JP5747480B2 - 複合酸化物被覆金属粉末、その製造方法、導電性ペーストおよび積層セラミック電子部品 - Google Patents

複合酸化物被覆金属粉末、その製造方法、導電性ペーストおよび積層セラミック電子部品 Download PDF

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本発明は、金属粉末の表面が複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末に関し、詳しくは、積層セラミック電子部品の電極形成材料として用いるのに適した複合酸化物被覆金属粉末の製造方法、該方法により製造される複合酸化物被覆金属粉末、それを用いた導電性ペースト、および、該導電性ペーストを用いてなる積層セラミック電子部品に関する。
近年、例えば、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品の内部導体を形成するために用いられる電極形成用材料として、ニッケル、銀、銅などの金属粉末を有機ビヒクルと配合してなる導電性ペーストが広く用いられている。
そして、導電性ペーストを構成する金属粉末として、例えば、Ni粉末を複合酸化物により被覆した複合導電性粒子粉末が提案されている(特許文献1参照)。この複合導電性粒子粉末の製造方法として、特許文献1には、有機溶媒に分散させたNi粉末スラリーに2種の金属アルコキシドを添加し、有機溶媒を蒸発、乾燥させる工程で、金属アルコキシドを反応させて複合酸化物を生成させることにより、ニッケル粉末の表面を複合酸化物で被覆するようにした複合導電性粒子粉末の製造方法が開示されている。
しかしながら、この特許文献1の方法の場合、乾燥工程で2種の金属アルコキシドの濃度を上昇させて、急激に反応を進行させるようにしているため、反応初期と反応終期で反応が異なり、系内の均一性の保持が難しいという問題点がある。また、複合酸化物の生成反応が、有機溶媒中とNi粉末表面の両方で起こるため、ニッケル粉末を被覆する複合酸化物層(膜)が不均一になるという問題点がある。
また、複合酸化物被覆金属粉末の他の製造方法として、複合酸化物になり得る金属塩の水溶液を金属粉末スラリーに添加した後、アルカリを添加することにより、金属塩の加水分解反応を生じさせて、表面が複合酸化物により被覆されたNi粉末を製造する方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、この方法の場合も、複合酸化物になりうる金属塩の水溶液を金属粉末スラリーに添加した後、アルカリを添加して急激に反応させるようにしているため、複合酸化物の生成反応が、水溶液中とNi粉末表面の両方で生起し、ニッケル粉末を被覆する複合酸化物層(膜)が不均一になるという問題点がある。
特開2006−4675号公報 特開2000−282102号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、金属粉末の表面が均一な複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を確実に製造することが可能な製造方法、該方法により製造される、均一で複合酸化物で表面が被覆された複合酸化物被覆金属粉末、それを用いた導電性ペースト、および、該導電性ペーストを用いてなる積層セラミック電子部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の複合酸化物被覆金属粉末の製造方法は、
有機溶媒に金属粉末を分散させたスラリーに、第4族金属元素としてZrおよびTiの少なくとも1種を含む金属アルコキシドを添加し、その後に純水を添加することにより、前記金属粉末の表面の少なくとも一部が第4族金属の酸化物で被覆された被覆金属粉末を得る第1の工程と、
さらに、前記スラリーに、前記被覆金属粉末の被覆層を構成する前記金属酸化物と複合酸化物を形成する第2族金属元素としてMg、Ca、Baからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む化合物を添加し、前記金属粉末の表面を被覆する前記金属酸化物と反応させて複合酸化物を生成させることにより、前記金属粉末の表面が複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を得る第2の工程と
を含むことを特徴としている。
また、本発明の複合酸化物被覆金属粉末の製造方法は、
有機溶媒に金属粉末を分散させたスラリーに、第2族金属元素を含む金属アルコキシドを添加し、その後に純水を添加することにより、前記金属粉末の表面の少なくとも一部が第2族金属としてMg、Ca、Baからなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化物で被覆された被覆金属粉末を得る第1の工程と、
さらに、前記スラリーに、前記被覆金属粉末の被覆層を構成する前記金属酸化物と複合酸化物を形成する第4族金属元素としてZrおよびTiの少なくとも1種を含む化合物を添加し、前記金属粉末の表面を被覆する前記金属酸化物と反応させて複合酸化物を生成させることにより、前記金属粉末の表面が複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を得る第2の工程と
を含むことを特徴としている。
また、前記第2工程において、前記第2族金属元素または前記第4族金属元素を含む化合物を添加した後に、40℃以上に加熱することが好ましい。
また、前記第1の工程および/または前記第2の工程を、希土類元素を共存させた状態で実施することが好ましい。
また、複合酸化物被覆金属粉末全体に占める前記複合酸化物の割合が0.01〜30重量%であることが好ましい。
また、前記金属粉末として平均粒径が0.01〜1.0μmの金属粉末を用いることが好ましい。
また、前記金属粉末として、Ni、Ag、Cu、Pdからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む金属粉末を用いることが好ましい。
また、前記有機溶媒として20〜100重量%の範囲でアルコール類またはポリオール類を含む有機溶媒を用いることが好ましい。
