JP5754503B2 - 流体制御システム - Google Patents

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Description

本発明は流体制御システムに関する。
エンジンの冷却液など流体を制御する技術として構成上、本発明と関連性があると考えられる技術が例えば特許文献1で開示されている。特許文献1では、高温サーモバルブおよび低温サーモバルブにより高水温、低水温を設定する内燃機関の冷却装置が開示されている。
また、本発明と関連性があると考えられる技術として、サーモスタットの故障に関する技術が例えば特許文献2から4で開示されている。特許文献2では、サーモスタットの故障を検出するエンジン冷却系故障検出装置が開示されている。特許文献3では、サーモスタットバルブに故障が生じた時に、放熱を行う熱交換器が設けられた循環路に冷却媒体を循環させる内燃機関の冷却制御システムが開示されている。特許文献4では、冷却水の温度および電気ヒータの温度のうち高いほうの温度に応じて開閉することで、電気ヒータが故障しても冷却水の温度に応じて開閉する電気式サーモスタットを備えるエンジンの冷却装置が開示されている。
特開平7−91251号公報 特開平11−117799号公報 特表2003−506616公報 特開2009−97351号公報
サーモスタットは冷却対象を適切に冷却するために設けることができる。この点、サーモスタットを用いて冷却対象を冷却するにあたっては、例えば次のようにすることができる。すなわち、冷却対象に流体を供給する流体供給経路中に分岐後、合流する第1および第2の分岐経路を設けるとともに、これらの分岐経路のうち、少なくとも一方にサーモスタットを設けることができる。この場合、いずれかのサーモスタットの下流側にバルブ機構を設けることで、対応するサーモスタットによる流体の流通制御の有効、無効を切り替えることができる。そしてこれにより、サーモスタットによる流体の流通制御を適宜可能にすることができる。
ところがこの場合には、例えばサーモスタットによる流体の流通制御を有効にしている状態で、対応するサーモスタットが閉じたままの状態になる閉故障を起こした場合に、対応するサーモスタットを介した流体の供給を行えなくなる。結果、冷却不足により冷却対象の状態が悪化する虞がある。また、例えばサーモスタットによる流体の流通制御を有効にしている状態で、対応するサーモスタットが開いたままの状態になる開故障を起こした場合に、対応するサーモスタットを介した流体の供給を適切に停止できなくなる。結果、過冷却により冷却対象の状態が悪化する虞がある。
この点、サーモスタットの故障に対処するためには、例えば故障している状態を前提とした処置を行うことも考えられる。具体的には例えば冷却対象が車両に設けられたエンジンである場合、次のような処置を行うことが考えられる。
すなわち、サーモスタットの閉故障発生時には例えばエンジンの出力を制限することでオーバーヒートを回避することが考えられる。ところがこの場合には、車両の運動性能が悪化する。また、サーモスタットの開故障発生時には例えば修理が行われるまでの間、故障を放置することが考えられる。ところがこの場合には、エンジンの内部フリクションが増大する結果、燃費が悪化する。同時に、車両がエンジンの冷却液から受熱した熱を利用して加熱を行うヒータを備える場合には、ヒータ性能が低下する。このため、この場合にはサーモスタット故障時であるとは言え、種々の不都合が生じる虞がある。したがって、サーモスタットが故障した場合であっても、冷却対象である流体の供給対象の冷却状態が悪化することを抑制できる技術が望まれる。
本発明は上記課題に鑑み、分岐後、合流する分岐経路それぞれに設けられたサーモスタットのうち、少なくとも一方のサーモスタットによる流体の流通制御の有効、無効を切り替えることで、各サーモスタットによる流体の流通制御が行われることを可能にしつつ、いずれか一方のサーモスタットが開故障或いは閉故障した場合であっても、供給対象の冷却状態が悪化することを抑制可能な流体制御システムを提供することを目的とする。
本発明は分岐後、合流する第1および第2の分岐経路のうち、前記第1の分岐経路に第1のサーモスタットを備えるとともに、前記第2の分岐経路に前記第1のサーモスタットよりも開弁温度が低く設定された第2のサーモスタットを備えるサーモスタット部と、前記第1の分岐経路のうち、前記第1のサーモスタットよりも下流側の部分である第1の部分と、前記第2の分岐経路のうち、前記第2のサーモスタットよりも下流側の部分である第2の部分と、前記第1および第2の分岐経路を含むとともに、供給対象に流体を供給する流体供給経路のうち、前記第1および第2の分岐経路合流後の部分である第3の部分とのうち、少なくとも前記第2の部分にバルブ機構を備えるバルブ部と、前記第1および第2のサーモスタットのうち、いずれか一方のサーモスタットが、開弁したままの状態になる開故障および閉弁したままの状態になる閉故障のうち、いずれか一方の故障をしている状態で、前記バルブ部が備えるバルブ機構のうち、少なくともいずれかのバルブ機構の流通制御状態を切り替えるように前記バルブ部を制御する制御部と、を備え、前記制御部が前記第1および第2のサーモスタットのうち、いずれか一方のサーモスタットが開故障をしている場合に、前記バルブ部が備えるバルブ機構のうち、少なくともいずれかのバルブ機構の流通制御状態を切り替えるように前記バルブ部を制御することで、前記第3の部分を流通する流体の流量を減少させるように前記バルブ部を制御する流体制御システムである。
本発明は前記制御部が前記第1および第2のサーモスタットのうち、いずれか一方のサーモスタットが閉故障をしている場合に、前記バルブ部が備えるバルブ機構のうち、少なくともいずれかのバルブ機構の流通制御状態を切り替えるように前記バルブ部を制御することで、他方のサーモスタットを介して流通する流体の流量を増大させるように前記バルブ部を制御する構成とすることができる。
本発明は前記バルブ部が少なくとも前記第2の分岐経路を介した流体の流通を制限するとともに、前記流体供給経路のうち、前記第1の分岐経路を介して前記供給対象に流体を供給可能な高温側供給経路を介した流体の流通を制限していない状態で、前記第1のサーモスタットが閉故障をしている場合に、前記制御部が少なくとも前記第2の分岐経路を介した流体の流通制限を解除するように前記バルブ部を制御することで、前記第2のサーモスタットを介して流通する流体の流量を増大させる構成とすることができる。
本発明は前記第1および第2の分岐経路の上流側で流通する流体を冷却する冷却器と、前記第2の分岐経路のうち、前記第2のサーモスタットよりも下流側の部分に前記冷却器を迂回して流体を流通させるバイパス経路と、前記第2のサーモスタットと機械的に連動して作動することで、前記第2のサーモスタットが閉弁した状態で前記バイパス経路を連通するとともに、前記第2のサーモスタットが開弁した状態で前記バイパス経路を遮断するバイパス弁と、がさらに設けられており、前記バルブ部が少なくとも前記第2の部分にバルブ機構を備えるとともに、前記第2の部分において前記バイパス弁よりも下流側の部分にバルブ機構を備え、前記バルブ部が少なくとも前記第2の分岐経路を介した流体の流通制限を解除することで、前記流体供給経路のうち、前記第2の分岐経路を介して前記供給対象に流体を供給可能な低温側供給経路を介した流体の流通制限を解除している状態で、前記第2のサーモスタットが閉故障をしている場合に、前記制御部が少なくとも前記第2の分岐経路を介した流体の流通を制限するように前記バルブ部を制御することで、前記第1のサーモスタットを介して流通する流体の流量を増大させる構成とすることができる。
本発明は前記バルブ部が前記第1、第2および第3の部分のうち、前記第2の部分を含む2つの部分にバルブ機構を備える構成とすることができる。
本発明は前記バルブ部が前記第1、第2および第3の部分のうち、少なくとも前記第2の部分を含む2以上の部分にバルブ機構を備え、前記バルブ部が前記流体供給経路のうち、前記第1の分岐経路を介して前記供給対象に流体を供給可能な高温側供給経路を介した流体の流通制限を解除するとともに、前記第2の分岐経路を介した流体の流通を制限している状態で、前記第1のサーモスタットが開故障をしている場合に、前記制御部が少なくとも前記高温側供給経路を介した流体の流通を制限するように前記バルブ部を制御することで、前記第3の部分を流通する流体の流量を減少させる構成とすることができる。
本発明は前記バルブ部が少なくとも前記第2の分岐経路を介した流体の流通制限を解除することで、前記流体供給経路のうち、前記第2の分岐経路を介して前記供給対象に流体を供給可能な低温側供給経路を介した流体の流通制限を解除している状態で、前記第2のサーモスタットが開故障をしている場合に、前記制御部が前記第2の分岐経路を介した流体の流通を制限するように前記バルブ部を制御することで、前記第3の部分を流通する流体の流量を減少させる構成とすることができる。
本発明は前記バルブ部が前記第1、第2および第3の部分のうち、前記第2の部分を含む2つの部分に配置される一軸の回転弁体を備えることで、前記第1、第2および第3の部分のうち、前記第2の部分を含む2つの部分にバルブ機構をそれぞれ備える構成とすることができる。
本発明によれば分岐後、合流する分岐経路それぞれに設けられたサーモスタットのうち、少なくとも一方のサーモスタットによる流体の流通制御の有効、無効を切り替えることで、各サーモスタットによる流体の流通制御が行われることを可能にしつつ、いずれか一方のサーモスタットが開故障或いは閉故障した場合であっても、供給対象の冷却状態が悪化することを抑制できる。
エンジンの冷却回路の概略構成図である。 ロータリバルブの概略構成図である。 図3(a)は回転弁体を側面視で示す図である。図3(b)は図3(a)に示す矢視Aで回転弁体を示す図である。 図4(a)は図3(a)に示すA−A断面で回転弁体を示す図である。図4(b)は図3(a)に示すB−B断面で回転弁体を示す図である。図4(c)は図3(a)に示すC−C断面で回転弁体を示す図である。 流体供給経路を示す図である。 ECUの概略構成図である。 第1の制御動作をフローチャートで示す図である。 図8(a)は第1のサーモスタットが閉故障した場合の第1の制御動作に基づく温度変化の一例を示す図である。図8(b)は第1および第2のサーモスタットが正常である場合の第1の制御動作に基づく温度変化の一例を示す図である。 第2の制御動作をフローチャートで示す図である。 図10(a)は第2のサーモスタットが閉故障した場合の第2の制御動作に基づく温度変化の一例を示す図である。図10(b)は第1および第2のサーモスタットが正常である場合の第2の制御動作に基づく温度変化の一例を示す図である。 第3の制御動作をフローチャートで示す図である。 図12(a)は第1のサーモスタットが開故障した場合の第3の制御動作に基づく温度変化の一例を示す図であり、温度が所定値を上回った場合にバルブ部を制御した場合について示す図である。図12(b)は第1のサーモスタットが開故障した場合の第3の制御動作に基づく温度変化の一例を示す図であり、所定時間が経過した場合にバルブ部を制御した場合について示す図である。 第4の制御動作をフローチャートで示す図である。 第2のサーモスタットが開故障した場合の第4の制御動作に基づく温度変化の一例を示す図である。
図面を用いて本発明の実施例について説明する。
図1はエンジンの冷却回路(以下、冷却回路と称す)100の概略構成図である。冷却回路100はウォータポンプ(以下、W/Pと称す)1と、エンジン2と、オイルクーラ3と、ヒータ4と、ATF(Automatic Transmission Fluid)ウォーマ5と、ラジエータ6と、電子制御スロットル7と、ロータリバルブ10とを備えている。冷却回路100は図示しない車両に搭載されている。
W/P1は流体であるエンジン2の冷却液を循環させる。W/P1はエンジン2の出力で駆動する機械式のポンプとなっている。W/P1は電気駆動式のポンプであってもよい。W/P1が吐出する冷却液はロータリバルブ10を介してエンジン2と電子制御スロットル7とに流入する。エンジン2に流入する際、冷却液は出口部Out1、Out2を介してロータリバルブ10から流出するようになっている。また、電子制御スロットル7に流入する際、冷却液は出口部OutAを介してロータリバルブ10から流出するようになっている。
