まず、本発明の一実施形態に係る動作機構を有した可動役物装置100を具備する遊技機1の全体的な構成について、図面を用いて説明する。
なお、以下の説明では、遊技機1を遊技者から見て、手前側を遊技機1の前側とし、奥側を遊技機1の後側として、前後方向を規定する。また、遊技機1を遊技者から見て、左手側を遊技機1の左側とし、右手側を遊技機1の右側として、左右方向を規定する。
遊技機1は、図1から図3が示すように、主として、外枠2と、中枠3と、窓枠4と、により構成される枠体に、各種の遊技部品が取り付けられて形成される。
外枠2は、遊技機1の外郭を成し、前後面が開口された略四角筒状に形成される枠体である。外枠2は、パチンコホール等の遊技場に設けられた台島に設置される。外枠2には、中枠3が設けられる。
中枠3は、前後面が開口された略四角筒状に形成される枠体である。中枠3は、外枠2の前側の開口部にヒンジ等の軸支部材を介して回動可能に支持される。中枠3には、窓枠4と、下皿ユニット5と、遊技盤6と、が設けられる。
窓枠4は、中央が開口された略平板状に形成される枠体である。窓枠4は、正面視で中枠3の下部を除く略全面に渡って配置される。窓枠4は、中枠3の前側の開口部にヒンジ部材を介して回動可能に支持される。窓枠4の中央には、正面視で略円形状の窓枠開口部7が形成される。窓枠開口部7は、透明板19により被覆される。窓枠開口部7の下部には、発射前の遊技球が貯溜される上皿8が配設される。窓枠開口部7の左右上方には、スピーカ9がそれぞれ配設される。
下皿ユニット5は、中枠3の下部であって窓枠4の下方に取り付けられる。下皿ユニット5の中央には、上皿8から溢れた遊技球が貯溜される下皿17が配設される。下皿ユニット5の右部であって下皿17の右方には、発射ハンドル18が配設される。発射ハンドル18は、上皿8に貯溜された遊技球を発射可能に構成される。
遊技盤6は、遊技球が転動する領域である遊技領域25が形成される部材である。遊技盤6は、窓枠4の後方であって、正面視で中枠3の下部を除く略全面に渡って配置される。遊技盤6は、中枠3に着脱可能に取り付けられる。なお、遊技盤6の遊技領域25は、窓枠4の窓枠開口部7の後方に配置され、前方から透明板19を介して視認可能に構成される。
次に、遊技盤6の構成について、図3及び図4を用いてさらに詳細に説明する。
遊技盤6は、図3に示すように、遊技板10と、ガイドレール11と、センター役物12と、図柄表示装置13と、可変入賞装置14と、大入賞装置15と、アウト口16と、可動役物装置100等により構成される。
遊技板10は、四隅が適宜に切り欠けられた略平板状に形成される部材である。遊技板10には、遊技盤6を構成する各種の遊技部品が取り付けられる。遊技板10は、アクリル樹脂やポリカーボネート(PC)等の透過性を有する部材によって形成される。
ガイドレール11は、略円弧帯状に形成される部材である。ガイドレール11は、遊技板10に、前方へ向けて立ち上がり状に取り付けられる。ガイドレール11は、正面視で略円形状を形成するように配置される。なお、遊技板10においてガイドレール11によって略円形状に形成された内側の領域が、遊技球が転動する領域である遊技領域25として構成される。
センター役物12は、その外観により遊技板10を装飾する部材である。センター役物12は正面視で略環状であって、その中央にセンター開口部27が前後方向に貫通して形成される。センター役物12は、遊技板10を前後方向に貫通するように当該遊技板10の中央から上部に渡って形成される孔に前方から挿入され、ボルト等によって取り付けられる。
図柄表示装置13は、前方を臨むように配設された液晶画面26に図柄や数字等の変動(図柄遊技)を表示するように構成される装置である。図柄表示装置13は、遊技板10の後方に配置される。より詳細には、図柄表示装置13の液晶画面26が、遊技板10に取り付けられたセンター役物12のセンター開口部27の後方に配置される。これによって、前方からセンター開口部27を介して液晶画面26に表示される図柄遊技を視認することができる。
可変入賞装置14は、所定の作動条件に応じて左右一対の可動片28が開閉作動し、始動入賞口14aに遊技球が入球(入賞)可能な開放状態と入球(入賞)不能な閉塞状態とに切り替え可能に構成される装置である。可変入賞装置14は、遊技領域25の中央下部であって図柄表示装置13の下方に配置される。なお、可変入賞装置14は、前記開放状態において始動入賞口14aに遊技球が入球(入賞)すると図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成される。
大入賞装置15は、所定の大当たり抽選により大当たりが選択されると、大入賞口15aを開放して遊技球が入球(入賞)可能に構成される装置である。大入賞装置15は、遊技領域25の右部であって図柄表示装置13の右下方に配置される。なお、大入賞装置15は、開放した大入賞口15aに遊技球が入球すると図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成される。
アウト口16は、遊技領域25を転動する遊技球が、大入賞口15aや始動入賞口14a等の各入賞口に入球(入賞)しなかった場合に、最終的に流入する開口部である。アウト口16は、遊技領域25の最下部に配置される。なお、アウト口16に流入した遊技球は、遊技機1が設置されたパチンコホール等の遊技場側に回収される。
