JP5660809B2 - 重心位置測定装置 - Google Patents
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Description
(1)車両の寸法諸元を演算ユニットに入力する必要があり、車両諸元を調査し、その内容を演算ユニットに手入力するのは面倒である上に、入力ミスが起きる可能性が高い。
(2)揺動検知器や演算ユニットを各車両に搭載する必要があり、全車に普及させるためには莫大な費用と時間がかかる。
(3)車両が走行しない限り三次元重心位置を測定することができない。したがって、三次元重心位置が未知のままでの走行が実施されることになり、安全性の観点から好ましくない。
車両の三次元重心位置を測定する重心位置測定装置であって、
(a)車両の左右いずれか一方側の車輪が載ることのできる第1の載台と、
(b)前記第1の載台の左側部および右側部を支持する複数のロードセルと、
(c)車両の左右いずれか他方側の車輪が載ることのできる第2の載台と、
(d)前記第2の載台の左側部および右側部を支持する複数のロードセルと、
(e)前記第1の載台を支持する複数のロードセルおよび前記第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号に基づいて車両の幅方向の重心位置を演算する幅方向重心位置演算手段と、
(f)車両の前後左右の全ての車輪が載ることのできる第3の載台と、
(g)前記第3の載台の前後および左右の4つの角部を支持する複数のロードセルと、
(h)前記第3の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号に基づいて車両の全長方向の重心位置を演算する全長方向重心位置演算手段と、
(i)車両が載せられた前記第3の載台を水平方向に自由振動させる振動発生手段と、
(j)自由振動状態にある前記第3の載台の変位および加速度のいずれか一方または両方を検出する振動状態量検出手段と、
(k)前記第3の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号と前記振動状態量検出手段からの検出信号とに基づいて車両の重心高さ位置を演算する重心高さ位置演算手段と
を備えることを特徴とするものである。
車両の三次元重心位置を測定する重心位置測定装置であって、
(a)車両の左右いずれか一方側の車輪が載ることのできる第1の載台と、
(b)前記第1の載台の左側部および右側部を支持する複数のロードセルと、
(c)前記第1の載台の車両前進走行経路の下流側に配され、車両の前後左右の全ての車輪が載ることのできる第2の載台と、
(d)前記第2の載台の前後および左右の4つの角部を支持する複数のロードセルと、
(e)前記第1の載台を支持する複数のロードセルおよび前記第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号に基づいて車両の幅方向の重心位置を演算する幅方向重心位置演算手段と、
(f)前記第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号に基づいて車両の全長方向の重心位置を演算する全長方向重心位置演算手段と、
(g)車両が載せられた前記第2の載台を水平方向に自由振動させる振動発生手段と、
(h)自由振動状態にある前記第2の載台の変位および加速度のいずれか一方または両方を検出する振動状態量検出手段と、
(i)前記第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号と前記振動状態量検出手段からの検出信号とに基づいて車両の重心高さ位置を演算する重心高さ位置演算手段と
を備えることを特徴とするものである。
車両の三次元重心位置を測定する重心位置測定装置であって、
(a)車両の左右いずれか一方側の車輪が載ることのできる第1の載台と、
(b)前記第1の載台を一体的に組み込むとともに、前記第1の載台に弾性支持体またはヒンジ支持体によって結合され、車両の前後左右の全ての車輪が載ることのできる第2の載台と、
(c)前記第1の載台の前記弾性支持体側またはヒンジ支持体側と反対側の側部を支持するロードセルと、
(d)前記第2の載台の前後および左右の4つの角部を支持する複数のロードセルと、
(e)前記第1の載台を支持するロードセルおよび前記第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号に基づいて車両の幅方向の重心位置を演算する幅方向重心位置演算手段と、
(f)前記第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号に基づいて車両の全長方向の重心位置を演算する全長方向重心位置演算手段と、
(g)車両が載せられた前記第2の載台を水平方向に自由振動させる振動発生手段と、
(h)自由振動状態にある前記第2の載台の変位および加速度のいずれか一方または両方を検出する振動状態量検出手段と、
(i)前記第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号と前記振動状態量検出手段からの検出信号とに基づいて車両の重心高さ位置を演算する重心高さ位置演算手段と
を備えることを特徴とするものである。
また、車両の左右全ての車輪が載ることのできる第3の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号に基づいて車両の全長方向の重心位置が全長方向重心位置演算手段によって演算される。これにより、車両の全長方向の重心位置を測定することができる。
また、車両が載せられた第3の載台は、振動発生手段によって水平方向に自由振動状態とされる。この自由振動状態にある第3の載台の変位および加速度のいずれか一方または両方は、振動状態量検出手段によって検出される。そして、第3の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号と振動状態量検出手段からの検出信号とに基づく演算が重心高さ位置演算手段によって実行され、車両の重心高さ位置が求められる。
第1発明の重心位置測定装置によれば、従来技術では必要とされる、(1)車両の寸法諸元等の入力や、(2)別途に車両に搭載される揺動検知器や演算ユニット、(3)重心位置測定のための走行動作などが不要であり、定位置に設けられた第1の載台、第2の載台および第3の載台に載るだけで三次元重心位置が測定されるので、簡易かつ安価な構成で車両の三次元重心位置を定位置で測定することができる。
なお、本発明において用いられる「車両」という用語は、車両単体は勿論のこと、積荷等を載せた状態の車両を包含するものである。
また、車両の左右全ての車輪が載ることのできる第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号に基づいて車両の全長方向の重心位置が全長方向重心位置演算手段によって演算される。これにより、車両の全長方向の重心位置を測定することができる。
また、車両が載せられた第2の載台は、振動発生手段によって水平方向に自由振動状態とされる。この自由振動状態にある第2の載台の変位および加速度のいずれか一方または両方は、振動状態量検出手段によって検出される。そして、第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号と振動状態量検出手段からの検出信号とに基づく演算が重心高さ位置演算手段によって実行され、車両の重心高さ位置が求められる。
第5発明の重心位置測定装置によっても、従来技術では必要とされる、(1)車両の寸法諸元等の入力や、(2)別途に車両に搭載される揺動検知器や演算ユニット、(3)重心位置測定のための走行動作などが不要であり、定位置に設けられた第1の載台および第2の載台に載るだけで三次元重心位置が測定されるので、簡易かつ安価な構成で車両の三次元重心位置を定位置で測定することができる。
図1には、本発明の第1の実施形態に係る重心位置測定装置の構造説明図で、平面図(a)、(a)のA−A線断面図(b)、(b)のB−B線断面図(c)および(b)のC部拡大図(d)がそれぞれ示されている。
図1に示される重心位置測定装置1は、第1の載台11と、第2の載台12と、第3の載台13とを備えている。
第1の載台11および第2の載台12は、設置ベース2上において、トラックやトレーラ等の車両3が前進走行する際の走行経路の上流側に配置されている。
第3の載台13は、設置ベース2上において、第1の載台11および第2の載台12に対し、車両3の前進走行経路の下流側に配置されている。
なお、本実施形態において、車両3は、左右それぞれに車輪4a,5a,6a;4b,5b,6bが装着される車軸7,8,9を、運転席の下方に1本、荷台の下方に2本、合計3本有する3軸車両である(図7参照)。
また、以下の説明において、前後左右方向は車両3の前進方向を基準として定めるものとする。
第1の載台11は、車両3の各車軸7,8,9の左側の車輪4a,5a,6aが一つずつ載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第2の載台12は、車両3の各車軸7,8,9の右側の車輪4b,5b,6bが一つずつ載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第3の載台13は、車両3の左右全ての車輪4a,5a,6a;4b,5b,6bが同時に載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
設置ベース2と第3の載台13との間には、第1ロードセル21、第2ロードセル22、第3ロードセル23および第4ロードセル24がそれぞれ介設されている。
第1ロードセル21は、第3の載台13における車両前進走行経路上流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。
第2ロードセル22は、第3の載台13における車両前進走行経路下流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。
第3ロードセル23は、第3の載台13における車両前進走行経路上流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。
第4ロードセル24は、第3の載台13における車両前進走行経路下流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。
図3に示されるように、第1ロードセル21〜第4ロードセル24は、ダブルコンベックス・ローディング方式のひずみゲージを用いたコラム型ロードセルであり、弾性体31と、密封ケーシング32とを備えている。
