JP5741811B2 - 発光素子向け増反射透明膜用組成物、発光素子、および発光素子の製造方法 - Google Patents

発光素子向け増反射透明膜用組成物、発光素子、および発光素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発光素子向け増反射透明膜用組成物、この発光素子向け増反射透明膜用組成物により製造される発光素子、および発光素子の製造方法に関する。より詳しくは、発光層と、透光性基板と、増反射透明膜と、発光層からの発光を反射する反射膜とを、この順に備える発光層からの発光を効率よく反射するための増反射透明膜を備える発光素子、およびその製造方法に関する。
近年、発光素子、中でもLED光源は高輝度化等に伴い、様々な分野に利用されている。特に、白色LED光源が実現可能となったことにより、照明器具や液晶ディスプレイのバックライト等の用途に使用されている。
LED光源の輝度等をより高くするために、LED素子からの発光を効率よく利用することが検討されており、基板と、支持基板上に搭載されたLED素子と、蛍光剤を含む封止剤を備え、基板とLED素子の間に、LED素子の発光を反射するAgめっき電極膜を備え、Agめっき電極膜上にチタン薄膜を有するLED光源が開示されている(特許文献1)。
このLED光源は、基板とLED素子の間に、反射膜層を設けることにより、発光体からの光を効率的に反射させて発光強度を増加させている。ここで、Ag薄膜とチタン薄膜は、めっき法や真空成膜法により形成されている。
一般に、めっき法は、煩雑な工程や廃液の発生が予想され、真空成膜法は、大型の真空成膜装置を維持・運転するため多大なコストを必要としてする。上記LED光源は、Agめっき電極膜のみでは、熱劣化や光劣化が発生するため、チタン薄膜を必要とし、めっき法と真空成膜法の併用が、必要となっている。
また、基材上にLED素子を搭載し、ワイヤーボンディングした後、SiOコーティング膜を形成するLEDデバイスの製造方法が開示されている(特許文献2)。
しかしながら、このLEDデバイスの製造法においても、銀めっき膜を使用している。また、LED素子を搭載した後、SiOコーティング膜を形成するため、SiOコーティング溶液の塗布時に、LED素子が汚染され、歩留まりが低下するおそれがあり、ワイヤーボンディングをしてからSiOコーティング膜を形成するため、ワイヤーが倒れてしまうという問題がある。
本発明は、発光層と、透光性基板と、発光層からの発光を反射する反射膜とを、この順に備える発光層を対象とし、発光層と透光性基板との間に反射膜は存在しないが、Agめっき電極膜のみでは熱劣化や光劣化が発生するため、めっき法と真空成膜法の併用が、必要となる。
特開2009−231568号公報 特開2009−224536号公報
本発明は、上記課題を解決することを課題とする。本発明は、発光素子から放出された光を反射する反射膜の反射率を向上させることで、発光素子の発光効率を向上させることを目的とする。また、湿式塗工法を用いてこの反射膜の反射率の向上を図り、簡便な製造工程による低コストの発光素子を提供することを目的とする。
本発明は、以下に示す構成によって上記課題を解決した発光素子向け増反射透明膜用組成物、およびに発光素子に関する。
(1)発光層と、透光性基板と、増反射透明膜と、発光層からの発光を反射する反射膜とを、この順に備える発光素子向け増反射透明膜用組成物であって、増反射透明膜用組成物が、透光性バインダーを含むことを特徴とする、発光素子向け増反射透明膜用組成物。
(2)さらに、透明粒子を含む、上記(1)記載の発光素子向け増反射膜透明膜用組成物。
(3)発光層と、透光性基板と、増反射透明膜と、発光層からの発光を反射する反射膜とを、この順に備える発光素子であって、増反射透明膜が、透光性バインダーを含むことを特徴とする、発光素子。
(4)増反射膜用透明膜が2層からなり、透光性基板側の増反射膜用透明膜の屈折率が、反射膜側の増反射膜用透明膜の屈折率より低い、上記(3)記載の発光素子。
(5)さらに、反射膜が、増反射膜用透明膜の反対面に、バインダーを含む保護膜を備える、上記(3)または(4)記載の発光素子。
(6)増反射透明膜および/または反射膜が、湿式塗工法で製造される、上記(3)〜(5)のいずれか記載の発光素子。
また、本発明は、以下の発光素子の製造方法に関する。
(7)透光性基板上に、透光性バインダーを含む増反射透明膜用組成物を湿式塗工法により塗布した後、焼成または硬化することにより増反射透明膜を形成し、形成した増反射透明膜上に、金属ナノ粒子と添加物を含む反射膜用組成物を、湿式塗工法により塗布した後、焼成または硬化することにより反射膜を形成し、透光性基板の反射膜の反対面に発光層を形成することを特徴とする、発光素子の製造方法。
(8)反射膜を形成した後、発光層を形成する前に、さらに、反射膜上に、バインダーを含む保護膜用組成物を、湿式塗工法により塗布した後、焼成または硬化することにより保護膜を形成する、上記(7)記載の発光素子の製造方法。
本発明(1)によれば、発光素子から放出された光を反射する反射膜の反射率を高くし、発光素子の発光効率を高めることができる。この反射膜は、各種光源に利用可能であり、特に、LED光源に適している。また、本発明(1)の増反射透明膜用組成物は、湿式塗工することができるので、簡便な製造工程により低コストで、発光素子の発光効率を高めることができる。
本発明(3)によれば、発光効率が高い発光素子を提供することができる。また、本発明(4)によれば、より発光効率が高い発光素子を提供することが可能である。
本発明(7)によれば、発光効率の高い発光素子が、簡便に、低コストで得られる。
本発明の発光素子の一例を示す断面図である。 本発明の発光素子の好ましい一例を示す断面図である。 本発明の発光素子のより好ましい一例を示す断面図である。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。なお、%は特に示さない限り、また数値固有の場合を除いて質量%である。
〔発光素子向け反射膜用増反射透明膜用組成物〕
本発明の発光素子向け増反射透明膜用組成物(以下、増反射透明膜用組成物という)は、発光層と、透光性基板と、増反射透明膜と、発光層からの発光を反射する反射膜とを、この順に備える発光素子向け増反射透明膜用組成物であって、増反射透明膜用組成物が、透光性バインダーを含むことを特徴とする。
増反射透明膜用組成物は、透光性基板と、反射膜との間に、透光性バインダーを含む増反射透明膜を形成することができる。さらに、増反射透明膜用組成物を、高屈折率増反射透明膜用組成物と、低屈折率増反射透明膜用組成物の2種類を作製することにより、2層からなる増反射透明膜であって、透光性基板側の増反射膜用透明膜の屈折率が、反射膜側の増反射膜用透明膜の屈折率より高い増反射透明膜を製造することが可能となる。発光層と、発光層からの発光を反射する反射膜と、透光性基板とを、この順に備える発光素子については、後述する。
透光性バインダーは、加熱により硬化するポリマー型バインダーおよび/またはノンポリマー型バインダーを含むと、塗布後の硬化が容易であり、密着性の観点から好ましい。ポリマー型バインダーとしては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリウレタン、アクリルウレタン、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、セルロース、およびシロキサンポリマ等が挙げられる。また、ポリマー型バインダーは、アルミニウム、シリコン、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銀、銅、亜鉛、モリブデンおよび錫の金属石鹸、金属錯体、金属アルコキシドおよび金属アルコキシドの加水分解体からなる群より選択される少なくとも1種を含むと好ましい。
ノンポリマー型バインダーとしては、金属石鹸、金属錯体、金属アルコキシド、金属アルコキシドの加水分解物、アルコキシシラン、ハロシラン類、2−アルコキシエタノール、β−ジケトン、およびアルキルアセテートなどが挙げられる。また、金属石鹸、金属錯体、または金属アルコキシドに含まれる金属は、アルミニウム、シリコン、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銀、銅、亜鉛、モリブデン、錫、インジウムまたはアンチモンであると好ましく、シリコン、チタンのアルコキシド(例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、ブトキシランが、より好ましい。ハロシラン類としては、トリクロロシランが挙げられる。これらポリマー型バインダー、ノンポリマー型バインダーが、加熱により硬化することで、高い密着性を有する増反射透明膜の形成を可能とする。
金属アルコキシドを硬化させるときには、加水分解反応を開始させるための水分とともに、触媒として塩酸、硝酸、リン酸(HPO)、硫酸等の酸、または、アンモニア水、水酸化ナトリウム等のアルカリを含有させると好ましく、加熱硬化後に、触媒が揮発し易く、残存しにくい、ハロゲンが残留しない、耐水性に弱いP等が残存しない、硬化後の密着性等の観点から、硝酸がより好ましい。