図3及び図4に示す可動役物装置100は、本発明に係る動作機構を有する可動役物装置の一実施形態である。可動役物装置100は、所定の演出動作を行うことにより、遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与え、その遊技者の興趣を高めるものである。可動役物装置100は、液晶画面26の右方に配置されると共に、前後方向においてセンター役物12と液晶画面26との間、すなわちセンター役物12よりも後方であって液晶画面26よりも前方に配置される。可動役物装置100は、主として、ベース部材110と、モータ120と、プレート状部材130と、第一可動部材140と、第二可動部材150と、により構成される。以下では、可動役物装置100が有する動作機構について説明する。
まず、図4から図8を用いて、ベース部材110の構成について説明する。
なお、以下の図面においては、説明の便宜上、説明に必要が無い部材の記載を適宜に省略するものとする。
ベース部材110は、可動役物装置100の基礎となる部材である。ベース部材110は、可動役物装置100の後部に配置される。ベース部材110は、上下方向を長手方向とする細長い平板状に形成される。ベース部材110は、その板面を前後方向へ向けて配置される。ベース部材110には、図8に示すように、ベース中央開口部111と、ベース上部開口部112と、ベース下部開口部113と、が設けられる。
ベース中央開口部111は、第二可動部材150に設けられる第二上部軸部184が摺動するための長孔である。ベース中央開口部111は、ベース部材110を前後方向に貫通して形成される。ベース中央開口部111は、ベース部材110の略中央に形成される。ベース中央開口部111は、中央開口縦部111aと、中央開口横部111bと、により構成される。
中央開口縦部111aは、長手方向を上下方向として形成される。すなわち、中央開口縦部111aは、下端部から上方へ向けて延出される。
なお、以下では、中央開口縦部111aにおける下端部から上端部までの延出方向を「第一の方向」と称する。
中央開口横部111bは、長手方向を左右方向として形成される。すなわち、中央開口横部111bは、右端部から左方へ向けて延出される。中央開口横部111bの右端部は、中央開口縦部111aの上端部に接続される。
なお、以下では、中央開口横部111bにおける右端部から左端部までの延出方向を「第二の方向」と称する。
このように、ベース中央開口部111は、中央開口縦部111a及び中央開口横部111bにより、第一の方向及び第二の方向に延出された正面視で略L字状に形成される。
ベース上部開口部112は、第一可動部材140に設けられる第一役物軸部172が摺動するための長孔である。ベース上部開口部112は、ベース部材110を前後方向に貫通して形成される。ベース上部開口部112は、ベース部材110の上部であって、ベース中央開口部111の上方に形成される。ベース上部開口部112は、正面視で長手方向を左右方向から若干傾けた方向(概ね左右方向)として形成される。より詳細には、ベース上部開口部112は、左端部から右斜め上方へ向けて緩やかな角度で延出される。
ベース下部開口部113は、第一可動部材140に設けられる第一下部軸部164が摺動するための長孔である。ベース下部開口部113は、ベース部材110を前後方向に貫通して形成される。ベース下部開口部113は、ベース部材110の下部であって、ベース中央開口部111の下方に二つ形成される。以下では、ベース部材110の左下部に形成されるベース下部開口部113を「ベース下部左開口部113a」と、ベース部材110の右下部に形成されるベース下部開口部113を「ベース下部右開口部113b」と、それぞれ称する。
ベース下部左開口部113aは、前記第一下部軸部164のうち第一下部左軸部164aを摺動するための長孔である。ベース下部左開口部113aは、正面視で長手方向を左右方向から若干傾けた方向(概ね左右方向)として形成される。より詳細には、ベース下部左開口部113aは、左端部から右斜め上方へ向けて緩やかな角度で延出される。
ベース下部右開口部113bは、前記第一下部軸部164のうち第一下部右軸部164bを摺動するための長孔である。ベース下部右開口部113bは、正面視で長手方向を左右方向から若干傾けた方向(概ね左右方向)として形成される。より詳細には、ベース下部右開口部113bは、左端部から右斜め下方へ向けて緩やかな角度で延出される。
次に、図7を用いて、モータ120の構成について説明する。
モータ120は、可動役物装置100の駆動源となる部材である。モータ120は、ベース部材110の後側面に固定される。モータ120の出力軸は、ベース部材110を貫通するように前方へ向けて突設される。モータ120の出力軸の先端には、図示せぬ出力ギヤが固定される。
次に、図6及び図7と、図9及び図14とを用いて、プレート状部材130の構成について説明する。
プレート状部材130は、モータ120の駆動力により回転可能に支持される部材である。プレート状部材130は、ベース部材110の前方に配置される。プレート状部材130は、ベース部材110の前側面のベース中央開口部111とベース下部開口部113との間に支持される。プレート状部材130は、主として、プレート部131と、プレート第一軸部132と、プレート第二軸部133と、プレートギヤ部134と、プレート回転軸135と、により構成される。
プレート部131は、プレート状部材130の主たる構造体である。プレート部131は、略真円の平板状に形成される。プレート部131は、その板面を前後方向へ向けて配置される。プレート部131は、その軸心位置を回転中心として左右回りに回転可能に構成される。
プレート第一軸部132は、第一可動部材140に設けられる第一右部開口部161に摺動するための部材である。プレート第一軸部132は、プレート部131の前側面の右部から前方へ向けて突出される。このように、プレート第一軸部132は、プレート部131の回転中心から所定距離だけ偏心した位置に配置される。
