JP5736835B2 - インクジェットインキ - Google Patents
インクジェットインキ Download PDFInfo
- Publication number
- JP5736835B2 JP5736835B2 JP2011037154A JP2011037154A JP5736835B2 JP 5736835 B2 JP5736835 B2 JP 5736835B2 JP 2011037154 A JP2011037154 A JP 2011037154A JP 2011037154 A JP2011037154 A JP 2011037154A JP 5736835 B2 JP5736835 B2 JP 5736835B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- resin
- meth
- salt
- ink
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Description
くわえて本願発明は、基材に、上記インクジェットインキを用いて印刷してなる印刷物に関する。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂)
本発明の造塩化合物を得るための側鎖にカチオン性基を有する樹脂について説明する。本発明の造塩化合物を得るための側鎖にカチオン性基を有する樹脂としては、側鎖に少なくとも1つのオニウム塩基を有するものであれば、特に制限はないが、好適なオニウム塩構造としては、入手性等の観点からは、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びホスホニウム塩であることが好ましく、保存安定性(熱安定性)を考慮すると、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、及びスルホニウム塩であることがより好ましい。さらに好ましくはアンモニウム塩である。
一般式(1)中、R1は、水素原子、または置換若しくは無置換のアルキル基を表す。
R1におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
、アルコキシル基等が挙げられる。
上記の中でも、R1としては、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
一般式(1)中、R2〜R4としては、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基が挙げられる。
R2〜R4としては、安定性の観点から置換されていてもよいアルキル基が好ましく、無置換のアルキル基が更に好ましい。
また、R2〜R4のうち2つが互いに結合して環を形成しても良い。
すが、中でも、重合性、入手性の理由から、−CONH−R5−、−COO−R5−であることが好ましい。また、R5がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であ
ることが更に好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。
機のアニオンであればよい。対アニオンとしては、公知のものが制限なく採用でき、具体的には、水酸化物イオン;塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン;ギ酸イオン、酢酸イオン等のカルボン酸イオン;炭酸イオン、重炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、クロム酸イオン、ニクロム酸イオン、リン酸イオン、シアン化物イオン、過マンガン酸イオン、さらには、ヘキサシアノ鉄(III)酸イオンのような錯体イオン等が挙げられる。合成適性や安定性の点からは、ハロゲンイオン及びカルボン酸イオンが好ましく、ハロゲンイオンが最も好ましい。対アニオンがカルボン酸イオン等の有機酸イオンである場合は、樹脂中に有機酸イオンが共有結合し、分子内塩を形成していてもよい。
Z−R6−COOR7 一般式(2)
(一般式(2)中、Zは、塩素、または臭素等のハロゲン、好ましくは臭素であり、R6
は、炭素数1〜6、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3のアルキレン基であり、R7は、炭素数1〜6、好ましくは1〜3の低級アルキル基である。)
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体とアルコキシカルボニルアルキルハライドとの反応は、アミノ基に対して等モル以下のアルコキシカルボニルアルキルハライドを上記オニウム塩化剤同様に反応させた後、−COOR7を加水分解してカルボキシレートイオ
ン(−COO-)に変換することにより得られる。これにより、一般式(2)式で示すカ
ルボキシベタイン構造を有しアンモニウム塩基を有するエチレン性不飽和単量体を得ることができる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート
)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2
−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
。
次に、本発明の造塩化合物を得るためのアニオン性染料について説明する。本発明の造塩化合物を得るためのアニオン性染料としては、上述した側鎖にカチオン性基を有する樹脂とイオン結合する着色化合物であればよい。このような着色化合物としては、分子中にカルボン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、リン酸基、またはこれらの金属塩などを有するものであれば、特に限定はなく、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩形成性、吸光度、本組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを勘案して適宜選択することができる。
9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、23、24、25、25:1、26、26:1、26:2、27、29、30、31、32、33、34、35、36、37、39、40、41、42、43、44、45、47、50、52、53、54、55、56、57、59、60、62、64、65、66、67、68、70、71、73、74、76、76:1、80、81、82、83、85、86、87、88、89、91、92、93、97、99、102、104、106、107、108、110、111、113、114、115、116、120、123、125、127、128、131、132、133、134、135、137、138、141、142、143、144、148、150、151、152、154、155、157、158、160、161、163、164、167、170、171、172、173、175、176、177、181、229、231、237、239、240、241、242、249、252、253、255、257、260、263、264、266、267、274、276、280、286、289、299、306、309、311、323、333、324、325、326、334、335、336、337、340、343、344、347、348、350、351、353、354、356、388等が挙げられる。
