JP5751567B1 - 樹脂チューブ及び樹脂チューブの印字方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂チューブの内径を変えることなく、配線ケーブル等に容易に固定することのできる樹脂チューブを提供する。【解決手段】本発明の樹脂チューブは、外周面に識別マーク2が付されて、配線用又は通信用ケーブル若しくは配管に装着される樹脂チューブ1であって、樹脂チューブ1は、形状記憶ポリマーからなる筒状の成形体で構成されている。また、樹脂チューブ1は、形状記憶ポリマーからなる内層と、熱可塑性ポリマーからなる外層とが一体成形された積層体で構成されていてもよい。あるいは、樹脂チューブ1は、熱可塑性ポリマーに所定の配合比率で形状記憶ポリマーが複合された材料からなる成形体で構成されていてもよい。【選択図】図1
Description
本発明は、配線用又は通信用ケーブル若しくは配管に装着される樹脂チューブ、及び樹脂チューブの外周面に識別マークを印字する印字方法に関する。
多数の配線をする場合、誤配線を防止するために、配線ケーブルに識別マークが付されたマークチューブ(樹脂チューブ)を装着して作業する場合がある。
しかしながら、マークチューブが円筒形の場合、マークチューブを配線ケーブルに装着した際、マークチューブの内径が配線ケーブルの外径よりも少しでも大きければ、マークチューブが容易に移動してしまう。そのため、マークチューブに付された識別マークが認識できなくなったり、マークチューブが脱落したりするという問題がある。
特許文献1には、断面を扁平状にしたマークチューブが記載されている。このマークチューブを配線ケーブルに装着した際、マークチューブの短径側の内周面が配線ケーブルの外周面の一部に接触するため、その摩擦力により、マークチューブを配線ケーブルに固定することができる。
しかしながら、マークチューブの断面を扁平状にしても、その短径側の内周面の内径が、配線ケーブルの外径よりも大きければ、摩擦力が生じない。そのため、マークチューブを配線ケーブルに固定するには、配線ケーブルの外径に合った、短径側の内周面の内径を有するマークチューブを選択しなければならない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その主な目的は、樹脂チューブの内径を変えることなく、配線ケーブル等に容易に固定することのできる樹脂チューブを提供することにある。
本発明に係る樹脂チューブは、配線用又は通信用ケーブル若しくは配管に装着される樹脂チューブであって、形状記憶ポリマーからなる材料で構成されており、樹脂チューブは、配線用又は通信用ケーブル若しくは配管に装着された後、形状記憶ポリマーのガラス転移温度よりも高い温度に加熱して、樹脂チューブの内周面の少なくとも一部が、配線用又は通信用ケーブル若しくは配管の外周面に当接するように、樹脂チューブの外周面を押圧して変形させ、その後、その形状を維持しながら、ガラス転移温度以下に冷却することにより、配線用又は通信用ケーブル若しくは配管に固定されることを特徴とする。
ある好適な実施形態において、樹脂チューブは、形状記憶ポリマーからなる内層と、熱可塑性ポリマーからなる外層とが一体成形された積層体で構成されている。
ある好適な実施形態において、樹脂チューブは、形状記憶ポリマーと熱可塑性ポリマーとが複合された材料からなる成形体で構成されている。
本発明によれば、樹脂チューブの内径を変えることなく、配線ケーブル等に容易に固定することのできる樹脂チューブを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における樹脂チューブ1を配線ケーブル3に装着した状態を示した斜視図である。本実施形態における樹脂チューブ1は、外周面に識別マーク2が付されて、配線ケーブル3に装着されるものである。
図1は、本発明の第1の実施形態における樹脂チューブ1を配線ケーブル3に装着した状態を示した斜視図である。本実施形態における樹脂チューブ1は、外周面に識別マーク2が付されて、配線ケーブル3に装着されるものである。
