JP4035148B2 - 有機重合体と金属酸化物との複合体、その製造方法及び用途 - Google Patents

有機重合体と金属酸化物との複合体、その製造方法及び用途 Download PDF

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Description

本発明は、有機重合体中に金属酸化物の粒子が分散する有機重合体と金属酸化物との複合体及びその製造方法に関する。詳しくは、有機重合体中に分散する金属酸化物の粒子のサイズが複合体の厚み方向で傾斜的に変化し、且つ金属酸化物の体積分率が実質的に変化しない有機重合体と金属酸化物との複合体及びその製造方法に関する。
有機重合体は成形性が良く、軽いなどの特徴を有しているため、電子材料、光学材料などを始めとした様々な用途に用いられているが、耐熱性、機械的性質、耐薬品性などは、金属酸化物などの無機材料と比べ劣っている。このため、有機重合体の性質を改善するために、有機重合体中に金属酸化物を分散させる方法が試みられている。
有機重合体中に金属酸化物を分散させる方法としては、単に、金属酸化物の粒子を有機重合体中に混合する方法を用いると金属酸化物の粒子が凝集し不均一なものとなり、目的とする物性が得られないことが多いため、金属酸化物が均質に分散した有機重合体を得るのに適したゾル−ゲル法が広く用いられている。ゾル−ゲル法とは、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレートなどを加水分解・重縮合反応させることで金属酸化物を製造できる方法であり、低温で金属酸化物を製造でき、さらに、有機重合体と金属酸化物の相溶性を制御し易いといった特徴を有しているため、金属酸化物が均質に分散した有機重合体を作製し易い。ゾル−ゲル法を用いて有機重合体に金属酸化物を分散させる場合には、有機重合体と金属酸化物との間に相互作用を持たせ相溶性を良くすることで、金属酸化物の粒子サイズを可視光波長領域より小さくすることで透明な複合体を作製でき、さらに、耐熱性、機械的性質、耐薬品性などが向上することが知られている(特許文献1等参照)。
一方、有機重合体中に可視光波長領域より大きなサイズの金属酸化物を分散させることで、光拡散材料として用いることが知られている。例えば特許文献2には、有機重合体中に屈折率の異なる粒子を混合して、光拡散材料として用いることが出来ることを報告している。この方法は、有機重合体に粒子を混合するといった簡便な方法を用いることができる、しかしながら、このような場合においては、粒径が単分散の粒子を用いると特定の波長の散乱効率が高いといった波長依存性が存在するため、好ましくない。また、粒径の異なる金属酸化物の粒子を有機重合体に混合させた場合には、粒子が凝集し易く、粒径が傾斜した均一なフィルムを作製することは難しい。
一方、種々の波長の光を均一に拡散するためには、異なる粒径の粒子を含有させた有機重合体において、断面方向で粒径が変化したフィルムを用いれば良いが、粒径の分布が幅広い粒子が凝集することなく断面方向に分散した有機重合体フィルムを作製することは困難である。例えば特許文献3には、金属アルコキシドを有機重合体内部に、濃度傾斜を持つように含浸させた後、金属アルコキシドを重縮合反応させ、金属酸化物の粒子を有機重合体内部に作製することによって粒子径の傾斜したフィルムを作製する方法が記載されているが、非常に煩雑な工程を含んでいる。また、これらの複合体においては、材料の厚み方向で金属酸化物の成分が傾斜しているため、厚み方向で熱膨張率に差が生じ、そのため、温度変化によりフィルムが反るなどの問題を生じることがある。
特開平8-73739号公報 特開2003−109747号公報 特開平9-87526号公報
本発明は、光学用途等に有用と考えられる、色度がずれにくく、光散乱性が良好で、耐熱性、機械的性質、耐薬品性などに優れ、かつ温度が変化してもフィルムが反らないといった有用な特性を有する有機重合体と金属酸化物との複合体及びその製造方法を提供することである。
本出願人は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、有機重合体の溶液中でゾル−ゲル反応を行うことにより金属酸化物の粒子前駆体又は粒子を形成する段階、及び上記金属酸化物の粒子を成長させる段階を含む、有機重合体中に金属酸化物の粒子が分散する有機重合体と金属酸化物との複合体の製造方法により、複合体の厚み方向において、上記金属酸化物の粒径が傾斜的に変化し、かつ該金属酸化物の体積分率が実質的に変化しない複合体を製造できることを見出し、さらに、それを光学用フィルムとして用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、以下に関するものである。
1)金属酸化物の粒子が分散する、有機重合体と金属酸化物との複合体であって、該複合体の厚み方向において、上記金属酸化物の粒径が傾斜的に変化し、かつ該金属酸化物の体積分率が実質的に変化しないことを特徴とする複合体。
2)前記金属酸化物の粒径の傾斜的変化は、複合体の両端から膜厚の40%以内の範囲における単位面積当りの平均粒径の最大値と最小値の比が1.2以上である1)記載の複合体。
3)前記体積分率の変化は、最大値と最小値の比が2以下である1)又は2)に記載の複合体。
4)上記有機重合体が、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアラミド、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールから成る群より選ばれる1種以上の有機重合体である、1)〜3)いずれか一項に記載の複合体。
5)上記金属酸化物が、珪素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムから選ばれる1種以上の金属を含有するものである、1)〜4)いずれか一項に記載の複合体。
6)有機重合体と金属酸化物との複合体がゾル−ゲル反応により製造されるものである1)〜5)いずれか一項に記載の複合体。
7)有機重合体の溶液中でゾル−ゲル反応を行うことにより金属酸化物の粒子前駆体又は粒子を形成する段階、及び上記金属酸化物の粒子を成長させる段階を含む、有機重合体中に金属酸化物の粒子が分散する有機重合体と金属酸化物との複合体の製造方法。