透明粒子は、増反射透明膜の屈折率を制御することができるので、好ましい。透明粒子の屈折率については、後述する。透明粒子は、透光性、安定性、耐候性の観点から、酸化物微粒子であると好ましく、増反射透明膜に導電性が要求される場合には、透明導電性粒子が好ましい。透明導電性の酸化物粒子としては、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、ATO(Antimony Tin Oxide:アンチモンドープ酸化錫)の酸化錫粉末やAl、Co、Fe、In、Sn、およびTiからなる群より選ばれる少なくとも種の金属を含有する酸化亜鉛粉末等が好ましく、このうち、ITO、ATO、AZO(Aluminum Zinc Oxide:アルミドープ酸化亜鉛)、IZO(Indium Zinc Oxide:インジウムドープ酸化亜鉛)、TZO(Tin Zinc Oxide:スズドープ酸化亜鉛)が、より好ましい。また、透明導電性粒子の平均粒径は、分散媒中で安定性を保つため、10〜100nmの範囲内であることが好ましく、このうち、20〜60nmの範囲内であると、より好ましい。ここで、平均粒径は、QUANTACHROME AUTOSORB−1による比表面測定によるBET法または堀場製作所製LB−550による動的光散乱法で測定する。以下、特に記載がない場合には、平均粒径は、QUANTACHROME AUTOSORB−1による比表面測定によるBET法を用いて測定する。透明導電性粒子の形状は、球状、針状であると、分散性、導電性の観点から好ましい。
また、透光性バインダーは、使用する他の成分に応じてカップリング剤を加えるのが好ましい。透光性基板と増反射透明膜の密着性、および増反射透明膜と反射膜の密着性を向上し、さらに、透明粒子と透光性バインダーの密着性も向上するためである。カップリング剤としては、シランカップリング剤、アルミカップリング剤及びチタンカップリング剤などが挙げられる。
増反射透明膜用組成物は、成膜を良好にするために、分散媒を含むと好ましい。分散媒は、全ての分散媒100質量%に対して、1質量%以上、好ましくは2質量%以上の水と、2質量%以上、好ましくは3質量%以上の水と相溶する溶剤、例えば、アルコール類とを含有することが好適である。例えば、分散媒が水及びアルコール類のみからなる場合、水を2質量%含有するときはアルコール類を98質量%含有し、アルコール類を2質量%含有するときは水を98質量%含有する。さらに、分散媒、即ち金属ナノ粒子表面に化学修飾している保護分子は、水酸基(−OH)又はカルボニル基(−C=O)のいずれか一方又は双方を含有する。水の含有量は、全ての分散媒100質量%に対して、1質量%以上の範囲が好適である。これは、水の含有量が2質量%未満では、反射膜用組成物を湿式塗工法により塗工して得られた膜を低温で焼結し難くなるためである。さらに、焼成後の反射膜の反射率が低下してしまうからである。なお、水酸基(−OH)が銀ナノ粒子等の金属ナノ粒子を化学修飾する保護剤に含有されると、反射膜用組成物の分散安定性に優れ、塗膜の低温焼結にも効果的な作用がある。また、カルボニル基(−C=O)が銀ナノ粒子等の金属ナノ粒子を化学修飾する保護剤に含有されると、上記と同様に反射膜用組成物の分散安定性に優れ、塗膜の低温焼結にも効果的な作用がある。分散媒に用いる水と相溶する溶剤としては、アルコール類が好ましい。このうち、上記アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセロール、イソボニルヘキサノールおよびエリトリトールからなる群より選ばれる1種又は2種以上を用いると、より好ましい。
透光性バインダーの含有割合は、分散媒を除く、増反射透明膜用組成物:100質量部に対して、10〜90質量部であると好ましく、30〜80質量部であると、より好ましい。10質量部以上であれば、透光性基板や反射膜と接着力が良好であり、90質量部以下であると成膜時の膜ムラが生じにくい。また、バインダーとして、金属アルコキシドを、触媒として硝酸を用いる場合には、金属アルコキシド:100質量部に対して、硝酸が1〜10質量部であると、バインダーの硬化速度、硝酸の残存量の観点から好ましい。
透明粒子は、分散媒を除く増反射透明膜用組成物:100質量部に対して、10〜90質量部であると好ましく、20〜70質量部であると、より好ましい。10質量部以上であれば、増反射透明膜からの戻り光を反射膜側へ返す効果が期待できる、90質量部以下であると、増反射透明膜自体の強度、および増反射透明膜や封止材料膜との接着力を維持する。
分散媒は、増反射透明膜用組成物:100質量部に対して、50〜99質量部であると、塗工性の観点から好ましい。
カップリング剤を使用する場合には、分散媒を除く増反射透明膜用組成物:100質量部に対して、0.01〜5質量部であると好ましく、0.1〜2質量部であると、より好ましい。0.01質量部以上であれば、反射膜や封止材料膜との接着力向上や、著しい粒子分散性の向上効果が見られ、5質量部より多いと、膜ムラが生じやすい。
また、増反射透明膜用組成物は、使用する成分に応じて、低抵抗化剤や水溶性セルロース誘導体を加えることが好ましい。低抵抗化剤、水溶性セルロース誘導体についても、反射膜用組成物と同様である。
増反射透明膜用組成物は、本発明の本発明の目的を損なわない範囲で、さらに必要に応じ、酸化防止剤、レベリング剤、揺変剤、フィラー、応力緩和剤、その他の添加剤等を配合することができる
《高屈折率増反射透明膜用組成物》
高屈折率増反射透明膜用組成物には、上述の増反射透明膜用組成物を使用することができるが、以下、より屈折率が高い増反射透明膜用組成物の製造方法を説明する。
高屈折率増反射透明膜用組成物は、上記の透光性バインダーを含み、上記の透明導電性粒子、SiO(屈折率:1.54)、TiO(屈折率:2.7)、ZrO(屈折率:2)およびダイヤモンド(屈折率:2.4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の透明粒子を含むと好ましい。なお、透明導電性粒子の屈折率は、ITO、ATO、およびAl、Co、Fe、In、Sn、およびTiからなる群より選ばれる少なくとも種の金属を含有する酸化亜鉛のいずれも約2であり、透光性バインダーの屈折率は、約1.3〜1.6である。
透明導電性粒子は、分散媒を除く高屈折率増反射透明膜用組成物:100質量部に対して、10〜90質量部であると好ましく、20〜70質量部であると、より好ましい。10質量部以上であれば、増反射透明膜からの戻り光を増反射透明膜側へ返す効果が期待できる、90質量部以下であると、増反射透明膜自体の強度、および増反射透明膜用組成物が増反射透明膜や封止材料膜との接着力を維持する。
透明粒子は、屈折率調整の観点から、分散媒を除く高屈折率増反射透明膜用組成物:100質量部に対して、屈折率調整の観点から、10〜80質量部であると好ましい。
透光性バインダーの含有割合は、分散媒を除く高屈折率増反射透明膜用組成物:100質量部に対して、10〜90質量部であると好ましく、30〜80質量部であると、より好ましい。10質量部以上であれば、増反射透明膜と接着力が良好であり、90質量部以下であると成膜時の膜ムラが生じにくい。
《低屈折率増反射透明膜用組成物》
低屈折率増反射透明膜用組成物は、上記の透光性バインダー、透明導電性粒子を含み、さらに、シルセスキオキサン粒子(屈折率:1.15〜1.45)、およびフッ化マグネシウム粒子(屈折率:1.18〜1.38)からなる群より選ばれる少なくとも1種の透明粒子を含むと好ましい。低屈折透明粒子の平均粒径は、1〜50nmが好ましい。
低屈折率増反射透明膜用組成物は、導電性酸化物粒子と低屈折透明粒子の合計100質量部に対して、導電性酸化物粒子を98〜65質量部含み、好ましくは、95〜70質量部含む。上限値を越えると密着性が低下し、下限値未満では導電性が低下するからである。
導電性酸化物粒子と低屈折透明粒子の合計100質量部に対して、低屈折透明粒子を2〜35質量部含み、好ましくは5〜30質量部含む。下限値以下では、硬化後の増反射透明膜の屈折率を十分低くすることができず、上限値以上では、導電性が低下するからである。
透光性バインダーの含有割合は、分散媒を除く低屈折率増反射透明膜用組成物:100質量部に対して、5〜50質量部であると好ましく、10〜30質量部であると、より好ましい。
なお、高屈折率増反射透明膜用組成物や低屈折率増反射透明膜用組成物のいずれか一方のみを、上記の増反射透明膜用組成物として使用することもできる。
〔発光素子向け反射膜用組成物〕
発光素子向け反射膜用組成物(以下、反射膜用組成物という)は、金属ナノ粒子を含む。なお、反射膜は、発光素子の構造によっては電極の役割も要求される。
金属ナノ粒子は、焼成または硬化後の反射膜用組成物、すなわち反射膜に、発光層から放出された光の反射性を付与する。金属ナノ粒子としては、銀、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、銅、錫、インジウム、亜鉛、鉄、クロムおよびマンガンからなる群より選ばれる1種、または2種以上の混合組成又は合金組成が挙げられ、銀、金が、反射性、導電性の観点から好ましい。金属ナノ粒子の平均粒径は、10〜50nmであると好ましい。ここで、平均粒径は、QUANTACHROME AUTOSORB−1による比表面測定によるBET法を用いて測定する。金属ナノ粒子の形状は、球状、板状であると、分散性、反射性の観点から好ましい。
反射膜用組成物は、反射膜の密着性、反射性の観点から、好ましくは添加物を含む。添加物としては、有機高分子、金属酸化物、金属水酸化物、有機金属化合物、およびシリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むと、反射性、密着性の観点から、より好ましい。