0:1、13、14、15、16、17、18、21、22、23、24、26、26:1、28、29、31、33、33:1、34、35、36、37、39、42、43、43:1、44、46、49、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、67、67:1、68、72、72:1、73、74、75、77、78、79、81、81:1、85、86、88、89、90、97、100、101、101:1、107、108、110、114、116、117、120、121、122、122:1、124、125、127、127:1、127:2、128、129、130、132、134、135、136、137、138、140、141、148、149、150、152、153、154、155、156、169、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、186、189、204、211、213、214、217、222、224、225、226、227、228、232、236、237、238等も使用できる。
4、25、26、32、33、34、35、41、42、44、44:1、45、46、48、49、50、51、61、66、67、69、70、71、72、73、74、81、84、86、90、91、92、95、107、110、117、118、119、120、121、126、127、129、132、133、134等も使用できる。
、9、10、12、14、16、17、18、19、20、20:1、22、23、24、24:1、25、27、28、28:1、30、31、33、35、36、37、38、41、45、49、50、51、54、55、56、59、79、83、94、95、102、106、116、117、119、128、131、132、134、136、138等が挙げられる。
、17、19、20、21、24、25、26、29、29:1、30、31、32、33、43、49、51、56、59、69、72、73、74、75、76、79、80、83、84、85、87、88、90、91、92、95、96、97、98、101、102、102:1、104、108、112、114等も使用できる。
、11、13、14、15、17、19、21、22、23、24、25、26、27、29、34、35、37、40、41、41:1、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、62、62:1、63、64、65、68、69、70、73、75、78、79、80、81、83、84、85、86、88、89、90、90:1、91、92、93、95、96、99、100、103、104、108、109、110、111、112、113、114、116、117、118、119、120、123、124、127、127:1、128、129、135、137、138、143、145、147、150、155、159、169、174、175、176、183、198、203、204、205、206、208、213、227、230、231、232、233、235、239、245、247、253、257、258、260、261、262、264、266、269、271、272、273、274、277、278、280等が挙げられる。
、12、14、15、16、19、20、21、21:1、22、23、25、27、29、31、35、36、37、40、42、45、48、49、50、53、54、55、58、60、61、64、65、67、79、96、97、98:1、101、106、107、108、109、111、116、122、123、124、128、129、130、130:1、132、136、138、140、145、146、149、152、153、154、156、158、158:1、164、165、166、167、168、169、170、174、177、181、184、185、188、190、192、193、206、207、209、213、215、225、226、229、230、231、242、243、244、253、254、260、263等も使用できる。
6、7、7:1、9、11、12、13、14、15、16、17、19、20、21、23、24、25、27、29、30、31、33、34、36、38、39、41、42、43、47、49、51、63、67、72、76、96、97、102、103、109等が挙げられる。
11、12、13、14、16、17、18、21、22、25、26、27、28、29、30、31、32、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、51、52、54、57、58、61、62、63、64、71、72、77、78、79、80、81、82、83、85、86、87、88、93、97等も使用できる。
、11、13、14、15、16、17、18、19、20、22、25、25:1、27、34、36、37、38、40、41、42、44、54、55、59、66、69、70、71、81、84、94、95等が挙げられる。
42、49、55、56、57、60、78、79、80等も使用できる。
本発明の造塩化合物は、側鎖にカチオン性基を有する樹脂と、アニオン性染料とを溶解させた水溶液を攪拌または振動させるか、あるいは側鎖にカチオン性基を有する樹脂の水溶液とアニオン性染料の水溶液とを攪拌または振動下で混合させることにより、容易に得ることができる。水溶液中で、樹脂のカチオン性基と染料のアニオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水不溶性となり析出する。逆に、樹脂の対アニオンと酸性染料の対カチオンからなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。使用する側鎖にカチオン性基を有する樹脂、およびアニオン性染料は、各々単一種類のみを使用しても、構造の異なる複数種類を使用してもよい。
本発明のインクジェットインキは、さらに顔料を添加し、使用することができる。
このような顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーでより具体的に例示すると次のとおりである。C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、109、110、117、125、128、137、138、139 147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、184 、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202,206、207、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、42、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:6、16、22、60、64、80、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26、C.I.ピグメントブラック31,32等が例示できる。
