JP2020128016A - 積層構造体及び積層構造体の製造方法 - Google Patents

積層構造体及び積層構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂製の3次元積層構造体において、より柔軟な積層構造体及び積層構造体の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明によれば、複数の層が積層された積層構造体であって、前記層は、それぞれ並列する複数の線状樹脂からなり、同一層内で隣り合う2つの前記線状樹脂の間隔をd、前記線状樹脂の積層方向の厚さをtと定義すると、d>tを満たす、積層構造体が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、積層構造体及び積層構造体の製造方法に関する。
近年、3次元積層造形装置いわゆる3Dプリンタが普及し、金属や無機物のみならず樹脂製の3次元積層構造体が広く実用化されている。樹脂用の3Dプリンタとしては、熱可塑性樹脂であるABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂やPLA(PolyLatic Acid:ポリ乳酸)樹脂をノズルから押し出す材料押出堆積法が普及している。その他にも粉末焼結積層造形、マテリアルジェッティング、光造形法などが知られている。
樹脂製の3次元積層構造体には、柔軟性が必要となる用途がある。例えば靴のインソールなどである。このような状況の中で、3次元積層造形方法を用いたゴム成形体が、特許文献1に提案されている。特許文献1では、ゴムを積層後に硬化させる工程をもち、平面を組合せた格子状の構造物が提案されている。
国際公開第2017/154335号
しかしながら、特許文献1で記述されているゴム組成物は熱可塑性では無く、積層後に硬化工程が必要となる。また、平面を組合せた構成では、構造体全体としての柔軟性の調整範囲が狭いという問題を有する。
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、樹脂製の3次元積層構造体において、より柔軟な積層構造体及び積層構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、複数の層が積層された積層構造体であって、前記層は、それぞれ並列する複数の線状樹脂からなり、同一層内で隣り合う2つの前記線状樹脂の間隔をd、前記線状樹脂の積層方向の厚さをtと定義すると、d>tを満たす、積層構造体が提供される。
本発明に係る構造体は、同一層内の線状樹脂の間隔を広く確保している。そのため、3Dプリンタとして広く普及している、3次元材料押出堆積法装置及び前記3次元材料押出堆積法装置に使用される熱可塑性樹脂を用いても、高い柔軟性を持つ3次元積層構造体を作成することが可能であるという有利な効果を奏する。
第1の実施形態に係る積層構造体を模式的に示す斜視図。 [図2A][図2B]線状樹脂をそれぞれの延在方向に走査して形成された線状構造体を模式的に示す平面図、[図2C]図2A及び図2Bに示した線状樹脂を交互に重ねられて形成された造形物を模式的に示す平面図。 第1の実施形態に係る積層構造体の被覆層の造形物の斜視図。 [図4A]第1の実施形態に係る積層構造体の平面模式図、及び[図4B]端面模式図。 [図5A][図5B]線状樹脂間の間隔が狭い場合と、[図5C][図5D]広い場合で荷重がかかったときの端面模式図。 [図6A][図6B]ノズルからの吐出量調整を行う製造方法を説明する図。 [図7A]第2の実施形態に係る積層構造体の平面模式図、及び[図7B]端面模式図。 [図8A][図8B]第2の実施形態において荷重がかかったときの端面模式図。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
1.第1の実施形態:積層構造体1の構成
第1節では、本発明の実施形態(第1の実施形態)に係る積層構造体1の構成について説明する。図1に示すように、積層構造体1は、基材層2と被覆層3とを備える。積層構造体1としては、看護分野(褥瘡予防サポーター、尖足予防サポーター、子供用シーネなど)、スポーツ用途(シューズのインソールなど)などで用いられるものが挙げられる。積層構造体1は、軟性材料で形成された被覆層3を設けることによって使用感が高められている。積層構造体1は、被覆層3を生体(例:人体)に接触させて利用する用途に好適である。実施形態では、積層構造体1がシューズのインソールである。
<基材層2>