添加物として使用する有機高分子としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンの共重合体、および水溶性セルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種であると、反射性の観点から好ましい。ポリビニルピロリドンの共重合体としては、PVP−メタクリレート共重合体、PVP−スチレン共重合体、PVP−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。また水溶性セルロースとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等のセルロースエーテルが挙げられる。
添加物として使用する金属酸化物としては、アルミニウム、シリコン、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銀、銅、亜鉛、モリブデン、錫、インジウム、およびアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む酸化物または複合酸化物が好適である。複合酸化物とは具体的には、上述したITO、ATO、IZO、AZO等が挙げられる。
添加物として使用する金属水酸化物としては、アルミニウム、シリコン、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銀、銅、亜鉛、モリブデン、錫、インジウム、およびアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む水酸化物が好適である。
添加物として使用する有機金属化合物としては、シリコン、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銀、銅、亜鉛、モリブデン、および錫からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む金属石鹸、金属錯体、金属アルコキシドまたは金属アルコキシドの加水分解物が好適である。例えば、金属石鹸は、酢酸クロム、ギ酸マンガン、クエン酸鉄、ギ酸コバルト、酢酸ニッケル、クエン酸銀、酢酸銅、クエン酸銅、酢酸錫、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、酢酸モリブデン等が挙げられる。また、金属錯体はアセチルアセトン亜鉛錯体、アセチルアセトンクロム錯体、アセチルアセトンニッケル錯体等が挙げられる。また金属アルコキシドはチタニウムイソプロポキシド、メチルシリケート、イソアナトプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
添加物として使用するシリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイルと変性シリコーンオイルの双方を用いることができる。変性シリコーンオイルは、さらにポリシロキサンの側鎖の一部に有機基を導入したもの(側鎖型)、ポリシロキサンの両末端に有機基を導入したもの(両末端型)、ポリシロキサンの両末端のうちのどちらか一方に有機基を導入したもの(片末端型)、およびポリシロキサンの側鎖の一部と両末端に有機基を導入したもの(側鎖両末端型)を用いることができる。変性シリコーンオイルには反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルとがあるが、その双方の種類ともに本発明の添加物として使用することができる。なお、反応性シリコーンオイルとは、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシ変性、カルビノール変性、メルカプト変性、および異種官能基変性(エポキシ基、アミノ基、ポリエーテル基)を示し、非反応性シリコーンオイルとは、ポリエーテル変性、メチルスチリル基変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、フッ素変性、および親水特殊変性を示す。
また、反射膜用組成物は、塗工性の観点から、分散媒を含有すると好ましい。使用する分散媒については、増反射透明膜用組成物と同様である。
金属ナノ粒子は、分散媒を除く反射膜用組成物:100質量部に対して、75質量部以上であると、反射性の観点から好ましく、80質量部以上であると、より好ましい。また、95質量部以下であると、反射膜の密着性の観点から好ましく、80質量部以上であると、より好ましい。なお、反射膜に導電性を付与したい場合には、反射膜:100質量部に対して、75質量部以上であると好ましく、80質量部以上であると、より好ましい。
分散媒は、反射膜用組成物:100質量部に対して、50〜95質量部であると、塗工性の観点から好ましい。
また、反射膜用組成物は、使用する成分に応じて、低抵抗化剤や水溶性セルロース誘導体を加えることが、好ましい。低抵抗化剤としては、コバルト、鉄、インジウム、ニッケル、鉛、錫、チタンおよび亜鉛の鉱酸塩及び有機酸塩からなる群より選ばれる1種または2種以上が、より好ましい。例えば、酢酸ニッケルと塩化第二鉄の混合物、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸錫と塩化アンチモンの混合物、硝酸インジウムと酢酸鉛の混合物、アセチル酢酸チタンとオクチル酸コバルトの混合物等が挙げられる。低抵抗化剤は、反射膜用組成物:100質量部に対して、0.2〜15質量部が好ましい。水溶性セルロース誘導体は、非イオン化界面活性剤であり、他の界面活性剤に比べて少量の添加でも透明導電性粒子を分散させる能力が極めて高く、また、水溶性セルロース誘導体の添加により、形成される増反射透明膜の透明性も向上する。水溶性セルロース誘導体としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。水溶性セルロース誘導体は、増反射透明膜用組成物:100質量部に対して、0.2〜5質量部が好ましい。
反射膜用組成物は、本発明の本発明の目的を損なわない範囲で、さらに必要に応じ、酸化防止剤、レベリング剤、揺変剤、フィラー、応力緩和剤、その他の添加剤等を配合することができる。
〔保護膜用組成物〕
発光素子向け保護膜用組成物(以下、保護膜用組成物という)は、バインダーを含む。保護膜用組成物は、保護膜を形成することができ、また、反射膜に空孔がある場合には、反射膜に浸透し、反射膜の空孔および/または反射膜と増反射透明膜との界面に、バインダーを含有させ、反射膜自体の強度や反射膜と増反射透明膜との密着強度を高くすることができる。
バインダーは、紫外線照射するか、もしくは加熱するか、または紫外線照射した後に加熱することにより硬化する、ポリマー型バインダーの有機系もしくは無機系ベース材料、またはノンポリマー型バインダーの無機系ベース材料のいずれか一方または双方を含むと好ましい。ポリマー型バインダーの有機系ベース材料は、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシアクリル系、セルロース系およびシロキサン系のポリマーからなる群より選ばれる1種または2種以上を含むことが好ましい。
アクリル系バインダーとしては、アクリル系モノマーに光重合開始剤を添加し、この混合物に紫外線(UV)を照射し、光重合させて得られるアクリル系ポリマーが用いられる。アクリル系モノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレートおよびテトラメチロールメタンテトラアクリレートからなる群より選ばれる1種または2種以上の単一モノマーまたは混合モノマーが挙げられる。これらのモノマーには、MIBK(メチルイソブチルケトン)、PGME(1−メトキシ−2−プロパノール)、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)等の溶剤を添加することが好ましい。ただし、上記モノマーを溶解できる一般有機溶剤であれば、エタノール、メタノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、NMP(N−メチルピロリドン)、アクリロニトリル、アセトニトリル、THF(テトラヒドロフラン)、酢酸エチル、MEK(メチルエチルケトン)、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、IPA(イソプロピルアルコール)、アセトン、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、ピペリジン、フェノール等を使用できる。また、光重合開始剤としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−〔4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル〕−2−メチル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられる。アクリル系モノマーは、上記の任意の溶剤で希釈し、塗工し易い粘度に調整し、使用することができる。光重合開始剤は、アクリル系モノマー100質量部に対して0.1〜30質量部添加される。これは、光重合開始剤の添加量が、アクリル系モノマー100質量%に対して、0.1質量部未満では硬化が不十分となり、30質量部を超えると硬化膜(保護膜)が変色したり、応力が残留して密着不良を起こしたりするからである。このように、アクリル系モノマーに溶剤及び光重合開始剤を添加し、撹拌して、得られた混合液を保護膜用組成物のベース液とする。なお、アクリル系モノマーに溶剤及び光重合開始剤を添加し、撹拌して得られた混合液が、均一にならない場合には、40℃程度まで加温してもよい。
