JP5751979B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents
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Description
前輪に沿って流れる走行風をフロントカバーの側方へ円滑に導くことで、空気抵抗を低減することが望まれる。
導風板の車両後方は車幅方向内側が負圧域になって渦が巻きやすいが、本発明によれば、導風板の車幅方向内側へ走行風を流すようにしたので負圧域が生じにくくなり、フロントフォークの車両後方での巻き込みが低減される。したがって、走行風の車幅方向内側への巻き込みを低減できる鞍乗型車両が提供される。
導風板の車幅方向外側及び内側の作用により、車両前部における走行風の円滑な流れが得られる。
導風板を支持するための特別な部材が不要になり、部品点数の削減が図れる。
窪んでいる正面カバー部には、導風板で案内される走行風が溜まりやすい。本発明では、正面カバー部に風取入れ口を設け、側面カバー部に風排出口を設けたので、走行風を遅滞なく側面カバー部の外へ排出することができる。
導風板には車幅方向外側へ傾斜する傾斜面が設けられ、走行風は車幅方向外側へ案内されるため、走行風は直接風取入れ口に導かれ、走行風の流れがより円滑になる。
導風板の一部が、高さ方向において風取入れ口と合致するため、導風板で案内される走行風が、円滑に風取入れ口に導かれる。
図1に示すように、鞍乗型車両10は、車体フレーム11のヘッドパイプ12に操向自在に支持され下端に前輪13を回転自在に備えるフロントフォーク20(詳細後述)と、このフロントフォーク20の上端に連結され前輪13を操舵するハンドル21と、ヘッドパイプ12から車両下方及び後方へ延びるメインフレーム22に揺動自在に取付けられ後輪23を備えると共にスイングアームを兼ねるパワーユニット24と、メインフレーム22から車両後方へ延びるリヤフレーム25とパワーユニット24とに取付けられ後輪23に作用する荷重を吸収するリヤクッション26とを有する。
車体カバー35は、ヘッドパイプ12の前方を覆うフロントカバー40(詳細後述)と、ヘッドパイプ12の後方を覆うレッグシールド41と、ステップ33下に配置されメインフレーム22の下部及びリヤフレーム25の前端部を覆うアンダーカバー42と、シート32の下方で且つリヤフレーム25の側方を覆うサイドカバー43とからなる。
加えて、フロントフォーク20に、前輪13の上部を覆うフロントフェンダ50(詳細後述)が取付けられる。
図2に示すように、フロントカバー40は、ヘッドパイプ12の前方及びフロントフォーク20の側方を覆うフロントアッパカバー51と、このフロントアッパカバー51に組付けられ(組付け構造は後述)メインフレーム22の車両前方を覆うと共に前輪13の車両後方に配置されるフロントロアカバー52とからなる。
図3に示すように、フロントフェンダ50は、前輪13の上方に配置される泥除け部53と、この泥除け部53の左側面から下へ延ばされる左延長部と、泥除け部53の右側面から下へ延ばされる右延長部とを有する。左延長部を、フロントカバー40の左側方へ走行風を案内する導風板60L(Lは左を示す添え字。以下同様)とし、右延長部を、フロントカバー40の右側方へ走行風を案内する導風板60R(Rは右を示す添え字。以下同様)とした。
加えて、風取入れ口70Lは、車両正面視で、導風板60Lより車幅方向左外側に配置され、風取入れ口70Rは、車両正面視で、導風板60Rより車幅方向右外側に配置される。
導風板60Lの上部67Lは、高さ方向において風取入れ口70Lの上縁72と下縁73の間に位置し、導風板60Rの上部67Rは、高さ方向において風取入れ口70Rの上縁74と下縁75の間に位置する。
加えて、導風板60Lの高さ方向中心線71が、風取入れ口70Lの上縁72と下縁73の間に位置し、導風板60Rの高さ方向中心線71が、風取入れ口70Rの上縁74と下縁75の間に位置する。
加えて、フロントフォーク20の下端左側に、フォークカバー66Lが取付けられ、フロントフォーク20の下端右側に、フォークカバー66Rが取付けられる。
図4に示すように、フロントフォーク20は、ハンドル(図1、符号21)に連結されるステアリング軸78と、このステアリング軸78に二股部79を介して連結されるクッション部76L、76Rとを有する。
導風板60Lの穴88Lに、反射板61Lのボルト89Lを差込み、反射板61Lをナット91Lで止める。なお、反射板61Rの取付構造は、反射板61Lと同様である。
フェンダ後半体87の穴92L、フェンダ前半体86の穴93L、クッション部76Lに設けた取付板の穴94Lにボルト95Lを差込み、フェンダ後半体87とフェンダ前半体86とクッション部76Lをナット96Lで止める。同様に、フェンダ後半体87の穴92R、フェンダ前半体86の穴93R、クッション部76R側の穴94Rにボルト95Rを差込み、フェンダ後半体87とフェンダ前半体86とクッション部76Rをナット96Rで止める。
以上の組立手順により、フロントフォーク20とフェンダ前半体86とフェンダ後半体87が一体化される。
図5(a)に示すように、導風板60Lの車幅方向左外側の面に、車両後方へ広がる傾斜面99Lが設けられている。
反射板61Lは、接着剤101Lで導風板60Lに取付けられボルト89Lを備える台板102Lと、この台板102Lに取付けられる反射部103Lとからなる。なお、(b)に示すように、傾斜面99Lは、車両平面視であっても、車両後方へ広がるように形成される。