プレート第二軸部133は、第二可動部材150に設けられる第二切り欠き部183に係脱可能に係合するための部材である。プレート第二軸部133は、プレート部131の前側面の左部から前方へ向けて突出される。プレート第二軸部133は、プレート部131の回転中心から所定距離だけ偏心した位置に配置される。
なお、プレート第二軸部133は、プレート第一軸部132とは異なる位置に配置される。より詳細には、本実施系形態では、プレート第二軸部133及びプレート第一軸部132は、プレート部131の外周縁部付近で、当該プレート部131の周方向の長さを概ね等分するような位置に配置される。(プレート第二軸部133とプレート第一軸部132との間の周方向の長さがが、出来るだけ長くなるように配置される。)
プレートギヤ部134は、モータ120からの駆動力が伝達される歯車である。プレートギヤ部134は、その軸心を前後方向へ向けて左右回りに回転可能に構成される。プレートギヤ部134は、プレート部131の後側面に一体的に固定される。プレートギヤ部134は、その軸心位置がプレート部131の軸心の延長線上に配置される。プレートギヤ部134は、前記モータ120の出力軸に固定された出力ギヤに噛合される。
プレート回転軸135は、プレート状部材130をベース部材110に回転可能に支持するための部材である。プレート回転軸135は、プレートギヤ部134の後側面の中央から後方へ向けて突出される。プレート回転軸135は、その先端部がベース部材110の前側面に回転可能に貫装される。
このようなプレート状部材130の構成により、モータ120が駆動すると、当該モータ120からの駆動力がプレートギヤ部134に伝達される。そして、プレートギヤ部134に伝達された駆動力により、プレート状部材130が軸心位置を中心として、ベース部材110に対して左右回りに回転可能となる。すなわち、プレート状部材130は、モータ120からの駆動力が伝達され、当該モータ120の駆動力により回転可能に支持される。なお、プレート状部材130が左右回りに回転すると、当該回転に伴ってプレート第一軸部132及びプレート第二軸部133が左右回りに回転することになる。
なお、プレート状部材130は、本発明に係る「駆動伝達部材」の一実施形態であり、プレート状(平板状)に形成されるものに限定するものではない。
次に、図5から図7、及び図10、図11を用いて、第一可動部材140の構成について説明する。
第一可動部材140は、ベース部材110に移動可能に支持される部材である。第一可動部材140は、可動役物装置100の前部であって、プレート状部材130よりも前方に配置される。第一可動部材140は、主として、第一可動本体部160と、第一可動役物部170と、により構成される。
第一可動本体部160は、上下方向を長手方向とする細長い平板状に形成される。第一可動本体部160は、その板面を前後方向へ向けて配置される。第一可動本体部160には、第一右部開口部161と、第一左部開口部162と、第一上部軸部163と、第一下部軸部164と、第一下部カバー部材165と、が設けられる。
第一右部開口部161は、プレート状部材130に設けられるプレート第一軸部132が摺動するための部材である。第一右部開口部161は、第一可動本体部160の後側面の右下部に形成される。第一右部開口部161は、第一可動本体部160の後側面から後方へ向けて立設された壁部により形成される。より詳細には、第一右部開口部161は、前記壁部により、概ね上下方向に細長く開口される筒状に形成される。第一右部開口部161は、プレート第一軸部132の先端部が挿入され、当該プレート第一軸部132と係合される。また、第一右部開口部161は、その内径がプレート第一軸部132の外径よりも若干大きく形成され、当該プレート第一軸部132が係合した状態で長手方向に摺動可能となる。なお、第一右部開口部161は、図10に示すように、第一右部開口上部161aと、第一右部開口下部161bと、により構成される。
第一右部開口上部161aは、上端部から概ね下方へ向けて延出される。第一右部開口上部161aは、上下中途部が右方に若干膨出するように、すなわち円弧状に形成される。
第一右部開口下部161bは、第一右部開口上部161aの下端部から下方へ向けて延出される。第一右部開口下部161bの上端部は、第一右部開口上部161aの下端部に接続される。
なお、以下では、第一右部開口部161の上端部から下端部までの延出方向、すなわち第一右部開口上部161aの上端部から第一右部開口下部161bの下端部までの延出方向を「第三の方向」と称する。
第一左部開口部162は、第二可動部材150に設けられる第二左部軸部185が摺動するための長孔である。第一左部開口部162は、第一可動本体部160を前後方向に貫通して形成される。第一左部開口部162は、第一可動本体部160の左部に二つ形成される。以下では、第一可動本体部160の左上部に形成される第一左部開口部162を「第一左部上開口部162a」と、第一可動本体部160の左下部に形成される第一左部開口部162を「第一左部下開口部162b」と、それぞれ称する。
第一左部上開口部162aは、前記第二左部軸部185のうち第二左部上軸部185aが摺動するための長孔である。第一左部上開口部162aは、正面視で長手方向を上下方向として形成される。
第一左部下開口部162bは、前記第二左部軸部185のうち第二左部下軸部185bが摺動するための長孔である。第一左部下開口部162bは、正面視で長手方向を上下方向として形成される。
