JP5939870B2 - 車両計量システム - Google Patents

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Description

本発明は、コンテナターミナル等に設置される車両計量システムに関する。
コンテナターミナルには、輸出コンテナが搬入され、輸入コンテナが搬出される。近年、コンテナを輸送する車両の過積載や、輸送中のコンテナの横転事故や落下事故が問題になっている。過積載車両は、道路路面や道路の橋脚等に損傷を与える。コンテナの重量は荷主の自己申告によるものが多く、コンテナの重量等を輸出入の際に計量していないので、コンテナ積載車両の運転手は、実際のコンテナの重量等を知ることができない。すなわち、コンテナターミナルでは、コンテナの重量あるいはコンテナを積載した車両の重量等の計量は行われていない。
特許文献1には、コンテナターミナルの入口ゲートへ案内する入構用道路の途中に、重量計測装置が設けられ、この重量計測装置で計測される車両の重量に基づいて、当該車両が実入りコンテナを積載している車両か、空コンテナを積載している車両か、あるいはコンテナを積載していない車両かを判別する構成が記載されているが、この判別結果は、複数の入口ゲートのうちのいずれのゲートを開放するかを決定するための情報の1つとして用いられるものである。
また、特許文献2には、トラックが載台上に載って停止する過程において、トラックの総重量、軸重及び輪重等を測定することができるトラックスケールが記載されている。
特開2006−341943号公報 特開2006−3291号公報
コンテナの横転事故や落下事故は、過積載や積荷が片寄っていることによる偏荷重などが一因と言われている。コンテナ積載車両の運転手が、過積載であるか異常な偏荷重であるかというような車両の重量異常等に関する情報を知ることができれば、コンテナの横転事故や落下事故の防止につながるものと考えられる。そのためには、輸入コンテナの場合は、その輸入コンテナを積載した車両が公道に出るまでに計量する必要がある。また、輸出コンテナの場合でも、コンテナターミナルへ搬入したときに車両の重量異常等に関する情報を知ることができれば、例えば、コンテナヤードにおいて輸出コンテナを車両から降ろす時に、事前に注意の喚起等をすることができるので、有意義である。
しかし、コンテナターミナルにおけるコンテナの流れはコンピュータ管理によって効率良く運用されているので、現状のコンテナの流れの中にコンテナを計量する工程を入れるのはコンテナターミナルにおける輸送効率を大幅に低下させることになる。
また、コンテナ積載車両に限らず、運送会社のトラック等の車両においても、同車両の運転手が、過積載であるか異常な偏荷重であるかというような車両の重量異常等に関する情報を知ることができれば、車両の横転事故等の防止につながるものと考えられる。そのためには、集配所等の構内で積荷を載せた車両が、輸送効率を大幅に低下させることなく、公道に出るまでに計量するシステムが望まれている。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、コンテナターミナルや運送会社の集配所などの構内等において、輸送効率を大幅に低下させることなく、車両の運転手に過積載であるというような車両の重量異常等に関する情報を知らせることができる車両計量システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のある形態(aspect)に係る車両計量システムは、車両の重量に関する物理量を求める計測手段と、前記求めた物理量が異常であるか否かを判定する異常判定手段とを有する第1の車両計測装置と、前記異常判定手段の判定結果が異常であるときに、その異常である旨を前記車両の運転手に報知する報知手段と、前記第1の車両計測装置よりも高い精度で前記車両の重量に関する物理量を求める第2の車両計測装置とを備えている。
この構成によれば、第1及び第2の車両計測装置を備え、第1の車両計測装置によって、車両の重量に関する物理量を求め、その求めた物理量が異常であるか否かを判定し、異常であるときにその異常である旨の情報を報知手段が運転手に報知するので、第1の車両計測装置によって異常と判定された車両の運転手は、精度の高い第2の車両計測装置によって再計測することで、より正確な情報を得ることができる。すなわち、第1及び第2の車両計測装置をコンテナターミナルや運送会社の集配所などの構内等に設置し、第1の車両計測装置として、例えば走行状態の車両を計測する計測装置を用いることにより、輸送効率を大幅に低下させることなく、車両の運転手に過積載であるというような車両の重量に関する物理量の異常情報を知らせることができ、異常情報が報知された車両のみを、精度の高い第2の車両計測装置によって再計測することで、より正確な情報を得ることができる。
また、前記報知手段は、前記異常判定手段の判定結果が異常であるときに、前記第2の車両計測装置で再計測する指示をも報知するように構成されていてもよい。
この構成によれば、第1の車両計測装置によって車両の重量に関する物理量が異常であると判定された車両の運転手へ、第2の車両計測装置で再計測することを促すことができる。
また、前記第1の車両計測装置は、前記計測手段によって求められる物理量の1つである前記車両の総重量との間の正の相関関係に基づいて前記車両の重心高さを推測し、この推測した重心高さに基づいて前記車両の転倒リスクが高いか否かを判定する転倒リスク判定手段をさらに有し、前記報知手段は、前記転倒リスク判定手段により前記転倒リスクが高いという判定結果が得られたときにその判定結果をも報知するように構成されていてもよい。
この構成によれば、車両の転倒リスクが高いか否かを判定し、転倒リスクが高い場合にそのことも運転手に知らせることができる。
また、前記第2の車両計測装置は、前記第1の車両計測装置よりも高い精度で前記車両の重心高さを求めるように構成され、前記報知手段は、前記転倒リスク判定手段により前記転倒リスクが高いという判定結果が得られたときに、前記第2の車両計測装置で再計測する指示をも報知するように構成されていてもよい。
この構成によれば、第1の車両計測装置によって車両の転倒リスクが高いと判定された車両の運転手へ、第2の車両計測装置で再計測することを促すことができる。
また、前記計測手段は、走行状態における前記車両に対して前記車両の重量に関する物理量を求めるように構成されていることが好ましい。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、車両の重量に関する物理量とは、車両の各輪重、各軸重、車両の総重量、車両の幅方向の重心位置及び全長方向の重心位置のうちのいずれか複数の値である。ここで、上記物理量には、車両の各輪重、各軸重、車両の総重量を含むことが好ましく、さらには、車両の幅方向の重心位置をも含むことが好ましく、よりさらには、車両の全長方向の重心位置をも含むことが好ましい。また、上記物理量に、車両の高さ方向の重心位置を含めるようにしてもよい。
本発明は、以上に説明した構成を有し、コンテナターミナルや運送会社の集配所などの構内等において、輸送効率を大幅に低下させることなく、車両の運転手に過積載であるというような車両の重量異常等に関する情報を知らせることができる車両計量システムを提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態の車両計量システムを設置したコンテナターミナルの一例を示す図である。 本発明の実施形態の車両計量システムの構成を示す概念図である。 (a)は、本発明の実施形態の車両計量システムにおける第1の車両計測装置の車両計測部の平面図であり、(b)は、図3(a)におけるA−A線に沿った断面図であり、(c)は、図3(b)におけるB−B線に沿った断面図である。 本発明の実施形態の車両計量システムの構成を示すブロック図である。 コンテナターミナルの管理コンピュータのデータベースに記録される情報の一例を示す図である。 (a)は、本発明の実施形態において被測定対象となる一車両の平面図であり、(b)は、同車両の側面図である。 本発明の実施形態における第1の車両計測装置の動作の一例を示すフローチャートである。 (a)は、本発明の実施形態において被測定対象となる一車両の平面図であり、(b)は、同車両の側面図である。 (a)は、車両が載荷板上を通過するときに、左側載荷板が受ける荷重の経時変化を示す図であり、(b)は、同車両の第1軸が載荷板上を通過するときに、第1軸の左側車輪(タイヤ)の左側載荷板上の通過状態を示す図である。 (a)は、車両の転倒リスクの判定方法を説明するための図であり、(b)は、鉛直方向(高さ方向)における車両全体の重心と車両自体の重心と積荷の重心との位置関係を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ、本発明の実施形態における第1の車両計測装置の車両計測部の他の構成例を示す平面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態の車両計量システムを設置したコンテナターミナルの一例を示す図である。図2は、本実施形態の車両計量システムの構成を示す概念図である。また、図3(a)は、本実施形態の車両計量システムにおける第1の車両計測装置の車両計測部の平面図であり、図3(b)は、図3(a)におけるA−A線に沿った断面図であり、図3(c)は、図3(b)におけるB−B線に沿った断面図である。また、図4は、本実施形態の車両計量システムの構成を示すブロック図である。
本実施形態の車両計量システムは、例えば図1に示すようなコンテナターミナルCTに設置されている。コンテナターミナルCTは、入口ゲートIG、出口ゲートEG1,EG2及び管理棟MC等が設けられたゲートエリアA1と、多数のコンテナCNが蔵置されるエリアであるコンテナヤードA2と、荷役装置60によってコンテナ船へコンテナの積み降ろしが行われる荷役エリアA3とを有している。図1中の矢印は、車両の進行方向を示す。コンテナターミナルCTに搬出入される各コンテナにはコンテナ番号(コンテナの識別番号)が付されている。