弾性体31は、例えばアルミニウム合金やステンレス等の金属製で略円柱形状に形成され、その軸線を鉛直方向に向けて起立配置されている。
弾性体31は、軸線方向中央部に形成される起歪部33と、上端に形成される上側凸面34と、下端に形成される下側凸面35とを有している。上側凸面34および下側凸面35はいずれも、所定の曲率半径Rの部分球面形状に形成されている。
弾性体31は、起歪部33が密封ケーシング32内に気密に収められ、上端部および下端部がそれぞれ密封ケーシング32から露出させた状態で密封ケーシング32に組み込まれている。
そして、起歪部33に貼り付けられた図示されない所要のひずみゲージは、弾性体31に作用した荷重をその大きさに応じて電気的な荷重信号に変換して出力する。
弾性体31の上端部と第3の載台13との間には、上側受け部材36が介在されている。上側受け部材36は、水平座面37を有し、この水平座面37を弾性体31の上側凸面34に接触させた状態で第3の載台13に固定されている。
弾性体31の下端部と設置ベース2との間には、下側受け部材38が介在されている。下側受け部材38は、水平座面39を有し、この水平座面39を弾性体31の下側凸面35に接触させた状態で設置ベース2に固定されている。
復元力発生機構は、弾性体31の上側凸面34および上側受け部材36の水平座面37と、弾性体31の下側凸面35および下側受け部材38の水平座面39とにより構成されている。復元力発生機構は、第3の載台13の水平方向の変位y0に対して復元力Fを発生する。この復元力Fについて、図4を用いて以下に説明する。
図4には、第3の載台13の水平方向の変位y0に伴って第1ロードセル21〜第4ロードセル24の弾性体31が垂直状態から横方向にy0だけ移動してθだけ傾斜した状態が示されている。図中記号を以下のように定める。
y0:弾性体31の上部の移動量
S:弾性体31の上部と下部の接触点長さ
H:弾性体31の高さ(ロードセル21〜24の高さ)
A:上側凸面34の曲率半径(=R)
B:下側凸面35の曲率半径(=R)
N:弾性体31に作用する垂直荷重
θ:弾性体31の傾斜角
なお、前記記号のうち、H,A,Bは既知の値であり、これらの値は後述するメモリ68に記憶される。
図4において、弾性体31の傾斜角θの値が微小であるならば、次式(1)が成立する。
tanθ≒y0/H ・・・(1)
また、弾性体31の上部と下部の接触点長さSは、次式(2)で表わすことができる。
S≒A・tanθ+(B−H)tanθ
=(A+B−H)・y0/H ・・・(2)
そして、垂直荷重Nと復元力Fとの比Kは、次式(3)で表わすことができる。
K=F/N≒S/H=(A+B−H)・y0/H2 ・・・(3)
前記式(3)より復元力Fは、次式(4)で表わすことができる。
F=N・(A+B−H)・y0/H2 ・・・(4)
図2に示されるように、第3の載台13における第3ロードセル23および第4ロードセル24が設置されている側の近傍には、油圧シリンダ40が配置されている。油圧シリンダ40は、伸長作動時にピストンロッド40aで第3の載台13の側面を押して、第3の載台13に対し水平方向の力を加えることにより、第3の載台13に水平方向の変位と速度を与えることができようになっている。油圧シリンダ40は、第3の載台13に対し自由振動の初期条件を与えるアクチュエータとして機能する。なお、油圧シリンダ40に代えて、例えば空圧シリンダや磁性流体シリンダなどを用いることもできる。
ここで、「初期条件」とは、「初期変位」と「初期速度」とを含む概念であり、これらを総称するものである。
油圧シリンダ40は、電磁弁41を介して油圧ポンプ42に接続されている。油圧ポンプ42が電動モータ43の作動によって駆動されると、油圧ポンプ42からの圧油が電磁弁41の切換動作に応じて油圧シリンダ40のヘッド側油室またはボトム側油室に供給されるようになっている。
油圧シリンダ40の伸長指令を示す電磁弁制御信号が後述する制御装置60から電磁弁41に送信されると、電磁弁41はその電磁弁制御信号に応じて次のような油路切換動作を実行する。すなわち、電磁弁41は、油圧ポンプ42からの圧油を油圧シリンダ40のボトム側油室に供給すると同時に、油圧シリンダ40のヘッド側油室の内部の油をタンク44に還流させるような油路の切り換えを行う。これにより、油圧シリンダ40が伸長作動され、第3の載台13の側面がピストンロッド40aに押されて第3の載台13に水平方向の変位と速度が与えられる。
これに対し、油圧シリンダ40の収縮指令を示す電磁弁制御信号が後述する制御装置60から電磁弁41に送信されると、電磁弁41はその電磁弁制御信号に応じて次のような油路切換動作を実行する。すなわち、電磁弁41は、油圧ポンプ42からの圧油を油圧シリンダ40のヘッド側油室に供給すると同時に、油圧シリンダ40のボトム側油室の内部の油をタンク44に還流させるような油路の切り換えを行う。これにより、油圧シリンダ40が収縮作動され、第3の載台13とピストンロッド40aとの接触が解除される。
第3の載台13を水平方向(y方向)に自由振動させるために、まず油圧シリンダ40の伸長・収縮動作により、第3の載台13に初期条件(初期変位と初期速度)を与える。第3の載台13には、水平方向の変位に対する復元力発生機構からの復元力Fが作用する。こうして、第3の載台13の水平方向の変位に対して復元力Fを作用させることで、第3の載台13を水平方向に自由振動させることができる。
第3の載台13における第1ロードセル21および第2ロードセル22が設置されている側の近傍には、油圧シリンダ40と対向するように変位センサ45が配置されている。変位センサ45は、自由振動状態にある第3の載台13の変位を検出する変位検出手段として機能する。なお、変位センサ45としては、種々の方式のものを採用することができ、例えば光学式変位センサ、渦電流式変位センサ、差動変圧式変位センサなどが挙げられる。
第3の載台13における第1ロードセル21および第2ロードセル22が設置されている側の近傍には、油圧シリンダ40と対向するように加速度センサ46が配置されている。加速度センサ46は、自由振動状態にある第3の載台13の加速度を検出する加速度検出手段として機能する。なお、加速度センサ46としては、種々の方式のものを採用することができ、例えば静電容量形加速度センサや、金属ひずみゲージ式加速度センサ、半導体ひずみゲージ式加速度センサ、圧電式加速度センサなどが挙げられる。
図1に示されるように、設置ベース2と第1の載台11との間には、第5ロードセル25および、第6ロードセル26がそれぞれ介設されている。
第5ロードセル25は、第1の載台11の左側部を下側から支持することができるように配置されている。
第6ロードセル26は、第1の載台11の右側部を下側から支持することができるように配置されている。
設置ベース2と第2の載台12との間には、第7ロードセル27および、第8ロードセル28がそれぞれ介設されている。
第7ロードセル27は、第2の載台12の左側部を下側から支持することができるように配置されている。
第8ロードセル28は、第2の載台12の右側部を下側から支持することができるように配置されている。
第5ロードセル25〜第8ロードセル28は、第1ロードセル21〜第4ロードセル24では設けられる復元力発生機構が特に設けられない汎用構造のひずみゲージ式コラム型ロードセルで、作用した荷重をその大きさに応じて電気的な荷重信号に変換して出力する機能を有するものである。
設置ベース2と第2の載台12との間には、更に、所要の荷重鉛直伝達機構50が介設されている。この荷重鉛直伝達機構50は、設置ベース2に固定される脚部51と、平行四辺形状のリンク部52と、第2の載台12を支持する載台支持部53とを有し、リンク部52が第2の載台12の前後方向の偏心荷重の影響を消去するロバーバル機構を金属製の弾性体で一体的に構成したものである。この荷重鉛直伝達機構50を設置ベース2と第2の載台12との間に設けることにより、車両3の右側車輪4b,5b,6bから第2の載台12を介して第7ロードセル27および第8ロードセル28に作用する荷重を鉛直方向にのみ伝達させることができる。
なお、この荷重鉛直伝達機構50は設置ベース2と第1の載台11との間にも同様に介設されており、車両3の左側車輪4a,5a,6aから第1の載台11を介して第5ロードセル25および第6ロードセル26に作用する荷重を鉛直方向にのみ伝達させることができる。
図5に示されるように、第1の実施形態の重心位置測定装置1は、制御装置60と、操作装置61と、表示装置62とを備えている。
制御装置60は、主として、増幅器63と、ローパスフィルタ64と、マルチプレクサ65と、A/D変換器66と、I/O回路67と、メモリ68と、マイクロプロセッサ(MPU)69とにより構成されている。
増幅器63は、送り込まれる信号をA/D変換可能な大きさに増幅して送り出す機能を有している。
ローパスフィルタ64は、低域周波数のみを信号として通過させる機能を有している。
マルチプレクサ65は、送り込まれる複数の信号を選択制御信号の指令に基づいて選択的に送り出す機能を有している。
A/D変換器66は、マルチプレクサ65からのアナログ信号をデジタル信号に変換する機能を有している。
I/O回路67は、電磁弁41と、操作装置61と、表示装置62と、マルチプレクサ65と、A/D変換器66と、MPU69との間で各種の信号やデータの受け渡しを行う機能を有している。
メモリ68は、PROMやRAMなどで構成され、所定プログラムや基本データなどを長期的に記憶したり、種々のデータや演算用数値などを一時的に記憶したりする機能を有している。
MPU69は、メモリ68に格納されている所定プログラムの指示に従って、必要な信号をI/O回路67を介して受け取り、また必要なデータをメモリ68から受け取り、受け取った信号やデータに基づいて演算を実行する機能を有している。
操作装置61は、操作スイッチや数値キーなどを備えてなり、測定開始・終了の動作や零点調整動作、使用モードの切り換え動作、数値設定動作などの種々の動作の際に用いられる。
表示装置62は、例えば液晶ディスプレイからなり、測定結果や各種データの入出力画面などが表示される。
重心位置測定装置1の制御系システムにおいては、各ロードセル21〜28、変位センサ45および加速度センサ46から出力されるそれぞれの信号が、増幅器63、ローパスフィルタ64、マルチプレクサ65、A/D変換器66およびI/O回路67を経由してMPU69に送られる。MPU69は、メモリ68に格納されている所定プログラムに従って、I/O回路67からの信号を取り込み、またメモリ68に記憶されている種々のデータを読み込み、これらの信号やデータに基づいて車両3の三次元重心位置の演算を実行する。そして、その演算結果は表示装置62に表示される。