また、本発明の複合酸化物被覆金属粉末は、上述の本発明の複合酸化物被覆金属粉末の製造方法で製造されたものであることを特徴としている。
また、本発明の導電性ペーストは、上記本発明の複合酸化物被覆金属粉末と、有機ビヒクルとを含有することを特徴としている。
また、本発明の積層セラミック電子部品は、互いに積層された複数のセラミックス層と、前記セラミックス層間に設けられた、本発明の導電性ペーストの焼結体からなる内部導体とを備えていることを特徴としている。
本発明の複合酸化物被覆金属粉末の製造方法は、有機溶媒に金属粉末を分散させたスラリーに、第4族金属元素としてZrおよびTiの少なくとも1種を含む金属アルコキシドを添加した後、純水を添加して、金属粉末の表面の少なくとも一部が上記第4族金属の酸化物で被覆された被覆金属粉末を得る第1の工程と、さらに、上記スラリーに、被覆金属粉末の被覆層を構成する金属酸化物と複合酸化物を形成する第2族金属元素としてMg、Ca、Baからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む化合物を添加して、金属粉末を被覆する金属酸化物と反応させて複合酸化物を生成させることにより、金属粉末の表面が複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を得る第2の工程とを備えているので、金属粉末の表面が、均一な複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を効率よく製造することが可能になる。
すなわち、例えば、上述の特許文献1のように、最初に複合酸化物を生成するすべての原料を合わせてしまうと、金属粒子の表面だけでなく、溶液中においても反応が生起するため、均一な複合酸化物により金属粉末の表面を被覆することができなくなるが、本発明では複合酸化物を生成する原料を第1の工程と第2の工程に分けて添加し、第1の工程においては、金属酸化物を生成する原料を添加して金属粉末の表面が被覆されるように金属酸化物を生成させ、第2の各工程においては、該金属酸化物と反応して複合酸化物を生成する原料を添加して、金属粉末の表面に複合酸化物を生成させるようにしているので、金属酸化物の生成と複合酸化物の生成の両方の反応を金属粉末の表面のみで行わせることが可能になり、金属粉末の表面が均一な複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を得ることができる。
また、有機溶媒に金属粉末を分散させたスラリーに、第2族金属元素としてMg、Ca、Baからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む金属アルコキシドを添加した後、純水を添加して、金属粉末の表面の少なくとも一部が上記第2族金属の酸化物で被覆された被覆金属粉末を得る第1の工程と、さらに、上記スラリーに、被覆金属粉末の被覆層を構成する金属酸化物と複合酸化物を形成する第4族金属元素としてZrおよびTiの少なくとも1種を含む化合物を添加して、金属粉末を被覆する金属酸化物と反応させて複合酸化物を生成させることにより、金属粉末の表面が複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を得る第2の工程とを備えた構成とした場合にも、金属粉末の表面が、均一な複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を効率よく製造することができる。
また、第2工程において、上記第2族金属元素または上記第4族金属元素を含むアルコキシドを添加した後に、40℃以上に加熱することにより、均一な複合酸化物を効率よく生成させることが可能になる。
また、第4族の金属元素が、ZrおよびTiの少なくとも1種であることから、第2の工程で複合酸化物を効率よく生成させることが可能になる。また、本発明により製造される複合酸化物被覆金属粉末が、例えば積層セラミックコンデンサなどの内部導体(内部電極)の導電成分として用いられる場合において、積層セラミックコンデンサを構成する誘電体セラミックとしてチタン酸ジルコニウムなどが用いられている場合の誘電体セラミックの組成ずれへの影響を低減することが可能になり、好ましい。
また、第2族の元素が、Mg、Ca、Baからなる群より選ばれる少なくとも1種であることから、複合酸化物を生成させやすく、効率よく特性の良好な複合酸化物被覆金属粉末を製造することが可能になる。
また、第1の工程および/または第2の工程を、希土類元素を共存させた状態で実施することにより、希土類を含む複合酸化物被覆金属粉末を得ることが可能になる。なお、希土類は焼結温度が高く、得られる複合酸化物被覆金属粉末の焼結を抑制する効果を奏する。
また、例えば、積層セラミックコンデンサの誘電体セラミック層には希土類が添加されていることが多く、被覆層である複合酸化物にも希土類を添加しておくことにより、組成ずれを抑制することが可能になる。
また、複合酸化物被覆金属粉末全体に占める複合酸化物の割合を0.01〜30重量%とすることにより、例えば本発明の複合酸化物被覆金属粉末を、積層セラミックコンデンサの内部導体形成用の導電性ペーストの導電成分として用いた場合において、焼結を抑制しつつ、カバレッジ(被覆率)の高い内部導体を備えた積層セラミックコンデンサを得ることが可能になる。
なお、複合酸化物の割合が0.01重量%未満になると、本発明の複合酸化物被覆金属粉末を用いた導電性ペーストを塗布して、焼き付ける際の、焼結抑制効果が不十分になり、また、30重量%を超えると、形成される電極中の金属の割合が低下し、カバレッジが低下する。
また、本発明においては、金属粉末として平均粒径が0.01〜1.0μmの金属粉末を用いることが好ましいが、これは、0.01μm以下では、粒子径が小さすぎて複合酸化物の被覆膜が金属粉末全体を均一に被覆することができないため焼結抑制効果が低下してカバレッジが低下し、また、複合酸化物(被覆層)の割合を増やしても、電極層中の金属の割合が低下して製品の特性が悪化するという問題があること、金属粉末の粒子径が1.0μmを超えると、複合酸化物による焼結抑制を行わなくても、高いカバレッジを確保することが可能で、特に焼結抑制の必要がなくなることによる。