8)上記金属酸化物の粒子を成長させる段階において、該複合体の厚み方向で金属酸化物の粒子の成長を傾斜的に変化させる、7)に記載の製造方法。
9)上記金属酸化物の粒子を成長させる段階は、上記金属酸化物の粒子を形成する段階から得られた溶液を塗布し膜を形成し、この膜を乾燥させることにより、該複合体の厚み方向で傾斜的に金属酸化物の粒子の成長を変化させるものである、7)〜8)いずれかの項に記載の製造方法。
10)上記金属酸化物の粒子を成長させる段階は、上記金属酸化物の粒子を形成する段階から得られた溶液を塗布し膜を形成し、金属酸化物の粒子が成長する速度に対して溶媒の蒸発速度が遅くなるよう、乾燥温度を上昇させながら膜を乾燥させるものである、7)〜9)いずれかの項に記載の製造方法。
11)上記有機重合体が、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアラミド、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸から成る群より選ばれる1種以上の有機重合体である、7)〜10)いずれかの項に記載の製造方法。
12)上記金属酸化物が、珪素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムから選ばれる1種以上の金属を含有するものである、7)〜11)いずれかの項に記載の製造方法。
13)上記ゾルーゲル反応に用いられる金属酸化物の原料が、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレートから選ばれる一種又は2種以上の組み合わせ、もしくはこれらの部分加水分解重縮合化合物である、7)〜12)いずれかの項に記載の製造方法。
14)7)〜13)記載の製造方法より得られうる、有機重合体に金属酸化物の粒子が分散する有機重合体と金属酸化物との複合体。
15)1)〜6)に記載の複合体から得られることを特徴とするフィルム。
16)14)記載の複合体から得られることを特徴とするフィルム。
17)光学用である15)に記載のフィルム。
本発明によれば、粒子状の金属酸化物が有機重合体中に分散し、かつ粒子のサイズが複合体の厚み方向で傾斜的に変化した複合体を得ることができ、これらは、色度がずれにくく、光散乱性が良好で、耐熱性、機械的性質、耐薬品性などに優れ、かつ温度変化などによる反りを生じ難いといった有用な特性を有する。
また、その有機重合体金属酸化物複合体は、波長依存性の少ない光拡散性を有しており、光学用途として有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、有機重合体中に金属酸化物の粒子が分散する有機重合体と金属酸化物との複合体であって、該複合体の厚み方向において、前記金属酸化物の粒径が傾斜的に変化し、かつ該金属酸化物の体積分率が実質的に変化しないことを特徴とする複合体、及び該複合体より得られるフィルムである。また有機重合体の溶液中でゾル−ゲル反応を行うことにより金属酸化物の粒子前駆体又は粒子を形成する段階、及び上記金属酸化物の粒子を成長させる段階を含む、有機重合体中に金属酸化物の粒子が分散する有機重合体と金属酸化物との複合体の製造方法に関するものである。
本発明における有機重合体と金属酸化物との複合体中の、金属酸化物粒子の粒径及び分散状態は、透過電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)観察やX線散乱により確認可能である。本発明における有機重合体と金属酸化物との複合体の粒子の好ましい粒径は、用いる用途にもよるが、好ましくは、1nm〜100μmであり、さらに好まし10nm〜20μmである。本発明の有機重合体金属酸化物複合体を光学フィルムの光散乱フィルムとして用いる場合には、1μm〜15μmの粒子が含有されていることが好ましい。
本発明においては、有機重合体中の金属酸化物の粒径が傾斜的に変化することを特徴とするものであるが、具体的には複合体の両端から膜厚の40%以内の範囲における粒子の単位面積当りの平均粒径の最大値と最小値の比(最大値/最小値)を粒径傾斜と定義した場合に、粒径傾斜が1.2〜100000のものが好ましい。より好ましくは1.5〜50000、更に好ましくは1.6〜10000のものが好ましい。なお、平均粒径は、複合体の両端から膜厚40%以内の範囲において、単位面積が1〜10000μm2、より好ましくは、5〜5000μm2、さらに好ましくは10〜2500μm2の範囲で算出すると良い。平均粒径は、例えばTEM観察により得られた写真から画像解析ソフト(Image−Pro Plus プラネトロン社製)を用いて、単位面積当りの金属酸化物粒子の面積を求め、計算により平均粒径を求めることができる。
本発明の有機重合体と金属酸化物との複合体は、膜厚方向での体積分率変化が実質的にないことを特徴とするものである。そのため、有機重合体と金属酸化物との複合体の厚み方向で熱膨張率に差がなく、温度変化などによる反りを生じないという効果を有する。また、本発明における体積分率は、TEM観察により得られた写真を画像解析することで得られる金属酸化物粒子と有機重合体の面積を求め、金属酸化物の面積が単位面積当たりでどれくらいあるかを計算し得られた面積率と定義する。例えば、TEM観察により得られた写真から、画像解析ソフト(Image−Pro Plus:プラネトロン社)を用いて1〜1000μm2、より好ましくは、5〜500μm2、さらに好ましくは10〜250μm2の単位面積あたりの金属酸化物粒子の面積を求め、その面積率を計算し、それを体積分率とする。
本発明においては、有機重合体と金属酸化物との複合体は、膜厚方向での体積分率変化が実質的にないことを特徴とするものであるが、実質的に体積分率変化がない、とは、体積分率の最大値と最小値の比(最大値/最小値)を体積分率傾斜と定義した場合に、体積分率傾斜が殆ど変化しないことを意味し、その値が2〜1となる場合が好ましい。より好ましくは1.5〜1.0である。体積分率傾斜が2よりも大きくなると、温度変化などにより反りを生じ易くなる。
本発明において、有機重合体と金属酸化物との複合体中の金属酸化物の含有量は、有機重合体100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは0.1〜30質量部である。50質量部以上にすると、膜強度を損なったり、散乱が起こり過ぎて光が透過し難くなったりすることがある。また、0.1質量部以上含有することで、光の散乱への効果が高くなる。ここでいう金属酸化物の含有量とは、ゾル−ゲル反応で生成する金属酸化物縮合体の含有量であり、有機重合体金属酸化物複合体の有機成分を空気中800℃で焼成後に残る灰分量を指す。