エンジン2は、シリンダブロック2aおよびシリンダヘッド2bを備えている。エンジン2には、次のような冷却通路が設けられている。すなわち、出口部Out1から流入した冷却液をシリンダブロック2a、シリンダヘッド2bの順で流通させるとともに、出口部Out2から流入した冷却液をシリンダヘッド2bに流通させ、さらにシリンダヘッド2bでこれらを合流させた後に、合流させた冷却液をシリンダヘッド2bから流出させる冷却通路が設けられている。
エンジン2を流通した冷却液のうち、一部の冷却液はオイルクーラ3、ヒータ4およびATFウォーマ5を流通し、残りの冷却液はラジエータ6を流通する。オイルクーラ3はエンジン2の潤滑オイルと冷却液との間で熱交換を行い、潤滑オイルを冷却する。ヒータ4は空気と冷却液との間で熱交換を行い、空気を加熱する。加熱された空気は車室内の暖房に利用される。ATFウォーマ5はATFと冷却液との間で熱交換を行い、ATFを加熱する。ラジエータ6は冷却器であり、空気と冷却液との間で熱交換を行うことで冷却液を冷却する。
オイルクーラ3、ヒータ4およびATFウォーマ5を流通した冷却液は、ロータリバルブ10を介してW/P1に戻る。この際、冷却液は入口部In1を介してロータリバルブ10に流入するようになっている。また、ラジエータ6を流通した冷却液は入口部In2を介してロータリバルブ10に流入するようになっている。オイルクーラ3、ヒータ4およびATFウォーマ5を流通する流通経路は、ラジエータ6をバイパスする第1のラジエータバイパス経路P11になっている。
電子制御スロットル7に流入した冷却液は、電子制御スロットル7を流通した後、第1のラジエータバイパス経路P11に合流するようになっている。電子制御スロットル7には、凍結による動作不良の発生を防止するために冷却液を流通させることができる。電子制御スロットル7を流通する流通経路は、エンジン2をバイパスするエンジンバイパス経路P2となっている。
冷却回路100ではさらにエンジン2を流通した冷却液の一部が入口部In3を介してロータリバルブ10に流入するようになっている。この流通経路はラジエータ6をバイパスする第2のラジエータバイパス経路P12になっている。したがって、ロータリバルブ10には第1のラジエータバイパス経路P11を流通する冷却液が入口部In1を介して流入する。また、第2のラジエータバイパス経路P12を流通する冷却液が入口部In3を介して流入する。
図2はロータリバルブ10の概略構成図である。図2ではロータリバルブ10とともにW/P1も示している。図1、図2に示すように、ロータリバルブ10は第1の通路部11と、第2の通路部12と、回転弁体13と、駆動部14と、弁体バイパス通路部15と、第1のバイパス弁16と、検出部17と、第1のサーモスタット18と、第2のサーモスタット19と、第2のバイパス弁20と、チェック弁21とを備えている。また、入口部In1、In2、In3と、出口部Out1、Out2、OutAとを備えている。なお、図2では図示の都合上、チェック弁21については図示省略している。
第1の通路部11はW/P1の冷却液出口部とエンジン2との間に設けられ、冷却液を流通させる。第2の通路部12はW/P1の冷却液入口部とラジエータ6との間に設けられ、冷却液を流通させる。通路部11、12は並べて配置されている。通路部11、12は並べて配置された状態でW/P1に端部で接続されている。そして、第1の通路部11はポンプ1の冷却液出口部に、第2の通路部12はポンプ1の冷却液入口部にそれぞれ接続されている。第1の通路部11ではW/P1側が上流側、第2の通路部12ではW/P1側が下流側となっている。
第1の通路部11は回転弁体13の下流側で出口部Out1、Out2に連通するとともに、回転弁体13の上流側で出口部OutAに連通している。したがって、出口部Out1、Out2は第1の通路部11のうち、回転弁体13の下流側の部分から冷却液を流出させる。また、出口部OutAは第1の通路部11のうち、回転弁体13の上流側の部分から冷却液を流出させる。
第2の通路部12は回転弁体13の上流側および下流側で入口部In1に連通している。したがって、入口部In1は第2の通路部12のうち、回転弁体13よりも上流側の部分および下流側の部分に冷却液を流入させる。なお、図示の都合上、図2では入口部In1と第2の通路部12の上流側および下流側とが連通している様子については図示省略している。
第2の通路部12は回転弁体13の上流側および下流側で入口部In2に連通している。したがって、入口部In2は第2の通路部12のうち、回転弁体13よりも上流側の部分および下流側の部分に冷却液を流通させる。この点、第2の通路部12は回転弁体13よりも下流側の部分と入口部In2とを連通する第1の連通部B1と、回転弁体13よりも上流側の部分と入口部In2とを連通する第2の連通部B2とを備えている。第2の通路部12は回転弁体13の上流側でさらに入口部In3に連通している。
回転弁体13は第1の通路部11と第2の通路部12とに介在するように設けられている。回転弁体13は第1の通路部11を流通する冷却液の流通と、第2の通路部12を流通する冷却液の流通とを回転動作で変更する。回転弁体13は第1の通路部11を流通する冷却液の流通と第2の通路部12を流通する冷却液の流通とを禁止、許可することを含め、これら流通の制限、制限の解除を行うことができる。駆動部14はアクチュエータ14aとギヤボックス部14bとを備えており、回転弁体13を駆動する。アクチュエータ14aは具体的には電動モータである。
弁体バイパス通路部15は、第1の通路部11のうち、回転弁体13よりも上流側の部分と下流側の部分とを連通している。第1のバイパス弁16は差圧弁であり、第1の通路部11のうち、回転弁体13よりも上流側の部分における冷却液の圧力(上流側圧力)と、回転弁体13よりも下流側の部分における冷却液の圧力(下流側圧力)との差圧に応じて、弁体バイパス通路部15を介した冷却液の流通の制限、制限の解除(具体的にはここでは禁止、許可)を行う。
具体的には、第1のバイパス弁16は上流側圧力から下流側圧力を引くことで得られる差圧の大きさが所定の大きさ以下である場合に弁体バイパス通路部15を介した冷却液の流通を禁止し、所定の大きさよりも高い場合に弁体バイパス通路部15を介した冷却液の流通を許可する。所定の大きさは正常な場合に得られる最大の差圧の大きさよりも大きく設定することができる。
第1のバイパス弁16は、さらに第1のサーモスタット18と機械的に連動して作動するように構成されている。この点、第1のサーモスタット18は通路部11、12に介在するようにして延伸することで、第1のバイパス弁16に連結された作動軸18aを備えている。そして第1のバイパス弁16は、作動軸18aが第1のバイパス弁16を駆動することで、第1のサーモスタット18が閉弁した状態で弁体バイパス通路部15を介した冷却液の流通を許可するとともに、第1のサーモスタット18が開弁した状態で弁体バイパス通路部15を介した冷却液の流通を禁止する。
第1のバイパス弁16を差圧弁とするとともに、第1のサーモスタット18と機械的に連動して作動するように構成するには、例えば第1のバイパス弁16に差圧で開弁する開弁構造を設けるとともに、第1のバイパス弁16全体を第1のサーモスタット18と機械的に連動して作動するように構成することができる。
検出部17はアクチュエータ14aの駆動軸に対して設けられている。検出部17はアクチュエータ14aの駆動軸の回転角度を検出する。そしてこれにより、回転弁体13の位相を検出或いは推定可能にする。検出部17は例えば回転弁体13の回転軸に対して設けられてもよい。
第1のサーモスタット18は第1の連通部B1に設けられている。第2のサーモスタット19は第2の連通部B2に設けられている。このため、第2の通路部12は回転弁体13の下流側で第1のサーモスタット18を介して入口部In2に連通している。そしてこれにより、回転弁体13の下流側で第1のサーモスタット18を介してラジエータ6に連通している。また、第2の通路部12は回転弁体13の上流側で第2のサーモスタット19を介して入口部In2に連通している。そしてこれにより、回転弁体13の上流側で第2のサーモスタット19を介してラジエータ6に連通している。
サーモスタット18、19の開弁温度それぞれは互いに異なっている。第2のサーモスタット19の開弁温度は第1のサーモスタット18の開弁温度よりも低く設定されている。この点、第1のサーモスタット18は冷却液の温度が所定値Aよりも高い場合に開弁するとともに、所定値A以下である場合に閉弁する。第2のサーモスタット19は冷却液の温度が所定値Aよりも値が小さい所定値Bよりも高い場合に開弁するとともに、所定値B以下である場合に閉弁する。
第2のバイパス弁20は入口部In3を連通、遮断するように設けられている。第2のバイパス弁20は第2のサーモスタット19と機械的に連動して作動するように構成されている。具体的には、第2のバイパス弁20は第2のサーモスタット19の作動軸(図示省略)に連結されている。第2のバイパス弁20は第2のサーモスタット19が閉弁した状態で入口部In3(すなわち、第2のラジエータバイパス経路P12)を介した冷却液の流通を許可するとともに、第2のサーモスタット19が開弁した状態で入口部In3を介した冷却液の流通を禁止する。
チェック弁21は入口部In1から流入した冷却液の流通を制御する。具体的にはチェック弁21は入口部In1から流入した冷却液が第2の通路部12の上流側および下流側に流入するにあたり、上流側から下流側への流通を許可するとともに、下流側から上流側への流通を禁止する。
図3(a)は回転弁体13を側面視で示す図である。図3(b)は回転弁体13を図3(a)に示す矢視Aで示す図である。図4(a)は図3(a)に示すA−A断面で、図4(b)は図3(a)に示すB−B断面で、図4(c)は図3(a)に示すC−C断面で回転弁体13をそれぞれ示す図である。
回転弁体13は第1の通路部11に配置される第1の弁体部R1と、第2の通路部12に配置される第2の弁体部R2とを備えている。弁体部R1、R2はともに内部を円筒状に中空にした部材となっている。この点、弁体部R1、R2の内部は互いに連通していない。
第1の弁体部R1には第1の開口部G1が、第2の弁体部R2には第2の開口部G2が設けられている。開口部G1、G2は互いに異なる位相で設けられている。第1の開口部G1は支柱によって分断された2つの開口部分を合わせた部分となっており、第2の開口部G2は支柱によって分断された3つの開口部分を合わせた部分となっている。
第1の開口部G1は第1の通路部11の上流側および下流側に開口した状態でエンジン2への冷却液の流通を許可することができる。また、第1の通路部11の上流側および下流側のうち、いずれか一方にのみ開口した状態でエンジン2への冷却液の流通を禁止することができる。第1の開口部G1は第1の通路部11の上流側および下流側に開口した状態で、回転弁体13の位相に応じてエンジン2に流通させる冷却液の流量を調節することもできる。
第2の開口部G2は第2の通路部12の上流側および下流側に開口した状態で、第2の開口部G2を介した冷却液の流通を許可することができる。また、第2の通路部12の上流側および下流側のうち、いずれか一方にのみ開口した状態で、第2の開口部G2を介した冷却液の流通を禁止することができる。
第2の弁体部R2には、さらに第3の開口部G3が設けられている。第3の開口部G3は、軸方向において第2の開口部G2と異なる位置に設けられている。第3の開口部G3は、第2の開口部G2が第2の通路部12の上流側および下流側に開口した状態で、第2の通路部12の下流側に位置する場合に、第2の通路部12の下流側に開口するように設けられている。一方、第2の開口部G2が第2の通路部12の上流側および下流側に開口した状態で、第2の通路部12の上流側に位置する場合には、第2の通路部12の上流側に開口しないように設けられている。
したがって、第3の開口部G3は第2の通路部12の下流側に位置する場合に、第3の開口部G3を介した冷却液の流通を許可することができる。また、このときに開口部G2、G3それぞれを介した冷却液の流通を許可することができる。一方、第3の開口部G3は第2の通路部12の上流側に位置する場合に、第3の開口部G3を介した冷却液の流通を禁止することができる。このときには開口部G2、G3のうち、第2の開口部G2を介した冷却液の流通を許可することができる。
第3の開口部G3が第2の通路部12の上流側に位置する場合に、第2の開口部G2は第2の通路部12の上流側および下流側に開口した状態で、回転弁体13の位相に応じて、回転弁体13を間に挟んだ第2の通路部12の上流側から下流側に流通する冷却液の流量を次第に増減することもできる。また、第3の開口部G3が第2の通路部12の下流側に位置する場合に、開口部G2、G3は第2の通路部12の上流側および下流側に開口した状態で、回転弁体13の位相に応じて、回転弁体13を間に挟んだ第2の通路部12の上流側から下流側に流通する冷却液の流量を次第に増減することもできる。