また、積層セラミックコンデンサにおいては、焼成後も金属の導電率を十分に確保できることなどの理由から、内部導体の構成材料として、Ni、Ag、Cu、Pdなどの金属が用いられることが多いが、本発明においては、金属粉末として、Ni、Ag、Cu、Pdからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む金属粉末を用いることが可能であることから、上述のような積層セラミックコンデンサの内部導体の形成に用いるのに好適な材料を提供することができる。
また、有機溶媒として20〜100重量%の範囲でアルコール類またはポリオール類を含む有機溶媒を用いた場合、該有機溶媒がアルコキシドと水をともに溶解させることが可能であることから、金属アルコキシドを加水分解させて、金属粉末を被覆する金属酸化物を効率よく生成させることができる。また、アルコール類は、金属アルコキシドの急激な加水分解反応を抑制して、均一な被覆層を形成することができる。
また、本発明の複合酸化物被覆金属粉末は、本発明の方法で製造されたものであり、金属粉末が均一な複合酸化物により被覆されていることから、例えば本発明の複合酸化物被覆金属粉末を、積層セラミックコンデンサの内部導体の形成に用いられる導電性ペーストの導電成分として用いた場合、焼結を抑制して、カバレッジの高い内部導体を備えた積層セラミックコンデンサを得ることが可能になる。
また、本発明の導電性ペーストは、本発明の複合酸化物被覆金属粉末と、有機ビヒクルとを含有しており、例えば、積層セラミックコンデンサの内部導体を形成用の導電性ペーストとして好適に使用することができる。
なお、有機ビヒクルとしては、アクリル系ポリマー、セルロース系樹脂、ブチラール、アルキッド系樹脂を用いることが望ましい。
また、本発明の積層セラミック電子部品は、互いに積層された複数のセラミックス層と、セラミックス層間に設けられた、本発明の導電性ペーストの焼結体からなる内部導体とを備えており、内部導体のカバレッジが高く、特性の良好な積層セラミック電子部品を提供することができる。
(a)本発明の実施例において、「実施例の方法1」により作製した被覆金属粉末、(b)は「実施例の方法1」により作製した複合酸化物被覆金属粉末を模式的に示す図である。 (a)本発明の実施例において、「実施例の方法2」により作製した被覆金属粉末、(b)は「実施例の方法2」により作製した複合酸化物被覆金属粉末を模式的に示す図である。 本発明の実施例にかかる積層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)の構成を示す断面図である。
以下に本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
この実施例1では、以下の「実施例の方法1および2」、「比較例の方法1〜3」の各方法で、ニッケル粉末(金属粉末)が複合酸化物であるチタン酸バリウム(BaTiO3)により被覆された構造を有する複合酸化物被覆金属粉末を作製した。
(1)「実施例の方法1」による複合酸化物被覆金属粉末の製造
まず、平均粒子径が0.2μmのニッケル粉末(金属粉末)20gとイソプロピルアルコール500gを混合してスラリー(金属粉末スラリー)を作製した。
このスラリーに第4族金属元素であるチタンのプロポキシド(チタンテトライソプロポキシド)2gを添加して撹拌することにより均一なスラリー液とした後、純水20gとイソプロピルアルコール(IPA)80gとを混合した溶液を徐々に添加し、図1(a)に模式的に示すように、ニッケル粉末(金属粉末)1の表面が第4族金属であるチタンの酸化物(TiO2)からなる金属酸化物層2で被覆された被覆金属粉末3を形成した(第1の工程)。
なお、この実施例では、純水とIPAの比率を、純水濃度が2〜100wt%の範囲で変化させて条件の異なる種々の被覆金属粉末を作製した。
その後、上記第1の工程で形成した被覆金属粉末を含むスラリーに、5重量%水酸化バリウム水溶液または水酸化バリウム粉末を添加し、60℃に保ちながら 1時間攪拌して、金属酸化物層を構成する第4族金属の酸化物(TiO2)と、水酸化バリウムとを反応させることにより複合酸化物(BaTiO3)を生成させた。その後、洗浄し、乾燥することにより、図1(b)に模式的に示すように、金属粉末(ニッケル粉末)1の表面が複合酸化物(BaTiO3)4により被覆された複合酸化物被覆金属粉末5を得た(第2の工程)。
この実施例1では、上述のように、金属粉末の表面が第4族金属の酸化物で被覆された被覆金属粉末を形成した後、被覆層である第4族金属の酸化物(金属酸化物層)に第2族金属元素を含む化合物を反応させて、複合酸化物化することにより、複合酸化物被覆金属粉末を得る方法を「実施例の方法1」(以下の各表ではA−1)という。
(2)「実施例の方法2」による複合酸化物被覆金属粉末の製造
まず、平均粒子径が0.2μmのニッケル粉末(金属粉末)20gとイソプロピルアルコール500gを混合してスラリー(金属粉末スラリー)を作製した。
このスラリーに第2族金属元素であるバリウムのプロポキシド(バリウムジイソプロポキシド)1.8gを添加して撹拌することにより均一なスラリー液とした後、純水1gとイソプロピルアルコール(IPA)49gを混合した溶液を徐々に添加し、図2(a)に模式的に示すように、ニッケル粉末(金属粉末)1の表面が第2族金属であるバリウムの酸化物(BaO)からなる金属酸化物層2aで被覆された被覆金属粉末3aを得た(第1の工程)。
その後、上記第1の工程で形成した被覆金属粉末を含むスラリーに、5重量%の濃度で第4族金属元素であるチタンのプロポキシド(チタンテトライソプロポキシド)を含むIPA溶液を添加し、撹拌することにより、均一なスラリーとした後、純水20gとイソプロピルアルコール(IPA)80gを混合した溶液を徐々に添加し、温度を60℃に保って、金属酸化物層を構成する第2族金属であるバリウムの酸化物(BaO)と、第4族金属元素であるチタンのプロポキシド(チタンテトライソプロポキシド)とを反応させ、複合酸化物(BaTiO3)を生成させることにより、図2(b)に模式的に示すように、金属粉末(ニッケル粉末)1の表面が複合酸化物(BaTiO3)4aにより被覆された複合酸化物被覆金属粉末5aを得た(第2の工程)。