本発明に用いる有機重合体は、有機溶剤に溶解性を有するものであれば特に制限を受けるものではないが、例えば、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアラミド、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどが好適な例として挙げられる。好ましくは、沸点と極性の高い溶媒に溶解することが好ましく、例えば、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン、ポリエステルなどが好ましい。水を溶解できる極性の高い溶媒は、ゾル−ゲル反応を行い易く、また、沸点が高い溶媒の方が、乾燥速度と粒子成長との速度差をつけやすく、粒径制御および粒径傾斜をつけ易いため、高沸点でかつ極性の高い溶媒に溶解することが好ましい。また、光学フィルムに適用するに際しては、可視光に対する透明性に優れる樹脂が好適な材料である。
本発明に用いられる金属酸化物は、ゾル−ゲル法を用いて作製できるものであれば特に制限はされず、例えば、「ゾル−ゲル法の科学」P13、P20に紹介されている金属、リチウム、ナトリウム、銅、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、珪素、ゲルマニウム、鉛、リン、アンチモン、バナジウム、タンタル、タングステン、ランタン、ネオジウム、チタン、ジルコニウムから選ばれる1種以上の金属を含有してなる金属酸化物を例として挙げることができ、好ましくは、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウムから選ばれる1種以上の金属を含有してなる金属酸化物が原料の多様性の点から好ましい。用いる金属の種類を変えることで、金属酸化物粒子の屈折率を制御することができるため、用いる用途に応じた金属を選ぶことで最適な有機重合体金属酸化物複合組成物を得ることができる。例えば、光拡散材料用途の時は、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム等が好ましい。
ゾル−ゲル法を用いて作製できる金属酸化物の原料としては、ゾル−ゲル法の科学P17に紹介されている金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、等が挙げられるが、これらは、それを単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、それらを加水分解、重縮合して得られる部分加水分解重縮合化合物を用いても良い。
金属アルコキシドの例としては、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、チタニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、バリウムイソプロポキシド、カルシウムエトキシドが挙げられ、好ましくは、TMOS、TEOS、チタニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド等のアルコキシシラン等である。
金属アセチルアセトネートの例としては、ジルコニウムアセチルアセトネート、チタニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセトネート、インジウムアセチルアセトネートや亜鉛アセチルアセトネートなどが挙げられ、好ましくは、ジルコニウムアセチルアセトネート、チタニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセトネートである。金属カルボキシレートの例としては、酢酸鉛、ステアリン酸イットリウム、シュウ酸バリウムが挙げられる。反応の制御し易さの点から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのアルコキシシラン類が好ましいが、屈折率を変えたい場合には、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、チタニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムアセチルアセトネート、チタニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセトネートなどと組み合わせることが好ましい。
本発明において、有機重合体と金属酸化物との複合体の製造は、有機重合体の溶液中でゾル−ゲル反応を行うことにより金属酸化物の粒子前駆体又は粒子を形成する段階、及び上記金属酸化物の粒子を成長させる段階を含むことを特徴とするものである。ゾル−ゲル反応をさせる際には、加水分解・重縮合反応を促進させる目的で下記に示すような加水分解・重合反応の触媒となりうるものを加えても良い。ゾル−ゲル反応の加水分解・重合反応の触媒として使用されるものは、「最新ゾル−ゲル法による機能性薄膜作製技術」(平島碩著、株式会社総合技術センター、P29)や「ゾル−ゲル法の科学」(作花済夫著、アグネ承風社、P154)等に記載されている一般的なゾル−ゲル反応で用いられる触媒である。例えば、酸触媒では塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、蓚酸、酒石酸、トルエンスルホン酸等の無機および有機酸類、アルカリ触媒では、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム水酸化物、アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン類などが挙げられる。その他にも、有機スズ化合物、チタニウムテトライソプロポキシド、ジイソプロポキシチタニウムビスアセチルアセトナート、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトナート、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリスエチルアセトナート、トリメトキシボランなどの金属アルコキシド等を使用することができる。