ト緑、アンバー、合成鉄黒等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組合せて用いられる。
本発明の着色組成物に添加する顔料としては、高い透過度および高度なコントラストに対応させるため、ソルトミリング処理などにより微細化されていることが好ましい。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、10nm以上であることが好ましい。また、コントラストが高いフィルタセグメントを形成できることから、80nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、20〜60nmの範囲である。
バインダー樹脂は、着色剤、特に造塩化合物および顔料を分散するもの、もしくは造塩化合物を染色、浸透させるものであって、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
本発明のインクジェットインキに用いられる溶剤としては、グリコールエーテル、ジオール類が好適である。
この中でも効果が高いのは、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールである。
これらの溶剤は単独で使用しても良く、複数を混合して使用することもできる。
本発明のインクジェットインクは、側鎖にカチオン性基を有する樹脂とアニオン性染料とを反応させて得られた造塩化合物と前記バインダー樹脂と溶剤とからなる着色剤担体中、さらに顔料を含む場合、好ましくは色素誘導体などの分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明の着色組成物は、顔料、造塩化合物、その他の着色剤等を別々に着色剤担体に分散したものを混合して製造することもできる。
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。本発明において、造塩化合物は、顔料の分散助剤としての役割を果たすことも期待される。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−1
01、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
本発明のインクジェットインキには、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
本発明のインクジェットインキは、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
以下実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の態様がこれらの例に限定されるものではない。なお以下については、部数は全て重量部を表す。また下記の実施例、比較例の詳細な条件、結果を以下の表に示す。
<側鎖にカチオン性基を有する樹脂の調製方法>
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂1の調製)
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート34.0部、n−ブチルメタクリレート28.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6830である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47重量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂1を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は34mgKOH/gであった。
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール62.4 部を仕込み、窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、エチルメタクリレート32.1部、n−プロピルメタクリレート25.1部、ラウリルメタクリレート25.1部、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド17.7部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を5.7部、およびメチルエチルケトン15.6部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7420である事を確認し、50℃へ冷却した。その後、イソプロピルアルコールを72部加え、樹脂成分が40重量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂2を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は45mgKOH/gであった。
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、イソプロピルメタクリレート27.5部、ベンジルメタクリレート25.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート27.5部、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン20.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.7部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6770である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化ベンジル15.7部、エタノール22.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が50重量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂3を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は60mgKOH/gであった。
(造塩化合物A)
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289と側鎖にカチオン性基を有する樹脂1とからなる造塩化合物Aを製造した。
(造塩化合物B)
下記の手順でC.I.アシッド レッド 388と側鎖にカチオン性基を有する樹脂2とからなる造塩化合物Bを製造した。
下記の手順でC.I.アシッド レッド 52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂3とからなる造塩化合物Cを製造した。
下記の手順でC.I.アシッド レッド 289とジステアリルジメチルアンモニウムクロリド(コータミンD86P)とからなる造塩化合物Dを製造した。