なお、この実施例1では、上述のように、金属粉末の表面が第2族金属の酸化物で被覆された被覆金属粉末を形成した後、被覆層である第2族金属の酸化物に第4族金属元素を含む化合物(チタンテトライソプロポキシド)を反応させて、複合酸化物化することにより、複合酸化物被覆金属粉末を得る方法を「実施例の方法2」(以下の各表ではA−2)とする。
(3)比較例の方法1による複合酸化物被覆金属粉末の製造
平均粒子径が0.2μmのニッケル粉末50gとアセトン50gを混合し、スラリー(金属粉末スラリー)を作製した。
このスラリーに、第4族金属元素であるチタンのプロポキシド(チタンテトライソプロポキシド)6.09gを分散させたアセトン溶液20ml、および、第2族金属元素であるバリウムのプロポキシド(バリウムジイソプロポキシド)5.48gを分散させたアセトン溶液20mlを加え、60℃で、60分間攪拌・混合した。
それから、得られた混合液をドラフト中で3時間風乾させた後、80℃で60分間の乾燥を行い、金属粉末(ニッケル粉末)の表面が複合酸化物(BaTiO3)により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を得た。
なお、この実施例1では、上述のように、金属粉末に、第4族金属元素を含む化合物、第2族金属元素を含む化合物の順で両者を連続して添加した後、両者を反応させて複合酸化物化することにより、複合酸化物被覆金属粉末を得る方法を「比較例の方法1」(以下の各表ではB−1)とする。
(4)比較例の方法2による複合酸化物被覆金属粉末の製造
平均粒径が0.2μmのニッケル粉末100gと純水500mlを混合し、スラリー(金属粉末スラリー)を作製した。
このスラリーを60℃に保持しつつ、第4族金属元素のチタンの化合物である硫酸チタン(Ti:5重量%品)3.9gを一括添加した後、3.8重量%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整した。
それから、1時間の攪拌を行った後、濾過し、ケーキを得た。このケーキを純水1リットル中に加えてスラリーを作製した。このスラリーに第2族金属元素のバリウムの化合物である塩化バリウム2.62gを温水に溶かした溶液を一括添加した。それから、さらに3.8重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12以上に調整し、そのまま60℃で1時間の攪拌を行った後、濾過し、乾燥することにより、金属粉末(ニッケル粉末)の表面に複合酸化物(BaTiO3)が固着している複合酸化物被覆金属粉末を得た。
なお、この実施例1では、上述の複合酸化物被覆金属粉末の製造方法を「比較例の方法2」(以下の各表ではB−2)という。
(5)比較例の方法3による複合酸化物被覆金属粉末の製造
50.6重量%のTiCl4水溶液と、51.0重量%BaCl2水溶液をアルコール(ここではブタノール)に添加して2.3重量%TiCl4−2.5重量%BaCl2アルコール溶液54mlを調製した。
また、ジエチルアミンをブタノールに溶解して1.8重量%ジエチルアミンブタノール溶液240mlを調製した。
それから、この1.8重量%ジエチルアミンブタノール溶液に、平均粒径が0.2μmのニッケル粉末3.43gを添加し、撹拌してニッケル粉末を分散させた後、さらに上述のようにして調製した2.3重量%TiCl4−2.5重量%BaCl2アルコール溶液を添加した。それから、コーティング反応が進行する24時間の間、温度を60℃に保ちながら撹拌を続けた後、濾過し、乾燥することにより、Ni粉末の表面が複合酸化物(BaTiO3)により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を得た。
なお、この実施例1では、この方法を「比較例の方法3」(以下の各表ではB−3)という。
(6)導電性ペーストの作製
上述の実施例の方法1および2の方法,比較例の方法1および2の方法で得た複合酸化物被覆金属粉末と、樹脂と、分散材と、溶剤とを混合した後、3本ロールミル、サンドミル、ポットミルなどの手段を用いて分散処理を行い、導電性ペーストを作製した。
(7)積層セラミックコンデンサの作製
まず、積層セラミックコンデンサの誘電体層となるセラミックグリーンシートを、以下の手順で作製した。
まず、MgTiO3、MgZrO3、CaTiO3、CaZrO3、BaTiO3、BaZrO3、SrTiO3、SrZrO3の少なくとも1種をベースとし、SiO2などの焼結助剤や電気特性を調整するための希土類、アルカリ土類、Mn,Vなどを配合した誘電体セラミック原料に、樹脂、溶剤を添加し、スラリー化してからシート状に成形することによりセラミックグリーンシートを作製した。
それから、このセラミックグリーンシート上に上述のようにして作製した導電性ペーストを塗布して、内部導体(内部電極)パターンを形成した。
そして、この内部導体パターンが形成されたセラミックグリーンシートと、内部導体パターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定の順序で積層し、圧着することにより圧着体を作製した。次に、この圧着体を所定の大きさにカットして得た未焼成のセラミック素子を、脱脂し、1000〜1200℃で焼成することにより焼結体である積層セラミック素子を得た。
それから、この積層セラミック素子の両端部に、外部電極形成用の導電性ペーストを塗布して焼き付けることにより、内部導体と導通する一対の外部電極を形成することにより図3に示すような構造を有する積層セラミックコンデンサを得た。
この積層セラミックコンデンサは、図1に示すように、セラミック積層体(積層セラミック素子)10の内部に配設された内部導体12が、誘電体層であるセラミック層(誘電体セラミック層)11を介して積層され、かつ、セラミック積層体10の両端面には、交互に逆側の端面に露出した内部導体12と導通するように一対の外部電極13a,13bが配設された構造を有している。
なお、この実施例1では、幅0.5mm、長さ1.0mmの寸法の積層セラミックコンデンサを作製した。
(8)評価(内部導体のカバレッジの測定)
積層セラミックコンデンサを、セラミック層11と内部導体12との界面で剥離させ、剥離面の金属部の占める割合を求め、カバレッジ(被覆率(%))とした。