好ましい触媒の使用量は、金属酸化物の原料となる金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、硝酸塩、オキシ塩化物、塩化物など1モルに対して2モル当量以下、さらに好ましくは1モル当量以下あるが、金属酸化物の原料となる金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、硝酸塩、オキシ塩化物、塩化物などが触媒となりうる官能基、例えばアミノ基やカルボキシル基を持つ場合にはこの限りではない。
ゾル−ゲル反応をさせる際、好ましい水の添加量は、金属酸化物の原料となる金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、硝酸塩、オキシ塩化物、塩化物など1モルに対して、40モル当量以下であり、より好ましくは、10モル当量以下であり、さらに好ましくは、5モル当量以下である。なお、有機重合体溶液中に始めから含まれている水や、大気中の水によっても、ゾル−ゲル反応は進行するため、水を添加しなくても良い場合もある。また、有機重合体水溶液を用いる場合には、この限りではない。
本発明において、好ましいゾル−ゲル反応の反応濃度、温度、時間は、使用する有機重合体の種類や分子量、それぞれの条件が相互に関わるため一概には言えない。すなわち、有機重合体の分子量が高い場合や、反応濃度の高い場合に、反応温度を高く設定したり、反応時間を長くし過ぎたりすると、加水分解、重縮合反応に伴って反応生成物の分子量が上がり、高粘度化やゲル化する可能性がある。従って、通常の好ましい反応濃度は、概ね溶液中の固形分の重量%濃度で1〜50%であり、5〜30%がより好ましい。また、反応温度は反応時間にもよるが通常0〜150℃であり、好ましくは1〜100℃、より好ましくは20〜60℃であり、反応時間は1〜50時間程度が好ましい。
本発明方法において、好ましくは上記金属酸化物の粒子を成長させる段階において、該複合体の厚み方向で金属酸化物の粒子の成長を傾斜的に変化させるものであり、より好ましくは、上記金属酸化物の粒子を成長させる段階は、上記金属酸化物の粒子を形成する段階から得られた溶液を塗布し膜を形成し、この膜を乾燥させることにより、該複合体の厚み方向で傾斜的に金属酸化物の粒子の成長を変化させるものである。更に好ましくは、上記金属酸化物の粒子を成長させる段階は、金属酸化物の粒子が成長する速度に対して溶媒の蒸発速度が遅くなるよう、乾燥温度を上昇させながら膜を乾燥させるものである。すなわち、溶液をキャストし乾燥する際、始めに溶液の表面付近の溶媒が蒸発することで、表面付近の金属酸化物粒子の成長は停止される。一方、フィルム内部の溶媒の蒸発は表面に比べ遅いので、乾燥過程で粒子が成長する。このため、フィルムの断面方向で粒径が傾斜的に変化する。
金属酸化物の粒子が成長する速度に対して溶媒の蒸発速度が遅くなる条件は、有機重合体の種類や、金属酸化物の濃度、溶媒の種類に依存するため一概には言えないが、好ましくは、150℃の乾燥温度において1時間後の溶媒の蒸発による重量減少が溶媒100重量部に対して50重量部以下、100℃の乾燥温度において5時間後の溶媒の蒸発による重量減少が溶媒100重量部に対して50重量部以下、50℃の乾燥温度において10時間後の溶媒の蒸発による重量減少が溶媒100重量部に対して50重量部以下となる条件であり、より好ましくは、150℃の乾燥温度において1時間後の溶媒の蒸発による重量減少が溶媒100重量部に対して70重量部以下、100℃の乾燥温度において5時間後の溶媒の蒸発による重量減少が溶媒100重量部に対して70重量部以下、50℃の乾燥温度において10時間後の溶媒の蒸発による重量減少が溶媒100重量部に対して70重量部以下となる条件である。
金属酸化物の粒子の乾燥温度が低いほど、フィルム内部の粒子もそれほど成長せずに、粒径は全体的に小さく、また、断面方向での粒径変化も小さなものとなる。一方、乾燥温度を高くすると、粒径は全体的に大きく、また、断面方向での粒径の分布が大きなものとなるが、この場合においては、昇温速度が粒径と密接にかかわってくる。すなわち、昇温速度を早くするほど粒径が大きくなる傾向にあり、昇温速度を遅くすると、粒径が小さくなる傾向にある。粒径や、粒径分布を選択する際に、乾燥温度、昇温速度などの乾燥条件が非常に重要であるが、それぞれの条件が相互に関わるため最適な条件は一概には言えない。しかしながら、乾燥温度を高く、昇温速度を早くし過ぎると、発泡し、また、乾燥温度を低く、昇温速度を遅くしすぎると、粒子があまり成長しなくなるため、好ましい乾燥条件としては、乾燥温度が30 ℃以上、より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは、100℃以上とし、昇温速度を25〜0.1℃/分、より好ましくは15℃〜0.1℃/分、さらに好ましくは10〜0.5℃/分と設定した乾燥条件が好ましい。また、始めからオーブンなどの乾燥する機器をあらかじめ乾燥したい温度にしておき、そこにキャストしたサンプルを入れることで乾燥させても良い。さらには、乾燥温度を2段階以上の温度で段階的に昇温しながら上げても良い。
また、用いる溶媒の沸点によっても粒径は変化し、溶媒の沸点が高いものほど、粒径は大きく、粒径分布も大きなものとなる。用いる溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、THF、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブなどが挙げられるが、粒径を制御し易くなることから、高沸点のものが好ましく、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、シクロペンタノンなどが好ましい。
