JP5729863B2 - 走行型車両重心計測システム - Google Patents
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Description
特に、貨物を積載する車両(トラック等)の場合、できるだけ積載量を多くしたい場合には、ともすれば、貨物を高さ方向へ積み上げる安直な方法が実施されがちである。
しかし、このような場合、車両の重心位置が高くなると、荷崩れが無くとも、走行路に左右の高低差が有る場合や、急ハンドルを切った場合に車体がローリングしたり、またカーブ区間に車両が到達すると遠心力が増大して、車体が転倒するなどの危険性が生じる。
よって、車両の水平方向の重心(より具体的には前後方向の重心と、左右方向の重心)の重心位置決定方法に加えて、車両の垂直方向(上下方向)の重心位置決定方法を開発することが本発明に際しての1つの課題であった。
また、測定時、後続車群に渋滞を生じさせないために、測定時に測定対象車両を停止させることなく、走行中に上記の各重心を測定できるようにすることも本発明に際しての1つの課題であった。
なお、従来から、一般に、陸上輸送貨物の積載状態を知り、車両の過積載や偏積(積荷の偏り)を発見したときの是正を目的とする計測装置として積載重量計が、特許文献1(特開平6−58796号公報)にて提案されている。
この特許文献1(特開平6−58796号公報)には、過積載の車両を発見し得ると共に積荷の片寄りによる重心位置のズレの検出機能を有する積載重量計が開示されている。具体的には、貨物自動車の前輪および後輪に於ける一軸重量を順次測定する軸重計を2個用いて積載重量計を構成している。即ち、前輪および後輪のそれぞれについて、該2個の重量計で得られた重量を合計した一軸重量と、前輪および後輪の間の車軸間距離とによって前後方向の重心位置を求め、この重心位置と理想的な重心位置とを比較することにより、前後方向の重心位置のズレを検出する。同様に、左右方向の重心位置は、前記2個の重量計で得られた左側の前後の車輪(タイヤ)の合計重量と右側の前後の車輪の合計重量とにより求めるものとしている。
このため、前述のとおり、車両の重心位置が高い場合は、荷崩れが無くとも、走行路に左右の高低差が有る区間や、カーブ区間に車体が到達すると、車体がローリングしたりカーブを曲がり切れず、車両が積荷と共に横転する事故を未然に防止することができないといった問題点があった。
即ち、特許文献1に記載された従来技術にあっては、車両の走行に伴い、貨物の過積載と積載の片寄りを計測することはできるが、積載重心の高さが分からないため、走行中の操舵による車体のローリングに起因した横転の危険度合いが分からないといった致命的な問題があった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであって、車両を走行させながら車両の水平方向および垂直方向の重心位置を測定することを可能にすると共に、該測定結果により、貨物の積載状態を的確に把握することで車両の横転事故等を抑止することができる走行型車両重心計測システムを提供することを目的としている。
車両の重心位置を計測する車両重心計測システムにおいて、
測定対象の車両を通過させる平坦路と、左右勾配の異なる第1測定帯と第2測定帯とからなる重心計測路に沿って、複数設けられ、前記車両の左右方向の傾きを計測する複数の傾斜角決定手段と、
前記重心計測路上に沿って前記車両の各軸の左右両輪の輪重を独立して計測し得るように配設された複数対の輪重計と、
前記輪重計で計測された最前軸から最後軸までの輪重を加算して前記車両の総重量を決定する車両重量決定手段と、
前記車両の左右方向の重心位置を決定する左右重心位置決定手段と、
前記車両の前後方向の重心位置を決定する前後重心位置決定手段と、
前記第1測定帯と前記第2測定帯の路面にそれぞれ設置された前記車両の左右方向の傾きを計測する2つの傾斜角決定手段により得られた2つの左右方向の傾斜角と、前記左右勾配の異なる前記第1測定帯と前記第2測定帯の路面に設置された複数対の輪重計上に車両を通過させて得られた前記第1測定帯と前記第2測定帯の左右重心位置とに基づき、上下方向の重心位置を決定する上下重心位置決定手段とを具備し、
前記測定対象の車両を走行させながら、左右方向重心位置、前後方向重心位置および上下方向重心位置をそれぞれ計測し得るように構成したことを特徴としている。
車両の重心位置を計測する走行型車両重心計測システムにおいて、
測定対象の車両を通過させる平坦路面と、この平坦路面に順次連続する左右勾配の異なる第1測定帯と第2測定帯とから重心計測路を敷設し、
前記平坦路面の左右の上部に配設された第1の車高計および第2の車高計と、
前記第1測定帯の左右の上部に配設された第3の車高計および第4の車高計と、
前記第1測定帯の路面に配設され、各輪重を独立して計測し得る第1の輪重計および第2の輪重計と、
前記第2測定帯の左右の上部に配設された第5の車高計および第6の車高計と、
前記第2の測定帯の路面に配設され、各輪重を独立して計測し得る第3の輪重計および第4の輪重計と、