なお、本実施形態では、外周面に識別マーク2が付された樹脂チューブ(マークチューブ)を例に説明するが、勿論、外周面に識別マーク2が付されていない樹脂チューブにも適用することができる。また、樹脂チューブ1が装着される対象は、配線用又は通信用ケーブル若しくは配管等に適用することができる。また、配線用又は通信用ケーブル若しくは配管の種類は問わない。また、複数の配線用又は通信用ケーブル若しくは配管等を束ねて樹脂チューブ1を装着してもよい。
本実施形態における樹脂チューブ1は、形状記憶ポリマーからなる筒状の成形体で構成されている。筒状の成形体は、断面が、円形や楕円形(扁平状)、あるいは多角形であってもよい。また、筒状の成形体は、押出成形等の方法を用いて形成することができる。
形状記憶ポリマーからなる成形体は、ポリマーのガラス転移温度よりも高い温度に加熱して変形を加え、その形状を維持しながらガラス転移温度以下の温度に冷却することにより、変形形状が固定され、さらに、ガラス転移温度より高い温度に加熱することにより、元の成形形状に回復するという形状記憶特性をもつ。
このような形状記憶特性を有するポリマーとしては、例えば、ポリウレタン系形状記憶ポリマー「ダイアリー」(三菱重工業製)を用いることができる。ポリウレタン系形状記憶ポリマーは、ポリウレタン系高分子材料の配合により、ガラス転移温度を、−40〜120℃の範囲で設定することができる。
また、ポリウレタン系形状記憶ポリマーの成形体は、ガラス転移温度以上の温度では、弾性率が小さいため、小さな応力で容易に変形することができ、かつ、形状変形率も非常に大きい(最大、300〜500%)ため、所望の形状に容易に変形することができる。
図2(a)〜(e)は、樹脂チューブ1を配線ケーブル3に装着する方法を示した断面図である。本実施形態では、断面が円形の筒状成形体からなる樹脂チューブを例に説明する。
図2(a)は、樹脂チューブ1を配線ケーブル3に装着した状態を示した断面図である。このとき、樹脂チューブ1の内径は、配線ケーブル3の外径よりも大きくてもよい。これにより、樹脂チューブ1を配線ケーブル3に容易に装着することができる。
次に、図2(b)に示すように、樹脂チューブ1を、形状記憶ポリマーのガラス転移温度(Tg)よりも高い温度(T>Tg)に加熱して、治具4を用いて、樹脂チューブ1の内周面が、配線ケーブル3の外周面に当接するように、樹脂チューブ1の外周面を押圧して変形させる。なお、押圧する箇所は、押圧により、樹脂チューブ1の内周面の少なくとも一部が、配線ケーブル3の外周面に当接すれば、どのような箇所であってもよい。また、押圧に用いる治具4は、作業する人の指であってもよい。
次に、図2(c)に示すように、樹脂チューブ1を、押圧して変形した形状を維持しながら、ガラス転移温度以下の温度(T<Tg)に冷却する。この状態で、治具4を取り除いても、図2(d)に示すように、樹脂チューブ1は、変形形状のまま固定される。これにより、樹脂チューブ1を配線ケーブル3に固定することができる。
なお、図2(e)に示すように、樹脂チューブ1を、再び、ガラス転移温度より高い温度(T>Tg)に加熱することにより、元の成形形状(円筒状)に回復させることができる。これにより、樹脂チューブ1を配線ケーブル3から容易に取り外すことができる。
本実施形態において、樹脂チューブ1を構成する形状記憶ポリマー成形体は、ガラス転移温度以上の温度で、小さな応力で容易に変形することができ、かつ、形状変形率も非常に大きい。そのため、図2(a)に示したように、樹脂チューブ1の内径が、配線ケーブル3の外径よりもかなり大きくても、図2(b)に示すように、軽い押圧力で、樹脂チューブ1を大きく変形させて、配線ケーブル3に固定することができる。
すなわち、本実施形態における樹脂チューブ1は、外径の異なる配線ケーブル3に対して、樹脂チューブ1の内径(肉厚が同じであれば外径)を変えることなく、配線ケーブル3に容易に固定することができる。
なお、本実施形態において、樹脂チューブ1を構成する形状記憶ポリマーのガラス転移温度は、任意に設定することができるが、通常、樹脂チューブ1を変形させる工程は、配線ケーブル3を配設する作業中に行うため、その作業環境における温度を想定して、形状記憶ポリマーのガラス転移温度を設定することが好ましい。例えば、想定される作業環境の温度をT(℃)とすると、ガラス転移温度を、T(℃)+10〜20℃に設定すればよい。これにより、比較的短時間に樹脂チューブ1をガラス転移温度より高い温度に加熱することができるため、樹脂チューブ1の変形工程における作業時間を短縮することができる。なお、樹脂チューブ1の加熱方法は特に限定されないが、例えば、ドライヤーで熱風を当てることによって行うことができる。
