JP3593330B2 - 機能性樹脂構造体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂構造体に種々の機能を有する充填材が含有されてなる機能性樹脂構造体と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気製品、機械製品、その他生活用品などの各種部材として、種々の機能性樹脂構造体が使用されている。一般に、樹脂構造体に所定の機能を付加するためには、樹脂構造体の原料となる樹脂材料中に所定の機能を有する充填材を混合し、これをシート状などの所定の形状に成形して作成される。
また、近年、該機能性樹脂構造体に求められる機能も多様化しており、例えば厚み方向に複数の機能を備えてなる機能性樹脂構造体が要求される場合がある。斯かる機能性樹脂構造体を製造するには、従来、樹脂材料に充填材を混合して一の機能性樹脂構造体を作成し、また、樹脂材料に他の充填材を混合して別の機能性樹脂構造体を作成し、そしてこれら2以上の機能性樹脂構造体を重ねて積層構造の機能性樹脂構造体を構成するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数の樹脂構造体を積層するには、樹脂構造体と樹脂構造体との間に接着剤を塗布しなければならず、製造工程が極めて煩雑なものとなる。また、接着剤による接着効果が十分でない場合には、樹脂構造体同士が剥離してしまう虞もある。さらに、外部からの熱や衝撃、或いは充填材の性質などの影響により、樹脂構造体が剥離し易くなる虞もある。
【0004】
そこで本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、多様な機能を備えると共にそのような機能を有する樹脂が、より強固に結合されてなる機能性樹脂構造体と、該機能性樹脂構造体の簡易な製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題に鑑みて鋭意研究した結果、以下の発明を見出すに至った。即ち、本発明の解決手段は以下の通りである。
【0006】
(1)酸化セリウムとポリウレタン原材料とを混合した樹脂材料を金型に流し込み、該酸化セリウムを前記金型の回転によって金型の半径方向に傾斜分布させ、さらに該樹脂材料が一次硬化した状態で、充填材を含まないポリウレタン原材料からなる樹脂材料を流し込み、双方の樹脂材料を化学的に結合させてシート状としたことを特徴とする機能性樹脂構造体。
【0007】
(2)酸化セリウムとポリウレタン原材料とを混合した樹脂材料を金型に流し込み、該酸化セリウムを前記金型の回転によって金型の半径方向に傾斜分布させ、さらに該樹脂材料を一次硬化させた状態で、充填材を含まないポリウレタン原材料からなる樹脂材料を流し込み、双方の樹脂材料を化学的に結合させてシート状としたことを特徴とする機能性樹脂構造体の製造方法。
【0008】
前記(1)記載の機能性樹脂構造体によれば、酸化セリウムを混合したポリウレタン樹脂層と、充填材を混合しないポリウレタン樹脂層とが化学的に結合して一体的に機能性樹脂構造体を構成するため、従来の積層構造の機能性樹脂構造体と比較して、樹脂構造体が剥離あるいは損傷され難いという利点を有する。
また、ポリウレタン樹脂層を備え、且つシート状としたことにより、柔軟性に優れたものとなる。
【0009】
さらに、前記(1)記載の機能性樹脂構造体によれば、酸化セリウムが金型の半径方向、即ち、樹脂の厚み方向に傾斜分布しているため、該機能性樹脂構造体表面からの距離に応じて異なる機能を備えたものとなる。
また、酸化セリウムによる研磨特性と、上記のようにポリウレタン樹脂を採用し且つシート状としたことによる柔軟な弾性とにより、該機能性樹脂構造体は、光ファイバのフェルール等の研磨用として極めて好適なものとなる。
【0010】