前記第1〜第6の車高計の計測結果に基づき、前記平坦路、前記第1測定帯、前記第2測定帯を通過する時の前記車両のそれぞれの傾斜角を決定する傾斜角決定手段と、
前記車両の総重量を決定する車両重量決定手段と、
前記車両の前後方向の重心位置を決定する前後重心位置決定手段と、
前記車両の左右方向の重心位置を決定する左右重心位置決定手段と、
前記車両の上下方向の重心位置を決定する上下重心位置決定手段と、
を具備し、
前記測定対象の車両を前記重心計測路上を走行させながら、前記第1測定帯と前記第2測定帯の輪重で左右方向重心位置と前後方向重心位置を計測し、前記第1測定帯と前記第2測定帯の輪重により得られた車両の左右方向重心位置と平坦路と前記第1測定帯と前記第2測定帯により得られた傾斜角より上下方向重心位置をそれぞれ計測し得るように構成したことを特徴としている。
前記車両重量決定手段は、前記車両を走行させながら、前記各輪重計の波形より得られる最前軸から最後軸までの左右独立した輪重を、各軸毎に測定した後、該左右の輪重を加算して各軸毎の軸重値を求め、さらに、該各軸毎の軸重値を全ての軸について加算した値により、前記車両の総重量を決定することを特徴としている。
また、請求項4に記載した発明に係る走行型車両重心計測システムは、
前記前後重心位置決定手段は、前記車両を走行させながら、前記各輪重計の波形より前記車両の走行速度を求め、また、前記車両の各軸の前記各輪重計の通過時間と前記走行速度より、各軸の軸間距離を求め、さらに、前記軸間距離と前記軸重値との積を全ての軸について加算した値を前記車両の前記総重量で除して算出し、決定することを特徴としている。
また、請求項5に記載した発明に係る走行型車両重心計測システムは、
右輪重を基準とした左右輪重の比を求める左右輪重比決定手段は、前記第1測定帯と前記第2測定帯での左右の前記各輪重計への前記車両の車輪の載り始めから前記車両の車輪が降りるまでの間にサンプリングした輪重波形を全て使用して最小二乗法により算出することを特徴としている。
前記左右重心位置決定手段は、前記車両を走行させながら、前記第1測定帯と前記第2測定帯での車両の傾斜角と左右方向の重心位置とに基づいて、前記第1測定帯と前記第2測定帯の上下方向の重心位置が同じであることから、計算式を導き出し、前記車両の一般的な平坦路面における左右方向の重心位置を計算し、決定することを特徴としている。
また、請求項7に記載した発明に係る走行型車両重心計測システムは、
前記上下重心位置決定手段は、前記第1測定帯と前記第2測定帯での前記車両の前記傾斜角と前記左右方向の重心位置とに基づいて、前記第1測定帯と前記第2測定帯の上下方向の重心位置が同じであることから、計算式を導き出し、前記車両の一般的な平坦路面における上下方向の重心位置を計算し、決定されるものであることを特徴としている。
また、請求項8に記載した発明に係る走行型車両重心計測システムは、
前記第1測定帯における前記傾斜角は、前記第3の車高計と前記第4の車高計による前記車両の高さの測定値に基づいて計算されるものであることを特徴としている。
また、請求項9に記載した発明に係る走行型車両重心計測システムは、
前記第1測定帯における前記左右方向の重心位置は、前記第1の輪重計と前記第2の輪重計の各輪重計の測定結果に基づく、各軸毎に測定された左右輪重比と各軸重とから計算されるものであることを特徴としている。
前記第2測定帯における前記傾斜角は、前記第5の車高計と前記第6の車高計による前記車両の高さの測定値に基づいて計算されるものであることを特徴としている。
また、請求項11に記載した発明に係る走行型車両重心計測システムは、
前記第2測定帯における前記左右方向の重心位置は、前記第3の輪重計と前記第4の輪重計の測定結果に基づく、各軸毎に測定された左右輪重比と各軸重とから計算されるものであることを特徴としている。
また、請求12に記載した発明に係る走行型車両重心計測システムは、
前記第1測定帯の路面における前記第1の輪重計と前記第2の輪重計を支持する複数のロードセルを、さらに各輪重計の右側と左側とに分割配置し、それぞれのロードセルの出力差により、前記車両の車輪の載っている位置を計算して左右輪荷重中心間隔を決定する左右輪荷重中心間隔決定手段をさらに具備することを特徴としている。
さらに、請求項13に記載した発明に係る走行型車両重心計測システムは、
前記前後重心位置決定手段と前記左右重心位置決定手段と前記上下重心位置決定手段により決定した多重心位置を検証することにより、上下重心位置の高さが危険水準に有る場合は警告表示する装置を、さらに具備することを特徴としている。
その結果得られた3方向の重心位置計測結果を、運転者に告知することにより、運転者が運転操作を意識的に注意するようになり、より具体的には、運転者への横転危険度の通知が可能となり、結果的に、車両輸送中の横転事故や貨物の落下事故を抑制することができる。
また、この決定に関連して、車両1の、車体の傾斜および車体重量を測定し、さらには、積載貨物の、重量、前後、左右および上下の重心を決定する。
また、これらの測定値から、車両1の横転危険度を算出して検知することができるようにしている。
