JP2014202515A - 車両計量装置 - Google Patents

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恭将 佐藤
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Abstract

【課題】 従来よりもスムーズにかつ低コストで車両の重量情報を求める。
【解決手段】 本発明に係る車両計量装置の計量部10は、被計量物としての車両の全車輪が同時に載置可能な計量台12と、この計量台12を支持する複数のロードセル14と、を備えている。また、計量台12上には、3つのテープスイッチ16配置されている。なお、計量台12の基準位置Paから各テープスイッチ16までの距離L5,L7およびL9は、既知である。車両は、この計量台12上を低速で移動し、その過程で、当該車両の適宜の車輪によって各テープスイッチ16がオンされ、その時々の各ロードセル14による荷重検出値と、計量台12の基準位置Paから各テープスイッチ16までの距離L5,L7およびL9と、に基づいて、車両の重量情報が求められ、特にそれぞれの車軸への印加荷重値である軸重値が求められる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の重量に関する重量情報を求める、車両計量装置に関する。
この種の車両計量装置として、従来、例えば特許文献1に開示されたものがある。この従来技術によれば、車両の車輪重量を測定するための車輪重量測定装置において、複数の車輪を有する車両全体が載置可能な計量台と、この計量台を支持する複数個の荷重検出器と、が備えられている。そして、計量台上に車両全体が載置された状態にあるときの当該計量台上における各車輪の位置情報と、各荷重検出器からの出力信号と、に基づいて、各車輪の重量、いわゆる輪重、が求められる。即ち、車両の重量情報として、当該輪重が求められる。なお、計量台上における各車輪の位置情報は、撮像装置により撮像された車両の画像を画像処理することによって、または、目視によって、特定される(特に第0062段落〜第0067段落参照)。
これとは別の従来技術として、例えば特許文献2に開示されたものがある。この言わば第2の従来技術によれば、被計量車両の全輪を同時に載せ得る面積の平坦面と、この平坦面の前方位置に当該平坦面より所定高さ段上げした前輪載せ台と、を備える計量台が、その四隅付近の下面に設けられた4つのロードセルによって支持されている。そしてまず、計量台の平坦面上に被計量車両が載せられ、このときの、つまり当該被計量車両が水平姿勢にあるときの、当該計量台上における被計量車両の前輪位置および後輪位置と、各ロードセルからの検出値と、に基づいて、当該被計量車両の前後方向の重心位置が求められる。続いて、被計量車両の前輪が前輪載せ台上に載せられ、このときの、つまり当該被計量車両が傾斜姿勢にあるときの、当該被計量車両の前後方向の重心位置が同様の要領で求められる。このようにして被計量車両が水平姿勢にあるときの前後重心位置と、当該被計量車両が傾斜姿勢にあるときの前後重心位置と、が求められると、さらに、これら両者間の距離である前後重心変位量が求められる。そして、この前後重心変位量と、被計量車両が傾斜姿勢にあるときのその前後傾斜角と、に基づいて、当該被計量車両の重心の高さが求められる。即ち、車両の重量情報として、重心高さが求められる。なお、計量台上における被計量車両の前輪位置および後輪位置は、車両位置検出器によって検出され、詳しくは計量台の横方に配置された光学式の距離センサ(光センサ)を水平方向に揺動させることによって検出される。
特開2006−112986号公報 国際公開第2012/056779号パンフレット
しかしながら、特許文献1に開示された言わば第1の従来技術では、上述の如く画像処理によって、または、目視によって、計量台上における各車輪の位置情報が特定されるので、当該位置情報の特定を含む一連の計量作業に要する時間が相応に長くなる。とりわけ、画像処理が採用される場合には、これを担う画像処理装置が必要になるので、当該画像処理装置を含む車両計量装置全体のコストが高くなる。また、目視による場合にも、これを担う作業者の人件費等が掛かるので、やはりコストが高くなる。
一方、特許文献2に開示された第2の従来技術では、上述の如く光学式の距離センサを水平方向に揺動させることによって、計量台上における被計量車両の前輪位置および後輪位置が検出されるので、この距離センサの揺動を伴う位置検出に相応の時間が掛かり、ひいては一連の計量作業に要する時間が長くなる。また、当該距離センサを揺動させるための手段も必要になるので、この手段を含む車両計量装置全体のコストが高くなる。
そこで、本発明は、従来よりもスムーズにかつ低コストで車両の重量情報を求めることができる車両計量装置を提供することを、目的とする。
この目的を達成するために、本発明の車両計量装置は、被計量物としての車両に属する全ての車輪が同時に載置可能な計量台と、この計量台を支持すると共に当該計量台を介して自身に印加される荷重を検出する複数の荷重検出手段と、を具備する。さらに、車両が計量台上に全ての車輪を同時に載置させた状態で移動して当該計量台上における所定位置に到達したときにこれを検出する車両所定位置到達検出手段を、具備する。そして、この車両所定位置到達検出手段によって車両が所定位置に到達したことが検出されたときの各荷重検出手段のそれぞれによる荷重検出値と、計量台上における当該所定位置に関する所定位置情報と、に基づいて、車両の重量情報を求める重量情報演算手段を、具備する。
即ち、本発明によれば、車両が計量台上に全ての車輪を同時に載置させた状態で移動して当該計量台上における所定位置に到達すると、このことが、車両所定位置到達検出手段によって検出される。そして、その時点での、つまり車両が計量台上における所定位置に到達した時点での、各荷重検出手段のそれぞれによる荷重検出値と、当該計量台上における所定位置に関する所定位置情報と、に基づいて、車両の重量情報が、重量情報演算手段によって求められる。ここで、所定位置情報は、車両所定位置到達検出手段によって車両が計量台上における所定位置に到達したことが検出された時点での当該計量台上における車両の位置を表す。要するに、車両の重量情報が求められるに当たって、当該車両が計量台上における所定位置に存在すること、つまり当該所定位置という特定(既知)の位置に確実に存在すること、が前提とされる。そして、この前提が満足されるタイミングが計られ、このタイミングでの各荷重検出手段のそれぞれによる荷重検出値と、同タイミングでの車両の計量台上における位置を表す所定位置情報と、に基づいて、当該車両の重量情報が求められる。従って、計量台上の任意(不特定)の位置に置かれた車両の当該位置を検出する必要のある上述した第1の従来技術および第2の従来技術とは異なり、当該位置を検出のための手段を設ける必要はなく、また、その手間も掛からない。
なお、重量情報演算手段は、重量情報として、例えば車両に属する各車軸のそれぞれに印加される荷重を表す軸重情報を求めてもよい。
また、当該重量情報演算手段は、重量情報として、例えば車両の前後方向における重心の位置を表す前後方向重心位置情報を求めてもよい。
さらに、当該重量情報演算手段は、重量情報として、例えば車両の重心高さを表す重心高さ情報を求めてもよい。この場合、計量台は、自身に車両の全車輪が同時に載置された状態にあるときに当該車両が傾斜姿勢となるように形成されているものとする。
上述したように、本発明によれば、計量台上の任意の位置に置かれた車両の当該位置を検出する必要のある第1の従来技術および第2の従来技術とは異なり、当該位置を検出するための手段を設ける必要はなく、また、その手間も掛からない。従って、従来よりもスムーズにかつ低コストで車両の重量情報を求めることができる。
本発明の第1実施形態に係る車両計量装置の計量部の構成を概略的に示す図である。 同第1実施形態における計量プロセッサの電気的な構成を示すブロック図である。 同第1実施形態における被計量物としての車両の外観を概略的に示す図である。 同第1実施形態における計量要領を説明するための図解図である。 同計量要領における一状態を力学的要素に注目して示す図解図である。 図5に続く状態を力学的要素に注目して示す図解図である。 図6に続く状態を力学的要素に注目して示す図解図である。 図7に続く状態を力学的要素に注目して示す図解図である。 同第1実施形態におけるCPUの動作を示すフローチャートである。 同第1実施形態におけるより厳密な計量要領を説明するための図解図である。 同第1実施形態における計量部の別の例を示す図である。 同第1実施形態における計量部のさらに別の例を示す図である。 同第1実施形態における計量部のさらに別の例を示す図である。 図13の計量部が採用されたときの計量要領を説明するための図解図である。 図13の計量部が採用されたときのより厳密な計量要領を説明するための図解図である。 本発明の第2実施形態に係る車両計量装置の計量部の構成を概略的に示す図である。 同第2実施形態における計量要領を説明するための図解図である。 図17に続く状態を示す図解図である。 図17の状態を力学的要素に注目して示す図解図である。 図18の状態を力学的要素に注目して示す図解図である。 同第2実施形態における計量部の別の例を示す図である。 図21の計量部が採用されたときの計量要領を説明するための図解図である。 同第2実施形態における計量部のさらに別の例を示す図である。
本発明の第1実施形態について、図1〜図15を参照しながら説明する。