MPU69においては、所定プログラムが実行されることにより、図6に示されるような、幅方向重心位置演算部71、全長方向重心位置演算部72、重心高さ位置演算部73、電磁弁制御信号生成部74および表示信号生成部75のそれぞれの機能が実現される。なお、以下において、幅方向重心位置演算部71と全長方向重心位置演算部72とを総称して表現する際には「水平面的重心位置演算部70」と称することとする。
次に、主として、図7〜図9を用いて、車両3の重心Gの水平面的重心位置の座標(XG,YG)の求め方について説明する。
図7において、車両3の幅方向の中心位置を通り全長方向に延びる車両中心線に沿ってX軸を定め、第1車軸7に沿ってY軸を定め、車両3の第1車軸7と車両中心線との交点に原点をとって、直交座標系O−XYを定める。
第3の載台13の幅方向の中心位置を通り全長方向に延びる中心線に沿ってx軸を定め、第3の載台13の全長方向の中心位置を通り幅方向に延びる中心線に沿ってy軸を定め、第3の載台13の中央に原点をとって、直交座標系o−xyを定める。
ロードセル21〜24のそれぞれの出力は無負荷時において零に調整されているものとする。
図7〜9中および理論式で用いる記号の意味を下記のとおり定義する。
G:車両3の重心
Gi:車両3の第i車軸両輪の輪重の合力作用点
i(=1,2,・・・,k):車軸番号
k:車軸数
XG:座標系O−XYにおける車両3の全長方向の重心位置
YG:座標系O−XYにおける車両3の幅方向の重心位置
xG:座標系o−xyにおける車両3の全長方向の重心位置
yG:座標系o−xyにおける車両3の幅方向の重心位置
Bi:有効トレッド幅
なお、ここでの「トレッド幅」とは、左右の車輪の中心間距離(輪距)のことである。
lj:車軸間距離
j(=1,2,・・・,k−1):車軸間番号(k≧2)
CLT:トレッド幅の幅方向の中心位置を示す中心線
GLi:合力作用点Giを通る鉛直線
ei:中心線CLTと鉛直線GLiとの距離
LC1:第1ロードセル21
LC2:第2ロードセル22
LC3:第3ロードセル23
LC4:第4ロードセル24
LC5:第5ロードセル25
LC6:第6ロードセル26
LC7:第7ロードセル27
LC8:第8ロードセル28
a:第1ロードセル21(第3ロードセル23)と第2ロードセル22(第4ロードセル24)との中心間距離
b:第1ロードセル21(第2ロードセル22)と第3ロードセル23(第4ロードセル24)との中心間距離
bi:第5ロードセル25の中心点と第i車軸の左側輪重の作用点との距離
bi´:第8ロードセル28の中心点と第i車軸の右側輪重の作用点との距離
Ci:第5ロードセル25の中心点と鉛直線GLiとの距離
l0:第2ロードセル22(第4ロードセル24)と第1車軸との中心間距離
なお、前記記号のうち、a,bは既知の値であり、これらの値は予めメモリ68に記憶される。
CLS:第1の載台11と第2の載台12との中間位置を示す中心線
b0:第1の載台11(第2の載台12)の幅寸法
L:第3の載台13の全長方向寸法
なお、前記記号のうち、b0,Lは既知の値であり、これらの値は予めメモリ68に記憶される。
f:X軸とx軸との距離(中心線CLTと中心線CLSとの距離)
WLi:輪重(左側)
WRi:輪重(右側)
Wi:第i軸の軸重
W:総重量
Pi:第iロードセルに作用する力(静荷重)〔=そのロードセルから載台に作用する力(静荷重)〕
Pj:第jロードセルに作用する力(静荷重)〔=そのロードセルから載台に作用する力(静荷重)〕
Pij:Pi+Pj
P=P1+P2+P3+P4
Pi:第i車軸のPへの影響分
図8には、車両が第3の載台に載る際の荷重変化の様子を表わす図で、第1車軸の位置xとP13(x)およびP13(t)との関係を表す図が示されている。
XGの測定には、ljの測定が不可欠である。また、ljは、第1ロードセル21〜第4ロードセル24の出力P1(t)〜P4(t)の波形により求めることができる。
P13(t)波形に最初にピークが生じた時刻を時間の原点(t=0)にとり、それ以降に極値が生じた時刻をt1,t2,t3とする。
P13(0)に対応する第1車軸7の位置xと、第3の載台13の車両前進走行経路上流側端との距離をrとする。このrはタイヤ接地長の半分に相等する。また、P13(0)に対応する第1車軸7の位置xと、第1ロードセル21(第3ロードセル23)の中心点との距離をsとする。
前記の距離sについて、次式(11)が成立する。
P1(0)/(a+s)=W1/a ・・・(11)
ここで、W1=P1(t),0<t<t1である。
前記式(11)から次式(12)で示されるようにsを求めることができる。
s={P1(0)/W1−1}a ・・・(12)
一方、前記の距離rと距離sとについて、次式(13)が成立する。
r+s=L/2−a/2 ・・・(13)
前記式(13)から次式(14)で示されるようにrを求めることができる。
r=L/2−a/2−s ・・・(14)
第1車軸7と第2車軸8との距離l1について、次式(15)で示される関係式が成立する。
P1(0)/(a+s)=P1(t1)/(a+s−l1+r) ・・・(15)
前記式(15)からl1は次式(16)で示されるように求めることができる。
l1=(a+s){1−P1(t1)/P1(0)}+r ・・・(16)
第2車軸8と第3車軸9との距離l2を求めるにあたって、まず、P1(t2),P2(t2)を求める。
P1(t2)について、次式(17)で示される関係式が成立する。
P1(0)/(a+s)=P1(t2)/(a+s−l1) ・・・(17)
前記式(17)からP1(t2)は次式(18)で示されるように求めることができる。
P1(t2)={(a+s−l1)/(a+s)}P1(0) ・・・(18)
また、P2(t2)は次式(19)から求めることができる。
P2(t2)=P13(t2)−P1(t2) ・・・(19)
次いで、P1(t3),P2(t3)をP1(t2),P2(t2),l2で表わす。
P1(t3)について、次式(20)が成立する。
P1(t2)−P1(t3)={(l2−r)/(a+s)}P1(0)
・・・(20)
前記式(20)からP1(t3)は次式(21)で示されるように求めることができる。
P1(t3)=P1(t2)−{(l2−r)/(a+s)}P1(0)
・・・(21)
また、P2(t3)について、次式(22)が成立する。
P2(t2)−P2(t3)={(l2−r)/(a+s)}P2(t2)
・・・(22)
前記式(22)からP2(t3)は次式(23)で示されるように求めることができる。
P2(t3)=P2(t2)−{(l2−r)/(a+s)}P2(t2)
・・・(23)
P13(t3)は次式(24)で表わすことができる。
P13(t3)=P1(t3)+P2(t3) ・・・(24)
前記式(24)に前記式(21)および式(23)をそれぞれ代入する。
P13(t3)=P1(t2)−{(l2−r)/(a+s)}P1(0)
+P2(t2)−{(l2−r)/(a+s)}P2(t2)
・・・(25)
前記式(25)は次式(26)に示されるように変形することができる。
{(l2−r)/(a+s)}・(P1(0)+P2(t2))=
P1(t2)+P2(t2)−P13(t3) ・・・(26)
前記式(26)からl2は次式(27)で示されるように求めることができる。
l2=(a+s)[{(P1(t2)+P2(t2)−P13(t3)}/{(P1(0)+P2(t2)}]+r ・・・(27)
図7(a)から明らかなように、車両3の全長方向の重心位置XGは、次式(28)で表わすことができる。
XG=−{(a/2−l0)−xG} ・・・(28)
全ての車輪4a,5a,6a;4b,5b,6bが第3の載台13上に載った状態(t4<t<t5:図7(b)参照)におけるモーメントのつりあいから次式(29)が成立する。
W1l0+W2(l0+l1)+W3(l0+l1+l2)−P13a=0
・・・(29)
前記式(29)からl0は次式(30)で示されるように求めることができる。
l0={P13a−W2l1−W3(l1+l2)}/W ・・・(30)
ここで、前記式(30)中のWは次式(31)で表わされるものである。
また、同様に車両3の時刻t(t4<t<t5)におけるモーメントのつりあいから次式(32)が成立する。
(a/2+xG)P=aP24 ・・・(32)
ここで、前記式(32)中のPは次式(33)で表わされるものである。
xG=a(P24/P−1/2) ・・・(34)
前記式(28)(30)(34)から車両3の全長方向の重心位置XGを求めることができる。
図9には、車両が第1の載台および第2の載台に載った際にそれら載台に作用する荷重の状態図(a)および車軸毎の合力作用点位置を示すスケルトン(b)がそれぞれ示されている。
YGの測定には、Biとbi,bi´測定が不可欠である。
図9(a)(b)より明らかなように、車両3の幅方向の重心位置YGに関して次式(35)が成立する。
(W1+W2+W3)YG=W1e1+W2e2+W3e3 ・・・(35)
前記式(35)からYGは次式(36)のように表わすことができる。
YG=(W1e1+W2e2+W3e3)/(W1+W2+W3) ・・・(36)
図9(a)に示される状態におけるモーメントのつりあいの式からCiは次式(37)のように表わすことができる。
Ci={biWLi+(bi+Bi)WRi}/Wi
=bi+WRiBi/Wi ・・・(37)
ここで、WRiは次式(38)から求めることができる。
WRi=Pi 78 ・・・(38)
図9(a)から明らかなようにeiは次式(39)のように表わすことができる。
ei=bi+Bi/2−Ci ・・・(39)
前記式(39)に前記式(37)を代入すると、eiは次式(40)のように表わすことができる。
ei=bi+Bi/2−bi+WRiBi/Wi
=Bi/2−WRiBi/Wi
=(1/2−WRi/Wi)Bi ・・・(40)
YGは前記式(36)(40)から次式(41)のように表わすことができる。
Bi=b−(bi+bi´) ・・・(42)
biは、第5ロードセル25および第6ロードセル26に作用する荷重の比から次式(43)から求めることができる。
bi=(P6/P56)b0 ・・・(43)
同様にして、bi´は第7ロードセル27および第8ロードセル28に作用する荷重の比から次式(44)から求めることができる。
bi´=(P7/P78)b0 ・・・(44)
前記式(41)(42)(43)(44)から車両3の幅方向の重心位置YGを求めることができる。
次に、重心位置測定装置1の水平面的重心位置の計測動作について、主に、図6の機能ブロック図および図10フローチャートを用いて以下に説明する。なお、図10において記号「S」および「T」はそれぞれステップを表わす。