前記(2)記載の機能性樹脂構造体の製造方法によれば、酸化セリウムを混合したポリウレタン樹脂層と、充填材を混合しないポリウレタン樹脂層とが化学的に結合して一体的に構成された前記(1)記載の機能性樹脂構造体を簡易に製造することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る機能性樹脂構造体およびその製造方法について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
本発明に係る機能性樹脂構造体の第1実施形態は、図1に示したように、ベース層4と、機能層5とから構成されてなり、さらに該機能層5は表面より順に第一機能層11、第二機能層12、第三機能層13とから構成されてなる。
より具体的に説明すると、第一機能層11は、充填材として粒径が2〜10μm程度の砥粒2aと樹脂3とからなり、第2機能層12は、充填材として粒径が1〜2μm程度の砥粒2bと樹脂3とからなり、第三機能層13は、充填材として粒径が0.1〜1μm程度の砥粒2cと樹脂3とからなり、ベース層4は、樹脂3のみからなる。そして、これら第一乃至第三機能層およびベース層は、各樹脂材料が金型に流し込まれ、該樹脂材料が一次硬化した状態で隣接する層の樹脂材料が流し込まれ、互いの樹脂材料が化学的に結合してなるものである。即ち、該第一実施形態の機能性樹脂構造体1は、見かけ上、ベース層および第一乃至第三機能層という4つの層からなるが、実質的には各層は化学的に結合した一体構造のものである。
【0013】
充填材として配合される砥粒としては、酸化セリウムを使用することができる。該砥粒の配合量についても特に限定されず、該機能性樹脂構造体の用途に応じて適宜調整することができる。
【0014】
また、前記樹脂としては、ポリウレタン樹脂を好適に使用することができる。
該ポリウレタン樹脂は、ジイソシアナートと多価アルコールとが反応、硬化して得られる反応硬化性樹脂であるため、金型へ流し込む樹脂材料は、ジイソシアナートと多価アルコールとの混合物とする。該樹脂材料が一次硬化した状態で次の樹脂材料を流し込むと、双方の未反応成分が反応して化学的に結合するため、互いの樹脂を一体化させることができる。
さらに、該樹脂として、反応硬化性樹脂の発泡体(フォーム)を使用することも可能である。
【0015】
斯かる第一実施形態の機能性樹脂構造体は、通常の金型を用いて作製することができ、また、好ましくは遠心成形機に備えられた金型により作製することができる。遠心成形機としては、例えば図2に示したようなものを好適に使用できる。
該遠心成形機50は、モータなどで回転する駆動軸52と、該駆動軸の先端に取付けられ、且つ片持ちで回転可能に支持された円筒形状の金型53と、該金型の外周に適宜配置されたヒータ54と、該ヒータ54及び金型53などを覆う断熱ケース55と、該断熱ケース55に開口されたハッチ56と、該ハッチ56を開閉する扉57とを備えて構成されたものである。
【0016】
該遠心成型機50を用いて第一実施形態の機能性樹脂構造体を作成する方法について、より具体的に説明する。まず、第一機能層11を構成する樹脂材料に砥粒2aを配合したものを、該金型53に流し込み、この金型53を加熱しつつ回転させて該樹脂材料が流動性がなくなる程度に一次硬化させる。そして、該樹脂材料が一次硬化した状態、即ち、流動性はないが完全硬化していない状態において、第二機能層12を構成する樹脂材料と砥粒2bを流し込む。以下、同様にして順次第三樹脂層とベース層について樹脂材料を流し込んだ後、これら全ての樹脂を完全に硬化させて機能性樹脂構造体とする。
【0017】
斯かる機能性樹脂構造体1は、砥粒が配合されてなるため各種研磨用途に広く使用できる。特に、第一乃至第三機能層には、大きい粒径から小さい粒径までの砥粒が順に配合されてなるため、粗研磨から仕上研磨までの一連の研磨工程を、該機能性樹脂構造体のみによって、連続して行うことができるという利点を有する。
【0018】
また、該第一実施形態の機能性樹脂構造体1は、ポリウレタン樹脂3のみで構成されたベース層4を備えてなるため、該ポリウレタン樹脂による適度な弾性を備えたものとなる。
【0019】
