁気ヘッド12とを背中合わせに配置し、磁気ギャップ間の距離を小さくした例について記載した。
これについて、第一磁気ヘッド11のみ又は第二磁気ヘッド12のみ、搬送方向において、磁気ギャップを長さ方向の中間位置よりも片側に寄せてもよい。特に、第二磁気ヘッド12の磁気ギャップG2のみ、搬送方向における第二磁気ヘッド12の幅の中間位置よりも奥側に設けられてもよい。すなわち、寄せた以外の磁気ヘッドは、中間位置に磁気ギャップがある磁気ヘッドを用いることも可能である。
これに加えて、磁気ヘッドの幅そのものも小さくした磁気ヘッドを用いることが可能である。この場合、磁気ヘッドの高さ方向、すなわち搬送方向に対向する方向の長さを長くして、巻き線数を増やして磁気ヘッドの出力を従来と同等以上に高めてもよい。さらに、硬いヘッド材料で耐摩耗性を維持し、カードガイドを設ける等してスキューによる読み取り性能低下を抑えることも可能である。
このように構成することで、操作性の低下を押さえつつ、柔軟な構成に対応可能となる。
また、上述の実施形態においては、図2に示したように、従来の第一磁気ヘッド11bの磁気ギャップG1bから挿入口4までの距離cと、上述の実施形態に係る第一磁気ヘッド11の磁気ギャップG1から挿入口4までの距離cとは同様である例について記載した。
しかしながら、カードガイド等の部材を設けることで、第一磁気ヘッド11の磁気ギャップG1から挿入口4までの距離を、距離cよりも短くしてもよい。これにより、スキューによる読み取り性能低下も抑えつつ、更に操作性を高めることもできる。
上述の実施形態においては、第二挿入データ220をエラー補正して出力するデータとして用いる例について記載した。すなわち、上述の例では、奥側の第二磁気ヘッド12が読み取り用に優先して用いられる例について記載した。
しかしながら、第一磁気ヘッド11を優先して用いることも可能であり、引き抜き時の復調データを優先して用いるように構成することも可能である。すなわち、第一挿入データ210、第二挿入データ220、第二引抜データ221のいずれのデータについても、最終的な出力用の復調データとして、他のデータでエラー補正して用いることが可能である。また、エラー発生時、第一引抜データ211でエラーを減少させ、第一磁気ヘッド11に由来の復調データでエラー補正することも可能である。
このように構成することで、どれか一つの復調データでもエラーが検出されなかったり、エラーが少なかったりしたデータを用いて、出力用の復調データを生成することが可能となる。よって、様々な状況においてエラー補正できる可能性を高められる。
また、上述の実施形態においては、挿入時の復調データだけでエラーを減少させる例について説明した。
しかしながら、引き抜き時(排出時)の復調データだけでエラーを減少させてもよい。さらに、挿入時及び引き抜き時の両方の復調データを全て取得してから、エラー補正するように記載してもよい。この際、例えば、エラー補正部100は、一方の磁気ヘッドに由来する挿入時の復調データ及びカードの引き抜き時の復調データに基づいてエラー箇所を減少させてもよい。すなわち、挿入時と引抜時の復調データのエラーの箇所を、正しい箇所で置き換えることでエラーの箇所を減少させてもよい。すなわち、エラー補正部100は、第一挿入データ210f、第一挿入データ210r、第一引抜データ211f、及び第一引抜データ211rのいずれか又は任意の組み合わせでエラーが生じた場合、これらを掛け合わせてエラーを減少させることが可能である。または、エラー補正部100は、第二挿入データ220f、第二挿入データ220r、第二引抜データ221f、及び第二引抜データ221rのいずれか又は任意の組み合わせでエラーが生じた場合も、これらを掛け合わせてエラーを減少させることが可能である。
加えて、エラーが生じた箇所について、もう一方の復調データを用いて単に置き換えるのではなく、当該もう一方の復調データにて同期ずれしたビット数をカウントし、エラー箇所を補正してもよい。この場合、例えば、エラー補正部100は、エラーが生じた箇所の後の各文字の箇所をビットシフト等して、エラーのない箇所のビット列と比較して、何ビットずれたのかを判断し、エラーが検出された後の箇所を補正してもよい。
このように構成することで、減磁等により同期ずれが発生した場合であっても、第一挿入データ210及び第二挿入データ220のいずれかにおける前後の復調データだけで補正しやすくなる。
なお、第一引抜データ211及び第二引抜データ221のいずれかにおける前後の復調データだけで同様に補正してもよい。
また、上述の実施形態においては、第一復調部13及び第二復調部14にて波形データを出力し、これを制御部10のエラー補正部100にて矩形波に変換し、復調データとして生成する例について記載した。
しかしながら、第一復調部13及び第二復調部14にて、波形データではなく、矩形波、すなわち「0」「1」のビット列に復調して、記憶部15に格納しておくような構成も可能である。さらに、第一復調部13及び第二復調部14により、上述の各復調データを直接、生成するように構成することも可能である。
さらに加えて、上述の実施形態においては、第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12由来の復調データを挿入時及び引き抜き時、両方とも復調する例について記載した。
しかしながら、第一磁気ヘッド11及び第二磁気ヘッド12のいずれかの磁気ヘッドで読み取った磁気データを、まず前側から復調し、その時点でエラーがなければ、後ろ側からは復調を行わないような構成も可能である。この場合、他方の磁気ヘッドで読み取った磁気データも復調せず、エラーがなかった前側からの復調データをそのカード2の復調データとして出力してもよい。すなわち、第一挿入データ210f及び第二挿入データ220fのいずれかだけ先に復調して、これにエラーがなかった場合、それ以外の磁気データを復調しなくてもよい。
このように構成することで、カード2の読み取りに必要な処理時間を、更に短縮することが可能となる。
また、上述の実施形態においては、磁気ギャップを寄せて設けた磁気ヘッドと、復調時のエラー補正とを組み合わせて用いる例について記載した。しかしながら、いずれか一方のみ用いることも可能である。