本発明における有機重合体金属酸化物複合体においては、金属酸化物と有機重合体間での相互作用を制御することによっても粒径を制御することができる。すなわち、有機重合体と金属酸化物の相互作用を強くすると、乾燥時の粒子の成長が妨げられ、金属酸化物の粒子のサイズは小さくなる。粒径を制御する有機重合体と金属酸化物間で相互作用させる方法としては、ゾル−ゲル反応時に、有機重合体と相互作用できる官能基を持った金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、硝酸塩、オキシ塩化物、塩化物を添加することが挙げられる。有機重合体と相互作用できる官能基としては、例えば、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、イソシアネート基メルカプト基などが挙げられ、それらの官能基をもった金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、硝酸塩、オキシ塩化物、塩化物を用いれば、有機重合体と金属酸化物間での相互作用を制御できる。
例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,4エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシロキシプロピルトリエトキシシラン、スチリルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどを用いることで有機重合体と金属酸化物間での相互作用を制御することができる。また、有機重合体と金属酸化物間での相互作用の制御方法として、例えば、金属酸化物と共有結合、水素結合、イオンなどを形成できる官能基を有機重合体に導入し変性することなども挙げることができる。金属酸化物と共有結合を形成できる官能基としては、アルコキシシリル基、シラノール基等が挙げられ、水素結合を形成できる官能基としては、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。また、イオン結合を形成できる官能基としては、例えばアンモニウム基等が挙げられる。
本発明において用いる、有機重合体溶液中でゾル−ゲル反応を行うことにより得られる溶液を調製する方法としては、以下のような方法が挙げられる。(I)有機重合体溶液に、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート及び/または、それらの部分加水分解重縮合物を加え攪拌混合させた後に、必要に応じて水と触媒を添加して所定温度で反応させる方法、(II)有機重合体溶液に必要に応じて水と触媒を加え攪拌混合した後に、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、硝酸塩、オキシ塩化物、塩化物、及び/またはそれらの部分加水分解重縮合物を加え攪拌混合させた後に、所定温度で反応させる方法、(III)有機重合体溶液に必要に応じて水と触媒を加え攪拌混合した後に、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、硝酸塩、オキシ塩化物、塩化物、及び/またはそれらの部分加水分解重縮合物を加え攪拌混合させた後に、所定温度で反応させる方法などが挙げられ、これらのどの方法で行っても問題ない。
本発明の有機重合体金属酸化物複合体の具体的製造方法について例を挙げると、有機重合体溶液中でゾル−ゲル反応を行い得られた溶液を、ガラス、金属、有機重合体などの容器にキャストして乾燥することで作製する方法、金属箔や、フィルム、ガラス基板上にダイコーター、コンマコーター、ロールコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、スピンコーター等の公知の方法で塗布して乾燥させる方法を採用できる。キャスト、または、塗布した溶液を乾燥する方法は、通常の加熱乾燥炉が利用できる。乾燥炉の雰囲気としては、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利用できる。
本発明の有機重合体金属酸化物複合体は、その目的に応じて他のいかなる成分、例えば、増感剤、光重合開始剤、モノマー、オリゴマー、安定剤、湿潤剤、流動剤、顔料、染料、接着促進剤などを含有しても構わない。
本発明により作製した有機重合体と金属酸化物との複合体は、引っ張り弾性率などの機械的性質や、熱重量減少、線熱膨張率などの耐熱性、耐薬品性などに優れている。また、金属酸化物が複合体中で成分傾斜構造が実質的にないため、温度変化などにより、本発明の有機重合体金属酸化物複合体は反りを生じないなどの有用な特性を有している。
粒径分布のない粒子のみが分散した有機重合体金属酸化物複合体を光散乱フィルムとして用いる場合、透過してきた光に色が付くといった問題が発生する。この様な現象が発生するのは、「オプティカル有機重合体材料の開発・応用技術」P183に説明されているように、ある粒径を持った粒子は、特定の波長の光を散乱し易いといった性質を持つためにある。しかしながら、散乱フィルム中に異なる粒径の粒子を含有させ、かつ断面方向で粒径が変化したフィルムを用いることでこのような問題を解決できる。本発明においては、有機重合体金属酸化物複合体の酸化物の粒径を乾燥条件の制御により、幅広い範囲で制御することができるため、散乱フィルムを透過してきた光の色を無くしたり、ある特定の色のみを取り出したりすることのできるフィルムを作製することができる。
このため、本発明の有機重合体金属酸化物複合体は、光学用途の光拡散性コーティングや光拡散性フィルムとして用いることができる。例えば、プラスチックやガラスなどの透過光性フィルムやシート、鏡やハーフミラー、あるいは、公知の表示素子の防眩や反射防止用のコーティングやフィルムとして利用可能である。特に、FPDなどの表示装置の光学用途として好適に利用可能である。例えば、LCD等の表示素子を用いたプロジェクション式表示装置のスクリーンや、液晶表示素子の輝度や色度の面内分布を改善する為の光拡散板や光拡散性反射体、あるいは、LED、無機ELや有機EL等の発光素子の光取り出し効率の向上を図る光拡散性のコーティングやフィルムとして極めて有用である。これらのFPD分野においては、特に小型軽量化やトータルコストダウンが求められている。本発明である有機重合体と金属酸化物との複合体は、薄い厚みのコーティング膜やフィルムに加工可能であり、かつ拡散性に優れるものである。従って、本発明である有機重合体と金属酸化物との複合体は、FPDの薄型化に寄与すると共に、例えばLCDに用いられている複数の光拡散フィルムを一枚で置き換えることが可能になる等、部材および部品数の削減によるトータルコストダウンにも寄与するものである。