以下、本発明の走行型車両重心計測システムの第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る走行型車両重心計測システムの重心計測路から見た計測装置3の構成を示す斜視図である。
同図において、第1の実施形態の走行型車両重心計測システムは、測定対象車両1の重心を測定するシステムであり、重心を測定する測定区間(即ち重心計測路)として、平坦路面10と、第1測定帯20と、第2測定帯30と、を敷設する。
平坦路面10には、門型のガントリ11を立設し、このガントリ11の上部に所定間隔を隔てて車高計111Rおよび車高計111Lと、を配設する。
第2測定帯30には、門型のガントリ31を立設し、このガントリ31の上部に所定間隔を隔てて車高計311Rおよび車高計311Lを配設し、さらに左右の高さが異なる走行路面に輪重計312Rおよび輪重計312Lと、を設ける。
この他に、計測装置3と離れた位置に、上記の各計測装置3の計測結果を纏めて、車両の重心位置、車両総重量、車両の横転危険度等を算出する監視装置を備えるが、その詳細は、図2で説明する。
以下、図1を参照して、この第1の実施形態の走行型車両重心計測システムの重心計測路から見た各構成要素について説明する。
平坦路面10は、走行路の左右に高低差(段差)を有しない平坦な測定区間である。
第1測定帯20は、走行路の左右に高低差(段差)を有し、かつ車両の進行方向に沿って車両の長さの2倍の長さに輪重計の長さを加えた全長を有する測定区間である。この第1測定車両は、一方の路面、この場合、右側の路面は、平坦路面10と同じ面となっているが、左側の路面には、中央部が一定長さに亘って、所定の段差を有する平坦部aを設け、その手前側には、進入側斜面bが形成され、先方側には、退出側斜面cが形成されている。
なお、上記のいずれの走行路も、左右の高低差は、精度を考慮すると、車両の前方から見た時の傾斜角は、1.5°〜5.0°の範囲内とし、より好ましくは、1.5°〜3.0°の範囲内とすることが望ましい。
下限値1.5°を下回ると、高さ方向の重心計測の精度が低くなり、上限値5.0°を越えると、安全性に問題が出てくる。
第1測定帯20の輪重計212R,212Lは、車両が右に傾斜するように段差をつけた第1測定帯20を通過する間に左右各々の輪重の測定を行う機能を有する。
また、左右の輪重計は、輪重の左右バランスを測定することによって輪重計上での車輪の左右の位置を測定する機能を有する。これらの輪重計は、後述する第1の輪重計測手段に用いられる。
車高計111R,111L,211L,211R,311R,311Lは、各々、車両の高さを計測する機能を有する。これらの車高計は、車両の通過時に、車両の両側の高さをレーザー距離測定器(または超音波距離測定装置、もしくは、三角測距装置でもよい)で測定し、その車高値を用いて傾きを計算するために使用する(詳細は後述する)。
図2は、本発明の実施形態に係る走行型車両重心計測システムの計測装置監視装置および外部装置を含む全体構成を示すブロック図である。
図2に示す監視装置2は、増幅部201と、A/D変換部202と、車両情報入力部203と、演算部204と、記録部205と、判定部206と、出力部207と、を備えて構成される。
以下、監視装置2の各構成要素の機能について説明する。
増幅部201は、前述の各輪重計212R,212L,312R,312Lおよび各車高計111R,111L,211R,211L,311R,311Lの測定信号を増幅する機能を有する。
A/D変換部202は、増幅器201により増幅された前述の各輪重計212R,212L,312R,312Lおよび各車高計111R,111L,211R,211L,311R,311L(以下、これらの符号を省略する場合がある)の測定信号をA/D変換する。
車両情報入力部203は、キーボードやバーコード(いずれも図示は省略)等を用いて、車両の車番、車種、車両重量、軸数等と運転者の情報を入力することが可能であり、さらには、本発明に必須ではないが、車検証に記載されている軸距、輪距も入力可能であり、また、前記の入力情報を演算部204に送出する機能を有する。
記録部205は、A/D変換部202で変換された前述の各輪重計および各車高計の測定信号のデジタル値(輪重データ、車高データ)および演算部204で決定した各種演算結果(車両重量、傾斜角、重心位置、左右輪荷重中心間隔、軸距、判定結果)と、車両情報入力部203を介して入力された車両情報とを記録する。
判定部206は、演算部204で演算し、決定された結果を用いて、測定対象車両1の横転危険度および過積載の決定を行う。
出力部207は、車両重心情報(演算結果や判定結果)と横転危険度の情報とを、外部の装置4(想定される接続機器)に出力する。外部装置4としては、例えば、表示器・信号機401、ネットワーク(有線、無線)402、車両端末(ETCなど)403、遮断機404などとの接続が可能である。
(1) 測定対象車両1を、5〜20〔km/h〕程度で走行させながら、第1測定帯20の輪重計212R,212Lと、第2測定帯30の輪重計312R,312Lとを順次通過させ、各輪重と左右輪荷重中心間隔と、軸距とを測定および計算より求める(具体的計算方法は、後述する)。