本第1実施形態に係る車両計量装置は、図1に示す計量部10と、図2に示す計量プロセッサ30と、を備えており、図3に示す車両50を被計量物として、その総重量値Wtと、それぞれの車軸に印加される荷重値、いわゆる軸重値W〈n〉(n:車軸番号)と、を求めるものである。なお、ここで言う車両50は、例えば駆動車52と当該駆動車52によって牽引される荷台車54とから成る牽引自動車であり、詳しくは2軸の駆動車52と3軸の荷台車54とから成る合計5軸のセミトレーラである。
改めて図1を参照して、計量部10は、概略矩形平板状の計量台12と、この計量台12を支持する複数の、例えば4つの、荷重検出手段としてのアナログ式のロードセル14,14,…と、を備えている。計量台12は、その一方主面を上面として真上に向けた状態にあり、他方主面を下面として真下に向けた状態にある。そして、この計量台12の下面の四隅近傍を支持するように、各ロードセル14,14,…が配置されている。各ロードセル14,14,…は、互いに同一仕様のものであり、詳しくは概略柱状の起歪体を有する柱状型のものであり、より詳しくは当該起歪体の荷重受け部である上下両端部が外方に向かって概略球状に突出した形状のいわゆるダブルコンベックス型のものである。このダブルコンベックス型のものによれば、横方向外力の影響を受け難い等の種々の利点があるが、これについては、公知であり、また、本発明の本旨に直接関係しないので、ここでの詳細な説明は省略する。
計量台12の上面には、後述する如く車両50が載置され、詳しくは当該車両50に属する全ての車輪56,56,…が同時に載置可能とされている。その際、車両50は、図1における左側から右側に向かう方向に移動(走行)することで、計量台12上に乗り込み、当該計量台12上に全ての車輪56,56,…を同時に載置させた状態を経て、その後、当該計量台12上から降りる。このため、車両50が移動する方向における計量台12の寸法、言わば長さ寸法(厳密には後述する有効長さ寸法)L1は、図3に示す当該車両50のホイールベース(最遠軸距)Laよりも大きく(L1>La)、詳しくは後述する第1状態〜第4状態という4つの状態が順次形成されるのに必要かつ十分な大きさとされている。そして、車両50の移動方向を水平に横切る方向における計量台12の寸法、言わば幅寸法(厳密には後述する有効幅寸法)L3は、車両50のトレッド(輪距)Lbよりも大きく(L3>Lb)、つまりは当該車両50が余裕を持って乗り降りするのに必要かつ十分な大きさとされている。また、計量台12は、自身に車両50が載置されることによる荷重に十分に耐えられるよう、剛性の高い例えば金属製であり、併せて、図示しないリブ等の適当な補強部材によって補強されている。
なおここでは、車両50の移動方向に基づいて、計量台12の前後左右が定義される。即ち、計量台12に関して、車両50の移動方向に向かう側(図1における右側)が、当該計量台12の前側とされ、車両50の移動方向とは逆の方向に向かう側(図1における左側)が、当該計量台12の後側とされる。そして、車両50の移動方向に向かって左側(図1(b)における上側)が、計量台12の左側とされ、当該車両50の移動方向に向かって右側(図1(b)における下側)が、計量台12の右側とされる。
各ロードセル14,14,…には、個別の識別符号が付されている。具体的には、図1(b)に示すように、計量台12の左前隅近傍(図1(b)における右上隅近傍)に配置されているロードセル14に、LC1という識別符号が付されている。そして、計量台12の右前隅近傍(図1(b)における右下隅近傍)に配置されているロードセル14に、LC2という識別符号が付されている。さらに、計量台12の左後隅近傍(図1(b)における左上隅近傍)に配置されているロードセル14に、LC3という識別符号が付されている。そして、計量台12の右後隅近傍(図1(b)における左下隅近傍)に配置されているロードセル14に、LC4という識別符号が付されている。これ以降、各ロードセル14,14,…については、それぞれの識別符号LC1,LC2,LC3およびLC4を用いて表現することがある。
また、計量台12の前後方向(長さ方向)において、前側の2つのロードセルLC1およびLC2のそれぞれによる支持位置と、後側の2つのロードセルLC3およびLC4のそれぞれによる支持位置と、の間の距離が、上述した有効長さ寸法L1である。そして、計量台12の左右方向(幅方向)において、左側の2つのロードセルLC1およびLC3のそれぞれによる支持位置と、右側の2つのロードセルLC2およびLC4のそれぞれによる支持位置と、の間の距離が、上述した有効幅寸法L3である。さらに、計量台12の前後方向において、前側の各ロードセルLC1およびLC2のそれぞれによる支持位置が、当該計量台12の前後方向における基準位置Paとされている。
各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4は、計量プロセッサ30に接続される。その上で、当該各ロードセルLC1,LC2,LC3およびLC4は、計量台12を介して自身に印加される荷重の大きさに応じた電圧を持つアナログ荷重検出信号W1A,W2A,W3AおよびW4Aを出力し、これらのアナログ荷重検出信号W1A〜W4Aは、計量プロセッサ30に入力される。
加えて、計量台12上には、車両所定位置到達検出手段としてのテープスイッチ16が3つ設けられている。これら3つのテープスイッチ16,16および16は、互いに同一仕様の概略テープ状のものであり、計量台12の前後方向において互いに距離を隔てて、詳しくは上述した基準位置PaからそれぞれL5,L7およびL9という所定の距離(L5<L7<L9)を隔てて、かつ、当該計量台12の左右方向に沿って延伸するように、つまり互いに平行を成すように、設けられている。そして、これら各テープスイッチ16,16および16にも、個別の識別符号が付されており、例えば基準位置Paに近いものから順にTS1,TS2およびTS3という当該識別符号が付されている。これ以降、これら各テープスイッチ16,16および16についても、それぞれの識別符号TS1,TS2およびTS3を用いて表現することがある。併せて、TS1という識別符号が付されたテープスイッチ16については、第1テープスイッチTS1と表現し、TS2という識別符号が付されたテープステップS16については、第2テープスイッチTS2と表現し、TS3という識別符号が付されたテープスイッチ16については、第3テープスイッチTS3と表現することがある。
なお、計量台12の基準位置Paから各テープスイッチTS1,TS2およびTS3までの距離L5,L7およびL9は、車両50の各車軸間距離Ld,Le,LfおよびLgとの兼ね合い、特に第1軸−第2軸間距離Ldおよび第2軸−第3軸間距離Leとの兼ね合い、を含め、上述した第1状態〜第4状態という4つの状態が順次形成されるように設定されている。また、それぞれのテープスイッチTS1,TS2およびTS3の長さ寸法L11は、車両50のトレッドLbよりも大きく、かつ、計量台12の有効幅寸法L3よりも小さい(Lb<L11<L3)。要するに、各テープスイッチTS1,TS2およびTS3は、車両50が計量台12上を移動する際に必ず全ての車輪52,52,…によって踏まれるような長さ寸法L11ならびに設置位置とされている。
これら各テープスイッチTS1,TS2およびTS3は、それぞれの取付面である一方主面を計量台12の上面に密着させると共に、それぞれの押下面である他方主面を上方に向けた状態にある。そして、当該各テープスイッチTS1,TS2およびTS3は、それぞれの押下面に一定以上の荷重が加えられたときに、つまり車両50のいずれかの車輪56によって踏まれたときに、オンし、それ以外のときは、オフとなる。これら各テープスイッチTS1,TS2およびTS3もまた、計量プロセッサ30に接続されている。そして、当該各テープスイッチTS1,TS2およびTS3は、それぞれのオン/オフ状態を表す接点信号St1,St2およびSt3を出力し、これらの接点信号St1,St2およびSt3は、計量プロセッサ30に入力される。
さらに、図示は省略するが、車両50の移動方向における計量台12の少し手前(図1における左側)に、諸元情報取得手段としてのカードリーダが配置されている。このカードリーダは、車両50の管理者(運転手や管理責任者等)が所持している諸元情報記憶手段としてのカードから、それに記憶されている当該車両50に関する諸元情報Dsを読み取るためのものである。このカードリーダもまた、計量プロセッサ30に接続されており、当該カードリーダによって読み取られた諸元情報Dsは、計量プロセッサ30に入力される。なお、諸元情報Dsとしては、車両50のホイールベースLaや各車軸間距離各車軸間距離Ld,Le,LfおよびLg等が含まれている。また、ここで言うカードとしては、例えば磁気ストライプカードやIC(Integrated Circuit)カードが採用可能であり、特にRFID(Radio Frequency IDentification)タグが組み込まれた非接触型ICカードが好適である。勿論、このカードの仕様に合わせて、カードリーダの仕様も決まる。
一方、改めて図2を参照して、計量プロセッサ30は、各ロードセルLC1〜LC4からの各アナログ荷重検出信号W1A〜W4Aが個別に入力される増幅手段としての増幅回路31a〜31dを有している。これら各増幅回路31a〜31dに入力された各アナログ荷重検出信号W1A〜W4Aは、当該各増幅回路31a〜31dによって適当に増幅された後、個別のアナログ/デジタル変換手段としてのA/D変換回路32a〜32dに入力される。各A/D変換回路32a〜32dは、それぞれに入力されたアナログ荷重検出信号W1A〜W4Aを互いに共通のクロック信号に同期してサンプリングすることでデジタル荷重検出信号W1D〜W4Dに変換する。なお、各A/D変換回路32a〜32dによるサンプリング周期は、上述した計量台12上を移動する車両50の当該計量台12上におけるその時々の位置に応じた各デジタル荷重検出信号W1D〜W4Dを忠実に得るべく、比較的に短めに設定され、例えば1ms〜10ms(周波数換算で1kHz〜100Hz)程度とされ、好ましくは1msとされる。また、各アナログ荷重検出信号W1A〜W4Aに含まれる雑音成分、特に回路雑音等の電気的な条件に起因する比較的に高い周波数の雑音成分、を除去するべく、各A/D変換回路32a〜32dの前段に、つまり各増幅回路31a〜31dの入力側または出力側に、適当なアナログフィルタ回路(ローパスフィルタ回路)が設けられてもよい。