図2において、破線矢印は、輸入コンテナをコンテナターミナルCTから搬出する場合の車両1の走行経路を示す。この場合、コンテナを積載していない車両1は、コンテナターミナルCTに到着すると、入口ゲートIGで受付を済ませてから、コンテナヤードA2でコンテナが積載され、その後、第1の車両計測装置3を通過して、出口ゲートEG1、EG2のいずれかから退場する。第1の車両計測装置3は、図1に示すように、コンテナヤードA2から複数の出口ゲートEG1、EG2の配置場所へ進む経路の途中に配設されている。出口ゲートEG1は通常出口ゲートであり、出口ゲートEG2は第2の車両計測装置10が設置された再計量出口ゲートである。
本実施形態の車両計量システムは、車両1に搭載されたETC(Electric Toll Collection;自動料金収受システム)車載器2と、第1の車両計測装置3と、電光表示板8と、管理棟MCに設置された管理コンピュータ9と、出口ゲートEG2に設置された第2の車両計測装置10と、入口ゲートIGに設置された端末11と、出口ゲートEG1、EG2に設置された端末12、13とを有している。第1の車両計測装置3は、コンテナヤードA2において輸入コンテナが積載された全ての車両1を計測対象とし、第2の車両計測装置10は、第1の車両計測装置3において異常と判定された車両1のみを計測対象とする。
第1の車両計測装置3は、計量制御装置4と、車両計測部5と、計量制御装置4が車両1に搭載されたETC車載器(ETCアンテナを含む)2と通信を行うためのDSRC(Dedicated Short Range Communication;専用狭域通信)アンテナ6と、車両分離器7とを有している。車両分離器7は、光センサ等を用いて構成され、例えば高速道路の料金所のETCゲートの手前等に設置されるものと同様のものであり、車両を1台ごとに分離して検知するように構成されている。
車両計測部5は、図3(a)に示すように、左側荷重計測部5Lと右側荷重計測部5Rとが車両進行方向(矢印53で示す方向)と直交する方向に並んで配置されてなる。左側荷重計測部5Lには、左側の車輪が載って通過する方形の左側載荷板51Lと、車両の幅方向および進行方向にそれぞれ所定の間隔(b、c)をおいて配され、左側載荷板51Lを支持する複数のロードセルLC1〜LC4とを備えている。ロードセルLC1〜LC4は、方形の左側載荷板51Lの四隅を支持するように配置されている。同様に、右側荷重計測部5Rには、右側の車輪が載って通過する方形の右側載荷板51Rと、車両の幅方向および進行方向にそれぞれ所定の間隔(b、c)をおいて配され、右側載荷板51Rを支持する複数のロードセルLC5〜LC8とを備えている。ロードセルLC5〜LC8は、方形の右側載荷板51Rの四隅を支持するように配置されている。また、左右の荷重計測部5L、5Rにおいて、2つの載荷板51L、51Rの隣接する側に配置されるロードセルLC3、LC4とロードセルLC5、LC6とは間隔Sをおいて配置される。なお、間隔b、c、Sはロードセルの中心間の距離である。また、載荷板51L,51Rの車両進行方向の長さはDである。車両計測部5は、2つの載荷板51L,51Rのタイヤと接する表面(上面)が路面52と同じ高さとなるように設置されている。図3(a)では、車両1の第1軸(最前方の車軸)の左側車輪のタイヤ1TL及び右側車輪のタイヤ1TRが例示されている。
計量制御装置4は、例えば、マイクロプロセッサ(MPU)及びメモリ等によって構成され、図4に示すように、荷重センサである各ロードセルLC1〜LC8からの荷重信号を入力するとともに、車両分離器7から車両検知信号を入力する。また、計量制御装置4は、DSRCアンテナ6を介してETC車載器(アンテナを含む)2と無線通信を行うとともに、電光表示板8を制御する。なお、ロードセルLC1〜LC8には、例えばアナログロードセルの荷重信号を増幅及びA/D変換してデジタル出力するデジタルロードセルを用いている。
また、管理コンピュータ9と計量制御装置4と第2の車両計測装置10と各ゲート端末11,12,13とは、例えばLANに接続され、互いに必要な情報の授受が可能なように構成されている。
計量制御装置4は、重量算出手段4a、重心位置算出手段4b、重量異常判定手段4c、重心異常判定手段4d及び転倒リスク判定手段4e等として機能する。また、計量制御装置4は、DSRCアンテナ6を介してETC車載器2と通信を行う通信手段4fとしても機能する。なお、計量制御装置4は、必ずしも単独の制御装置で構成される必要はなく、複数の制御装置が分散配置されていて、それらが協働して本実施形態における計量制御装置4として機能するよう構成されていてもよい。
また、管理コンピュータ9は、コンテナターミナル内のシステム全体を管理するコンピュータであるが、以下では、主に、本実施形態の車両計量システムに寄与する機能についての説明をする。
管理コンピュータ9には、コンテナ情報DB(コンテナ情報データベース)9a、車両情報DB(車両情報データベース)9b及び重量情報DB(重量情報データベース)9cを有している。図5に、各データベース9a、9b、9cに記録される情報の一例を示す。
コンテナ情報DB9aには、各コンテナに関する情報が記録されている。この情報としては、各コンテナについて、コンテナ番号に対応付けられて、コンテナサイズ、コンテナ自重、発送元、発送先、内容物、コンテナヤードA2内におけるコンテナの蔵置位置などの情報が記録されている。
車両情報DB9bには、各車両自身に関する情報が記録されている。車両1は、例えば図6(b)に示すように、コンテナCNを積載していない場合は、トラクタ1aがトレーラ1bを牽引する車両である。車両情報DB9bに記録される情報は、各トラクタに関する情報と、各トレーラに関する情報とからなる。各トラクタに関する情報としては、各トラクタについて、車番(車両番号)に対応付けられて、自重、車軸数、トレッド幅、軸間距離及び水平重心位置などの情報が記録されている。また、各トレーラに関する情報としては、各トレーラについて、車番(車両番号)に対応付けられて、自重、車軸数、トレッド幅、軸間距離及び水平重心位置などの情報が記録されている。
重量情報DB9cには、管理コンピュータ9が計量制御装置4及び入口ゲート端末11等から取得し、コンテナを積載した各車両の重量等に関する情報が記録される。この情報としては、各車両について、トラクタの車番に対応付けられて、トレーラの車番、コンテナ番号、車両総重量、各軸重、各輪重、車両全体の水平重心位置、コンテナ重量、コンテナの水平重心位置、コンテナ内容量及び異常情報などの情報が記録される。
ここで、例えば図2に示すように輸入コンテナをコンテナターミナルCTから搬出する場合について説明する。このとき、コンテナ情報DB9a及び車両情報DB9bの情報はすでに記録されている。まず、コンテナを積載していない車両1は入口ゲートIGで停止し、車両1の運転手は、搬出するコンテナ番号等の搬出情報が記載された伝票(搬出伝票)を入口ゲートIGの担当者に渡し、コンテナの搬出手続きを行う。担当者は、搬出伝票に記載された内容を確認し、入口ゲート端末11を操作してコンテナ番号から搬出するコンテナの蔵置位置情報を取得し、この蔵置位置情報を運転手に伝える。このとき、入口ゲート端末11に上記コンテナ番号と車両1のトラクタ1aの車番及びトレーラ1bの車番等の情報が入力され、それらの情報が管理コンピュータ9へ送信される。そして、管理コンピュータ9は、送信されてきたコンテナ番号に該当するコンテナの蔵置位置をコンテナ情報DB9aから取得し、そのコンテナの蔵置位置情報を入口ゲート端末11へ送信する。また、管理コンピュータ9は、送信されてきたコンテナ番号とトラクタ1aの車番とトレーラ1bの車番等の情報(本例ではコンテナの発送元及び発送先の情報も含む)を重量情報DB9cに日時情報(図示せず)とともにそれぞれ対応付けて記録する。
車両1の運転手は、コンテナヤードA2へ進み、入口ゲートIGで伝えられたコンテナの蔵置位置で、搬出するコンテナが車両1に積み込まれると、出口ゲートEG1、EG2へ向かい、出口ゲートEG1、EG2の手前に設置された第1の車両計測装置3を通過する。この通過時に第1の車両計測装置3によって、輪重、軸重、車両総重量、コンテナ重量、車両全体の水平重心位置及びコンテナ単体の水平重心位置等が求められる。
図6は、本実施形態において被測定対象となる車両の一例を示す図であり、図6(a)は、同車両の平面図であり、図6(b)は、同車両の側面図である。
この車両1は、コンテナCNを積載したトレーラ1bをトラクタ1aが牽引している車両であり、トラクタ1a及びトレーラ1bはそれぞれに車番を有している。トラクタ1aとトレーラ1bとは連結部1cで連結されている。連結部1cは、トラクタ1aのカプラとトレーラ1bのキングピンとからなる。
図7は、第1の車両計測装置3の動作の一例を示すフローチャートである。この動作は、計量制御装置4の制御によって実現される。
計量制御装置4は、車両分離器7から車両1の検知信号を入力すると(ステップS1)、ロードセルLC1〜LC8から入力される荷重信号に基づいて、車輪(タイヤ)が載荷板51L,51Rに載ったか否かを判定し(ステップS2)、載った場合には、上記荷重信号に基づいて左右の輪重を算出し(ステップS3)、左右の輪重を合計して軸重を算出する(ステップS4)。このようにして、車両が検知されている間に、各輪重及び各軸重が求められる。
また、計量制御装置4は、車両分離器7から車両1の検知信号を入力すると(ステップS1)、車両1が検知されなくなるまでの間に、DSRCアンテナ6を介してETC車載器2から車両1のトラクタ1aの車番を取得し(ステップS6)、このトラクタ1aの車番を管理コンピュータ9へ送信し、管理コンピュータ9から該当する車両1の計量等に必要な情報を取得する(ステップS7)。ここで、管理コンピュータ9は、計量制御装置4からトラクタ1aの車番が送信されてくると、重量情報DB9cを参照して送信されてきたトラクタ1aの車番に対応するトレーラ1bの車番とコンテナ番号とを把握する。そして、車両情報DB9bからトラクタ1aの車番に対応するトラクタ情報とトレーラの車番に対応するトレーラ情報とを抽出して計量制御装置4へ送信するとともに、コンテナ情報DB9aからコンテナ番号に対応するコンテナ情報を計量制御装置4へ送信する。
計量制御装置4は、ステップS8で、車両1の総重量、コンテナ重量と、コンテナ内容量とを算出する。次にステップS9では、車両1全体の水平重心位置とコンテナの水平重心位置とを算出する。