第一上部軸部163は、第一可動本体部160を第一可動役物部170(より詳細には、第一上部カバー部173)に回転(揺動)可能に支持させるための部材である。第一上部軸部163は、第一可動本体部160の前側面の上部から前方へ向けて突出される。第一上部軸部163は、第一上部カバー部173の図示せぬ挿入孔に貫装される。これによって、第一可動本体部160は、第一上部カバー部173(ひいては、第一可動役物部170)に、第一上部軸部163を介して回転(揺動)可能に連結される(図13参照)。
第一下部軸部164は、ベース部材110に設けられるベース下部開口部113に摺動するための部材である。第一下部軸部164は、第一可動本体部160の後側面の下部から後方へ向けて突出される。第一下部軸部164は、第一可動本体部160の下部に二つ形成される。以下では、第一可動本体部160の左下部に形成される第一下部軸部164を「第一下部左軸部164a」と、第一可動本体部160の右下部に形成される第一下部軸部164を「第一下部右軸部164b」と、それぞれ称する。
第一下部左軸部164aは、前記ベース下部開口部113のうちベース下部左開口部113aに摺動するための部材である。第一下部左軸部164aは、先端部がベース下部左開口部113aに挿入され、当該ベース下部左開口部113aと係合される。また、第一下部左軸部164aは、その外径がベース下部左開口部113aの内径よりも若干小さく形成され、当該ベース下部左開口部113aに係合した状態で長手方向に摺動可能となる。
第一下部右軸部164bは、前記ベース下部開口部113のうちベース下部右開口部113bに摺動するための部材である。第一下部右軸部164bは、先端部がベース下部右開口部113bに挿入され、当該ベース下部右開口部113bと係合される。また、第一下部右軸部164bは、その外径がベース下部右開口部113bの内径よりも若干小さく形成され、当該ベース下部右開口部113bに係合した状態で長手方向に摺動可能となる。
第一下部カバー部材165は、図4に示すように、遊技者に視認されるための部材である。第一下部カバー部材165は、後方に向けて開口したカバー状に形成される。第一下部カバー部材165は、第一可動本体部160を前方から覆って、当該第一可動本体部160に固定される。第一下部カバー部材165の前側面には、遊技者に視認させるための装飾が施される。本実施形態では、第一下部カバー部材165の前側面には、女性の上半身を模した装飾が施される。
第一可動役物部170は、可動役物装置100の演出動作を、遊技者に視認させるための部材である。第一可動役物部170は、第一可動部材140の上部であって、第一可動本体部160の上方に配置される。第一可動役物部170は、主として、第一役物基板171と、第一上部カバー部173と、により構成される。
第一役物基板171は、図11に示すように、第一可動役物部170の基礎となる部材である。第一役物基板171は、概ね円状に形成される。第一役物基板171は、その板面を前後方向へ向け、第一可動本体部160の上方に配置される。第一役物基板171には、電飾用の基板等が配置される。第一役物基板171には、第一役物軸部172が設けられる。
第一役物軸部172は、ベース部材110に設けられるベース上部開口部112に摺動するための部材である。第一役物軸部172は、第一役物基板171の後側面の左下部から後方へ向けて突出される。第一役物軸部172は、先端部がベース上部開口部112に挿入され、当該ベース上部開口部112と係合される。また、第一役物軸部172は、その外径がベース上部開口部112の内径よりも若干小さく形成され、当該ベース上部開口部112に係合した状態で長手方向に摺動可能となる。
第一上部カバー部173は、図4に示すように、遊技者に視認されるための部材である。第一上部カバー部173は、後方に向けて開口したカバー状に形成される。第一上部カバー部173は、第一役物基板171を前方から覆って、当該第一役物基板171に固定される。第一上部カバー部173の前側面には、遊技者に視認させるための装飾が施される。本実施形態では、第一上部カバー部173の前側面には、女性の顔を模した装飾が施される。第一上部カバー部173の下端部(遊技者に視認できない場所)であって第一役物軸部172よりも下方には図示せぬ挿入孔が形成され、第一可動本体部160に設けられる第一上部軸部163により回転可能に連結される。
このような第一可動部材140の構成により、(第一可動役物部170に設けられる)第一役物軸部172がベース部材110に設けられるベース上部開口部112に長手方向(概ね左右方向)に係合した状態で摺動可能とされ、かつ、(第一可動本体部160に設けられる)第一下部左軸部164a及び第一下部右軸部164bがベース部材110に設けられるベース下部左開口部113a及びベース下部右開口部113bに長手方向(概ね左右方向)にそれぞれ係合した状態で摺動可能とされる。すなわち、第一可動部材140は、ベース部材110に(概ね左右方向へ向けて)移動可能に支持される。
次に、図5から図7、及び図12、図14を用いて、第二可動部材150の構成について説明する。
第二可動部材150は、第一可動部材140に移動可能に支持される部材である。第二可動部材150は、プレート状部材130の前方であって、第一可動部材140の後方に配置される。第二可動部材150は、主として、第二可動本体部180と、第二可動役物部190と、により構成される。
第二可動本体部180は、上下方向へ向けて適宜に屈曲された細長い平板状に形成される。第二可動本体部180は、その板面を前後方向へ向けて配置される。より詳細には、第二可動本体部180は、下端部から上方へ向けて延出される第二可動本体下部182と、当該第二可動本体下部182の上端部から右方へ向けて正面視で略L字状に延出される第二可動本体上部181と、により形成される。第二可動本体部180には、第二切り欠き部183と、第二上部軸部184と、第二左部軸部185と、第二ラック部186と、が設けられる。