エポキシ系バインダーとしては、エポキシ系樹脂に溶剤を添加して撹拌し、この混合液に、熱硬化剤を添加し、撹拌して得られた混合液を、加熱して得られるエポキシ系ポリマーが用いられる。エポキシ系樹脂としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、溶剤としては、BCA(ブチルカルビトールアセテート)、ECA(エチルカルビトールアセテート)、BC(ブチルカルビトール)等が挙げられる。ただし、上記エポキシ系樹脂を溶解できる一般有機溶剤であれば、エタノール、メタノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、PGME(1−メトキシ−2−プロパノール)、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、NMP(N−メチルピロリドン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、アクリロニトリル、アセトニトリル、THF(テトラヒドロフラン)、酢酸エチル、MEK(メチルエチルケトン)、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、IPA(イソプロピルアルコール)、アセトン、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、ピペリジン、フェノール等を使用できる。さらに、熱硬化剤としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール、フッ化ホウ素・モノエタノールアミン、 DICY(ジシアンジアミド)、ジエチルアミノプロピルアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ピペリジン、2,4,6−トリス−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−メチルイミダゾール、ヘキサヒドロ無水フタル酸、7,11−オクタデカンジエン−1,18−ジカルボヒドラジド等が挙げられる。エポキシ系樹脂は、上記の任意の溶剤で希釈し、塗工し易い粘度に調整し、使用することができる。熱硬化剤は、エポキシ系樹脂100質量部に対して0.5〜20質量部添加される。これは、熱硬化剤の添加量がエポキシ系樹脂100質量部に対して、0.5質量部未満では硬化が不十分となり、20質量部を超えると硬化物(保護膜)に大きな内部応力が発生して、密着性不良を起こすからである。このように、エポキシ系樹脂に溶剤及び熱硬化剤を添加し、撹拌して得られた混合液を、保護膜用組成物のベース液とする。なお、エポキシ系樹脂に溶剤を添加し、撹拌して得られた混合液が、均一にならない場合には、40℃ 程度まで加温してもよい。
セルロース系バインダーは、セルロース系ポリマーに溶剤を添加して撹拌し、この混合液にゼラチンを添加し、撹拌して得られた混合液を、加熱して得られる。セルロース系ポリマーとしては、水溶性セルロース誘導体であるヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロール、ヒドロキシエチルメチルセルロース等が挙げられる。また、溶剤としては、IPA(イソプロピルアルコール)、エタノール、メタノール、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、アセトン等が挙げられる。セルロース系ポリマーは、上記の任意の溶剤で希釈し、塗工し易い粘度に調整し、使用することができる。ゼラチンは、セルロール系ポリマー100質量部に対して0.1〜20質量部添加される。これは、ゼラチンの添加量が、セルロールス系ポリマー100質量部に対して、0.1質量部未満又は20質量部を超えると塗布に適した粘度が得られないからである。このように、セルロース系樹脂に溶剤及びゼラチンを添加し、撹拌して得られた混合液を、保護膜用組成物のベース液とする。なお、セルロース系ポリマーに溶剤及びゼラチンを添加し、30℃程度に加温して撹拌することにより、混合液が均一になる。
熱硬化性ウレタン樹脂を用いたウレタン系バインダーは、次のよう調製される。まず、トリメチロールプロパンまたはネオペンチルグリコール等の多価アルコール化合物に代表されるポリオール成分に、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンイソシアネート(MDI)等に代表される過剰量のポリイソシアネート化合物を反応させて、末端活性イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを得る。次に、この末端活性イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、メチルフェノールに代表されるようなフェノール系、β−ブチロラクタムに代表されるようなラクタム系、またはメチルエチルケトンオキシムに代表されるようなオキシム系等のブロック化剤を反応させる。溶剤としては、ケトン類、アルキルベンゼン類、セロソルブ類、エステル類、アルコール類等が用いられる。ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられ、アルキルベンゼン類の具体例としては、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。また、セロソルブ類の具体例としては、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等が挙げられ、エステル類の具体例としては、ブチルセロソルブアセテート、酢酸ブチル等が挙げられ、アルコール類の具体例としては、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。一方、熱硬化剤(反応剤)としては、ポリアミンが用いられる。ポリアミンの具体例としては、N−オクチル−N−アミノプロピル−N’−アミノプロピルプロピレンジアミン、N−ラウリル−N−アミノプロピル−N’−アミノプロピルプロピレンジアミン、N−ミリスチル−N−アミノプロピル−N’−アミノプロピルプロピレンジアミン、N−オクチル−N−アミノプロピル−N’,N’−ジ(アミノプロピル)プロピレンジアミン等が挙げられる。上記ポリオール成分とイソシアネート化合物とを反応させて得られた末端活性イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、ブロック剤によるブロック化を実施して、ブロックポリイソシアネートを作製した。このブロックポリイソシアネートの有するイソシアネート基に対するポリアミンの有するアミノ基の当量比は1前後(0.7〜1.1の範囲)となることが望ましい。これは、ブロックポリイソシアネートの有するイソシアネート基に対するポリアミンの有するアミノ基の当量比が0.7未満、または1.1を超えると、ブロックポリイソシアネートとポリアミンのどちらかが多くなって、反応不十分となるため、硬化不足となるからである。ウレタンポリマーは、上記の任意の溶剤で希釈し、塗工し易い粘度に調整し、使用することができる。
アクリルウレタン系バインダーとしては、ウレタンアクリレート系オリゴマーを含み、紫外線(UV)の照射により硬化する、紫光UV−3310Bまたは紫光UV−6100B(日本合成社製)や、EBECRYL4820またはEBECRYL284(ダイセル・サイテック社製)、U−4HAまたはUA−32P(新中村化学工業社製)等のアクリルウレタン系ポリマーが挙げられる。そして、必要に応じてアクリレート系にて用いる光重合開始剤(例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等)を添加することにより、硬化性を向上することができる。また、溶剤としては、ケトン類、アルキルベンゼン類、セロソルブ類、エステル類、アルコール類等が用いられる。ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられ、アルキルベンゼン類の具体例としては、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。セロソルブ類の具体例としては、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等が挙げられ、エステル類の具体例としては、ブチルセロソルブアセテート、酢酸ブチル等が挙げられ、アルコール類の具体例としては、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。光重合開始剤は、必要に応じて、アクリルウレタン系ポリマー100質量部に対して0.1〜30質量部の範囲内で添加される。これは、光重合開始剤の添加量が、0.1質量部未満では硬化が不十分となり、30質量部を超えると保護膜の内部応力が大きくなり、密着性不良となるからである。また、アクリルウレタン系モノマーは、上記の任意の溶剤で希釈し、塗工し易い粘度に調整し、使用することができる。