幅方向重心位置演算部71は、第5ロードセル25〜第8ロードセル28の荷重信号を読み込み、読み込んだ荷重信号と、前記式(42)(43)(44)とに基づいて、有効トレッド幅Biを演算するとともに、求められた有効トレッド幅Biの値と、前記式(41)とに基づいて、座標系O−XYにおける車両3の幅方向の重心位置YGを演算する(S1)。
そして、表示信号生成部75は、幅方向重心位置演算部71による演算結果を表示装置62に表示させる表示信号を生成する(S2)。これにより、表示装置62には、車両3の幅方向の重心位置の値が表示される(S3)。
全長方向重心位置演算部72は、第1ロードセル21〜第4ロードセル24の荷重信号を読み込み、読み込んだ荷重信号と、前記式(16)(27)とに基づいて、車軸間距離l1,l2を演算するとともに、算出された車軸間距離l1,l2の値と、前記式(28)(30)(34)とに基づいて、座標系O−XYにおける車両3の全長方向の重心位置XGを演算する(T1)。
そして、表示信号生成部75は、全長方向重心位置演算部72による演算結果を表示装置62に表示させる表示信号を生成する(T2)。これにより、表示装置62には、車両3の全長方向の重心位置の値が表示される(T3)。
次に、車両3の重心高さhの求め方について、主に図11および図12を用いて以下に説明する。以下の理論説明では、車両3が載せられた第3の載台13が自由振動状態にあることが前提となる。油圧シリンダ40にて自由振動の初期条件を与えるとともに、復元力発生機構からの復元力Fを作用させることにより、車両3が載せられた第3の載台13を水平方向(y方向)に自由振動させる。なお、図12では、静止時における車両3の重心Gのy座標yGをdで表わしている。また、0−yz座標系は空間に固定した座標系とする。また、理論説明の簡単化のために、第3の載台13は密度が一定の直方体と仮定する。座標系0〜xyzの原点は第3の載台13の中央にとる。ロードセル21〜24のそれぞれの出力は無負荷時において零に調整されているものとする。
また、転倒モーメントのつりあい条件として次式(51)を得る。
ところで、第3の載台13の水平方向の自由振動に伴って、ロードセル21〜24は回転振動となる。これにより、ロードセル21〜24の軸方向に作用する荷重は、回転角θの関数となる。今、ロードセル21〜24で検出される荷重Pi´(t)が前記の軸方向荷重であると仮定する。
前記式(58)により次式(58)´が得られる。
なお、傾斜補正の成されたデジタルロードセルを用いる場合は、その出力はPi(t)であるから、上述の補正は不要となる。
以上に述べたように構成される重心位置測定装置1の重心高さ位置の計測動作について、主に、図6の機能ブロック図、図13のフローチャートおよび図14のタイムチャートを用いて以下に説明する。なお、図13において記号「S」はステップを表わす。
以下の計測動作説明は、車両3が荷物を載せた車両(貨物トラック)である場合の例である。
第3の載台13に進入した車両3が停止するまで待機する(S11)。
車両3が停止した時刻t1から微小時間Δtだけ経過した時刻(t1+Δt)以降において、水平面的重心位置演算部70は、ロードセル21〜24からの静荷重信号Pi(i=1,2,3,4)を読み込むとともに、読み込んだ静荷重信号Piから車両3の質量(重量)を求める(S12)。
また、水平面的重心位置演算部70は、次式(56)に基づいてkを演算する(S13)とともに、前述したステップS1およびステップT1(図10参照)の処理をそれぞれ実行して、車両3の重心Gの平面座標(xG,yG)を算出する(S14)。
時刻t2において、電磁弁制御信号生成部74は、油圧シリンダ40の伸長作動を示す電磁弁制御信号を電磁弁41に送信する。これにより、油圧シリンダ40が伸長作動され、第3の載台13の側面がピストンロッド40aに押されて第3の載台13に水平方向の変位と速度が与えられる。その後、あらかじめ定められた変位において、電磁弁制御信号生成部74は、油圧シリンダ40の収縮作動を示す電磁弁制御信号を電磁弁41に送信する。これにより、油圧シリンダ40が収縮作動され、第3の載台13とピストンロッド40aとの接触が解除され、第3の載台13に自由振動の初期条件が与えられる。そして、第3の載台13には水平方向の変位に対する復元力発生機構からの復元力Fが作用するため、第3の載台13は水平方向(y方向)に自由振動する。
第3の載台13が静止した時刻t4以降から時刻t5の間において、重心高さ位置演算部73は、ステップS12で取得した静荷重信号PiとステップS16で収得した動荷重信号Pi(t)とに基づいてΔP(t)およびΔP34(t)をそれぞれ演算する。
時刻t5以降から時刻t6の間において、重心高さ位置演算部73は、次式(55)に基づいて車両3の重心Gの重心高さhを演算する。なお、hの測定値は、あらかじめ定めた時間区間内の各サンプリング時刻において式(55)で計算されたhの平均値とする。
そして、表時信号生成部75は、ステップS19の演算の結果得られた重心高さhの値を表示装置62に表示させる表示信号を生成する。これにより、ステップS19の演算で求められた重心高さhの値が表示装置62に表示される。
第1の実施形態の重心位置測定装置1によれば、簡易かつ安価な構成で車両3の三次元の重心位置、すなわち水平面的重心位置G(XG,YG)と重心高さhとを測定することができ、車両3の横転防止に資する有効なデータを運転者等に提供することができる。
図15には、本発明の第2の実施形態に係る重心位置測定装置の構造説明図で、平面図(a)、(a)のG−G線断面図(b)、(a)のH−H線断面図(c)および(b)のI−I線断面図(d)がそれぞれ示されている。
また、図16には、車両の第1車軸の左右の車輪が第1の載台および第2の載台にそれぞれ載った際にそれら載台に作用する荷重の状態図(a)および車両の重心位置を示す平面図(b)がそれぞれ示されている。
なお、第2の実施形態の重心位置測定装置1Aにおいて、第1の実施形態の重心位置測定装置1と同一または同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略し、以下においては第1の実施形態の重心位置測定装置1と異なる点を中心に説明することとする。
図15に示される重心位置測定装置1Aは、第1の載台11Aと、第2の載台12Aと、第3の載台13Aと、設置ベース2上に設置されて第3の載台13Aを支持する第1ロードセル21A、第2ロードセル22A、第3ロードセル23Aおよび第4ロードセル24Aと、第3の載台13A上に設置されて第1の載台11Aを支持する第6ロードセル26Aと、第3の載台13A上に設置されて第2の載台12Aを支持する第7ロードセル27Aとを備えている。
第1の載台11Aは、車両3の各車軸7,8,9の左側の車輪4a,5a,6aが一つずつ載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第2の載台12Aは、車両3の各車軸7,8,9の右側の車輪4b,5b,6bが一つずつ載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第3の載台13Aは、車両3の左右全ての車輪4a,5a,6a;4b,5b,6bが同時に載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第1の載台11Aおよび第2の載台12Aは、第3の載台13A上において、車両3が前進走行する際の走行経路の上流側に配置され、第3の載台13Aに一体的に組み込まれている。
図16(a)に示されるように、第3の載台13Aにおける車両前進走行経路上流側端部には、第1凹部76aと、第2凹部76bと、第3凹部76cとが形成されている。
第1凹部76aは、第1の載台11Aの表面と第3の載台13Aの表面とが面一となるように第1の載台11Aを収容可能で、その第1の載台11Aとの間に所定の隙間S1を存するように第3の載台13Aに形成された凹部である。
第2凹部76bは、第2の載台12Aの表面と第3の載台13Aの表面とが面一となるように第2の載台12Aを収容可能で、その第2の載台12Aとの間に所定の隙間S2を存するように第3の載台13Aに形成された凹部である。
ここで、所定の隙間S1は、車両3の各車軸7,8,9の左側の車輪4a,5a,6aが第1の載台11Aに載ったとき、第1の載台11Aが若干撓んだとしても、第1の載台11Aが第3の載台13Aに干渉しないようその大きさが定められている。また、所定の隙間S2も所定の隙間S1と同様に、第2の載台12Aが若干撓んだとしても、第2の載台12Aが第3の載台13Aに干渉しないようその大きさが定められている。
第3凹部76cは、第6ロードセル26Aおよび第7ロードセル27Aを共に収容可能で、かつ第1の載台11Aおよび第2の載台12Aのそれぞれの表面と第3の載台13Aの表面とが面一となるようにそれら載台11A,12Aを収容可能となるように第3の載台13Aに形成された凹部である。
第1の載台11Aは、第3の載台13Aの第1凹部76aと第3凹部76cの略左半分に亘って収容されている。この第1の載台11Aの左端部と第3の載台13Aとは、弾性支持体77によって結合されている。
ここで、弾性支持体77は、第1の載台11Aに対し外力が作用したとき、その外力により生じた変位に比例した反力が第1の載台11Aに作用するような支持状態を保持することが可能な部材で構成されている。本実施形態では、第1の載台11Aを構成する板状部材と第3の載台13Aを構成する板状部材とを一体的に接合し、その接合部分に上凸のR面取りを施すことによって弾性支持体77を構成している。
第2の載台12Aは、第3の載台13Aの第2凹部76bと第3凹部76cの略右半分に亘って収容されている。この第2の載台12Aの右端部と第3の載台13Aとは、やはり弾性支持体77によって結合されている。
第1ロードセル21Aは、第3の載台13Aにおける車両前進走行経路上流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。ここで、第1ロードセル21Aの中心点と弾性支持体77による第1の載台11Aの弾性支持点とは鉛直方向における位置が一致されている。
第2ロードセル22Aは、第3の載台13Aにおける車両前進走行経路下流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。
第3ロードセル23Aは、第3の載台13Aにおける車両前進走行経路上流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。ここで、第3ロードセル23Aの中心点と弾性支持体77による第2の載台12Aの弾性支持点とは鉛直方向における位置が一致されている。