(顔料分散剤Aの製造)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ブタノール93.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱して、ラウリルメタクリレート35.0部、スチレン35.0部、アクリル酸30.0部、およびV−601(和光純薬製)6.0部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬製)0.6部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、顔料分散剤の溶液を得た。顔料分散剤の重量平均分子量は約16000であった。さらに、室温まで冷却した後、ジメチルアミノエタノール37.1部添加し中和した。これは、アクリル酸を100%中和する量である。その後、水93.4部加え、100℃で水及びブタノールを留去する操作を2回繰り返し、溶媒を水に置換し水性化した。これを1gサンプリングして、180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に水性化した樹脂溶液の不揮発分が20%になるように水を加えた。これより、顔料分散剤の不揮発分20%の水性化溶液を得た。
顔料 製造例A 30部
顔料分散剤 ルーブリゾール社製「ソルスパース32000」 6.0部
分散媒 エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 64部
上記材料をハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して分散体A作成した。
(顔料分散体B〜Fの作成)
下記表の配合で、顔料分散体Aと同様の方法で作成した。
(インクの作成)
顔料分散体A 20.0部
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート 40.0部
乳酸ブチル 35.0部
ソルバインCL(日信化学社製 塩酢ビ樹脂) 5.0部
下記表の配合で、イエロー、シアン、ブラック色も含めたインキセット1および2のインキを上記と同じ方法で作成した。
インキを、京セラヘッドを積んだインクジェット吐出装置により、600×600dpiの印字条件で、コート紙(王子製紙製OKトップコート+、米坪104.7g/m2)、表面が無処理のポリ塩化ビニル樹脂シートの各基材上へ吐出した。印字は、マゼンタ単色および4色で行った。
作製したインキ並びに印字物につき、以下の評価を実施した。
[インキの粘度測定]
インキの粘度をE型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃において回転数20rpmで測定した。
[インキの経時保存安定性]
インキを70℃の恒温器に1週間保存後、粘度を測定し、保存前後の粘度変化について評価した。
±10%以上±20%未満 △
±20%以上 ×
[印字品質]
にじみ:
ドット径の縦横比が1.0〜1.2未満 ○
1.2〜1.5未満 △
1.5以上 ×
ベタのうまり:
全くスジが見られない ○
顕微鏡で20倍の倍率で観察した際に着色していない部分がみられる △
肉眼で白い部分が見られる ×
発色:
100%印字部分のOD値が1.8以上 ○
1.5〜1.8未満 △
・ 5未満 ×
4色印字物について、印字品質、印刷物の耐性について評価を行なった。
隣の色へのブリードがない ○
20倍の倍率で観察した際にブリードが確認できる △
目視でブリードが確認できる ×
[印刷物耐性]
耐摩擦性試験
印刷面をラビングテスター(テスター産業製、型式AB301)にて耐摩擦性を評価。評価条件としては試験用布片(金巾3号)にて加重200g、50往復で実施した。
全く剥離が観察されない、または基材ごと剥離する ○
1%以上25%未満基材から剥離する △
25%以上基材から剥離する ×
Claims (4)
- 少なくとも着色剤、バインダー樹脂、およびグリコールエーテル類、ジオール類から選ばれる少なくとも1種以上の溶剤を含有してなるインクジェットインキであって、
該着色剤が、側鎖にカチオン性基を有する樹脂としての下記一般式(1)で表される構造単位を含むアクリル系樹脂とマゼンタ染料とを反応させて得られた造塩化合物であることを特徴とするインクジェットインキ。
- 前記造塩化合物が、水溶液中で側鎖にカチオン性基を有する樹脂とアニオン性染料を混合し、側鎖にカチオン性基を有する樹脂の対アニオンとアニオン染料の対カチオンとからなる塩を除去して作製した化合物であることを特徴とする請求項1記載のインクジェットインキ。
- 着色剤が、さらに顔料を含有することを特徴とする請求項1または2記載のインクジェットインキ。
- 基材に、請求項1乃至3いずれかに記載のインクジェットインキを用いて印刷してなる印刷物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011037154A JP5736835B2 (ja) | 2011-02-23 | 2011-02-23 | インクジェットインキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011037154A JP5736835B2 (ja) | 2011-02-23 | 2011-02-23 | インクジェットインキ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012172106A JP2012172106A (ja) | 2012-09-10 |
JP5736835B2 true JP5736835B2 (ja) | 2015-06-17 |
Family
ID=46975310
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011037154A Expired - Fee Related JP5736835B2 (ja) | 2011-02-23 | 2011-02-23 | インクジェットインキ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5736835B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014156758A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-02 | 日本化薬株式会社 | 着色分散液、インク組成物、インクセット、インクジェット記録方法及び着色体 |
JP6766573B2 (ja) * | 2016-10-04 | 2020-10-14 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 造塩化合物、それを用いた画像形成材料及びその用途 |
JP2019048988A (ja) * | 2018-10-23 | 2019-03-28 | 株式会社シマノ | インクジェット印刷用インク |
JP7395977B2 (ja) * | 2019-11-13 | 2023-12-12 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | インクジェット用インク及びインクジェット用インクの製造方法 |
JP7447521B2 (ja) * | 2020-02-06 | 2024-03-12 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | インクジェット用インク及びインクジェット用インクの製造方法 |