このように構成された回転弁体13は、第1の通路部11における冷却液の流通と、第2の通路部12における冷却液の流通とを回転動作で同時に制御することができる。
具体的には例えば回転弁体13は第1の弁体部R1で回転弁体13を間に挟んだ第1の通路部11の上流側から下流側への冷却液の流通の制限を解除(具体的にはここでは許可)すると同時に、第2の弁体部R2で回転弁体13を間に挟んだ第2の通路部12の上流側から下流側への冷却液の流通を制限(具体的にはここでは禁止)することができる。また、例えば第1の弁体部R1で回転弁体13を間に挟んだ第1の通路部11の上流側から下流側への冷却液の流通の制限を解除(具体的にはここでは許可)すると同時に、第2の弁体部R2が回転弁体13を間に挟んだ第2の通路部12の上流側から下流側への冷却液の流通の制限を解除(具体的にはここでは許可)することができる。
図1、図2に戻り、回転弁体13の上流側で出口部OutAに連通している第1の通路部11は、回転弁体13の上流側でエンジンバイパス経路P2に対して分岐している。このため、回転弁体13が第1の通路部11においてエンジン2への冷却液の流通を禁止する場合に、ロータリバルブ10はエンジンバイパス経路P2に冷却液を流通させることができる。
第1の通路部11は具体的には回転弁体13の位相に応じて次に示す流通制御を行えるように分岐することができる。すなわち、回転弁体13の位相に応じて、シリンダブロック2aおよびシリンダヘッド2bへの冷却液の流通を禁止できるように分岐することができる。また、シリンダブロック2aへの冷却液の流通を禁止するとともにシリンダヘッド2bへの冷却液の流通を許可することができるように分岐することができる。さらに、シリンダブロック2aおよびシリンダヘッド2bへの冷却液の流通を許可できるように分岐することができる。
このように分岐するには、さらに具体的には回転弁体13の異なる位相それぞれに対応させて第1の通路部11を分岐することができる。なお、図2では図示の都合上、回転弁体13の同じ位相に対応させて分岐しているように第1の通路部11を示している。この点、例えば回転弁体13の同じ位相に対応させて第1の通路部11を分岐する場合でも、回転弁体13において第2の弁体部R2と同様の構造を第1の弁体部R1に適用するとともに、開口部G2、G3に対応させて第1の通路部11を分岐することで上述した流通制御を可能にすることもできる。エンジン2に冷却液を供給するにあたり、第1の通路部11は回転弁体13の下流側で分岐していなくてもよい。この場合、例えばシリンダブロック2aに冷却液を供給できる。
図5は流体供給経路PSを示す図である。流体供給経路PSは冷却液の供給対象、すなわち冷却対象であるエンジン2に冷却液を供給する経路であり、分岐後、合流する分岐経路PB1、PB2を含んでいる。流体供給経路PSはラジエータ6からエンジン2に冷却液を供給する経路となっている。したがって、ラジエータ6は分岐経路PB1、PB2の上流側で流通する冷却液を冷却する。第1の分岐経路PB1は具体的には第1の連通部B1を介して第2の通路部12の下流側に到達する経路に対応している。第2の分岐経路PB2は具体的には第2の連通部B2、第2の通路部12の上流側およびロータリバルブ10を介して第2の通路部12の下流側に到達する経路に対応している。
サーモスタット部Tは第1の分岐経路PB1に第1のサーモスタット18を備えるとともに、第2の分岐経路PB2に第2のサーモスタット19を備えている。バルブ部Vは流体供給経路PSのうち、分岐経路PB1、PB2合流後の部分である第3の部分SG3に第1のバルブ機構V1を備えるとともに、第2の分岐経路PB2のうち、第2のサーモスタット19よりも下流側の部分である第2の部分SG2に第2のバルブ機構V2を備えている。そしてこれにより、第1の分岐経路PB1のうち、第1のサーモスタット18よりも下流側の部分である第1の部分SG1と、第2の部分SG2と、第3の部分SG3とのうち、少なくとも第2の部分SG2にバルブ機構を備えている。
流体供給経路PSに対し、第2のラジエータバイパス経路P12は第2の部分SG2にラジエータ6を迂回して冷却液を流通させるように設けられている。これに対し、バルブ部Vはさらに具体的には第2の部分SG2において、第2のバイパス弁20よりも下流側の部分に第2のバルブ機構V2を備えている。高温側供給経路PHは流体供給経路PSのうち、第1の分岐経路PB1を介してエンジン2に冷却液を供給可能な経路となっており、低温側供給経路PLは流体供給経路PSのうち、第2の分岐経路PB2を介してエンジン2に冷却液を供給可能な経路となっている。
図6はECU30Aの概略構成図である。ECU30AはCPU31、ROM32、RAM33等からなるマイクロコンピュータと入出力回路34、35とを備えている。これらの構成は互いにバス36を介して接続されている。ECU30Aには、入力回路34を介して検出部17やエンジン2の運転状態や車両の状態を検出するためのセンサ群40が電気的に接続されている。また、出力回路35を介してアクチュエータ14aが電気的に接続されている。
センサ群40はエンジン2の回転数NEを検出可能にするセンサや、エンジン2の負荷を検出可能にするセンサや、エンジン2を流通する冷却液の温度thwを検知するセンサや、車速を検出可能にするセンサや、車両の外気温を検知するセンサを含む。温度thwは例えば第3の部分SG3における冷却液の温度である。センサ群40は例えばエンジン2を制御する制御装置を介して間接的に接続されてもよい。或いは、ECU30Aは例えばエンジン2を制御する制御装置であってもよい。
ROM72はCPU31が実行する種々の処理が記述されたプログラムやマップデータなどを格納するための構成である。CPU31がROM32に格納されたプログラムに基づき、必要に応じてRAM33の一時記憶領域を利用しつつ処理を実行することで、ECU30Aでは各種の機能部が実現される。この点、ECU30Aでは例えば以下に示す制御部が機能的に実現される。
制御部はサーモスタット18、19のうち、いずれか一方のサーモスタットが、開弁したままの状態になる開故障および閉弁したままの状態になる閉故障をしている状態のうち、いずれか一方の故障をしている状態で、バルブ部Vが備えるバルブ機構V1、V2のうち、少なくともいずれかのバルブ機構の流通制御状態を切り替えるようにバルブ部Vを制御する。
具体的には、制御部はサーモスタット18、19のうち、いずれか一方のサーモスタットが閉故障をしている場合に、バルブ部Vが備えるバルブ機構V1、V2のうち、少なくともいずれかのバルブ機構の流通制御状態を切り替えるようにバルブ部Vを制御することで、他方のサーモスタットを介して流通する冷却液の流量を増大させるようにバルブ部Vを制御する。
制御部はバルブ部Vが第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するとともに、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通を制限していない状態で、第1のサーモスタット18が閉故障をしている場合に、少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御する。そしてこれにより、第1のサーモスタット18が閉故障をしている場合に、第2のサーモスタット19を介して流通する冷却液の流量を増大させる。バルブ部Vは高温側供給経路PHを介した冷却液の流通を第1のバルブ機構V1によって制御できる。また、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を第2のバルブ機構V2によって制御できる。
制御部は具体的にはバルブ部Vが第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するとともに、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除している状態で、第1のサーモスタット18が閉故障をしている場合に、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御する。
これは、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通を制限していない状態によってエンジン2を冷却する上で、第1のバルブ機構V1が第3の部分SG3に設けられているためである。この点、第1のバルブ機構V1が例えば高温側供給経路PHに設けられていない場合には、バルブ部Vが高温側供給経路PHを介した冷却液の流通を制限すること自体がない。したがってこの場合には、バルブ部Vが高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除している状態となること自体がない。
一方、バルブ部Vが例えば部分SG1、SG3のうち、少なくともいずれかの部分にバルブ機構を備える場合には、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通を制限していない状態によってエンジン2を冷却する上で、バルブ部Vは高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除している状態となっている必要がある。
したがって、バルブ部Vが第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するとともに、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を制限していない状態とは、バルブ部Vが高温側供給経路PHにバルブ機構を備える場合には、バルブ部Vが第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するとともに、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除している状態を意味する。
制御部は高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御することで、第1のサーモスタット18による冷却液の流通制御を有効にすることができる。また、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御することで、第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御を無効にすることができる。制御部は第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御することで、第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御を有効にすることができる。
制御部は第1のサーモスタット18による冷却液の流通制御を有効にするとともに、第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御を無効にすることで、温度thwを相対的に高温に制御する高液温制御を行うことができる。高液温制御では第1のサーモスタット18の開閉動作によって、温度thwが所定値A(より正確には所定値Aに対し、さらに第1のラジエータバイパス経路P11を介して流通する冷却液の影響が含まれた温度)に収束するように温度thwを制御することができる。
制御部は第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御を有効にすることで、温度thwを相対的に低温に制御する低液温制御を行うことができる。低液温制御は第1のサーモスタット18による冷却液の流通制御を有効にしている場合でも行うことができる。これは、温度thwが所定値Aを下回った場合に第1のサーモスタット18が閉弁するためである。低液温制御では第2のサーモスタット19の開閉動作によって、温度thwが所定値B(より正確には所定値Bに対し、さらに第1のラジエータバイパス経路P11を介して流通する冷却液の影響が含まれた温度)に収束するように温度thwを制御することができる。