第4ロードセル24Aは、第3の載台13Aにおける車両前進走行経路下流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。
第6ロードセル26Aは、第3凹部76cに設置され、第1の載台11Aの右側部を下側から支持することができるように配置されている。
第7ロードセル27Aは、第3凹部76cに設置され、第2の載台12Aの左側部を下側から支持することができるように配置されている。
第1の載台11Aおよび第2の載台12Aがそれぞれ第3の載台13Aと弾性支持体77を介して一体的に結合されている構造のものでは、第1車軸7のBi(B1)しか求めることができない。その理由は、第3の載台13A上の全ての軸重が第1ロードセル21Aおよび第3ロードセル23Aに作用するからである。
YGの測定には、B1とb1,b1´の測定が不可欠である。
第1の載台11Aおよび第2の載台12Aに作用する荷重とロードセル21A,23A,26A,27Aからの反力に関して次式(61)(62)(63)(64)が成立する。
P6=WL1b1/b0 ・・・(61)
P7=WR1b1´/b0 ・・・(62)
P1=WL1(b1´+B1)/b+WR1b1´/b ・・・(63)
P3=WR1(b1+B1)/b+WL1b1/b ・・・(64)
前記式(61)〜(64)より、b1は次式(65)から、b1´は次式(66)からそれぞれ求めることができる。
b1=αbP6/{P1+α(P6−P7)} ・・・(65)
b1´=αbP7/{P3+α(P7−P6)} ・・・(66)
ここで、α=b0/bである。
前記式(65)(66)を次式(67)に代入することにより、B1を求めることができる。
B1=b−(b1+b1´) ・・・(67)
図7(a)より明らかなように、YGは次式(68)から求めることができる。
YG=yG−f ・・・(68)
ここでfは、近似的にf1と等しいと仮定して次式(69)から求める。
f=b/2−(b1+B1/2)
=(b1´−b1)/2 ・・・(69)
図16(a)において、モーメントのつりあいから次式(70)が成立する。
(b/2+yG)P=bP12 ・・・(70)
前記式(70)からyGは次式(71)のように表わすことができる。
yG=b(P12/P−1/2) ・・・(71)
前記式(68)(69)(71)から車両3の幅方向の重心位置YGを求めることができる。
次に、重心位置測定装置1Aの水平面的重心位置の計測動作について、主に、図6の機能ブロック図および図17のフローチャートを用いて以下に説明する。なお、図17において記号「S」および「T」はそれぞれステップを表わす。
幅方向重心位置演算部71は、第1ロードセル21A、第3ロードセル23A、第6ロードセル26Aおよび第7ロードセル27Aの荷重信号を読み込み、読み込んだ荷重信号と、前記式(65)(66)(67)とに基づいて、有効トレッド幅B1を演算するとともに、前記式(65)(66)(69)とに基づいて、X軸とx軸との距離(中心線CLTと中心線CLSとの距離)f1を演算する(S21)。
また、幅方向重心位置演算部71は、第1ロードセル21A〜第4ロードセル24Aの荷重信号を読み込み、読み込んだ荷重信号と、前記式(71)に基づいて、座標系O−XYにおける車両3の幅方向の重心位置yGを演算する(T21)。
幅方向重心位置演算部71は、ステップS21で算出されたf1と、ステップT21で算出されたyGと、前記式(68)とに基づいて、座標系O−XYにおける車両3の幅方向の重心位置YGを演算する(S22)。
そして、表示信号生成部75は、幅方向重心位置演算部71による演算結果を表示装置62に表示させる表示信号を生成する(S23)。これにより、表示装置62には、車両3の幅方向の重心位置の値が表示される(S24)。
全長方向重心位置演算部72は、第1ロードセル21A〜第4ロードセル24Aの荷重信号を読み込み、読み込んだ荷重信号と、前記式(16)(27)とに基づいて、車軸間距離l1,l2を演算するとともに、算出された車軸間距離l1,l2の値と、前記式(28)(30)(34)とに基づいて、座標系O−XYにおける車両3の全長方向の重心位置XGを算出する(T21)。
そして、表示信号生成部75は、全長方向重心位置演算部72による演算結果を表示装置62に表示させる表示信号を生成する(T22)。これにより、表示装置62には、車両3の全長方向の重心位置の値が表示される(T23)。
なお、第2の実施形態の重心位置測定装置1Aの重心高さ位置の計測動作については、第1の実施形態の重心位置測定装置1による車両3の重心高さhの求め方の理論説明での理論式で用いる記号の意味を下記のように新しく定義した上で、油圧シリンダ40の伸縮操作と復元力発生機構からの復元力の作用にて載台アセンブリ80A(後の新たな定義の説明で述べる。)を水平方向に自由振動させて、基本的に第1の実施形態の重心位置測定装置1の重心高さ位置の計測動作と同様の動作が行われる。これにより、車両3の重心高さhの値が求められ、求められた重心高さhの値は表示装置62に表示される。
図11および図12中の記号および理論式で用いる記号の意味を下記のとおり新しく定義する。なお、以下においては、新たに定義したもののみ記述することとする。
G0:第1の載台11A、第2の載台12Aおよび第3の載台13Aと、第6ロードセル26Aおよび第7ロードセル27Aと、弾性支持体77,77とを含んでなる載台アセンブリ80Aの重心
a:ロードセル21A(23A)とロードセル22A(24A)との間の距離
b:ロードセル21A(22A)とロードセル23A(24A)との間の距離
c:載台アセンブリ80Aの高さ
H:ロードセル21A〜24Aの高さ(弾性体31の高さ)
Pi:各ロードセル21A〜24Aに作用する静荷重(i=1,2,3,4)
m0:載台アセンブリ80Aの質量
e:載台アセンブリ80Aの下面から重心G0までの距離
Pi(t):ロードセル21A〜24Aに作用する動荷重(i=1,2,3,4)
F12(t):ロードセル21A,22Aから水平方向に載台アセンブリ80Aに作用する力の和
F34(t):ロードセル23A,24Aから水平方向に載台アセンブリ80Aに作用する力の和
第2の実施形態の重心位置測定装置1Aによれば、第1の実施形態の重心位置測定装置1と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、第2の実施形態の重心位置測定装置1Aによれば、第1の載台11Aと第3の載台13Aとが弾性支持体77によって結合されるとともに、第2の載台12Aと第3の載台13Aとが弾性支持体77によって結合され、第3の載台13Aに第1の載台11Aおよび第2の載台12Aがそれぞれ一体的に組み込まれる構成が採用されているので、装置のコンパクト化を図ることができるとともに、第1の実施形態の重心位置測定装置1では必要とされる第5ロードセル25および第8ロードセル28を省略することができて装置の簡略化を図ることができる。
図18には、本発明の第3の実施形態に係る重心位置測定装置の構造説明図で、平面図(a)、(a)のJ−J線断面図(b)、(b)のK−K線断面図(c)および(b)のL部拡大図(d)がそれぞれ示されている。
また、図19には、車両が第2の載台に載った際にその載台に作用する荷重の状態図が示されている。
なお、第3の実施形態において、前記各実施形態と同一または同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略し、以下においては前記各実施形態と異なる点を中心に説明することとする。
図18に示される重心位置測定装置1Bは、第1の載台11Bと、第2の載台12Bとを備えている。
第1の載台11Bは、設置ベース2上において、トラックやトレーラ等の車両3が前進走行する際の走行経路の上流側に配置されている。
第2の載台12Bは、設置ベース2上において、第1の載台11Bに対し、車両3の前進走行経路の下流側に配置されている。
第1の載台11Bは、車両3の各車軸7,8,9の左側の車輪4a,5a,6aが一つずつ載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第2の載台12は、車両3の左右全ての車輪4a,5a,6a;4b,5b,6bが同時に載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
設置ベース2と第2の載台12Bとの間には、第1ロードセル21B、第2ロードセル22B、第3ロードセル23Bおよび第4ロードセル24Bがそれぞれ介設されている。
第1ロードセル21Bは、第2の載台12Bにおける車両前進走行経路上流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。
第2ロードセル22Bは、第2の載台12Bにおける車両前進走行経路下流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。
第3ロードセル23Bは、第2の載台12Bにおける車両前進走行経路上流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。
第4ロードセル24Bは、第2の載台12Bにおける車両前進走行経路下流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。
設置ベース2と第1の載台11Bとの間には、第5ロードセル25Bおよび、第6ロードセル26Bがそれぞれ介設されている。
第5ロードセル25Bは、第1の載台11Bの左側部を下側から支持することができるように配置されている。
第6ロードセル26Bは、第1の載台11Bの右側部を下側から支持することができるように配置されている。
設置ベース2と第1の載台11Bとの間には、前述した荷重鉛直伝達機構30が介設されている。
YGは、前述したように、次式(81)から求めることができる。
YG=(W1e1+W2e2+W3e3)/(W1+W2+W3) ・・・(81)
また、図19(a)より明らかなように、eiは次式(82)から求めることができる。
ei=bi+Bi/2−Ci ・・・(82)
biは次式(83)で求めることができる。
bi=(P6/P56)b0 ・・・(83)
Ciは次式(84)で表わすことができる。
Ci={biWLi+(bi+Bi)WRi}/Wi
=bi+WRiBi/Wi ・・・(84)
ところで、WiおよびWLiはそれぞれ次式(85)および次式(86)で表わすことができる。
Wi=WLi+WRi ・・・(85)
WLi=Pi 56 ・・・(86)
