JP5733243B2 - カメラカバー - Google Patents

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本発明は、乗用車、トラック、バス等の車両に適用されて好適な前方監視カメラ用のカメラカバーに関する。
車両の前方の領域を撮像して、白線検知や周辺監視を行うための装置として、前方監視カメラが車両に設置される場合がある。特許文献1に記載されるように、車両の前方を撮像するためには、フロントガラスの内面に取り付けられたシャーシにこの前方監視カメラを据え付ける必要がある。この据え付け後の意匠確保のためのカバーも特許文献1に記載されており、シャーシに対して固定される旨が開示されている。また、カバーをフロントカバーとリヤカバーに分割されており、相互にボルト等の適宜の固定手段により連結される形態が示されている。
特開2007−015457号公報
ところが、このような従来技術においては、製造時又は修繕時において作業者が前方監視カメラを組み付けるときに、カバーの着脱を行いやすくすること、車両走行時においてはカバーが外れにくくすること、の双方を考慮した場合、部品点数の増加や、形状の複雑化を招く。これに伴い、部品調達コスト、製造コストがともに高くなることも招く。
本発明は、上記問題に鑑み、前方監視カメラを始めとするカメラを車両に据え付けるにあたり、コストダウンを図れてより適切な着脱機能を有するカメラカバーを提供することを目的とする。
上記の問題を解決するため、本発明によるカメラカバーは、カメラを収納するカメラ収納部と、当該カメラに接続されるワイヤーハーネスを収納するハーネス収納部とを含み、前記カメラ収納部は前記カメラの撮像方向に摺動させながら車両のガラス側の被係合部に係合される係合部を含み、前記ハーネス収納部は、前記カメラ収納部と前記車両の天井部との間隔と同一の長さを有することを特徴とする。ここで、前記カメラ収納部の前記撮像方向と反対側の前記ワイヤーハーネスを挿通する端部は、前記ガラスに垂直な垂直方向に延びるスライド溝と、当該垂直方向に穿設される孔部を含み、前記ハーネス収納部は、前記スライド溝にスライド可能に嵌合される爪部と、前記孔部に嵌合可能な凸部を含むこととし、前記孔部と前記凸部は前記カメラ収納部に対して前記ハーネス収納部を前記垂直方向にスライドさせるスライド操作の終期に嵌合されることとしてもよい。
本発明によれば、カメラを車両に据え付けた後、カメラカバーを車両のガラス側に取り付けることを容易なものとし、走行時の脱落も防止でき、かつコストダウンを図ることができる。
本発明に係る実施例のカメラカバー1の一実施形態を車両の側方からから視て示す模式図である。 実施例のカメラカバー1の収納対象となる前方監視カメラFCの設置形態を車室内後方から視て示す模式図である。 実施例のカメラカバー1のカメラ収納部2の具体的形態を示す模式図である。 実施例のカメラカバー1のカメラ収納部2のガイド2aa(係合部)を車両のフロントガラスFG側のブラケットBKのピンP(被係合部)に摺動させながら係合する態様を示す模式断面図である。 実施例のカメラカバー1のカメラ収納部2の端部2bの具体的形態を示す模式図である。 実施例のカメラカバー1のカメラ収納部2の端部2bの具体的形態を示す模式図である。 実施例のカメラカバー1により得られる作用効果について示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら説明する。
本実施例のカメラカバー1は、図1に示すように、カメラ収納部2と、ハーネス収納部3とを含む。カメラ収納部2は、後述する前方監視カメラFCを収納する本体部2aと、本体部2aの後方に突出してワイヤーハーネスWを挿通する端部2bを含む。カメラ収納部2の後方には間隔Xを置いて車両側の天井部RH(ルーフのインナパネルのヘッダ)が位置しており、ハーネス収納部3のワイヤーハーネスWの延在方向の長さは間隔Xと等しく設定される。
収納対象となる前方監視カメラFCとワイヤーハーネスWの設置形態は図2に示すとおりである。車両のフロントガラスFGに対して前方監視カメラFCはその撮像方向を車両前方に定められてブラケットBKに適宜の固定手段により固定されており、前方監視カメラFCの後端からはワイヤーハーネスWが延出されている。
ブラケットBKの右側方の後方よりには前後二箇所において右側方に突出する円筒状のピンPが設けられている。また、図2では死角となり図示されないが、ブラケットBKの左側面には右側方のピンPよりも後方よりの前後二箇所において左側方に突出する円筒状のピンPが設けられる。