次にステップS10では、各計測値(輪重、軸重、車両総重量、車両全体の水平重心位置等)について異常判定処理を行う。この異常判定処理では、例えば、各計測値が各々について定められている閾値を超えたか否かの判定を行い、閾値を超えた計測値があればその計測値が異常であると判定する。さらに、異常判定処理として、車両1の転倒リスクが高いか否かの判定も行う。そして、異常情報が有れば、ステップS12へ進み、無ければステップS13へ進む(ステップS11)。
ステップS12では、異常情報を報知するとともに、第2の車両計測装置10が設置された再計量出口ゲートEG2へ進むように指示を出す。
なお、異常情報とは、ステップS10での異常判定処理において、異常と判定された計測値に関する情報及び転倒リスクが高い旨を示す情報であり、例えば、第x軸(xは整数)の軸重超過(軸重が異常)、総重量超過(車両総重量が異常)、転倒注意(転倒リスクが高い)などの情報である。具体的には、ETC車載器2へ、例えば「総重量超過、再計量出口ゲートへ進み再計量してください」という内容の情報を送信し、ETC車載器2から同内容を音声で出力させるとともに、同様の内容を電光表示板8に表示させる。上記送信情報のうち「総重量超過」が異常情報であり、「再計量出口ゲートへ進み再計量してください」が再計測指示情報である。ここで、ETC車載器2及び電光表示板8はそれぞれ報知手段として機能している。
ステップS13では、通常出口ゲートEG1へ進むように指示を出す。具体的には、ETC車載器2へ、例えば「通常出口ゲートへ進んでください」という内容の情報を送信し、ETC車載器2から同内容を音声で出力させるとともに、同様の内容を電光表示板8に表示させる。このステップS13で、異常情報がない場合にはその旨も、ETC車載器2及び電光表示板8によって運転手に報知するようにしてもよい。
そして、ステップS14では、各計測値及び異常情報等を管理コンピュータ9へ送信し、重量情報DB9cに記録させる。
以上の動作において、ステップS3、S4、S8は計量制御装置4の重量算出手段4aとしての機能であり、ステップS9は重心位置算出手段4bとしての機能であり、ステップS10は重量異常判定手段4c、重心異常判定手段4d及び転倒リスク判定手段4eとしての機能である。
ここで、重量算出手段4a、重心位置算出手段4b及び車両計測部5によって計測手段が構成されている。この計測手段の重量算出手段4a及び車両計測部5によって、走行状態における車両1の各輪重、各軸重及び総重量が算出される。また、重心位置算出手段4bによって車両1の幅方向の重心位置及び全長方向の重心位置が算出される。
また、重量異常判定手段4cによって、上記算出された車両1の各輪重、各軸重及び総重量が各々の閾値に基づいて異常であるか否かが判定され、重心異常判定手段4dによって、上記算出された車両1の幅方向の重心位置及び全長方向の重心位置が異常であるか否かが所定の基準に基づいて判定される。
また、転倒リスク判定手段4eによって、車両1の高さ方向の重心位置(路面からの重心高さ)の推定値(Lv)が求められ、車両1の転倒リスクが高いか否かが判定される。
そして、ステップS13の指示を受けた車両1は、通常出口ゲートEG1へ進んで、所定の退場手続きを済ませて退場する。また、ステップS12の指示を受けた車両1は、再計量出口ゲートEG2へ進み、第2の車両計測装置10にて再計量する。
第2の車両計測装置10では、例えば第1の車両計測装置3の場合と同様、ETC車載器2から車両1のトラクタ1aの車番を取得し、車両1の計量等に必要とする情報を管理コンピュータ9のデータベース9a、9b等から取得するように構成されている。そして、車両1の各輪重、各軸重、車両総重量及び水平重心位置等を第1の車両計測装置3よりも正確に計測するとともに、それらの計測値を用いて第1の車両計測装置3におけるステップS10と同様の異常判定処理を行い、異常な計測値等が有る場合にはそれに関する異常情報を生成し、運転手に報知する。この場合も、第1の車両計測装置3の場合と同様、ETC車載器2で報知するようにしてもよいし、電光表示板のような表示装置で表示させるようにしてもよい。また、第2の車両計測装置10は、各計測値及び異常情報等を管理コンピュータ9へ送信し、ステップS14により重量情報DB9cに記録された情報を書き換える。
第2の車両計測装置10は、第1の車両計測装置3よりも各計測値を高精度に計測できるものである。第1の車両計測装置3は、走行状態における車両1を計測するものであるが、第2の車両計測装置10は、停止状態における車両1を計測するものであってもよい。第2の車両計測装置10は、第1の車両計測装置3よりも精度よく計測することができるものであり、例えば、車両1の全てのタイヤの各々が載荷板に載って、同時に各輪重を計測できるように構成されていてもよい。また、第2の車両計測装置10は、車両全体の水平重心位置に加え、高さ方向の重心位置(路面からの重心高さ)を精度よく算出できるものが好ましく、高さ方向の重心位置を精度よく算出するための構成としては、例えば、特開2012−2555号公報あるいは特開2012−32328号公報に開示された構成を用いることができる。
〔車両の輪重、軸重、車両総重量、コンテナ重量及びコンテナ内容量の算出方法〕
次に、第1の車両計測装置3による車両総重量等の算出方法について詳しく説明する。
まず、車両1の各輪重、各軸重、車両総重量、コンテナ重量及びコンテナ内容量の算出方法を説明する。
例えば、図6に示すように4軸の車両1の場合、車両1の前寄りの車軸から順番に第1軸(最前方の車軸)、第2軸、第3軸、第4軸(最後方の車軸)とする。そして、第1軸の左側輪重をW1L、右側輪重をW1Rとし、第2軸の左側輪重をW2L、右側輪重をW2Rとし、第3軸の左側輪重をW3L、右側輪重をW3Rとし、第4軸の左側輪重をW4L、右側輪重をW4Rとする。
計量制御装置4は、載荷板51L,51Rに第1軸の車輪が載ったときに、左側荷重計測部5LのロードセルLC1〜LC4から入力される各荷重信号によって示される重量値を合計することにより第1軸の左側輪重W1Lを算出し、右側荷重計測部5RのロードセルLC5〜LC8から入力される各荷重信号によって示される重量値を合計することにより第1軸の右側輪重W1Rを算出する。同様にして、第2軸の左側輪重W2L及び右側輪重W2Rと、第3軸の左側輪重W3L及び右側輪重W3Rと、第4軸の左側輪重W4L及び右側輪重W4Rを算出する。
そして、第1軸の軸重W1、第2軸の軸重W2、第3軸の軸重W3、及び第4軸の軸重W4を、それぞれ以下の式に基づいて算出する。
1=W1R+W1L
2=W2R+W2L
3=W3R+W3L
4=W4R+W4L
さらに、車両総重量WTを次式により算出する。
T=W1+W2+W3+W4
また、コンテナ重量WT3を、車両総重量WTからトラクタの自重WT1とトレーラの自重WT2とを減算することにより算出する。すなわち、次式により算出する。
T3=WT−(WT1+WT2
さらに、コンテナ内容量WT4を、コンテナ重量WT3からコンテナ自重WTCを減算することにより算出する。すなわち、次式により算出する。
T4=WT3−WTC
なお、計量制御装置4は、トラクタの自重WT1とトレーラの自重WT2とを車両情報DB9bから取得し、コンテナ自重WTCをコンテナ情報DB9aから取得している(ステップS7)。
上記では、計量制御装置4は、車両情報DB9bからトラクタの自重WT1及びトレーラの自重WT2を取得するようにしたが、これらの情報を予めトラクタ1aのETC車載器2の内部のメモリに記憶しておいて、ETC車載器2との通信によってこれらの情報(WT1、WT2)を取得するようにしてもよい。また、第1の車両計測装置3の計測対象となる全ての車両(トラクタ及びトレーラからなる連結車両)が同一規格(少なくともトラクタ及びトレーラの各自重が同一)である場合には、予めトラクタ及びトレーラの各自重(WT1、WT2)を計量制御装置4の内部のメモリに記憶しておいて、それを用いるようにしてもよい。
〔車両全体の水平重心位置の算出方法〕
つぎに、車両1全体の水平重心位置の算出方法を説明する。この水平重心位置としては、車両全体の幅方向(左右方向)重心位置と全長方向(前後方向)重心位置とを求める。
車両全体の重心Gの水平位置は、例えば図6に示すように、車両1の全長方向(前後方向)をX軸方向、幅方向(左右方向)をY軸方向として、X軸は車両1の第1軸の車軸の位置を原点(0)として車両全長方向の重心位置を示す値をXGとし、Y軸はトレッド幅中央を原点(0)として車両幅方向の重心位置を示す値をYGとして、XG、YGを求める。
<車両幅方向の重心位置YGの求め方>
まず、車両1の4軸の右側輪重の総和WR、左側輪重の総和WLとを以下の式により算出する。
R=W1R+W2R+W3R+W4R
L=W1L+W2L+W3L+W4L
つぎに、図6(a)に示すように、トレーラ1bのトレッド幅をLRLとし、トレッド幅の右端から重心Gまでの幅方向の距離をYRとすれば、YRは次の式で示すことができる。なお、トレッド幅LRLは、車両情報DB9bから取得している(ステップS7)。
R=LRL・WL/(WR+WL
したがって、X軸より左側を正の値とした場合の車両の幅方向の重心位置YGは、次の式で示すことができ、同式に基づいて重心位置YGを算出する。
G=LRL・WL/(WR+WL)−LRL/2
=LRL〔WL/(WR+WL)−1/2〕
車両幅方向の中心線(X軸)より右側に重心位置がある場合はYG<0となり、左側に重心位置がある場合はYG>0となる。
<車両全長方向の重心位置XGの求め方>
図6(b)に示すように、第1軸〜第2軸間の軸間距離をL1、第2軸〜第3軸間の軸間距離をL2、第3軸〜第4軸間の軸間距離をL3とする。ここで、軸間距離L1はステップS7で車両情報DB9bから取得したトラクタ1aの軸間距離であり、軸間距離L2、L3はステップS7で車両情報DB9bから取得したトレーラ1bの軸間距離である。また、Lは、最前軸(ここでは第1軸)と最後軸(ここでは第4軸)との距離であり、L=L1+L2+L3の式から算出する。
なお、ここでは、第2軸〜第3軸間の軸間距離L2を車両情報DB9bから取得したトレーラ1bの軸間距離としているが、トラクタ1aの車種によって異なる場合には、次のようにして軸間距離L2を算出するようにしてもよい。例えば、車両情報DB9bに、トラクタ情報として、トラクタ1aの後軸(第2軸)から連結部1c中心までの水平距離(Xa)を記憶しておくとともに、トレーラ情報として、トレーラ1bの前軸(第3軸)から連結部1c中心までの水平距離(Xb)を記憶しておいて、L2=Xb−Xaとして算出するようにしてもよい。