制御部は第1のサーモスタット18が閉故障をしている場合に、少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御するにあたり、具体的には次のようにバルブ部Vを制御する。すなわち、温度thwが所定値Cを上回った場合に、少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御する。所定値Cは所定値Aよりも大きな値に設定できる。所定値Cはさらに車速や外気温やエンジン2の負荷に応じた可変値とすることができる。
少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御するにあたり、制御部はさらに具体的には高温側供給経路PHおよび第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限をともに解除するようにバルブ部Vを制御する。この理由には、エンジン2を冷却する上で第1のバルブ機構V1が第3の部分SG3に設けられていることが含まれる。この点、第1のバルブ機構V1が例えば高温側供給経路PHに設けられていない場合や、部分SG1、SG3のうち、第1の部分SG1に設けられている場合には、バルブ部Vは必ずしも高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除する必要はない。
高温側供給経路PHを介した冷却液の流通についても言及しているのは、例えば回転弁体13の位相変更を要するためでもある。この点、バルブ部Vが例えば部分SG1、SG2、SG3のうち、部分SG2、SG3に単体のバルブ(例えば電磁弁)をバルブ機構としてそれぞれ備える場合には、バルブ部Vは制御前後で高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限をともに解除したままの状態にすることもできる。すなわち、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通に関しては、例えば高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除した状態のまま、バルブ部Vを特段制御しないようにすることもできる。
したがって、少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御するということは、バルブ部Vが備えるバルブ機構の配置や構成(例えば回転弁体13であること)によっては、第2のサーモスタット19を介して流通する冷却液の流量を増大させるにあたり、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限と、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限とをともに解除するようにバルブ部Vを制御することを意味する。
制御部は温度thwが所定値Cを上回った場合に、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御するとともに、さらに温度thwが所定値Dを下回った場合に、少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。具体的には制御部は高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。これは高液温制御中であることを考慮したものである。所定値Dは所定値Aよりも小さな値に設定できる。また、所定値Bよりも大きな値に設定できる。
本実施例では、サーモスタット部Tとバルブ部VとECU30Aとを備える流体制御システムである第1の流体制御システムが実現されている。
次に第1の流体制御システムの制御動作である第1の制御動作について図7に示すフローチャートを用いて説明する。ECU30Aは高液温制御中であるか否かを判定する(ステップS1)。高液温制御中であるか否かは例えば回転弁体13の位相に基づき、回転弁体13が第1のサーモスタット18による冷却液の流通制御を有効にするとともに、第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御を無効にしているか否かを判定することで判定できる。
ステップS1で否定判定であれば、ECU30Aはバルブ部Vの流通制御状態を保持する(ステップS8)。この点、高液温制御中でない場合には低液温制御を行うようにすることができる。このため、ステップS8では例えば低液温制御が行われる状態にバルブ部Vの流通制御状態を保持することができる。ステップS1で肯定判定であれば、ECU30Aは所定値Cを算出する(ステップS2)。所定値Cは例えば車速や外気温やエンジン2の負荷に基づき算出することができる。
ステップS2に続き、ECU30Aは温度thwが所定値Cを上回っているか否かを判定する(ステップS3)。肯定判定であればステップS5に進み、ECU30Aは第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御が有効になるようにバルブ部Vを制御する(第2のサーモスタット19有効化)。ステップS5で、ECU30Aは具体的には高温側供給経路PHおよび第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限をともに解除するようにバルブ部Vを制御する。
ステップS3で否定判定であれば、ECU30Aは温度thwが所定値Dを下回ったか否かを判定する(ステップS4)。否定判定であれば、ECU30Aはバルブ部Vの流通制御状態を保持する(ステップS6)。一方、ステップS4で肯定判定であればステップS7に進み、ECU30Aは第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御が無効になるようにバルブ部Vを制御する(第2のサーモスタット19無効化)。
ステップS7で、ECU30Aは具体的には高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。したがって、ステップS7では換言すれば第1のサーモスタット18が有効化される。ステップS5、S6、S7およびS8の後にはステップS1に戻る。
次に第1の流体制御システムの作用効果について説明する。第1の流体制御システムでは、サーモスタット部Tが第1の分岐経路PB1に第1のサーモスタット18を備えるとともに、第2の分岐経路PB2に第1のサーモスタット18よりも開弁温度が低く設定された第2のサーモスタット19を備えている。また、バルブ部Vが部分SG1、SG2、SG3のうち、少なくとも第2の部分SG2に第2のバルブ機構V2を備えている。
このため、第1の流体制御システムは第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御を有効或いは無効にすることができる。また、第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御の有効、無効を切り替えることで、第1のサーモスタット18による冷却液の流通制御を有効にしつつ、第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御の有効を有効にしている場合に、第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御が行われることを可能にすることができる。また、第1のサーモスタット18による冷却液の流通制御を有効にしつつ、第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御を無効にしている場合に、第1のサーモスタット18による冷却液の流通制御が行われることを可能にすることができる。
第1の流体制御システムはバルブ部Vが第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するとともに、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通を制限していない状態で、第1のサーモスタット18が閉故障をしている場合に、少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御する。そしてこれにより、第2のサーモスタット19を介して流通する冷却液の流量を増大させる。このため、第1の流体制御システムは第1のサーモスタット18が閉故障した場合であっても、第2の分岐経路PB2を介してエンジン2に冷却液を供給することができる。結果、温度thwの上昇によってエンジン2の冷却状態が悪化することを抑制できる。
第1の流体制御システムは具体的には温度thwが所定値Cを上回った場合に第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御する。そしてこれにより、第1のサーモスタット18が閉故障をしている場合に第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御できる。
第1の流体制御システムはさらに温度thwが所定値Dを下回った場合に第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。そしてこれにより、エンジン2の冷却状態が悪化することを抑制するにあたり、所定値C、D間に収まるように温度thwを制御することができる。
図8(a)は第1のサーモスタット18が閉故障した場合の第1の制御動作に基づく温度thwの変化の一例を示す図である。図8(b)はサーモスタット18、19が正常である場合の第1の制御動作に基づく温度thwの変化の一例を示す図である。図8(a)、図8(b)において縦軸は温度thw、横軸は時間を示す。図8(a)、図8(b)では冷却液の流通制御が有効化されているサーモスタット18、19についても同時に示している。図8(a)は時間t1で第1のサーモスタット18に閉故障が発生した場合を示している。図8(b)は時間t1で一時的に温度thwが上昇した場合を示している。
図8(a)に示すように、温度thwは時間t1になるまでの間、高液温制御によって所定値Aに収束するように制御されている。一方、時間t1で第1のサーモスタット18に閉故障が発生すると、ラジエータ6を介した冷却液がエンジン2に供給されなくなる。結果、温度thwは時間t1を経過した後に上昇し始め、時間t2で所定値Cを上回る。
温度thwが所定値Cを上回った場合には、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vが制御される。このため、第2の分岐経路PB2を介してエンジン2に冷却液が供給される。結果、温度thwは時間t2を経過した後に低下し始め、時間t3で所定値Dを下回る。温度thwが所定値Dを下回った場合には、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vが制御される。このため、第2の分岐経路PB2を介してエンジン2に冷却液が供給されなくなる。結果、温度thwは時間t3を経過した後に上昇し始める。時間t4、t5では時間t2、t3と同様にして温度thwが制御される。
図8(b)に示すように、第1の流体制御システムはサーモスタット18、19が正常である場合には次のように温度thwを制御することができる。すなわち、例えば時間t1で何かしらの原因で一時的に温度thwが上昇し、時間t2´で温度thwが所定値Cを上回った場合には、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御することで、分岐経路PB1、PB2を介してエンジン2に冷却液を供給することができる。そしてこれにより、時間t2´経過後に温度thwを低下させることができる。
また、例えば時間t2´経過後、時間t3´で温度thwが所定値Dを下回った場合には、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御することで、分岐経路PB1、PB2のうち、第1の分岐経路PB1を介してエンジン2に冷却液を供給することができる。すなわち、高温側供給経路PHを介してエンジン2に冷却液を供給することができる。結果、時間t3´経過後に温度thwを上昇させることができる。また、温度thwを一時的に上昇させた原因がすでになくなっている場合には、これにより高液温制御に復帰することができる。