ワイヤーハーネスWの後端側は図1に示すように車両の天井部RH内に延びて適宜ECU等の接続対象に接続されている。カメラ収納部2の本体部2aは、図3に示すように、左右一対の車幅方向に垂直な壁面部と底面部を有する形態である。車両の右側方の壁面部には、後方よりに前後二箇所にガイド2aaを含み、左側方の壁面部には右側方よりも前方よりの前後二箇所にガイド2aaを含む。これらのガイド2aaは、ブラケットBK側の複数のピンPにそれぞれ対応するものである。
これらのガイド2aaと対応するピンPによる、カメラ収納部2の摺動を伴わせての車両側への固定態様について図4を用いて説明する。図4は前後左右四箇所のピンP及びガイド2aaを含む複合断面を示しており、前後方向において右側方の前側のピンPと左側方の後側のピンPが重複するため、見かけ上合計三箇所のピンPの配置となる。これに対応して、ガイド2aaも合計三箇所の図示としている。
図4(a)に示すように、ガイド2aaは例えば合成樹脂製であるカメラ収納部2の成型段階にて壁面部に一体成型される、一部が開口する楕円形状をなすものである。開口部はピンPを誘い込む誘い込み部を形成する。楕円形状の後方側の開口部に隣接する端部分は底面部側に近接する形態をなし、ピンPをロックするロック部2aarを形成する。
図4(a)に示す状態から、作業者がカメラ収納部2をフロントガラスFGに近接する方向に変位させてピンPが誘い込み部に挿入された後、さらに、図4(b)の太線矢印に示すように、カメラ収納部2を前方に摺動させた場合に、図4(c)に示すように、ロック部2aarはピンPをロックする。
次にカメラ収納部2のカメラ収納部2aの後方に位置する端部2bの詳細な形態について図5を用いて説明する。なお、図5(a)は左側後方から視た図を、図5(b)は底面側と反対側から視た図を、図5(c)は底面側から視た図を示している。
端部2bは、カメラ収納部2aの左側方から後方に延びる上方に開口するコの字柱状をなし、コの字柱状の左右一対の壁面部の外側側の根元には、左右一対のスライド溝2baが形成されており、コの字柱状の底面にはスライド溝2baの延在する方向に穿設された孔部2bbが形成されている。
続いて上述した端部2bに対応するハーネス収納部3側の構造の詳細について図6を用いて説明する。図6は図1に示したハーネス収納部3をカメラ収納部2に接続される側から視て示している。
ハーネス収納部3は、天井部RH側からテーパ状に収納体積を増大するコの字形状をなしており、カメラ収納部2側の端部2bの左右一対の側面には、上述したスライド溝2baに対応する左右一対の爪部3aを有し、底面には上述した孔部2bbに対応する凸部3bを有している。
図4(c)に示した摺動に伴わせてのカメラ収納部2の固定作業を終えた後の状態で、カメラ収納部2の端部2bのスライド溝2baに対して、図7左図に示すように、作業者がハーネス収納部3の左右一対の爪部3aを下方から挿入してスライドさせる。このスライド操作の終期において、孔部2bbに凸部3bが嵌合し始め、作業者がさらにスライド操作を継続すると、図7右図に示すように、凸部3b全体が孔部2bbに嵌合される。
以上述べた実施例のカメラカバー1によれば以下のような作用効果を得ることができる。まず、車両のフロントガラスFG側に四箇所設けられたブラケットBKの有するピンPに対して、カメラカバー1のカメラ収納部2が具備する、ガイド2aaの誘い込み部をフロントガラスFGに沿って後方にオフセットさせた位置にセットした後、後方から前方に摺動させて、カメラ収納部2をブラケットBKに据え付けることができる。
この摺動方向はフロントガラスFGの面方向と一致するため、カメラ収納部2の据え付けにあたって、フロントガラスFGには面直方向に力を作用させることがない。このため、車両の製造工程において、所謂フロントガラスFGの浮き、つまりフロントガラスFG自体が車両の外側に向けて離隔変位してしまうことを防止することができる。
つまり、上述した製造工程において車体にフロントガラスFGを先に付けてその後前方監視カメラFCをカメラカバー1により据え付けるにあたり、面方向外側への力をフロントガラスFGに付与してしまい、直前の接着工程において未接着のフロントガラスFGが外側にはみ出すのを防ぐことができる。
これに加えて、例えばカメラカバー側にレールを設け、フロントガラス側にレールを抱え込む比較的長いレールガイドを設けることにより、脱着可能にカメラカバーをフロントガラスに据え付けることに比べて、本実施例では、ガイド2aaの摺動方向の長さはピンPに対して数倍程度の短いものとすることができるので、摺動ストロークを短くして、作業工程を簡略化することができる。
また、本実施例においては、カメラ収納部2をブラケットBKに据え付けた後、ハーネス収納部3を端部2bのスライド溝2baに爪部3aを挿入してスライドさせて孔部2bbに凸部3bを嵌合すると、カメラ収納部2に対してハーネス収納部3は強固に固定される。
車両の走行中や車室内にユーザがいる場合において、車両の振動やユーザの不注意により後方への力が図7右図に示すように作用したとしても、ハーネス収納部3が天井部RHとカメラ収納部2との間隔Xを維持するスペーサとして機能するため、カメラ収納部2の後方への移動を防止することができる。