本実施形態において、樹脂チューブ1を構成する形状記憶ポリマーの材料は特に限定されない。例えば、上記のような形状記憶特性を有するポリマーとしては、ポリウレタン系形状記憶ポリマーの他に、ノルボルネン系形状記憶ポリマー、トランスポリイソプレン系形状記憶ポリマー、スチレン−ブタジエン系形状記憶ポリマー等を用いることができる。
なお、本実施形態において、形状記憶ポリマーからなる樹脂チューブ1の肉厚や、内径及び外径は、特に限定されず、使用する形状記憶ポリマーの形状記憶特性以外の樹脂特性(例えば、剛性等)に応じて、適宜決めればよい。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態における樹脂チューブ1の構成を示した斜視図である。
図3は、本発明の第2の実施形態における樹脂チューブ1の構成を示した斜視図である。
本実施形態における樹脂チューブ1は、形状記憶ポリマーからなる内層1aと、熱可塑性ポリマーからなる外層1bとが一体成形された積層体で構成されている。
図1に示した樹脂チューブ1は、1層の形状記憶ポリマーからなる成形体で構成されているが、樹脂チューブ1にある程度の強度を持たすためには、形状記憶ポリマーの材料や、成形した樹脂チューブ1の外径にもよるが、樹脂チューブ1の肉厚を、大凡、0.2〜0.3mm以上にすることが好ましい。
しかしながら、一般に、形状記憶ポリマーは、従来の樹脂チューブに使用されているポリ塩化ビニル(PVC)等の熱可塑性ポリマーに比べて高価である。また、樹脂チューブ1の外表面に、例えば、サーマルプリンタ等を用いて、識別マークを印字する場合、その印字条件は、ポリマーの表面状態に対応して決められる。従って、樹脂チューブ1の材料が変われば、その材料に合わせて、印字条件を変更しなければならない。
本実施形態では、このような実用面における課題を解決するために、樹脂チューブ1の構成を、形状記憶ポリマーからなる内層1aと、熱可塑性ポリマーからなる外層1bとの積層体(2層構造)としたものである。これにより、形状記憶ポリマーからなる内層1aの肉厚を薄くしても、熱可塑性ポリマーからなる外層1bの肉厚で、樹脂チューブ1の強度を保つことができる。
ここで、形状記憶ポリマーからなる内層1aの肉厚は、特に限定されず、使用する形状記憶ポリマーの形状記憶特性以外の樹脂特性(例えば、剛性等)に応じて、適宜決めればよい。なお、内層1aの肉厚が薄すぎると、内層1a自身の強度が小さすぎて、形状記憶ポリマー自身が本来持つ形状記憶特性を発現させることが難しくなる。従って、内層1aの記憶形状特性を発現させるためには、内層1aの肉厚を、50μm以上、より好ましくは60μm以上にすることが好ましい。このような範囲の肉厚であれば、内層1aの形状記憶特性が発現され、本実施形態における積層体からなる樹脂チューブ1においても、1層の形状記憶ポリマーからなる樹脂チューブ1と同様の効果を発揮することができる。これにより、樹脂チューブ1のコストを大幅に低減することができる。また、樹脂チューブ1の外表面は、従来の熱可塑性ポリマーからなる外層1bの外表面となるため、従来の印字条件を変更することなく、樹脂チューブ1の外表面に識別マークを印字することができる。
本実施形態における内層1a及び外層1bからなる積層体は、例えば、共押出成形により形成することができる。
また、本実施形態では、樹脂チューブ1を、形状記憶ポリマーからなる内層1aと、熱可塑性ポリマーからなる外層1bとが一体成形された積層体で構成したが、熱可塑性ポリマーからなる内層と、形状記憶ポリマーからなる外層とが一体成形された積層体で構成してもよい。
本実施形態において、形状記憶ポリマーとして、ポリウレタン系形状記憶ポリマー、ノルボルネン系形状記憶ポリマー、トランスポリイソプレン系形状記憶ポリマー、スチレン−ブタジエン系形状記憶ポリマー等を用いることができる。
また、熱可塑性ポリマーとして、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系ポリマー、ポリウレタン(PUR)、ナイロン、四フッ化エチレン(PTFE)等を用いることができる。なお、熱可塑性ポリマーには、例えば、柔軟性を付加するために、可塑剤等の添加剤を入れておいてもよい。