基材層2は被覆層3が形成される層であり、基材層2と被覆層3とは密着している。基材層2は発泡体で構成されており、基材層2の発泡体には、被覆層3を構成する樹脂が入り込む気泡が形成されている。基材層2は、多数の気泡を有する発泡体で構成することができ、また、多数の気泡を有するスポンジ体で構成することもできる。基材層2を構成する樹脂材料は特に限定されるものではない。基材層2の気泡構造は、連続気泡構造であってもよいし、独立気泡構造であってもよい。連続気泡構造の方が独立気泡構造よりも樹脂が奥に入り込みやすく、独立気泡構造の方が連続気泡構造よりも強度を高めやすい。
<被覆層3>
被覆層3は、基材層2の少なくとも一部を被覆する。被覆層3は、基材層2を構成する樹脂材料とは異なる樹脂材料で構成されている。被覆層3は、造形物10として、図2A〜図2Cに示すように、2種類の線状構造体(後述する線状構造体4,5)が積層されて構成されている。
図2A及び図2Bに示すように、線状構造体4,5が1本の線状樹脂4b,5bによって形成されている。図2Aに示すように線状構造体4を構成する線状樹脂4bは第1の方向D1に延びており、図2Bに示すように線状構造体5を構成する線状樹脂5bは第2の方向D2に延びている。本実施形態では第1の方向D1と第2の方向D2とは直交しているが、第1の方向D1と第2の方向D2とは直交していなくてもよい。また、線状構造体4,5には、複数の溝4a,5aが形成されている。溝4aは第1の方向D1に延びており、溝5aは第2の方向D2に平行に延びている。すなわち、線状樹脂4bの隣接する一対の直線部4cは間隔があけられており、同ように、線状樹脂5bの隣接する一対の直線部5cには間隔があけられている。かかる間隔については後にさらに詳述する。
造形物10は複数の線状構造体4と複数の線状構造体5を有し、線状構造体4及び線状構造体5は交互に積層されている。このため、図3に示すように、造形物10はメッシュ状に形成されており、造形物10には多数の孔3aが形成されている。その結果、積層構造体1の通気性が向上するとともに、積層構造体1の被覆層3の弾力性が向上する。
2.積層構造体1の柔軟性に係る構造
第2節では、積層構造体1の柔軟性に係る特徴的な構造について説明する。図4Bに示す通り、3Dプリンタ(不図示)における樹脂(例えば熱可塑性樹脂)が吐出されるノズルNZ(図6A及び図6B参照)の出口形状が真円状であっても、積層後の線状樹脂4b,5bの断面形状が重力の影響で積層方向に潰れて、略楕円形状となる。ここで、当該楕円形状の断面を有する線状樹脂4b,5bにおける積層方向の厚さをtと定義し、同一層内で隣り合う線状樹脂4b,5b間の距離をdと定義すると、d>tを満たすことに留意されたい。このような構成を有することで高い柔軟性を確保している。
一方で、後述する製造方法にて、作業中の切断を防ぐには前記線状樹脂4b,5b間の距離dを極端には大きくしない方が良く、例えば1<d/t≦6を満たすのが好ましい。より具体的には例えば、d/t=1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
前記線状樹脂4b,5b間の距離dが、線状樹脂4b,5bの厚さtに比べて小さい場合と大きい場合で、荷重がかかった場合の端面変化の様子を図5A、図5B、図5C、図5Dに示す。図5A及び図5Bがd≦tの場合、図5C及び図5Dがd>tの場合である。線状樹脂4b,5bの間隔dが小さく荷重がかかった図5Bは、dが大きな図5Dに比べて空隙が狭いため、線状樹脂4b,5bの材料自身で荷重を支える形となる。そのため、積層構造体1としての弾性特性は、線状樹脂4b,5b材料自身の弾性特性に近いものとなる。一方、間隔d>厚さtを満たす図5Dでは空隙が広く確保できているため、同一荷重でも沈み込み量が大きく、すなわち高い柔軟性が確保できている。
上述したように線状樹脂4b,5bの間隔dが大きい場合でも、線状樹脂4b,5bを構成する材料自身もより高い柔軟性を持つことがよく、ショアA硬度が50以下であることが好ましい。具体的には例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。3Dプリンタで扱える素材であれば化学組成を限定するものではない。
また、線状樹脂4b,5bの間隔dが大きい場合は、荷重に伴う変形により線状樹脂には局所的に大きな引張力が働く。そのため線状樹脂4b,5bを構成する材料は高い破断点伸度を有することが好ましく、例えば150%以上である。具体的には例えば、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。破断点伸度の観点でも化学組成を限定するものではない。
3.積層構造体1の製造方法