各A/D変換回路32a〜32dによって変換された後の各デジタル荷重検出信号W1D〜W4Dは、入出力インタフェース(I/O)回路33を介して、演算手段としてのCPU(Central
Processing Unit)34に入力される。併せて、CPU34には、入出力インタフェース回路33を介して、各テープスイッチTS1,TS2およびTS3からの接点信号St1,St2およびSt3と、カードリーダからの諸元情報Dsと、が入力される。
CPU34は、これに付随されたメモリ回路36に記憶されている制御プログラムに従って動作する。このCPU34の動作については、後で詳しく説明する。さらに、CPU34には、入出力インタフェース回路33を介して、命令入力手段としての操作キー38と、情報出力手段としてのディスプレイ40と、が接続されている。これら操作キー38およびディスプレイ40は、互いに一体化されたものでもよく、例えばタッチスクリーンであってもよい。なお、図示は省略するが、CPU34には、入出力インタフェース回路33を介して、電光掲示板やプリンタ等の外部装置も接続可能である。
さて、本第1実施形態の車両計量装置によれば、上述の如く車両50の総重量値Wtとそれぞれの車軸の軸重値W〈n〉(n=1〜5)とが求められる。
その手順としてまず、車両50が計量台12上に乗り込む前に、上述のカードに記憶されている諸元情報Dsがカードリーダによって読み取られる。読み取られた諸元情報Dsは、計量プロセッサ30に入力され、ひいてはCPU34に入力される。これにより、CPU34は、これから計量対象となる車両50の諸元情報Dsを認識する。その上で、車両50が計量台12上に乗り込み、例えば図4に示す如く当該計量台12上に全ての車輪56,56,…を同時に載置させた状態となる。
この図4に示す状態においては、車両50の総重量値Wtに応じた荷重が、計量台12上における当該車両50の位置、厳密には各車輪56,56,…の位置、に応じた比率で、各ロードセルLC1〜LC4に分散印加される。各ロードセルLC1〜LC4は、上述の如く自身に印加される荷重の大きさに応じた電圧を持つアナログ荷重検出信号W1A,W2A,W3AおよびW4Aを出力し、これらのアナログ荷重検出信号W1A,W2A,W3AおよびW4Aは、計量プロセッサ30に入力される。そして、当該計量プロセッサ30内において、各アナログ荷重検出信号W1A,W2A,W3AおよびW4Aは、適当に増幅され、さらにデジタル荷重検出信号W1D〜W4Dに変換された後、CPU34に入力される。
CPU34は、各デジタル荷重検出信号W1D〜W4Dが入力されるたびに、つまり上述したサンプリング周期ごとに、これら各デジタル荷重検出信号W1D〜W4Dに含まれる雑音成分、特に振動雑音等の機械的な条件に起因する比較的に低い周波数の雑音成分、を除去するべく、当該各デジタル荷重検出信号W1D〜W4Dに対して移動平均処理等の適当なデジタルフィルタリング処理を施す。その上で、CPU34は、これらのデジタルフィルタリング処理後の言わば処理後荷重信号W1〜W4を合算することで、つまり次の式1に基づいて、計量台12上に印加されている荷重の大きさを表す言わば負荷荷重値W0を求める。なお、説明の便宜上、各処理後荷重信号W1〜W4は、それぞれに対応するロードセルLC1〜LC4への印加荷重値そのものを表し、言い換えれば当該ロードセルLC1〜LC4による荷重検出値そのものを表すものとする。即ち、各デジタル荷重検出信号W1D〜W4Dには、計量台12の重量による荷重成分のように最初から各ロードセルLC1〜LC4に印加されている初期荷重成分や温度ドリフトによる零点変動成分等が含まれているが、これらの成分は、各処理後荷重信号W1〜W4が求められる際に排除されているものとする。
《式1》
W0=W1+W2+W3+W4
CPU34は、この式1に基づく負荷荷重値W0を、各処理後荷重信号W1〜W4が得られるたびに、つまり上述のサンプリング周期ごとに、求める。そして、求められた負荷荷重値W0を、ディスプレイ40に表示する。なお、ディスプレイ40に表示される負荷荷重値W0は、当該サンプリング周期ごとにではなく、人間にとって読取可能な時間間隔で、例えば200ms程度の時間間隔で、更新される。また、当該ディスプレイ40に表示される負荷荷重値W0は、例えばその更新タイミングにおける負荷荷重値W0の瞬時値とされ、或いは、前回の更新タイミングから今回の更新タイミングまでの間の負荷荷重値W0の平均値とされる。さらに、上述した電光掲示板にも当該負荷荷重値W0が表示されてもよい。
併せて、CPU34は、前側の2つのロードセルLC1およびLC2を前側ロードセル群LC12という1つの集合体として取り扱い、この前側ロードセル群LC12を構成する各ロードセルLC1およびLC2に対応する処理後荷重信号W1およびW2を合算することで、つまり次の式2に基づいて、当該前側ロードセル群LC12への印加荷重値W12を求める。
《式2》
W12=W1+W2
これと同様に、CPU34は、後側の2つのロードセルLC3およびLC4を後側ロードセル群LC34という1つの集合体として取り扱い、この後側ロードセル群LC34を構成する各ロードセルLC3およびLC4に対応する処理後荷重信号W3およびW4を合算することで、つまり次の式3に基づいて、当該後側ロードセル群LC34への印加荷重値W34を求める。
《式3》
W34=W3+W4
なお、これら式2に基づく言わば前側印加荷重値W12および式3に基づく言わば後側印加荷重値W34もまた、上述の式1に基づく負荷荷重値W0と同様、サンプリング周期ごとに求められる。ただし、当該前側印加荷重値W12および後側印加荷重値W34は、ディスプレイ40(および電光掲示板)に表示されてもよいし、表示されなくてもよい。
車両50は、図4に示す状態で停止することなく、さらに前進(移動)する。このとき、当該車両50は、各ロードセルLC1〜LC4への振動等の影響を出来る限り軽減するべく、低速で前進し、例えば5km/h以下の速度で前進する。この過程で、車両50の各車輪56,56,…によって、第3テープスイッチTS3,第2テープスイッチTS2および第1テープスイッチTS1が、この順番で順次踏まれる。そして特に、車両50の第1軸の車輪56によって第1テープスイッチTS1が踏まれた状態、つまり当該車両50の第1軸の車輪56によって第1テープスイッチTS1がオンされた状態が、上述した第1状態とされる。この第1状態を、主に力学的要素に注目して図示すると、例えば図5のようになる。
この図5に示す第1状態によれば、車両50の総重量値Wtに応じた荷重が、計量台12上における当該車両50の位置、厳密には各車軸の位置、に応じた比率で、前側ロードセル群LC12および後側ロードセル群LC34に分散印加される。CPU34は、この第1状態にあるときの上述の式2に基づく前側印加荷重値W12を、第1状態時前側印加荷重値W12[1]として一時的にメモリ回路36に記憶する。併せて、当該第1状態にあるときの上述の式3に基づく後側印加荷重値W34を、第1状態時後側印加荷重値W34[1]として一時的にメモリ回路36に記憶する。
なお、CPU34は、この第1状態になったことを、次のようにして認識する。即ち、CPU34は、上述の式1に基づく負荷荷重値W0と所定の閾値Wzとを常に比較している。そして、当該負荷荷重値W0が所定の閾値Wzを超えた(W0>Wz)ときに、車両50が計量台12上に乗り込んだものと判断する。ここで言う所定の閾値Wzは、これと負荷荷重値W0との比較によって車両50が計量台12上に乗り込んだか否かを判断するのに適当な値であり、例えば0(ゼロ)よりも十分に大きくかつ本実施形態の車両重量装置の秤量Wmaxよりも十分に小さい値(0≪Wz≪Wmax)とされる。そして、CPU34は、車両50が計量台12上に乗り込んだものと判断してから初めて第1テープスイッチTS1がオンされたときに、厳密には当該第1テープスイッチTS1がオンになったことを表す接点信号St1が入力されたときに、第1状態になったものと認識する。
車両50は、この図5に示す第1状態を経て、さらに前進する。これにより、当該第1状態が解除されて、つまり第1テープスイッチTS1がオフされる。その後、車両50の第2軸の車輪56によって第2テープスイッチTS2が踏まれて、当該第2テープスイッチTS2がオンされる。この車両50の第2軸の車輪56によって第2テープスイッチTS2がオンされた状態が、上述した第2状態とされる。この第2状態を、主に力学的要素に注目して図示すると、例えば図6のようになる。
この図6に示す第2状態においても、図5に示した第1状態と同様、車両50の総重量値Wtに応じた荷重が、計量台12上における当該車両50の位置に応じた比率で、前側ロードセル群LC12および後側ロードセル群LC34に分散印加される。CPU34は、この第2状態にあるときの上述の式2に基づく前側印加荷重値W12を、第2状態時前側印加荷重値W12[2]として一時的にメモリ回路36に記憶すると共に、当該第2状態にあるときの上述の式3に基づく後側印加荷重値W34を、第2状態時後側印加荷重値W34[2]として一時的にメモリ回路36に記憶する。
なお、CPU34は、第1状態が解除されてから初めて第2テープスイッチTS2がオンされたときに、厳密には当該第2テープスイッチTS2がオンになったことを表す接点信号St2が入力されたときに、第2状態になったものと認識する。因みに、この第2状態にあるときの前側印加荷重値W12[2]は、第1状態時前側印加荷重値W12[1]とは異なる値であり、当該第2状態にあるときの後側印加荷重値W34[2]は、第1状態時後側印加荷重値W34[1]とは異なる値である。