(第3の実施形態)
第2の実施異形態では、樹脂チューブ1の材料コストを低減するために、樹脂チューブ1の構成を、形状記憶ポリマーからなる内層1aと、熱可塑性ポリマーからなる外層1bとの積層体とした。しかしながら、このような積層体は、共押出成形により形成する必要があるため、製造コストがかかるという課題がある。
第2の実施異形態では、樹脂チューブ1の材料コストを低減するために、樹脂チューブ1の構成を、形状記憶ポリマーからなる内層1aと、熱可塑性ポリマーからなる外層1bとの積層体とした。しかしながら、このような積層体は、共押出成形により形成する必要があるため、製造コストがかかるという課題がある。
本発明の第3の実施形態では、このような実用面での課題を解決するために、樹脂チューブ1を、形状記憶ポリマーと熱可塑性ポリマーとが複合された材料からなる成形体で構成したものである。これにより、樹脂チューブ1を構成する形状記憶ポリマーの量を減らすことができ、形状記憶特性を有する樹脂チューブ1を低コストで製造することができる。
なお、本実施形態における樹脂チューブ1は、形状記憶ポリマー及び熱可塑性ポリマーの複合材料を溶融させて、押出成形等の方法を用いて形成することができる。
本実施形態において、熱可塑性ポリマーとの複合材料における形状記憶ポリマーの配合比率は、当該複合材料からなる成形体(樹脂チューブ)に形状記憶特性が発現されれば、特に限定されず、使用する形状記憶ポリマー及び熱可塑性ポリマーの材料に応じて、適宜決めればよい。例えば、形状記憶ポリマーとしてポリウレタン系形状記憶ポリマーを、熱可塑性ポリマーとして、ポリ塩化ビニルを用いて複合材料にした場合、複合材料に対して、少なくとも15質量%以上の形状記憶ポリマーを配合させれば、複合材料からなる成形体(樹脂チューブ)に形状記憶特性を発現させることができる。
一方、形状記憶ポリマーの配合比率を高くすると、複合材料からなる成形体の硬度が大きくなり、これを樹脂チューブに成形した場合、割れ等が生じやすくなる。これは、形状記憶ポリマーの硬度が、熱可塑性ポリマーの硬度よりも大きいため、形状記憶ポリマーの配合比率が高くなると、形状記憶ポリマーの樹脂特性が、複合材料からなる成形体の樹脂特性に強く反映されたものと考えられる。従って、形状記憶ポリマーと熱可塑性ポリマーとの複合材料からなる樹脂チューブに割れ等が生じないようにするためには、複合材料に対する形状記憶ポリマーの配合比率を、60質量%以下にすることが好ましい。
本実施形態において、形状記憶ポリマーの材料は、熱可塑性ポリマーと相溶性のある材料であれば、特に限定されない。例えば、形状記憶ポリマーの材料として、ポリウレタン系形状記憶ポリマーの他に、ノルボルネン系形状記憶ポリマー、トランスポリイソプレン系形状記憶ポリマー、スチレン−ブタジエン系形状記憶ポリマー等を用いることができる。
また、本実施形態において、熱可塑性ポリマーの材料は、使用する形状記憶ポリマーの材料と相溶性のある材料であれば、特に限定さない。例えば、熱可塑性ポリマーの材料として、ポリ塩化ビニル(PVC)の他に、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系ポリマー、ポリウレタン(PUR)、ナイロン、四フッ化エチレン(PTFE)等を用いることができる。また、熱可塑性ポリマーには、例えば、柔軟性を付加するために、可塑剤等の添加剤を入れておいてもよい。
なお、本実施形態において、形状記憶ポリマーと熱可塑性ポリマーとの複合材料からなる樹脂チューブ1の肉厚や内径及び外径は、特に限定されず、複合材料からなる樹脂チューブ1の剛性等の樹脂特性に応じて、適宜決めればよい。なお、樹脂チューブ1の肉厚が薄すぎると、樹脂チューブ1の強度が小さすぎて、樹脂チューブ1に内在する形状記憶特性を維持させることが難しくなる。従って、樹脂チューブ1の記憶形状特性を発現させるためには、形状記憶ポリマーの配合比率や、熱可塑性ポリマーの材料にもよるが、樹脂チューブ1の肉厚は、0.2mm以上であることが好ましい。
(第4の実施形態)