本発明の有機重合体と金属酸化物との複合体をコーティングやフィルムとして使用する場合、好ましい厚みは5〜500μm、より好ましくは、8〜300μm、さらに好ましくは、10〜100μmである。厚みが5μmよりも薄くなると、粒径制御が難しくなり、厚み方向での粒径傾斜をつけ難くなり、光拡散性も小さい場合がある。一方、厚みが500μm以上になると、溶媒を蒸発させる際に発泡しやすく、光学フィルムとして用いるためには大きくなるためあまり好ましくなく、また、携帯電話などの小型のモバイル機器などに用いることが難しくなる場合がある。
光の拡散の効果は、透過光に対する光の拡散(前方散乱)であっても、反射光に対する光の拡散(後方散乱)での何れか一方であっても、あるいは、透過光と反射光の両者に対するものであっても構わない。更には、コーティング膜中やフィルム中を伝播する光に対してでも構わない。
また、LED、無機ELや有機ELの光取出しに本発明による有機重合体と金属酸化物との複合体を用いる場合には、光拡散性の機能の他に、屈折率の異なる透明材料の界面で発生する全反射現象を防止することが可能となる。
本発明の有機重合体と金属酸化物との複合体を膜状に形成した場合には、キャスト成膜した支持体側の面には粒子成長した金属酸化物が形成され光散乱機能が発現するのに対して、支持体と対向する開放された面側では金属酸化物がナノオーダーで有機重合体中に分散することで光散乱効果は殆どなくなり、有機重合体と金属酸化物の平均的屈折率となる。
なお、本発明の用途は例示的に列挙した上記用途に必ずしも限定されるものではなく、光を拡散させる用途に幅広く利用可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何等制限されるものではない。なお、実施例中の略語は以下のものを意味する。また、実施例中の各評価は下記のように行った。
DMAc:ジメチルアセトアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
TMOS:テトラメトキシシラン
APTMOS:アミノプロピルトリメトキシシラン
GPTMOS:グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
m−BP:4,4’−(3−アミノフェノキシ)ビフェニル
ODA:4,4’−オキシジアニリン(4,4’−ジアミノジフェニルエーテル)
PPD:p−フェニレンジアミン
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA:無水ピロメリット酸
(シリカ含有量測定:熱重量測定)
有機重合体金属酸化物複合フィルムの熱重量測定を、熱重量測定装置(TGA−50、島津製作所(株)製)によって、30〜800℃の範囲で行い、800℃での焼成後に残った灰分量から、シリカ含有量を算出した。
(TEM観察)
作製した有機重合体の金属酸化物との複合フィルムをエポキシ樹脂で包埋後、ガラスナイフでトリミングを行い、その後ダイヤモンドナイフで超薄切片を作製した。作製した超薄切片にカーボン補強を施し、透過電子顕微鏡(TEM)(H−7000、日立製作所製)を用いて、加速電圧75kVにてTEM観察を行った。
(画像解析による粒径、体積分率測定)
TEM観察により得られた写真から、画像解析ソフト(Image−Pro Plus:プラネトロン社)を用いて粒子の面積を求めた。その後、面積から、計算により円相当径を求め、粒径を算出した。この際、膜の厚さ方向で5μmの範囲ごとに単位面積(25μm2)あたりの平均粒径を算出し、厚み方向での最大粒径と、最小粒径を求めた。また、単位面積(25μm2)あたりの粒子の面積率を計算し、それを体積分率とした。
(光学測定)
紫外/可視分光光度計(UV3100PC/日立製作所製)により、作製したフィルムの平行透過率、全光線透過率、および、反射率を測定した。測定は、測定波長:1000〜300nm、波長分解能:1nm、測定モード:中速で行った。また、波長550nmの平行透過率、および全光線透過率を用いて、次式によりヘイズを計算した。
ヘイズ(%)={1―(平行透過率/全光線透過率)}×100
(線膨張率測定)
熱機械分析計(TMA−50、島津製作所製)を用いて、フィルムの両端に一定の荷重をかけ、温度を変化させた際の伸び(縮み)を測定する引っ張り法により380〜430℃の範囲で測定し、平均の線膨張率(CTE)を求めた。
(粘弾性測定:450℃での貯蔵弾性率の測定)
弾性率の評価はレオメトリックス社製RSA−IIを使用して、引張変形モードにおける温度分散測定を実施した。測定には、温度範囲30〜500℃、昇温速度3℃/min、Auto−Strain制御下、歪み0.02%、周波数1Hzの条件を用いた。また、試料の寸法は、長さ20mm、幅5mmのものを用い、450℃での貯蔵弾性率E’を求めた。
(合成例1)
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてDMAc261.0gを加え、これにODA20.44g、m−BP16.12gを加え20〜30℃で撹拌して溶解させた。その後、PMDA30.84gを加え、11.0gのDMAcでフラスコ内部に付着した原料を洗い落とし、50〜60℃に加熱し約1時間撹拌を行った後、さらに、PMDA0.44gを加え60℃に温度を保ちながら約4時間撹拌を行い、(A)ワニスを得た。次に、別の撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてNMP263.0gを加え、PPD19.62gを加え20〜30℃で撹拌して溶解させた。その後、BPDA37.0g、PMDA11.06gを加え、10.0gのNMPにてフラスコ内部に付着した原料を洗い落とし、50〜60℃に加熱し約4時間撹拌を行い、(B)ワニスを得た。最後に、別の撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、(B)ワニスと(A)ワニスを77:23の重量比で混合し50〜60℃に加熱し約4時間撹拌を行い、ポリアミック酸溶液とした。得られたポリアミック酸溶液はポリアミック酸の含有率が20重量%であり、25℃でのE型粘度は30000mPa・sであった。尚、このポリアミド酸から得られるポリイミドフィルムの線膨張係数は、10ppm/℃であった。
(実施例1)