この点、第1の流体制御システムは具体的には温度thwが所定値Dを下回った場合に、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御することで、何かしらの原因で温度thwが一時的に所定値Cを上回った場合でも、その原因がなくなった場合に高液温制御に復帰することができる。そしてこれにより、サーモスタット18、19が正常である場合から第1のサーモスタット18の閉故障に備えるようにして、第1のサーモスタット18の閉故障に対処することもできる。すなわち、第1のサーモスタット18の閉故障を検出することを不要化できる。
第1の流体制御システムは高液温制御時にサーモスタット18、19が正常である場合には、バルブ部Vを特段制御しないようにすることもできる。このためには、高液温制御時にサーモスタット18、19が正常である場合に、温度thwが上回ることがない範囲内で所定値Cを設定することができる。
この点、第1の流体制御システムは高液温制御時の温度thwを異ならせる所定の条件(例えば車速や外気温やエンジン2の負荷)に応じて、所定値Cを可変にすることもできる。そしてこれにより、最も厳しい条件に合わせて所定値Cを大きめに設定することを回避できる。結果、第1のサーモスタット18が故障した場合であっても、エンジン2の冷却状態が悪化することを好適に抑制できる。この場合、所定値Cは例えば車速や外気温やエンジン2の負荷が高い場合ほど、大きな値となるようにすることができる。
第1の流体制御システムでは、バルブ部Vが部分SG1、SG2、SG3のうち、第2の部分SG2を含む2つの部分にバルブ機構を備えている。すなわち、第1の流体制御システムは具体的には例えばかかる構成で第1のサーモスタット18による冷却液の流通制御を有効にしたまま、第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御の有効、無効を切り替えることで、各サーモスタット18、19による流通制御が行われることを可能にすることができる。また、部分SG2、SG3にバルブ機構を備える場合には、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通を制限することで、エンジン2への冷却液の供給を制限することもできる。
第1の流体制御システムでは、バルブ部Vが部分SG2、SG3に配置される一軸の回転弁体13を備えることで、部分SG1、SG2、SG3のうち、第2の部分SG2を含む2つの部分にバルブ機構をそれぞれ備えている。このため、第1の流体制御システムは単一のアクチュエータ14aでバルブ部Vを制御できる。結果、コスト面で有利な構成とすることができる。
第1の流体制御システムでは、回転弁体13が部分SG1、SG2、SG3のうち、部分SG2、SG3に配置されている。このため、第1の流体制御システムはW/P1の入口側および出口側の冷却液の流通を同時に制御可能なロータリバルブ10を構成することもできる。すなわち、W/P1に対して例えば直接設けることが可能なロータリバルブ10を構成することもできる。結果、回路構成の集約化による冷却回路100の簡素化やコンパクト化を好適に図ることもできる。
本実施例にかかる第2の流体制御システムは、ECU30Aの代わりにECU30Bを備える点以外、第1の流体制御システムと実質的に同一である。ECU30Bはサーモスタット18、19のうち、いずれか一方のサーモスタットが閉故障をしている場合に、他方のサーモスタットを介して流通する冷却液の流量を増大させるようにバルブ部Vを制御するにあたり、制御部がさらに以下に示すように実現される点以外、ECU30Aと実質的に同一である。このためECU30Bについては図示省略する。なお、このようにバルブ部Vを制御するにあたり、制御部は実施例1で示した制御を行うことなく、以下に示す制御を行ってもよい。
ECU30Bでは、制御部がさらにバルブ部Vが少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除することで、低温側供給経路PLを介した冷却液の流通制限を解除している状態で、第2のサーモスタット19が閉故障をしている場合に、少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。そしてこれにより、第2のサーモスタット19が閉故障をしている場合に第1のサーモスタット18を介して流通する冷却液の流量を増大させる。
制御部は具体的にはバルブ部Vが高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除している状態で、第2のサーモスタット19が閉故障をしている場合に少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。
これは低温側供給経路PLを介した冷却液の流通制限を解除している状態によってエンジン2を冷却する上で、第1のバルブ機構V1が第3の部分SG3に設けられているためである。この点、第1のバルブ機構V1が例えば高温側供給経路PHに設けられていない場合には、バルブ部Vが第3の部分SG3において冷却液の流通を制限すること自体がない。また、バルブ部Vが例えば部分SG1、SG3のうち、第1の部分SG1にバルブ機構を備える場合にも、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を特段解除することなく、低温側供給経路PLを介してエンジン2に冷却液を供給できる。
このため、少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除することで、低温側供給経路PLを介した冷却液の流通制限を解除している状態とは、バルブ部Vが第3の部分SG3にバルブ機構を備える場合には、第3の部分SG3において冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を解除している状態を意味する。
制御部は第2のサーモスタット19が閉故障をしている場合に上述したようにバルブ部Vを制御するにあたり、具体的には次のようにバルブ部Vを制御する。すなわち、温度thwが所定値Eを上回った場合に上述したようにバルブ部Vを制御する。所定値Eは所定値Aよりも大きな値に設定できる。所定値Eはさらに車速や外気温やエンジン2の負荷に応じた可変値とすることができる。所定値Eは所定値Cと同じであってもよい。
少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御するにあたり、制御部はさらに具体的には高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。
この理由には、エンジン2を冷却する上で第1のバルブ機構V1が高温側供給経路PHに設けられていることが含まれる。この点、第1のバルブ機構V1が例えば高温側供給経路PHに設けられていない場合には、バルブ部Vが高温側供給経路PHを介した冷却液の流通を制御すること自体がない。一方、第1のバルブ機構V1が例えば部分SG1、SG3のうち、第1の部分SG1に設けられており、且つ高温側供給経路PHを介した冷却液の流通を制限している場合には、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する必要がある。
高温側供給経路PHを介した冷却液の流通についても言及しているのは、例えば回転弁体13の位相変更を要するためでもある。この点、バルブ部Vが例えば部分SG1、SG2、SG3のうち、部分SG2、SG3に単体のバルブをバルブ機構としてそれぞれ備える場合には、バルブ部Vは制御前後で高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限をともに解除したままの状態にすることもできる。すなわち、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通に関しては、例えば高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除した状態のまま、バルブ部Vを特段制御しないようにすることもできる。
したがって、少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御するということは、バルブ部Vが備えるバルブ機構の配置や流通制御状態や構成によっては、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御することを意味する。
制御部は温度thwが所定値Eを上回った場合に上述したようにバルブ部Vを制御するとともに、さらに上述したようにバルブ部Vを制御した後、所定時間αが経過した場合に、少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御する。具体的には制御部は高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限と、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限とをともに解除するようにバルブ部Vを制御する。これは低液温制御中であることを考慮したものである。
次に第2の流体制御システムの制御動作である第2の制御動作について図9に示すフローチャートを用いて説明する。ECU30Bは低液温制御中であるか否かを判定する(ステップS11)。低液温制御中であるか否かは例えば回転弁体13の位相に基づき、回転弁体13が第1のサーモスタット18による冷却液の流通制御を有効にするとともに、第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御を有効にしているか否かを判定することで判定できる。
ステップS11で否定判定であれば、ECU30Bはバルブ部Vの流通制御状態を保持する(ステップS18)。この点、低液温制御中でない場合には高液温制御を行うようにすることができる。このため、ステップS18では例えば高液温制御が行われる状態にバルブ部Vの流通制御状態を保持することができる。ステップS11で肯定判定であれば、ECU30Bは所定値Eを算出する(ステップS12)。所定値Eは例えば車速や外気温やエンジン2の負荷に基づき算出することができる。
ステップS12に続き、ECU30Bは温度thwが所定値Eを上回っているか否かを判定する(ステップS13)。肯定判定であればステップS15に進み、ECU30Bは第1のサーモスタット18による冷却液の流通制御が有効になるようにバルブ部Vを制御する(第1のサーモスタット18有効化)。ステップS15で、ECU30Bは具体的には高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。
ステップS13で否定判定であれば、ECU30Bは所定時間αが経過したか否かを判定する(ステップS14)。この点、ECU30BはステップS13で否定判定された直後のルーチンにおいてステップS13で肯定判定された場合に時間の計測を開始することができる。ステップS14で否定判定であれば、ECU30Bはバルブ部Vの流通制御状態を保持する(ステップS16)。
ステップS14で肯定判定であればステップS17に進み、ECU30Bは第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御が有効になるようにバルブ部Vを制御する(第2のサーモスタット19有効化)。ステップS17で、ECU30Bは具体的には高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限と、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限とをともに解除するようにバルブ部Vを制御する。ステップS15、S16、S17およびS18の後にはステップS11に戻る。
次に第2の流体制御システムの作用効果について説明する。第2の流体制御システムはバルブ部Vが少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除することで、低温側供給経路PLを介した冷却液の流通制限を解除している状態で、第2のサーモスタット19が閉故障をしている場合に、少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。そしてこれにより、第2のサーモスタット19が閉故障をしている場合に第1のサーモスタット18を介して流通する冷却液の流量を増大させる。