図4(a)は、本発明の第4の実施形態における樹脂チューブ1の印字方法を示した図で、図4(b)は、図4(a)のB−B線に沿った樹脂チューブ1の断面図、図4(c)は、図4(a)のC−C線に沿った樹脂マークチューブ1の断面図である。
図4(a)は、本発明の第4の実施形態における樹脂チューブ1の印字方法を示した図で、図4(b)は、図4(a)のB−B線に沿った樹脂チューブ1の断面図、図4(c)は、図4(a)のC−C線に沿った樹脂マークチューブ1の断面図である。
図4(a)に示すように、樹脂チューブ1は、送り出しローラ11及び引き取りローラ14に挟持されながら、矢印の方向に沿って、連続的に搬送される。送り出しローラ11の手前には、加熱恒温槽10が配置され、樹脂チューブ1は、加熱恒温槽10内を搬送される間に、樹脂チューブ1を構成する形状記憶ポリマーのガラス転移温度より高い温度に加熱される。このときの樹脂チューブ1の断面は、図4(b)に示すように、円形状である。
送り出しローラ11は、その間を通過する樹脂チューブ1を押圧することにより、図4(b)に示すように、樹脂チューブ1の断面は扁平状に変形される。送り出しローラ11と引き取りローラ14との間には、サーマルプリンタが配置され、印字ヘッド12及びリボン13によって、樹脂チューブ1の長側面A(短径側の外周面)に識別マークが印字される。
なお、送り出しローラ11で扁平状に変形された樹脂チューブ1は、引き取りローラ14によって、搬送方向に引張張力が働いているため、樹脂チューブ1は扁平状に維持される。そして、樹脂チューブ1は、送り出しローラ11から引き取りローラ14まで搬送される間に、形状記憶ポリマーのガラス転移温度よりも低い温度に冷却され、樹脂チューブ1は扁平状のまま固定される。樹脂チューブ1の熱容量は小さいため、ガラス転移温度よりも低い温度に冷却するのは、自然冷却でも可能であるが、必要に応じて、強制冷却を行ってもよい。なお、樹脂チューブ1は、引き取りローラ14を通過した後、所定の長さに切断される。
図5(a)は、このような方法で印字された扁平状の樹脂チューブ1を、配線ケーブル3に装着した状態を示した斜視図で、図5(b)は、その断面図である。
図5(b)に示すように、樹脂チューブ1の短径側の内周面が、配線ケーブル3の外周面の一部に接触することによって、樹脂チューブ1を配線ケーブル3に固定することができる。
なお、樹脂チューブ1の短径側の内径が、配線ケーブル3の外径よりも小さい場合であっても、樹脂チューブ1の短側面B(長径側の外周面)を挟み押すことによって、樹脂チューブ1の短径側の内径を拡げることにより、樹脂チューブ1を配線ケーブル3に装着することができる。
ところで、上記の印字方法で印字された識別マーク2は、図5(a)に示すように、樹脂チューブ1の長側面Aに付されている。しかしながら、複数の配線ケーブル3を配線する場合、識別マーク2を視認するためには、樹脂チューブ1の長側面Aを同じ向きに揃えて装着する必要がある。その結果、配線ケーブル3同士の間隔が拡がるため、密集した配線には、適用しにくいという問題が生じる。
そこで、このような問題を解消するために、図4(a)に示した樹脂チューブ1の印字方法において、識別マークの印字工程の後であって、樹脂チューブ1の冷却工程の前に、樹脂チューブ1の断面を、識別マーク2が印字された面が短側面になるように、扁平状に再変形する変形工程をさらに追加することが好ましい。
図6(a)〜(c)は、その方法を示した図で、図6(d)は樹脂チューブ1の斜視図である。
図6(a)は、図4(b)に示したように、樹脂チューブ1を扁平状に変形する前の円筒状の樹脂チューブ1の断面で、図6(b)は、図4(b)で示したように、樹脂チューブ1を扁平状に変形したときの樹脂チューブ1の断面である。このとき、識別マークは、長側面Aに付されている。この状態から、さらに、樹脂チューブ1が、形状記憶ポリマーのガラス転移温度よりも低い温度に冷却される前に、図6(c)に示すように、識別マークが印字された面Aが短側面になるように、扁平状に再変形する。具体的には、図4(a)に示した図において、引き取りローラ14の手間に、送り出しローラ11とは、対向する向きを90度変えた押圧ローラ(不図示)を配置し、この押圧ローラで、樹脂チューブ1の短側面Bを挟み押すことによって行うことができる。