車両50は、この図6に示す第2状態を経て、さらに前進する。これにより、当該第2状態が解除されて、つまり第2テープスイッチTS2がオフされる。その後、車両50の第3軸の車輪56によって第3テープスイッチTS3が踏まれて、当該第3テープスイッチTS3がオンされる。この車両50の第3軸の車輪56によって第3テープスイッチTS3がオンされた状態が、上述した第3状態とされる。この第3状態を、主に力学的要素に注目して図示すると、例えば図7のようになる。
この図7に示す第3状態においても、車両50の総重量値Wtに応じた荷重が、計量台12上における当該車両50の位置に応じた比率で、前側ロードセル群LC12および後側ロードセル群LC34に分散印加される。CPU34は、この第3状態にあるときの上述の式2に基づく前側印加荷重値W12を、第3状態時前側印加荷重値W12[3]として一時的にメモリ回路36に記憶すると共に、当該第3状態にあるときの上述の式3に基づく後側印加荷重値W34を、第3状態時後側印加荷重値W34[2]として一時的にメモリ回路36に記憶する。
なお、CPU34は、第2状態が解除されてから初めて第3テープスイッチTS3がオンされたときに、厳密には当該第3テープスイッチTS3がオンになったことを表す接点信号St3が入力されたときに、第3状態になったものと認識する。因みに、この第3状態にあるときの前側印加荷重値W12[3]は、第1状態時前側印加荷重値W12[1]および第2状態時前側印加荷重値W12[2]とは異なる値であり、当該第3状態にあるときの後側印加荷重値W34[3]は、第1状態時後側印加荷重値W34[1]および第2状態時後側印加荷重値W34[2]とは異なる値である。
車両50は、この図7に示す第3状態を経て、さらに前進する。これにより、当該第3状態が解除されて、つまり第3テープスイッチTS3がオフされる。その後、車両50の第4軸の車輪56によって改めて当該第3テープスイッチTS2がオンされる。この車両50の第4軸の車輪56によって第3テープスイッチTS3がオンされた状態が、上述した第4状態とされる。そして、この第4状態を、主に力学的要素に注目して図示すると、例えば図8のようになる。
この図8に示す第4状態においても、車両50の総重量値Wtに応じた荷重が、計量台12上における当該車両50の位置に応じた比率で、前側ロードセル群LC12および後側ロードセル群LC34に分散印加される。CPU34は、この第4状態にあるときの上述の式2に基づく前側印加荷重値W12を、第4状態時前側印加荷重値W12[4]として一時的にメモリ回路36に記憶すると共に、当該第4状態にあるときの上述の式3に基づく後側印加荷重値W34を、第4状態時後側印加荷重値W34[4]として一時的にメモリ回路36に記憶する。
なお、CPU34は、第3状態が解除されてから改めて第3テープスイッチTS3がオンされたときに、第4状態になったものと認識する。因みに、この第4状態にあるときの前側印加荷重値W12[4]は、第1状態時前側印加荷重値W12[1],第2状態時前側印加荷重値W12[2]および第3状態時前側印加荷重値W12[3]とは異なる値であり、当該第4状態にあるときの後側印加荷重値W34[4]は、第1状態時後側印加荷重値W34[1],第2状態時後側印加荷重値W34[2]および第3状態時後側印加荷重値W34[3]とは異なる値である。
このようにして第1状態時〜第4状態時の各前側印加荷重値W12[1]〜W12[4]および各後側印加荷重値W34[1]〜W34[4]が一時的に記憶された後、CPU34は、次の式4に基づいて、車両50の総重量値Wtを求める。
《式4》
Wt={(W12[1]+W34[1])+(W12[2]+W34[2])+(W12[3]+W34[3])+(W12[4]+W34[4])}/4
そして、CPU34は、この式4に基づく車両50の総重量値Wtを、一定期間(例えば数秒間〜数十秒間)にわたってディスプレイ40に表示する。このとき併せて、当該総重量値Wtは、上述した電光掲示板にも表示されてもよいし、プリンタによって印刷されてもよい。
ここで、改めて図5を参照して、この図5に示す第1状態にあるときの前側ロードセル群LC12による支持位置を中心とするモーメントに注目すると、次の式5が成立する。
《式5》
L5・W〈1〉+(L5+Ld)・W〈2〉+(L5+Ld+Le)・W〈3〉+(L5+Ld+Le+Lf)・W〈4〉+(L5+La)・W〈5〉=L1・W34[1]
where La=Ld+Le+Lf+Lg
この式5において、W〈1〉,W〈2〉,W〈3〉,W〈4〉およびW〈5〉は、それぞれ車両50の第1軸,第2軸,第3軸,第4軸および第5軸の軸重値である。そして、車両50のホイールベースLaを含む各車軸間距離La,Ld,Le,LfおよびLgは、上述した諸元情報Dsから認識される。なお、計量台12の有効長さ寸法L1は、既知であり、当該計量台12の基準位置Paから第1テープスイッチTS1までの距離L5もまた、既知である。
これと同様に、改めて図6を参照して、この図6に示す第2状態にあるときの前側ロードセル群LC12による支持位置を中心とするモーメントに注目すると、次の式6が成立する。なお、この式6において、計量台12の基準位置Paから第2テープスイッチTS2までの距離L7は、既知である。
《式6》
(L7−Ld)・W〈1〉+L7・W〈2〉+(L7+Le)・W〈3〉+(L7+Le+Lf)・W〈4〉+(L7+Le+Lf+Lg)・W〈5〉=L1・W34[2]
また同様に、改めて図7を参照して、この図7に示す第3状態にあるときの前側ロードセル群LC12による支持位置を中心とするモーメントに注目すると、次の式7が成立する。なお、この式7において、計量台12の基準位置Paから第3テープスイッチTS3までの距離L9は、既知である。
《式7》
{L9−(Ld+Le)}・W〈1〉+(L9−Le)・W〈2〉+L9・W〈3〉+(L9+Lf)・W〈4〉+(L9+Lf+Lg)・W〈5〉=L1・W34[3]
そして同様に、改めて図8を参照して、この図8に示す第4状態にあるときの前側ロードセル群LC12による支持位置を中心とするモーメントに注目すると、次の式8が成立する。
《式8》
{L9−(Ld+Le+Lf)}・W〈1〉+{L9−(Le+Lf)・W〈2〉+(L9−Lf)・W〈3〉+L9・W〈4〉+(L9+Lg)・W〈5〉=L1・W34[4]
さらに、全ての軸重値W〈1〉〜W〈5〉の合算値は、車両50の総重量値Wtと等価(W〈1〉+W〈2〉+W〈3〉+W〈4〉+W〈5〉=Wt)であり、つまり次の式9が成立する。
《式9》
W〈1〉+W〈2〉+W〈3〉+W〈4〉+W〈5〉=Wt
where Wt={(W12[1]+W34[1])+(W12[2]+W34[2])+(W12[3]+W34[3])+(W12[4]+W34[4])}/4
CPU34は、これら式5〜式9の5つの式から成る連立方程式を解くことで、車両50の各軸重値W〈1〉〜W〈5〉を求める。そして、これら各軸重値W〈1〉〜W〈5〉を、上述の式4に基づく車両50の総重量値Wtと共に、一定期間にわたってディスプレイ40に表示する。なお、これら各軸重値W〈1〉〜W〈5〉についても、上述した電光掲示板に表示されてもよいし、プリンタによって印刷されてもよい。
このようにして車両50の総重量値Wtと各軸重値W〈1〉〜W〈5〉とが求められる一方で、当該車両50は、前進し続ける。これにより、図4に示した第4状態が解除されて、つまり第3テープスイッチTS3がオフされる。そして、最終的に車両50が計量台12上から降りて、上述の式1に基づく負荷荷重値W0が所定の閾値Wz以下(W0≦Wz)となる。これをもって、一連の計量作業が終了する。
この一連の計量作業において、CPU34は、図9のフローチャートに従う計量タスクを実行する。なお、図示を含む詳しい説明は省略するが、CPU34は、計量タスクとは別のタスクを実行することで、上述の式1に基づく負荷荷重値W0と、式2に基づく前側印加荷重値W12と、式3に基づく後側印加荷重値W34と、をサンプリング周期ごとに求めている。そして、このうちの式1に基づく負荷荷重値W0が所定の閾値Wzを超えたときに、計量タスクに入る。
この計量タスクに入ると、まず、CPU34は、ステップS1において、第1テープスイッチTS1がオンされたか否かを判定する。ここで、第1テープスイッチTS1がオンされると、CPU34は、第1状態になったものと認識して、当該ステップS1からステップS3に進む。そして、このステップS3において、その時点での式2に基づく前側印加荷重値W12を、第1状態時前側印加荷重値W12[1]として一時的にメモリ回路36に記憶すると共に、同時点での式3に基づく後側印加荷重値W34を、第1状態時後側印加荷重値W34[1]として一時的にメモリ回路36に記憶する。
続いて、CPU34は、ステップS5に進み、第2テープスイッチTS2がオンされたか否かを判定する。ここで、第2テープスイッチTS2がオンされると、CPU34は、第2状態になったものと認識して、当該ステップS5からステップS7に進む。そして、このステップS7において、その時点での式2に基づく前側印加荷重値W12を、第2状態時前側印加荷重値W12[2]として一時的にメモリ回路36に記憶すると共に、同時点での式3に基づく後側印加荷重値W34を、第2状態時後側印加荷重値W34[2]として一時的にメモリ回路36に記憶する。