そして、図6(b)に示すように、最前軸(第1軸)と最後軸(第4軸)との中心位置から重心Gまでの全長方向の距離をaとすると、第1軸を原点としたときの車両全長方向の重心位置XGは、次の(1)式で示される。
G=a+(L/2) ・・・(1)
上記の距離aと、軸間距離L1、L2、L3と、先に算出した各軸重W1、W2、W3、W4とを用いたモーメントのつりあいの式から次のように距離aを算出することができる。
Figure 0005939870
したがって、(1)式に上記aを代入した式を用いて車両全長方向の重心位置XGを算出する。
なお、上記では、計量制御装置4は、車両情報DB9bからトレッド幅LRLと軸間距離L1〜L3とを取得して、車両全体の水平重心位置(YG、XG)を求めたが、取得すべき情報を予めトラクタ1aのETC車載器2の内部のメモリに記憶しておいて、ETC車載器2との通信によってこれらの情報(LRL、L1〜L3)を取得するようにしてもよい。また、第1の車両計測装置3の計測対象となる全ての車両(トラクタ及びトレーラからなる連結車両)が同一規格(少なくともトレッド幅及び軸間距離が同一)である場合には、予めトレッド幅及び軸間距離の値を計量制御装置4の内部のメモリに記憶しておいて、それを用いるようにしてもよい。
〔コンテナの水平重心位置の算出方法〕
コンテナの水平重心位置、すなわち、コンテナの幅方向重心位置(YG3)及び全長方向の重心位置(XG3)は、車両総重量WTと、トラクタの自重WT1と、トレーラの自重WT2と、車両全体の幅方向重心位置YG及び全長方向重心位置XGと、トラクタの幅方向重心位置YG1及び全長方向重心位置XG1と、トレーラの幅方向重心位置YG2及び全長方向重心位置XG2とを用いて、次の式に基づいて算出する。
Figure 0005939870
なお、トラクタの幅方向重心位置YG1及びトレーラの幅方向重心位置YG2のY軸の原点は、車両全体の幅方向重心位置YGのY軸の原点と同一である。また、トラクタの全長方向重心位置XG1及びトレーラの全長方向重心位置XG2のX軸の原点も、車両全体の全長方向重心位置XGのX軸の原点と同一である。ここで、トラクタ及びトレーラの幅方向重心位置YG1、YG2及びトラクタの全長方向重心位置XG1は、車両情報DB9bから取得した水平重心位置を用いるが、トレーラの全長方向重心位置XG2は、車両情報DB9bから取得したトレーラの全長方向重心位置(XG20)を車両1の第1軸が原点(0)の位置となるように換算した値である。例えば、車両情報DB9bに、トラクタ情報として、第1軸から連結部1c中心までの水平距離(Xc)を記憶しておくとともに、トレーラ情報としてトレーラの全長方向重心位置(XG20)を連結部1c中心から同トレーラの重心までの水平距離として記憶しておいて、XG2=Xc+XG20として算出すればよい。
上記では、計量制御装置4は、車両情報DB9bからトラクタの自重(WT1)及び水平重心位置(YG1、XG1)と、トレーラの自重(WT2)及び水平重心位置(YG2、XG2)とを取得して、コンテナの水平重心位置(YG3、XG3)を求めたが、取得すべき情報を予めトラクタ1aのETC車載器2の内部のメモリに記憶しておいて、ETC車載器2との通信によってこれらの情報(WT1、YG1、XG1、WT2、YG2、XG2)を取得するようにしてもよい。また、第1の車両計測装置3の計測対象となる全ての車両(トラクタ及びトレーラからなる連結車両)が同一規格(少なくともトラクタ及びトレーラの各自重及び水平重心位置が同一)である場合には、予めトラクタ及びトレーラの各自重及び水平重心位置の値を計量制御装置4の内部のメモリに記憶しておいて、それを用いるようにしてもよい。
なお、上記では、計量制御装置4は、例えば車両情報DB9bからトレッド幅LRLと軸間距離L1〜L3とを取得して、車両全体の水平重心位置(YG、XG)を求めたが、次に述べる車両水平重心位置の第2の算出方法によって、車両全体の水平重心位置を求めるようにしてもよい。この算出方法によれば、車両ごとにトレッド幅及び軸間距離が異なってもそれらを車両情報DB9bから取得しなくてもよい。
〔車両水平重心位置の第2の算出方法〕
<第2の算出方法による車両幅方向の重心位置YGの求め方>
図8及び図3を参照しながら車両幅方向の重心位置YGの他の求め方を説明する。図8は、図6と同様の本実施形態において被測定対象となる車両の一例を示す図であり、図8(a)は、同車両の平面図であり、図8(b)は、同車両の側面図である。
図8において、図6と同一符号は同一のものであり、図8(a)において、G1、・・・、G4は、それぞれ第1軸、・・・、第4軸の荷重重心位置を示す。また、e1、・・・、e4は、それぞれトレッド幅中央を原点(0)とするY軸における第1軸、・・・、第4軸の荷重重心位置(位置座標)を示す。
それぞれのロードセルLC1、・・・、LC8の反力(計測荷重)を、P1、・・・、P8とする。また、各ロードセル反力の合算値、例えば、ロードセルLC1の計測荷重P1とロードセルLC2の計測荷重P2との合算値(P1+P2)を、P12と表す。
なお、図8に示す車両1は、第1軸から第4軸までの車軸が4個ある車両を示しているが、車軸数はこれに限られるものではないので、以下では、第1軸から第n軸までの車軸がn個ある車両について説明する。また、説明で用いる記号の意味を次のように定義する(図3、図8参照)。
i:車軸番号(i=1,2,・・・,n)
T:車両総重量(=W1+W2+・・・+Wn
i:第i軸の軸重
iR:第i軸の右側輪重
iL:第i軸の左側輪重
i:第i軸のトレッド幅(左右の車輪中心間距離)
iR:第i軸の右車輪から第i軸荷重重心位置までの距離
iL:第i軸の左車輪から第i軸荷重重心位置までの距離
i:Y軸方向の第i軸荷重重心位置(位置座標)
iR:右タイヤ踏面から中心側ロードセルLC5(LC6)までの車両幅方向の距離
iL:左タイヤ踏面から中心側ロードセルLC3(LC4)までの車両幅方向の距離
b:左右各荷重計測部5L,5R内の車両幅方向のロードセル中心間距離
S:左側載荷板51Lを支持して右側載荷板51R寄りのロードセルLC3(LC4)の中心と右側載荷板51Rを支持して左側載荷板51L寄りのロードセルLC5(LC6)の中心との距離(以下、中央側ロードセル間中心距離)
D:載荷板51L,51Rの車両進行方向の長さ(以下、載荷板の車両進行方向長)
なお、以下の説明では、ロードセル反力Pには車軸番号に関する添え文字(i)を付けていないが、それぞれ第i軸の輪重WiR、WiLに関して発生する反力とする。
ここでは、各荷重計測部5L,5R内の車両幅方向のロードセル中心間距離bと、中央側ロードセル間中心距離Sと、載荷板の車両進行方向長Dとは、予め計量制御装置4の内部のメモリに記憶されている。
まず、第i軸の右側輪重WiRに関するモーメントのつりあいの式に基づいて距離biRを求める。モーメントのつりあいの式は、
56iR=P78(b−biR
となり、距離biRは、
iR=b/(P56/P78+1)
となり、この式から距離biRを算出する。
また、第i軸の左側輪重WiLに関するモーメントのつりあいの式に基づいて距離biLを求める。モーメントのつりあいの式は、
34iL=P12(b−biL
となり、距離biLは、
iL=b/(P34/P12+1)
となり、この式から距離biLを算出する。
次に、求めた距離biR、biLを用いて次式により第i軸のトレッド幅Biを求める。
i=biR+biL+S
ここで、第i軸のトレッド幅Biは、ダブルタイヤの場合には片輪2タイヤの中心位置間の距離となり、片輪2タイヤのそれぞれの空気圧が異なる場合は片輪2タイヤの実効的荷重支持点間の距離となる。
次に、第i軸荷重重心位置eiを求める。そのために、まず、第i軸の左右の輪重WiR、WiL及び軸重Wiを次式によって算出する。なお、これらは、先に算出していてもよい。
iR=P5+P6+P7+P8
iL=P1+P2+P3+P4
i=WiR+WiL
そして、第i軸の右車輪から第i軸荷重重心位置までの距離BiRと、第i軸の左車輪から第i軸荷重重心位置までの距離BiLとを次式によって算出する。
iR=BiiL/Wi
iL=BiiR/Wi
ここでは、最終的に求める重心位置YGが、例えば、前述の算出方法における幅方向の重心位置YGと同様、車両左右幅の中心線(X軸)より右に重心位置がある場合はYG<0となり、左に重心位置がある場合はYG>0となるようにする。そこで、例えば次式によって第i軸荷重重心位置eiを算出する。
i=BiR−Bi/2
この場合、上記BiLを算出していなくてもよい。
また、次式によって第i軸荷重重心位置eiを算出してもよい。
i=Bi/2−BiL
この場合、上記BiRを算出していなくてもよい。
そして、車両幅方向の重心位置YGと車両総重量(WT)との積が、全ての車軸における第i軸荷重重心位置eiと軸重Wiとの積の総和に等しくなるので、車両幅方向の重心位置YGを、次式によって算出できる。
G=(e11+e22+・・・+enn)/(W1+W2+・・・+Wn
先に、車両総重量WTを算出していれば、重心位置YGは次式で算出できる。
G=(e11+e22+・・・+enn)/WT
以上のようにして、車両幅方向の重心位置YGを求めるようにしてもよい。この場合、計量制御装置4は、コンテナ積載車両1の各々の車軸が載荷板51L、51R上を通過するときの左側荷重計測部5Lの複数のロードセルLC1〜LC8の荷重信号と、左右各荷重計測部5L,5R内の車両幅方向のロードセル中心間距離bと、左右荷重計測部5L,5Rの中央側ロードセル間中心距離Sとに基づいて、各々の車軸の荷重重心位置(ei)を算出し、この各々の車軸の荷重重心位置(ei)と各々の車軸の軸重(Wi)とに基づいて車両幅方向の重心位置YGを算出するように構成される。ここで、各々の車軸の荷重重心位置(ei)の算出方法は、コンテナ積載車両1のある車軸が載荷板51L、51R上を通過するときの左側荷重計測部5Lの複数のロードセルLC1〜LC4の荷重信号と、ロードセル中心間距離bとに基づいて、同車軸による左側載荷板51Lへの幅方向における荷重位置(biL)を求めるとともに、右側荷重計測部5Rの複数のロードセルLC5〜LC8の荷重信号に基づいて、同車軸による右側載荷板51Rへの幅方向における荷重位置(biR)を求め、これらの荷重位置(biL、biR)と中央側ロードセル間中心距離Sとに基づいて同車軸のトレッド幅(Bi)を算出し、このトレッド幅(Bi)と同車軸の左右の輪重(WiL、WiR)とに基づいて同車軸の荷重重心位置(ei)を算出するようにしている。