第二切り欠き部183は、プレート状部材130に設けられるプレート第二軸部133に係脱可能に係合されるための切り欠きである。第二切り欠き部183は、第二可動部材150の中央下部に形成される。より詳細には、第二切り欠き部183は、第二可動本体下部182の上部の右端部に形成される。第二切り欠き部183は、第二可動本体下部182の右端部が左方へ向けて切り欠かれ、前後方向に貫通するように形成される。第二切り欠き部183は、プレート第二軸部133の先端部が挿入され、当該プレート第二軸部133と係合される。また、第二切り欠き部183は、その内径がプレート第二軸部133の外径よりも若干大きく形成される。したがって、第二切り欠き部183に係合した状態のプレート第二軸部133が右方へ向けて移動すれば、当該第二切り欠き部183とプレート第二軸部133との係合した状態が解除されるように構成される。
第二上部軸部184は、ベース部材110に設けられるベース中央開口部111に摺動するための部材である。第二上部軸部184は、第二可動本体部180の後側面の上端部に形成される。より詳細には、第二上部軸部184は、第二可動本体上部181の後側面の上端部から後方へ向けて突出される。第二上部軸部184は、ベース中央開口部111に先端部が挿入され、当該ベース中央開口部111と係合される。また、第二上部軸部184は、その外径がベース中央開口部111の内径よりも若干小さく形成され、当該ベース中央開口部111に係合した状態で長手方向に摺動可能となる。
第二左部軸部185は、第一可動部材140に設けられる第一左部開口部162に摺動するための部材である。第二左部軸部185は、第二可動本体部180の前側面に形成される。より詳細には、第二左部軸部185は、第二可動本体下部182の前側面の上下端部から前方へ向けて突出される。すなわち、第二左部軸部185は、第二可動本体下部182の前側面に二つ形成される。以下では、第二可動本体下部182の前側面の上端部に形成される第二左部軸部185を「第二左部上軸部185a」と、第二可動本体下部182の前側面の下端部に形成される第二左部軸部185を「第二左部下軸部185b」と、それぞれ称する。
第二左部上軸部185aは、前記第一左部開口部162のうち第一左部上開口部162aに摺動するための部材である。第二左部上軸部185aは、先端部が第一左部上開口部162aに挿入され、当該第一左部上開口部162aと係合される。また、第二左部上軸部185aは、その外径が第一左部上開口部162aの内径よりも若干小さく形成され、当該第一左部上開口部162aに係合した状態で長手方向に摺動可能となる。
第二左部下軸部185bは、前記第一左部開口部162のうち第一左部下開口部162bに摺動するための部材である。第二左部下軸部185bは、先端部が第一左部下開口部162bに挿入され、当該第一左部下開口部162bと係合される。また、第二左部下軸部185bは、その外径が第一左部下開口部162bの内径よりも若干小さく形成され、当該第一左部下開口部162bに係合した状態で長手方向に摺動可能となる。
第二ラック部186は、第二可動役物部190に設けられる役物ギヤ部192が噛合される部材である。第二ラック部186は、第二可動本体部180の左下部に形成される。より詳細には、第二ラック部186は、第二可動本体下部182の左下端部から上方へ沿って形成される。
第二可動役物部190は、図4に示すように、可動役物装置100の演出動作を、遊技者に視認させるための部材である。第二可動役物部190は、第二可動部材150の概ね左部に配置される部材であり、第二可動本体部180の概ね左方に配置される。第二可動役物部190は、第一可動部材140に設けられる第一下部カバー部材165に左右回りに回転(移動)可能に支持される。第二可動役物部190は、主として、棒状役物191と、役物ギヤ部192と、により構成される。
役物ギヤ部192は、図13に示すように、第二可動本体部180に設けられる第二ラック部186に噛合される部材である。役物ギヤ部192の回転軸は、第一可動部材140に設けられる第一下部カバー部材165を貫通するように前方へ向けて突設される。役物ギヤ部192は、第二ラック部186から駆動力が伝達されと、左右回りに回転される。
棒状役物191は、遊技者に視認させるための部材である。棒状役物191は、細長い棒状に形成される。棒状役物191の前側面には、遊技者に視認させるための装飾が施される。棒状役物191の下端部は、役物ギヤ部192の回転軸に固定される。すなわち、役物ギヤ部192が左右回りに回転すると、当該役物ギヤ部192の回転と共に棒状役物191が左右回りに回転されるように構成される。
このような第二可動部材150の構成により、(第二可動本体部180に設けられる)第二左部上軸部185a及び第二左部下軸部185bが(第一可動部材140に設けられる)第一左部上開口部162a及び第一左部下開口部162bに長手方向(上下方向)にそれぞれ係合した状態で摺動可能とされる。すなわち、第二可動部材150は、第一可動部材140に移動可能に支持される。
次に、図15から図21を用いて、可動役物装置100の動作機構の態様(動作態様)について説明する。
なお、可動役物装置100の動作態様においては、前述したような各部材の配置を原点位置として、当該原点位置から動作が開始されるものとする。