第3節では、本実施形態に係る積層構造体1の製造方法について説明する。積層構造体1の製造方法は、特に限定されず、射出成形や3Dプリンタ造形などの方法によって形成可能である。射出成形の場合、形状記憶材料と軟性材料と用いた二色成形によって基材層2と被覆層3を一体成形することができる。また、基材層2と被覆層3の一方を射出成形で形成し、その上に他方を3Dプリンタ造形で形成してもよい。さらに、基材層2と被覆層3の両方を3Dプリンタ造形によって形成してもよい。3Dプリンタ造形では、積層構造体1が利用者ごとに設定された形状になるように形成可能であるので、基材層2と被覆層3の少なくとも一方は、3Dプリンタ造形によって形成することが好ましい。
3Dプリンタ造形では、ヘッドから溶融樹脂を押し出すことによって形成した線状樹脂を、図2A及び図2Bに示すように、ノズルNZ(図6A及び図6B参照)を2次元走査して線状構造体4,5を形成し、線状構造体4,5を積層することによって造形物10を形成することができる。ヘッドには、樹脂をフィラメントの形態で供給してもよく、ペレットの形態で供給してもよい。後者の場合、フィラメントの形状にしにくい軟性材料でも線状樹脂4b,5bにすることができる。
線状構造体4,5は、線状樹脂4b,5bを一筆書きになるように2次元走査して形成したものである。線状構造体4は、線状樹脂4bを主に横方向に走査して形成された線状構造体であり、線状構造体5は、線状樹脂5bを主に縦方向に走査して形成された線状構造体である。線状構造体4,5を交互に積層すると、図2Cに示すように平面視で格子状となった造形物10が得られる。
線状樹脂4b,5bが形状記憶材料からなるものである場合、造形物10として基材層2が得られる。一方、線状樹脂4b,5bが軟性材料である場合、造形物10として被覆層3が得られる。
図2A〜図2Cに示すように、線状構造体4,5は、それぞれ、平行に延びる複数の溝4a,5aを有する。溝4aは、線状構造体4を構成する線状樹脂4bが平行に延在することによって形成される。溝5aは、線状構造体5を構成する線状樹脂5bが平行に延在することによって形成される。また、積層方向に隣接する2つの線状構造体4,5の一方の溝4aが他方の溝5aと交差する。本実施形態では、溝4a,5aは直交しているが、溝4a,5aが直角以外の角度で交わるようにしてもよい。このような構造の造形物10は、内部に空間があるために、比較的軽量である。また、造形物10が被覆層3である場合、被覆層3内部に空間があるために被覆層3が変形されやすくなり、被覆層3のクッション性が向上する。
造形物10の物性は、線状構造体4,5の2次元形状や、線状構造体4,5を構成する線状樹脂4b,5bの直径や密度(単位面積当たりの本数)を変更することによって適宜変更可能である。例えば、被覆層3について、線状樹脂4b,5bの直径を小さくしたり、線状樹脂4b,5bの密度を低くしたりすることによって、被覆層3をより柔軟にすることができる。また、図2A〜図2Bでは、線状樹脂4b,5bの密度やパターンが線状構造体4,5の全体で均一であるが、部分的に密度やパターンを変更することによって造形物10の物性を変更することも可能である。このように、基材層2と被覆層3を3Dプリンタ造形によって形成する場合、利用者のニーズに合わせて、積層構造体1の物性を適宜変更することが可能になる。
基材層2と被覆層3の両方を3Dプリンタ造形によって形成する場合、基材層2を先に形成して、基材層2を下地として被覆層3を形成してもよく、被覆層3を先に形成して、被覆層3を下地として基材層2を形成してもよい。後述する実施例で示すように、前者の方が基材層2と被覆層3の密着性が良好になるので好ましい。
ところで、被覆層3を下地として基材層2を形成する場合、基材層2を形成する際の線状樹脂4b,5bの温度を高くすると基材層2と被覆層3の密着性を向上させることができる。一方、形状記憶材料は高温にすると劣化しやすい場合があるので、基材層2を形成する際の線状樹脂4b,5bの温度はなるべく低くしたい。このため、基材層2の最下層を形成する際の線状樹脂4b,5bの温度が、基材層2の残りの層を形成する際の線状樹脂4b,5bの平均温度よりも高くなるようにすることによって、密着性を向上させつつ形状記憶材料の劣化を抑制できる。
特に、本実施形態における積層構造体1においては、同一層内で隣り合う線状樹脂4b,5bの間隔dが線状樹脂4b,5bの厚さtに比べて大きく、長いブリッジ部BRを構築する必要がある。この際、ノズルNZから高温で柔らかくなった樹脂を吐出する材料押出堆積法を使用する際に、ノズルNZからの樹脂の吐出量を一定に設定した場合、直下の層に線状樹脂4b,5bが存在する場所では問題なく積層できるが、直下の層に線状樹脂4b,5bが存在せず空隙となっている場所では、ノズルNZから吐出した柔らかい樹脂に対する支えがないため、ブリッジ部BRが弛んでダレが発生してしまう。