さらに、CPU34は、ステップS9に進み、第3テープスイッチTS3がオンされたか否かを判定する。ここで、第3テープスイッチTS3がオンされると、CPU34は、第3状態になったものと認識して、当該ステップS9からステップS11に進む。そして、このステップS11において、その時点での式2に基づく前側印加荷重値W12を、第3状態時前側印加荷重値W12[3]として一時的にメモリ回路36に記憶すると共に、同時点での式3に基づく後側印加荷重値W34を、第3状態時後側印加荷重値W34[3]として一時的にメモリ回路36に記憶する。
この後、CPU34は、ステップS13に進み、第3テープスイッチTS3がオフされたか否かを判定する。ここで、第3テープスイッチTS3がオフされると、CPU34は、第3状態が解除されたものと認識して、当該ステップS13からステップS15に進む。そして、このステップS15において、改めて第3テープスイッチTS3がオンされたか否かを判定する。
ステップS15において、改めて第3テープスイッチTS3がオンされると、CPU34は、第4状態になったものと認識して、当該ステップS15からステップS17に進む。そして、このステップS17において、その時点での式2に基づく前側印加荷重値W12を、第4状態時前側印加荷重値W12[4]として一時的にメモリ回路36に記憶すると共に、同時点での式3に基づく後側印加荷重値W34を、第4状態時後側印加荷重値W34[4]として一時的にメモリ回路36に記憶する。
その上で、CPU34は、ステップS19に進み、上述の式4に基づいて、車両50の総重量値Wtを求める。さらに、CPU34は、ステップS21に進み、上述の式5〜式9の5つの式から成る連立方程式を解くことで、当該車両50の各軸重値W〈1〉〜W〈5〉を求める。そして、CPU34は、ステップS23に進み、先の該ステップS19で求められた車両50の総重量値Wtと、ステップS21で求められた各軸重値W〈1〉〜W〈5〉とを、一定期間にわたってディスプレイ40に表示する。このとき併せて、当該車両50の総重量値Wtと各軸重値W〈1〉〜W〈5〉とは、上述した電光掲示板に表示されてもよいし、プリンタによって印刷されてもよい。
これをもって、CPU34は、一連の計量タスクを終了する。
以上のように、本第1実施形態によれば、車両50が第1状態〜第4状態という予め定められた4つの状態になるときのタイミングが計られ、このタイミングでの各ロードセルLC1〜LC4からのデジタル荷重検出信号W1〜W4(厳密には前側印加荷重値W12[1]〜W12[4]および後側印加荷重値W34[1]〜W34[4])と、同タイミングでの計量台12上の前後方向における車両50の位置と、に基づいて、当該車両50の重量情報としての特に各軸重値W〈1〉〜W〈5〉が求められる。ここで、それぞれのタイミングでの計量台12上の前後方向における車両50の位置は、当該計量台12の基準位置Paから各テープスイッチTS1,TS2およびTS3までの距離L5,L7およびL9と、車両50のホイールベースLaを含む各車軸間距離La,Ld,Le,LfおよびLgと、によって導き出され、言わば既知化されている。従って、計量台上の任意の位置に置かれた車両の当該位置を検出する必要のある上述した第1の従来技術および第2の従来技術とは異なり、当該位置を検出するための手段を設ける必要はなく、また、その手間も掛からない。ゆえに、従来よりもスムーズにかつ低コストで車両50の重量情報を求めることができる。
なお、本第1実施形態で説明した内容は、本発明の1つの具体例であり、本発明の範囲を限定するものではない。
例えば、各ロードセル14,14,…として、ダブルコンベックス型のものが採用されたが、これに限らず、シングルコンベックス型のものや他の形状の起歪体を有するものが採用されてもよい。また、当該各ロードセル14,14,…の数は、4つとされたが、これ以外の数であってもよい。さらに、当該各ロードセル14,14,…は、アナログ式のものではなく、デジタル式のものであってもよい。この場合は、各ロードセル14,14,…から直接的にデジタル荷重検出信号W1D〜W4Dが出力されるので、図2に示した計量プロセッサ30内の各増幅回路31a〜31dおよび各A/D変換回路32a〜32dは不要となる。
加えて、上述の式5〜式8は、前側ロードセル群LC12による支持位置を中心とするモーメントの釣り合い式であるが、これに代えて、後側ロードセル群LC34による支持位置を中心とするモーメントの釣り合い式が採用されてもよい。勿論、これ以外の式が採用されてもよい。
さらに、それぞれの車輪56に注目すると、当該車輪56は、図10に誇張して示すように、或る程度の大きさの接地面を有しており、特に接地長Ltを有している。従って例えば、図5に示した第1状態になった瞬間、つまり車両50の第1軸の車輪56によって第1テープスイッチTS1がオンされた瞬間、においては、当該第1軸の車輪56の中心(軸心)Oaは、第1テープスイッチTS1の設置位置よりも接地長Ltの半分(=Lt/2)に相当する分だけ計量台12の後側にある。ゆえに厳密には、計量に当たって、特に各軸重値W1〈1〉〜W〈5〉の算出に当たっては、この言わばズレ量Lt/2を補償する必要がある。具体的には、上述の式5における距離L5に当該ズレ量Lt/2が加算される。なお、この補償に用いられるズレ量Lt/2(または接地長Lt)は、例えばその実測値または設計値が上述した諸元情報Dsの1つとして与えられる。そして、図6〜図8に示した第2状態〜第4状態のそれぞれについても、これと同様の要領で補償が成される。即ち、上述の式6における距離L7にズレ量Lt/2が加算され、式7における距離L9に当該ズレ量Lt/2が加算され、式8における距離L9にも当該ズレ量Lt/2が加算される。その上で、これらの補償後の式5〜式8と上述の式9とから成る連立方程式に基づいて、各軸重値W〈1〉〜W〈5〉が求められる。
このような補償に代えて、次のような処置が講ぜられてもよい。即ち、上述の如くそれぞれの車輪56が或る程度の接地長Ltを有していることを鑑みると、例えば図5に示した第1状態、つまり車両50の第1軸の車輪56によって第1テープスイッチTS1がオンされている状態は、瞬時的にのみ形成されるのではなく、或る程度の期間にわたって継続的に形成される。そして、この第1状態が継続的に形成されている期間中に、上述の式2に基づく前側印加荷重値W12が複数回にわたって求められると共に、式3に基づく後側印加荷重値W34もまた複数回にわたって求められる。そこで、当該期間中に求められた複数の前側印加荷重値W12の平均値が第1状態時前側印加荷重値W12[1]として一時的に記憶されると共に、当該期間中に求められた複数の後側印加荷重値W34の平均値が第1状態時後側印加荷重値W34[1]として一時的に記憶される。これと同様に、図6〜図8に示した第2状態〜第4状態のそれぞれについても、言わば平均化された前側印加荷重値W12[2]〜W12[4]および後側印加荷重値W34[2]〜W34[4]が求められ、一時的に記憶される。そして、これらの平均化された前側印加荷重値W12[1]〜W12[4]および後側印加荷重値W34[1]〜W34[4]が上述の式5〜式9に適用され、その上で、当該式5〜式9から成る連立方程式に基づいて、各軸重値W〈1〉〜W〈5〉が求められてもよい。
そしてさらに、図1に示した構成によれば、それぞれのテープスイッチTS1,TS2およびTS3が必ず全ての車輪56,56,…によって踏まれるが、つまりはそうなるように当該それぞれのテープスイッチTS1,TS2およびTS3の長さ寸法L11(Lb<L11<L3)ならびに設置位置が決められているが、これに限らない。即ち、それぞれのテープスイッチTS1,TS2およびTS3は、少なくとも左側の全車輪56,56,…または右側の全車輪56,56,…のみによって踏まれるようにすればよく、つまりはそうなるように当該それぞれのテープスイッチTS1,TS2およびTS3の長さ寸法L11ならびに設置位置が決定されればよい。
また、図1に示した構成では、第1〜第3の3つのテープスイッチTS1〜TS3が設けられたが、これに限らない。例えば、図11に示すように、第1〜第4の4つのテープスイッチTS1〜TS4が設けられてもよい。具体的には、計量台12の基準位置PaからそれぞれL13,L15,L17およびL19という所定の距離(L13>L15>L17>L19)を隔てた位置に、当該4つのテープスイッチTS1〜TS4が配置されてもよい。この場合は、車両50の第1軸の車輪56によって第1テープスイッチTS1がオンされた状態が、第1状態とされる。そして、当該車両50の第1軸の車輪56によって第2テープスイッチTS2がオンされた状態が、第2状態とされる。さらに、当該車両50の第1軸の車輪56によって第3テープスイッチTS3がオンされた状態が、第3状態とされる。そして、当該車両50の第1軸の車輪56によって第4テープスイッチTS4がオンされた状態が、第4状態とされる。この図11に示す構成によれば、図1に示した構成に比べて、テープスイッチ16の数が1つ増えるものの、当該図1に示した構成とは異なり、各テープスイッチ16,16,…の配置に際して車両50の各車軸間距離Ld,Le,LfおよびLgとの兼ね合いを考慮する必要はなく、言い換えれば当該各車軸間距離Ld,Le,LfおよびLgの如何に拘らず種々の車両50に柔軟に対応することができる。
これとは別に、例えば図12に示すように、第1および第2の2つのテープスイッチTS1およびTS4が設けられてもよい。具体的には、計量台12の基準位置PaからそれぞれL21およびL23という所定の距離(L21<L23)を隔てた位置に、当該2つのテープスイッチTS1およびTS2が配置されてもよい。この場合、車両50の第1軸の車輪56によって第1テープスイッチTS1がオンされた状態が、第1状態とされる。そして、車両50の第3軸の車輪56によって第2テープスイッチTS2がオンされた状態が、第2状態とされる。さらに、車両50の第4軸の車輪56によって第2テープスイッチTS2がオンされた状態が、第3状態とされる。そして、車両50の第5軸の車輪56によって第2テープスイッチTS2がオンされた状態が、第4状態とされる。この図12に示す構成によれば、図1に示した構成と同様、各テープスイッチ16および16の配置に際して車両50の各車軸間距離Ld,Le,LfおよびLgとの兼ね合いを考慮する必要はあるが、当該図1に示した構成と比べて、テープスイッチ16の数が1つ削減される。