このように、再変形された樹脂チューブ1は、図6(d)に示すように、識別マーク2が、樹脂チューブ1の短側面Aに付されているため、樹脂チューブ1の短側面Aを同じ向きに揃えて装着しても、識別マーク2を視認することができる。その結果、密集した配線ケーブル3に樹脂チューブ1を装着しても、識別マーク2の視認性が損なわれない。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態では、形状記憶ポリマーからなる、あるいは、形状記憶ポリマーを含む複合材料からなる樹脂チューブについて説明したが、これらの材料を用いて成形した成形体を、補強材等に用いることもできる。例えば、当該成形体を、外反拇指の矯正具に用いた場合、当該成形体を、形状記憶ポリマーのガラス転移温度よりも高い温度に加熱することによって、外反拇指の形状に合わせて任意に変形し、その後、当該成形体を、ガラス転移温度以下の温度に冷却して、外反拇指に固定することによって、当該成形体の弾性反発力を利用して、外反拇指を矯正することができる。
1 樹脂チューブ(マークチューブ)
1a 内層
1b 外層
2 識別マーク
3 配線ケーブル
4 治具
10 加熱恒温槽
11 送り出しローラ
12 印字ヘッド
13 リボン
14 引き取りローラ
1a 内層
1b 外層
2 識別マーク
3 配線ケーブル
4 治具
10 加熱恒温槽
11 送り出しローラ
12 印字ヘッド
13 リボン
14 引き取りローラ
Claims (9)
- 配線用又は通信用ケーブル若しくは配管に装着される樹脂チューブであって、
前記樹脂チューブは、形状記憶ポリマーからなる筒状の成形体で構成されており、
前記樹脂チューブは、前記配線用又は通信用ケーブル若しくは配管に装着された後、前記形状記憶ポリマーのガラス転移温度よりも高い温度に加熱して、前記樹脂チューブの内周面の少なくとも一部が、前記配線用又は通信用ケーブル若しくは配管の外周面に当接するように、前記樹脂チューブの外周面を押圧して変形させ、その後、その形状を維持しながら、ガラス転移温度以下に冷却することにより、前記配線用又は通信用ケーブル若しくは配管に固定されることを特徴とする樹脂チューブ。 - 前記樹脂チューブは、前記形状記憶ポリマーからなる内層と、熱可塑性ポリマーからなる外層とが一体成形された積層体で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂チューブ。
- 前記内層の肉厚は、50μm以上にあることを特徴とする、請求項2に記載の樹脂チューブ。
- 前記樹脂チューブは、熱可塑性ポリマーに所定の配合比率で形状記憶ポリマーが複合された材料からなる成形体で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂チューブ。
- 前記形状記憶ポリマーは、15〜60質量%の配合比率で、前記熱可塑性ポリマーに複合されていることを特徴とする、請求項4に記載の樹脂チューブ。
- 前記形状記憶ポリマーは、ポリウレタン系形状記憶ポリマーであることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の樹脂チューブ。
- 前記樹脂チューブの外周面に、識別マークが付されていることを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載の樹脂チューブ。
- 請求項7に記載の樹脂チューブの印字方法であって、
断面が円形状の樹脂チューブを、形状記憶ポリマーのガラス転移温度よりも高い温度に加熱する加熱工程と、
前記樹脂チューブの断面を扁平状に変形する第1の変形工程と、
前記樹脂チューブの長側面に識別マークを印字する印字工程と、
前記樹脂チューブを前記形状記憶ポリマーのガラス転移温度よりも低い温度に冷却する冷却工程と、
を含むことを特徴とする、樹脂チューブの印字方法。 - 前記印字工程の後であって、前記冷却工程の前に、
前記樹脂チューブの断面を、前記識別マークが印字された面が短側面になるように、扁平状に再変形する第2の変形工程をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の樹脂チューブの印字方法。
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