上記問題に対応するため、直下の層に線状樹脂4b,5bが存在せず空隙となっている場所では、ノズルNZから吐出する線状樹脂4b,5bを少なく調整することによりブリッジ部BRの弛みを防ぎ長いブリッジ部BRを構築することが可能となる。この製造方法を説明する図を図6A、図6Bに示す。
図6Aはブリッジ部BRとなる線状樹脂4bで直下の層に線状樹脂5bが存在しない場所を吐出中の状態を示す図である。ノズルNZは樹脂を吐出しながら第1方向D1に移動させて線状樹脂4bを形成している。直下の層に線状樹脂5bが存在する場所の吐出量に比べて、直下の層に線状樹脂5bが存在しない空隙となっている位置での吐出量を減らして、ダレないように樹脂を引き伸ばしながらノズルNZの水平移動を実行している。
図6Bは対象となるブリッジ部BRとなる線状樹脂4bの吐出作業が完了している状態を示す図である。ブリッジ部BRが弛むこと無く直線状に形成できている。
換言すると、ノズルNZを走査させながら前記ノズルNZから樹脂を吐出させ造形工程では、直下の層に線状樹脂4b,5bが存在する場所での樹脂の吐出量に比して、直下の層が空隙である場所での樹脂の吐出量を少なくする
4.第2の実施形態
第4節では、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では線状樹脂4b,5bの延在方向が層毎に縦と横の2方向で構成されている積層構造体1(線状構造体4,5)について説明したが、第2の実施形態では、層毎の延在方向が3方向であるような線状樹脂4b,5b,6bから構成されている積層造形対1(線状構造体4,5,6)を実施する。かかる場合の積層構造体1を図7A、図7Bに示す。図7Aが平面模式図、図6Bが端面模式図である。図7A、図7Bでは線状樹脂4b,5bは層毎に、図7A上で横方向である線状樹脂4b、左に60度回転した線状樹脂5b、左に120°回転した線状樹脂6bと、隣接する層毎に60度異なる方向に配置されている。さらに、図7Bから明らかなように、積層構造体1の全積層数をnとしたときに、積層方向に飛び出さない範囲、すなわち1≦k≦n−3である第k番目の層に関して、第k番目の層と第k+3番目の層における線状樹脂4b,5bの延在方向が同一である点に留意されたい。なお、図7A、図7Bでは層内における延在方向と垂直である方向に対する線状樹脂4b,5bの位置は第k番目の層と第k+3番目の層で同一の場合を示しているが、これに限定されるものではない。
さらに、線状樹脂4b,5b,6b間の延在方向の角度が60度と正三角形状としているが、各層を形成する線状樹脂4b,5b,6b間の延在方向の角度は60度に限定されない。また、各層を形成する線状樹脂4b,5b,6bの延在方向の数も3方向に限定されるものではなく、4方向以上の構成も可能である。図7Bから明らかなように、各層の線状樹脂4b,5b,6b…の延在方向の数をa(図7A、図7Bでは3)とすると、線状樹脂4b,5b,6b…の延在方向が同一である層、例えば線状樹脂5bの層とその上下に存在する線状樹脂4b,6b層の層間距離である空隙の高さは、理論的には(a−1)×tとなる。なお、第k番目の層と、第k+1番目の層と、…第k+a−1番目の層とは、その延在方向が互いに一致しないことにも留意されたい。
層毎の延在方向が3方向である線状樹脂4b,5b,6bを有する積層構造体1に、荷重がかかった場合の端面変化の様子を図8A、図8Bに示す。前述の延在方向が2方向である線状樹脂4b,5bの場合(図2C、図2D)に比べて空隙の高さが2tと高くなっており、より大きな変形を許容することができる。すなわち、積層構造体1としてより高い柔軟性があると言える。
なお、たるんだ場合も考慮すると、第k番目の層と第k+a番目の層間距離は、tよりも大きく、より好ましくは、αt(αは係数)よりも大きいことに留意されたい。ここでαは、α≧1であり、好ましくは、α≧1.2であり、さらに好ましくは、α≧1.5である。具体的には例えば、α=1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
5.結言
以上のように、本実施形態によれば、樹脂製の3次元積層構造体において、より柔軟な積層構造体1を実施することができる。
かかる積層構造体1は、複数の層が積層されたものであって、前記層は、それぞれ並列する複数の線状樹脂4b,5b…からなり、同一層内で隣り合う2つの前記線状樹脂4b,5b…の間隔をd、前記線状樹脂4b,5b…の積層方向の厚さをtと定義すると、d>tを満たして構成される。