実施例の方法で製造した試料の内部導体のカバレッジの測定結果を、表1Aの実施例1−1〜実施例1−6に示し、比較例の方法で製造した試料についての結果を、表1Bの比較例1−1〜比較例1−3に示す。なお、表1Bの比較例1−0は、金属粉末として、特に被覆されていないニッケル粉末を用いた場合の結果を示している。
Figure 0005747480
Figure 0005747480
表1Aおよび表1Bに示すように、「実施例の方法1(A−1)」および「実施例の方法2(A−2)」により製造された実施例1−1〜実施例1〜6の試料の場合、カバレッジが79〜95%と高く、「比較例の方法1(B−1)」、「比較例の方法2(B−2)」、「比較例の方法3(B−3)」の方法で製造された、比較例1−1〜比較例1−3の試料のカバレッジ56〜69%、および被覆されていないニッケル粉末を用いた比較例1−0の試料のカバレッジ44%と比べて、カバレッジが大幅に改善されることが確認された。これは、「実施例の方法1」および「実施例の方法2」の方法によれば、金属粉末(ニッケル粉末)の表面に、均一性の高い被覆層が形成されていることによるものであると考えられる。
すなわち、「比較例の方法1」および「比較例の方法3」のように、金属酸化物による被覆工程と、複合酸化物を生成させる工程を同時に行うと、金属粒子の表面以外においても複合酸化物形成反応が起こるため、被覆層である複合酸化物層の均一性が低くなり、焼結抑制効果が低下して、高いカバレッジを確保することができなくなるものと考えられる。
また、「比較例の方法2」の場合にも、アルカリを添加して急激に加水分解反応を生じさせているため、金属粒子の表面以外においても複合酸化物形成反応が起こり、複合酸化物の被覆層の均一性が低下し、焼結抑制効果が不十分になって、高いカバレッジを確保することができなくなるものと考えられる。
これに対し、「実施例の方法1」(および「実施例の方法2」)の場合、まず、第1の工程で、第4族の金属元素(「実施例の方法2」では第2族の金属元素)のアルコキシドを含む有機溶媒中に、有機溶媒で希釈した水を徐々に添加することにより金属酸化物を生成させて金属粉末の表面を被覆するようにしている。水は有機溶媒と金属粉末の界面に存在しやすく、また、金属粉末の表面が親水性であることから、徐々に添加される少量の水は金属粉末表面に存在しやすくなる。そのため、金属粒子表面において、金属アルコキシドの加水分解が起こり、均一に被覆が形成される。
その後、第2の工程で、均一な金属酸化物で被覆された被覆金属粉末を含むスラリーに、複合酸化物になりうる第2族の金属元素(「実施例の方法2」では第4族の金属元素)を含む溶液を添加し、被覆金属粉末の被覆層である金属酸化物と反応させることにより、金属粉末の表面に複合酸化物の被覆層が形成されるようにしている。そして、このとき、複合酸化物になりうる金属酸化物が金属粒子の表面にしか存在しないため、反応箇所が金属粒子の表面のみとなり、金属粒子の表面が均一な複合酸化物(被覆層)により被覆された複合酸化物被覆金属粉末が得られることになる。
なお、さらなる均一性の向上のためには、金属粉末を有機溶媒に分散させたスラリー(金属粉末スラリー)として、分散処理を行った金属粉末スラリーを用いることが望ましい。分散方法には特に制約はなく、公知の種々の方法を用いることが可能である。また、金属粉末スラリーに分散性向上のための分散剤などを添加してもよい。
また、金属アルコキシドを加水分解させるために純水を添加する際に、添加時の加水分解反応が局所的に発生することを抑制するため、純水と有機溶媒を混合した混合溶液を用いることが好ましい。混合溶液の純水濃度は低い方が望ましく、純水濃度を50重量%以下にすることにより、金属粉末の表面に十分に均一な金属酸化物からなる被覆膜を形成することができる。純水濃度は20重量%以下の濃度とすることがより望ましい。
アルコキシドを加水分解させるための、純水と有機溶媒の混合溶液(以下水/有機溶媒溶液)は段階的に添加してもよく、その段階ごとに純水濃度が異なっていてもよい。段階ごとに濃度を異ならせる場合には、初期に純水濃度の低い混合溶液を添加し、その後、純水濃度の高い混合溶液を添加することが望ましい。
また、上記の「実施例の方法1」において、第2の工程で添加する第2族金属元素は、均一溶液の状態で添加することが望ましいが、スラリー状態あるいは粉末状態で添加することも可能である。
また、上記「実施例の方法2」において、第2の工程で添加する第4族金属元素についても、同様に、均一溶液の状態で添加することが望ましいが、スラリー状態あるいは粉末状態で添加することも可能である。
また、「実施例の方法2」において、第2の工程で添加する第4族金属元素の材料としては、アルコキシドに限らず、第4族金属元素の酸化物ナノ粒子、錯化剤で安定化したアルコキシドなどを用いることも可能である。
また、金属粉末の表面を被覆するように形成される複合酸化物は、必ずしも完全な結晶になっていなくてもよく、2種以上の酸化物が混在し、金属粒子に付着している状態であってもよい。
第2の工程で、複合酸化物を生成させる際の反応温度を40℃〜300℃の範囲で変化させたことを除いて、実施例1における「実施例の方法1」の方法と同じ方法で複合酸化物被覆金属粉末を作製した。
そして、得られた複合酸化物被覆金属粉末を用いて上記実施例1の場合と同じ方法で導電性ペーストを作製し、さらにそれを用いて積層セラミックコンデンサを作製した。
なお、反応温度が溶媒の沸点以上になる場合には、オートクレーブ反応機を用いて、加圧下で所定反応温度を維持しつつ反応を行わせた。
それから、得られた積層セラミックコンデンサについて、実施例1の場合と同じ方法でカバレッジを測定した。その結果を表2に示す。
なお、表2の実施例2−2は、反応温度を60℃としたものであり、上記実施例1の表1Aの実施例1−1の試料と同じものである。
Figure 0005747480
表2の実施例2−1〜実施例2−6に示すように、第2の工程における反応温度を40℃以上の温度とした場合、金属粉末の表面が均一な複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を得ることが可能になり、結果として、内部導体のカバレッジの高い、特性の良好な積層セラミックコンデンサが得られることが確認された。これは、反応温度が40℃以上で、複合酸化物の生成反応が十分に進行し、表面が均一な複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末が得られることによる。
