JPH07305011A - インクジェット用水性インク - Google Patents

インクジェット用水性インク

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JPH07305011A
JPH07305011A JP9887094A JP9887094A JPH07305011A JP H07305011 A JPH07305011 A JP H07305011A JP 9887094 A JP9887094 A JP 9887094A JP 9887094 A JP9887094 A JP 9887094A JP H07305011 A JPH07305011 A JP H07305011A
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JP
Japan
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ink
water
acid
base
dye
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JP9887094A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Kitamura
和彦 北村
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 揮発性塩基Aを対イオンとするアニオン性染
料と塩基性の水溶性高分子Bと揮発性塩基Cを対イオン
とする緩衝剤と水からなり、各塩基の解離定数がA,C
>Bであることを特徴とする。 【効果】 本発明のインクは、長期保存に対する安定性
に優れ、且つ如何なる紙に記録された画像の耐水性も好
適なものである。又、本発明のインクは、安全性に優
れ、ノズル先端において目詰まりも発生せず、又、使用
する構成部材との接液性の制限も少なく、連続吐出に伴
うインク不吐出が発生しないものであり、実用性にも優
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
式により堅牢で鮮明な印刷物が得られ、吐出安定性、長
期保存安定性に優れたインクジェット用インクに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録方式は静電吸
引方式、空気圧送方式、圧電素子の電気的変形を利用し
た方式、加熱発泡時の圧力を利用した方式等でインク小
滴を発生・噴射させ、さらにこのインク小滴を記録用紙
に付着させて記録を行っている。
【0003】前記の記録方式に用いる水性インクは、着
色剤に染料または顔料を用い、水にグリコール等の保湿
剤、アルコール等の浸透促進剤等を加えて構成されてい
る。この様なインクには、被記録材との関係も含めて一
般的に次の様な性能が要求されている。被記録材上の印
字部ににじみを生じないこと。インクが被記録材上で速
やかに乾燥(吸収乾燥を含む)すること。印字中断の場
合でも、ノズルを目詰まりさせないこと。印字速度に合
わせたインクの吐出周波数応答性があること。インクの
保存安定性・安全性が高いこと。インクが周辺構造材料
を侵さないこと。印字物の耐水性・耐光性・耐擦過性が
優れていること。上記の様な種々の要求性能を満足させ
る為に、従来から記録剤、液媒体としての有機溶剤、界
面活性剤、更にはインクの粘度・表面張力等の物性値等
について種々の検討が行われ、要求特性によってはかな
りの効果がみられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述の従来技術
では、記録された画像の耐水性、特に被記録面に繊維が
露呈している様な被記録材、具体的にはコピー用紙・レ
ポート用紙・ボンド紙等のサイジングされた一般の普通
紙における記録画像の耐水性の問題は充分に解決されて
いない。即ち、インクは、染料の安全性及び溶解安定性
の面から、記録剤として主に水溶性染料が使用されてい
る。この為、筆記面が水等で濡れると筆跡が不鮮明とな
ったり、又、白地が汚染されたり、更には判読不可能と
なったりしてしまう。そこで、耐水性付与剤として、特
開昭57−198768号公報、米国特許第4,155,
768号、米国特許第4,197,135号、米国特許第
4,659,382号、米国特許第4,789,400号明
細書では塩基性の水溶性高分子を添加することが考えら
れている。しかし、これらの添加物を含有するインクで
あっても、アニオン性染料の対イオンが,金属に代表さ
れる様に不揮発性物質であるため、記録後に塩基性の水
溶性高分子との反応が阻害され、一般の普通紙上におけ
る記録画像の耐水性は不十分であった。逆に、耐水性が
良好なインクは、保存安定性が不良であるという課題を
有した。そこで本発明はこのような課題を解決するもの
で、その目的とするところは、長期保存安定性に優れ、
且つ記録された画像の耐水性も良好である水性インクを
提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
用水性インクは、少なくとも揮発性塩基を対イオンとす
るアニオン性染料と塩基性の水溶性高分子と揮発性塩基
を対イオンとする緩衝剤と水からなるインクジェット用