<第2の算出方法による車両の全長方向重心位置XGの求め方>
次に、さらに図9を参照して車両の全長方向重心位置XGの他の求め方を説明する。図9(a)は、車両1が載荷板51L、51R上を通過するときに、例えば左側載荷板51Lが受ける荷重(すなわちロードセルLC1〜LC4からの荷重信号が示す荷重の合計値)の経時変化を示す図である。右側載荷板51Rが受ける荷重(すなわちロードセルLC5〜LC8からの荷重信号が示す荷重の合計値)の経時変化も同様である。また、図9(b)は、車両1の第1軸が載荷板51L、51R上を通過するときに、第1軸の左側車輪(タイヤ1TL)の左側載荷板51L上の通過状態を示す図である。
図9(a)において、Ti(例えばT1、T2、T3、T4)は、第i軸(第1軸、第2軸、第3軸、第4軸)の車軸の載荷板通過時間(車軸が載荷板51Lの直上を通過する時間)である。また、Ti(i+1)(例えばT12、T23、T34)は、第i軸の車軸が載荷板51Lの直上を通過し始めてから次の第(i+1)軸の車軸が載荷板51Lの直上を通過し始めるまでの時間である。例えば、T12は、第1軸の車軸が載荷板51Lの直上を通過し始めてから次の第2軸の車軸が載荷板51Lの直上を通過し始めるまでの時間である。同様に、T23は、第2軸の車軸が載荷板51Lの直上を通過し始めてから次の第3軸の車軸が載荷板51Lの直上を通過し始めるまでの時間であり、T34は、第3軸の車軸が載荷板51Lの直上を通過し始めてから次の第4軸の車軸が載荷板51Lの直上を通過し始めるまでの時間である。
例えば第1軸の車軸の載荷板通過時間T1中における第1軸の左側車輪(タイヤ1TL)は、図9(b)に示すように、時刻t1のときに、タイヤ1TL(t1)が左側載荷板51L上に載り込み始める。次に時刻t2のときに、同タイヤ1TL(t2)は左側載荷板51L上に完全に載る。次に時刻t3のときに、同タイヤ1TL(t3)は左側載荷板51L上から降り始める。そして時刻t4のときに、同タイヤ1TL(t4)は左側載荷板51L上から完全に降りた状態になる。これは、タイヤ1TLには接地面が生じるからである。
ここで、タイヤ1TLが載荷板51Lに載るときには、第1軸の車軸Ax1は、時刻t1と時刻t2との間の時刻(時刻x1とする)に載荷板51Lの直上に来て、タイヤ1TLが載荷板51Lから降りるときには、第1軸の車軸Ax1は、時刻t3と時刻t4との間の時刻(時刻x2とする)に載荷板51Lの直上から外れることになる。本例では、第1軸の左側車輪(タイヤ1TL)が載荷板51Lに載るときに、載荷板51Lに完全に載っている状態のときの荷重F1の半分(F1/2)になったときの時刻を求めて、それを上記時刻x1とし、第1軸の左側車輪(タイヤ1TL)が載荷板51Lから降りるときに、載荷板51Lに完全に載っている状態のときの荷重F1の半分(F1/2)になったときの時刻を求めて、それを上記時刻x2とし、時刻x1から時刻x2までの時間を第1軸の車軸の載荷板通過時間T1として算出している。第2軸、第3軸、第4軸の車軸の載荷板通過時間T2、T3、T4についても同様である。例えば、第2軸の車軸の載荷板通過時間T2は、第2軸の左側車輪が載荷板51Lに載るときに、載荷板51Lに完全に載っている状態のときの荷重F2の半分(F2/2)になったときの時刻から、第2軸の左側車輪が載荷板51Lから降りるときに、上記荷重F2の半分(F2/2)になったときの時刻までの時間である。
そして、載荷板通過時間T1、T2、T3、T4はそれぞれ載荷板の車両進行方向長Dに対応し、時間T12、T23、T34はそれぞれ軸間距離L1、L2、L3に対応する。各軸間距離L1、L2、L3は、以下のように、載荷板の車両進行方向長Dに、時間の比率T12/T1、T23/T2、T34/T3を掛けて算出する。
1=D・T12/T1
2=D・T23/T2
3=D・T34/T3
なお、車両進行速度の変化は誤差要因となるが、各軸毎に時間Ti、同時間Tiを含む時間Ti(i+1)を計算するので実用上許容出来る誤差範囲となる。
上記で求めた各軸間距離と、幅方向の重心位置を求めるときに計測した各軸の軸重とに基づいて、車両全長方向重心位置XGを、第1軸を基準としたモーメントのつりあいの式から得られる次式によって算出する。
G={W21+W3(L1+L2)+W4(L1+L2+L3)}/WT
なお、車軸数をnとすれば、第i軸と第(i+1)軸との軸間距離Liを次式により算出できる。
i=D・Ti(i+1)/Ti (但し、iは1〜n−1)
そして、車両全長方向重心位置XGは、次式によって算出できる。
G={W21+W3(L1+L2)+W4(L1+L2+L3
+・・・+Wn(L1+L2+L3+・・・+Ln-1)}/WT
上記説明では、左側荷重計測部5LのロードセルLC1〜LC4の荷重データを用いるようにしたが、これに代えて右側荷重計測部5RのロードセルLC5〜LC8の荷重データを用いるようにしてもよい。あるいは、左側荷重計測部5Lと右側荷重計測部5Rの両方のデータを用いて平均するとより正確となる。
すなわち、この場合、計量制御装置4は、左側荷重計測部5Lと右側荷重計測部5Rとの少なくとも一方のロードセルの荷重信号に基づいてコンテナ積載車両1の各々の車軸(Ax1等)が載荷板51L、51R上を通過するのに要する載荷板通過時間(T1〜T4)を求めるとともに、ある車軸が載荷板51L、51R上を通過し始めたときから次の車軸が載荷板51L、51R上を通過し始めるまでの移動時間(T12、T23、T34)を求め、載荷板通過時間と移動時間と載荷板51L、51Rの車両進行方向長D(第1の長さ)とに基づいて各車軸間の軸間距離(L1、L2、L3)を算出し、これらの軸間距離と各軸重とに基づいてコンテナ積載車両1の全長方向の重心位置XGを算出するように構成される。
また、この場合、計量制御装置4は、載荷板通過時間Ti及びTi(i+1)を計測するためのタイマを有している。
以上に述べた第2の算出方法によれば、計量制御装置4は、車両のトレッド幅及び軸間距離を車両情報DB9b等から取得しなくても、車両全体の水平重心位置(YG、XG)を算出することができる。
〔異常判定処理〕
計量制御装置4は各計測値を算出した後、異常判定処理(ステップS10)を行う。この異常判定処理では、例えば、各計測値について異常であると判定するための閾値を予め決めておく。例えば、輪重については5t、軸重については10t、車両総重量については30tを閾値として、それぞれ閾値を超えた場合にその計測値が異常であると判定する。同様に、コンテナ重量についても予め決められた閾値を超えた場合に異常であると判定する。
また、車両全体の水平重心位置(YG、XG)については、|YG|/(LRL/2)が閾値(例えば10%)を超えた場合に、幅方向重心位置(YG)が異常であると判定する。より具体的に、|YG|/(LRL/2)が閾値(例えば10%)を超えた場合で、YG>0のときには、重心が左に偏りすぎていると判定し、YG<0のときには、重心が右に偏りすぎていると判定するようにしてもよい。なお、前述の第2の算出方法によって幅方向重心位置(YG)を算出する場合には、上記においてトレッド幅LRLに代えて、例えば、全ての車軸についてのトレッド幅(Bi)の平均値を算出して用いればよい。また、|YG|の値が、所定の値を超える場合に幅方向重心位置(YG)が異常であると判定するようにしてもよい。
また、|XG−(L/2)|/(L/2)が閾値(例えば10%)を超えた場合、全長方向重心位置(XG)が異常であると判定する。より具体的に、|XG−(L/2)|/(L/2)が閾値(例えば10%)を超えた場合で、XG−(L/2)>0のときには、重心が後ろに偏りすぎていると判定し、XG−(L/2)<0のときには、重心が前に偏りすぎていると判定するようにしてもよい。なお、Lは、最前軸と最後軸との距離(車軸数が4の車両1の場合、L=L1+L2+L3)である。また、|XG−(L/2)|の値が、所定の値を超える場合に全長方向重心位置(XG)が異常であると判定するようにしてもよい。
また、本実施形態のように、トラクタ1aとトレーラ1bとが連結された車両1では、車両の全長方向重心位置XGがトラクタ1aとトレーラ1bとの連結部1cに近く(車両前側に位置し)、かつ幅方向の重心位置YGが幅方向中心から大きくずれていると、転倒あるいはジャックナイフ現象が発生する可能性が高くなることが知られている。すなわち、上記のような連結車両1においては、全長方向重心位置(XG)が連結部1cに近いほど危険度が高い。また、幅方向の重心位置(YG)は、幅方向中心位置からずれるほど危険度が高い。したがって、全長方向重心位置(XG)に対する幅方向の重心位置(YG)の比率をr(=YG/XG)で表すと、この比率rが大きいほど危険度が高いと判断できるので、危険度が高いと判断するときの比率rの閾値(SL)を予め決めておき、比率r(=YG/XG)を算出し、この比率rが閾値(SL)を超えたか否かを判定し、超えた場合には、幅方向と全長方向の重心比率が異常である(あるいは水平重心位置が異常である)と判定する。なお、全長方向重心位置XGが2000mm以下の場合の閾値SL1、2000mmを超えて4000mm以下の場合の閾値SL2、4000mmを超える場合の閾値SL3などのように、XGがどの範囲にあるかで閾値を変えるようにしてもよい。
〔異常判定処理における転倒リスクの判定方法〕
計量制御装置4は、異常判定処理(ステップS10)を行う際に、転倒リスク判定手段4eとしても機能し、車両1全体の重心高さ(Lv)と車両1の総重量(WT)との間の正の相関関係に基づいて重心高さ(Lv)を推測し、その重心高さ(Lv)に基づいて車両1の転倒リスク(車両が転倒する危険性)が高いか否かを判定する。
例えば、コンテナ内の積荷の重心高さ(H2)は、例えば、コンテナ内に積荷が高く積み上げられて積荷の重量が大きくなるほど、高くなる傾向がある。したがって、車両1全体の重心高さLvも、積荷の重量が大きくなって車両1の総重量WTが大きくなるほど、高くなる傾向がある。このような車両1全体の重心高さLvと車両1の総重量WTとの間の正の相関関係に基づいて重心高さLvを推測し、その重心高さLvに基づいて車両1の転倒リスクが高いか否かを判定することができる。この判定方法のいくつかの例について説明する。
〈転倒リスクの判定方法の第1の例〉