前記式(85)(86)からWRiは次式(87)で求めることができる。
WRi=Wi−Pi 56 ・・・(87)
したがって、bi,Ciを求めることができる。そこで、Biが求められれば、前記式(82)からeiを求めることができ、このeiを用いて、前記式(81)からYGを求めることができることになる。
第2の載台12Bにおける第i軸輪重に関するモーメントのつりあいから次式(88)(89)が成立する。
biWLi+(bi+Bi)WRi−bPi 34=0 ・・・(88)
biWLi+(bi+Bi)(Wi−WLi)−bPi 34=0 ・・・(89)
これら式(88)(89)からBiは次式(90)で示されるように求めることができる。
Bi=(bPi 34−biWi)/(Wi−WLi) ・・・(90)
ただし、
P1 34=P34(t) (0<t<t1)
P2 34=P34(t)−P1 34 (t2<t<t3)
P3 34=P34(t)−P2 34 (t4<t<t5)
である。
なお、Wiは図8から、P34(t)は図19(b)より求めることができる。
次に、第3の実施形態の重心位置測定装置1Bの水平面的重心位置の計測動作について、主に、図6の機能ブロック図および図20のフローチャートを用いて以下に説明する。なお、図20において記号「S」および「T」はそれぞれステップを表わす。
幅方向重心位置演算部71は、第1ロードセル21B〜第6ロードセル26Bの荷重信号をそれぞれ読み込み、読み込んだ荷重信号と、前記式(90)とに基づいて、有効トレッド幅Biを演算するとともに、算出された有効トレッド幅Biの値と、前記式(82)からeiを演算し、算出されたeiに基づいて、前記式(81)から座標系O−XYにおける車両3の幅方向のYGを演算する(S31)。
そして、表示信号生成部75は、幅方向重心位置演算部71による演算結果を表示装置62に表示させる表示信号を生成する(S32)。これにより、表示装置62には、車両3の幅方向の重心位置の値が表示される(S33)。
全長方向重心位置演算部72は、第1ロードセル21B〜第4ロードセル24Bの荷重信号を読み込み、読み込んだ荷重信号と、前記式(16)(27)とに基づいて、車軸間距離l1,l2を演算するとともに、算出された車軸間距離l1,l2の値と、前記式(28)(30)(34)とに基づいて、座標系O−XYにおける車両3の全長方向の重心位置XGを演算する(T31)。
そして、表示信号生成部75は、全長方向重心位置演算部72による演算結果を表示装置62に表示させる表示信号を生成する(T32)。これにより、表示装置62には、車両3の全長方向の重心位置の値が表示される(T33)。
なお、第3の実施形態の重心位置測定装置1Bの重心高さ位置の計測動作については、第1の実施形態の重心位置測定装置1による車両3の重心高さhの求め方の理論説明での理論式で用いる記号の意味を下記のように新しく定義した上で、油圧シリンダ40の伸縮操作と復元力発生機構からの復元力の作用にて第2の載台12Bを水平方向に自由振動させて、基本的に第1の実施形態の重心位置測定装置1の重心高さ位置の計測動作と同様の動作が行われる。これにより、車両3の重心高さhの値が求められ、求められた重心高さhの値は表示装置62に表示される。
図11および図12中の記号および理論式で用いる記号の意味を下記のとおり新しく定義する。なお、以下においては、新たに定義したもののみ記述することとする。
G0:第2の載台12Bの重心
a:ロードセル21B(23B)とロードセル22B(24B)との間の距離
b:ロードセル21B(22B)とロードセル23B(24B)との間の距離
c:第2の載台12Bの高さ
H:ロードセル21B〜24Bの高さ(弾性体31の高さ)
Pi:各ロードセル21B〜24Bに作用する静荷重(i=1,2,3,4)
m0:第2の載台12Bの質量
e:第2の載台12Bの下面から重心G0までの距離
Pi(t):ロードセル21B〜24Bに作用する動荷重(i=1,2,3,4)
F12(t):ロードセル21B,22Bから水平方向に第2の載台12Bに作用する力の和
F34(t):ロードセル23B,24Bから水平方向に第2の載台12Bに作用する力の和
第3の実施形態の重心位置測定装置1Bによっても、第1の実施形態の重心位置測定装置1と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、第3の実施形態の重心位置測定装置1Bによれば、第1の実施形態の重心位置測定装置1では必要とされる、第2の載台12、第7ロードセル27および第8ロードセル28を省略することができて装置の簡略化を図ることができる。
図21には、本発明の第4の実施形態に係る重心位置測定装置の構造説明図で、平面図(a)、(a)のM−M線断面図(b)、(a)のN−N線断面図(c)および(b)のO−O線断面図(d)がそれぞれ示されている。
なお、第4の実施形態において、前記各実施形態と同一または同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略し、以下においては前記各実施形態と異なる点を中心に説明することとする。
図21に示される重心位置測定装置1Cは、第1の載台11Cと、第2の載台12Cと、設置ベース2上に設置されて第2の載台12Cを支持する第1ロードセル21C、第2ロードセル22C、第3ロードセル23Cおよび第4ロードセル24Cと、第2の載台12C上に設置されて第1の載台11Cを支持する第6ロードセル26Cとを備えている。
第1の載台11Cは、車両3の各車軸7,8,9の左側の車輪4a,5a,6aが一つずつ載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第2の載台12Cは、車両3の左右全ての車輪4a,5a,6a;4b,5b,6bが同時に載ることのできる四角形の板状部材で構成されている。
第1の載台11Cは、第2の載台12C上において、車両3が前進走行する際の走行経路の上流側に配置され、第2の載台12Cに一体的に組み込まれている。
図第2の載台12Cにおける車両前進走行経路上流側端部には、第1凹部58aと、第2凹部58bとが形成されている。
第1凹部58aは、第1の載台11Cの表面と第2の載台12Cの表面とが面一となるように第1の載台11Cを収容可能で、その第1の載台11Cとの間に所定の隙間S3を存するように第2の載台12Cに形成された凹部である。
ここで、所定の隙間S3は、車両3の各車軸7,8,9の左側の車輪4a,5a,6aが第1の載台11Cに載ったとき、第1の載台11Cが若干撓んだとしても、第1の載台11Cが第2の載台12Cに干渉しないようその大きさが定められている。
第2凹部58bは、第6ロードセル26Cを収容可能で、かつ第1の載台11Cの表面と第2の載台12Cの表面とが面一となるようにその第1の載台11Cを収容可能となるように第2の載台12Cに形成された凹部である。
第1の載台11Cは、第2の載台12Cの第1凹部58aから第2凹部58bに亘って収容されている。この第1の載台11Cの左端部と第2の載台12Cとは、やはり弾性支持体77によって結合されている。
第1ロードセル21Cは、第2の載台12Cにおける車両前進走行経路上流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。ここで、第1ロードセル21Cの中心点と弾性支持体77による第1の載台11Cの弾性支持点とは鉛直方向における位置が一致されている。
第2ロードセル22Cは、第2の載台12Cにおける車両前進走行経路下流側の左角部を下側から支持することができるように配置されている。
第3ロードセル23Cは、第2の載台12Cにおける車両前進走行経路上流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。
第4ロードセル24Cは、第2の載台12Cにおける車両前進走行経路下流側の右角部を下側から支持することができるように配置されている。
第6ロードセル26Cは、第2凹部58bに設置され、第1の載台11Cの右側部を下側から支持することができるように配置されている。
以上に述べたように構成される第4の実施形態の重心位置測定装置1Cの水平面的重心位置の計測動作については、基本的に第3の実施形態の重心位置測定装置1Bの水平面的重心位置の計測動作と同様の動作が行われる。これにより、車両3の水平面的重心位置の値が求められ、求められた水平面的重心位置の値は表示装置62に表示される。
一方、第4の実施形態の重心位置測定装置1Cの重心高さ位置の計測動作については、第1の実施形態の重心位置測定装置1による車両3の重心高さhの求め方の理論説明での理論式で用いる記号の意味を下記のように新しく定義した上で、油圧シリンダ40の伸縮操作と復元力発生機構からの復元力の作用にて載台アセンブリ80C(後の新たな定義の説明で述べる。)を水平方向に自由振動させて、基本的に第1の実施形態の重心位置測定装置1の重心高さ位置の計測動作と同様の動作が行われる。これにより、車両3の重心高さhの値が求められ、求められた重心高さhの値は表示装置62に表示される。
図11および図12中の記号および理論式で用いる記号の意味を下記のとおり新しく定義する。なお、以下においては、新たに定義したもののみ記述することとする。
G0:第1の載台11Cおよび第2の載台12Cと、第6ロードセル26Cと、弾性支持体77とを含んでなる載台アセンブリ80Cの重心
a:ロードセル21C(23C)とロードセル22C(24C)との間の距離
b:ロードセル21C(22C)とロードセル23C(24C)との間の距離
c:載台アセンブリ80Cの高さ
H:ロードセル21C〜24Cの高さ(弾性体31の高さ)
Pi:各ロードセル21C〜24Cに作用する静荷重(i=1,2,3,4)
m0:載台アセンブリ80Cの質量
e:載台アセンブリ80Cの下面から重心G0までの距離
Pi(t):ロードセル21C〜24Cに作用する動荷重(i=1,2,3,4)
F12(t):ロードセル21C,22Cから水平方向に載台アセンブリ80Cに作用する力の和
F34(t):ロードセル23C,24Cから水平方向に載台アセンブリ80Cに作用する力の和
第4の実施形態の重心位置測定装置1Cによれば、第3の実施形態の重心位置測定装置1Bと同様の作用効果を得ることができる。
さらに、第2の実施形態の重心位置測定装置1Cによれば、第1の載台11Cと第2の載台12Cとが弾性支持体77によって結合され、第2の載台12Cに第1の載台11Cが一体的に組み込まれる構成が採用されているので、装置のコンパクト化を図ることができるとともに、第3の実施形態の重心位置測定装置1Bでは必要とされる第5ロードセル25Bを省略することができて装置の簡略化を図ることができる。