よって、該機能性樹脂構造体1はこのような研磨特性と弾性とを備えたものとなり、精密研磨用として好適である。精密研磨の一例として、光ファイバコネクタの接続部分であるフェルールの研磨を挙げることができ、該フェルールの先端を適度なアールをもって精度よく研磨することが可能となる。
【0020】
また、機能層5およびベース層4は、樹脂材料が一次硬化した状態で次々と注型されることによって化学的に結合して一体成形されたものであるため、研磨中に層が剥離したり樹脂が欠損する虞がない。
【0021】
次に、機能性樹脂構造体の第2実施形態は、図3に示したように、ベース層4と、機能層5とから構成されてなり、さらに該機能層5は表面より順に第一機能層14、第二機能層15とから構成されてなる。
そして、第一機能層14は充填材としての大粒径の砥粒2dと樹脂3とからなり、第二機能層15は充填材としての小粒径の砥粒2eと樹脂3とからなり、ベース層4は充填材としての磁性粉2jと樹脂3とからなる。そして、これら第一、第二機能層と、ベース層とは、各樹脂材料が金型に流し込まれ、該樹脂材料が一次硬化した状態で隣接する層の樹脂材料が流し込まれることにより、互いの樹脂材料が化学的に結合されてなるものである。
【0022】
磁性粉2eとしては、四三酸化鉄(マグネタイト)などの一般的な磁性材料を使用でき、砥粒および樹脂としては、前記第1実施形態と同様のものを使用できる。
【0023】
また、該第2実施形態の機能性樹脂構造体の製造方法としては、前記第1実施形態と同様の方法を採用することができる。
【0024】
斯かる第2実施形態の機能性樹脂構造体1は、表面を構成する第一機能層14に大粒径の砥粒2dが含まれているために粗研磨用の研磨材として機能し、第二機能層15に小粒径の砥粒2eが含まれているため、仕上用の研磨材として機能する。また、ベース層4に磁性粉2jが含まれているために磁性体としても機能する。
よって、該構造体1は、粗研磨と仕上研磨とを行うことができる研磨材であって、且つ磁性材として各種用途に用いることができる。例えば、研磨材として上述したような精密研磨に用いることができ、その際に、磁性材としての機能により温度や湿度に影響されることなく、支持体への安定した固定を行うことが可能となる。
【0025】
次に、機能性樹脂構造体の第3実施形態は、図4に示したように、樹脂3に充填材としての磁性粉2jが含まれてなるベース層4と、樹脂3に充填材としての砥粒が傾斜分布して含まれ、表面に凸部31と凹部32とが形成された機能層5とから構成されてなる。
より具体的には、該機能性樹脂構造体1の機能層5は、表面側に粒径2〜10μm程度の比較的大きい砥粒2fが分布し、中央部に粒径1〜2μm程度の中程度の砥粒2gが分布し、ベース層4側に粒径0.1〜1μm程度の比較的小さい砥粒2hが分布してなる。使用される砥粒、磁性粉、および樹脂としては、前記第1実施形態と同様のものが使用される。
また、表面の凹凸形状は、機能層5の表面に、断面視V字状の凹部32が所定間隔で形成されたことにより、該凹部32、32・・・と、その間に形成された断面視台形状の凸部31、31・・・とからなる。
【0026】
該機能性樹脂構造体1は、例えば上述したような遠心成形機50を用い、加熱された円筒形状の金型を回転させながら、その内側に樹脂材料を流し込み硬化させてなるものであり、該樹脂材料と充填材としての砥粒とを混合して流し込むことにより、該金型の回転による遠心力で該砥粒を金型の半径方向、即ち構造体の厚み方向に傾斜分布させ、次いで、該樹脂材料が一次硬化した状態でベース層4となる樹脂材料および磁性粉2jの混合物を流し込み、双方の樹脂材料を化学的に結合させて構成されたものである。また、凹部32は、所望の凹凸形状を備えた金型を使用することにより、形成することができる。
【0027】
砥粒が傾斜分布した状態で構成されるのは、主に以下のような作用によるものと考える。即ち、砥粒は樹脂材料よりも密度が大きく、金型による遠心力が作用すると樹脂材料中を外側へ移動する傾向にあり、その際、砥粒の大きさによって樹脂材料から受ける粘性の影響が異なり、小粒径の砥粒よりも大粒径の砥粒ほどより外側へ移動し易く、かかる作用により図4に示したような傾斜分布が形成される。