カメラ収納部2の後方への移動が防止されることに伴い、図4に示したガイド2aaの前方に位置するロック部2aarからピンPが前方に抜け出すことが防止されるため、カメラ収納部2の脱落も防止することができる。また、特に車両前後方向における走行中においてカメラカバー1がフロントガラスFGに対して相対変位が発生して振動すること、つまりガタをより効果的に防止することができる。
さらに、ガイド2aaをコの字とし、誘い込み部の開口を前方としてピンPと組合せ、さらに、ハーネス収納部3をスペーサとして機能させることで万一、前方衝突等の不測の事態が発生しても、不測事態発生時の移動方向をガイド2aaとピンPがより強固に当接する方向とすることができるので、前方監視カメラFC及びカメラカバー1のフロントガラスFGからの脱落を防止することができる。
また、前方監視カメラFCが故障した場合でも、本実施例のカメラカバー1によればハーネス収納部3をフロントガラスFGの面方向かつ下方にスライドさせて取り外し、カメラ収納部2をフロントガラスFGの面直方向かつ後方に摺動させることで取り外すことができる。また、本実施例によれば、カメラカバー1を再度取り付けることも容易に実現できる。
加えて本実施例によれば、特にカメラカバー1を構成するカメラ収納部2及びハーネス収納部3自体の構成の複雑化や形状の複雑化も招くことがない。また、本実施例によれば、上述したように取り付けの作業工程も取り外しの作業工程も簡略化できる。このため、本実施例では、コストアップを招くことがない。さらに、取り付け取り外しともに、作業員にとって格別大きな力を要することなく、摺動ストローク、スライドストロークともに小さくできるため、作業効率も高めることができる。
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
例えば、ブラケットBKとそれが含むピンP及びカメラカバー1側のカメラ収納部2が具備するガイド2aaの配置箇所については、実施例で示した形態の他にも、想定される前後左右及びフロントガラスFGの面直方向を中心とするモーメントに応じて適宜変更することが可能である。
上述した実施例においては、カメラカバー1が前方監視カメラFCのみをフロントガラスFGに据え付けるものとしているが、その他の機器を併せて据え付ける形態にも本発明を適用することはもちろん可能である。例えば、ワイパー用のレインセンサを収納する追加収納部を具備するものとすることもできる。この場合、ピンPとガイド2aaの組合せの相互位置関係も適宜変更される。
本発明は、車両に適用して好適なカメラをガラスの天井部よりに設置するにあたって用いられるカメラカバーに関するものである。本発明によりカメラカバーの脱落や走行中の振動、所謂ガタを効果的に防止することができる。特に車両の前後方向のガタを効果的に防止できる。また、意匠上の要求を満足し見栄えを向上することも容易に実現できる。
また、本発明は据え付け時つまり製造工程途中において、カメラをガラスに据え付けた後、意匠上の要求を満たすためカメラカバーを取り付ける作業を容易なものとするとともに、部品点数の増加や形状の複雑化も招かない。従って、本発明は、乗用車等の様々な車両に適用しても有益なものであるとともに、車両の製造工程における歩留まりも高めることができる。
1 カメラカバー
2 カメラ収納部
2a 本体部
2aa ガイド(係合部)
2aar ロック部
2b 端部
2ba スライド溝
2bb 孔部
3 ハーネス収納部
3a 爪部
3b 凸部
FC 前方監視カメラ
W ワイヤーハーネス
FG フロントガラス
BK ブラケット
P ピン(被係合部)
RH 天井部(ルーフのインナパネルのヘッダ)

Claims (2)

  1. カメラを収納するカメラ収納部と、当該カメラに接続されるワイヤーハーネスを収納するハーネス収納部とを含み、前記カメラ収納部は前記カメラの撮像方向に摺動させながら車両のガラス側の被係合部に係合される係合部を含み、前記ハーネス収納部は、前記カメラ収納部と前記車両の天井部との間隔と同一の長さを有し、
    前記カメラ収納部の前記撮像方向と反対側の前記ワイヤーハーネスを挿通する端部は、前記ガラスに垂直な垂直方向に延びるスライド溝と、当該垂直方向に穿設される孔部を含み、前記ハーネス収納部は、前記スライド溝にスライド可能に嵌合される爪部と、前記孔部に嵌合可能な凸部を含むことを特徴とするカメラカバー。
  2. 前記孔部と前記凸部は前記カメラ収納部に対して前記ハーネス収納部を前記垂直方向にスライドさせるスライド操作の終期に嵌合されることを特徴とする請求項に記載のカメラカバー。
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