水性インクであって、揮発性塩基を対イオンとするアニ
オン性染料の塩基の解離定数をA、塩基性の水溶性高分
子の塩基の解離定数をB、揮発性塩基を対イオンとする
緩衝剤の塩基の解離定数をCとしたとき、A,C>Bで
あることを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明の構成によれば、アニオン性染料と緩衝
剤の対イオンを揮発性塩基とし、更に、この揮発性塩基
と塩基性の水溶性高分子の解離定数の大小を規定する事
により、記録画像の耐水性とインクの保存安定性の両特
性を同時に満足する。即ち、揮発性塩基の解離定数を塩
基性の水溶性高分子のそれより大きくする事で、インク
中でのアニオン性染料と塩基性の水溶性高分子との造塩
反応を阻害し、インクの保存安定性を良好に保ち、且つ
被記録材上では揮発性塩基の蒸発により、先の造塩反応
が進み、造塩物が水に対して難・不溶であるため記録画
像の耐水性も改善される。
【0007】
【実施例】本発明のインクを構成する揮発性塩基を対イ
オンとするアニオン性染料としては、カラーインデック
スにおいて酸性染料、直接染料、食品用色素に分類され
るものを変性する事によって得られる。より具体的な染
料例としては、C.I.アシッドイエロー1,3,1
1,17,19,23,25,29,36,38,4
0,42,44,49,59,61,7−,72,7
5,76,78,79,98,99,11−,111,
127,131,135,142,162164,16
5、C.I.ダイレクトイエロー1,8,11,12,
24,26,27,33,39,44,50,58,8
5,86,87,88,89,98,110,142,
144、C.I.フードイエロー3,4、C.I.アシ
ッドレッド1,6,8,9,13,14,18,26,
27,32,35,37,42,51,52,57,7
5,77,80,82,85,87,88,89,9
2,94,97,106,111,114,115,1
17,118,119,129,130,131,13
3,134,138,143,145,154,15
5,158,168,180,183,184,18
6,194,198,209,211,215,21
9,249,252,254,262,265,27
4,282,289,3−3,317,320,32
1,322、C.I.ダイレクトレッド1,2,4,
9,11,13,17,20,23,24,28,3
1,33,37,39,44,46,62,63,7
5,79,80,81,83,84,89,95,9
9,113,197,201,218,220,22
4,225,226,227228,229,230,
231、C.I.フードレッド7,9,14、C.I.
アシッドブルー1,7,9,15,22,23,25,
27,29,40,41,43,45,54,59,6
0,62,72,74,78,80,82,83,9
−,92,93,100,102,103,104,1
12,113,117,120,126,127,12
9,130,131,138,140,142,14
3,151,154,158,161,166,16
7,168,170,171,182,183,18
4,187,192,199,203,204,20
5,229,234,236,249、C.I.ダイレ
クトブルー1,2,6,15,22,25,41,7
1,76,77,78,80,86,87,90,9
8,106,108,120,123,158,16
0,163,165,168,192,193,19
4,195,196,199,200,201,20
2,203,207,225,226,236,23
7,246,248,249、C.I.フードブルー
1,2、C.I.アシッドブラック1,2,7,24,
26,29,31,48,50,51,52,58,6
0,62,63,64,67,72,76,77,9
4,107,108,09,110,112,115,
118,119,121,122,131,132,1
39,140,155,156,157,158,15
9,191、C.I.ダイレクトブラック17,19,
22,32,38,51,56,62,71,74,7
5,77,94,105,106,107,108,1
12,113,117,118,132,133,14
6,154,168、C.I.フードブラック2等が挙
げられる。変性に用いる染料は、直接染料同士、酸性染
料同士、食品用色素同士、あるいは直接染料及び酸性染
料及び食品用色素を2種以上併用してもかまわない。
【0008】染料の変性は、酸の形態の染料を適当な揮
発性塩基の水溶液に混合する事によって行われる。染料
のナトリウム塩から出発して、これを他の揮発性塩基の
塩、例えばアンモニウム塩に転化したいときには、ナト
リウム塩を酸性化して酸形態の染料を沈澱させなければ
ならない。それから酸形態の染料は、例えばアンモニア
水と混合後乾燥される。ナトリウムイオンを完全に除去
するためには、酸性化の段階を繰り返して行うことが必
要である。
【0009】揮発性塩基としては、アンモニア、メチル
アミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルア
ミン、ジエチルアミン、2−アミノプロパン、2−アミ
ノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、2−アミノ−1−プロパノール、プロピルアミ
ン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルベンジルアミ
ン、n−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチル
アミン、2−(ジエチルアミノ)エタノール、N−ブチ
ルモノエタノールアミン等の各種1,2,3級アミン、
2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、モルホリン、
N−エチルモルホリン、ピロリジン、ピロリジジン、3
−ピロリン等の含窒素環状化合物が挙げられる。
【0010】これら揮発性塩基を対イオンとするアニオ
ン性染料の含有量は、液媒体成分の種類、インクに要求
される特性等に依存して決定されるが、一般にはインク
全重量に対して0.5〜20wt%の範囲にあれば好ま
しい。0.5wt%以上であればインクジェット記録方
法により印刷して十分な光学濃度が得られる。20wt
%を越える場合はインク粘度が高く、インクジェット記
録方式では吐出が困難になる。
【0011】本発明のインクを構成する他の成分として
は、先ず、塩基性の水溶性高分子として、アミン系高分
子化合物、エチレンイミン系高分子化合物、ビニルピロ
リドン系高分子化合物、アクリルアミド系高分子化合
物、ビニルピリジン系高分子化合物、アリルアミン系高
分子化合物、ビニルイミダゾール系高分子化合物、その
他特殊塩基系高分子化合物が挙げられる。これらは単独
或は混合して使用可能である。前記塩基性の水溶性高分
子の使用量は、その種類及び揮発性塩基を対イオンとす
るアニオン性染料の種類や濃度によっても異なるが、一
般的にはインク全wtに対して0.5〜20wt%の範
囲にあれば好ましい。0.5wt%以上であれば、イン
クジェット記録方法により印刷した印字物は、十分な耐
水性が得られる。20wt%を越える場合はインク粘度
が高く、インクジェット記録方式では吐出が困難にな
る。
【0012】緩衝剤としては、先に染料の箇所で述べた
揮発性塩基と弱酸で構成される塩であればよい。揮発性
塩基は、染料に使用したものと同一であってもよいし異
なってもよい。弱酸としては、遊離酸状態での酸解離定
数が10-2〜10-7、好ましくは10-4〜10-7、更に
好ましくは10-5〜10-7の範囲のものが適当である。
具体的な弱酸としては、ホウ酸、炭酸、アクリル酸、ア
ジピン酸、アスコルビン酸、アゼライン酸、アニス酸、
アミノ酪酸、安息香酸、イソ吉草酸、イソ酪酸、オクタ
ン酸、ギ酸、吉草酸、キナジル酸、グルタル酸、クロト
ン酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、シクロヘキサンカル
ボン酸、ナフトエ酸、乳酸、尿酸、バルビツル酸、ヒド
ロキシ安息香酸、ビニル酢酸、ピメリン酸、フェニル酢
酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、酪酸等が挙げられる。
緩衝剤の使用量は、揮発性塩基を対イオンとするアニオ
ン性染料の種類や濃度に依存して決定されるが、一般に
はインク全重量に対して0.01〜20wt%、好まし
くは0.05〜10wt%、更に好ましくは0.1〜5
wt%の範囲とされる。
【0013】本発明のインクジェット用水性インクは、
溶媒成分として水を使用するものである。この水は、イ
オン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、
超純水を用いることができる。また、インクを長期保存
する場合にカビやバクテリアの発生を防止するために、
紫外線照射、過酸化水素添加などにより滅菌した水を用
いることもできる。
【0014】本発明のインクの成分は上記の通りである
が、ノズル先端でのインクの乾燥を防止するためと染料
の溶解性を向上させる等の目的で、水溶性の有機溶剤を
添加することも可能である。水溶性有機溶剤は、水に相
溶する有機溶剤ならばいずれも用いることが出来るが、
より好ましくは水よりも小さい蒸気圧の有機溶剤がよ
い。この様な水溶性有機溶剤としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5ーペンタンジオー
ル、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,
4−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキ
サントリオール等のアルコール類、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエ
ーテル等のエーテル類、アセトニルアセトン等のケトン
類、γ−ブチロラクトン、ジアセチン、エチレンカーボ
ネート、リン酸トリエチル等のエステル類、ホルムアミ
ド、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド等の窒素化合物類、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン、1,3−プロパンスルトン等の硫