【0028】
砥粒、磁性粉および樹脂としては、前記第1実施形態と同様のものを使用できる。
【0029】
斯かる機能性樹脂構造体1は、例えば光ファイバコネクタの接続部であるフェルールの先端研磨といった精密研磨用に好適である。比較的大きい粒径の砥粒2fが分布する第一機能部16で粗研磨を行い、中程度の粒径の砥粒2gが分布する第二機能部17で中研磨を行い、比較的小さい粒径の砥粒が分布する第三機能部18で仕上研磨を行うことができ、連続的に粗研磨から仕上研磨までを該機能性樹脂構造体1のみで行うことができる。また、研磨中に発生する削りカスや砥粒が、前記凹部32や発泡した樹脂の空隙部に入り込むため、相手材を傷つけにくいものとなる。
【0030】
また、機能層5は1回の注型で形成されたものであり、さらにベース層4も機能層5が一次硬化した状態で注型されることによって化学的に結合して一体成形されたものであるため、研磨中に層が剥離したり樹脂が欠損する虞がない。
【0031】
また、前記第2実施形態と同様に、ベース層4の磁性材としての機能を利用して、温度や湿度等に影響されることなく安定的に支持体へ圧接固定することができる。
【0032】
尚、該第3実施形態では、樹脂よりも密度の大きい砥粒を充填材として混合したが、逆に樹脂よりも密度の小さい充填材を用いれば、該充填材は樹脂よりも内側へ移動し、内側ほど粒径の大きい充填材が配合されたような傾斜分布を形成することもできる。また、その際には、樹脂材料及び必要に応じて磁性粉等を先に注型することにより、同様にベース層を形成することができる。
【0033】
また、該第3実施形態として、ベース層に磁性粉を添加した場合を示したが、このような充填材を添加せずに樹脂のみでベース層を構成することや、あるいは、他の機能を付与するべく異なる充填材を添加してベース層を構成することも可能である。
さらに、該第3実施形態では機能層表面に凹凸を形成したが、必須とするものではない。また、凹凸を形成する場合にも、前記第3実施形態に示した形状に限定されることなく、用途にあわせて種々の凹凸形状を採用することができる。
【0034】
次に、本発明に係る機能性樹脂構造体の第4実施形態は、図5に示したように、樹脂3からなるベース層4と、樹脂3に充填材としての砥粒2iと磁性粉2jが傾斜分布した機能層5とから構成されてなる。
より具体的に説明すると、該構造体1の機能層5は、砥粒2iが主に表面付近19に傾斜分布し、且つ磁性粉2jが主に中央付近20に傾斜分布してなる。使用される砥粒、磁性粉および樹脂としては、前記実施形態と同様のものである。
【0035】
該機能性樹脂構造体1は、加熱された円筒形状の金型を回転させながら、その内側に樹脂材料を流し込み硬化させてなるものであり、樹脂材料には遠心力による移動傾向の異なる2種の充填材として砥粒と磁性粉とを同時に混合し、該金型の回転による遠心力で該砥粒と該磁性粉とを金型の半径方向に異なる態様で傾斜分布させ、また、該樹脂材料が一次硬化した状態でベース層4を構成する樹脂材料を流し込み、双方の樹脂材料を化学的に結合させる方法で構成されたものである。
【0036】
斯かる機能性樹脂構造体1は、砥粒と磁性粉とが異なる態様で傾斜分布しており、より具体的には表面付近19に砥粒が多く分布し、中央付近20には磁性粉が多く分布した態様で構成されてなるため、前記第2実施形態と同様に、研磨材としての機能と磁性体としての機能とを兼ね備えたものとなり、研磨材兼磁性材として各種用途に使用することができる。また、機能層5を構成する樹脂材料が一度に注型されてなるため、前記第2実施形態と比較して、より一層一体性に優れたものとなる。
【0037】
尚、本発明において、充填材を傾斜分布させてなる機能性樹脂構造体としては、前記第1および第4実施形態に限定されず、これ以外にも樹脂と充填材の密度差や、充填材同士の密度差を利用することによって、あらゆる傾斜分布を形成することが可能である。また、密度以外にも充填材の粒径や形状などを調整することにより、傾斜分布の状態を変えることも可能である。
【0038】