エポキシアクリル系バインダーとしては、エポキシアクリル系ポリマーが用いられる。エポキシアクリル系ポリマーとしては、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(例えば、新中村化学工業社製のNKオリゴEA−1020)や1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテルジアクリレート(例えば、新中村化学工業社製のNKオリゴEA−5521)等が挙げられる。また、日本ユピカ社製のネオポール8318やネオポール8355等を用いてもよい。溶剤としては、ケトン類、アルキルベンゼン類、セロソルブ類、エステル類、アルコール類等が用いられる。ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられ、アルキルベンゼン類の具体例としては、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。セロソルブ類の具体例としては、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等が挙げられる。エステル類の具体例としては、ブチルセロソルブアセテート、酢酸ブチル等が挙げられる。アルコール類の具体例としては、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。エポキシアクリル系ポリマーには、必要に応じて、熱硬化剤や光重合開始剤が添加される。そして、熱硬化剤や光重合開始剤により、加熱硬化、もしくはUV硬化するか、またはUV硬化後に加熱硬化する。また、エポキシアクリル系ポリマーは、上記の任意の溶剤で希釈し、塗工し易い粘度に調整し、使用することができる。
シロキサン系バインダーとしては、シロキサン系ポリマーが用いられる。シロキサン系ポリマーとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルハイドロゲンシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等が挙げられる。また、ここで示すシロキサン系ポリマーとしては、ストレートシリコーンオイルおよび変性シリコーンオイルの双方を用いることができる。変性シリコーンオイルとしては、更にポリシロキサンの側鎖の一部に有機基を導入したもの(側鎖型)、ポリシロキサンの両末端に有機基を導入したもの(両末端型)、ポリシロキサンの両末端のうちのどちらか一方に有機基を導入したもの(片末端型)、ポリシロキサンの側鎖の一部と両末端に有機基を導入したもの(側鎖両末端型)等を用いることができる。変性シリコーンオイルには、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルとがあるが、その双方を使用することができる。なお、反応性シリコーンオイルとは、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシ変性、カルビノール変性、メルカプト変性、または異種官能基変性(エポキシ基、アミノ基、ポリエーテル基)を示し、非反応性シリコーンオイルとは、ポリエーテル変性、メチルスチリル基変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、フッ素変性、または親水特殊変性を示す。また、溶剤としては、ケトン類、アルキルベンゼン類、セロソルブ類、エステル類、アルコール類等が用いられる。ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。アルキルベンゼン類の具体例としては、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。またセロソルブ類の具体例としては、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等が挙げられる。エステル類の具体例としては、ブチルセロソルブアセテート、酢酸ブチル等が挙げられる。アルコール類の具体例としては、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。シロキサン系ポリマーには、必要に応じて、熱硬化剤や光重合開始剤を添加することが可能であるが、熱硬化剤を加えなくても膜が硬化する場合には、熱硬化剤は不要である。また、シロキサン系ポリマーは、上記の任意の溶剤で希釈し、塗工し易い粘度に調整し、使用することができる。
ポリマー型バインダーの無機系ベース材料は、金属石鹸、金属錯体、金属アルコキシドおよび金属アルコキシドの加水分解体からなる群より選ばれる1種または2種以上を含むことが好ましい。これらのポリマー型バインダーの無機系ベース材料は、加熱により有機系から無機系のベース材料に変わるものである。すなわち、焼成により無機系ベース材料の性質を有する膜が形成できる。そして、上記金属石鹸、金属錯体、金属アルコキシドまたは金属アルコキシドの加水分解体に含まれる金属は、アルミニウム、シリコン、チタン、ジルコニウムおよび錫からなる群より選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。上記金属石鹸としては、酢酸クロム、ギ酸マンガン、クエン酸鉄、ギ酸コバルト、酢酸ニッケル、クエン酸銀、酢酸銅、クエン酸銅、酢酸錫、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、酢酸モリブデン等が挙げられる。金属錯体としては、アセチルアセトン亜鉛錯体、アセチルアセトンクロム錯体、アセチルアセトンニッケル錯体等が挙げられる。金属アルコキシドとしては、チタニウムイソプロポキシド、メチルシリケート、イソアナトプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
一方、ノンポリマー型バインダーの無機系ベース材料としては、SiO結合剤が挙げられる。このSiO結合剤は、次に示す一例のように作製される。まず、攪拌しながらHClを純水に溶解して、HCL水溶液を調製する。次に、テトラエトキシシランとエチルアルコールとを混合して、この混合液に、上記HCl水溶液を加えた後に、加熱して反応させる。これにより、SiO結合剤が作製される。また、ノンポリマー型バインダーは、金属石鹸、金属錯体、金属アルコキシド、金属アルコキシドの加水分解体、ハロシラン類、2−アルコキシエタノール、β−ジケトンおよびアルキルアセテートからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましい。この金属アルコキシドの加水分解体には、ゾルゲルが含まれる。そして、上記金属石鹸、金属錯体、金属アルコキシドまたは金属アルコキシドの加水分解体に含まれる金属は、アルミニウム、シリコン、チタン、ジルコニウムおよび錫からなる群より選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。金属石鹸としては、酢酸クロム、ギ酸マンガン、クエン酸鉄、ギ酸コバルト、酢酸ニッケル、クエン酸銀、酢酸銅、クエン酸銅、酢酸錫、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、酢酸モリブデン等が挙げられ、金属錯体としては、アセチルアセトン亜鉛錯体、アセチルアセトンクロム錯体、アセチルアセトンニッケル錯体等が挙げられ、金属アルコキシドとしては、チタニウムイソプロポキシド、メチルシリケート、イソアナトプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。ハロシラン類としては、クロロシラン、ブロモシラン、フルオロシラン等が挙げられる。 2−アルコキシエタノールとしては、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等が挙げられる。β−ジケトンとしては、2,4−ペンタンジオン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン等が挙げられる。アルキルアセテートとしては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
また、保護膜用組成物は、シランカップリング剤、アルミカップリング剤及びチタンカップリング剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含み得る。保護膜用組成物が、シランカップリング剤、アルミカップリング剤等を含むことにより、保護膜の反射膜に対する密着性を更に向上することができる。このため、多数個の発光素子を1枚の基体上に形成した後、ダイシングにより反射膜側から透光性基板に分割溝を形成し、各発光素子に分割する工程を用いるとき、保護膜が反射膜から剥がれることを抑制することができる。