(2) また、測定対象車両1が、平坦路面10上と、第1測定帯20の輪重計212R,212L上と、第2測定帯30の輪重計312R,312L上とを、それぞれ通過する時に、車高計111R,111L、車高計211R,211Lおよび車高計311R,311Lとにより、それぞれ該車両1の車高を測定し、この測定結果から、該車両1が前記各車高計111R,111L,211R,211L,311R,311Lをそれぞれ通過した時の該車両車体の左右方向の傾きを計算する。
(4) (1)〜(3)項の実行により得られた測定対象車両1の輪重、車両傾き、左右輪荷重中心間隔に基づき、該車両の前後方向、左右方向および上下方向の重心を計算する。
(5) 監視装置1の車両情報入力部203を介して入力された車両情報と、(4)項の演算結果とをデータ化し、記録部205に記録する。
(6) 判定部206により、(5)項の記録データに基づく危険度合いを判定し、出力部207へ、該危険度の情報を送出する。例えば、上下方向重心位置と、車両速度と、車両重量と、カーブ道路の曲率半径をパラメータとした危険度度合いを設定する。
(7) 出力部207は、外部装置4の表示器・信号機401、ネットワーク402、車両端末403、遮断機404等の各外部機器に該情報を出力する。
1.平坦路面10での測定
(a) 車両を走行させ、複数の車高計(111R,111L)により、左側および右側近傍の車両の高さをそれぞれ測定する。
2.第1測定帯20での測定
(a) 車両を走行させ、各軸毎に測定された左右の輪重波形を比較することで各軸の左右輪重比を計算する。
(b) 各軸毎に測定された左右輪重比と各軸重とから第1測定帯20での左右方向の重心位置と前後方向の重心位置を計算する。
(c) 複数の車高計(211R,211L)により、車両の左右両側近傍の高さを計測し、車両の左右方向の傾斜角を計算する。
(a) 車両を走行させ、各軸毎に測定された左右の輪重波形を比較することで各軸の左右輪重比を計算する。
(b) 各軸毎に計算された左右輪重比と各軸重とから第2測定帯30での左右方向の重心位置を計算する。
(c) 複数の車高計(311R,311L)により、車両の左右両側近傍の高さを計測し、車両の左右方向の傾斜角を計算する。
4.重心の計算
(a) 第1測定帯20と第2測定帯30での車両1の傾斜角と左右方向の重心位置とにより、平坦な路面上での車両の左右方向の重心位置を計算する。
(b) 第1測定帯20と第2測定帯30での車両1の傾斜角と左右の重心位置とにより、平坦な路面上での車両1の重心高さ(車両1の上下方向の重心位置)を計算する。
なお、このようにして重心位置を決定することにより、車両1の横転事故に関する載荷責任者と輸送業者との間の過失度合を量ることも可能となる(即ち、本システムの測定結果は、重心計測結果の記録として、証拠資料として活用できることになる)。
また、横転事故が発生した車両の重心測定結果をデータベース化することで、より安全な道路の構築や、車両の安全設計にも活用することができる。
さらに、本システムを用いた重心位置計測が一般化することにより、車両横転の予防を目的とした法整備が期待できる。
図3は、本発明の実施形態に係る走行型車両重心計測システムにおける監視装置2の動作を示すフローチャートである。
以下、図1,2を参照しながら、図3に示すフローチャートを使用して、走行型車両重心計測システムの動作を説明する。
まず、ステップS1では、キーボード、バーコードリーダ、デジタルスイッチ等の車両情報入力部203を介して測定対象車両1の車両情報(上述したように、車番、車種、車両重量、軸数、運転者等の情報)を入力する。
次に、ステップS3では、一対の車高計111R,111Lにより、車両1の左右両側近傍の高さを計測し、演算部204で平坦路面10における車両の傾斜角を計算する。
次に、ステップS4では、出力部207は、外部の表示器・信号機401を介して車両1を第1測定帯20内を所定の速度範囲で走行するように誘導し、第1測定帯20を走行させる(但し、この誘導は省略することができる)。車両1が第1測定帯20を走行したことは、車高計211R,211Lからの出力により演算部204で確認することができる。
次に、ステップS5では、演算部204は、車両の軸毎に左右の輪重波形を取得する。
次に、ステップS6では、演算部204は、軸毎に取得した左右の輪重波形を用いて、車両の各軸の左右輪重比および軸重と、左右輪の荷重中心間隔とを計算する(但し、この左右輪の荷重中心間隔については、車検証のデータの一つである輪距を予めステップS1において入力しておいて、それを使用することも可能である)。
次に、ステップS8では、演算部204は、車両の各軸重に基づいて、車両の前後方向の重心位置を計算する。
次に、ステップS9では、演算部204は、車高計211R,211Lにより、車両の両端近傍の高さをそれぞれ計測し、演算部204で車両1の傾斜角を計算する。