まず、第1の例を説明する。図10(a)は、車両の転倒リスクの判定方法を説明するための図であり、図10(b)は、鉛直方向(高さ方向)における車両全体の重心(G)と車両自体の重心(G1)と積荷の重心(G2)との位置関係を示す図である。
図10(a)において、Lvは、車両1全体の重心Gの高さ方向の位置を示す路面からの重心高さである。また、Lhは、重心Gと回転軸Eとの車両幅方向の水平距離であり、車両幅方向の重心位置YGに基づいて、例えば次式によって算出する。
Lh=(LRL/2)−|YG|+d ・・・(Lh算出式)
このLh算出式において、dは、0以上、タイヤ幅以下の所定値であり、ここでは、簡易的に転倒リスクを判定するので、d=0としてもよい。なお、回転軸Eは、車両1が右側へ横倒しに転倒(横転)する場合の、右側タイヤの路面と接する右端を含み、車両全長方向へ延びる仮想の軸である。
いま、例えば、図10(a)のように、車両1の重心Gが右側寄りになっていた場合に、左方向へカーブした曲路通過時において、車両1に遠心力F1が作用して、車両1が右側へ転倒しはじめる寸前の状態(左側のタイヤが浮き上がる寸前の状態)を考える。
ここで、車両1が回転軸Eを中心として回転(転倒)する場合には、遠心力F1による右回りのモーメントが、車両総重量WTに関わる下向きの力F2による左回りのモーメントよりも大きくなる。すなわち、次の(2)式を満足する。
F1r・Lr>F2r・Lr ・・・(2)
ここで、Lrは重心Gと回転軸Eとの距離である。また、F1r=F1・sinθであり、F2r=F2・cosθである(0°<θ<90°)。さらに、F2=WT・g(gは重力加速度)であるので、F2r=WT・g・cosθである。
そして、例えば、(2)式を満足する場合に、車両1の転倒リスクが高いと判定するようにすればよい。上記(2)式を以下のように変形することにより、(3)式が得られる。
F1・sinθ・Lr>WT・g・cosθ・Lr
F1>WT・g・(1/tanθ) (ここで、tanθ=Lv/Lh)
F1>WT・g・Lh/Lv
F1・Lv>WT・g・Lh ・・・(3)
すなわち、上記の(3)式を満足する場合に、車両1の転倒リスクが高いと判定する。
次に、(3)式におけるF1,Lvの算出方法の一例を説明する。まず、遠心力F1の算出方法の一例について説明する。遠心力F1は、一般的に、曲路の曲率半径rと車両1の速度Vとを用いて
F1=WT・V2/r
で表される。ここでの遠心力F1は仮定の遠心力であり、例えば、k=V2/rとして、次の(4)式を用いて算出する。
F1=k・WT ・・・(4)
ここで、kは所定値であり、例えば、曲率半径rと速度Vとに適当な値を用いて、k=V2/rとして算出し設定することができる。なお、曲率半径rは、例えば、車両1が走行する道路(曲路)の曲率半径に基づいて適当な値を用いればよい。また、速度Vは、例えば、車両1の制限速度あるいは想定される走行速度等に基づいて適当な値を用いればよい。
次に、重心高さLv(推測値)の算出方法の一例について説明する。
図10(b)に示すように、鉛直方向の重心位置について考えると、車両1自体の重心G1と積荷の重心G2との間に、積荷を含む車両1全体の重心Gが位置する。ここで、車両1自体の重量をWs、車両1自体の重心高さをH1、積荷の重量をWx、積荷の重心高さをH2とし、位置エネルギーを考えると、次の(5)式が成立つ。また、(5)式を変形すれば、(6)式が得られて、重心高さLvを算出することができる。
T・Lv=Ws・H1+Wx・H2 ・・・(5)
Lv=(Ws・H1+Wx・H2)/WT ・・・(6)
ここで、例えば、車両1自体の重量Wsは、車両1のトラクタの自重とトレーラの自重とコンテナの自重との合計重量として算出できる。また、車両1自体の重心高さH1は、トラクタ、トレーラ及びコンテナの各々の重心高さと各々の自重とに基づいて、位置エネルギーを考えれば算出できる。ここで、トラクタ及びトレーラの各々の重心高さは例えば車両情報DB9bに予め記憶しておいてそこから取得し、コンテナの重心高さは例えばコンテナ情報DB9aに予め記憶しておいてそこから取得する。また、積荷の重量Wxは、WT−Wsとして算出でき、ここではコンテナ内容量に相当する。なお、ここでは、コンテナ内容量のみを積荷の重量Wxとして考えているが、コンテナの自重も含めて積荷の重量Wxとして考えてもよい。この場合、車両1自体の重量Wsは、トラクタの自重とトレーラの自重との合計重量となる。
前述のように、積荷の重心高さH2は、例えば、コンテナ内に積荷が高く積み上げられて積荷の重量Wxが大きくなるほど、高くなる傾向がある。そこで、積荷の重心高さH2については、積荷の重量Wxとの間の正の相関関係に基づいて算出する。一例を示すと、次式によって算出する。
H2=p・Wx+q ・・・(7)
ここで、pは、予め実験やシミュレーション等の結果によって定められた設定値である。この設定値pは、積荷の種類(コンテナの内容物)等によって変わるので、積荷の種類に応じていくつかの値を設定しておいて、積荷の種類に応じて選択して用いるようにしてもよい。qは、積荷を積む床面の高さであり、例えば、車両情報DB9bのトレーラ情報等から取得することができる。
以上のようにして、仮定の遠心力F1及び車両1の重心高さLv(推測値)を算出し、これらが(3)式を満足する場合には転倒リスクが高いと判定し、(3)式を満足しない場合には転倒リスクは高くない(低い)と判定すればよい。
すなわち、計量制御装置4は、例えば(3)式で示されるように、車両1の総重量(WT)と、車両1の総重量(WT)との間の正の相関関係に基づいて推測される車両1の重心高さ(Lv)と、水平距離(Lh)を定めるための車両1の幅方向重心位置(YG)と、曲路通過時に車両1に作用すると想定される仮定の遠心力(F1)とに基づいて、車両1の転倒リスクが高いか否かを判定する。
また、(3)式に、(4)式を代入して整理すれば、次の(8)式が得られる。
Lv>g・Lh/k ・・・(8)
したがって、計量制御装置4は、(6)式に基づいて、重心高さLvを算出し、その重心高さLvが(8)式を満足する場合に、車両1の転倒リスクが高いと判定するようにしてもよい。
また、(3)式に、(4)式及び(6)式を代入して整理すれば、次の(9)式が得られる。
k・(Ws・H1+Wx・H2)>WT・g・Lh ・・・(9)
したがって、計量制御装置4は、遠心力F1及び重心高さLvを、(4)式及び(6)式に基づいて個別に算出しなくても、(9)式を満足する場合に、車両1の転倒リスクが高いと判定するようにしてもよい。
〈転倒リスクの判定方法の第2の例〉
次に第2の例を説明する。この第2の例における転倒リスクの判定方法は、より簡易的に転倒リスクを判定する方法である。ここでも、前述のように(2)式を満足する場合に転倒リスクが高いと判定するようにすることに変わりはない。
そして、F1r=F1・sinθであり、さらに前述のように、曲率半径rと及び速度Vを用いて、F1=WT・V2/rと表せるので、F1r=WT・(V2/r)・sinθである。また、F2r=F2・cosθであり、F2=WT・g(gは重力加速度)であるので、F2r=WT・g・cosθである。これらを用いて、(2)式を以下のように変形することにより、(10)式が得られる。
F1r・Lr>F2r・Lr ・・・(2)
T・(V2/r)・sinθ>WT・g・cosθ
{V2/(r・g)}・tanθ>1
{V2/(r・g)}・Lv/Lh>1 ・・・(10)
ここで、α=V2/(r・g)とすれば、次の(11)式が得られる。
α・Lv/Lh>1 ・・・(11)
すなわち、上記の(11)式を満足する場合に、車両1の転倒リスクが高いと判定し、満足しない場合は、転倒リスクは高くない(低い)と判定する。ここで、αは所定値である。gは重量加速度(一定値)であるので、例えば、曲率半径rと速度Vとに適当な値を用いて、αを算出し設定することができる。なお、曲率半径rは、例えば、車両1が走行する道路(曲路)の曲率半径に基づいて適当な値を用いればよい。また、速度Vは、例えば、車両1の制限速度あるいは想定される走行速度等に基づいて適当な値を用いればよい。
そして、水平距離Lhについては、例えば、前述のLh算出式を用いて算出する。また、ここでは、重心高さLv(推測値)を簡易的に、次の(12)式を用いて算出する。
Lv=β・WT ・・・(12)
ここで、βは、所定値であり、積荷の種類や積荷を積む車両の床面の高さ等を総合的に勘案して定めた値である。
また、βを次式により求めるようにしてもよい。
β=Lvb/(Ws+Wm)
ここで、Wsは前述同様、車両1の自重である。また、Lvbは、車両1の重心高さの推定最大値(上限値)であり、Wmは所定の最大積載量(法律等で許容される積載可能な最大の積荷量)である。
ここでは、例えば、コンテナ内に天井付近まで満杯の積荷を積み込んだ時の積荷だけの高さ方向の重心位置は、コンテナの高さの1/2付近であると考える。また、空荷のときの車両1の重心高さは、例えば積荷を積む床面の高さ付近であると考える。そこで、車両1の重心高さの上限値Lvbを、大雑把に、例えば、トレーラの高さとコンテナの高さの1/2とを加算した値とする。なお、ここで算出する重心高さLvは、簡易的に算出される推測値であって、正確な値でなくてもよい。
この場合、βについて、平均的な値を所定値として予め記憶しておいて用いるようにしてもよいし、計量制御装置4が、例えば、トレーラの高さ及び最大積載量Wm等を車両情報DB9bから取得し、コンテナの高さをコンテナ情報DB9aから取得して、βの値を算出するようにしてもよい。
以上のようにして、車両1の重心高さLv(推測値)及び水平距離Lhを算出し、これらが(11)式を満足する場合には転倒リスクが高いと判定し、(11)式を満足しない場合には転倒リスクは高くない(低い)と判定すればよい。
この場合、計量制御装置4は、例えば(11)式で示されるように、車両1の総重量(WT)との間の正の相関関係に基づいて推測される車両1の重心高さ(Lv)と、水平距離(Lh)を定めるための車両1の幅方向重心位置(YG)とに基づいて、車両1の転倒リスクが高いか否かを判定するようにしていると言える。
また、(12)式を(11)式に代入すると、次の(13)式が得られる。
α・β・WT/Lh>1 ・・・(13)
この(13)式に基づいて転倒リスクが高いか否かを判定するようにしてもよい。この場合、水平距離Lhは偏荷重位置(車両幅方向重心位置YG)に依存する値であるので、車両の総重量WTと偏荷重位置とに基づいて、転倒リスクが高いか否かを判定していると言える。