合成例1で製造されたポリアミド酸/NMP溶液(ポリアミド酸15重量%)18gを100mlの反応容器に装入し、TMOS(1.378g)、水(0.652g)を加え、60℃で6時間反応させた。なお、TMOS、水は、NMPで50重量%に希釈して加えた。得られたポリアミド酸溶液を銅箔上に乾燥膜厚がおよそ16μmとなるようにベーカーアプリケーターを用いて塗布し、イナートオーブンを用いて、窒素雰囲気下で50℃から180℃まで、昇温速度3℃/分で乾燥させた。次いで、IRリフロー炉を用いて280℃から380℃まで熱処理を行い、ポリイミド/シリカ複合フィルムを銅箔上に作製した。銅箔を塩化第二鉄溶液(40ボーメ)をスプレー式ノズルから噴出させる方式で、銅箔が完全になくなるまで数分程度処理し、水洗後、60℃で真空乾燥し、膜厚16μmのポリイミド/シリカ複合フィルムを得た。得られたフィルムのTEM観察を行い、得られたTEM写真を図1に、TEM写真から画像解析し求めた粒径、体積分率を表2に示す。TEM写真から銅箔側のシリカは粒子状に成長し、空気界面側は、シリカがナノ分散している様子が観察された。また、得られたフィルムのTGA測定により得られたシリカ含量を表1に、CTE(線膨張率)測定結果、固体粘弾性測定により得られた450℃での弾性率を表2に示す。
(実施例2)
合成例1で製造されたポリアミド酸/NMP溶液(ポリアミド酸15重量%)18gを100mlの反応容器に装入し、TMOS(1.378g)、水(0.652g)を加え、60℃で1時間反応させた後に、アミノ基含有アルコキシシランであるAPTMOS(0.0016g)を加え、60℃で5時間反応させ、シリカ分散ポリアミド酸組成物の溶液を得た。なお、TMOS、APTMOS、水は、NMPで50重量%に希釈して加えた。得られた溶液から、実施例1と同様にして膜厚16μmのポリイミド/シリカ複合フィルムを作製した。得られたフィルムのTEM観察を行い、TEM写真から画像解析し求めた粒径、体積分率を表2に示す。また、得られたフィルムのTGA測定により得られたシリカ含有量を表1に、固体粘弾性測定により得られた450℃での弾性率を表2に示す。
(実施例3〜4)
表1に示す条件で実施例2と同様に反応を行った。また、表1に示す条件で反応させ得られた溶液から、実施例1と同様にして膜厚16μmのポリイミド/シリカ複合フィルムを作製した。得られたフィルムのTEM観察を行い、TEM写真から画像解析し求めた粒径、体積分率を表2に示す。また、得られたフィルムのTGA測定により得られたシリカ含量を表1に示す。
(実施例5)
実施例1と同様な条件で反応を行い得られた溶液を銅箔上に乾燥膜厚がおよそ16μmとなるようにベーカーアプリケーターを用いて塗布し、真空乾燥機を用いて室温で、5時間乾燥させた後に、イナートオーブンを用いて、窒素雰囲気下で50℃から180℃まで、昇温速度3℃/分で乾燥させた。次いで、IRリフロー炉を用いて280℃から380℃まで熱処理を行い、ポリイミド/シリカ複合フィルムを銅箔上に作製した。銅箔を塩化第二鉄溶液(40ボーメ)をスプレー式ノズルから噴出させる方式で、銅箔が完全になくなるまで数分程度処理し、水洗後、60℃で真空乾燥し、膜厚16μmのポリイミド/シリカ複合フィルムを得た。得られたフィルムのTEM観察を行い、TEM写真から画像解析し求めた粒径を表2に示す。また、得られたフィルムのTGA測定により得られたシリカ含量を表1に示す。
(実施例6)
合成例1で製造されたポリアミド酸/NMP溶液(ポリアミド酸15重量%)18gを100mlの反応容器に装入し、TMOS(1.282g)、水(0.650g)を加え、60℃で1時間反応させた後に、エポキシ基含有アルコキシシランであるGPTMOS(0.1873g)を加え、60℃で5時間反応させ、シリカ分散ポリアミド酸組成物の溶液を得た。なお、TMOS、GPTMOS、水は、NMPで50重量%に希釈して加えた。得られた溶液から、実施例1と同様にして膜厚16μmのポリイミド/シリカ複合フィルムを作製した。得られたフィルムのTEM観察を行い、TEM写真から画像解析し求めた粒径を表2に示す。また、得られたフィルムのTGA測定により得られたシリカ含量を表3に示す。
(比較例1)
合成例1のポリアミド酸/NMP溶液(ポリアミド酸12.5重量%)から、実施例1と同様にして膜厚16μmのポリイミドフィルムを作製した。また、得られたフィルムのTGA測定により得られたシリカ含量を表1に、CTE(線膨張率)測定結果、固体粘弾性測定により得られた450℃での弾性率を表2に示す。
(比較例2)
コロイダルシリカ/DMAc溶液(シリカ20重量%)2.690gを合成例1のポリアミド酸/NMP溶液(ポリアミド酸15重量%)18gに加え、60℃で、5時間攪拌し、ポリアミド酸組成物の溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液から実施例1と同様な方法でポリイミド/シリカ複合フィルムを作製した。得られたフィルムのTEM観察を行い、TEM写真から得られた粒径を表2に示す。また、得られたフィルムのTGA測定により得られたシリカ含量を表1に、固体粘弾性測定により得られた450℃での弾性率を表2に示す。
(屈折率変調効果の確認試験)
実施例1のポリイミド/シリカ複合体の空気界面近傍の、シリカ粒子がポリイミドフィルム中にナノ分散した部位の反射率を測定するために、ポリイミド/シリカ複合体の空気界面近傍と同様な構造を持つフィルムを以下の方法で作製した。合成例1で製造されたポリアミド酸/NMP溶液(ポリアミド酸15重量%)18gを100mlの反応容器に装入し、TMOS(1.838g)、水(0.652g)を加え、60℃で1時間反応させた後に、アミノ基含有アルコキシシランであるAPTMOS(0.1505g)を加え、60℃で5時間反応させ、シリカ分散ポリアミド酸組成物の溶液を得た。なお、TMOS、APTMOS、水は、NMPで50重量%に希釈して加えた。
得られた溶液から、実施例1と同様にして膜厚16μmのポリイミド/シリカ複合フィルムを作製した。得られたフィルムのTEM観察を行い、実施例1の空気界面近傍の構造を持ったフィルムが出来ていることを確認した。このフィルムの波長550nmにおける反射率を測定したところ、反射率は10.58%であり、反射率から求めた屈折率は1.61であった。また、合成例1のポリアミド酸/NMP溶液(ポリアミド酸12.5重量%)から、実施例1と同様にしてポリイミドフィルムを作製した。作製したフィルムの反射率は11.17であり、反射率から求めた屈折率は1.63であったことから、屈折率1.46のシリカをポリイミドに加えたことにより、屈折率の低下が認められ、実施例1のシリカ粒子のナノ分散している側で屈折率が変調されていることがわかった。