次に、ステップS10では、出力部207は、外部装置4の表示器・信号機401を用いて車両1を第2測定帯30に所定の速度範囲で走行するよう誘導し、第2測定帯30を走行させる(但し、この誘導は省略することができる)。車両1が第2測定帯30を走行したことは、車高計311R,311Lからの出力により演算部204で確認することができる。
次に、ステップS11では、演算部204は、車両1の軸毎に左右の輪重波形を取得する。
次に、ステップS12では、演算部204は、軸毎に取得した左右の輪重波形を用いて、車両1の各軸の左右輪重比および軸重を計算する。
次に、ステップS13では、演算部204は、車両1の各軸の左右輪重比から、車両の左右方向の重心位置を計算する。
次に、ステップS15では、演算部204は、車高計311R,311Lにより、車両1の左右両端近傍の高さを計測し、演算部204で車両の傾斜角を計算する。
次に、ステップS16では、演算部204は、第1測定帯20と第2測定帯30との通過時に計算された車両1の傾斜角と重心位置とにより、車両1が平坦路を走行している時の該車両1の左右の重心位置と、重心の高さとを計算する。
次に、ステップS17では、判定部207が、車両1の重心の高さが車高よりも低いか否かを検証し、仮に、車両1の重心の高さが車高よりも低くはない場合はステップS2に戻り、また、車両の重心の高さが車高よりも低い場合は出力部207に判定結果、例えば、図11(a)、(b)に示すように、重心位置をグラフィック化する信号を送出して、処理を終了する。
なお、ステップS6,S12では、左右の輪重波形(車両の輪重を示す波形)を比較する。つまり、左右の輪重は、左右の輪重波形そのものを比較することで、車輪が検出装置(輪重計)に載り始めた段階から、左右の輪重比が計算できる。
前述のステップS6,S12の処理では、左右の輪重比を計算する。
以下では、左右の輪重波形に基づいて左右の輪重比を計算する方法について詳しく説明する。
図4は、車両1の車輪が輪重計に乗り始めてから、降り終わるまでの左右の輪重波形を示すグラフである。
以下、図4を参照し、左右の輪重比の計算方法を説明する。
左右の輪重比は、(1)式から計算する。但し、(1)式において、WLtは、t時にサンプリングした左輪の荷重、WRtは、t時にサンプリングした右輪の荷重、aはWLtとWRtの比率を、それぞれ示すものとする。
WRtは、サンプリングt時の右輪の荷重、
aは、WLtとWRtの比率とする。
(1)式より、左右の輪重の比率を求めることができるので、(1)式を最小二乗法により変形する。
最小二乗法の計算に使用する誤差は、(2)式で示されるものとする。
の計算式を(13)式で示す。
前後方向の軸重の比較においても同様の方法を応用することで、前後方向の重心位置を計算することができる。
これに対して、左右の輪重を比較する場合、左右の輪重波形より各々の重さを計算して比較をするが、この方法では車輪が検出装置に全て載っている間しか計測することができないため、計測時間が短いときに誤差を生じやすくなる。
次に、図3におけるステップS7,S8,S13の処理では、該処理に先立って、ステップS6で、左右輪の荷重中心間隔lTを測定する必要が生じるので、以下では、左右輪の荷重中心間隔lTを測定する方法について説明する。
図6は、左右輪の荷重中心間隔lTを測定する方法を図示した説明図である。
測定対象車両1の輪距(車両の右車輪と左車輪との間隔)を車両の諸元表から得るか、第1測定帯20での輪重計212R,212Lのロードセルを、さらに右側と左側に分割して、それぞれのロードセルの出力差により車輪の載っている位置を計算して輪距に対応する値である左右輪の荷重中心間隔lTを求める(ステップS6の詳細)。
図6(a)の正面側より見て左側の輪重計212Rの載荷板Tlの下側を支える4つのロードセルLll1,Lll2,Llr1,Llr2より得られた重さ(出力)を、それぞれWll1,Wll2,Wlr1,Wlr2とし、右側の輪重計212Lの載荷板Trの下側を支えるロードセルLrl1,Lrl2,Lrr1,Lrr2のロードセルより得られた重さ(出力)を、それぞれWrl1,Wrl2,Wrr1,Wrr2とする時、(14)式の関係より、それぞれの比率を求める。
これにより、(15)式を得る。
次に、ステップS7(第1測定帯20上での処理)の処理と、S13(第2測定帯30上での処理)の処理として、車両の左右重心位置を計算する方法について詳述する。
各軸の比率aをaiとし、左右輪の荷重中心間隔をlTiとし、軸重Waiとする(従って、例えば、1軸目については、比率はa1、左右輪の荷重中心間隔はlT1、軸重はWa1となる)。
各軸の重心位置に軸重を乗じて、全部の軸の(重心位置×軸重)を加算したものを、全部の軸重を加算したもので除すことで、車両全体の車体中心から左方向の重心位置Clを求めることができる。
図7は、車両の左右重心位置の計算方法の一例を示す説明図である。
例えば、2軸車の計算を行う場合は、車両の左右重心位置の計算は、図7で示されるので、車両全体の車体中心から左方向の重心位置Clは、(19)式で計算される。
以下では、ステップS14(第2測定帯30上)の処理である軸距の計算の計算方法を説明する。