また、保護膜用組成物は、コロイダルシリカ、フュームドシリカ粒子、シリカ粒子、マイカ粒子およびスメクタイト粒子からなる群より選ばれる1種または2種以上の金属酸化物微粒子または扁平粒子を含み得る。コロイダルシリカは、SiOまたはその水和物のコロイドであり、平均粒径が1〜100nm、好ましくは5〜50nmであって一定の構造を持たないものである。フュームドシリカ粒子は、ケイ素塩化物を気化し、高温の炎中において気相状態で酸化されて生成され、平均粒径は1〜50nm、好ましくは5〜30nmである。シリカ粒子は、平均粒径が1〜100nm、好ましくは5〜50nmの粒子である。マイカ粒子は、合成法で製造された平均粒径が10〜50000nmの粒子、好ましくは平均直径が1〜20μmで、かつ平均厚さが10〜100nmの扁平粒子である。スメクタイト粒子は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとるイオン交換性層状ケイ酸塩化合物の一種であり、平均粒径が10〜100000nmの粒子、好ましくは平均直径が1〜20μmで、かつ平均厚さが10〜100nmの扁平粒子である。保護膜用組成物が、コロイダルシリカ、フュームドシリカ粒子等を含むことにより、保護膜の硬さを更に厚くすることができる。このため、ダイシングにより分離溝を形成した後に、この分離溝に残ったバリやカスをエアナイフ等で除去しても、保護膜の耐摩耗性及び耐衝撃性が良好であるため、保護膜の分離溝におけるエッジ部が欠けることはない。これらの添加量は、保護膜用組成物100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.2〜20質量部が、より好ましい。0.1質量部未満では効果が得られにくく、一方、30質量部を超えると密着性が低下しやすい。なお、本発明において各粒子及び各微粒子の平均粒径は、次のように測定する。レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、型番:LA−950)にて測定し、粒子径基準を個数として演算した50%平均粒子径(D50)をいう。このレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置による個数基準平均粒径の値は、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、型番:S−4300SEおよびS−900)により観察した画像において、任意の50個の粒子について粒径を実測したときの平均粒径とほぼ一致する。また、上述の扁平粒子の平均直径および平均厚さや、後述する各扁平微粒子の平均直径および平均厚さも上記と同様にして測定する。
なお、コロイダルシリカの平均粒径を1〜100nmの範囲に限定したのは、1nm未満ではコロイダルが不安定で凝集し易く、100nmを超えると粒径が大きく分散液とならないからである。また、フュームドシリカ粒子、シリカ粒子、マイカ粒子、スメクタイト粒子のサイズを上記範囲に限定したのは、入手可能な粒子サイズであるか、または下層の膜(反射膜)の厚さに比べて大きくならないサイズ範囲とするためである。
さらに、保護膜用組成物は、金、白金、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、銅、錫、インジウム、亜鉛、鉄、クロム、マンガンおよびアルミニウムからなる群より選ばれる1種または2種以上の金属、あるいはこれらの金属酸化物を含有する微粒子又は扁平微粒子を含むことができる。これらの微粒子の平均粒径は1〜50000nm、好ましくは100〜5000nmの範囲に設定される。扁平微粒子の平均直径は1〜50000nmであることが好ましく、扁平微粒子の平均厚さは100〜20000nmであることが好ましい。保護膜用組成物が、金、白金等の微粒子又は扁平微粒子を含むことにより、保護膜に更に柔軟性を付与できる。このため、ダイシングによる分離溝の形成時に、保護膜に応力が発生しても、保護膜の持つ延性および展性により応力を緩和することができる。ここで、金属の微粒子のサイズを上記範囲に限定したのは、得られる微粒子のサイズが限定されているためであり、金属の扁平微粒子のサイズを上記範囲に限定したのは、反射膜の厚さを越えないサイズ範囲とするためである。これらの微粒子または扁平微粒子の添加量は、0.1〜30質量部が好ましく、0.2〜20質量部が、より好ましい。これは、0.1質量部未満では効果が得られにくく、一方、30質量部を超えると密着性が低下しやすいためである。また、金属または金属酸化物の微粒子または扁平微粒子中における含有量は、70質量%以上、好ましくは80〜100質量%の範囲に設定される。これは、70質量%未満では保護膜の加工性が低下してしまうからである。
保護膜用組成物は、本発明の本発明の目的を損なわない範囲で、さらに必要に応じ、酸化防止剤、レベリング剤、揺変剤、応力緩和剤、その他の添加剤等を配合することができる。
〔発光素子〕
本発明の発光素子は、発光層と、透光性基板と、増反射透明膜と、発光層からの発光を反射する反射膜とを、この順に備える発光素子であって、増反射透明膜が、透光性バインダーを含むことを特徴とする。
図1に、発光素子の一例の断面図を示す。発光素子1は、発光層40と、透光性基板30と、増反射透明膜20,反射膜10の順に備える。通常、発光層40は、接着層50で、支持基板に接合され、発光層30に所望の配線をした後、封止材50で封止される。
図2に、発光素子の好ましい一例を示す断面図を示す。発光素子1は、発光層41、基板31、増反射透明膜21、反射膜11、保護膜81の順に備えると、保護膜81により、反射膜11のより耐熱性や耐食性を高くすることができ、さらに、ダイシング工程での基板31からの反射膜11の剥離を抑制できるため、好ましい。なお、保護膜81は、バインダーを含むと湿式塗工法で製造することができるので、より好ましいが、真空成膜法等で製造しても反射膜11の耐熱性や耐食性を向上させることが可能である。
図3に、発光素子のより好ましい一例を示す断面図を示す。発光素子3は、導電性透光性基板32と反射膜の12の間に、増反射透明膜22を備え、増反射透明膜22は2層からなり、透光性基板32側に低屈折率増反射透明膜222、反射膜12側に高屈折率増反射透明膜221を備える。増反射透明膜22を2層構造にすることにより、反射膜12による反射光を増加させることができる。なお、増反射透明膜22を、透光性基板32側から、低屈折率増反射透明膜、高屈折率増反射透明膜、低屈折率増反射透明膜、高屈折率増反射透明膜、・・・の順で、多層化することにより、反射膜12による反射光を、より増加させることができる。なお、上述のように、発光素子は、保護膜82を備えると好ましい。
以下、増反射透明膜、反射膜、保護膜、密着層の順に説明する。
〔増反射透明膜〕
増反射透明膜が、透光性基板と、反射膜との間に形成されると、発光素子から放出された光を反射する反射膜の反射率を高くし、発光素子の発光効率を高めることができる。増反射透明膜中の透光性バインダーは、上述のとおりであり、好ましくは、透明粒子、カップリング剤等を含む。
増反射透明膜は、本発明の本発明の目的を損なわない範囲で、さらに必要に応じ、フィラー、応力緩和剤、その他の添加剤等を配合することができる。
増反射透明膜の厚さは、0.01〜0.5μmであると、密着性の観点から好ましく、0.02〜0.1μmであるとより好ましい。増反射透明膜の厚さが0.01μm未満、又は0.5μmを越えると、反射防止効果が十分に得られないからである。
また、増反射透明膜が2層からなり、透光性基板側の増反射透明膜(低屈折率増反射透明膜)の屈折率が、反射膜側の増反射透明膜(高屈折率増反射透明膜)の屈折率より低いと、反射膜による反射光を増加させることは、上述のとおりである。
《反射膜》
反射膜は、基体を通過した発光層の光を反射する。反射膜は、金属ナノ粒子を含み、さらに添加物を含むと好ましい。金属ナノ粒子、添加物は、上述のとおりである。
添加物の含有割合は、増反射透明膜:100質量部に対して、0.1〜25質量部であると好ましく、0.2〜10質量部であると、より好ましい。0.1質量部以上であれば、増反射透明膜と接着力が良好であり、25質量部以下であると成膜時の膜ムラが生じにくい。
反射膜の厚さは、反射性、導電性の観点から、0.05〜1.0μmであると好ましく、0.1〜0.5μmであると、より好ましい。
反射膜の透光性基板側の面に存在する気孔が、平均直径が100nm以下で、平均深さが100nm以下で、数密度が30個/μmであると、波長:380〜780nmの範囲において、理論反射率の80%以上の高い拡散反射率を達成でき、好ましい。一般に、反射スペクトルは長波長側で反射率が高く、短波長側で低い項目を示す。気孔の平均直径が100nmを越えると、反射率が低下しはじめる変曲点が、より長波長側へシフトし、良好な反射率が得られなくなるため、平均直径は100nm以下であると好ましい。また、気孔の平均深さが100nmを越えると、反射スペクトルの勾配(傾き)が大きくなり、良好な反射率が得られないため、気孔の平均深さは、100nm以下であると好ましい。気孔の数密度が30個/μmを越えると、長波長側の反射率が低下し、良好な反射率が得られないため、気孔の数密度は30個/μm以下であると好ましい。
《保護膜》
保護膜は、反射膜の耐熱性および耐食性を高くし、さらに、透光性基板と反射膜の密着性も高くし、発光素子の製造工程でダイシングを使用するときの反射膜の剥離を抑制する。保護膜は、バインダーを含み、バインダーは上述のとおりである。
保護膜の厚さは、耐熱性、耐食性の観点から、0.01〜0.5μmであると好ましく、0.01〜0.2μmであると、より好ましい。
《密着層》
密着層は、導電性反射膜と基材の間の密着性を向上させる。密着層の材質は、シランカップリング剤等が挙げられ、密着層の厚さは、0.005〜0.5μmであると好ましく、0.01〜0.3μmであると、より好ましい。密着層の厚さが、0.005μm以上であれば、密着力が十分であり、0.5μm以下であれば、経時変化が少ないためである。
〔発光素子の製造方法〕
本発明の発光素子の製造方法は、透光性基板上に、透光性バインダーを含む増反射透明膜用組成物を湿式塗工法により塗布した後、焼成または硬化することにより増反射透明膜を形成し、形成した増反射透明膜上に、金属ナノ粒子と添加物を含む反射膜用組成物を、湿式塗工法により塗布した後、焼成または硬化することにより反射膜を形成し、透光性基板の反射膜の反対面に発光層を形成することを特徴とする。ここで、増反射透明膜を、低屈折率増反射透明膜、高屈折率増反射透明膜の2層以上で構成する場合には、透光性基板上に、低屈折率増反射透明膜用組成物、高屈折率増反射透明膜用組成物の順に塗布すればよい。