さらに、テープスイッチ16に代えて、例えば図13に示すように、非接触式の物体検知センサ18が採用されてもよい。なお、この図13に示す構成は、図1に示した構成における各テープスイッチ16,16および16に代えて、これと同数の物体検知センサ18,18および18が採用されたものである。
具体的には、各物体検知センサ18,18,…は、互いに同一仕様の反射型の赤外線ビームセンサであり、それぞれ、計量台12の横方(例えば左横方)であって、当該計量台12の基準位置Paから上述したL5,L7およびL9という距離を隔て、かつ、当該計量台12の上面を含む平面からdという高さの位置に、配置されている。そして、これら各物体検知センサ18,18および18は、計量台12の中央側に向かって水平に赤外線ビームを発射すると共に、それぞれの当該赤外線ビームの中心軸が計量台12の幅方向に沿って延伸するように設けられている。なお、ここで言う高さ寸法dは、車両50の各車輪56,56,…の半径rよりも小さく、詳しくは当該車両50の最低地上高Lh(図3参照)よりも小さい(d<Lh<r)。また、各物体検知センサ18,18および18には、個別の識別符号が付されており、例えば計量台12の基準位置Paに近いものから順にPS1,PS2およびPS3という当該識別符号が付されている。これ以降、これら各物体検知センサ18,18および18については、それぞれの識別符号PS1,PS2およびPS3を用いて表現することがある。併せて、PS1という識別符号が付された物体検知センサ18については、第1物体検知センサPS1と表現し、PS2という識別符号が付された物体検知センサ18については、第2物体検知センサPS2と表現し、PS3という識別符号が付された物体検知センサ18については、第3物体検知センサPS3と表現することがある。
この図13に示す構成によれば、第1物体検知センサPS1によって車両50の第1軸の車輪56が検出されたとき(瞬間)が、第1状態とされる。そして、第2物体検知センサPS2によって車両50の第2軸の車輪56が検出されたときが、第2状態とされる。さらに、第3物体検知センサPS3によって車両50の第3軸の車輪56が検出されたときが、第3状態とされる。そして、当該第3物体検知センサPS3によって車両50の第4軸の車輪56が検出されたときが、第4状態とされる。
ただし例えば、第1状態になった瞬間、つまり第1物体検知センサPS1によって車両50の第1軸の車輪56が検出された瞬間、に注目すると、この第1状態になった瞬間の計量台12の前後方向における当該第1軸の車輪56の位置(軸心Oa)と、同方向における第1物体検知センサPS1の設置位置と、の間には、図14に示すようなズレΔLがある。即ち、第1状態になった瞬間の車両50の第1軸の車輪56の位置は、第1物体検知センサPS1の設置位置よりも当該ズレΔLに相当する分だけ計量台12の後側にある。従って、計量に当たっては、特に各軸重値W〈1〉〜W〈5〉の算出に当たっては、当該ズレΔLに応じた言わばズレ量を補償する必要があり、詳しくは上述の式5における距離L5に当該ズレ量ΔLが加算される。なお、このズレ量ΔLは、次の式10によって求められる。また、この式10における車輪56の半径rは、上述した諸元情報Dsの1つとして与えられる。
《式10》
ΔL=r・cosα
where α=sin−1{(r−d)/r}
第2状態〜第4状態のそれぞれについても、これと同様の要領で補償が成される。即ち、上述の式6における距離L7にズレ量ΔLが加算され、式7における距離L9に当該ズレ量ΔLが加算され、式8における距離L9にも当該ズレ量ΔLが加算される。その上で、これらの補償後の式5〜式8と上述の式9とから成る連立方程式に基づいて、各軸重値W〈1〉〜W〈5〉が求められる。
なお厳密には、図10に示したように、それぞれの車輪56が或る程度の大きさの接地面(接地長Lt)を有すること、つまりは当該それぞれの車輪56が自身の空気圧や自身への印加荷重に応じて変形していること、を鑑みると、この車輪56の変形分についても、ズレ量ΔLの補償に加味するのが望ましい。この場合は、図15を参照しつつ、次の式11に基づいて、当該ズレ量ΔLが求められる。なお、この式11における接地長Ltは、上述した諸元情報Dsの1つとして与えられる。
《式11》
ΔL=r・cosα’
where α’=sin−1{(r’−d)/r}
r’=r・cosβ
β=sin−1{(Lt/2)/r}
図10に示した構成においても同様に、各テープスイッチ16,16,…に代えて、これと同数の物体検知センサ18,18,…が採用されてもよい。勿論、図11に示した構成においても、各テープスイッチ16および16に代えて、これと同数の物体検知センサ18および18が採用されてもよい。
ここで言う物体検知センサ18は、反射型の赤外線ビームセンサに限らず、例えば透過型またはミラー反射型の赤外線ビームセンサであってもよい。勿論、赤外線ビーム以外の光ビームを用いるものであってもよいし、このような光学式のものではなく、例えば超音波を用いる超音波式のものや、それ以外の方式のものであってもよい。また、物体検知センサ18以外ものが、車両所定位置到達手段として採用されてもよい。
加えて、当該物体検知センサ18によって車輪56が検出されるのではなく、それ以外の特定の部分、例えば車両50の先端部分や後端部分が検出されてもよい。いずれの場合であっても、当該車両50の特定部分が精確に検出されると共に、第1状態〜第4状態の4つの状態が適切に認識されるように、適当数の物体検知センサ18が適宜の位置に設置されることが肝要である。
また、車両50として、5軸のセミトレーラを例に挙げたが、これに限らない。即ち、5軸以外のセミトレーラやフルトレーラ、さらにはトレーラ以外のトラックや乗用車等の計量にも、本発明を適用することができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図16〜図23を参照しながら説明する。
本第2実施形態に係る車両計量装置は、上述の第1実施形態における計量部10に代えて、図16に示す計量部100を備えるものである。なお厳密に言えば、計量プロセッサ30については、第1実施形態におけるのと基本的に同じものであるが、制御プログラム等の一部の構成が異なるので、この相違点に重点を置いて説明する。
改めて図16を参照して、計量部100は、計量台102と、この計量台102を支持する複数の、例えば4つの、荷重検出手段としてのロードセル104,104,…と、を備えている。さらに、計量台102は、概略矩形平板状の載置板106と、この載置板106の一方主面に配置された2つの傾斜台108および110と、から成る。
このうちの載置板106は、各傾斜台108および110が配置された側の一方主面を上面として真上に向けた状態にあり、他方主面を下面として真下に向けた状態にある。これら載置板106と各傾斜台108および110とから成る計量台102の上面には、後述する如く車両50が載置され、詳しくは当該車両50に属する全ての車輪56,56,…が同時に載置可能とされている。その際、車両50は、図16における左側から右側に向かう方向に移動することで、計量台102上に乗り込み、当該計量台102上に全ての車輪56,56,…を同時に載置させた状態を経て、その後、当該計量台102上から降りる。
なおここでは、車両50の移動方向に基づいて、計量台102の前後左右が定義される。即ち、計量台102に関して、車両50の移動方向に向かう側(図16における右側)が、当該計量台102の前側とされ、車両50の移動方向とは逆の方向に向かう側(図16における左側)が、当該計量台102の後側とされる。そして、車両50の移動方向に向かって左側(図16(b)における上側)が、計量台102の左側とされ、当該車両50の移動方向に向かって右側(図16(b)における下側)が、計量台102の右側とされる。
各傾斜台108および110は、計量台102の前後方向(長さ方向)において、つまり載置板106の前後方向において、互いに距離を隔てて配置されている。具体的には、一方の傾斜台108は、その前側の端縁を載置板106の前側端縁に揃えるように配置されており、他方の傾斜台110は、当該一方の傾斜台108の後側端縁と載置板106の後側端縁との間に配置されている。そして、これら各傾斜台108および110の各左右両側縁は、載置板106の左右両側縁に揃えられている。さらに、各傾斜台108および110の上面は、載置板106の後側から前側に向かうに連れて徐々に高くなるように、当該載置板106の前後方向において水平面に対してθという所定の角度を成して傾斜しており、互いに共通の仮想平面に接するように形成されている。なお、傾斜角θは、主に車両50のホイールベースLaを含む各車軸間距離Ld,Le,Lf,Lgおよび最低地上高Lhに応じて定められ、例えば1度〜2度とされている。また、当該各傾斜台108および110の上面は、載置板106の左右方向(幅方向)においては水平である。加えて、当該各傾斜台108および110のそれぞれの前後端縁部分は、適当な角度をもってスロープ状に形成されている。