CN111500110B (zh) * | 2020-04-28 | 2022-09-06 | 陕西大风印务科技有限公司 | 烟用包装纸用透明油墨及其涂层、烟用包装纸 |
CN116535894A (zh) * | 2023-05-15 | 2023-08-04 | 一可油墨涂料(深圳)有限公司 | 一种一体黑显示盖板用油墨的调色方法 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0730268B2 (ja) * | 1986-07-28 | 1995-04-05 | 株式会社リコー | 染 料 |
JPH02228380A (ja) * | 1989-03-02 | 1990-09-11 | Canon Inc | 記録液及びそれを用いた記録方法 |
JPH07305011A (ja) * | 1994-05-12 | 1995-11-21 | Seiko Epson Corp | インクジェット用水性インク |
JP3263524B2 (ja) * | 1994-05-12 | 2002-03-04 | 株式会社リコー | キサンテン骨格を有する高分子染料および該染料を用いた水性インク組成物 |
JPH1088053A (ja) * | 1996-09-17 | 1998-04-07 | Seiko Epson Corp | インクジェット用水性インク組成物 |
EP0909798B1 (en) * | 1997-03-25 | 2005-11-09 | Seiko Epson Corporation | Inks for ink-jet recording |
JP2000095985A (ja) * | 1998-09-25 | 2000-04-04 | Seiko Epson Corp | カチオン性水溶性樹脂を含んでなるインク組成物 |
JP2007063407A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Dainippon Ink & Chem Inc | 結晶性水性赤色着色材料及びその製造方法 |
JP2012032770A (ja) * | 2010-04-21 | 2012-02-16 | Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd | カラーフィルタ用青色着色組成物、およびカラーフィルタ |
-
2011
- 2011-02-23 JP JP2011037154A patent/JP5736835B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012172106A (ja) | 2012-09-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5736835B2 (ja) | インクジェットインキ | |
JP4873101B2 (ja) | カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ | |
JP5573417B2 (ja) | カラーフィルタ用青色着色組成物、およびカラー固体撮像素子に用いるカラーフィルタ | |
JP6205679B2 (ja) | カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ | |
US20090247687A1 (en) | Ink formulations, modified pigment-based ink formulations and methods of making | |
JP2009255063A (ja) | 分散剤、並びに、それを用いた顔料組成物、顔料分散体、及びインクジェットインキ | |
JP5187326B2 (ja) | アゾ化合物、アゾ色素、および該アゾ化合物又は該アゾ色素を含む着色組成物及び着色物 | |
KR101860660B1 (ko) | A-b 블록 코폴리머, a-b 블록 코폴리머의 제조방법, 수지 처리 안료 조성물, 수지 처리 안료 조성물의 제조방법, 안료 분산체 및 안료 분산액 | |
JP5611099B2 (ja) | カラーフィルタ用青色着色組成物、およびカラーフィルタ | |
JP2007204718A (ja) | 非水性インクジェットインキ | |
WO2013080964A1 (ja) | カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ | |
JP5173333B2 (ja) | 顔料組成物、これを用いた着色組成物およびカラーフィルター | |
JP6770979B2 (ja) | 印刷材料中での新規ナフトールas顔料混合物の使用 | |
JP2006273974A (ja) | 酸性アクリルブロック樹脂 | |
JP5478691B2 (ja) | カラーフィルター画素形成用塗布液およびカラーフィルター | |
JP2018058980A (ja) | 造塩化合物、それを用いた画像形成材料及びその用途 | |
JP2017111417A (ja) | カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ | |
JP6668901B2 (ja) | カラーフィルター用赤色顔料組成物の製造方法 | |
CN105531293B (zh) | 具有偶氮骨架的化合物、颜料分散剂、颜料组合物、颜料分散体和调色剂 | |
JP2009132747A (ja) | グラフト型分散剤、及びそれを用いた顔料組成物 | |
JP6568392B2 (ja) | ブロック共重合体及びその製造方法、分散剤並びに顔料分散組成物 | |
JP7153623B2 (ja) | 顔料分散液組成物及びカラーフィルター用着色剤 | |
JP2018155843A (ja) | カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ | |
JP5194774B2 (ja) | グラフト型分散剤、及びそれを用いた顔料組成物 | |
JP7484204B2 (ja) | カラーフィルタ用着色組成物及びカラーフィルタ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131001 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140709 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140722 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140919 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150324 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150406 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5736835 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |