JP2019105325A - 複合管 - Google Patents

複合管 Download PDF

Info

Publication number
JP2019105325A
JP2019105325A JP2017238895A JP2017238895A JP2019105325A JP 2019105325 A JP2019105325 A JP 2019105325A JP 2017238895 A JP2017238895 A JP 2017238895A JP 2017238895 A JP2017238895 A JP 2017238895A JP 2019105325 A JP2019105325 A JP 2019105325A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermediate layer
layer
tube
axial direction
composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017238895A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7006217B2 (ja
Inventor
浩平 三觜
Kohei Mitsuhashi
浩平 三觜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2017238895A priority Critical patent/JP7006217B2/ja
Publication of JP2019105325A publication Critical patent/JP2019105325A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7006217B2 publication Critical patent/JP7006217B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】被覆層のバリの発生を効果的に抑制又は防止することができる複合管を提供する。【解決手段】複合管10は、管体12と、中間層14と、被覆層20とを備えている。被覆層20は、管状とされて管体12の外周を覆い、径方向外側へ凸となる環状の山部22と、径方向外側が凹となる環状の谷部24とが、管体12の軸方向Sに交互に形成されて蛇腹状とされ、管体12の外周にガイドされて軸方向Sに短縮可能とされている。中間層14は、管体12と被覆層20との間に配置され、帯状とされ、管体の軸方向Sに沿って管体12の外周囲にスパイラル状に巻き付けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、複層構造の複合管に関する。
下記特許文献1には、コルゲート管及びその製造方法が開示されている。コルゲート管は、内側層と、内側層の外周面を覆う中間層と、中間層の外周面を覆う外側層とを有する3層構造の管壁を備えている。管壁は、凸部と凹部とを交互に配列する波形状に形成されている。
コルゲート管の製造には波形状を成形する波付け工程が設けられ、この工程では一対の波付け用の金型が使用されている。波付け工程では、3層構造の管壁を持つ管状押出品が一対の波付け用の金型へ供給され、一対の波付け用の金型を型締めして管状押出品が成形されることによって、コルゲート管が作成されている。
特許第4204638号公報
ところで、管壁の中間層として、シート状樹脂部材を用いてコルゲート管を作成する試みがなされた。シート状樹脂部材は、コルゲート管の軸方向と一致する方向を長手方向とし、内側層の外側表面の周方向全域の長さを幅寸法として設定された。コルゲート管の製造では、内側層の外周面にシート状樹脂部材を巻き付けて中間層とし、この中間層の外周面に外側層としての樹脂材を供給し、この後に一対の波付け用の金型を用いて波付け工程が行われた。シート状樹脂部材は、幅方向の両端部位を突き合わせて内側層の外側表面に巻き付けられた。
このようなシート状樹脂部材を中間層とするコルゲート管では、波付け工程に際して、コルゲート管の周方向において、巻き付けられたシート状樹脂部材の幅方向の両端部位がシート状樹脂部材の反発力により広がり、管壁の外側層に弛みが生じた。この外側層の弛みの部位は一対の波付け用の金型が型締めされるとパーティング面に挟み込まれて、成形後の外側層の表面に弛みに起因し径方向外側へ突出するバリとなる。このため、改善の余地があった。
本発明は、上記事実を考慮し、被覆層のバリの発生を効果的に抑制又は防止することができる複合管を提供する。
本発明の第1態様に係る複合管は、管体と、管状とされて管体の外周を覆い、径方向外側へ凸となる環状の山部と、径方向外側が凹となる環状の谷部とが、管体の軸方向に沿って交互に配列されて蛇腹状とされ、管体の外周にガイドされて軸方向に沿って短縮可能な被覆層と、管体と被覆層との間に配置され、管体の軸方向に沿って管体の外周囲にスパイラル状に巻き付けられている帯状の中間層と、を備えている。
第1態様に係る複合管は、管体と、被覆層と、中間層とを備える。被覆層は、管状とされて管体の外周を覆う構成とされる。被覆層は、径方向外側へ凸となる環状の山部と、径方向外側が凹となる環状の谷部とが管体の軸方向に沿って交互に形成された蛇腹状とされる。このため、被覆層は、管体の軸方向に沿って変形し易い構成とされるので、管体の外周にガイドされて軸方向へ沿って短縮可能とされ、スムーズに管体の端部を露出させることができる。
ここで、中間層は、管体と被覆層との間に配置され、帯状とされ、そして管体の軸方向に沿って管体の外周囲にスパイラル状に巻き付けられる。このため、中間層は管体の外周部にしっかりと巻き付けられて、被覆層を周方向へ押し広げる反発力が発生する中間層の部位を小さくすることができる。
反発力が小さくされると、被覆層の表面に樹脂材の弛みに起因するバリの発生を効果的に抑制又は防止することができる。
本発明の第2態様に係る複合管では、第1態様に係る複合管において、中間層は、軸方向に沿って一定の間隔を開けて巻き付けられている。
第2態様に係る複合管によれば、中間層が軸方向に沿って一定の間隔を開けて巻き付けられるので、中間層の使用量を少なくすることができる。
また、複合管の製造では、中間層が軸方向に沿って一定の間隔を開けて巻き付けられるので、中間層の巻き付け時間を短縮し、複合管の作成期間を短くすることができる。
本発明の第3態様に係る複合管では、第1態様に係る複合管において、中間層は、軸方向に沿って互いに突き合わせて巻き付けられている。
第3態様に係る複合管によれば、中間層が軸方向に沿って互いに突き合わせて巻き付けられるので、軸方向のどの位置において切断しても、管体と被覆層との間に必ず中間層を配設されることができる。このため、例えば配管作業における複合管の切断に際して、複合管の切断箇所における被覆層の潰れを効果的に抑制又は防止することができる。
また、管体と複合管との間に必ず中間層が配設されるので、複合管に曲げ加工を施した際にも、複合管における管体のセンタリング効果を確保することができる。
本発明の第4態様に係る複合管では、第1態様に係る複合管において、中間層は、軸方向に沿って互いに一部を重ね合わせて巻き付けられている。