なお、結晶性の高い複合酸化物を得るためには、高温度で反応させることが望ましい。
第4族金属のアルコキシド種および第2族金属元素種を変更したことを除いて、上記実施例1における「実施例の方法1」の方法と同じ方法で複合酸化物被覆金属粉末を作製した。
作製した複合酸化物被覆金属粉末を用いて上記実施例1の場合と同じ方法で導電性ペーストを作製し、さらにそれを用いて積層セラミックコンデンサを作製した。
そして、得られた積層セラミックコンデンサについて、実施例1の場合と同じ方法でカバレッジを測定した。その結果を表3の実施例3−1〜実施例3−8に示す。
ただし、表3の実施例3−7は、第4族金属のアルコキシド種および第2族金属元素種およびその他の条件が、上記実施例1の表1Aの実施例1−1のものと同じものである。
Figure 0005747480
表3に示すように、金属粉末の表面が、MgTiO3(実施例3−1)、MgZrO3(実施例3−2)、CaTiO3(実施例3−3)、CaZrO3(実施例3−4)、SrTiO3(実施例3−5)、SrZrO3(実施例3−6)、BaTiO3(実施例3−7)、BaZrO3(実施例3−8)の各複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を用いることにより、結果として、内部導体のカバレッジの高い積層セラミックコンデンサが得られることが確認された。
なお、SrTiO 3 、あるいはSrZrO 3 により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を用いて作製した導電性ペーストで内部電極を形成した実施例3−5および実施例3−6の試料(積層セラミックコンデンサ)は、本発明の実施例ではなく、本発明と関連する発明の実施例となる。
積層セラミックコンデンサにおいては、種々の組成の誘電体セラミックが使用されており、本発明の複合酸化物被覆金属粉末において、焼結抑制のために金属粉末の表面を覆うように配設された複合酸化物が、積層セラミックコンデンサの製造工程でセラミック積層体の焼成する工程で、セラミック誘電体層に移動し、製品の特性を悪化させる場合がある。
このような状況下において、本発明によれば、金属粉末の表面を覆うように配設される複合酸化物として、MgTiO3(実施例3−1)、MgZrO3(実施例3−2)、CaTiO3(実施例3−3)、CaZrO 3 (実施例3−4)、BaTiO 3 (実施例3−7)、BaZrO3(実施例3−8)などの種々の複合酸化物を形成できることから、セラミック誘電体層の組成により被覆層として、適切な複合酸化物を形成することにより、特性の良好な積層セラミック電子部品を得ることが可能になる。
また、Ti、Zrは誘電率の高いペロブスカイト構造を持つ複合酸化物を形成しやすい。これらの第4族金属元素のアルコキシドとしては、任意のものを使用できるが、アルコキシ基の炭素数が15以下のものが望ましく、炭素数が8以下のものがさらに望ましい。代表的なものとしては、チタンアルコキシドを例にすると、チタンイソブトキシド(Ti(OC494)、チタンイソプロポキシド(Ti(OC374)、ジブトキシージトリエタノールーアミネートチタン、ジブトキシ−ジ(2−(ヒドロキシエチルアミノ)エトキシ)チタン(Ti(C49O)2・(N(C24OH)2(C24O))2)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、複合酸化物の組成は、MgTiO3、MgZrO3CaTiO 3 、CaZrO 3 、BaTiO 3 BaZrO3のいずれかをベースとするものであればよく、B,Si,P,S,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,V,Mn,Alなどの元素が含まれていてもよい。
第4族金属元素のアルコキシドを添加する工程(第1の工程)、または第2族金属元素を含む溶液を添加する工程(第2の工程)を、少なくとも1種の微量の希土類元素が存在する条件で実施したことを除いて、上記実施例1における「実施例の方法1」の方法と同じ方法で、複合酸化物被覆金属粉末を製造した。
そして、得られた複合酸化物被覆金属粉末を用いて上記実施例1の場合と同じ方法で導電性ペーストを作製し、さらにそれを用いて積層セラミックコンデンサを作製した。
次に、この積層セラミックコンデンサについて、実施例1の場合と同じ方法でカバレッジを調べた。その結果を表4A、Bの実施例4−1〜実施例4−17に示す。
Figure 0005747480
Figure 0005747480
表4に示すように、第1の工程または第2の工程を希土類元素の存在下に実施して、複合酸化物に希土類元素を導入した複合酸化物被覆金属粉末を用いることにより、結果として、内部導体のカバレッジがさらに高い積層セラミックコンデンサが得られることが確認された。
すなわち、この実施例4により、複合酸化物に希土類元素を導入した場合にも、金属粉末の表面が均一な複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を製造することが可能であること、かかる複合酸化物被覆金属粉末を導電成分として含む導電性ペーストを用いて内部導体を形成することにより、カバレッジの低下を抑制して、特性の良好な積層セラミックコンデンサ下が得られることが確認された。
なお、複合酸化物に希土類元素を含有させた場合に高カバレッジが得られるのは、希土類元素が存在することにより、複合酸化物の焼結温度が高くなり、焼結抑制効果が向上することによるものと考えられる。
また、積層セラミックコンデンサにおいては、特性を向上させるため、セラミック誘電体に希土類元素などの添加物を導入することが珍しくないが、焼成されることにより内部導体となる複合酸化物被覆金属粉末に含まれる複合酸化物の種類によっては、その成分が焼成工程でセラミック誘電体層に移動して、セラミック誘電体の組成にずれを生じさせ、製品の特性を劣化させる場合があるが、本発明では、複合酸化物被覆金属粉末を構成する複合酸化物に希土類元素を導入することができるため、焼成工程おける上述のような組成のずれが発生することを抑制して、特性の良好な積層セラミックコンデンサを得ることができる。
