JP7054000B2 - 構造体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
好ましくは、前記記載の構造体であって、前記形状記憶ポリマーは、(Tg-20℃)での弾性率/(Tg+20℃)での弾性率の値が10以上である、構造体である。
好ましくは、前記記載の構造体であって、前記基材層及び前記被覆層は、線状樹脂が二次元走査されて構成された線状構造体が積層されて構成されている、構造体である。
好ましくは、前記記載の構造体であって、前記線状構造体は、平行に延びる複数の溝を備える、構造体である。
好ましくは、前記記載の構造体であって、積層方向に隣接する2つの線状構造体の一方の溝が、他方の溝と交差する、構造体である。
好ましくは、基材層形成工程と、被覆層形成工程を備える、構造体の製造方法であって、前記基材層形成工程では、形状記憶ポリマーを含む形状記憶材料からなる第1線状樹脂を二次元走査して形成する第1線状構造体を積層して基材層を形成し、前記被覆層形成工程では、軟性材料からなる第2線状樹脂を二次元走査して形成する第2線状構造体を積層して被覆層を形成し、前記被覆層は、前記基材層の少なくとも一部を被覆する、方法である。
好ましくは、前記記載の方法であって、前記被覆層形成工程は、前記基材層形成工程の後に行われ、前記基材層を下地として前記被覆層が形成される、方法である。
好ましくは、前記記載の方法であって、前記被覆層形成工程は、前記基材層形成工程の前に行われ、前記被覆層を下地として前記基材層が形成され、前記基材層の最下層を形成する際の第1線状樹脂の温度は、前記基材層の残りの層を形成する際の第1線状樹脂の平均温度よりも高い、方法である。
1-1.構造体1の構成
図1に示すように、本発明の第1実施形態の構造体1は、基材層2と、被覆層3を備える。構造体1としては、看護分野(褥瘡予防サポーター、尖足予防サポーター、子供用シーネなど)、スポーツ用途(シューズのインソールなど)などで用いられるものが挙げられる。本実施形態の構造体1は、軟性材料で形成された被覆層3を設けることによって使用感が高められるのが特徴であるので、被覆層3を生体(例:人体)に接触させて利用する用途に好適に用いられる。図1に示す構造体1は、シューズのインソールである。
基材層2は、形状記憶ポリマーを含む形状記憶材料で形成された層である。形状記憶材料は、形状記憶特性を有する材料であり、所定の回復温度以上に加熱することによって弾性によって原形状に復帰する特性を有する。形状記憶材料は、形状記憶ポリマーのみを含むことが好ましいが、形状記憶特性が損なわれない限り、別の成分を含んでいてもよい。形状記憶ポリマー以外の成分としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンなどの樹脂や、フィラーなどが挙げられる。形状記憶材料中の形状記憶ポリマーの割合は、例えば50~100質量%であり、具体的には例えば、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。形状記憶材料の回復温度は、通常、形状記憶ポリマーのガラス転移温度と一致する。
被覆層3は、基材層2の少なくとも一部を被覆する。被覆層3は、軟性材料で形成される。軟性材料とは、常温において容易に弾性変形可能な材料であり、一例では、Tgが常温未満であるエラストマーが挙げられる。エラストマーとしては、スチレン系エラストマーが挙げられる。軟性材料のTgは、20℃以下が好ましく、10℃以下がさらに好ましく、0℃以下がさらに好ましい。軟性材料は、常温(25℃)において形状記憶材料よりも軟性であることが好ましく、常温において形状記憶材料よりも弾性率が低いことが好ましい。基材層2は、通常、常温での剛性が大きいので、基材層2が利用者に押圧されると利用者に痛みを生じさせたりする虞があったりする。そこで、本実施形態では、利用者に接触する部位において基材層2を、軟性材料で形成された被覆層3で被覆することによって構造体1の使用感を向上させる。
構造体1の製造方法は、特に限定されず、射出成形や3Dプリンタ造形などの方法によって形成可能である。射出成形の場合、形状記憶材料と軟性材料と用いた二色成形によって基材層2と被覆層3を一体成形することができる。また、基材層2と被覆層3の一方を射出成形で形成し、その上に他方を3Dプリンタ造形で形成してもよい。さらに、基材層2と被覆層3の両方を3Dプリンタ造形によって形成してもよい。3Dプリンタ造形では、構造体1が利用者ごとに設定された形状になるように形成可能であるので、基材層2と被覆層3の少なくとも一方は、3Dプリンタ造形によって形成することが好ましい。
図2を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は第1実施形態に類似しており、表皮材6を備える点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
造形温度215℃で基材層2を形成し、基材層2を下地として、造形温度238℃で被覆層3を形成した。基材層2と被覆層3の結合性は良好であった。
表皮材6を下地として、造形温度238℃で被覆層3を形成し、被覆層3を下地として、造形温度215℃で基材層2を形成した。表皮材6と被覆層3の結合性は良好であった。被覆層3と基材層2の界面の結合力が乏しかった。
表皮材6を下地として、造形温度238℃で被覆層3を形成し、被覆層3を下地として基材層2を形成した。基材層2の最下層を形成する際の造形温度を238℃とし、残りの層を形成する際の造形温度を215℃とした。表皮材6と被覆層3の結合性、及び被覆層3と基材層2の結合性はどちらも良好であった。
2 :基材層
3 :被覆層
4 :線状構造体
4a:溝
4b:線状樹脂
5 :線状構造体
5a:溝
5b:線状樹脂
6 :表皮材
7 :造形物
Claims (7)
- 基材層と、前記基材層の少なくとも一部を被覆する被覆層を備える構造体であって、
前記基材層は、形状記憶ポリマーを含む形状記憶材料で形成され、
前記被覆層は、エラストマーで形成され、
前記基材層及び前記被覆層は、線状樹脂が二次元走査されて構成された線状構造体が積層されて構成されている、構造体。 - 請求項1に記載の構造体であって、
前記形状記憶ポリマーは、ガラス転移温度Tgが35~100℃である、構造体。 - 請求項1又は請求項2に記載の構造体であって、
前記形状記憶ポリマーは、(Tg-20℃)での弾性率/(Tg+20℃)での弾性率の値が10以上である、構造体。 - 請求項1~請求項3の何れか1つに記載の構造体であって、
前記線状構造体は、平行に延びる複数の溝を備える、構造体。 - 請求項4に記載の構造体であって、
積層方向に隣接する2つの前記線状構造体の一方の溝が、他方の溝と交差する、構造体。 - 基材層形成工程と、被覆層形成工程を備える、構造体の製造方法であって、
前記基材層形成工程では、形状記憶ポリマーを含む形状記憶材料からなる第1線状樹脂を二次元走査して形成する第1線状構造体を積層して基材層を形成し、
前記被覆層形成工程では、エラストマーからなる第2線状樹脂を二次元走査して形成する第2線状構造体を積層して被覆層を形成し、
前記被覆層は、前記基材層の少なくとも一部を被覆する、方法。 - 請求項6に記載の方法であって、
前記被覆層形成工程は、前記基材層形成工程の後に行われ、前記基材層を下地として前記被覆層が形成される、方法。
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