この実施形態では、車両1が一定速度で重心計測路に設けられた上述の各測定帯上を走行する時の輪重を計測する場合を想定しているので、前記の各輪重計で得られる波形に基づいて車両の速度Vを計算し、次に、各軸の通過時間Tviから軸距lwを求めることができる。
例えば、1軸目が通過する時間をTv1、2軸目が通過する時間をTv2とした場合、求める軸距lwは(21)式で計算される。
以下では、ステップS8(第1測定帯20上での処理)と、ステップS14(第2測定帯30上での処理)の処理である車両の前後重心位置の計算の計算方法を説明する。
車両の各軸の最後軸からの軸距をlwi(即ち、1軸目の軸距はlw1)として、全部の軸の(軸距×軸重)を加算したものを、全部の軸重を加算したもので除すことで、車両全体の後軸からの前後方向の重心位置Cfを求めることができる。
図8は、車両の前後重心位置の計算方法の一例を説明するための車両を模式的に示す側面図である。
例えば、2軸車の計算を行う場合は、車両1の前後重心位置の計算は、図8で示されるので、前後方向の重心位置Cfは、(22)式で計算される。
また、(22)式を多軸車に適応できるように変形すると、軸数がnの場合、(23)式となる。
〔車高の測定〕
この実施形態では、車両1の平坦路面走行時の重心位置と重心高さとを求めるため(ステップS16の処理)、まずは、第1測定帯20および第2測定帯30における、車高と、車両1の傾斜角とを測定する(ステップS15の処理)。
図9(a)、(b)、(c)は、車両の重心高さと、傾斜角とをそれぞれ測定している場合の重心計測路での状態を示すものであり、図9(a)は、平坦路面10での状態、図9(b)は、第1測定帯20での状態、図9(c)は、第2測定帯30での状態を、それぞれ示すものである。
同図に示すように、車両の重心高さと、傾斜角とをそれぞれ測定する場合は、重心計測路(図1)に配された6個の車高計(車高計111R,111L,211R,211L,311R,311L)を使用する。
以下では、平坦路面10に配置された車高計111R,111Lにより測定された車高を、それぞれH1,H2とし、この場合の車体の傾斜角をθ1とする。
また、第1測定帯20に配置された車高計211R,211Lにより測定された車高を、それぞれH3,H4とし、この場合の車体の傾斜角をθ2とする。
ちなみに、上記の傾斜角θ1,θ2,θ3は、(24)式で求めることができる。
〔平坦路面走行時の重心位置と重心高さの計算〕
この計算は、前述のステップS16に含まれる処理である。
(20)式より、第1測定帯20における車両の左右方向の重心位置Cl1と、第2測定帯30における車両の左右方向の重心位置Cl2とを求め、車両が、一般的な平坦路面を通過する時の、左右方向の重心位置ClNと車両の重心高さChとを求める。
前述の各車高計より求めた車両の各傾斜角(θ1,θ2,θ3)から、図10に示すように下記の(25)式でθ1−2,θ1−3を定義すると、車両が平坦路面を走行する時の重心高さChは、第1測定帯で計算された結果と第2測定帯で計算された結果が等しくなるはずであることから(26)式で計算される。
θ1が十分小さければθ1を計測せずにθ1-3=θ3,θ1-2=θ2として近似計算することができる。
このとき、車高計111R,111Lが必要なくなる。
さらに、θ3またはθ2が十分小さいときでも計算可能である。
なお、上記の計算により、前記の重心高さChが車高よりも高くなる場合は、本システムによる測定を再度実施するものとする。
車両1を一定の低速度(5〜20Km/h)で通過させて、計測装置3(前記の各輪重計)で得られる波形より輪重を求め、左右の輪重を加算して軸重値Waiを算出し、さらに軸数分加算することで、車両重量Wvを決定することができる。
例えば、軸数がnの場合は、車両重量Wvは(30)式で求められる。
貨物重量を決定する際には、予め、トラクタ部の重量Wdと、トレーラ部の重量Wpとを測定するか、若しくは車検証に基づき記録しておいて、この値を車両重量Wvから、減ずることで、貨物重量Wcを計算することができる。この計算式を(31)式で示す。
貨物の前後左右および上下の重心位置を決定する際には、予め、トラクタ部、およびトレーラ部の前後左右および上下の重心位置を測定するか、若しくは記録しておいて、本システムで測定した車両全体の前後左右および上下の重心位置により、貨物の前後左右および上下の重心位置を求めることができる。よって、トラクタ部の前後,左右,上下の重心位置を、それぞれ、Cdf,Cdl,Cdhとし、トレーラ部の前後,左右,上下の重心位置を、それぞれ、Cpf,Cpl,Cphとし、車両全体の前後,左右,上下の重心位置を、それぞれ、Cf,ClN,Chとし、貨物の前後,左右,上下の重心位置を、それぞれ、Ccf,Ccl,Cchとすると、モーメントと力の関係とにより、(32)式で貨物のみの上記各重心位置を算出することができる。
車両横転危険度の通知方法としては、視認可能な警告標示板に該危険度を表示することが考えられる。
図11(a)、(b)は、車両横転危険度を視覚的に表示した一表示例を模式的に示すものであって、図11(a)は、背面図、図11(b)は、側面図である。