(実施例7)
フッ素変性ポリアミド酸/DMAc溶液(日立化成工業株式会社製光学用ポリイミド「OPI」、ポリアミド酸25重量%)6gを20mlの反応容器に装入し、TMOS(0.911g)、水(0.432g)を加え、室温で5時間反応させた。なお、水は、DMAcで50重量%に希釈して加えた。得られたポリアミド酸溶液をガラス基板上に乾燥膜厚がおよそ50μmとなるようにベーカーアプリケーターを用いて塗布し、イナートオーブンを用いて、窒素雰囲気下で50℃から330℃まで、昇温速度3℃/分で乾燥させ、イミド化を行い、ポリイミド/シリカ複合フィルムを作製した。ポリイミド/シリカ複合フィルムは、ガラス基板から容易に剥離することができた。得られたフィルムのTEM観察を行い、粒径がフィルム断面方向で傾斜的に変化した粒子を含有していることを確認した。また、画像解析により得られた粒径を表4に示す。また、波長550nmにおけるヘイズは96%であった。
得られたフィルムを、有機エレクトロルミネッセンス面発光体(アイメス製)の透明基板の陽極を形成した反対側の表面にポリオレフィン系粘着シート(TPXR/三井化学株式会社製)で貼り付けて光拡散部を設け、電源(PA36/ケンウッド株式会社製)に接続し、0.27A/32V印加時、3000cd/m2の正面輝度及び斜め45度輝度を輝度計(BP6/トプコン株式会社製)で測定した。光拡散部を設けなかった場合と比較して、正面輝度で1.2倍、斜め45度輝度で1.3倍の輝度向上を確認した。
本発明は、粒子状の金属酸化物が有機重合体中に分散し、かつ粒子のサイズが複合体の断面方向で傾斜的に変化した有機重合体と金属酸化物との複合体を得ることができる。よって、発光デバイスの表面に本発明の有機重合体金属酸化物複合体を作製して光散乱させる場合には、特定の波長の散乱効率が高いといったことがないため、透過してきた光に色が付くといった問題を回避することができる。また、本発明においては、粒径および粒径分布を制御することができるため、逆に特定の波長の光を散乱させ、透過してきた光に色をつけることもできる。よって、本発明の有機重合体金属酸化物複合体は、有機EL用の光学フィルムとして幅広く用いることができる。
実施例1で得られたポリイミド/シリカ複合フィルムのTEM写真である。(5000倍)

Claims (15)

  1. 金属酸化物の粒子が分散する、有機重合体と金属酸化物との複合体であって、該複合体の厚み方向において、上記金属酸化物の粒径が傾斜的に変化し、当該傾斜的変化は複合体の両端から膜厚の40%以内の範囲における単位面積当りの平均粒径の最大値と最小値の比が1.2以上であり、かつ厚み方向における該金属酸化物の体積分率の最大値と最小値の比が2以下であることを特徴とする複合体。
  2. 上記有機重合体が、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアラミド、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールから成る群より選ばれる1種以上の有機重合体である、請求項に記載の複合体。
  3. 上記金属酸化物が、珪素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムから選ばれる1種以上の金属を含有するものである、請求項1又は2に記載の複合体。
  4. 有機重合体と金属酸化物との複合体がゾル−ゲル反応により製造されるものである請求項1〜いずれか一項に記載の複合体。
  5. 有機重合体の溶液中でゾル−ゲル反応を行うことにより金属酸化物の粒子前駆体又は粒子を形成する段階、及び上記金属酸化物の粒径を大きくする段階を含む、請求項1に記載の複合体の製造方法。
  6. 上記金属酸化物の粒径を大きくする段階において、該複合体の厚み方向で金属酸化物の粒径の大きさを傾斜的に変化させる、請求項に記載の製造方法。
  7. 上記金属酸化物の粒径を大きくする段階は、上記金属酸化物の粒子を形成する段階から得られた溶液を塗布し膜を形成し、この膜を乾燥させることにより、該複合体の厚み方向で傾斜的に金属酸化物の粒径の大きさを変化させるものである、請求項5〜6いずれかの項に記載の製造方法。
  8. 上記金属酸化物の粒径を大きくさせる段階は、上記金属酸化物の粒子を形成する段階から得られた溶液を塗布し膜を形成し、乾燥温度を上昇させながら膜を乾燥させ、金属酸化物の粒径を大きくするものである、請求項5〜7いずれかの項に記載の製造方法。
  9. 上記有機重合体が、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスチレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアラミド、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸から成る群より選ばれる1種以上の有機重合体である、請求項5〜8いずれかの項に記載の製造方法。
  10. 上記金属酸化物が、珪素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムから選ばれる1種以上の金属を含有するものである、請求項5〜9いずれかの項に記載の製造方法。
  11. 上記ゾル−ゲル反応に用いられる金属酸化物の原料が、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレートから選ばれる一種又は2種以上の組み合わせ、もしくはこれらの部分加水分解重縮合化合物である、請求項5〜10いずれかの項に記載の製造方法。
  12. 請求項5〜11記載の製造方法より得られうる、有機重合体に金属酸化物の粒子が分散する有機重合体と金属酸化物との複合体。
  13. 請求項1〜に記載の複合体から得られることを特徴とするフィルム。
  14. 請求項12記載の複合体から得られることを特徴とするフィルム。
  15. 光学用である請求項13に記載のフィルム。
JP2006076767A 2006-03-20 2006-03-20 有機重合体と金属酸化物との複合体、その製造方法及び用途 Active JP4035148B2 (ja)

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