図6に示すように、先ず、フロントアッパカバー51の左下端の穴104Lと、フロントロアカバー52の左上側の穴105Lとに、ボルト106Lを差込み、フロントアッパカバー51とフロントロアカバー52をナット107Lで止める。また、フロントアッパカバー51の右下端の穴104Rと、フロントロアカバー52の右上側の穴105Rとに、ボルト106Rを差込み、フロントアッパカバー51とフロントロアカバー52をナット107Rで止める。
図7に示すように、フロントアッパカバー51は、左前に設けられフロントロアカバー52側に延びる前面部112Lと、この前面部112Lから後方に延びる前側面部113Lと、右前に設けられフロントロアカバー52側に延びる前面部112Rと、この前面部112Rから後方に延びる前側面部113Rとを備える。
なお、フロントカバー40は、実施例ではフロントアッパカバー51とフロントロアカバー52とからなる分割構造としたが、一体構造にして風取入れ口70L、70R及び風排出口120L、120Rを形成するようにしてもよい。
なお、導風板60L、60Rは、実施例では、フロントフェンダ50に一体に設けたが、導風板60L、60Rをフロントフェンダ50とは別に形成して、フロントフォーク20のクッション部76L、76Rに支持させるようにしてもよい。
図8(a)に示すように、走行風が導風板60Lに沿って矢印(1)のように流れ、導風板60Lの傾斜面99Lに沿って矢印(2)のように流れ、更に側面カバー部117Lの側方に向けて矢印(3)のように流れる。また、正面カバー部116にも矢印(4)のように走行風が流れる。
一方、走行風が、矢印(5)のようにクッション部76Lの車幅方向左外側と導風板60Lの車幅方向内側とで挟まれて形成される導風路80Lに流れ、矢印(6)のように正面カバー部116に向けて流れる。
図8(a)に示す構成により、導風板60Lの車両後方は車幅方向内側が負圧域になって渦が巻きやすいが、導風板60Lの車幅方向内側へ走行風を矢印(6)のように流すので負圧域が生じにくくなり、フロントフォーク20の車両後方での巻き込みが低減される。したがって、走行風の車幅方向内側への巻き込みを低減できる鞍乗型車両が提供される。
導風板60Lの車幅方向外側及び内側の作用により、車両前部における走行風の円滑な流れが得られる。
加えて、導風板60L、60Rの高さ方向中心(高さ方向中心線71)が、風取入れ口70Lの上縁72と下縁73の間に位置し、風取入れ口70Rの上縁74と下縁75の間に位置するので、導風板60L、60Rで案内される走行風が、風取入れ口70L、70Rに更に円滑に導かれる。
Claims (6)
- 車体フレーム(11)の前部に配置されるヘッドパイプ(12)に、フロントフォーク(20)が操向自在に支持され、このフロントフォーク(20)で挟まれるようにして前記フロントフォーク(20)の下端に前輪(13)が回転自在に支持され、この前輪(13)の車両後方に且つ車両正面視にて前記フロントフォーク(20)より車幅方向外側にフロントカバー(40)が配置される鞍乗型車両(10)において、
前記フロントフォーク(20)から車幅方向外側に離間して導風板(60L、60R)が配置され、前記フロントフォーク(20)と前記導風板(60L、60R)との間に走行風を流す導風路(80L、80R)が形成され、
前記導風板(60L、60R)は前記フロントフォーク(20)に支持され、前記フロントカバー(40)の側方へ走行風を案内することができるように前記導風板(60L、60R)の車幅方向外側の面に、車両平面視で車両後方へ広がる傾斜面(99L、99R)が設けられていることを特徴とする鞍乗型車両。 - 前記前輪(13)の上部をフロントフェンダ(50)で覆い、このフロントフェンダ(50)の泥除け部(53)から下へ延長部を延ばし、この延長部を前記導風板(60L、60R)としたことを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両。
- 前記フロントカバー(40)は、前記操向に伴って発生する前記前輪(13)の回転範囲を避けるように車両後方へ窪むように形成される正面カバー部(116)と、この正面カバー部(116)の車幅方向外端から車両後方へ延びる側面カバー部(117L、117R)とを備え、
前記正面カバー部(116)には、前記導風板(60L、60R)で案内される走行風を取入れる風取入れ口(70L、70R)が設けられ、前記側面カバー部(117L、117R)には、前記案内された走行風を前記側面カバー部(117L、117R)の外へ排出する風排出口(120L、120R)が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鞍乗型車両。 - 前記風取入れ口(70L、70R)は、車両正面視で、前記導風板(60L、60R)より車幅方向外側に配置されることを特徴とする請求項3記載の鞍乗型車両。
- 前記導風板(60L、60R)の少なくとも一部(67L、67R)は、高さ方向において前記風取入れ口(70L、70R)の上縁(72、74)と下縁(73、75)の間に位置することを特徴とする請求項3又は請求項4記載の鞍乗型車両。
- 前記導風板(60L、60R)の高さ方向中心(71)が、前記風取入れ口(70L、70R)の上縁(72、74)と下縁(73、75)の間に位置することを特徴とする請求項5記載の鞍乗型車両。
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