本システムで決定した車両横転危険度は、例えば、図7に示すように、重心位置を特定の色で表示するなどの方法で、運転者または設備管理者に対して視覚的に一目で分かるように表示することが好ましい。
本システムで得られた車両重心情報は、下記の活用範囲を有している。
(1) 陸上輸送車両の積載状態の管理
(2) 陸上輸送車両の横転防止
(3) 貨物ターミナル、コンテナターミナルなどでの不適切貨物の発見・是正
(3) 道路交通安全管理
(3) 海上輸送コンテナにおける荷主と輸送業者との間の過失度合の責任分界の目安
(4) GPS情報と地図情報との連携(走行先のカーブの曲率を得て、安全な通過速度の上限値を通知することができる)。
この実施形態の走行型車両重心計測システムによれば、以下に述べる特有の効果が得られる。即ち、重心計測に要する時間が短く、かつ走行しながら計測するため交通渋滞を招来しないので、構内道路等の交通を妨げることなく、車両の重心位置を、積載する貨物も含めて測定することができる効果が有る。
また、過密なコンテナターミナルの荷役業務を妨げずに重心を計測することができる効果が有る(例えば、ストラドルキャリアでコンテナを移動する際の重心計測で陸送前の積載状態確認が可能である。また、コンテナターミナル構内での不適切コンテナ発見・是正を促進することができる)。
また、重心位置表示板などで視覚的に表示することにより、車両の運転者に対して積載状態を知らせることができるので、運転操作に際しての意識的な注意を喚起することができる効果が有る。
また、ナビゲーションシステムとの連携により、積載重量,車両高さ,車両重心位置を考慮したルート案内と、道路曲率に即した速度抑制案内ができる効果が有る。
また、輸送中の横転事故や貨物の落下事故を抑制できる効果が有る。
また、重心計測結果の記録を証拠資料として活用することにより、横転事故に関する荷主と輸送業者の間の過失度合を客観的且つ公正な判断をすることができる効果が有る。
また、横転事故が発生した車両の重心測定結果をデータベース化することで、より安全な道路の構築や、より安全な車両の設計に応用することができる効果が有る。
なお、本発明に係る構成要素の処理の少なくとも一部をコンピュータ制御により実行するものとし、かつ、上記処理を、図3のフローチャートで示した手順によりコンピュータに実行せしめるプログラムは、半導体メモリを始め、CD−ROMや磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配付してもよい。そして、少なくともマイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ、汎用コンピュータを範疇に含むコンピュータが、上記の記録媒体から上記プログラムを読み出して、実行するものとしてもよい。
2 監視装置
3 計測装置
4 外部装置
10 平坦路面
11,21,31 ガントリ
20 第1測定帯
30 第2測定帯
201 増幅器
202 A/D変換部
203 車両情報入力部
204 演算部
205 記録部
206 判定部
207 出力部
111R,111L,211R,211L,311R,311L 車高計
212R,212L,312R,312L 輪重計
401 表示器・信号機
402 ネットワーク
403 車両端末(ELTなど)
404 遮断機
Claims (13)
- 車両の重心位置を計測する車両重心計測システムにおいて、
測定対象の車両を通過させる平坦路と、左右勾配の異なる第1測定帯と第2測定帯とからなる重心計測路に沿って、複数設けられ、前記車両の左右方向の傾きを計測する複数の傾斜角決定手段と、
前記重心計測路上に沿って前記車両の各軸の左右両輪の輪重を独立して計測し得るように配設された複数対の輪重計と、
前記輪重計で計測された最前軸から最後軸までの輪重を加算して前記車両の総重量を決定する車両重量決定手段と、
前記車両の左右方向の重心位置を決定する左右重心位置決定手段と、
前記車両の前後方向の重心位置を決定する前後重心位置決定手段と、
前記第1測定帯と前記第2測定帯の路面にそれぞれ設置された前記車両の左右方向の傾きを計測する2つの傾斜角決定手段により得られた2つの左右方向の傾斜角と、前記左右勾配の異なる前記第1測定帯と前記第2測定帯の路面に設置された複数対の輪重計上に車両を通過させて得られた前記第1測定帯と前記第2測定帯の左右重心位置とに基づき、上下方向の重心位置を決定する上下重心位置決定手段とを具備し、
前記測定対象の車両を走行させながら、左右方向重心位置、前後方向重心位置および上下方向重心位置をそれぞれ計測し得るように構成したことを特徴とする走行型車両重心計測システム。 - 車両の重心位置を計測する走行型車両重心計測システムにおいて、
測定対象の車両を通過させる平坦路面と、この平坦路面に順次連続する左右勾配の異なる第1測定帯と第2測定帯とから重心計測路を敷設し、
前記平坦路面の左右の上部に配設された第1の車高計および第2の車高計と、
前記第1測定帯の左右の上部に配設された第3の車高計および第4の車高計と、