第4族金属元素のアルコキシドまたは第2族金属元素を含む化合物の添加量を変更して、両者の反応により生成する複合酸化物量を変えたことを除いて、上記実施例1における「実施例の方法1」の方法と同じ方法で、複合酸化物被覆金属粉末を製造した。
そして、得られた複合酸化物被覆金属粉末を用いて上記実施例1の場合と同じ方法で導電性ペーストを作製し、さらにそれを用いて積層セラミックコンデンサを作製した。
それから、この積層セラミックコンデンサについて、実施例1の場合と同じ方法でカバレッジを調べた。その結果を表5の実施例5−1〜実施例5−7に示す。
ただし、表5の実施例5−5は、複合酸化物の割合が7重量%で、上記実施例1の表1Aの実施例1−1のものと同じものである。
Figure 0005747480
表5に示すように、複合酸化物被覆金属粉末全体に占める複合酸化物の割合が0.01〜30重量%の範囲に場合に、焼結を確実に抑制して、内部導体のカバレッジの高い積層セラミックコンデンサが得られることが確認された。
金属粉末の粒子径を0.01μm〜1.0μmの範囲で変更したことを除いて、上記実施例1における「実施例の方法1」の方法と同じ方法で、表6Aにおける実施例6−1〜実施例6−5の複合酸化物被覆金属粉末を製造した。
そして、得られた複合酸化物被覆金属粉末を用いて上記実施例1の場合と同じ方法で導電性ペーストを作製し、さらにそれを用いて積層セラミックコンデンサを作製した。
それから、この積層セラミックコンデンサについて、実施例1の場合と同じ方法でカバレッジを調べた。その結果を表6Aの実施例6−1〜実施例6−5に示す。
Figure 0005747480
ただし、表6Aの実施例6−3は、粒子径が0.2μmの金属粉末を用いたものであり、上記実施例1の表1Aの実施例1−1のものと同じものである。
また、比較のため、粒子径が、表6Aにおける実施例6−1〜実施例6−5において用いられている金属粉末と同じで、複合酸化物により被覆されていない金属粉末を用いて、同じ条件で比較用の積層セラミックコンデンサを作製した。
この比較用の積層セラミックコンデンサについても、実施例1の場合と同じ方法でカバレッジを調べた。その結果を表6Bの比較例6−1〜比較例6−5に示す。
Figure 0005747480
上記の表6Aの、実施例6−1〜実施例6−5のデータから明らかなように、金属粉末の粒子径が、0.01〜1.0μmの範囲にある複合酸化物被覆金属粉末を用いた積層セラミックコンデンサにおいては、内部導体のカバレッジは高いことが確認された。
一方、粒子径が同じであっても、複合酸化物により被覆されていない金属粉末を用いた、表6Bの比較例6−1〜比較例6−5の場合、カバレッジは低いことが確認された。
金属粉末の金属種を変更したことを除いて、上記実施例1における「実施例の方法1」の方法と同じ方法で、表7Aにおける実施例7−1〜実施例7−4の複合酸化物被覆金属粉末を製造した。
そして、得られた複合酸化物被覆金属粉末を用いて上記実施例1の場合と同じ方法で導電性ペーストを作製し、さらにそれを用いて積層セラミックコンデンサを作製した。
それから、この積層セラミックコンデンサについて、実施例1の場合と同じ方法でカバレッジを調べた。その結果を表7Aの実施例7−1〜実施例7−4に示す。
Figure 0005747480
ただし、表7Aの実施例7−1は、粒子径が0.2μmのニッケル粉末を用いたものであり、上記実施例1の表1Aの実施例1−1のものと同じものである。
また、比較のため、金属粉末の金属種が、表7Aにおける実施例7−1〜実施例7−4の複合酸化物被覆金属粉末の場合と同じで、複合酸化物により被覆されていない金属粉末を用いて、同じ条件で比較用の積層セラミックコンデンサを作製した。
この比較用の積層セラミックコンデンサについても、実施例1の場合と同じ方法でカバレッジを調べた。その結果を表7Bの比較例7−1〜比較例7−4に示す。
Figure 0005747480
上記の表7Aの、実施例7−1〜実施例7−4のデータから明らかなように、金属種の異なる金属粉末を用いた場合にも、焼結が抑制され、高いカバレッジを確保できることが確認された。
一方、金属粉末の金属種が同じであっても、複合酸化物により被覆されていない金属粉末を用いた表7Bの比較7−1〜比較例7−5の場合、カバレッジが低いことが確認された。
第1の工程で用いる金属粉末スラリーの溶媒を変更したことを除いて、上記実施例1における「実施例の方法1」の方法と同じ方法で、表8A、Bにおける実施例8−1〜実施例8−10の複合酸化物被覆金属粉末を製造した。
そして、得られた複合酸化物被覆金属粉末を用いて上記実施例1の場合と同じ方法で導電性ペーストを作製し、さらにそれを用いて積層セラミックコンデンサを作製した。
それから、この積層セラミックコンデンサについて、実施例1の場合と同じ方法でカバレッジを調べた。その結果を表8の実施例8−1〜実施例8−10に示す。
Figure 0005747480
Figure 0005747480
ただし、表8Aの実施例8−1は、溶媒として2プロパノールを用いたものであり、上記実施例1の表1Aの実施例1−1のものと同じものである。
表8A、Bの、実施例8−1〜実施例8−10のデータから明らかなように、異なる溶媒を用いた場合にも、焼結が抑制され、高いカバレッジを確保できることが確認された。
なお、表には示していないが、複合酸化物により被覆されていない金属粉末を用いたことを除いて、この実施例8の場合と同じ条件で積層セラミックコンデンサを作製し、内部導体のカバレッジを調べたところ、カバレッジは向上しないことが確認された。
本発明の複合酸化物被覆金属粉末の製造方法により、上述の実施例を通して説明したような作用効果が奏されるメカニズムは、概ね以下のように説明される。
金属アルコキシドは、有機溶媒に溶解しやすい。金属アルコキシドから金属酸化物を形成させる反応には水が必要となる。そのため、本発明では反応に必要な水を添加している。しかし、添加された水が反応系内の溶媒に溶解しなければ、金属酸化物の生成反応が起こりにくく、金属粉末の表面に金属酸化物層を生成させることができない。その際に、アルコール系溶媒のように、両親媒性の溶媒であれば、水も金属アルコキシドも溶解するため、金属アルコキシドから金属酸化物を生成させる反応を確実に進行させることができる。
また、金属アルコキシドは、下記の反応式(1)で表される反応により、金属酸化物とアルコールを生成する。