また、車両1の右側輪重の総和WRと左側輪重の総和WLとの合計は、次式で示すように車両総重量WTとなる。
R+WL=WT ・・・(14)
また、前述のLh算出式において、d=0とすれば、Lhは次式で表される。
Lh=(LRL/2)−|YG
この場合において、モーメントのつり合いを考えれば次式が成立つ。
Lh・WR=(LRL−Lh)・WL ・・・(15)
そして(14)式と(15)式とから次式が導かれる。
Lh=(WL/WT)・LRL ・・・(16)
この(16)式を、(13)式に代入して整理すれば、次式が導かれる。
α・β・(1/LRL)・WT 2・(1/WL)>1 ・・・(17)
したがって、この(17)式に基づいて転倒リスクが高いか否かを判定するようにしてもよい。この場合、(1/WL)は、片荷に関する値(言い換えれば、偏荷重に関する値)であるので、車両総重量の2乗(WT 2)と偏荷重に関する値(1/WL)とに基づいて転倒リスクが高いか否かを判定していると言える。
なお、先に述べた(11)式に基づいて転倒リスクを判定する場合において、重心高さLv(推測値)を、前述の(12)式に代えて、次の(18)式を用いて算出するようにしてもよい。
Lv=t・(WT−Ws)+Lvs ・・・(18)
ただし、t=(Lvb−Lvs)/Wm
ここで、Wsは前述同様、車両1の自重である。また、Lvbは、車両1の重心高さの想定の最大値(上限値)であり、Lvsは、車両1の重心高さの想定の最小値(下限値)であり、Wmは所定の最大積載量(法律等で許容される積載可能な最大の積荷量)である。
ここでは、例えば、コンテナ内に天井付近まで満杯の積荷を積み込んだ時の積荷だけの高さ方向の重心位置は、コンテナの高さの1/2付近であると考える。また、空荷のときの車両1の重心高さは、例えば積荷を積む床面の高さ付近であると考える。そこで、車両1の重心高さの上限値Lvbを、大雑把に、例えば、トレーラの高さとコンテナの高さの1/2とを加算した値とする。また、車両1の重心高さの下限値Lvsを、大雑把に、例えば、トレーラの高さとする。なお、ここで算出する重心高さLvは、簡易的に算出される推測値であって、正確な値でなくてもよい。
この場合、(18)式における、t、Lvsについて、各々の平均的な値を所定値として予め記憶しておいて用いるようにしてもよいし、計量制御装置4が、例えば、トレーラの高さ(Lvs)及び最大積載量Wm等を車両情報DB9bから取得し、コンテナの高さをコンテナ情報DB9aから取得して、tの値を算出するようにしてもよい。
以上に述べた転倒リスクの判定方法では、車両1の幅方向重心位置が右寄りの場合を例に説明したが、左寄りの場合も同様である。先に述べた、Lh算出式に、YGの絶対値(|YG|)を用いていることにより、幅方向重心位置が右寄り(YG<0)であっても、左寄り(YG>0)であっても適用できる。
なお、上記では、転倒リスクの判定方法についていくつかの例をあげたが、各例において、予め必要となる情報は、例えば計量制御装置4に設定(記憶)されている。
また、上記の転倒リスクの判定方法において、車両1の重心高さLvを推測するようにしたが、転倒リスクが高いと判定された車両については、前述のように車両1の重心高さ(高さ方向の重心位置)を精度よく算出できるよう構成された第2の車両計測装置10によって、正確な重心高さを求めるようにすればよい。また、この第2の車両計測装置10が、求めた正確な重心高さを用いて、上記と同様にして転倒リスクについての判定も行うように構成されていることが好ましい。
また、計量制御装置4は、例えば、上記の転倒リスクの判定方法で説明した(6)式、(12)式あるいは(18)式等で示されるいずれかの方法によって車両1の重心高さLvを算出(推測)し、その重心高さLvが異常であるか否かを所定の基準(方法)に基づいて判定するようにしてもよい(ステップS10の異常判定処理に含める)。例えば、重心高さLvが所定の値を超える場合に異常であると判定するようにしてもよい。
以上のようにして求めた車両1の各輪重、各軸重、車両総重量WT、車両の水平重心位置(YG、XG)及び重心高さLv、コンテナ重量WT3、コンテナ内容量WT4、コンテナの水平重心位置(YG3、XG3)及び異常情報を、計量制御装置4は管理コンピュータ9へ送信し、管理コンピュータ9は重量情報DB9cに記録する(ステップS14)。
本実施形態では、第1及び第2の車両計測装置3,10を備えており、第1の車両計測装置3によって、輸入コンテナを積載した車両1を停止させることなく走行状態において、その車両1の総重量、軸重、輪重、水平重心位置等を計測し、それらの計測値等が異常であるか否かを判定し、異常情報を車両1の運転手にETC車載器2及び電光表示板8によって報知するので、コンテナターミナルにおける輸送効率を大幅に低下させることなく、車両1の運転手に、過積載であるというような車両の重量異常に関する情報、異常な偏荷重であるというような車両の重心位置異常に関する情報、及び、車両の転倒リスクが高い旨を示す情報といった異常情報を知らせることができる。特に、ETC車載器2から異常情報を音声出力することにより、運転手へ異常情報の伝達を確実に行うことができる。そして、異常情報が知らされたときに、運転手は、第1の車両計測装置3より精度の高い第2の車両計測装置10によって再計測することで、より正確な情報が得られる。
また、車両1の運転手あるいは計量制御装置4は、車両1の総重量の異常をコンテナ重量の異常と判断するとともに、車両1の水平重心位置の異常をコンテナの水平重心位置の異常と判断するようにしてもよい。そして運転手は、コンテナ重量の異常、コンテナの水平重心位置の異常があった場合には、荷主(発送先)へ通知して今後の改善を求めることができるので、積荷の安全につながる。
また、計量制御装置4がコンテナの水平重心位置(YG3、XG3)についても異常であるか否かの判定処理を行うようにしてもよい。この場合、コンテナ情報DB9aから取得したコンテナサイズ(幅CRL、全長CL)を用いる。そして、例えば、|YG3|/(CRL/2)が閾値(例えば10%)を超えた場合に、幅方向重心位置(YG3)が異常であると判定する。また、コンテナの全長方向の重心位置については、車両1の第1軸からの距離で示される重心位置XG3をコンテナの全長方向中心からの距離に換算した値(XGC)を用い、例えば、|XGC|/(CL/2)が閾値(例えば10%)を超えた場合、全長方向重心位置が異常であると判定する。なお、コンテナの全長方向の重心位置(XGC)については、例えば、車両情報DB9bにトレーラ情報として、トレーラ1bの後軸(第4軸)から積載するコンテナの後端の位置までの水平距離(Xd)を記憶しておき、
GC=L+Xd−XG3−CL/2
として算出すればよい。
また、本実施形態において、計量制御装置4は、車両1の第1軸から最後軸までの全長(L)に対する第1軸から車両全長方向重心位置までの距離(XG)の割合(R)を求め、これをステップS12、S13において出口ゲートを指示するときに、運転手に報知するようにしてもよい。上記割合Rは次式により算出する。
R=XG/L (車軸数が4の車両1の場合、L=L1+L2+L3
例えば、上記割合Rが2/5のとき、車両重心が第1軸から最後軸(ここでは第4軸)までの間の2/5の位置にあることを示す情報(重心位置情報)を運転手に報知する。これを報知することは、運転手が車両の重心位置(全長方向重心位置)を感覚的に把握することができ、運転手にとって安全運転上の意義が大きい。
なお、計量制御装置4は、車両1の車番(トラクタ1aの車番)をETC車載器2から取得するようにしたが、トラクタ1aのナンバープレートをカメラで撮影し、画像処理によってプレート番号(トラクタ1aの車番)を特定するナンバー読取り装置を設け、このナンバー読取り装置から取得するようにしてもよい。
また、本実施形態において、図1の鎖線で示すように、各入口ゲートIGから入った車両がコンテナヤードA2へ向う経路の途中に、第1の車両計測装置3及び電光表示板8と同様の第3の車両計測装置3B及び電光表示板8Bとが配設され、さらに車両が第3の車両計測装置3Bを通過してからコンテナヤードA2へ向う経路の途中の傍に第2の車両計測装置10と同様の第4の車両計測装置10Bが配設されていてもよい。この場合、第3の車両計測装置3Bは、輸出コンテナを積載してコンテナターミナル1へ入場した車両1を計測対象とし、第4の車両計測装置10Bは、第3の車両計測装置3Bにおいて異常であると判定された車両1のみを計測対象とする。
この場合において、コンテナ重量の異常、コンテナの水平重心位置の異常があった場合には、荷主(発送元)へ通知して今後の改善を求めることができるので、積荷の安全につながる。また、コンテナヤードA2において輸出コンテナをクレーン等で車両1から降ろす時に、事前に注意の喚起等をすることができる。また、コンテナ重量の異常及びコンテナの水平重心位置の異常を示す情報とコンテナ重量及びコンテナの水平重心位置の情報は、輸出コンテナをコンテナ船に積み込む時に、コンテナ船にバランス良くコンテナを並べて積むための情報として用いることもできる。
また、本実施形態において、第1の車両計測装置3として、車両1の1つの車軸の左右の車輪が別々に載る左側荷重計測部5L及び右側荷重計測部5Rを有する車両計測部5を用いたが、図11(a)、(b)のそれぞれに示されるような車両計測部5A、5Bを用いてもよい。
図11(a)に示す車両計測部5Aは、車両1の各車軸の左右の車輪が載って通過する方形の載荷板51Aと、車両の幅方向および進行方向にそれぞれ所定の間隔をおいて配され、載荷板51Aを支持する複数のロードセルLC11〜LC14とを備えている。ロードセルLC11〜LC14は、方形の載荷板51Aの四隅を支持するように配置されている。この場合、1つの車軸が載荷板51A上を通過するときに全てのロードセルLC11〜LC14の各荷重信号によって示される重量値を合計することにより同車軸の軸重を算出する。各車軸が載荷板51A上を通過するたびに、同様にして軸重を算出する。そして、各軸重と軸間距離とから車両全長方向の重心位置を算出することができることについては前述した通りである。