このような載置板106と各傾斜台108および110とから成る計量台102の上面を上述の如く車両50が移動する際、当該車両50は、図17に示す状態と、図18に示す状態と、をこの順番で経由する。具体的には、図17に示す言わば第1の状態においては、車両50は、計量台102(載置板106)の上面のうち各傾斜台108および110が存在しない平坦な部分112および114に載置された状態となる。より具体的には、当該車両50の駆動車52のみに属する各車輪56,56,…が前側の平坦な部分112に載置され、荷台車54のみに属する各車輪56,56,…が後側の平坦な部分114に載置される。即ち、この第1状態においては、当該車両50は、水平姿勢となる。一方、図18に示す言わば第2の状態においては、車両50は、各傾斜台108および110の上面に載置された状態となる。より具体的には、当該車両50の駆動車52のみに属する各車輪56,56,…が前側の傾斜台108上に載置され、荷台車54のみに属する各車輪56,56,…が後側の傾斜台110上に載置される。即ち、この第2状態においては、当該車両50は、その前後方向において水平面に対して所定の角度θを成して言わば前上がりに傾斜する傾斜姿勢となる。
このように車両50が水平姿勢となる第1状態と当該車両50が傾斜姿勢となる第2状態とが1つの計量台102上で順次形成されるようにするために、当該計量台102の長さ寸法(厳密には有効長さ寸法)L31は、車両50のホイールベースLaよりも十分に大きく(L1>La)、つまり第1状態と第2状態とが順次形成されるのに必要かつ十分な大きさとされている。そして、計量台102の幅寸法(厳密には後述する有効幅寸法)L33は、車両50のトレッドLbよりも大きく(L33>Lb)、つまりは当該車両50が余裕を持って乗り降りするのに必要かつ十分な大きさとされている。さらに、前側の平坦部分112の長さ寸法L35は、駆動車52単体のホイールベース、つまり車両50全体の第1軸−第2軸間距離Ld、よりも大きい(L35>Ld)。そして、後側平坦部分114の長さ寸法(厳密には後述する当該後側平坦部分114の有効長さ寸法)L37は、荷台車54単体のホイールベース、つまり車両50全体の第3軸−第5軸間距離Lf+Lg、よりも大きい(L37>Lf+Lg)。また、前側傾斜台108のスロープ部分を除く上面の長さ寸法(厳密には上述した仮想平面に沿う方向における長さ寸法)L39は、駆動車52単体のホイールベースLdよりも大きい(L39>Ld)。そして、後側傾斜台110のスロープ部分を除く上面の長さ寸法(厳密には上述した仮想平面に沿う方向における長さ寸法)L41は、荷台車54単体のホイールベースLf+Lgよりも大きい(L41>Lf+Lg)。加えて、当該後側傾斜台110のスロープ部分を含む最大長さ寸法L43は、駆動車52と荷台車54との間の最短軸距、つまり車両50全体の第2軸−第3軸間距離Le、よりも小さい(L43<Le)。この計量台102を構成する載置板106と各傾斜台108および110とは、剛性の高い例えば金属製であり、併せて、図示しないリブ等の適当な補強部材によって補強されている。
このような計量台102を支持する各ロードセル104,104,…は、第1実施形態におけるのと同様のものであり、当該計量台102(載置板106)の四隅近傍を支持するように配置されている。そして、これら各ロードセル104,104,…には、個別の識別番号が付されている。具体的には、図16(b)に示すように、計量台102の左前隅近傍(図16(b)における右上隅近傍)に配置されているロードセル104に、LC10という識別符号が付されている。そして、計量台102の右前隅近傍(図16(b)における右下隅近傍)に配置されているロードセル104に、LC20という識別符号が付されている。さらに、計量台102の左後隅近傍(図16(b)における左上隅近傍)に配置されているロードセル104に、LC30という識別符号が付されている。そして、計量台102の右後隅近傍(図16(b)における左下隅近傍)に配置されているロードセル104に、LC40という識別符号が付されている。これ以降、各ロードセル104,104,…については、それぞれの識別符号LC10,LC20,LC30およびLC40を用いて表現することがある。
なお、計量台102の前後方向において、前側の2つのロードセルLC10およびLC20のそれぞれによる支持位置と、後側の2つのロードセルLC30およびLC40のそれぞれによる支持位置と、の間の距離が、当該計量台102の上述した有効長さ寸法L31である。そして、計量台102の左右方向において、左側の2つのロードセルLC10およびLC30のそれぞれによる支持位置と、右側の2つのロードセルLC20およびLC40のそれぞれによる支持位置と、の間の距離が、当該計量台102の上述した有効幅寸法L33である。さらに、計量台102の前後方向において、後側傾斜台110の後側端部と、後側の2つのロードセルLC30およびLC40のそれぞれによる支持位置と、の間の距離が、後側平坦部分114の有効長さ寸法L37である。加えて、計量台102の前後方向において、前側の各ロードセルLC10およびLC20のそれぞれによる支持位置が、当該計量台102の前後方向における基準位置Pbとされる。
各ロードセルLC10,LC20,LC30およびLC40は、計量プロセッサ30に接続される。その上で、当該各ロードセルLC10,LC20,LC30およびLC40は、計量台12を介して自身に印加される荷重の大きさに応じた電圧を持つアナログ荷重検出信号W10A,W20A,W30AおよびW40Aを出力し、これらのアナログ荷重検出信号W10A〜W40Aは、計量プロセッサ30に入力される。なお、計量プロセッサ30内においては、当該各アナログ荷重検出信号W10A〜W40Aは、第1実施形態におけるのと同様、適当に増幅され、さらにデジタル荷重検出信号W10D〜W40Dに変換された後、CPU34に入力される。
加えて、計量台12上には、第1実施形態におけるのと同様のテープスイッチ116が2つ設けられている。具体的には、図17に示した第1状態にあるときに車両50の第1軸の車輪56によって踏まれる適当な位置に、つまり前側平坦部分112における適当な位置に、一方のテープスイッチ116が設けられている。そして、図18に示した第2状態にあるときに車両50の第1軸の車輪56によって踏まれる適当な位置に、つまり前側傾斜台108の上面における適当な位置に、他方のテープスイッチ116が設けられている。なお、これら各テープスイッチ116および116は、計量台12の左右方向に沿って延伸するように、つまり互いに平行を成すように、設けられている。そして、計量台102の前後方向における上述した基準位置Pbから各テープスイッチ116および116までの距離L45およびL47(L47については厳密には上述の仮想平面に沿う方向における距離)は、既知である。
また、これら各テープスイッチ116および116にも、個別の識別符号が付されている。例えば、第1状態にあるときに踏まれるテープスイッチ116には、TS10という識別符号が付されている。そして、第2状態にあるときに踏まれるテープスイッチ116には、TS20という識別符号が付されている。これ以降、これら各テープスイッチ116および116については、それぞれの識別符号TS10およびTS20を用いて表現することがある。併せて、TS10という識別符号が付されたテープスイッチ116については、第1テープスイッチTS10と表現し、TS20という識別符号が付されたテープスイッチ116については、第2テープスイッチTS20と表現することがある。
そして、これら各テープスイッチTS10およびTS20もまた、第1実施形態におけるのと同様、計量プロセッサ30に接続されている。即ち、当該各テープスイッチTS10およびTS20は、それぞれのオン/オフ状態を表す接点信号St10およびSt20を出力し、これらの接点信号St10およびSt20は、計量プロセッサ30に入力され、ひいてはCPU34に入力される。
さらに、車両50の移動方向における計量台102の少し手前(図16における左側)に、上述したカードリーダが配置されている。
さて、本第2実施形態の車両計量装置によれば、車両50の重量情報として、その総重量値Wtと前後方向における重心Gの位置とが求められる。
その手順としてまず、第1実施形態と同様、車両50が計量台102上に乗り込む前に、上述したカードに記憶されている諸元情報Dsがカードリーダによって読み取られる。読み取られた諸元情報Dsは、計量プロセッサ30に入力され、ひいてはCPU34に入力される。その上で、車両50が計量台12上に乗り込む。そして、車両50は、計量台12上で停止することなく前進し、好ましくは例えば5km/h以下の低速で前進する。
その一方で、CPU34は、各ロードセルLC10〜LC40からの各デジタル荷重検出信号W10D〜W40Dが入力されるたびに、つまりサンプリング周期ごとに、これら各デジタル荷重検出信号W10D〜W40Dに対して上述のデジタルフィルタリング処理を施す。その上で、CPU34は、これらのデジタルフィルタリング処理後の言わば処理後荷重信号W10〜W40を合算することで、つまり上述の式1に準拠する次の式12に基づいて、計量台102上への印加荷重値である負荷荷重値W00を求める。なお、説明の便宜上、各処理後荷重信号W10〜W40は、それぞれに対応するロードセルLC10〜LC40への印加荷重値そのものを表し、言い換えればそれぞれのロードセルLC10〜LC40による荷重検出値そのものを表すものとする。即ち、各デジタル荷重検出信号W10D〜W40Dには、計量台12の重量による荷重成分のように最初から各ロードセルLC10〜LC40に印加されている初期荷重成分や温度ドリフトによる零点変動成分等が含まれているが、これらの成分は、各処理後荷重信号W10〜W40が求められる際に排除されているものとする。
《式12》
W00=W10+W20+W30+W40