充填材としては、砥粒に加えて、前記磁性粉以外にも、フッ化黒鉛、ステアリン酸亜鉛、金属酸化物パウダーなどの滑り性を有する添加材、アジン系化合物、第4級アンモニウム塩、含金属アゾ染料などの帯電制御剤、あるいは導電性カーボンなどの導電性粉体等の中から選ばれる1種あるいは2種以上を選択して使用することができる。また、樹脂の寿命を判断するための着色剤を添加することも可能である。
【0039】
さらに、本発明では、充填材の配合量を特に制限するものではないが、作製する機能性樹脂構造体の用途に応じてその量を調整することができ、具体的には樹脂材料100重量部に対して充填材を0.5〜200重量部の範囲で調整することができる。
但し、樹脂自体の特性を維持することが望ましい用途においては、樹脂材料100重量部に対して該添加剤を5〜25重量部とすることが好ましい。
【0041】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明する。
酸化セリウム(平均粒径が、2.5μm、1.5μm、0.4μmのものを混合したもの)をポリエステル系ポリウレタン原材料中に50重量%分散させた樹脂材料を遠心成形機の金型へ注型し、0.5mmの厚さで成形した。5分後に充填材を含まないポリエステル系ポリウレタンをその上から注型して成形し、合計2mmの厚みの機能性樹脂構造体を成形した。
尚、酸化セリウムは、以下のものを使用した。
酸化セリウム(平均粒径2.5μm):新日本金属化学(株)製、セリコ
酸化セリウム(平均粒径1.5μm):同、セリコNS
酸化セリウム(平均粒径0.4μm):同、セリコSP
また、平均粒径は、レーザー分析装置(島津製作所製、SALD−2000)を用いて測定した。
【0042】
斯かる機能性樹脂構造体を断面観察すると、該構造体の外側表面付近には粒径2.5μm程度の大粒径の酸化セリウムが最密に近い状態で存在し、該表面から厚み方向内側にかけて100μmの幅にわたって徐々に粒径が小さくなり、且つ疎らになるような状態で、酸化セリウムが存在していた。また、後から注型した基層は、該機能層と強固に一体化しており、機能層よりも優れたゴム弾性を有し、該機能性樹脂構造体に所望の弾性を与えるものであった。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る機能性樹脂構造体によれば、種々の機能を併せ持った状態で、且つ一体性に優れた構造体となる。
また、該機能性樹脂構造体の製造方法によれば、このような優れた特性を有する機能性樹脂構造体を簡易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る機能性樹脂構造体の第1実施形態を示した断面図。
【図2】本発明において使用される遠心成型機の一例を示した断面図。
【図3】機能性樹脂構造体の第2実施形態を示した断面図。
【図4】機能性樹脂構造体の第3実施形態を示した断面図。
【図5】本発明に係る機能性樹脂構造体の第4実施形態を示した断面図。
【符号の説明】
1・・・機能性樹脂構造体、2・・・充填材、3・・・樹脂、4・・・ベース層、5・・・機能層、50・・・遠心成形機
Claims (2)
- 酸化セリウムとポリウレタン原材料とを混合した樹脂材料を金型に流し込み、該酸化セリウムを前記金型の回転によって金型の半径方向に傾斜分布させ、さらに該樹脂材料が一次硬化した状態で、充填材を含まないポリウレタン原材料からなる樹脂材料を流し込み、双方の樹脂材料を化学的に結合させてシート状としたことを特徴とする機能性樹脂構造体。
- 酸化セリウムとポリウレタン原材料とを混合した樹脂材料を金型に流し込み、該酸化セリウムを前記金型の回転によって金型の半径方向に傾斜分布させ、さらに該樹脂材料を一次硬化させた状態で、充填材を含まないポリウレタン原材料からなる樹脂材料を流し込み、双方の樹脂材料を化学的に結合させてシート状とすることを特徴とする機能性樹脂構造体の製造方法。
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