また、反射膜を形成した後、発光層を形成する前に、さらに、反射膜上に、バインダーを含む保護膜用組成物を、湿式塗工法により塗布した後、焼成または硬化することにより保護膜を形成すると、反射膜の耐熱性および耐食性を高くし、発光素子の製造工程でダイシングを使用するときの反射膜の剥離を抑制することができ、好ましい。
まず、透光性基板上に、透光性バインダーを含む増反射透明膜用組成物を湿式塗工法により塗布する。ここでの塗布は、焼成後の厚さが、好ましくは0.01〜0.5μm、より好ましくは、0.02〜0.1μmとなるようにする。続いて、この塗膜を、温度120〜350℃、好ましくは150〜250℃で、5〜60分間、好ましくは15〜40分間乾燥する。このようにして増反射透明膜を形成する。
透光性基板は、発光層を形成できるものであれば、特に限定されないが、透光性、放熱性の観点からサファイア基板が好ましい。
増反射透明膜用組成物は、所望の成分を、常法により、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドミル、セントリミル、三本ロール等によって混合し、透光性バインダー、場合により透明粒子等を分散させ、作製することができる。無論、通常の攪拌操作によって製造こともできる。なお、透明粒子を除く成分を混合した後、別途予め分散させた透明粒子を含む分散媒と混合すると、均質な増反射透明膜用組成物を得やすい観点から好ましい。
湿式塗工法は、スプレーコーティング法、ディスペンサーコーティング法、スピンコーティング法、ナイフコーティング法、スリットコーティング法、インクジェットコーティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、またはダイコーティング法のいずれかであることが好ましいが、これに限られるものではなく、あらゆる方法を利用できる。
スプレーコーティング法は、増反射透明膜用組成物を圧縮エアにより霧状にして透光性基板に塗布する、または分散体自体を加圧し霧状にして透光性基板に塗布する方法であり、ディスペンサーコーティング法は、例えば、増反射透明膜用組成物を注射器に入れ、この注射器のピストンを押すことにより注射器先端の微細ノズルから分散体を吐出させて、透光性基板に塗布する方法である。スピンコーティング法は、増反射透明膜用組成物を回転している透光性基板上に滴下し、この滴下した増反射透明膜用組成物を、その遠心力により透光性基板周縁に拡げる方法であり、ナイフコーティング法は、ナイフの先端と所定の隙間をあけた透光性基板を水平方向に移動可能に設け、このナイフより上流側の透光性基板上に増反射透明膜用組成物を供給して、透光性基板を下流側に向って水平移動させる方法である。スリットコーティング法は、増反射透明膜用組成物を狭いスリットから流出させて透光性基板上に塗布する方法であり、インクジェットコーティング法は、市販のインクジェットプリンタのインクカートリッジに増反射透明膜用組成物を充填し、透光性基板上にインクジェット印刷する方法である。スクリーン印刷法は、パターン指示材として紗を用い、その上に作られた版画像を通して増反射透明膜用組成物を透光性基板に転移させる方法である。オフセット印刷法は、版に付けた増反射透明膜用組成物を、直接透光性基板に付着させず、版から一度ゴムシートに転写させ、ゴムシートから改めて透光性基板に転移させる、増反射透明膜用組成物の撥水性を利用した印刷方法である。ダイコーティング法は、ダイ内に供給された増反射透明膜用組成物を、マニホールドで分配させてスリットより薄膜上に押し出し、走行する透光性基板の表面を塗工する方法である。ダイコーティング法には、スロットコート方式やスライドコート方式、カーテンコート方式がある。
最後に、増反射透明膜塗膜を有する透光性基板を、大気中または窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で、好ましくは130〜250℃、より好ましくは180〜220℃の温度で、5〜60分間、好ましくは15〜40分間保持して焼成する。なお、バインダーが加水分解等で反応する場合には、より低温で硬化させることができる。
塗膜を有する透光性基板の焼成温度を130〜250℃の範囲としたのは、130℃未満では、反射膜において、硬化不足の不具合が生じるからである。また、250℃を越えると、低温プロセスという生産上のメリットを生かせない、すなわち、製造コストが増大し、生産性が低下してしまう。また、発光層が予め透光性基板に形成搭載されている場合、発光層は、比較的熱に弱く、焼成工程によって発光効率が低下するからである。
塗膜を有する透光性基板の焼成時間を5〜60分間の範囲としたのは、焼成時間が下限値未満では、反射膜においてバインダー焼成が十分でない不具合が生じるからである。焼成時間が上限値を越えると、必要以上に製造コストが増大して生産性が低下してしまい、また、発光層が予め透光性基板に形成されている場合、発光層の発光効率が低下する不具合を生じるためである。
反射膜用組成物の作製方法、湿式塗工法、焼成または硬化方法については、増反射透明膜用組成物の場合とほぼ同様であるが、反射膜用組成物の場合には、焼成後の厚さが、好ましくは0.05〜1.0μm、より好ましくは0.1〜0.5μmとなるようにする。
透光性基板の反射膜の反対面に、発光層を形成する方法は、特に限定されず、公知の有機気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相成長法(HVPE)、分子線エピタキシャル成長法(MBE)等の方法でよい。
以上により、本発明の製造方法は、湿式塗工法を使用することにより、真空蒸着法やスパッタ法などの真空プロセスを可能な限り排除できるため、より安価に増反射透明膜を製造でき、本発明の発光効率の高い発光素子を、簡便に低コストで製造することができる。
また、反射膜を形成した後、発光層を形成する前に、さらに、反射膜上に、バインダーを含む保護膜用組成物を、湿式塗工法により塗布した後、焼成または硬化することにより保護膜を形成すると、発光素子の耐熱性や耐食性を、より高くすることができ、さらに、透光性基板と発光層の密着性が高くなり、発光素子の製造工程でダイシングを使用するときの反射膜の剥離を抑制することができるので、好ましい。
保護膜のバインダーは、上述のとおりであり、保護膜用組成物の製造方法、湿式塗工法は、反射膜用組成物と同様であるが、保護膜用組成物の場合には、焼成後の厚さが、好ましくは0.01〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.2μmとなるようにする。なお、保護膜用組成物のバインダーの種類により、硬化のための加熱方法や紫外線照射方法は、適宜選択すればよい。
なお、保護膜用組成物のベース液に、上記必要な粒子、微粒子、扁平微粒子などの添加剤を添加して、これらの添加剤をベース液に分散させる方法としては、ディスパー攪拌等の羽攪拌による分散や、遊星攪拌または3本ロールミル等のせん断分散や、ビーズミルまたはペイントシェーカーを含むビーズを用いた分散等が挙げられる。また、添加剤をベース液中の溶剤成分に予め上記のような方法にて分散しておいたものを混合する方法を採用しても構わない。さらに、添加剤自体が既に適当な溶媒により分散された分散液になっている場合は、上記のような方法以外に超音波ホモジナイザーや超音波振動による液混合方法を用いることができる。
以上のように、湿式塗工法を使用することにより、より安価に増反射透明膜を製造でき、より発光効率の高い発光素子を、簡便な製造工程により低コストで製造することができる。
以下に、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔シルセスキオキサン含有増反射透明膜用組成物の作製〕
50cmのガラス製の4つ口フラスコを用い、140gのトリメチルメトキシシランと、140gのメチルアルコールを加え、攪拌しながら、1.7gの60%硝酸を120gの純水に溶解した溶液を、一度に加え、その後50℃で3時間反応させることにより、平均粒径:10nmのシルセスキオキサン球状粒子を製造した。
シルセスキオキサン球状粒子:5g、SiO結合剤:10g、エタノール:85gを、100cmのガラス瓶中に入れ、直径:0.3mmのジルコニアビーズ(ミクロハイカ、昭和シェル石油製):100gを用いて、ペイントシェーカーで6時間分散することにより、シルセスキオキサン含有増反射透明膜用組成物(表1に、シルセスキオキサンと記載)を作製した。
〔SiO結合剤の作製〕
50cmのガラス製の4つ口フラスコを用い、140gのテトラエトキシシランと、140gのエチルアルコールを加え、攪拌しながら、1.7gの60%硝酸を120gの純水に溶解した溶液を一度に加え、その後50℃で3時間反応させることにより、SiO結合剤を製造した。
〔SiO結合剤および酸化物粒子含有増反射透明膜用組成物の作製〕
上記により作製したSiO結合剤:10gと、平均粒径:25nmのITO粒子:3gと、エタノール:87gを、100cmのガラス瓶中に入れ、直径:0.3mmのジルコニアビーズ(ミクロハイカ、昭和シェル石油製):100gを用いて、ペイントシェーカーで6時間分散することにより、SiO結合剤およびITO粒子含有増反射透明膜用組成物(表1に、SiO結合剤+ITOと記載)を作製した。