この荷重鉛直伝達機構90は、第2の載台12と設置ベース2との間に配される第1リンク91および第2リンク92をそれぞれ備えている。
第1リンク91の後端部は、第2の載台12の後端部の下方において設置ベース2に設けられるブラケット93に第1ピン94によって連結されている。
第1リンク91の前端部には、第2の載台12の前端部の下面に接触する第1ローラ95が第2ピン96によって前後方向に転動可能に連結されている。
第2リンク92の後端部は、第2の載台12の後端部の下面に設けられるブラケット97に第3ピン98によって連結されている。
第2リンク92の前端部には、第2の載台12の前端部の下方において設置ベース2に接触する第2ローラ99が第4ピン100によって前後方向に転動可能に連結されている。
第1リンク91の中央部と第2リンクの中央部とは第5ピン101によって互いに回動可能に連結されている。
これら第1リンク91、第2リンク92、第1ローラ95、第2ローラ99および各種ピン94,96,98,100,101よりなるリンク機構は、車両3の幅方向に所定の間隔を存して一対配置されており、第2ピン96と第4ピン100とによって互いのリンク機構が互いに連動するように接続されている。
この荷重鉛直伝達機構90によっても、車両3の右側車輪4b,5b,6bから第2の載台12を介して第7ロードセル27および第6ロードセル28に作用する荷重を鉛直方向にのみ伝達させることができる。
第3の実施形態の第1の載台11Bについても同様である。
このヒンジ支持体110は、第1の載台11Aの左端部に対応させるように第3の載台13Aに設けられるブラケット111と、このブラケット111と第1の載台11Aの左端部とを連結するピン112と備えて構成され、車両3の左側車輪4a,5a,6aから第1の載台11Aを介して第6ロードセル26Aに作用する荷重を鉛直方向にのみ伝達させることができるようになっている。
なお、第1ロードセル21Aの中心点とヒンジ支持体110の回転支点であるピン112とは鉛直方向における位置が一致されているのは言うまでもない。
前記実施形態においては、油圧シリンダ40の伸縮操作により、第3の載台13、載台アセンブリ80A、第2の載台12Bまたは載台アセンブリ80Cに対して自由振動の初期条件を与えるようにしたが、第3の載台13、載台アセンブリ80A、第2の載台12Bまたは載台アセンブリ80Cと設置ベース2とを所要のリンク115にて連結する構成を採用することにより、第3の載台13、載台アセンブリ80A、第2の載台12Bまたは載台アセンブリ80Cに対して自由振動の初期条件を与えるようにしてもよい。以下、図24に示されるような、第3の載台13と設置ベース2とを所要のリンク115にて連結する構成のものを代表例として、その具体的な構成を説明することとする。
リンク115は、図24(b)に示されるように、x座標軸に対しθの傾きを持って配置されている。このリンク115により、第3の載台13のx方向とy方向の変位x0,y0は、次式(92)で示されるような関係に拘束される。
y0=αx0,α=1/tanθ(既知) ・・・(92)
リンク115は、x軸の正方向に走行している車両3が第3の載台13に進入し程なくして停止する際に、その車両3から受ける力を利用して第3の載台13の自由振動の方向を、リンク115と直角を成す水平方向(特定方向u)に拘束する(図24(b)参照)。第3の載台13には、u方向変位に対する復元力発生機構からの復元力Fが作用する。こうして、第3の載台13の水平方向(u方向)の変位に対して復元力Fを作用させることで、第3の載台13を水平方向(u方向)に自由振動させることができる。
第3の載台13の自由振動が水平方向(u方向)に拘束されているとき、y方向の振動成分によりロードセル21〜24に作用する力を、添字yを付してΔPy(t)(=ΔP1y(t)+・・・+ΔP4y(t)),ΔP34y(t)(=ΔP3y(t)+ΔP4y(t))と書く。このとき、重心高さhの理論式は、次式(93)で表わされる。
以下では、ΔPy(t)およびΔP34y(t)がそれぞれΔP(t)およびΔP34(t)によって求めることができることを示す。なお、添字xを付す記号はx方向の振動成分によりロードセル21〜24に作用する力を表わすものとする。
ΔPy(t)は、ΔP(t)(=ΣΔPi(t))を用いて下記のように表わすことができる。
であるから、ΔPy(t)は次式(94)で表わすことができる。
ΔPy(t)=α2・ΔP(t)/(1+α2) ・・・(94)
また、ΔPx(t)は次式(95)で表わすことができる。
ΔPx(t)=ΔP(t)/(1+α2) ・・・(95)
ΔP34y(t)は、ΔP34(t)とΔP(t)を用いて表わすことができる。
すなわち、
ΔP34(t)=ΔP34x(t)+ΔP34y(t)
であるから、ΔP34y(t)は次式(96)で表わすことができる。
ΔP34y(t)=ΔP34(t)−ΔP34x(t)
≒ΔP34(t)−ΔPx(t)/2(∵b/2>>d)
=ΔP34(t)−ΔP(t)/2(1+α2) ・・・(96)
第1の実施形態の重心位置測定装置1について、第3の載台13と設置ベース2とを所要のリンク115にて連結した場合においても、基本的に前述した第1の実施形態の重心位置測定装置1の水平面的重心位置の計測動作と同じ計測動作が行われ、表示信号生成部75は、水平面的重心位置演算部70の演算結果を表示装置62に表示させる表示信号を生成する。これにより、表示装置62には、車両3の水平面的重心位置の値が表示される。
第1の実施形態の重心位置測定装置1について、第3の載台13と設置ベース2とを所要のリンク115にて連結した場合における重心高さ位置の計測動作について、主に、図6の機能ブロック図、図25のフローチャートおよび図26のタイムチャートを用いて以下に説明する。なお、図25において記号「S」はステップを表わす。
以下の計測動作説明は、車両3が荷物を載せた車両(貨物トラック)であり、x軸の正方向に走行している車両3が第3の載台13に進入・停止する際にその車両3の重心高さを測定する場合の例である。
第3の載台13に進入した車両3が停止するまで待機する(S41)。
このとき、リンク115は、車両3が第3の載台13に進入・停止する際にその車両3から受ける力を利用して第3の載台13に対し自由振動を特定方向(u方向)に与える。そして、第3の載台13にはu方向変位に対する復元力発生機構からの復元力Fが作用するため、第3の載台13はu方向に自由振動する。
第3の載台13が自由振動状態から静止状態に移行した時刻t3以降から時刻t4において、平面的重心演算部70は、ロードセル11〜14からの静荷重信号Piを読み込むとともに、読み込んだ静荷重信号Piから車両3の質量(重量)を求める(S44)。
また、平面的重心演算部70は、次式(56)に基づいてkを演算する(S45)とともに、前述したステップS1およびステップT1(図10参照)の処理をそれぞれ実行して、車両3の重心Gの平面座標(xG,yG)を算出する(S46)。
時刻t4から時刻t5の間において、重心高さ位置演算部73は、ステップS44で取得した静荷重信号Piと、メモリ68に記憶されている動荷重信号Pi(t)とに基づいてΔP(t)およびΔP34(t)をそれぞれ演算する。
時刻t5から時刻t6の間において、重心高さ位置演算部73は、次式(93),(94),(96)に基づいて車両3の重心Gの重心高さhを演算する。
ΔP34y(t)=ΔP34(t)−ΔP(t)/2(1+α2) ・・・(96)
そして、表示信号生成部75は、ステップS48の演算の結果得られた重心高さhの値を表示装置62に表示させる表示信号を生成する。これにより、ステップS48の演算で求められた重心高さhの値が表示装置62に表示される。
第1の実施形態の重心位置測定装置1において、第3の載台13と設置ベース2とを所要のリンク115にて連結した構成のものによれば、車両3が第3の載台13に進入・停止する際に第3の載台13が車両3から受ける力を利用して第3の載台13をリンク115にてu方向に自由振動させるようにされているので、第1の実施形態の重心高さ測定装置1において必要とされる油圧シリンダ40や電磁弁41、油圧ポンプ42、電動モータ43、タンク44、油圧配管類などを省略することができ、装置構成の簡素化を図ることができる。
第1の実施形態の重心位置測定装置1においては、図3に示されるように、ダブルコンベックス・ローディング方式のコラム型のロードセル21〜24と、上側受け部材36と、下側受け部材38とによって第3の載台13を支持する構造を採用したが、これに限定されるものではなく、図27に示されるような載台支持構造を採用してもよい。なお、その他の実施形態についても同様である。
図27に示される載台支持構造は、第3の載台13から垂設される一対の脚部材121,121と、一対の脚部材121,121の間に位置するように設置ベース2上に立設される一対の支柱部材122,122と、一対の支柱部材122,122の上端部同士を繋ぐ軸形ロードセル123と、一対の脚部材121,121の下端部同士を繋ぐ下部ピン124と、軸形ロードセル123と下部ピン124とに掛け渡される吊り環部材125とを備えて構成されている。
軸形ロードセル123は、その軸線方向中央部に、全周に亘って所定の曲率半径で窪んだ窪み部126を有している。この窪み部126に吊り環部材125の上部が掛け止められている。また、下部ピン124も同様に、その軸線方向中央部に、全周に亘って所定の曲率半径で窪んだ窪み部127を有している。この窪み部127に吊り環部材125の下部が掛け止められている。
この載台支持構造においては、軸形ロードセル123の軸線回りの振り子の作用により、第3の載台13の前後方向(軸形ロードセル123の軸線と直交する水平方向)の変位に対する復元力が作用する。また、軸形ロードセル123の窪み部126に吊り環部材125の上部が掛け止められているので、吊り環部材125が軸形ロードセル123の軸線方向に移動した際に、吊り環部材125を窪み部126の最低部へと戻す揺り戻し力が作用する。この揺り戻し力の作用により、第3の載台13の左右方向(軸形ロードセル123の軸線方向)の変位に対する復元力が作用する。
また、図27に示される載台支持構造に代えて、図28に示される載台支持構造を採用することもできる。
図28に示される載台支持構造においては、第3の載台13から垂設される一対の脚部材121,121と、一対の脚部材121,121の間に位置するように設置ベース2上に立設される一対の支柱部材122,122と、一対の支柱部材122,122の上端部同士を繋ぐ上部ピン128と、一対の脚部材121,121の下端部同士を繋ぐ下部ピン124と、上部ピン128と下部ピン124とに掛け渡される吊り環部材129とを備えて構成されている。