黄化合物類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエ
タノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−
イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、
2−イソペンチルオキシエタノール、フルフリルアルコ
ール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレン
グリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレン
グリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチル
エーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジ
アセトンアルコール、チオジグリコール、2−メトキシ
エチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテート、ヘキサメチルホスホルアミド等の多
官能基化合物類が挙げられる。また、使用する水溶性有
機溶剤の種類は1種類でもよいし、2種類以上を組み合
わせてもよい。
【0015】さらに水性インクジェット記録用インクに
一般的に用いられている、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール等の表面張力調整剤、ポリビニルアルコ
ール、カルボキシメチルセルロース等の粘度調整剤、脂
肪酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル
塩等のアニオン性界面活性剤、アミン塩、4級アンモニ
ウム塩、ピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ポ
リエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール
誘導体、多価アルコール脂肪酸エステル等のノニオン性
界面活性剤、アミノ酸誘導体、ベタイン誘導体、ポリエ
チレングリコールまたはポリプロピレングリコールのア
ミン誘導体等の両性界面活性剤等、アミン類等のpH調
整剤、尿素、テトラメチル尿素、チオ尿素等のヒドロト
ロピー剤、蛍光増白剤、p−オキシ安息香酸メチル、
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3オン等の防菌剤、ベ
ンゾトリアゾール等の防錆剤、防腐剤等の助剤を必要に
応じて添加することもできる。
【0016】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に
説明する。
【0017】(実施例1)スミライトブラックG(商品
名、住友化学工業株式会社製、C.I.ダイレクトブラ
ック19)を、ナトリウム塩からメチルアミン塩に所定
の方法により変性させた。加熱しながらスターラーで攪
はんしているイオン交換水270gに、変性した染料9
gを少量ずつ添加・混合し、染料水溶液を作成した。次
に、メチルアミンホウ酸塩6gとエポミンSP−006
(商品名、株式会社日本触媒製、ポリエチレンイミン)
15gをこの順で添加し、黒色インクを得た。尚、メチ
ルアミンの解離定数は4.37×10-4であり、エポミ
ンSP−006の解離定数は9.27×10-7である。
このインクを、インクジェット記録装置MJ−500
(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて10
0枚連続印字を行ったが、飛行曲がり・目詰まり等によ
る吐出不良が起こらず、鮮明な画像を得る事ができた。
また、得られたインクは60℃で1カ月放置しても、析
出物を生じたり凝固することはなく安定しており、放置
前後共にインクジェット記録装置にて容易に吐出・印刷
することができた。さらに、この印字物はにじみを生じ
ず、水を滴下・放置しても文字が乱れる事なく優れた耐
水性を示した。
【0018】(実施例2)ダイレクトファストイエロー
5GL(商品名、保土谷化学工業株式会社製、C.I.
ダイレクトイエロー26)を、ナトリウム塩からトリエ
チルアミン塩に所定の方法により変性させた。加熱しな
がらスターラーで攪はんしているイオン交換水336g
に、変性した染料20gを少量ずつ添加・混合し、染料
水溶液を作成した。次に、トリエチルアミンヘキサン酸
塩4gとエポミンSP−003(商品名、株式会社日本
触媒製、ポリエチレンイミン)20g及びグリセリン2
0gをこの順で添加し、黄色インクを得た。尚、トリエ
チルアミンの解離定数は5.9×10-4であり、エポミ
ンSP−003の解離定数は8.55×10-7である。
得られたインクは、実施例1と同様の結果が得られた。
【0019】(実施例3)カヤノールネイビーブルーR
(商品名、日本化薬株式会社製、C.I.アシッドブル
ー92)を、ナトリウム塩からジエチルアミン塩に所定
の方法により変性させた。加熱しながらスターラーで攪
はんしている超純水370gに、変性した染料20gを
少量ずつ添加・混合し、染料水溶液を作成した。次に、
トリエチルアミン酢酸塩15gとPAA−15(商品
名、日東紡績株式会社製、ポリアリルアミン)15g及