この点、第2の流体制御システムは第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御することで、第2のラジエータバイパス経路P12を介した冷却液の流通を制限することができる。そしてこれにより、高温側供給経路PHを介して流通する冷却液の流量を確保するように増大させることができる。このため、第2の流体制御システムは第2のサーモスタット19が閉故障した場合であっても、高温側供給経路PHを介してエンジン2に冷却液を供給することができる。結果、温度thwの上昇によってエンジン2の冷却状態が悪化することを抑制できる。
第2の流体制御システムは具体的には温度thwが所定値Eを上回った場合に上述したようにバルブ部Vを制御することで、第2のサーモスタット19が閉故障をしている場合に上述したようにバルブ部Vを制御することができる。
第2の流体制御システムはさらに所定値Eを上回った場合に上述したようにバルブ部Vを制御した後、所定時間αが経過した場合に、少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御する。そしてこれにより、エンジン2の冷却状態が悪化することを抑制するにあたって、温度thwを相対的に高温に制御することにはなるものの、例えばエンジン2がオーバーヒートすることを防止できる。
図10(a)は第2のサーモスタット19が閉故障した場合の第2の制御動作に基づく温度thwの変化の一例を示す図である。図10(b)はサーモスタット18、19が正常である場合の第2の制御動作に基づく温度thwの変化の一例を示す図である。図10(a)、図10(b)において縦軸は温度thw、横軸は時間を示す。図10(a)、図10(b)では冷却液の流通制御が有効化されているサーモスタット18、19についても同時に示している。図10(a)は時間t1で第2のサーモスタット19に閉故障が発生した場合を示す。図10(b)は時間t1で一時的に温度thwが上昇した場合を示す。
図10(a)に示すように、温度thwは時間t1になるまでの間、低液温制御によって所定値Bに収束するように制御されている。一方、時間t1で第2のサーモスタット19に閉故障が発生すると、ラジエータ6を介してエンジン2に冷却液が供給されなくなる。また、第2のラジエータバイパス経路P12を介してエンジン2に冷却液が供給されるようになる。結果、温度thwは時間t1を経過した後に上昇し始め、時間t2で所定値Eを上回る。
温度thwが所定値Eを上回った場合には、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vが制御される。このため、第2のラジエータバイパス経路P12を介してエンジン2に冷却液が供給されなくなる。また、温度thwが所定値Eを上回った場合には、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vが制御される。このため、高温側供給経路PHを介してエンジン2に冷却液が供給されるようになる。結果、温度thwは時間t2を経過した後に低下し始め、第1のサーモスタット18によって所定値Aに収束するように制御される。
時間t3では時間t2から所定時間αが経過する。時間t2から所定時間αが経過した場合には、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vが制御される。このため、時間t3では第2のラジエータバイパス経路P12を介してエンジン2に冷却液が供給されるようになる。結果、温度thwは時間t3を経過した後に上昇し始める。時間t4では時間t2と同様にして温度thwが制御される。
図10(b)に示すように、第2の流体制御システムはサーモスタット18、19が正常である場合には次のように温度thwを制御することができる。すなわち、例えば時間t1で何かしらの原因で一時的に温度thwが上昇し、時間t2´で温度thwが所定値Eを上回った場合には、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御することで、高温側供給経路PHを介してエンジン2に冷却液を供給しつつ、第2のラジエータバイパス経路P12を介したエンジン2への冷却液の供給を制限することができる。そしてこれにより、時間t2´経過後に温度thwを低下させることができる。
また、例えば時間t2´経過後、時間t3´で所定時間αが経過した場合には、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御することで、温度thwが所定値Aを上回っている状態において分岐経路PB1、PB2を介してエンジン2に冷却液を供給することができる。結果、時間t3´経過後に温度thwをさらに低下させることができる。また、温度thwを一時的に上昇させた原因がすでになくなっている場合には、これにより低液温制御に復帰することができる。
この点、第2の流体制御システムは具体的には所定時間αが経過した場合に、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限と、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限とをともに解除するようにバルブ部Vを制御することで、何かしらの原因で温度thwが一時的に所定値Eを上回った場合でも、その原因がなくなった場合に低液温制御に復帰することができる。そしてこれにより、サーモスタット18、19が正常である場合から第2のサーモスタット19の閉故障に備えるようにして、第2のサーモスタット19の閉故障に対処することができる。すなわち、第2のサーモスタット19の閉故障を検出することを不要化できる。
第2の流体制御システムは低液温制御時にサーモスタット18、19が正常である場合には、バルブ部Vを特段制御しないようにすることもできる。このためには、低液温制御時にサーモスタット18、19が正常である場合に、温度thwが上回ることがない範囲内で所定値Eを設定することができる。この場合、所定値Eを低液温制御時の温度thwを異ならせる所定の条件(例えば車速や外気温やエンジン2の負荷)に応じて可変にすることが好適である。
第2の流体制御システムは第1のサーモスタット18が閉故障している場合であっても、第2のサーモスタット19が閉故障している場合であっても、温度thwの上昇によってエンジン2の冷却状態が悪化することを抑制できる。
本実施例にかかる第3の流体制御システムは、ECU30Bの代わりにECU30Cを備える点以外、第2の流体制御システムと実質的に同一である。ECU30Cは制御部がさらに以下に示す制御を行うように実現される点以外、ECU30Bと実質的に同一である。このためECU30Cについては図示省略する。なお、制御部は実施例1、2で示した制御(サーモスタット18、19のうち、いずれか一方のサーモスタットが閉故障をしている場合に、他方のサーモスタットを介して流通する冷却液の流量を増大させるようにバルブ部Vを制御する制御)のうち、少なくともいずれか一方の制御を行うことなく、以下に示す制御を行うことができる。
ECU30Cでは、制御部がさらにサーモスタット18、19のうち、いずれか一方のサーモスタットが開故障をしている場合に、バルブ部Vが備えるバルブ機構V1、V2のうち、少なくともいずれかのバルブ機構の流通制御状態を切り替えるようにバルブ部Vを制御することで、第3の部分SG3を流通する冷却液の流量を減少させるようにバルブ部Vを制御する。
制御部はバルブ部Vが高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限している状態で、第1のサーモスタット18が開故障をしている場合に、少なくとも高温側供給経路PHを介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。そしてこれにより、第1のサーモスタット18が開故障をしている場合に、第3の部分SG3を流通する冷却液の流量を減少させる。
制御部は具体的には高温側供給経路PHを介した冷却液の流通と、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通とをともに制限するようにバルブ部Vを制御する。制御部は高温側供給経路PHを介した冷却液の流通を制限するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御してもよい。
これは、第3の部分SG3における冷却液の流量を減少させるにあたり、第1のバルブ機構V1が第3の部分SG3に設けられているためである。この点、第3の部分SG3における冷却液の流量を減少させるにあたり、バルブ部Vが例えば部分SG1、SG3のうち、第1の部分SG1にバルブ機構を備える場合には、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通と、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通とをともに制限するようにバルブ部Vを制御することになる。
バルブ部Vが例えば部分SG1、SG2、SG3のうち、部分SG2、SG3に単体のバルブをバルブ機構としてそれぞれ備える場合には、バルブ部Vは制御前後で第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通をともに制限したままの状態にすることもできる。すなわち、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通に関しては、例えば第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限した状態のまま、バルブ部Vを特段制御しないようにすることもできる。
したがって、少なくとも高温側供給経路PHを介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御するということは、バルブ部Vが備えるバルブ機構の配置や構成によっては、第3の部分SG3における冷却液の流量を減少させるにあたり、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通と、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通とをともに制限するようにバルブ部Vを制御することを意味する。
制御部は第1のサーモスタット18が開故障をしている場合に上述したようにバルブ部Vを制御するにあたり、温度thwが所定値Fを下回った場合に上述したようにバルブ部Vを制御する。所定値Fは所定値Aよりも小さな値に設定できる。所定値Fはさらに車速や外気温やエンジン2の負荷に応じた可変値とすることができる。
制御部は温度thwが所定値Fを下回った場合に上述したようにバルブ部Vを制御するとともに、さらに温度thwが所定値Gを上回った場合に、少なくとも高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御する。また、温度thwが所定値Fを下回った場合に上述したようにバルブ部Vを制御した後、所定時間βが経過した場合に、少なくとも高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御する。所定値Gは所定値Aよりも大きな値に設定できる。
この場合、制御部は具体的には高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。これは、高液温制御中であることを考慮したものである。制御部は温度thwが所定値Gを上回った場合と所定時間βが経過した場合とのうち、少なくともいずれかの場合に上述したようにバルブ部Vを制御してもよい。
なお、バルブ部Vは第3の部分SG3に第1のバルブ機構V1を備えるとともに、第2の部分SG2に第2のバルブ機構V2を備えることで、部分SG1、SG2、SG3のうち、少なくとも第2の部分SG2を含む2以上の部分にバルブ機構を備える構成となっている。
次に第3の流体制御システムの制御動作である第3の制御動作について図11に示すフローチャートを用いて説明する。ECU30Cは高液温制御中であるか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21で否定判定であれば、ECU30Cはバルブ部Vの流通制御状態を保持する(ステップS29)。ステップS29では低液温制御が行われる状態にバルブ部Vの流通制御状態を保持することができる。ステップS21で肯定判定であれば、ECU30Cは所定値Fを算出する(ステップS22)。所定値Fは例えば車速や外気温やエンジン2の負荷に基づき算出することができる。
ステップS22に続き、ECU30Cは温度thwが所定値Fを下回っているか否かを判定する(ステップS23)。肯定判定であれば、ECU30Cはエンジン2への冷却液の供給を禁止することを含め、制限するようにバルブ部Vを制御する(ステップS26)。ステップS26で、ECU30Cは具体的には高温側供給経路PHを介した冷却液の流通と、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通とをともに制限するようにバルブ部Vを制御する。
ステップS23で否定判定であれば、ECU30Cは温度thwが所定値Gを上回っているか否かを判定する(ステップS24)。否定判定であれば、ECU30Cは所定時間βが経過したか否かを判定する(ステップS25)。この点、ECU30CはステップS23で否定判定された直後のルーチンにおいてステップS23で肯定判定された場合に時間の計測を開始することができる。ステップS25で否定判定であれば、ECU30Cはバルブ部Vの流通制御状態を保持する(ステップS27)。
一方、ステップS27で否定判定であれば、ECU30Cはエンジン2への冷却液の供給を許可することを含め、供給制限を解除するようにバルブ部Vを制御する(ステップS28)。ステップS28で、ECU30Cは具体的には高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。ステップS26、S27、S28およびS29の後にはステップS21に戻る。
次に第3の流体制御システムの作用効果について説明する。第3の流体制御システムはバルブ部Vが高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限している状態で、第1のサーモスタット18が開故障をしている場合に、少なくとも高温側供給経路PHを介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。そしてこれにより、第1のサーモスタット18が開故障をしている場合に、第3の部分SG3を流通する冷却液の流量を減少させる。
このため、第3の流体制御システムは第1のサーモスタット18が開故障した場合であっても、エンジン2への冷却液の供給を制限することができる。結果、温度thwの低下によってエンジン2の冷却状態が悪化することを抑制できる。
第3の流体制御システムは具体的には温度thwが所定値Fを下回った場合に上述したようにバルブ部Vを制御する。そしてこれにより、第1のサーモスタット18が開故障をしている場合に上述したようにバルブ部Vを制御することができる。第3の流体制御システムはさらに温度thwが所定値Gを上回った場合に高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御する。そしてこれにより、エンジン2の冷却状態が悪化することを抑制するにあたって、所定値F、G間に収まるように温度thwを制御することができる。
第3の流体制御システムは温度thwが所定値Fを下回った場合に上述したようにバルブ部Vを制御した後、所定時間βが経過した場合に高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御する。そしてこれにより、例えば温度thwを適切に計測できない場合に、エンジン2における冷却液の過度な温度上昇を防止するように温度thwを制御することもできる。温度thwを適切に計測できない場合とは、例えば流体供給経路PSのうち、第1のバルブ機構V1より下流側の部分で温度thwを計測する場合である。
図12(a)、図12(b)はともに第1のサーモスタット18が開故障した場合の第3の制御動作に基づく温度thwの変化の一例を示す図である。図12(a)は温度thwが所定値Gを上回った場合にバルブ部Vを制御した場合を示す。図12(b)は所定時間βが経過した場合にバルブ部Vを制御した場合を示す。図12(a)、図12(b)において縦軸は温度thw、横軸は時間を示す。図12(a)、図12(b)ではバルブ部Vがエンジン2への冷却液の供給を制限しているか否かについても同時に示している。図12(a)、図12(b)はともに時間t1で第1のサーモスタット18に開故障が発生した場合を示している。
図12(a)、図12(b)に示す場合ともに、温度thwは時間t1になるまでの間、高液温制御によって所定値Aに収束するように制御されている。一方、時間t1で第1のサーモスタット18に開故障が発生すると、エンジン2への冷却液の供給が第1のサーモスタット18によって制限されなくなる。結果、温度thwは時間t1を経過した後に低下し始め、時間t2で所定値Fを下回る。温度thwが所定値Fを下回った場合には、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vが制御される。このため、エンジン2への冷却液の供給が制限される。結果、温度thwは時間t2を経過した後に上昇し始める。
図12(a)に示す場合では、時間t3で温度thwが所定値Gを上回る。温度thwが所定値Gを上回った場合には、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vが制御される。このため、エンジン2に冷却液が供給されるようになる。結果、温度thwは時間t3を経過した後に低下し始める。時間t4、t5では時間t2、t3と同様にして温度thwが制御される。
図12(b)に示す場合では、時間t3´で所定時間βが経過する。所定時間βが経過した場合には、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vが制御される。このため、エンジン2に冷却液が供給されるようになる。結果、温度thwは時間t3´を経過した後に低下し始める。時間t4´、t5´では時間t2、t3´と同様にして温度thwが制御される。
第3の流体制御システムは温度thwが所定値Gを上回った場合、或いは所定時間βが経過した場合に、具体的には高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。
このため、第3の流体制御システムは何かしらの原因で温度thwが一時的に所定値Fを下回った場合でも、その原因がなくなった場合に高液温制御に復帰することができる。そしてこれにより、サーモスタット18、19が正常である場合から第1のサーモスタット18の開故障に備えるようにして、第1のサーモスタット18の開故障に対処することができる。すなわち、第1のサーモスタット18の開故障を検出することを不要化できる。
第3の流体制御システムは高液温制御時にサーモスタット18、19が正常である場合には、バルブ部Vを特段制御しないようにすることもできる。このためには、高液温制御時にサーモスタット18、19が正常である場合に、温度thwが下回ることがない範囲内で所定値Fを設定することができる。この場合、所定値Fを高液温制御時の温度thwを異ならせる所定の条件(例えば車速や外気温やエンジン2の負荷)に応じて可変にすることが好適である。
本実施例にかかる第4の流体制御システムは、ECU30Cの代わりにECU30Dを備える点以外、第3の流体制御システムと実質的に同一である。ECU30Dはサーモスタット18、19のうち、いずれか一方のサーモスタットが開故障をしている場合に、第3の部分SG3を流通する冷却液の流量を減少させるようにバルブ部Vを制御するにあたり、制御部がさらに以下に示すように実現される点以外、ECU30Cと実質的に同一である。このためECU30Dについては図示省略する。
なお、このようにバルブ部Vを制御するにあたり、制御部は実施例3で示した制御を行うことなく、以下に示す制御を行ってもよい。また、制御部は実施例1、2で示した制御(サーモスタット18、19のうち、いずれか一方のサーモスタットが閉故障をしている場合に、他方のサーモスタットを介して流通する冷却液の流量を増大させるようにバルブ部Vを制御する制御)のうち、少なくともいずれか一方の制御を行うことなく、以下に示す制御を行うことができる。
ECU30Dでは、制御部がさらにバルブ部Vが少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除することで、低温側供給経路PLを介した冷却液の流通制限を解除している状態で、第2のサーモスタット19が開故障をしている場合に、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。そしてこれにより、第2のサーモスタット19が開故障をしている場合に、第3の部分SG3を流通する冷却液の流量を減少させる。
制御部は具体的にはバルブ部Vが高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除している状態で、第2のサーモスタット19が開故障をしている場合に第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。この理由は実施例2で前述した理由と同様である。
第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御するにあたり、制御部は具体的には高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。これは、高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除しても、温度thwが所定値Aを下回った状態で第1のサーモスタット18が閉弁するためである。制御部は高温側供給経路PHを介した冷却液の流通と、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通とをともに制限するようにバルブ部Vを制御してもよい。
制御部は第2のサーモスタット19が開故障をしている場合に上述したようにバルブ部Vを制御するにあたり、温度thwが所定値Hを下回った場合に上述したようにバルブ部Vを制御する。所定値Hは所定値Bよりも小さな値に設定できる。所定値Hはさらに車速や外気温やエンジン2の負荷に応じた可変値とすることができる。
制御部は温度thwが所定値Hを下回った場合に上述したようにバルブ部Vを制御するとともに、さらに温度thwが所定値Jを上回った場合に、少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御する。具体的には制御部は高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限と、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限とをともに解除するようにバルブ部Vを制御する。これは低液温制御中であることを考慮したものである。所定値Jは所定値Bよりも大きな値に設定できる。また、所定値Aよりも小さな値に設定できる。
次に第4の流体制御システムの制御動作である第4の動作について図13に示すフローチャートを用いて説明する。ECU30Dは低液温制御中であるか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31で否定判定であれば、ECU30Dはバルブ部Vの流通制御状態を保持する(ステップS38)。ステップS38では高液温制御が行われる状態にバルブ部Vの流通制御状態を保持することができる。ステップS31で肯定判定であれば、ECU30Dは所定値Hを算出する(ステップS32)。所定値Hは例えば車速や外気温やエンジン2の負荷に基づき算出することができる。
ステップS32に続き、ECU30Dは温度thwが所定値Hを下回っているか否かを判定する(ステップS33)。肯定判定であればステップS35に進み、ECU30Dは第1のサーモスタット18による冷却液の流通制御が有効になるようにバルブ部Vを制御する(第1のサーモスタット18有効化)。ステップS35で、ECU30Dは具体的には高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限を解除するとともに、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。
ステップS33で否定判定であれば、ECU30Dは温度thwが所定値Jを上回ったか否かを判定する(ステップS34)。否定判定であれば、ECU30Dはバルブ部Vの流通制御状態を保持する(ステップS36)。一方、肯定判定であればステップS37に進み、ECU30Dは第2のサーモスタット19による冷却液の流通制御が有効になるようにバルブ部Vを制御する(第2のサーモスタット19有効化)。ステップS37で、ECU30Dは具体的には高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限と、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限とをともに解除するようにバルブ部Vを制御する。ステップS35、S36、S37およびS38の後にはステップS31に戻る。