図15は、プレート状部材130(より詳細には、プレート第一軸部132及びプレート第二軸部133)と第二可動部材150との動作関係を示す模式図である。図16は、プレート状部材130(より詳細には、プレート第一軸部132及びプレート第二軸部133)と第一可動部材140との動作関係を示す模式図である。なお、図15では、原点位置にある第二可動部材150を二点鎖線で示し、プレート第二軸部133が点Bに移動した場合の第二可動部材150を実線で示している。図17及び図18は、プレート第一軸部132及びプレート第二軸部133が点Aから点Bまで移動する場合の、可動役物装置100の動作態様を示す模式図である。
図15及び図16の点Aで示すプレート第一軸部132及びプレート第二軸部133は、プレート状部材130が原点位置にある場合、すなわち、図17に示すように、可動役物装置100が未だ動作してない状態を示している。なお、原点位置では、プレート状部材130に設けられるプレート第二軸部133は、第二可動部材150に設けられる第二切り欠き部183と係合した状態である。また、プレート状部材130に設けられるプレート第一軸部132は、第一可動部材140に設けられる第一右部開口部161と係合した状態である。
可動役物装置100が動作を開始し、モータ120が駆動されると、当該モータ120からの駆動力がプレート状部材130に伝達される。そして、当該伝達された駆動力によりプレート状部材130が右回りに回転し、当該回転に伴ってプレート第一軸部132及びプレート第二軸部133が点Aから右回りに移動する。なお、プレート第一軸部132及びプレート第二軸部133が移動する場合、当該プレート第一軸部132及び当該プレート第二軸部133の移動軌跡は、プレート状部材130の軸心位置を回転中心とした円弧状となる。
図15及び図16の点Bで示すプレート第一軸部132及びプレート第二軸部133は、プレート状部材130が原点位置である場合から所定の時間だけ回転した状態を示している。
図15に示すように、プレート第二軸部133が点Aから点Bまで移動する場合、当該プレート第二軸部133は係合した状態の第二切り欠き部183を保持すると共に右斜め上方へ向けて押圧するように構成される。すなわち、プレート第二軸部133が点Aから点Bまで移動する場合、モータ120からプレート状部材130に伝達された駆動力が、プレート第二軸部133及び第二切り欠き部183を介して第二可動部材150に伝達されることになる。
なお、第二切り欠き部183が設けられる第二可動部材150(より詳細には、第二可動本体部180)は、第一可動部材140に上下方向に移動可能に支持される。したがって、プレート第二軸部133が点Aから点Bまで移動する場合、当該プレート第二軸部133の右斜め上方へ向けての押圧により(プレート状部材130からプレート第二軸部133を介して伝達される駆動力により)、第二可動部材150は第一可動部材140に対して上方へ向けて移動することになる。なお、第二可動部材150が上方へと移動した状態は、第二切り欠き部183に係合した状態のプレート第二軸部133により保持される。
そして、プレート第二軸部133が点Bに到達すると、図15及び図18に示すように、第二可動部材150は原点位置よりも上方に位置することになる。なお、プレート第二軸部133は、第二切り欠き部183内の位置において原点位置にあった場合よりも右方へと移動し、当該第二切り欠き部183内の開口付近に配置されることになる。
他方、図16に示すように、プレート第一軸部132が点Aから点Bまで移動する場合、当該プレート第一軸部132は係合した状態の第一右部開口部161を押圧することなく摺動するように構成される。より詳細には、プレート第一軸部132が係合した状態の第一右部開口部161(より詳細には、第一右部開口部161のうち第一右部開口上部161a)は、円弧状に形成される。そして、プレート第一軸部132の移動軌跡は、第一右部開口上部161aの形状(第三の方向)と重複するように形成される。したがって、プレート第一軸部132は、係合した状態の第一右部開口上部161aを押圧することなく摺動することになる。すなわち、プレート第一軸部132が点Aから点Bまで移動する場合、モータ120からプレート状部材130に伝達された駆動力が、第一可動部材140に伝達されないことになる。
なお、図18に示すように、プレート第二軸部133が点Aから点Bまで移動して第二可動部材150が上方へ向けて移動した場合、第二可動部材150(より詳細には、第二可動本体部180)に設けられる第二上部軸部184は、ベース中央開口部111(より詳細には、中央開口縦部111a)を係合した状態で摺動するように構成される。すなわち、第二上部軸部184の移動軌跡は、中央開口縦部111aの第一の方向と重複するように形成される。そして、プレート第一軸部132が点Bに到達すると、第一上部軸部163は、中央開口縦部111aの上端部に位置することになる。
図15及び図16の点Cで示すプレート第一軸部132及びプレート第二軸部133は、プレート状部材130が点Bにある場合から所定の時間だけ回転した状態を示している。
図19から図21は、プレート第一軸部132及びプレート第二軸部133が点Bから点Cまで移動する場合の、可動役物装置100の動作態様を示す模式図である。
図15に示すように、プレート第二軸部133が点Bから点Cまで移動する場合、当該プレート第二軸部133は第二切り欠き部183との係合した状態が解除されることになる。より詳細には、プレート第二軸部133は点Bにある場合、第二切り欠き部183内の開口付近に配置されている。したがって、プレート第二軸部133は第二切り欠き部183内の開口付近から右斜め上方へと移動することにより、当該第二切り欠き部183との係合した状態が解除されることになる。その結果、プレート状部材130から第二可動部材150への駆動力の伝達が、遮断されることになる。