第4態様に係る複合管によれば、中間層が軸方向に沿って互いに一部を重ね合わせて巻き付けられるので、第3態様に係る複合管により得られる作用と同様の作用を得ることができる。さらに、第4態様に係る複合管によれば、中間層の一部を重ね合わせた部位では、中間層の厚さが厚くなるので、保温性能を向上させることができる。
本発明によれば、被覆層のバリの発生を効果的に抑制又は防止することができる複合管を提供することができる。
本発明の第1実施の形態に係る複合管端部を示す斜視図である。 図1に示される複合管端部の一部断面を有する側面図である。 図2に示される複合管端部の要部を拡大して示す拡大断面図である。 図1に示される複合管を製造する製造装置の概略構成図である。 複合管端部を露出させた状態を示す図1に対応する斜視図である。 複合管端部を露出させた状態を示す図2に対応する側面図である。 複合管端部の短縮変形の作業状態を示す第1作業工程における図3に対応する拡大断面図である。 第2作業工程における図3に対応する拡大断面図である。 (A)は複合管の製造過程において金型を用いた成形作業の際に被覆層にバリが発生するメカニズムを説明する、第1成形工程における管体の軸方向から見た複合管の正面図、(B)は第2成形工程における図9(A)に対応する複合管の正面図である。 第1実施の形態の第1変形例に係る複合管を構成する管体及び中間層の側面図である。 第1実施の形態の第2変形例に係る複合管を構成する管体及び中間層の側面図である。 は本発明の第2実施の形態に係る複合管の図2に対応する、一部断面を有する側面図である。
以下、本発明に係る複合管の一例である複数の実施の形態について、適宜、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は同一の構成要素又は実質的に同一の構成要素であることを意味し、実施の形態において重複する説明は省略する。
なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲において、適宜、変更可能である。
ここで、実施の形態の説明において、記号「〜」を用いて表される数値範囲は、当該記号「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、「工程」とは、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別ができないが同様の機能を達成可能な「工程の一部」も含まれる意味において使用されている。
また、組成物中の各成分の量は、各成分に該当する物質が組成物中に複数存在する場合には、特に断りがない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
さらに、「主成分」とは、特に断りがない限り、混合物中における質量基準の含有量が最も多い成分を意味する。
(第1実施の形態)
図1〜図11を用いて、本発明の第1実施の形態に係る複合管について説明する。
[複合管10の全体構成]
図1及び図2に示されるように、本実施の形態に係る複合管10は、管体12と、管状とされて管体12の外周を覆う被覆層20と、管体12と被覆層20との間に配置される中間層14と、を備えている。
(1)管体12の構成
管体12は、円筒形の管状とされ、樹脂材料を用いて形成された樹脂管である。樹脂材料としての樹脂には、例えば、ポリブテン、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、及びポリプロピレン等のポリオレフィン、並びに塩化ビニル等が挙げられる。樹脂は1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。樹脂の中でも、ポリブテンが好適に用いられ、ポリブテンを主成分として含むことが好ましい。例えば、管体12を構成する樹脂材料中において、ポリブテンを85質量%以上含むことがより好ましい。
また、管体12を構成する樹脂材料には、他に添加剤が含有されてもよい。
管体12の外径は、特に限定されるものではないが、例えば10mm〜100mmの範囲に設定されている。最も好ましい管体12の外径は12mm〜35mmの範囲である。
また、管体12の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば1.0mm〜5.0mmに設定されている。最も好ましい管体12の厚さは1.4mm〜3.2mmの範囲である。
(2)被覆層20の構成
被覆層20は、管体12の外径よりも一回り大きい円筒形の管状とされ、管体12に中間層14を介在させて配設されている。被覆層20は、樹脂材料を用いて形成された樹脂管である。樹脂材料としての樹脂には、例えば、ポリブテン、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び架橋ポリエチレン等のポリオレフィン、並びに塩化ビニル等が挙げられる。樹脂は1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。樹脂の中でも、低密度ポリエチレンが好適に用いられ、低密度ポリエチレンを主成分として含むことが好ましい。例えば、被覆層20を構成する樹脂材料中において、低密度ポリエチレンを80質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことが更に好ましい。
また、被覆層20に使用される樹脂のMFR(Melt Flow Rate)は0.25以上に設定されることが好ましく、0.3以上に設定されることがより好ましい。さらに、MFRが0.35〜1.2の範囲に設定されることが一層好ましい。MFRが0.25以上に設定されると、中間層14に被覆層20の樹脂が入り込み易くなり、被覆層20(特に後述する谷部24)と中間層14との接着度を高めることができる。
また、MFRが1.2以下に設定されると、被覆層20の成形の際にバリが発生し難くなる。
なお、被覆層20を構成する樹脂材料には、他に添加剤が含有されてもよい。
図2に示されるように、被覆層20は、径方向Rの外側へ凸となる環状の山部22と、径方向Rの外側が凹となる環状の谷部24とを、管体12の軸方向Sに沿って交互に連続して形成されている。つまり、被覆層20は蛇腹状に構成されている。山部22は谷部24よりも径方向Rの外側に配置されている。
図3を用いて、被覆層20の断面構造を詳しく説明する。被覆層20の蛇腹状の径方向Rの最も外側の部分は外側壁(頂壁)22Aとされ、径方向Rの最も内側の部分は内側壁24Aとされる。径方向Rにおける外側壁22Aと内側壁24Aとの中間部Mを境界として、径方向Rの外側は山部22とされ、径方向Rの内側は谷部24とされる。
山部22は、軸方向S(図2参照)に沿って延設された外側壁22Aと、外側壁22Aの軸方向Sの両端からそれぞれ径方向Rの内側へ向かって延設された一対の側壁22Bとを備えている。外側壁22Aと側壁22Bとの間には、径方向Rの外側へ突出された円弧状の外屈曲部22Cが形成されている。
谷部24は、軸方向S(図2参照)に沿って延設された内側壁24Aと、内側壁24Aの両端からそれぞれ径方向Rの外側へ向かって延設された一対の側壁24Bとを備えている。内側壁24Aと側壁24Bとの間には、径方向Rの内側へ突出された円弧状の内屈曲部24Cが形成されている。