M−(OR)4 + 2H2O ⇔ MO2 + 4ROH ……(1)
(M:金属 R:アルキル基)
上記の反応は微量の水の存在でも進行する。金属粉末スラリーに金属アルコキシドを添加する際に急激に、上記の反応がおきると、金属粒子の表面以外においても反応がおこり、不均一な金属酸化物層が形成され、カバレッジが低下することになる。しかし、ROHを有する成分が系内に存在することにより、平衡が左に傾くため、水の添加による反応の進行を制御することが可能になり、均一な金属酸化物層を形成することが可能になる。
したがって、本発明に用いる溶媒としては、ROHを有する種々の溶媒を用いることが望ましく、通常は、アルコール類またはポリオール類などが好適に用いられる。具体的には、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール系溶媒、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどのポリオール系の溶媒を用いることが望ましい。また、2種以上の溶媒を混合した混合溶媒を用いることも可能である。その場合、混合される溶媒のうち、少なくとも1種が、アルコール類またはポリオール類であればよく、他の溶媒は、アルコール類またはポリオール類に限らず他の種類のものを使用することが可能である。なお、混合溶媒を用いる場合、金属アルコキシドの反応抑制の見地からは、混合溶媒に占めるアルコールまたはポリオール類の比率は、高い方が望ましい。
なお、上記実施例では積層セラミック電子部品として、積層セラミックコンデンサを例にとって説明したが、本発明は積層セラミックコンデンサに限らず、積層LC複合部品など他の積層セラミック電子部品にも適用することが可能である。
本発明はさらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 金属粉末(ニッケル粉末)
2,2a 金属酸化物層
3,3a 被覆金属粉末
4,4a 複合酸化物
5,5a 複合酸化物被覆金属粉末
10 積層セラミック素子
11 セラミック層
12 内部導体層
13a,13b 外部電極

Claims (11)

  1. 有機溶媒に金属粉末を分散させたスラリーに、第4族金属元素としてZrおよびTiの少なくとも1種を含む金属アルコキシドを添加し、その後に純水を添加することにより、前記金属粉末の表面の少なくとも一部が第4族金属の酸化物で被覆された被覆金属粉末を得る第1の工程と、
    さらに、前記スラリーに、前記被覆金属粉末の被覆層を構成する前記金属酸化物と複合酸化物を形成する第2族金属元素としてMg、Ca、Baからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む化合物を添加し、前記金属粉末の表面を被覆する前記金属酸化物と反応させて複合酸化物を生成させることにより、前記金属粉末の表面が複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を得る第2の工程と
    を含むことを特徴とする複合酸化物被覆金属粉末の製造方法。
  2. 有機溶媒に金属粉末を分散させたスラリーに、第2族金属元素としてMg、Ca、Baからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む金属アルコキシドを添加し、その後に純水を添加することにより、前記金属粉末の表面の少なくとも一部が第2族金属の酸化物で被覆された被覆金属粉末を得る第1の工程と、
    さらに、前記スラリーに、前記被覆金属粉末の被覆層を構成する前記金属酸化物と複合酸化物を形成する第4族金属元素としてZrおよびTiの少なくとも1種を含む化合物を添加し、前記金属粉末の表面を被覆する前記金属酸化物と反応させて複合酸化物を生成させることにより、前記金属粉末の表面が複合酸化物により被覆された複合酸化物被覆金属粉末を得る第2の工程と
    を含むことを特徴とする複合酸化物被覆金属粉末の製造方法。
  3. 前記第2工程において、前記第2族金属元素または前記第4族金属元素を含む化合物を添加した後に、40℃以上に加熱することを特徴とする請求項1または2記載の複合酸化物被覆金属粉末の製造方法。
  4. 前記第1の工程および/または前記第2の工程を、希土類元素を共存させた状態で実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合酸化物被覆金属粉末の製造方法。
  5. 複合酸化物被覆金属粉末全体に占める前記複合酸化物の割合が0.01〜30重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合酸化物被覆金属粉末の製造方法。
  6. 前記金属粉末として平均粒径が0.01〜1.0μmの金属粉末を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の複合酸化物被覆金属粉末の製造方法。
  7. 前記金属粉末として、Ni、Ag、Cu、Pdからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む金属粉末を用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の複合酸化物被覆金属粉末の製造方法。
  8. 前記有機溶媒として20〜100重量%の範囲でアルコール類またはポリオール類を含む有機溶媒を用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の複合酸化物被覆金属粉末の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の方法で製造されたものであることを特徴とする複合酸化物被覆金属粉末。
  10. 請求項に記載の複合酸化物被覆金属粉末と、有機ビヒクルとを含有することを特徴とする導電性ペースト。
  11. 互いに積層された複数のセラミックス層と、前記セラミックス層間に設けられた、請求項10記載の導電性ペーストの焼結体からなる内部導体とを備えていることを特徴とする積層セラミック電子部品。
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