他方、図16に示すように、プレート第一軸部132が点Bから点Cまで移動する場合、当該プレート第一軸部132は係合した状態の第一右部開口部161を左斜め下方へ向けて押圧しながら摺動することになる。より詳細には、プレート第一軸部132が点Bから点Cまで移動する場合、当該プレート第一軸部132は第一右部開口部161のうち第一右部開口上部161aから第一右部開口下部161bへと移動する。ここで、第一右部開口下部161bは、長手方向を上下方向として(第三の方向に延出するように)形成されているのに対し、プレート第一軸部132は左斜め下方へ(第三の方向とは異なる方向へ)向けて移動する。すなわち、プレート第一軸部132の移動方向(軌跡)は、第一右部開口下部161bの形状と重複しないため、当該第一右部開口下部161bを左斜め下方へ向けて押圧しながら摺動することになる。その結果、プレート第一軸部132が点Bから点Cまで移動する場合、モータ120からプレート状部材130に伝達された駆動力が、プレート第一軸部132及び第一右部開口部161を介して第一可動部材140に伝達されることになる。
なお、第一右部開口部161が設けられる第一可動部材140は、ベース部材110に概ね左右方向に向けて移動可能に支持される。したがって、プレート第一軸部132が点Bから点Cまで移動する場合、図19から図21に示すように、当該プレート第一軸部132の左斜め下方(図20及び図21では、概ね左方)へ向けての押圧により(プレート状部材130からプレート第一軸部132を介して伝達される駆動力により)、第一可動部材140はベース部材110に対して概ね左方へ向けて移動することになる。また、第一可動部材140が左方へ向けて移動すると、当該第一可動部材140に支持される第二可動部材150も当該第一可動部材140の移動に伴って左方へ向けて移動することになる。
このように、第二可動部材150は、第一可動部材140の移動に伴って左方へ向けて移動することになる。すなわち、当初、第二可動部材150は、第二切り欠き部183にプレート状部材130に設けられるプレート第二軸部133が係合していたものの、当該第二切り欠き部183が右方へ向けて開口されているため(第二可動部材150の左方へ向けての移動により、第二切り欠き部183とプレート第二軸部133との係合した状態が解除可能であるため)、左方へ向けての移動が妨げられないことになる。
なお、図19から図21に示すように、プレート第一軸部132が点Bから点Cまで移動して第一可動部材140が概ね左方へ向けて移動した場合、当該第一可動部材140の移動に伴って移動する第二可動本体部180に設けられる第二上部軸部184は、ベース中央開口部111のうち中央開口横部111bを係合した状態で摺動する。すなわち、第二上部軸部184の移動方向は、中央開口縦部111aの第二の方向と重複するように形成される。その結果、プレート第一軸部132が点Aから点Bまで移動する場合にプレート第二軸部133により移動された第二可動部材150の状態(第二可動部材150が上方へと移動した状態)は、プレート第二軸部133と第二切り欠き部183との係合した状態が解除されたにもかかわらず、ベース中央開口部111に摺動する(係合した状態の)第二上部軸部184により保持される(第二可動部材150が下方へと移動しない)ことになる。
このように、プレート第一軸部132及びプレート第二軸部133が点Bから点Cまで移動する場合、プレート状部材130から第二可動部材150への駆動力の伝達が遮断される一方、プレート状部材130から第一可動部材140への駆動力の伝達が開始されるように構成される。より詳細には、プレート第一軸部132及びプレート第二軸部133が点Aから点Bに到達するまではプレート状部材130からの駆動力はプレート第二軸部133を介して第二可動部材150に伝達される一方、プレート第一軸部132及びプレート第二軸部133が点Bから点Cに到達するまではプレート状部材130からの駆動力はプレート第一軸部132を介して第一可動部材140に伝達されるように構成される。
次に、図17から図22を用いて、第一可動役物部170の動作態様について説明する。
図19から図21に示すように、プレート第一軸部132が点Bから点Cまで移動する場合、第一可動部材140(より詳細には、第一可動本体部160)はベース部材110に対して概ね左方へ向けて移動することになる。そして、第一可動本体部160の移動に伴い、第一上部軸部163を介して第一可動役物部170が概ね左方へ向けて移動することになる。なお、第一可動役物部170は、ベース部材110に設けられるベース上部開口部112に係合した状態で摺動可能とされている。したがって、ベース上部開口部112の下方に配置されている第一上部軸部163により第一可動役物部170が概ね左方へ向けて引っ張られることにより、当該第一可動役物部170の姿勢がベース上部開口部112に係合する第二上部軸部184を支点として正面視で右回りに回転することになる。すなわち、第一可動役物部170は、概ね左方へ向けて移動するに従って、正面視で右回りに回転する角度が大きくなるように構成される。
こうして、第一可動役物部170は、図19から図21に示すように、女性の上半身を模した装飾が施される第一下部カバー部材165と、女性の顔を模した装飾が施される第一上部カバー部173とが、図柄表示装置13の液晶画面26の前方へ向けて移動すると共に、第一上部カバー部173が徐々に正面視で右回りに回転することにより、女性が顔を上げるような印象を遊技者に与え、ひいては遊技者に視覚的な印象を与えることができる(図22参照)。