あるいは、かかる積層構造体1は、n個の層が積層されたものであって、前記層は、それぞれ並列する複数の線状樹脂4b,5b…からなり、1≦k<k+a≦nかつa≧3を満たす自然数k、aに対して、第k番目の前記層及び第k+a番目の前記層の前記線状樹脂4b,5b…の延在方向が一致するように、前記各層が積層されている。
また、樹脂製の3次元積層構造体において、より柔軟な積層構造体1の製造方法を実施することができる。
かかる製造方法は、複数の層が積層された積層構造体1の製造方法であって、造形工程を備え、前記造形工程では、ノズルNZを走査させながら前記ノズルNZから樹脂を吐出させ、それぞれ並列する複数の線状樹脂4b,5b…によって前記層を形成し、ここで、同一層内で隣り合う2つの前記線状樹脂4b,5bの間隔をd、前記線状樹脂の積層方向の厚さをtと定義すると、d>tを満たす。
あるいは、かかる製造方法は、複数の層が積層された積層構造体1の製造方法であって、造形工程を備え、前記造形工程では、ノズルNZを走査させながら前記ノズルNZから樹脂を吐出させ、それぞれ並列する複数の線状樹脂4b,5b…によって前記層を形成し、ここで、前記積層構造体1は、1≦k<k+a≦nかつa≧3を満たす自然数k、aに対して、第k番目の前記層及び第k+a番目の前記層の前記線状樹脂4b,5b…の延在方向が一致するように、前記各層が積層されている。
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 :積層構造体
2 :基材層
2a :横方向
3 :被覆層
3a :孔
4 :線状構造体
4a :溝
4b :線状樹脂
4c :直線部
5 :線状構造体
5a :溝
5b :線状樹脂
5c :直線部
6 :線状構造体
6b :線状樹脂
10 :造形物
BR :ブリッジ部
NZ :ノズル

Claims (9)

  1. 複数の層が積層された積層構造体であって、
    前記層は、それぞれ並列する複数の線状樹脂からなり、
    同一層内で隣り合う2つの前記線状樹脂の間隔をd、前記線状樹脂の積層方向の厚さをtと定義すると、d>tを満たす、
    積層構造体。
  2. 請求項1に記載の積層構造体において、
    1<d/t≦6を満たす、
    積層構造体。
  3. n個の層が積層された積層構造体であって、
    前記層は、それぞれ並列する複数の線状樹脂からなり、
    1≦k<k+a≦nかつa≧3を満たす自然数k、aに対して、
    第k番目の前記層及び第k+a番目の前記層の前記線状樹脂の延在方向が一致するように、前記各層が積層された、
    積層構造体。
  4. 請求項4に記載の積層構造体において、
    a=3であり、
    互いに隣接する前記層の前記線状樹脂の延在方向が略60度をなすように、前記各層が積層された、
    積層構造体。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の積層構造体において、
    前記線状樹脂のショアA硬度が50以下である、
    積層構造体。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の積層構造体において、
    前記線状樹脂を構成する材料の破断点伸度が150%以上である、
    積層構造体。
  7. 複数の層が積層された積層構造体の製造方法であって、
    造形工程を備え、
    前記造形工程では、ノズルを走査させながら前記ノズルから樹脂を吐出させ、それぞれ並列する複数の線状樹脂によって前記層を形成し、ここで、
    同一層内で隣り合う2つの前記線状樹脂の間隔をd、前記線状樹脂の積層方向の厚さをtと定義すると、d>tを満たす、
    積層構造体の製造方法。
  8. 複数の層が積層された積層構造体の製造方法であって、
    造形工程を備え、
    前記造形工程では、ノズルを走査させながら前記ノズルから樹脂を吐出させ、それぞれ並列する複数の線状樹脂によって前記層を形成し、ここで、前記積層構造体は、
    1≦k<k+a≦nかつa≧3を満たす自然数k、aに対して、
    第k番目の前記層及び第k+a番目の前記層の前記線状樹脂の延在方向が一致するように、前記各層が積層された、
    積層構造体の製造方法。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の製造方法において、
    前記造形工程では、直下の層に前記線状樹脂が存在する場所での前記樹脂の吐出量に比して、直下の層が空隙である場所での前記樹脂の吐出量を少なくする、
    積層構造体の製造方法。
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