上部ピン128は、その軸線方向中央部に、全周に亘って所定の曲率半径で窪んだ窪み部130を有している。この窪み部130に吊り環部材129の上部が掛け止められている。
吊り環部材129の上下方向中央部には、引張形ロードセル131が介設されている。
この載台支持構造においては、上部ピン128の軸線回りの振り子の作用により、第3の載台13の前後方向(上部ピン128の軸線と直交する水平方向)の変位に対する復元力が作用する。また、上部ピン128の窪み部130に吊り環部材129の上部が掛け止められているので、吊り環部材129が上部ピン128の軸線方向に移動した際に、吊り環部材129を窪み部130の最低部へと戻す揺り戻し力が作用する。この揺り戻し力の作用により、第3の載台13の左右方向(上部ピン128の軸線方向)の変位に対する復元力が作用する。
また、図27に示される載台支持構造に代えて、図29に示される載台支持構造を採用することもできる。
図29に示される載台支持構造においては、第3の載台13の下面に固定される上側受け部材141と、設置ベース2上に固定される下側受け部材142と、下側受け部材142上に設置されるロードセル143と、ロードセル143と上側受け部材141との間に配設される鋼球144とを備えて構成されている。
上側受け部材141には、鋼球144との間に介在される上側受け座145が形成されている。上側受け座145は、鋼球144の球面144aと接触される凹座面146を有している。
ロードセル143には、鋼球144との間に介在される下側受け座147が形成されている。下側受け座147は、鋼球144の球面144aと接触される凹座面148を有している。
凹座面146,148の曲率半径は、鋼球144の球面144aの曲率半径よりも大きく設定されている。
復元力発生機構は、鋼球144の球面144aおよび上側受け座145の凹座面146と、鋼球144の球面144aおよび下側受け座147の凹座面148とにより構成され、第3の載台13の水平方向の変位に対して復元力を発生する。
油圧シリンダ40が本発明の「アクチュエータ」に相当する。
変位センサ45および加速度センサ46を含む構成が本発明の「振動状態量検出手段」に相当する。
弾性体31の上側凸面34および上側受け部材36の水平座面37と、弾性体31の下側凸面35および下側受け部材38の水平座面39とを含む構成が本発明の「復元力発生機構」に相当する。
脚部材121と、支柱部材122と、軸形ロードセル123と、下部ピン124と、吊り環部材125とを含む構成が本発明の「復元力発生機構」に相当する。
脚部材121と、支柱部材122と、上部ピン128と、下部ピン124と、吊り環部材129とを含む構成が本発明の「復元力発生機構」に相当する。
鋼球144の球面144aおよび上側受け座145の凹座面146と、鋼球144の球面144aおよび下側受け座147の凹座面148とを含む構成が本発明の「復元力発生機構」に相当する。
前記第1の実施形態においては、自由振動状態にある第3の載台13の加速度を検出する加速度検出手段として、加速度センサ46を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、重心高さ位置演算部73は、変位センサ45の検出信号に基づいて2回微分演算を実行することで、第3の載台13の加速度を求めることができる。この場合、加速度センサ46は不要になる。なお、前記微分演算を重心高さ位置演算部73に実行させるのではなく、別途に加速度演算部を設け、この加速度演算部に前記微分演算を実行させる態様もあり得る。なお、その他の実施形態についても同様である。
3 車両
11 第1の載台
12 第2の載台
13 第3の載台
21 第1ロードセル
22 第2ロードセル
23 第3ロードセル
24 第4ロードセル
25 第5ロードセル
26 第6ロードセル
27 第7ロードセル
28 第8ロードセル
31 弾性体
34 上側凸面
35 下側凸面
36 上側受け部材
37 水平座面
38 下側受け部材
39 水平座面
40 油圧シリンダ
45 変位センサ
46 加速度センサ
70 水平面的重心位置演算部
71 幅方向重心位置演算部(幅方向重心位置演算手段)
72 全長方向重心位置演算部(全長方向重心位置演算手段)
73 重心高さ位置演算部(重心高さ位置演算手段)
77 弾性支持体
110 ヒンジ支持体
115 リンク
121 脚部材
122 支柱部材
123 軸形ロードセル
124 下部ピン
125 吊り環部材
128 上部ピン
129 吊り環部材
144 鋼球
144a 球面
145 上側受け座
146 凹座面
147 下側受け座
148 凹座面
Claims (8)
- 車両の三次元重心位置を測定する重心位置測定装置であって、
(a)車両の左右いずれか一方側の車輪が載ることのできる第1の載台と、
(b)前記第1の載台の左側部および右側部を支持する複数のロードセルと、
(c)車両の左右いずれか他方側の車輪が載ることのできる第2の載台と、
(d)前記第2の載台の左側部および右側部を支持する複数のロードセルと、
(e)前記第1の載台を支持する複数のロードセルおよび前記第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号に基づいて車両の幅方向の重心位置を演算する幅方向重心位置演算手段と、
(f)車両の前後左右の全ての車輪が載ることのできる第3の載台と、
(g)前記第3の載台の前後および左右の4つの角部を支持する複数のロードセルと、
(h)前記第3の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号に基づいて車両の全長方向の重心位置を演算する全長方向重心位置演算手段と、
(i)車両が載せられた前記第3の載台を水平方向に自由振動させる振動発生手段と、
(j)自由振動状態にある前記第3の載台の変位および加速度のいずれか一方または両方を検出する振動状態量検出手段と、
(k)前記第3の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号と前記振動状態量検出手段からの検出信号とに基づいて車両の重心高さ位置を演算する重心高さ位置演算手段と
を備えることを特徴とする重心位置測定装置。 - 前記第1の載台と前記第3の載台とが弾性支持体またはヒンジ支持体によって結合されるとともに、前記第2の載台と前記第3の載台とが弾性支持体またはヒンジ支持体によって結合される請求項1に記載の重心位置測定装置。
- 前記振動発生手段は、前記第3の載台に対し水平方向の力を与えるアクチュエータと、前記第3の載台の水平方向の変位に対して復元力を発生する復元力発生機構とを備えてなるものである請求項1または2に記載の重心位置測定装置。
- 前記振動発生手段は、前記第3の載台に進入した車両が停止する際にその車両から受ける力を利用して前記第3の載台に対し自由振動を特定方向に与えるリンクと、前記第3の載台の水平方向の変位に対して復元力を発生する復元力発生機構とを備えてなるものである請求項1または2に記載の重心位置測定装置。
- 車両の三次元重心位置を測定する重心位置測定装置であって、
(a)車両の左右いずれか一方側の車輪が載ることのできる第1の載台と、
(b)前記第1の載台の左側部および右側部を支持する複数のロードセルと、
(c)前記第1の載台の車両前進走行経路の下流側に配され、車両の前後左右の全ての車輪が載ることのできる第2の載台と、
(d)前記第2の載台の前後および左右の4つの角部を支持する複数のロードセルと、
(e)前記第1の載台を支持する複数のロードセルおよび前記第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号に基づいて車両の幅方向の重心位置を演算する幅方向重心位置演算手段と、
(f)前記第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号に基づいて車両の全長方向の重心位置を演算する全長方向重心位置演算手段と、
(g)車両が載せられた前記第2の載台を水平方向に自由振動させる振動発生手段と、
(h)自由振動状態にある前記第2の載台の変位および加速度のいずれか一方または両方を検出する振動状態量検出手段と、
(i)前記第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号と前記振動状態量検出手段からの検出信号とに基づいて車両の重心高さ位置を演算する重心高さ位置演算手段と
を備えることを特徴とする重心位置測定装置。 - 車両の三次元重心位置を測定する重心位置測定装置であって、
(a)車両の左右いずれか一方側の車輪が載ることのできる第1の載台と、
(b)前記第1の載台を一体的に組み込むとともに、前記第1の載台に弾性支持体またはヒンジ支持体によって結合され、車両の前後左右の全ての車輪が載ることのできる第2の載台と、
(c)前記第1の載台の前記弾性支持体側またはヒンジ支持体側と反対側の側部を支持するロードセルと、
(d)前記第2の載台の前後および左右の4つの角部を支持する複数のロードセルと、
(e)前記第1の載台を支持するロードセルおよび前記第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号に基づいて車両の幅方向の重心位置を演算する幅方向重心位置演算手段と、
(f)前記第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号に基づいて車両の全長方向の重心位置を演算する全長方向重心位置演算手段と、
(g)車両が載せられた前記第2の載台を水平方向に自由振動させる振動発生手段と、
(h)自由振動状態にある前記第2の載台の変位および加速度のいずれか一方または両方を検出する振動状態量検出手段と、
(i)前記第2の載台を支持する複数のロードセルからの荷重信号と前記振動状態量検出手段からの検出信号とに基づいて車両の重心高さ位置を演算する重心高さ位置演算手段と
を備えることを特徴とする重心位置測定装置。 - 前記振動発生手段は、前記第2の載台に対し水平方向の力を与えるアクチュエータと、前記第2の載台の水平方向の変位に対して復元力を発生する復元力発生機構とを備えてなるものである請求項5または6に記載の重心位置測定装置。
- 前記振動発生手段は、前記第2の載台に進入した車両が停止する際にその車両から受ける力を利用して前記第2の載台に対し自由振動を特定方向に与えるリンクと、前記第2の載台の水平方向の変位に対して復元力を発生する復元力発生機構とを備えてなるものである請求項5または6に記載の重心位置測定装置。
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