このように、第一可動役物部170は、第一可動部材140がベース部材110に相対的に移動する場合に、プレート状部材130からプレート第一軸部132を介して伝達される駆動力により動作できるように構成される。なお、図17及び図18に示すように、第一可動役物部170は、第一可動部材140がベース部材110に相対的に移動しない場合、すなわちプレート状部材130からプレート第二軸部133を介して伝達される駆動力では動作しないように構成される。
次に、図17から図22を用いて、第二可動役物部190の動作態様について説明する。
図17及び図18に示すように、プレート第二軸部133が点Aから点Bまで移動する場合、第二可動部材150(より詳細には、第二可動本体部180)は第一可動部材140に対して上方へ向けて移動することになる。そして、第二可動本体部180の移動に伴って第二ラック部186が上方へ向けて移動し、当該第二ラック部186に噛合される役物ギヤ部192が回転することになる。そして、役物ギヤ部192が回転すると、棒状役物191が回転することになる。すなわち、第二可動役物部190は、第二可動本体部180が第一可動部材140に相対的に移動する場合に、プレート状部材130からプレート第二軸部133を介して伝達される駆動力により動作することができるように構成される。本実施形態では、棒状役物191は、左方へ向けて、すなわち図柄表示装置13の液晶画面26の前方へ向けて移動し、遊技者に視覚的な印象を与えることができる(図22参照)。なお、図19から図21に示すように、第二可動役物部190は、第二可動本体部180が第一可動部材140に相対的に移動しない場合、すなわちプレート状部材130からプレート第一軸部132を介して伝達される駆動力では動作しないように構成される。
以上のように、可動役物装置100の動作機構は、
ベース部材摺動受部(ベース中央開口部111)が設けられるベース部材110と、
前記ベース部材に駆動源(モータ120)の駆動力により回転可能に支持され、その回転中心から偏心した位置に第一突起(プレート第一軸部132)及び第二突起(プレート第二軸部133)が設けられる駆動伝達部材(プレート状部材130)と、
前記ベース部材に移動可能に支持され、前記駆動伝達部材に設けられた第一突起が摺動する第一可動部材摺動受部(第一右部開口部161)が設けられる第一可動部材140と、
前記第一可動部材に移動可能に支持され、前記駆動伝達部材に設けられた第二突起が係脱可能に係合する第二可動部材係合受部(第二切り欠き部183)と、前記ベース部材に設けられたベース部材摺動受部に摺動する第三突起(第二上部軸部184)とが設けられる第二可動部材150と、
を具備し、
前記駆動伝達部材が原点位置から第一地点(B点)まで回転する場合、
前記駆動伝達部材に設けられた第一突起は、前記第一可動部材摺動受部を押圧することなく摺動し、
前記駆動伝達部材に設けられた第二突起は、前記第二可動部材係合受部に係合していることにより当該第二可動部材係合受部を介して前記第二可動部材に駆動力を伝達し、当該第二可動部材を前記第一可動部材に対して相対的に移動させ、
前記駆動伝達部材が第一地点から第二地点(C点)まで回転する場合、
前記駆動伝達部材に設けられた第一突起は、前記第一可動部材摺動受部を押圧しながら摺動し、当該第一可動部材摺動受部を介して前記第一可動部材に駆動力を伝達し、当該第一可動部材を前記第二可動部材と共に前記ベース部材に対して相対的に移動させ、
前記駆動伝達部材に設けられた第二突起は、前記第一可動部材と共に移動する第二可動部材の移動に伴って前記第二可動部材係合受部との係合を解除し、当該解除により前記第二可動部材係合受部を介した駆動力の伝達を遮断し、
前記第二可動部材に設けられた第三突起は、当該第一可動部材と共に移動する第二可動部材の移動に伴って前記ベース部材摺動受部を摺動し、前記第二突起と前記第二可動部材係合受部との係合の解除にもかかわらず前記駆動伝達部材が原点位置から第一地点まで回転する場合に当該第二突起により移動された当該第二可動部材の状態を保持する、ものである。
このような構成により、可動役物装置100の動作機構は、プレート状部材130に回転中心から偏心した位置に配置されるプレート第一軸部132及びプレート第二軸部133を用いて、当該プレート状部材130の回転方向の動きを可動部材(第一可動部材140及び第二可動部材150)の複雑な動きに変換させることができる。
また、従来の技術のように、例えばプレート状部材(駆動伝達部材)に回転中心から偏心した位置に一つの軸部を配置した場合には、当該プレート状部材は、(半周回転以上の動きは軸部が原点位置に戻るような動きとなるため)半周回転までの動きにより、駆動力を可動部材に伝達することになる。そして、例えば前記プレート状部材の半周回転までの動きにより可動部材に駆動力を伝達し、可動部材の複数の動きに変換させたとしても、前記複数の動きはプレート状部材の半周回転までの動きによる駆動力に基づくものなので、動きが小さくなる点で問題であった。
しかしながら、本発明に係るプレート状部材130では、プレート第二軸部133及びプレート第一軸部132は、プレート部131の外周縁部付近で、当該プレート部131の周方向の長さを概ね等分するような位置に配置され、当該プレート第二軸部133及びプレート第一軸部132のそれぞれの動きによる駆動力を可動部材(第一可動部材140及び第二可動部材150)の動きに用いることができる。より詳細には、第二可動部材150を既に動かしているにも関わらず、第一可動部材140をプレート状部材130の半周回転までの動きによる駆動力を伝達して動かすことができる。すなわち、可動部材(第一可動部材140及び第二可動部材150)が複数の動きをしても、当該可動部材を大きく動かすことが可能となる。