前記第1測定帯の路面に配設され、各輪重を独立して計測し得る第1の輪重計および第2の輪重計と、
前記第2測定帯の左右の上部に配設された第5の車高計および第6の車高計と、
前記第2の測定帯の路面に配設され、各輪重を独立して計測し得る第3の輪重計および第4の輪重計と、
前記第1〜第6の車高計の計測結果に基づき、前記平坦路、前記第1測定帯、前記第2測定帯を通過する時の前記車両のそれぞれの傾斜角を決定する傾斜角決定手段と、
前記車両の総重量を決定する車両重量決定手段と、
前記車両の前後方向の重心位置を決定する前後重心位置決定手段と、
前記車両の左右方向の重心位置を決定する左右重心位置決定手段と、
前記車両の上下方向の重心位置を決定する上下重心位置決定手段と、
を具備し、
前記測定対象の車両を前記重心計測路上を走行させながら、前記第1測定帯と前記第2測定帯の輪重で左右方向重心位置と前後方向重心位置を計測し、前記第1測定帯と前記第2測定帯の輪重により得られた車両の左右方向重心位置と平坦路と前記第1測定帯と前記第2測定帯により得られた傾斜角より上下方向重心位置をそれぞれ計測し得るように構成したことを特徴とする走行型車両重心計測システム。 - 前記車両重量決定手段は、前記車両を走行させながら、前記各輪重計の波形より得られる最前軸から最後軸までの左右独立した輪重を、各軸毎に測定した後、該左右の輪重を加算して各軸毎の軸重値を求め、さらに、該各軸毎の軸重値を全ての軸について加算した値により、前記車両の総重量を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の走行型車両重心計測システム。
- 前記前後重心位置決定手段は、前記車両を走行させながら、前記各輪重計の波形より前記車両の走行速度を求め、また、前記車両の各軸の前記各輪重計の通過時間と前記走行速度より、各軸の軸間距離を求め、さらに、前記軸間距離と前記軸重値との積を全ての軸について加算した値を前記車両の前記総重量で除して算出し、決定することを特徴とする請求項3に記載の走行型車両重心計測システム。
- 右輪重を基準とした左右輪重の比を求める左右輪重比決定手段は、前記第1測定帯と前記第2測定帯での左右の前記各輪重計への前記車両の車輪の載り始めから前記車両の車輪が降りるまでの間にサンプリングした輪重波形を全て使用して最小二乗法により算出することを特徴とする請求項1または2に記載の走行型車両重心計測システム。
- 前記左右重心位置決定手段は、前記車両を走行させながら、前記第1測定帯と前記第2測定帯での車両の傾斜角と左右方向の重心位置とに基づいて、前記第1測定帯と前記第2測定帯の上下方向の重心位置が同じであることから、計算式を導き出し、前記車両の一般的な平坦路面における左右方向の重心位置を計算し、決定することを特徴とする請求項1または2に記載の走行型車両重心計測システム。
- 前記上下重心位置決定手段は、前記第1測定帯と前記第2測定帯での前記車両の前記傾斜角と前記左右方向の重心位置とに基づいて、前記第1測定帯と前記第2測定帯の上下方向の重心位置が同じであることから、計算式を導き出し、前記車両の一般的な平坦路面における上下方向の重心位置を計算し、決定されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の走行型車両重心計測システム。
- 前記第1測定帯における前記傾斜角は、前記第3の車高計と前記第4の車高計による前記車両の高さの測定値に基づいて計算されるものであることを特徴とする請求項2に記載の走行型車両重心計測システム。
- 前記第1測定帯における前記左右方向の重心位置は、前記第1の輪重計と前記第2の輪重計の各輪重計の測定結果に基づく、各軸毎に測定された左右輪重比と各軸重とから計算されるものであることを特徴とする請求項2に記載の走行型車両重心計測システム。
- 前記第2測定帯における前記傾斜角は、前記第5の車高計と前記第6の車高計による前記車両の高さの測定値に基づいて計算されるものであることを特徴とする請求項2に記載の走行型車両重心計測システム。
- 前記第2測定帯における前記左右方向の重心位置は、前記第3の輪重計と前記第4の輪重計の測定結果に基づく、各軸毎に測定された左右輪重比と各軸重とから計算されるものであることを特徴とする請求項2に記載の走行型車両重心計測システム。
- 前記第1測定帯の路面における前記第1の輪重計と前記第2の輪重計を支持する複数のロードセルを、さらに各輪重計の右側と左側とに分割配置し、それぞれのロードセルの出力差により、前記車両のタイヤの載っている位置を計算して左右輪荷重中心間隔を決定する左右輪荷重中心間隔決定手段をさらに具備することを特徴とする請求項2に記載の走行型車両重心計測システム。
- 前記前後重心位置決定手段と前記左右重心位置決定手段と前記上下重心位置決定手段により決定した多重心位置を検証することにより、上下重心位置の高さが危険水準に有る場合は警告表示する装置を、さらに具備することを特徴とする請求項1または2に記載の走行型車両重心計測システム。
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