次に第4の流体制御システムの作用効果について説明する。第4の流体制御システムはバルブ部Vが少なくとも第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除することで、低温側供給経路PLを介した冷却液の流通制限を解除している状態で、第2のサーモスタット19が開故障をしている場合に、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vを制御する。そしてこれにより、第2のサーモスタット19が開故障をしている場合に、第3の部分SG3を流通する冷却液の流量を減少させる。
このため、第4の流体制御システムは第2のサーモスタット19が開故障した場合であっても、エンジン2への冷却液の供給を制限することができる。結果、温度thwの低下によってエンジン2の冷却状態が悪化することを抑制できる。
第4の流体制御システムは具体的には温度thwが所定値Hを下回った場合に上述したようにバルブ部Vを制御することで、第2のサーモスタット19が開故障をしている場合に上述したようにバルブ部Vを制御することができる。第4の流体制御システムはさらに温度thwが所定値Jを上回った場合に第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vを制御することで、エンジン2の冷却状態が悪化することを抑制するにあたって、所定値H、J間に収まるように温度thwを制御することができる。
図14は第2のサーモスタット19が開故障した場合の第4の制御動作に基づく温度thwの変化の一例を示す図である。図14において縦軸は温度thw、横軸は時間を示す。図14では冷却液の流通制御が有効化されているサーモスタット18、19についても同時に示している。図14は時間t1で第2のサーモスタット19に開故障が発生した場合を示している。
図14に示すように、温度thwは時間t1になるまでの間、低液温制御によって所定値Bに収束するように制御されている。一方、時間t1で第2のサーモスタット19に開故障が発生すると、エンジン2への冷却液の供給が第2のサーモスタット19によって制限されなくなる。結果、温度thwは時間t1を経過した後に低下し始め、時間t2で所定値Hを下回る。
温度thwが所定値Hを下回った場合には、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通を制限するようにバルブ部Vが制御される。このため、エンジン2への冷却液の供給が制限される。結果、温度thwは時間t2を経過した後に上昇し始め、時間t3で所定値Jを上回る。温度thwが所定値Jを上回った場合には、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限を解除するようにバルブ部Vが制御される。このため、エンジン2に冷却液が供給されるようになる。結果、温度thwは時間t3を経過した後に低下し始める。時間t4、t5では時間t2、t3と同様にして温度thwが制御される。
第4の流体制御システムは温度thwが所定値Jを上回った場合に、具体的には高温側供給経路PHを介した冷却液の流通制限と、第2の分岐経路PB2を介した冷却液の流通制限とをともに解除するようにバルブ部Vを制御する。このため、第4の流体制御システムは何かしらの原因で温度thwが一時的に所定値Hを下回った場合でも、その原因がなくなった場合に高液温制御に復帰することができる。そしてこれにより、サーモスタット18、19が正常である場合から第2のサーモスタット19の開故障に備えるようにして、第2のサーモスタット19の開故障に対処することができる。すなわち、第2のサーモスタット19の開故障を検出することを不要化できる。
第4の流体制御システムは低液温制御時にサーモスタット18、19が正常である場合には、バルブ部Vを特段制御しないようにすることもできる。このためには、高液温制御時にサーモスタット18、19が正常である場合に、温度thwが下回ることがない範囲内で所定値Hを設定することができる。この場合、所定値Hを低液温制御時の温度thwを異ならせる所定の条件(例えば車速や外気温やエンジン2の負荷)に応じて可変にすることが好適である。
第4の流体制御システムは第1のサーモスタット18が開故障している場合であっても、第2のサーモスタット19が開故障している場合であっても、温度thwの低下によってエンジン2の冷却状態が悪化することを抑制できる。また、サーモスタット18、19のうち、いずれか一方のサーモスタットが開故障をしている場合であっても、閉故障している場合であっても、エンジン2の冷却状態が悪化することを抑制できる。
この点、第4の流体制御システムは例えば温度thwが所定値Cを上回った場合に図7および図11に示すフローチャートに基づく制御のうち、図11に示すフローチャートに基づく制御を少なくとも一時的に無効にすることができる。無効にした制御は例えば温度thwが所定時間内に所定値Cを複数回上回らなかった場合に再び有効にすることができる。高液温制御中に温度thwが所定値Fを下回った場合には、逆に例えば図7に示すフローチャートに基づく制御を無効にするとともに、図11に示すフローチャートに基づく制御を有効にすることができる。低液温制御中についても同様である。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えばバルブ部は第1、第2および第3の部分のうち、第2の部分のみにバルブ機構を備えてもよい。この場合でも、第2のサーモスタットによる冷却液の流通制御の有効、無効を切り替えることで、第2のサーモスタットによる冷却液の流通制御を有効にしている場合に、第2のサーモスタットによる冷却液の流通制御が行われることを可能にすることができる。また、第2のサーモスタットによる冷却液の流通制御を無効にしている場合に、第1のサーモスタットによる冷却液の流通制御が行われることを可能にすることができる。この場合には、第2のサーモスタットが開故障した場合であっても供給対象の冷却状態が悪化することを抑制できる。
W/P 1
エンジン 2
ラジエータ 6
回転弁体 13
第1のサーモスタット 18
第2のサーモスタット 19
ECU 30A、30B、30C、30D
流体供給経路 PS
第1の分岐経路 PB1
第2の分岐経路 PB2
サーモスタット部 T
第1のバルブ機構 V1
第2のバルブ機構 V2
バルブ部 V

Claims (8)

  1. 分岐後、合流する第1および第2の分岐経路のうち、前記第1の分岐経路に第1のサーモスタットを備えるとともに、前記第2の分岐経路に前記第1のサーモスタットよりも開弁温度が低く設定された第2のサーモスタットを備えるサーモスタット部と、
    前記第1の分岐経路のうち、前記第1のサーモスタットよりも下流側の部分である第1の部分と、前記第2の分岐経路のうち、前記第2のサーモスタットよりも下流側の部分である第2の部分と、前記第1および第2の分岐経路を含むとともに、供給対象に流体を供給する流体供給経路のうち、前記第1および第2の分岐経路合流後の部分である第3の部分とのうち、少なくとも前記第2の部分にバルブ機構を備えるバルブ部と、
    前記第1および第2のサーモスタットのうち、いずれか一方のサーモスタットが、開弁したままの状態になる開故障および閉弁したままの状態になる閉故障のうち、いずれか一方の故障をしている状態で、前記バルブ部が備えるバルブ機構のうち、少なくともいずれかのバルブ機構の流通制御状態を切り替えるように前記バルブ部を制御する制御部と、を備え
    前記制御部が前記第1および第2のサーモスタットのうち、いずれか一方のサーモスタットが開故障をしている場合に、前記バルブ部が備えるバルブ機構のうち、少なくともいずれかのバルブ機構の流通制御状態を切り替えるように前記バルブ部を制御することで、前記第3の部分を流通する流体の流量を減少させるように前記バルブ部を制御する流体制御システム。
  2. 請求項1記載の流体制御システムであって、
    前記制御部が前記第1および第2のサーモスタットのうち、いずれか一方のサーモスタットが閉故障をしている場合に、前記バルブ部が備えるバルブ機構のうち、少なくともいずれかのバルブ機構の流通制御状態を切り替えるように前記バルブ部を制御することで、他方のサーモスタットを介して流通する流体の流量を増大させるように前記バルブ部を制御する流体制御システム。
  3. 請求項2記載の流体制御システムであって、
    前記バルブ部が少なくとも前記第2の分岐経路を介した流体の流通を制限するとともに、前記流体供給経路のうち、前記第1の分岐経路を介して前記供給対象に流体を供給可能な高温側供給経路を介した流体の流通を制限していない状態で、前記第1のサーモスタットが閉故障をしている場合に、前記制御部が少なくとも前記第2の分岐経路を介した流体の流通制限を解除するように前記バルブ部を制御することで、前記第2のサーモスタットを介して流通する流体の流量を増大させる流体制御システム。
  4. 請求項2記載の流体制御システムであって、
    前記第1および第2の分岐経路の上流側で流通する流体を冷却する冷却器と、
    前記第2の分岐経路のうち、前記第2のサーモスタットよりも下流側の部分に前記冷却器を迂回して流体を流通させるバイパス経路と、
    前記第2のサーモスタットと機械的に連動して作動することで、前記第2のサーモスタットが閉弁した状態で前記バイパス経路を連通するとともに、前記第2のサーモスタットが開弁した状態で前記バイパス経路を遮断するバイパス弁と、がさらに設けられており、
    前記バルブ部が少なくとも前記第2の部分にバルブ機構を備えるとともに、前記第2の部分において前記バイパス弁よりも下流側の部分にバルブ機構を備え、
    前記バルブ部が少なくとも前記第2の分岐経路を介した流体の流通制限を解除することで、前記流体供給経路のうち、前記第2の分岐経路を介して前記供給対象に流体を供給可能な低温側供給経路を介した流体の流通制限を解除している状態で、前記第2のサーモスタットが閉故障をしている場合に、前記制御部が少なくとも前記第2の分岐経路を介した流体の流通を制限するように前記バルブ部を制御することで、前記第1のサーモスタットを介して流通する流体の流量を増大させる流体制御システム。
  5. 請求項2から4いずれか1項記載の流体制御システムであって、
    前記バルブ部が前記第1、第2および第3の部分のうち、前記第2の部分を含む2つの部分にバルブ機構を備える流体制御システム。
  6. 請求項1記載の流体制御システムであって、
    前記バルブ部が前記第1、第2および第3の部分のうち、少なくとも前記第2の部分を含む2以上の部分にバルブ機構を備え、
    前記バルブ部が前記流体供給経路のうち、前記第1の分岐経路を介して前記供給対象に流体を供給可能な高温側供給経路を介した流体の流通制限を解除するとともに、前記第2の分岐経路を介した流体の流通を制限している状態で、前記第1のサーモスタットが開故障をしている場合に、前記制御部が少なくとも前記高温側供給経路を介した流体の流通を制限するように前記バルブ部を制御することで、前記第3の部分を流通する流体の流量を減少させる流体制御システム。
  7. 請求項1記載の流体制御システムであって、
    前記バルブ部が少なくとも前記第2の分岐経路を介した流体の流通制限を解除することで、前記流体供給経路のうち、前記第2の分岐経路を介して前記供給対象に流体を供給可能な低温側供給経路を介した流体の流通制限を解除している状態で、前記第2のサーモスタットが開故障をしている場合に、前記制御部が前記第2の分岐経路を介した流体の流通を制限するように前記バルブ部を制御することで、前記第3の部分を流通する流体の流量を減少させる流体制御システム。
  8. 請求項1からいずれか1項記載の流体制御システムであって、
    前記バルブ部が前記第1、第2および第3の部分のうち、前記第2の部分を含む2つの部分に配置される一軸の回転弁体を備えることで、前記第1、第2および第3の部分のうち、前記第2の部分を含む2つの部分にバルブ機構をそれぞれ備える流体制御システム。
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