びエチレングリコール40g及び尿素40gをこの順で
添加し、青色インクを得た。尚、ジエチルアミンの解離
定数は9.55×10-4であり、PAA−15の解離定
数は5.56×10-4である。得られたインクは、実施
例1と同様の結果が得られた。
【0020】(実施例4)食品用赤色2号(商品名、保
土谷化学工業株式会社製、C.I.フードレッド9)
を、ナトリウム塩からピロリジン塩に所定の方法により
変性させた。加熱しながらスターラーで攪はんしている
超純水142gに、変性した染料6gを少量ずつ添加・
混合し、染料水溶液を作成した。次に、ピロリジン乳酸
塩16gとPAA−10C(商品名、日東紡績株式会社
製、ポリアリルアミン)16g及びジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル20gをこの順で添加し、赤色イ
ンクを得た。尚、ピロリジンの解離定数は1.58×1
-3であり、PAA−10Cの解離定数は4.76×1
-4である。得られたインクは、実施例1と同様の結果
が得られた。
【0021】(比較例1)スミライトブラックG(商品
名、住友化学工業株式会社製、C.I.ダイレクトブラ
ック19)9gを、加熱しながらスターラーで攪はんし
ているイオン交換水270gに、少量ずつ添加・混合
し、染料水溶液を作成した。次に、エポミンSP−00
6(商品名、株式会社日本触媒製、ポリエチレンイミ
ン)15gを添加し、黒色インクを得た。このインクを
用いて100枚連続印字を行ったが、飛行曲がり・目詰
まり等による吐出不良が起こらず、鮮明な画像を得る事
ができた。また、60゜Cで1ヶ月放置しても、析出物を
生じたり凝固することはなく安定しており、放置前後共
にインクジェット記録装置にて容易に吐出・印刷するこ
とができた。しかしながら、これを普通紙のゼロックス
P(商品名、富士ゼロックス社製)に印字し、印字物に
水を滴下・放置したところ、染料が溶け出し文字が判読
不能となった。紙上での、染料と高分子の造塩反応が起
こらなかったためと考えられる。本比較例は、本実施例
に比較し、アニオン性染料の対イオンを揮発性塩基に変
性せずに水性インクを作成した例である。
【0022】(比較例2)食品用赤色2号(商品名、保
土谷化学工業株式会社製、C.I.フードレッド9)
を、ナトリウム塩からトリメチルアミン塩に所定の方法
により変性させた。加熱しながらスターラーで攪はんし
ている超純水142gに、変性した染料6gを少量ずつ
添加・混合し、染料水溶液を作成した。次に、トリメチ
ルアミン酢酸塩16gとPAA−10C(商品名、日東
紡績株式会社製、ポリアリルアミン)16g及びジエチ
レングリコールモノメチルエーテル20gをこの順で添
加し、赤色インクを得た。尚、トリメチルアミンの解離
定数は6.31×10-5であり、PAA−10Cの解離
定数は4.76×10-4である。このインクを、普通紙
のゼロックスP(商品名、富士ゼロックス社製)に印字
し、印字物に水を滴下・放置したが、鮮明な画像が保持
された。しかしながら、インクジェット記録装置MJ−
500(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用い
て、100枚連続印字においては、飛行曲がりやノズル
目詰まりによる吐出不良が起こり、良好な画像を得るこ
とができなかった。さらに、得られたインクを60゜Cで
1ヶ月放置したところ、析出物が多数発生し、インクジ
ェット記録装置で吐出を試みたが、インクが吐出せずに
印刷することができなかった。これは、クリーニングを
行っても復帰しなかった。インク中で、染料と高分子が
造塩反応を起こし、水に対し難・不溶性の物質を形成し
たものと推定される。本比較例は、本実施例に比較し、
揮発性塩基の解離定数が、塩基性の水溶性高分子の解離
定数より小さい場合のインクの例である。
【0023】
【発明の効果】以上の如き本発明のインクジェット用水
性インクは、長期保存に対する安定性に優れ、且つ如何
なる紙に記録された画像の耐水性も好適なものである。
又、本発明のインクは、安全性に優れ、ノズル先端にお
いて目詰まりも発生せず、又、使用する構成部材との接
液性の制限も少なく、連続吐出に伴うインク不吐出が発
生しないものであり、実用性にも優れている。
【0024】さらに、本発明により得られる水性インク
は、インクジェット記録方式を用いたプリンター、複写
機、ファクシミリ等に広く応用することが可能である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも揮発性塩基を対イオンとする
    アニオン性染料と塩基性の水溶性高分子と揮発性塩基を
    対イオンとする緩衝剤と水からなるインクジェット用水
    性インクであって、 揮発性塩基を対イオンとするアニオン性染料の塩基の解
    離定数をA、塩基性の水溶性高分子の塩基の解離定数を
    B、揮発性塩基を対イオンとする緩衝剤の塩基の解離定
    数をCとしたとき、A,C>Bであることを特徴とする
    インクジェット用水性インク。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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