被覆層20の山部22の径方向Rの内側には、外側壁22Aと一対の側壁22Bとにより径方向Rの外側と軸方向Sの一方及び他方とを取り囲んで、凹状の山空間23が形成されている。この山空間23には、中間層14の径方向Rの外側の一部が係止される構成とされている。
また、本実施の形態では、山部22の軸方向Sの長さL1は、谷部24の軸方向Sの長さL2よりも長く設定されている。ここで、山部22の長さL1は、図3に示されるように、中間部Mの線上における一対の側壁22Bの外側表面間の距離である。一方、谷部24の長さL2は、中間部Mの線上における一対の側壁24Bの内側表面間の距離である。長さL1は長さL2の1.2倍以上に設定され、被覆層20の端部を軸方向Sに沿ってたくし寄せて短縮変形させる際に、谷部24の内側壁24Aに比し、山部22の外側壁22Aが変形し易い構成とされている。
なお、長さL2は、0.8mm以上に設定されることが好ましい。長さL2が0.8mm未満では、谷部24の幅が小さすぎて、被覆層20を製造するために、押出後、金型で凹凸をつける時に金型の谷部24に対応する部分が細く壊れ易くなり、成形が難しい。また、長さL1は、長さL2の5倍以下であることが好ましい。長さL1を長さL2の5倍以下にすることにより、複合管10の可撓性を保つことができる。また、長さL1が長すぎると、複合管10を敷設する際に、地面との接触面積が大きくなって施工し難くなる。
被覆層20の厚さの最も薄い部分は0.1mm以上に設定され、最も厚い部分は0.4mm以下に設定されている。このような厚さに設定されると、被覆層20の端部は軸方向Sに沿ってたくし寄せて短縮変形させ易い構成となる。
外側壁22Aの厚さH1は、内側壁24Aの厚さH2よりも薄く設定され、ここでは厚さH2の0.9倍以下に設定されている。このような厚さに設定されると、外側壁22Aが内側壁24Aに比し変形し易いので、被覆層20の端部は軸方向Sに沿ってたくし寄せて短縮変形させ易い構成となる。
山部22の径方向Rの外側表面と谷部24の同一方向の外側表面との半径差ΔRは、被覆層20の厚さの平均の800%以下に設定されている。半径差ΔRが大きすぎると、短縮変形の際に、山部22の軸方向Sに沿った部分(外側壁22A)が変形し難く、加えて谷部24が径方向Rの外側へ膨出したり、隣り合う山部22同士が近づかないで歪んだ変形状態となり易い。半径差ΔRが被覆層20の厚さの平均の800%以下に設定される場合では、山部22の軸方向Sの長さL1が谷部24の軸方向Sの長さL2よりも長く設定されることにより、上記変形状態となることを効果的に抑制することができる。この山部22の軸方向Sの長さL1の設定は、半径差ΔRが600%以下に設定される場合により有効とされる。
被覆層20の径(最外部の外径)は、特に限定されるものではないが、例えば13mm〜130mmの範囲に設定されている。
(3)中間層14の構成
図2及び図3、特に図3に示されるように、中間層14は、長手方向が長く、長手方向に比し短手方向(幅寸法)がかなり短い帯状(テープ状)とされ、軸方向Sに沿って管体12の外周囲にスパイラル状に巻き付けられている。また、表現を代えれば、中間層14は管体12にゲートル巻きとされている。本実施の形態では、中間層14は、軸方向Sに沿って、一定の間隔14Sを開けて管体12に巻き付けられている。
ここで、例えば、外径(直径)30mmまでの管体12が使用されるとき、中間層14の幅寸法は50mmに設定される。また、外径30mmを超える管体12が使用されるとき、中間層14の幅寸法は70mmに設定される。つまり、中間層14の幅寸法は、中間層14の巻き付け角度を45度に設定すると、管体12の外側表面の全円周長以下(L3<管体12の直径×円周率/√2)に設定されている。間隔14Sは、例えば中間層14の幅寸法の1/3〜2/3の範囲とされ、本実施の形態では1/2に設定されている。
中間層14は、図2〜図4に示されるように、自然状態において、全体的に均一な厚さを有する中間層本体14Aを備えている。ここで、自然状態とは、一定の環境下において、圧縮応力、引張応力等の外力が作用されていない状態を意味する。一定の環境下は、例えば温度23℃、相対湿度45%の環境下である。
図2及び図3に示されるように、自然状態における中間層本体14Aの厚さは、管体12と被覆層20の谷部24の内側壁24Aとの間隔の寸法よりも厚く設定されている。つまり、中間層本体14Aの径方向Rの外側の表面部位は被覆層20の谷部24の内側壁24Aに圧縮され、中間層本体14Aの一部は管体12の径方向Rの外側表面と谷部24の内側壁24Aとの間において径方向Rに圧縮挟持された圧縮挟持部14Cとされる。谷部24は管体12の軸方向Sに沿って一定のピッチにおいて配列されているので、圧縮挟持部14Cは谷部24のピッチに対応して軸方向Sに一定の間隔において形成されている。
また、軸方向Sに隣接する圧縮挟持部14C間において、中間層本体14Aの他の一部であって、中間層本体14Aの径方向Rの外側の表面部位は、被覆層20の山部22の山空間23内に入り込み、凸部14Bとされる。凸部14Bは、特に図3に示されるように、谷部24の一対の側壁24Bに軸方向Sにおいて圧縮挟持され、かつ、軸方向Sにおいて係止されている。
中間層14としての樹脂には、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びエチレンプロピレンジエンゴム、並びにこれらの樹脂の混合物が挙げられる。樹脂の中でも、ポリウレタンが好ましい。
中間層14はポリウレタンを主成分として含む層(すなわち、多孔質ウレタン層)であることが好ましい。例えば、中間層14の構成成分中において、ポリウレタンを80質量%以上含むことが好ましく、90質量%以上含むことがより好ましい。なお、中間層14としての多孔質樹脂層には、他の添加剤が含有されてもよい。
中間層14における孔の存在比率(例えば、発泡体の場合であれば発泡率)はJIS−K6400−1(2012年)の付属書1に記載の方法を用いて測定することができる。ここでは、25個/25mm以上の存在比率であることが好ましく、更に45個/25mm以下の存在比率であることがより好ましい。中間層14は発泡体であることが好ましい。
また、中間層14としての多孔質樹脂層の密度は12kg/m〜22kg/mの範囲に設定されている。
複合管10では、内部の管体12の端部に継手等を接続するときに、被覆層20の端部を軸方向Sに沿って短縮変形させてずらし、管体12の端部が露出される。このとき、短縮変形させた被覆層20に中間層14の軸方向Sのずれが追従せず、管体12の外表面に中間層14が置き去りになって、管体12の端部が十分に露出されない場合がある。
そこで、多孔質樹脂層の密度が22kg/m以下に設定されることにより、中間層14が適度な柔軟性を有し、被覆層20の端部を短縮変形させて管体12の端部を露出させる際に、中間層14が被覆層20の端部のたくし寄せに対して良好に追従し、管体12の外表面への中間層14の置き去りを抑制することができる。その結果、管体12の端部を容易に露出させることができる。
一方、多孔質樹脂層の密度が12kg/m以上に設定されることにより、中間層14は適度な強度を有し、複合管10の製造等の加工時における中間層14の破れや破損の発生を効果的に抑制することができる。
ここで、多孔質樹脂層の密度はJIS−K7222(2005年)に規定の方法により測定することができる。なお、測定環境は温度23℃、相対湿度45%である。
多孔質樹脂層の密度を上記範囲に制御する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば孔の存在比率(例えば、発泡体である場合であれば発泡率)を調整する方法、樹脂の分子構造を調整する方法等が挙げられる。樹脂の分子構造を調整する方法として、樹脂の原料となるモノマーの分子構造や、それらの架橋構造を調整する方法を実用的に使用することができる。
なお、中間層14の中間層本体14Aの自然状態における厚さ、すなわち中間層本体14Aの凸部14Bの最も高い位置から中間層本体14Aの管体12側の裏面までの寸法は、1mm〜20mmの範囲に設定されている。この厚さの範囲に設定される中間層14によれば、被覆層20の内側壁24Aと管体12との間に圧縮挟持部14Cを確実に形成することができる。
また、中間層本体14Aの厚さは2mm〜15mmの範囲に設定されることが好ましく、更に2.5mm〜10mmの範囲に設定されることが好ましい。
ここで、中間層本体14Aの自然状態における厚さは、管体12に巻き付ける前、かつ、被覆層20を成形する前の状態における中間層本体14Aの任意の3箇所を測定して得られた値の平均値とされる。また、中間層本体14Aの自然状態における厚さは、製造された複合管10から中間層14を取り出して、圧縮状態から復元させた一定時間経過後に、中間層本体14Aの任意の3箇所を測定して得られた値の平均値とされる。
[複合管10の製造方法]
本実施の形態に係る複合管10の製造方法は、以下の通りである。まず最初に、帯状の中間層本体14Aが準備される(図4参照)。そして、複合管10の製造方法は、軸方向Sに沿って管体12の径方向Rの外側表面に中間層14をスパイラル状に巻き付ける工程と、中間層14の径方向Rの外側表面に被覆層20を成形する工程と、を備えている。
複合管10の製造には、例えば、図4に示される製造装置30が使用されている。製造装置30は、押出機32、ダイ34、波付け金型36、冷却槽38、及び引取装置39を含んで構成されている。図4に示される製造装置30の右側が製造上の上流側とされ、製造装置30の左側が製造上の下流側とされている。複合管10は、製造装置30の右側から左側へ向かって管体12を移動させ、移動の過程において管体12に中間層14を巻き付け、そして中間層14に被覆層20を成形することにより製造されている。
製造装置30において上流側から下流側へ向かって管体12の移動方向が製造方向Yとされると、ダイ34、波付け金型36、冷却槽38、引取装置39のそれぞれは製造方向Yに順次配置されている。押出機32はダイ34の上流に配置されている。
ダイ34の更に上流には、図示省略の、管体12及び中間層14とされるロール状に巻き取られた中間層本体14Aが配置されている。引取装置39を用いて、製造装置30の下流側に位置する複合管10が製造方向Yへ引っ張られると、管体12、中間層本体14A(中間層14)のそれぞれは製造装置30の上流側から連続的に供給される。供給された管体12の径方向Rの外側表面には、ダイ34の手前において中間層本体14Aが一定の間隔14S(図3参照)を開けて全周にわたって巻き付けられ、中間層14が形成される。ここでは、製造方向Yへ供給される管体12の外周囲を回転する供給部から中間層本体14Aを供給する、図示省略の供給装置を用いて、中間層本体14Aが管体12に巻き付けられる。
中間層14の径方向Rの外側表面には、ダイ34から溶融された樹脂材20A(被覆層20を形成する樹脂組成物の溶融物)が円筒状に押し出されて塗布される。ここで使用される樹脂材20Aは、MFRが0.25以上の低密度ポリエチレン(LDPE)を使用しているので、中間層14の孔(気泡)に入り込み易くなる。これにより、中間層14と樹脂材20Aとの接着性を向上させることができる。
径方向Rの内側から外側へ向かって、管体12、中間層14、樹脂材20Aのそれぞれを積層した管状押出体21が形成されると、ダイ34の下流側に配置された波付け金型36を用いて、樹脂材20Aへの波付け工程(蛇腹形状を形成する工程)が実施される。波付け金型36は例えば左右一対の金型により構成され、いずれの金型にも半円弧状の内面が設けられている。金型の内面には、被覆層20の山部22に対応する部分に山部22を成形する凹状の成形部36Aと、谷部24に対応する部分に谷部24を成形する凸状の成形部36Bとが、製造方向Yに沿って交互に設けられている。つまり、波付け金型36の内面は被覆層20とは逆の蛇腹形状に形成されている。波付け金型36には、成形部36Aに一端が連通し、図示省略の吸引装置に他端が接続された吸引孔36Cが配設されている。吸引装置は、成形部36Aにより形成されるキャビティ内部を吸引孔36Cを通して吸引する構成とされている。
ダイ34の下流側において、波付け金型36は、樹脂材20Aに対して左右二方向から接近させて一対の金型の内面を樹脂材20Aに接触させる。そして、波付け金型36は、成形部36Bにより樹脂材20Aを圧縮しつつ、管状押出体21の外周を覆って樹脂材20Aを成形し、管体12及び中間層14と共に管状押出体21を製造方向Yへ移動させる。このとき、波付け金型36の成形部36Aにより形成されたキャビティ内部は、図示省略の吸引装置により吸引孔36Cを通して吸引されて負圧とされる。これにより、樹脂材20Aは径方向Rの外側へ向かって変形して成形部36Aにより成形され、樹脂材20Aから山部22と谷部24とが軸方向Sに沿って交互に配列された蛇腹状の被覆層20が成形される。
ここで、中間層14の凸部14Bは、成形部36Aにおいて樹脂材20Aが径方向Rの外側へ変形する際に山空間23(図4に示される部分拡大図を参照)へ深く入り込み、山空間23内に係止される。中間層14の圧縮挟持部14Cは、被覆層20の谷部24の内側壁24Aに接着され、かつ、内側壁24Aと管体12との間において圧縮挟持される。
波付け金型36を用いて被覆層20が蛇腹状に成形されると、被覆層20は冷却槽38を用いて冷却され、蛇腹形状の被覆層20が完成し、複合管10が製造される。この複合管10は引取装置39を用いて製造方向Yへ連続的に搬送され、製造装置30では複合管10が連続的に製造される。
[本実施の形態の作用及び効果]
本実施の形態に係る複合管10は、図1〜図3に示されるように、管体12と、被覆層20と、中間層14とを備える。被覆層20は、管状とされて管体12の外周を覆う構成とされる。被覆層20は、径方向外側へ凸となる環状の山部22と、径方向外側が凹となる環状の谷部24とが管体12の軸方向Sに沿って交互に形成された蛇腹状とされる。
このため、被覆層20は、管体12の軸方向Sに沿って変形し易い構成とされるので、管体12の外周にガイドされて軸方向Sへ沿って短縮可能とされ、図5及び図6に示されるように、スムーズに管体12の端部を露出させることができる。図7、図8のそれぞれには、軸方向Sに沿って逐次短縮変形される被覆層20及び中間層14の断面形状が示される。
ここで、中間層14は、図2〜図4に示されるように、管体12と被覆層20との間に配置され、帯状とされ、そして管体12の軸方向Sに沿って管体12の外周囲にスパイラル状に巻き付けられる。このため、中間層14は管体12の外周部にしっかりと巻き付けられて、被覆層20を周方向へ押し広げる反発力f(図9(A)参照)が発生する中間層14の部位を小さくすることができる。
図9(A)、図9(B)のそれぞれには、複合管10の被覆層20にバリが発生するメカニズムが時系列に示されている。
まず、図4に示される製造装置30を用いて、管体12に中間層14として、帯状ではなく、シート状部材142が巻き付けられる。シート状部材142は、図示省略の管体12の軸方向S(図4参照)と一致する方向を長手方向とし、シート状部材142の短手方向における長さ(幅寸法)は管体12の外周面の周方向における寸法と一致されている。このシート状部材142を覆って樹脂材200が樹脂成形され、管体12に中間層14を介在させて樹脂材200からなる被覆層20が樹脂成形されている。樹脂成形は波付け金型36を用いて実施される。
図9(A)に示されるように、波付け金型36は左右一対の金型360及び金型362を有し、波付け金型36には成形用キャビティ364が配設されている。シート状部材142は図示省略の管体12に巻き付けられたことにより張力を生じ、シート状部材142の周方向の一端部144及び他端部146の両端部には、径方向Rの外側へ作用し、左右へ広がる反発力fが発生する。冷却槽38に至る前であって、押出機32から供給された直後の樹脂材200は反発力fによって周方向へ引き伸ばされる。特に、シート状部材142の両端部部分であって、金型360と金型362とのパーティング面とが概ね一致する領域では、樹脂材200に弛み202が生じ易い。
図9(B)に示されるように、この樹脂材200の弛み202がパーティング面に挟み込まれて金型360と金型362とが型締めされる(力Fが作用する)と、弛み202はバリ204として形成される。冷却槽38を通して硬化されると、バリ204は被覆層20の径方向Rの外側へ突出する形状となる。
本実施の形態に係る複合管10では、特に図4に示されるように、管体12の外周囲にスパイラル状に中間層14が巻き付けられるので、複合管10の一端部位及び他端部位の中間層14の一部分に反発力fが発生する。すなわち、中間層14に発生する反発力fを小さくすることができる。このため、図9(B)に示される樹脂材200の表面に樹脂材200の弛み202に起因するバリ204の発生を効果的に抑制又は防止することができる。
加えて、バリ204の発生を抑制又は防止することができるので、例えばポリウレタンを中間層14として使用する場合、反発力が30N以上の材料を選択することができる。また、中間層14の圧縮率を230以上の寸法(厚さ)に設定することができる。
また、上記複合管10では、図3に示されるように、中間層14が軸方向Sに沿って一定の間隔14Sを開けて巻き付けられるので、中間層14の使用量を少なくすることができる。このため、複合管10の作成費用を安価にすることができる。
複合管10の製造としては、中間層14が軸方向Sに沿って一定の間隔14Sを開けて巻き付けられるので、中間層14の巻き付け時間を短縮し、複合管10の作成期間を短くすることができる。
加えて、本実施の形態に係る複合管10によれば、以下の作用及び効果を得ることができる。
上記複合管10は、例えば図示省略の管継手と接続する際に、図1及び図2に示される端部が露出されていない被覆層20に対して、被覆層20を軸方向Sに短縮変形させて、図5及び図6に示されるように、管体12の端部を露出させる方向の力を作用させる。図3に示されるように、被覆層20において、山部22の外側壁22Aと谷部24の内側壁24Aとを比較すると、外側壁22Aの軸方向Sの長さL1は内側壁24Aの長さL2よりも長く、外側壁22Aの厚さH1は内側壁24Aの厚さH2よりも薄く設定される。特に、外側壁22Aの長さL1は内側壁24Aの長さL2の1.2倍以上に設定される。さらに、被覆層20の厚さは0.1mm〜0.4mmに設定される。従って、外側壁22Aは、内側壁24Aよりも変形し易く、図7に示されるように、径方向Rの外側へ膨出されて変形する。
力が継続的に作用すると、図8に示されるように、被覆層20において、隣り合う山部22同士が近づき、山部22の外屈曲部22Cがこの部位を起点として内側へ変形し、かつ、谷部24の内屈曲部24Cがこの部位を起点として内側へ変形する。このため、図5及び図6に示されるように、複合管10の端部では、被覆層20の一部が管体12を露出させる方向へ移動する。
このとき、中間層14では、図3に示されるように、中間層本体14Aの圧縮挟持部14Cが被覆層20の谷部24に密着され、中間層本体14Aの凸部14Bが被覆層20の隣り合う谷部24の側壁24Bの間に係合される。このため、図7及び図8に示されるように、中間層14は被覆層20の短縮変形と共に短縮変形されるので、図5及び図6に示されるように、管体12の端部を確実に露出させることができる。
また、上記複合管10では、図7及び図8に示されるように、被覆層20を短縮変形させる際に、被覆層20の山部22において外側壁22Aが膨出して変形する。このため、被覆層20の外屈曲部22Cや内屈曲部24Cの屈曲角度や外側壁22A等の厚さに多少のバラツキがあっても、谷部24が径方向Rの外側へ膨出したり、隣り合う山部22同士が近づかないで歪んだ変形状態となることを抑制することができる。これにより、短縮変形させた被覆層20の端部の外観の低下を効果的に抑制することができる。
なお、本実施の形態では、図3に示される被覆層20において、外側壁22Aの厚さH1は内側壁24Aの厚さH2よりも薄く設定されているが、外側壁22Aの厚さH1は内側壁24Aの厚さH2と同程度に設定してもよい。
また、本実施の形態では、図3に示される被覆層20において、外側壁22Aの断面形状は軸方向Sに沿った略直線状に形成されているが、径方向Rの外側へ凸となる弧状に外側壁22Aの断面形状が形成されてもよい。このように構成される被覆層20では、外側壁22Aが径方向Rの外側へ膨出して変形し易い構成とされる。なお、被覆層20の谷部24において、内側壁24Aは径方向Rの内側へ凸となる弧状の断面形状に形成してもよい。
また、本実施の形態では、図3に示される複合管10において、中間層14の圧縮挟持部14Cが被覆層20の谷部24に密着され、中間層14の凸部14Bが隣り合う谷部24の側壁24Bの間に係合される。このため、被覆層20の軸方向Sの動きに追従して、中間層14が同一方向に動き易くなるので、複合管10の端部を露出させる作業において、被覆層20及び中間層14を軸方向Sに沿ってたくし寄せて複合管10の端部を簡単に露出させることができる。つまり、被覆層20の移動に対して、管体12の外周に中間層14が置き去りになることを効果的に抑制することができる。
さらに、上記複合管10では、中間層14が帯状の発泡材により形成されるので、管体12に対する滑り性が向上され、管継手へ接続する際に、図5及び図6に示されるように、軸方向Sに沿って被覆層20を容易にずらしてたくし寄せることができる。
また、上記複合管10では、中間層14の厚さが、自然状態において径方向Rにおける管体12の外周と被覆層20の内周との差よりも厚い設定とされている。このため、図3に示されるように、中間層14には、被覆層20の谷部24によって圧縮され、挟持される圧縮挟持部14Cが形成され、この圧縮挟持部14Cでは、中間層14と被覆層20との密着性を向上させることができる。
加えて、図3に示されるように、中間層14の凸部14Bは、被覆層20の山部22の山空間23内に入り込み、隣合う谷部24の側壁24B間に係合される。このため、複合管10の端部において、被覆層20を軸方向Sに沿ってたくし寄せて短縮変形させた場合、被覆層20の動きに中間層14が追従し易くなるので、被覆層20及び中間層14をしっかりと短縮変形させて管体12の端部を露出させることができる。
また、上記複合管10では、図1〜図3に示される被覆層20のMFRが0.35以上とされ、加えて中間層14が発泡材により形成されているので、中間層14の気泡に被覆層20の樹脂が入り込み易くなる。このため、被覆層20と中間層14との接着力を向上させることができる。
[第1変形例]
図10を用いて、本発明の第1実施の形態の第1変形例に係る複合管10について説明する。第1変形例に係る複合管10では、管体12への中間層14の巻き付け方が、第1実施の形態に係る複合管10における管体12への中間層14の巻き付け方と異なっている。それ以外の第1変形例に係る複合管10の構成は、第1実施の形態に係る複合管10の構成と同様である。
図10に示されるように、第1変形例に係る複合管10の中間層14は、管体12の軸方向Sに沿って管体12の外周面にスパイラル状に巻き付けられ、かつ、軸方向Sに隣接する中間層本体14A同士を互いに突き合わせて巻き付けられている。つまり、中間層本体14A同士の間には、第1実施の形態に係る複合管10における一定の間隔14Sが実質的に無くなる。中間層14の管体12への最適な巻き付け角度は45度とされる。
このように構成される第1変形例に係る複合管10では、中間層14が軸方向Sに沿って互いに突き合わせて巻き付けられるので、軸方向Sのどの位置において切断しても、管体12と被覆層20との間に必ず中間層14を配設されることができる。このため、例えば配管作業における複合管10の切断に際して、複合管10の切断箇所における被覆層20の潰れを効果的に抑制又は防止することができる。
また、管体12への中間層14の巻き数が増えるので、中間層14は管体12の外周部により一層しっかりと巻き付けられて、被覆層20を周方向へ押し広げる中間層14の反発力をより一層小さくすることができる。
[第2変形例]
図11を用いて、本発明の第1実施の形態の第2変形例に係る複合管10について説明する。第2変形例に係る複合管10では、第1変形例に係る複合管10と同様に、管体12への中間層14の巻き付け方が、第1実施の形態に係る複合管10における管体12への中間層14の巻き付け方と異なっている。それ以外の第2変形例に係る複合管10の構成は、第1実施の形態に係る複合管10の構成と同様である。
図11に示されるように、第2変形例に係る複合管10の中間層14は、管体12の軸方向Sに沿って管体12の外周面にスパイラル状に巻き付けられ、かつ、軸方向Sに沿って隣接する中間層本体14Aの一部を互いに重ね合わせて巻き付けられている。重ね合わせ量は、中間層14の幅寸法の1/3〜2/3の範囲に設定され、本変形例では、1/2に設定されている。
このように構成される第2変形例に係る複合管10では、中間層14が軸方向Sに沿って互いに一部を重ね合わせて巻き付けられるので、第2変形例に係る複合管10により得られる作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
(第2実施の形態)
図12を用いて、本発明の第2実施の形態に係る複合管10について説明する。
[複合管10の構成]
本実施の形態に係る複合管10では、第1実施の形態に係る複合管10の中間層14を複合中間層140に代えた構成の点が異なっている。この相違する構成の点以外は、本実施の形態に係る複合管10と第1実施の形態に係る複合管10とは同一の構成を備えている。
(1)複合中間層140の構成
図12に示されるように、複合管10の複合中間層140は、第1実施の形態に係る複合管10の中間層14と、中間層14と管体12との間に配設されたシート状の低摩擦樹脂層14Fとを含んで構成されている。低摩擦樹脂層14Fの内周面のすべり抵抗値、具体的には管体12の外周面とのすべり抵抗値は、中間層14の管体12とのすべり抵抗値よりも小さい値に設定されている。
(2)低摩擦樹脂層14Fの構成
低摩擦樹脂層14Fの自然状態における厚さは、中間層14の自然状態の厚さよりも薄く設定されている。ここで、中間層14の厚さとは、前述の第1実施の形態に係る複合管10の中間層14では、最も薄い厚さとなる圧縮挟持部14C部位の厚さを意味する。表現を代えれば、中間層14の厚さは、低摩擦樹脂層14Fの厚さよりも厚く設定されている。中間層14は複合管10における熱保護の役割を有し、中間層14の厚さが厚いほど熱保護性を向上させることができる。
一方、低摩擦樹脂層14Fの厚さが薄く設定されているので、被覆層20を軸方向Sに沿って短縮変形させる際に、低摩擦樹脂層14Fの追従性を向上させることができる。このため、複合中間層140では、中間層14の厚さが相対的に厚くされ、低摩擦樹脂層14Fの厚さが相対的に薄くされ、熱保護性と追従性との双方の向上が図られている。
また、熱保護性及び被覆層20への追従性の観点から、中間層14の自然状態における厚さは低摩擦樹脂層14Fの厚さの10倍〜200倍の範囲に設定されている。さらに、中間層14の厚さは、低摩擦樹脂層14Fの厚さの20倍〜150倍の範囲に設定することがより好ましく、25倍〜100倍の範囲に設定されることが一層好ましい。
詳しく説明すると、低摩擦樹脂層14Fの厚さは、被覆層20への追従性の観点から、0.05mm〜7mmの範囲に設定されている。また、低摩擦樹脂層14Fの厚さは0.08mm〜5mmの範囲に設定されることが好ましく、更に低摩擦樹脂層14Fの厚さは0.1mm〜3mmの範囲に設定されることがより一層好ましい。ここで、低摩擦樹脂層14Fの厚さは、複合管10から低摩擦樹脂層14Fを取り出して、任意の3箇所を測定して得られた値の平均値とされる。
また、径方向Rにおいて、低摩擦樹脂層14Fの外周と被覆層20の谷部24の内側壁24Aとの差、すなわち中間層14の圧縮挟持部14Cにおける厚さは、例えば0.3mm〜5mmの範囲に設定されている。さらに、この厚さは0.5mm〜3mmの範囲に設定されることが好ましく、厚さは1mm〜2mmの範囲に設定されることがより一層好ましい。
本実施の形態では、低摩擦樹脂層14Fは管体12の外周面の全面に形成されている。そして、この低摩擦樹脂層14Fの径方向Rの外側表面上に中間層14がスパイラル状に巻き付けられている。中間層14の中間層本体14Aは、軸方向Sに沿って一定の間隔14Sを開けて巻き付けられている。
なお、本実施の形態に係る中間層14は、第1変形例に係る複合管10の中間層14と同様に、軸方向Sに沿って互いに突き合わせて巻き付けられてもよい。また、中間層14は、第2変形例に係る複合管10の中間層14と同様に、軸方向Sに沿って互いに一部を重ね合わせて巻き付けられてもよい。
さらに、本実施の形態に係る複合中間層140は、中間層14の管体12側の裏面にのみ低摩擦樹脂層14Fを形成してもよい。
低摩擦樹脂層14Fとしての樹脂には、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン(詳しく説明すると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンのいずれか)等が挙げられる。低摩擦樹脂層14Fは、上記樹脂を主成分として含んでいれば、他に添加剤を含有していてもよい。
低摩擦樹脂層14Fの形態としては、例えば、不織布、編物、織物、フィルム等が挙げられる。不織布には、例えばメルトブロー、スパンボンド等が含まれている。編物には、例えばラッセル、トリコット、ミラニーズ等が含まれている。そして、織物には、例えば平織、綾織、模紗織、絽織、絡み織等が含まれている。
特に、低摩擦樹脂層14Fとして、ポリエステルを主成分として含むポリエステル不織布やポリエステルトリコット、ナイロンを主成分として含むナイロン不織布やナイロントリコット、ポリエチレンを主成分として含むポリエチレンフィルムが好ましい。さらに、低摩擦樹脂層14Fには、ポリエステル不織布又はナイロントリコットがより好ましい。
また、低摩擦樹脂層14Fに不織布が採用される場合、不織布の目付量は例えば10g/m〜500g/mの範囲に設定されている。また、不織布の目付量は12g/m〜200g/mの範囲に設定されることが好ましく、更に不織布の目付量は15g/m〜25g/mの範囲に設定されることがより好ましい。
低摩擦樹脂層14Fの内周面におけるすべり抵抗値(単位は「N」)は、中間層14の内周面におけるすべり抵抗値よりも小さければ特に限定されないが、例えば、10N〜24Nの範囲に設定されている。好ましくは、すべり抵抗値は12N〜23Nの範囲に設定されている。
また、低摩擦樹脂層14Fの内周面におけるすべり抵抗値は、中間層14の内周面におけるすべり抵抗値の0.36倍〜0.90倍の範囲に設定され、好ましくは0.44倍〜0.85倍の範囲に設定されている。
低摩擦樹脂層14Fの内周面は、管体12の外周に全面的に接触しつつ、管体12の外周を覆っている。ここで、「全面的に接触する」とは、全ての部分がぴったりと密着されている必要はなく、実質的に全面が接触されていることを意味している。従って、「全面的に接触する」という概念には、管体12に巻き付けた複合中間層140の継ぎ目において低摩擦樹脂層14Fと中間層14又は管体12とが部分的に剥がれている場合が含まれる。また、管体12と被覆層20との間において複合中間層140が皺になって低摩擦樹脂層14Fと中間層14又は管体12とが部分的に剥がれている場合も、「全面的に接触する」という概念に含まれる。
複合中間層140において、中間層14と低摩擦樹脂層14Fとを接着する方法としては、接着剤を両層の間に塗布して接着する方法のほか、フレームラミネート法により接着する方法が挙げられる。特に、後者のフレームラミネート法が好ましい。つまり、複合中間層140はフレームラミネート接着体(以下、単に「フレラミ接着体」ともいう。)として構成されている。
詳しく説明すると、フレームラミネート法は、例えば、中間層(多孔質樹脂層)14中に含まれる可溶性物質を火炎により熱溶融させて染み出させ、この染み出させた溶融物を用いて低摩擦樹脂層14Fと接着する方法である。フレラミ接着体により形成された複合中間層140では、接着剤を塗布して形成する場合に比し、薄膜化することができる。このため、フレラミ接着体を複合中間層140として含む複合管10では、管体12の端部を露出させる際に、被覆層20への追従性を向上させることができる。
なお、フレームラミネート法が使用される場合、中間層14と低摩擦樹脂層14Fとの積層体が帯状の複合中間層140として予め形成され、この複合中間層140が管体12に巻き付けられる。
ここで、上記「すべり抵抗値」は例えば以下のように測定された。低摩擦樹脂層14Fの内周面におけるすべり抵抗値を測定する場合、まず管体12の外周側に被覆層20を配し、管体12と被覆層20との間に複合中間層140が挿入された。複合中間層140の低摩擦樹脂層14Fは管体12に接して挿入された。この複合管10は軸方向Sに200mmの長さを持って作製された。そして、フォースゲージ(イマダ製普及型デジタルフォースゲージDS2)の先端部に複合管10の一方の端部を接続し、複合管10の他方の端部において被覆層20を軸方向Sに沿って50mmずらしたときの力(単位:N)が測定された。
10…複合管、12…管体、14…中間層、14A…中間層本体、14B…凸部、14C…圧縮挟持部、14F…低摩擦樹脂層、140…複合中間層、20…被覆層、22…山部、22A…外側壁、23…山空間、24…谷部、24A…内側壁、30…製造装置。

Claims (4)

  1. 管体と、
    管状とされて前記管体の外周を覆い、径方向外側へ凸となる環状の山部と、径方向外側が凹となる環状の谷部とが、前記管体の軸方向に沿って交互に配列されて蛇腹状とされ、前記管体の外周にガイドされて前記軸方向に沿って短縮可能な被覆層と、
    前記管体と前記被覆層との間に配置され、前記管体の軸方向に沿って前記管体の外周囲にスパイラル状に巻き付けられている帯状の中間層と、
    を備えた複合管。
  2. 前記中間層は、前記軸方向に沿って一定の間隔を開けて巻き付けられている請求項1に記載の複合管。
  3. 前記中間層は、前記軸方向に沿って互いに突き合わせて巻き付けられている請求項1に記載の複合管。
  4. 前記中間層は、前記軸方向に沿って互いに一部を重ね合わせて巻き付けられている請求項1に記載の複合管。
JP2017238895A 2017-12-13 2017-12-13 複合管 Active JP7006217B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017238895A JP7006217B2 (ja) 2017-12-13 2017-12-13 複合管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017238895A JP7006217B2 (ja) 2017-12-13 2017-12-13 複合管

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019105325A true JP2019105325A (ja) 2019-06-27
JP7006217B2 JP7006217B2 (ja) 2022-01-24

Family

ID=67061092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017238895A Active JP7006217B2 (ja) 2017-12-13 2017-12-13 複合管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7006217B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116601240A (zh) * 2020-12-24 2023-08-15 共同印刷株式会社 钨系红外线吸收性颜料分散液、染色液、纤维制品和纤维制品的处理方法

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS592386Y2 (ja) * 1980-12-05 1984-01-23 史朗 金尾 補強用糸状体を配設した合成樹脂管
JPH0391596U (ja) * 1989-12-28 1991-09-18
JP2002039446A (ja) * 2000-07-18 2002-02-06 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 保護管付き流体輸送管、及び、その製造方法
JP2002061794A (ja) * 2000-02-14 2002-02-28 Sekisui Chem Co Ltd 保温チューブ
JP2004044780A (ja) * 2002-05-24 2004-02-12 Furukawa Electric Co Ltd:The 波付けさや管、給水・給湯用配管材及び給水・給湯用配管材の施工方法
JP2008175270A (ja) * 2007-01-17 2008-07-31 Furukawa Electric Co Ltd:The 二重配管の内管振れ止め構造並びにその固定方法及び施工方法
EP2113375A1 (en) * 2008-04-30 2009-11-04 Uponor Innovation Ab Ventilation duct
JP2013231490A (ja) * 2012-05-01 2013-11-14 Bridgestone Corp 複合管、及び複合管の製造方法
JP2015034591A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 古河電気工業株式会社 樹脂配管の補強方法、樹脂配管の補強構造、およびこれに用いられる繊維補強テープ
JP2017009072A (ja) * 2015-06-24 2017-01-12 株式会社ブリヂストン 複合管
WO2017213007A1 (ja) * 2016-06-09 2017-12-14 株式会社ブリヂストン 複合管
JP2017219150A (ja) * 2016-06-09 2017-12-14 株式会社ブリヂストン 複合管
JP2017219149A (ja) * 2016-06-09 2017-12-14 株式会社ブリヂストン 複合管

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS592386Y2 (ja) * 1980-12-05 1984-01-23 史朗 金尾 補強用糸状体を配設した合成樹脂管
JPH0391596U (ja) * 1989-12-28 1991-09-18
JP2002061794A (ja) * 2000-02-14 2002-02-28 Sekisui Chem Co Ltd 保温チューブ
JP2002039446A (ja) * 2000-07-18 2002-02-06 Inaba Denki Sangyo Co Ltd 保護管付き流体輸送管、及び、その製造方法
JP2004044780A (ja) * 2002-05-24 2004-02-12 Furukawa Electric Co Ltd:The 波付けさや管、給水・給湯用配管材及び給水・給湯用配管材の施工方法
JP2008175270A (ja) * 2007-01-17 2008-07-31 Furukawa Electric Co Ltd:The 二重配管の内管振れ止め構造並びにその固定方法及び施工方法
EP2113375A1 (en) * 2008-04-30 2009-11-04 Uponor Innovation Ab Ventilation duct
JP2013231490A (ja) * 2012-05-01 2013-11-14 Bridgestone Corp 複合管、及び複合管の製造方法
JP2015034591A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 古河電気工業株式会社 樹脂配管の補強方法、樹脂配管の補強構造、およびこれに用いられる繊維補強テープ
JP2017009072A (ja) * 2015-06-24 2017-01-12 株式会社ブリヂストン 複合管
WO2017213007A1 (ja) * 2016-06-09 2017-12-14 株式会社ブリヂストン 複合管
JP2017219150A (ja) * 2016-06-09 2017-12-14 株式会社ブリヂストン 複合管
JP2017219149A (ja) * 2016-06-09 2017-12-14 株式会社ブリヂストン 複合管

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116601240A (zh) * 2020-12-24 2023-08-15 共同印刷株式会社 钨系红外线吸收性颜料分散液、染色液、纤维制品和纤维制品的处理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7006217B2 (ja) 2022-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7197356B2 (ja) 複合管
JP6871448B2 (ja) 波付複合管の製造方法
CN110114603B (zh) 复合管及复合管的制造方法
JP5847403B2 (ja) 複合管の製造方法
CN101571219A (zh) 隔热软管及其生产方法
JP2013231490A (ja) 複合管、及び複合管の製造方法
JP2017219150A (ja) 複合管
JP2019105327A (ja) 複合管
JP2019105325A (ja) 複合管
JP2019215060A (ja) 複合管
JP6985009B2 (ja) 複合管
JP6965140B2 (ja) 複合管
JP2019105326A (ja) 複合管
JP6945431B2 (ja) 複合管
JP2017219149A (ja) 複合管
JPH1190972A (ja) 断熱ホースの製造方法
JP7063821B2 (ja) 複合管
JP7148047B2 (ja) 複合管
JP2019105323A (ja) 複合管
JP2019215059A (ja) 複合管
JP6965139B2 (ja) 複合管
JP2019105324A (ja) コルゲート管、複合管、複合管組立体及び複合管の施工方法
CN110114604B (zh) 复合管
WO2019117219A1 (ja) 複合管及び複合管の製造方法
JP2020190257A (ja) 複合管

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7006217

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150