SiO結合剤およびITO粒子含有増反射透明膜用組成物と同様にして、他の酸化物粒子含有増反射透明膜用組成物を作製した。ここで、ZnO粒子は平均粒径:20nmのものを、SiO粒子は平均粒径:10nmのものを、ZrO粒子は平均粒径:30nmのものを、TiO粒子は平均粒径:20nmのものを、ATO粒子は平均粒径:40nmのものを使用した。
〔銀ナノ粒子含有反射膜用組成物の作製〕
硝酸銀を脱イオン水に溶解して、金属塩水溶液を調製した。また、クエン酸ナトリウムを脱イオン水に溶解して、濃度が26質量%のクエン酸ナトリウム水溶液を調製した。このクエン酸ナトリウム水溶液に、35℃に保持された窒素ガス気流中で、粒状の硫酸第1鉄を直接加えて溶解させ、クエン酸イオンと第一鉄イオンを3:2のモル比で含有する還元剤水溶液を調製した。
次に、上記窒素ガス気流を35℃に保持しながら、還元剤水溶液中に、マグネチックスターラーの攪拌子を入れ、攪拌子の回転速度:100rpmで攪拌しながら、この還元剤水溶液に、上記金属塩水溶液を滴下して、混合した。ここで、還元剤水溶液への金属塩水溶液の添加量は、還元剤水溶液の量の1/10以下になるように、各溶液の濃度を調整して、室温の金属塩水溶液を滴下しても反応温度が40℃に保持されるようにした。また、還元剤水溶液と金属塩水溶液との混合比は、金属塩水溶液中の金属イオンの総原子価数に対する、還元剤水溶液のクエン酸イオンと第一鉄イオンとのモル比が、いずれも3倍モルとなるようにした。還元剤水溶液への金属塩水溶液の滴下が終了した後、さらに、混合液の攪拌を15分間続けることにより、混合液内部に銀ナノ粒子を生じさせ、銀ナノ粒子が分散した銀ナノ粒子分散液を得た。銀ナノ粒子分散液のpHは5.5であり、分散液中の銀ナノ粒子の化学量論的生成量は5g/リットルであった。
得られた銀ナノ粒子分散液を、室温で放置することにより、分散液中の銀ナノ粒子を沈降させ、沈降した銀ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。分離した銀ナノ粒子凝集物に、脱イオン水を加えて分散体とし、限外濾過により脱塩処理した後、さらにメタノールで置換洗浄して、金属(銀)の含有量を50質量%にした。その後、遠心分離機を用い、この遠心分離機の遠心力を調整して、粒径が100nmを越える比較的大きな銀粒子を分離することにより、一次粒径10〜50nmの範囲内の銀ナノ粒子を数平均で71%含有するように調整した。即ち、数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの範囲内の銀ナノ粒子の占める割合が71%になるように調整し、銀ナノ粒子分散液を得た。得られた銀ナノ粒子は、クエン酸ナトリウムの保護剤が化学修飾されていた。
次に、得られた金属ナノ粒子:10質量部を水、エタノール及びメタノールを含む混合溶液:90質量部に添加混合することにより分散させ、銀ナノ粒子含有反射膜組成物を作製した。なお、反射膜用組成物を構成する金属ナノ粒子は、75質量%以上の金属ナノ粒子を含有している。
〔銀ナノ粒子および添加剤含有反射膜用組成物の作製〕
銀ナノ粒子分散液を作製後、得られた金属ナノ粒子:10質量部を水、エタノール及びメタノールを含む混合溶液:90質量部に添加混合することにより分散させ、この分散液に、ポリビニルピロリドン(PVP、分子量:360,000)、金属ナノ粒子:96質量部、PVP:4質量部の割合となるように加えて、銀ナノ粒子およびPVP含有反射膜用組成物を作製した。
銀ナノ粒子およびPVP含有反射膜用組成物と同様にして、他の添加物含有反射膜用組成物を作製した。ここで、SiO粒子、ITO粒子、ATO粒子、TiO粒子は上記の平均粒径のものを、Al粒子は平均粒径:50nmのものを使用し、それぞれを、PVP:1質量部に対して、29質量部加えた。また、実施例5〜8、10では、PVP:SiO粒子等の質量比が3:2になるようにした。
〔保護膜用組成物の作製〕
アクリル系にはネオペンチルグリコールジアクリレートを、エポキシ系にはビスフェノールA型エポキシ樹脂を、セルロース系にはメチルセルロースを、ウレタン系にはジフェニルメタンイソシアネートとメチルフェノールを使用した。
〔実施例1〕
表1に示す構成の複合膜を作製した。まず、透光性基板としてのガラス基板上に、シルセスキオキサン含有増反射透明膜用組成物をスピンコーティングにより塗布し、窒素雰囲気中、160℃で20分焼成することにより、厚さ:25nmの低屈折率増反射透明膜を得た。ここで、膜厚の測定は、日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡(SEM、装置名:S−4300、SU−8000)による断面観察により測定した。他の実施例、比較例においても、膜厚を同様に測定した。同様にして、高屈折率増反射膜:25nmを形成した。次に、高屈折率増反射膜上に、銀ナノ粒子含有反射膜組成物をスピンコーティングにより塗布し、窒素雰囲気中、200℃で20分焼成することにより、反射膜を得た。
〔実施例2〜10〕
表1の構成にしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜10の複合膜を作製した。ここで、保護膜は、保護膜用組成物をスピンコーティングにより塗布した後、SiO結合剤の場合は、窒素雰囲気中、160℃で20分焼成し、それ以外の保護膜用塗膜は、窒素雰囲気中、150℃で15分焼成した。
〔比較例1〕
ガラス基板に、真空成膜法のスパッタ法により、厚さ:100nmの銀薄膜を形成した。
〔比較例2〕
ガラス基板に、スパッタ法により、厚さ:100nmの銀薄膜を形成し、さらにスパッタ法により、厚さ:30nmのチタン薄膜を形成した。
〔反射率の測定〕
実施例1〜10、比較例1〜2の反射率の評価は、紫外可視分光光度計と積分球の組み合わせにより、波長450nmにおける反射膜の拡散反射率(初期反射率)を測定した。また、熱処理試験を、200℃、1000時間で、耐食性試験としての硫化試験を、硫化水素:10ppm、温度:25℃、相対湿度:75%RH、504時間行い、それぞれの試験後の反射率を測定した。表1に、これらの結果を示す。
表1から明らかなように、実施例1、2では、初期、熱処理後の反射率が高く、硫化試験後の反射率も約30%であった。これに対して、スパッタ法で作製した比較例1は、初期の反射率は高いが、熱処理後の劣化が大きく、硫化試験後の反射率は14%と大きく低下した。また、実施例3〜10は、初期、熱処理後、硫化試験後の反射率がいずれも非常に高く、耐熱性および耐食性に優れることがわかった。したがって、高出力の発光層による温度上昇に対しても劣化が少ない発光素子を作製可能である。これに対して、スパッタ法で作製した比較例2は、硫化試験後の反射率が、65%と低かった。
本発明の発光素子は、透光性基板と反射膜の間に、透光性バインダーを含む増反射透明膜を備えることにより、発光素子の発光効率を高くすることができる。この増反射透明膜は、湿式塗工法で作製可能であるので、製造工程が簡便で、低コストである。また、反射膜が、さらに保護膜を備えることにより、反射膜の耐熱性および耐食性を高くすることができる。
1、2、3 発光素子
10、11、12 反射膜
20、21、22 増反射透明膜
221 高屈折率増反射膜用透明膜
222 低屈折率増反射膜用透明膜
30、31、32 透光性基板
40、41、42 発光層
50、51、52 封止材
60、61、62 接着層
70、71、72 支持基板
81、82 保護膜

Claims (7)

  1. 発光層と、透光性基板と、厚さが20〜300nmの増反射透明膜と、発光層からの発光を反射する反射膜とを、この順に備える発光素子向け増反射透明膜用組成物であって、
    増反射透明膜用組成物が、シルセスキオキサン球状粒子、またはシリコンのアルコキシドおよび硝酸触媒含有ノンポリマー型バインダーを含むことを特徴とする、発光素子向け増反射透明膜用組成物。
  2. 発光層と、透光性基板と、厚さが20〜300nmの増反射透明膜と、発光層からの発光を反射する反射膜とを、この順に備える発光素子であって、増反射透明膜が、シルセスキオキサン球状粒子を含む増反射透明膜用組成物、またはシリコンのアルコキシドおよび硝酸触媒含有ノンポリマー型バインダーを含む増反射透明膜用組成物から形成されたことを特徴とする、発光素子。
  3. 増反射膜用透明膜が2層からなり、透光性基板側の増反射膜用透明膜の屈折率が、反射膜側の増反射膜用透明膜の屈折率より低い、請求項2記載の発光素子。
  4. さらに、反射膜が、増反射膜用透明膜の反対面に、バインダーを含む保護膜を備える、請求項2または3記載の発光素子。
  5. 増反射透明膜および/または反射膜が、湿式塗工法で製造される、請求項2〜4のいずれか1項記載の発光素子。
  6. 透光性基板上に、シルセスキオキサン球状粒子を含む増反射透明膜用組成物、またはシリコンのアルコキシドおよび硝酸触媒含有ノンポリマー型バインダーを含む増反射透明膜用組成物を湿式塗工法により塗布した後、焼成または硬化することにより厚さが20〜300nmの増反射透明膜を形成し、形成した増反射透明膜上に、金属ナノ粒子と添加物を含む反射膜用組成物を、湿式塗工法により塗布した後、焼成または硬化することにより反射膜を形成し、透光性基板の反射膜の反対面に発光層を形成することを特徴とする、発光素子の製造方法。
  7. 反射膜を形成した後、発光層を形成する前に、さらに、反射膜上に、バインダーを含む保護膜用組成物を、湿式塗工法により塗布した後、焼成または硬化することにより保護膜を形成する、請求項6記載の発光素子の製造方法。
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