具体的には、磁気ギャップを寄せて設けた磁気ヘッドについて、特許文献1に記載されたようなエラー補正方法のみを用いることが可能である。
このように構成することで、制御プログラムを変更しなくても、操作性を改善することが可能となる。
逆に、特許文献1に記載されたような、従来の二つの磁気ヘッドを備えたカードリーダについて、上述のエラー補正を行うことも可能である。すなわち、エラー補正方法として、カードの挿入時及び/又は引き抜き時に磁気データを復調し、復調時にエラーが検出された場合、前後から復調された復調データに基づいてエラー補正してもよい。
このように構成することで、従来のカードリーダであっても、エラーを補正できる可能性を向上させ、読み取り性能を高めることができる。
上述の実施形態においては、カードリーダ1の制御部10によりエラー補正する例について記載した。
しかしながら、上位装置にてエラー補正するような構成も可能である。
または、第一復調部13及び第二復調部14と接続された回路、制御部10の回路等によりハードウェア的にエラー補正するように構成することも可能である。
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
1、1b カードリーダ
2 カード
2a 磁気ストライプ
3 筐体
4 挿入口
4c 切欠部
5 搬送路
10 制御部
11、11b 第一磁気ヘッド
12、12b 第二磁気ヘッド
13 第一復調部
14 第二復調部
15 記憶部
16 フロントセンサ
17 リアセンサ
18 インターフェイス部
100 エラー補正部
210、210f、210f-1、210r 第一挿入データ
211、211f、211r 第一引抜データ
220、220f、220f-1、220f-2、220f-3、220r、220r-1 第二挿入データ
221、221f、221r 第二引抜データ
G1、G1b、G2、G2b 磁気ギャップ

Claims (7)

  1. カードが挿入される挿入口と、
    前記挿入口から挿入された前記カードが搬送される搬送路と、
    前記搬送路を搬送される搬送方向に沿って、前記挿入口に近い手前側に配置された第一磁気ヘッドと、
    前記第一磁気ヘッドより奥側に配置された第二磁気ヘッドとを備え、
    前記第一磁気ヘッドの磁気ギャップは、前記搬送方向における前記第一磁気ヘッドの幅の中間位置よりも奥側に設けられ、
    前記第二磁気ヘッドの磁気ギャップは、前記搬送方向における前記第二磁気ヘッドの幅の中間位置よりも手前側に設けられる
    ことを特徴とするカードリーダ。
  2. 前記搬送方向における前記第二磁気ヘッドの磁気ギャップから前記挿入口までの距離は、前記第二磁気ヘッドの前記磁気ギャップが前記幅の中間位置に設けられる場合の距離未満である
    ことを特徴とする請求項1に記載のカードリーダ。
  3. 前記搬送方向における前記第一磁気ヘッドの磁気ギャップから前記挿入口までの距離は、前記第二磁気ヘッドの前記磁気ギャップが前記幅の中間位置に設けられる場合と同じである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカードリーダ。
  4. 前記第一磁気ヘッドの磁気ギャップと前記第二磁気ヘッドの磁気ギャップとの距離は、1~10mmである
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカードリーダ。
  5. 前記カードの挿入時及び引き抜き時の少なくともいずれかに前記第一磁気ヘッド及び前記第二磁気ヘッドの磁気データを復調する復調部と、
    前記復調部により復調された前記第一磁気ヘッド及び前記第二磁気ヘッドの復調データのいずれか一方にエラーが検出された場合、前後から復調された復調データに基づいてエラー補正するエラー補正部とを更に備える
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカードリーダ。
  6. カードリーダにより読み取られたカードの磁気データを復調する磁気データ復調方法であって、
    前記カードリーダは、
    前記カードが挿入される挿入口と、
    前記挿入口から挿入された前記カードが搬送される搬送路と、
    前記搬送路を搬送される搬送方向に沿って、前記挿入口に近い手前側に配置された第一磁気ヘッドと、
    前記第一磁気ヘッドより奥側に配置された第二磁気ヘッドと、
    前記第一磁気ヘッド及び前記第二磁気ヘッドの磁気データを復調する復調部と、
    前記復調部により復調された前記第一磁気ヘッド及び前記第二磁気ヘッドの復調データのいずれか一方にエラーが検出された場合、エラー補正するエラー補正部とを備え、
    前記第一磁気ヘッドの磁気ギャップは、前記搬送方向における前記第一磁気ヘッドの幅の中間位置よりも奥側に設けられ、
    前記第二磁気ヘッドの磁気ギャップは、前記搬送方向における前記第二磁気ヘッドの幅の中間位置よりも手前側に設けられ、
    前記カードリーダにより、
    前記カードの挿入時及び引き抜き時の少なくともいずれかに前記第一磁気ヘッド及び前記第二磁気ヘッドの磁気データを復調し、
    復調された前記第一磁気ヘッド及び前記第二磁気ヘッドの復調データのいずれか一方にエラーが検出された場合、前後から復調された復調データに基づいてエラー箇所を減少させ、
    残った前記エラー箇所を他方の復調データで置き換えることでエラー補正する
    ことを特徴とする磁気データ復調方法。
  7. カードリーダにより読み取られたカードの磁気データを復調する磁気データ復調方法であって、
    前記カードリーダは、
    前記カードの挿入時及び引き抜き時の少なくともいずれかに前記磁気データを復調し、
    復調時にエラーが検出された場合、前後から復調された復調データに基づいてエラー補正する
    ことを特徴とする磁気データ復調方法。
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