また、図11(b)に示す車両計測部5Bは、車両1の全ての車輪が同時に載ることができる方形の載荷板51Bと、車両の幅方向および進行方向にそれぞれ所定の間隔をおいて配され、載荷板51Bを支持する複数のロードセルLC21〜LC24とを備えている。ロードセルLC21〜LC24は、方形の載荷板51Bの四隅を支持するように配置されている。この場合、矢印53方向に走行している車両1の第1軸のみが載荷板51B上に載ったときに、全てのロードセルLC21〜LC24の各荷重信号によって示される重量値を合計することにより第1軸の軸重が算出される。次に、第2軸が載荷板51B上に載ったときに、全てのロードセルLC21〜LC24の各荷重信号によって示される重量値を合計することにより第1軸と第2軸の軸重の合計が算出される。この第1軸と第2軸の軸重の合計から先に算出の第1軸の軸重を減算することにより第2軸の軸重を算出する。以降、同様にして各車軸の軸重を算出する。そして、各軸重と軸間距離とから車両全長方向の重心位置を算出することができることについては前述した通りである。なお、車両1進行方向に対し左側のロードセル(LC21,LC22)及び右側のロードセル(LC23,LC24)はそれぞれ3個以上設けられていてもよい。
また、特開2006−3291号公報(以下、「文献A」という)に開示されている方法を用いて、載荷板51Bに対する車両1の進入位置のずれ量(載荷板51Bに対して車両1が進入するときの車両1の左右方向中心と載荷板51Bの左右方向中心とのずれ量)Leを求め、そのずれ量Leと、トレッド幅(左右の輪間距離)LRLと、左右のロードセルの中心距離Lbと、各々の車軸に対する左側ロードセルLC21,LC22の合計荷重と、各々の車軸に対する右側ロードセルLC23,LC24の合計荷重とから、各車軸の左右の輪重を算出することができる。そして、算出した各輪重とトレッド幅LRLとから車両幅方向の重心位置を算出することができることについては前述した通りである。また、図11(a)に示す車両計測部5Aの場合も、同様にして、各輪重及び車両幅方向の重心位置を算出することができる。
なお、車両1の進入位置のずれ量Leは、文献Aに開示されているように、超音波距離計55にて測定される距離から算出するようにしてもよいし、載荷板51A,51Bの前方上部にカメラを取り付け、カメラにより撮像される画像を処理して算出するようにしてもよいし、車両1の1軸目における左右の輪重値が同一であるとしてその1軸目の輪重値から演算により算出するようにしてもよい。また、前述の超音波距離計55にて測定される距離から車両1の進入位置のずれ量Leを算出する場合、あるいは、カメラにより撮像される画像を処理して車両1の進入位置のずれ量Leを算出する場合には、文献Aにも開示されているように、トレッド幅(左右の輪間距離)をも算出するようにしてもよい。また、超音波距離計55の代わりに、例えばレーザ距離計を用いてもよい。
また、本実施形態の車両計量システムでは、第1の車両計測装置3及び第2の車両計測装置10をコンテナターミナルCT内に設置した例について説明したが、これに限られるものではなく、車両に積荷を積むための構内に設置して、積荷を積んだ車両が公道に出るまでに計量することが好ましい。例えば、運送会社の集配所などの構内に、走行状態の車両を計測する第1の車両計測装置3を設置し、積荷を積んだトラック等の車両を計測するようにしても、輸送効率を大幅に低下させることなく、車両の運転手に過積載であるというような車両の重量異常等に関する情報を知らせることができる。さらに同構内に第2の車両計測装置10を設置して、第1の車両計測装置3において異常と判定された車両に対してより高精度に計測することにより、より正確な情報を得ることができる。
また、上記では、第1の車両計測装置3及び第2の車両計測装置10がコンテナターミナルCT内や運送会社の集配所などの構内に設置される場合に、第1の車両計測装置3を走行状態の車両を計測するものとしたが、これに限らず、停止状態の車両を計測するものを用いることもできる。第1の車両計測装置3は、第2の車両計測装置10よりも迅速(短時間)に計測できればよく、例えば停止状態の車両を計測するものであっても、短時間で計測できれば輸送効率の大幅な低下を抑えることができる。
また、上記実施形態において、ETC車載器2は、同車両1に搭載されたカーナビ(カーナビゲーションシステム)に内蔵されたもの、または同車両1に搭載されたカーナビと連動するものであってもよい。この場合、上記説明において、計量制御装置4で生成され、ETC車載器2から音声出力されていた全ての情報(異常情報等を含む運転手へ通知する全ての情報であり、以下「通知情報」という)を、カーナビから報知するように構成されてあってもよい。
この場合において、通知情報をカーナビから音声出力することに加え、カーナビのディスプレイ画面に表示するようにしてもよい。例えば、カーナビのディスプレイ画面に、車輪及び車軸を持つ車両が模式的に表示された車両平面図を表示し、この車両平面図において、輪重が異常と判定された車輪の色を異常と判定されていない他の車輪の色と異ならせて表示させる、または、輪重が異常と判定された車輪を点滅させるなどして、輪重が異常と判定された車輪を他の車輪と識別可能に表示(区別して表示)することにより、輪重が異常と判定された車輪を報知するようにしてもよい。また、同様に、上記車両平面図において、軸重が異常と判定された車軸の色を異常と判定されていない他の車軸の色と異ならせて表示させる、または、軸重が異常と判定された車軸を点滅させるなどして、軸重が異常と判定された車軸を他の車軸と識別可能に表示(区別して表示)することにより、軸重が異常と判定された車軸を報知するようにしてもよい。このように表示された車両平面図を見ることにより、運転手は異常と判定された車輪、車軸を認識しやすくなる。また、車両総重量が異常である場合にはその旨を例えば文字(例えば「総重量超過」)で表示してもよい。同様に、輪重、軸重が異常である場合も、その旨を文字で表示してもよい。
また、車両の幅方向重心位置が異常である場合には、その旨を例えば文字で「右寄り偏荷重、左カーブ注意」、「左寄り偏荷重、右カーブ注意」等として表示してもよいし、車両の全長方向重心位置が異常である場合には、その旨を例えば文字で、「前寄り偏荷重」、「後寄り偏荷重」等として表示してもよい。また、車両の幅方向と全長方向の重心比率rが異常である場合にもその旨を文字等で表示してもよい。また、車両の幅方向重心位置、全長方向重心位置及び重心比率rのいずれかが異常である場合には、上記車両平面図に重心の位置を例えば図6(a)に示す重心Gのように表示してもよい。また、コンテナに関する異常情報についても文字等で表示してもよい。
また、車両1の転倒リスクが高い場合には、その旨を例えば文字等で表示してもよい。例えば、車両の幅方向重心位置が右寄りにあって、転倒リスクが高い場合には、「左カーブ転倒注意」等として表示してもよいし、車両の幅方向重心位置が左寄りにあって、転倒リスクが高い場合には、「右カーブ転倒注意」等として表示してもよい。また、車両の幅方向及び高さ方向の重心位置を、例えば車両を背面から視た模式図に、例えば図10(a)に示す重心Gのように表示してもよい。
上記のような異常情報以外の通知情報、例えば再計測指示情報、重心位置情報についてもカーナビのディスプレイ画面に例えば文字等で表示してもよい。なお、音声出力は上述のようにカーナビで行うようにしてもよいし、あるいはETC車載器2で行うようにしてもよい。以上のように、カーナビに内蔵またはカーナビと連動するETC車載器を採用することで、より確実に、且つ、ユーザフレンドリーに情報の提供を行うことができる。
本発明は、コンテナターミナルや運送会社の集配所などの構内等において、輸送効率を大幅に低下させることなく、車両の運転手に過積載であるというような車両の重量異常等に関する情報を知らせることができる車両計量システム等として有用である。
1 車両
2 ETC車載器
3 第1の車両計測装置
4 計量制御装置
5 車両計測部
6 DSRCアンテナ
7 車両分離器
8 電光表示板
9 管理コンピュータ
10 第2の車両計測装置

Claims (5)

  1. 車両の重量に関する物理量を求める計測手段と、前記求めた物理量が異常であるか否かを判定する異常判定手段とを有する第1の車両計測装置と、
    前記異常判定手段の判定結果が異常であるときに、その異常である旨を前記車両の運転手に報知する報知手段と、
    前記第1の車両計測装置よりも高い精度で前記車両の重量に関する物理量を求める第2の車両計測装置とを備え、
    前記第1の車両計測装置は、
    前記計測手段によって求められる物理量の1つである前記車両の総重量との間の正の相関関係に基づいて前記車両の重心高さを推測し、この推測した重心高さに基づいて前記車両の転倒リスクが高いか否かを判定する転倒リスク判定手段をさらに有し、
    前記報知手段は、
    前記転倒リスク判定手段により前記転倒リスクが高いという判定結果が得られたときにその判定結果をも報知するように構成された、車両計量システム。
  2. 前記報知手段は、
    前記異常判定手段の判定結果が異常であるときに、前記第2の車両計測装置で再計測する指示をも報知するように構成された、請求項1に記載の車両計量システム。
  3. 前記第2の車両計測装置は、
    前記第1の車両計測装置よりも高い精度で前記車両の重心高さを求めるように構成され、
    前記報知手段は、
    前記転倒リスク判定手段により前記転倒リスクが高いという判定結果が得られたときに、前記第2の車両計測装置で再計測する指示をも報知するように構成された、請求項1または2に記載の車両計量システム。
  4. 前記計測手段は、走行状態における前記車両に対して前記車両の重量に関する物理量を求めるように構成された、請求項1〜3のいずれかに記載の車両計量システム。
  5. 停止状態の車両の重量に関する物理量を求める計測手段と、前記求めた物理量が異常であるか否かを判定する異常判定手段とを有する第1の車両計測装置と、
    記第1の車両計測装置よりも高い精度で前記車両の重量に関する物理量を求める第2の車両計測装置と
    前記異常判定手段の判定結果が異常であるときに、その異常である旨と前記第2の車両計測装置で再計測する指示とを前記車両の運転手に報知する報知手段と
    を備えた車両計量システム。
JP2012094772A 2012-04-18 2012-04-18 車両計量システム Active JP5939870B2 (ja)

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