CPU34は、この式12に基づく負荷荷重値W00を、各処理後荷重信号W10〜W40が得られるたびに、つまりサンプリング周期ごとに、求める。そして、求められた負荷荷重値W00を、ディスプレイ40に表示する。なお、ディスプレイ40に表示される負荷荷重値W00は、当該サンプリング周期ごとにではなく、人間にとって読取可能な時間間隔で、例えば200ms程度の時間間隔で、更新される。また、当該ディスプレイ40に表示される負荷荷重値W00は、例えばその更新タイミングにおける負荷荷重値W00の瞬時値とされ、或いは、前回の更新タイミングから今回の更新タイミングまでの間の負荷荷重値W00の平均値とされる。さらに、上述した電光掲示板にも当該負荷荷重値W00が表示されてもよい。
併せて、CPU34は、前側の2つのロードセルLC10およびLC20を前側ロードセル群LC120という1つの集合体として取り扱い、この前側ロードセル群LC120を構成する各ロードセルLC10およびLC20に対応する処理後荷重信号W10およびW20を合算することで、つまり上述の式2に準拠する次の式13に基づいて、当該前側ロードセル群LC120への印加荷重値W120を求める。
《式13》
W120=W10+W20
これと同様に、CPU34は、後側の2つのロードセルLC30およびLC40を後側ロードセル群LC340という1つの集合体として取り扱い、この後側ロードセル群LC340を構成する各ロードセルLC30およびLC40に対応する処理後荷重信号W30およびW40を合算することで、つまり上述の式3に準拠する次の式14に基づいて、当該後側ロードセル群LC340への印加荷重値W340を求める。
《式14》
W340=W30+W40
なお、これら式13に基づく言わば前側印加荷重値W120および式14に基づく言わば後側印加荷重値W340もまた、上述の式12に基づく負荷荷重値W00と同様、サンプリング周期ごとに求められる。ただし、当該前側印加荷重値W120および後側印加荷重値W340は、ディスプレイ40(および電光掲示板)に表示されてもよいし、表示されなくてもよい。
そして、車両50が、上述の如く計量台102上を低速で前進する過程で、図17に示した第1状態になると、つまり当該車両50の第1軸の車輪56によって第1テープスイッチTS10が踏まれてオンされると、このことが、CPU34によって認識される。具体的には、CPU34は、式12に基づく負荷荷重値W00と上述した閾値Wzとを常に比較しており、当該負荷荷重値W00が閾値Wzを超えた(W00>Wz)ときに、車両50が計量台102上に乗り込んだものと判断する。その後、初めて第1テープスイッチTS10がオンされたときに、厳密には当該第1テープスイッチ10がオンになったことを表す接点信号St10が入力されたときに、CPU34は、車両50が第1状態になったものと認識する。
この第1状態を、主に力学的要素に注目して図示すると、例えば図19のようになる。この図19に示す第1状態によれば、車両50の総重量値Wtに応じた荷重が、計量台102上における当該車両50の位置に応じた比率で、前側ロードセル群LC120および後側ロードセル群LC340に分散印加される。CPU34は、この第1状態にあるときの式13に基づく前側印加荷重値W120を、第1状態時前側印加荷重値W120[1]として一時的にメモリ回路36に記憶すると共に、当該第1状態にあるときの式14に基づく後側印加荷重値W340を、第1状態時後側印加荷重値W340[1]として一時的にメモリ回路36に記憶する。
また、この第1状態においては、次の式15の関係が成立する。なお、この式15において、Lxは、車両50の前後方向における当該車両50の第1軸と当該車両50の重心Gとの間の距離である。
《式15》
(L45+Lx)・Wt=L31・W340[1]
∴ Lx={(L31・W340)/Wt}−L45
where Wt=W120[1]+W340[1]
CPU34は、この式15に基づく距離Lxを、車両50の前後方向における重心位置を表す前後方向重心距離Lxとして求める。そして、求められた当該前後方向重心距離Lxを、一時的にメモリ回路36に記憶する。
なお、式15は、前側ロードセル群LC120による支持位置を中心とするモーメントに注目した釣り合い式であるが、これに代えて、後側ロードセル群LC340による支持位置を中心とするモーメントに注目した釣り合い式に基づいて、車両50の前後方向重心距離Lxが求められてもよい。
そして、車両50が、この第1状態を経て、図18に示した第2状態になると、つまり当該車両50の第1軸の車輪56によって第2テープスイッチTS20が踏まれてオンされると、このことが、CPU34によって認識される。具体的には、上述の式12に基づく負荷荷重値W00が所定の閾値Wzを超えた後、初めて第2テープスイッチTS20がオンされたときに、厳密には当該第2テープスイッチ20がオンになったことを表す接点信号St20が入力されたときに、CPU34は、車両50が第2状態になったものと認識する。
この第2状態を、主に力学的要素に注目して図示すると、例えば図20のようになる。この図20に示す第2状態においても、上述の第1状態と同様、車両50の総重量値Wtに応じた荷重が、計量台102上における当該車両50の位置に応じた比率で、前側ロードセル群LC120および後側ロードセル群LC340に分散印加される。CPU34は、この第2状態にあるときの上述の式13に基づく前側印加荷重値W120を、第2状態時前側印加荷重値W120[2]として一時的にメモリ回路36に記憶すると共に、当該第2状態にあるときの上述の式14に基づく後側印加荷重値W340を、第2状態時後側印加荷重値W340[2]として一時的にメモリ回路36に記憶する。
また、この第2状態においては、次の式16の関係が成立する。なお、この式16において、Hは、車両50の接地面を基準とする当該車両50の重心Gの高さである。
《式16》
{(L47+Lx+H・tanθ)・cosθ}・Wt=L31・W340[2]
∴ H=[{(L31・W340[2])/(Wt・cosθ)}−(L47+Lx)]/tanθ
CPU34は、この式16に基づいて、車両50の重心Gの高さHを求める。そして、求められた重心高さHを、一時的にメモリ回路36に記憶する。
なお、式16は、前側ロードセル群LC120による支持位置を中心とするモーメントに注目した釣り合い式であるが、これに代えて、後側ロードセル群LC340による支持位置を中心とするモーメントに注目した釣り合い式に基づいて、車両50の重心高さHが求められてもよい。
さらに、CPU34は、上述の式4に準拠する次の式17に基づいて、車両50の総重量値Wtを求める。
《式17》
Wt={(W120[1]+W340[1])+(W120[2]+W340[2])}/2
そして、CPU34は、この式17に基づく車両50の総重量値Wtを、上述の式15に基づく前後方向重心距離Lxと、式16に基づく重心高さHと、共に、一定期間(例えば数秒間〜数十秒間)にわたってディスプレイ40に表示する。また、これらの値Wt,LxおよびHは、上述した電光掲示板に表示されてもよいし、プリンタによって印刷されてもよい。
一方、車両50は、さらに前進して、計量台102上から降りる。これをもって、一連の計量作業が終了する。
このように、本第2実施形態によれば、車両50が第1状態および第2状態という予め定められた2つの状態になるときのタイミングが計られる。そして、このうちの第1状態になったときのタイミングでの各ロードセルLC1〜LC4からのデジタル荷重検出信号W1〜W4(厳密には第1状態時前側印加荷重値W120[1]および第1状態時後側印加荷重値W340[1])と、同タイミングでの計量台102上の前後方向における車両50の位置と、に基づいて、当該車両50の重量情報としての特にその前後方向における重心Gの位置を表す前後方向重心距離Lxが求められる。ここで、当該第1状態になったときのタイミングでの計量台102上の前後方向における車両50の位置は、当該計量台102の基準位置Pbから第1テープスイッチTS10までの距離L45によって導き出され、言わば既知化されている。そして、第2状態になったときのタイミングでのデジタル荷重検出信号W1〜W4(厳密には第2状態時前側印加荷重値W120[2]および第2状態時後側印加荷重値W340[2])と、同タイミングでの計量台102上の前後方向における車両50の位置と、に基づいて、当該車両50の重心Gの高さHが求められる。ここで、当該第2状態になったときのタイミングでの計量台102上の前後方向における車両50の位置は、当該計量台102の基準位置Pbから第2テープスイッチTS20までの距離L47によって導き出され、つまり既知化されている。従って、計量台上の任意の位置に置かれた車両の当該位置を検出する必要のある上述した第1の従来技術および第2の従来技術とは異なり、当該位置を検出するための手段を設ける必要はなく、また、その手間も掛からない。ゆえに、従来よりもスムーズにかつ低コストで車両50の重量情報を求めることができる。
また因みに、本第2実施形態によれば、特に第2従来技術と比べて、次のような利点がある。即ち、第2従来技術においても、上述の如く車両の重心高さが求められるが、当該第2従来技術では、車両が牽引自動車である場合に、対応することができない。なぜならば、第2従来技術においては、車両の重心高さが求められるに当たって、当該車両の前輪が前輪載せ台に載せられるが、ここで、当該車両が牽引自動車である場合には、駆動車の前輪が前輪載せ台に載せられることになり、よって、当該駆動車は傾斜姿勢となるものの、当該駆動車とフレキシブルな連結機構で連結された荷台車は水平姿勢を保ち、つまり車両全体が水平姿勢とはならない。このため当然に、車両全体が傾斜姿勢にあるときの前後重心位置を求めることができず、また、当該車両全体の前後傾斜角を求めることもできない。従って、第2従来技術では、車両が牽引自動車である場合に、当該車両の重心高さを精確に求めることができず、つまり牽引自動車に対応することができない。これに対して、本第2実施形態によれば、図18(および図20)に示した第2状態において、車両50が牽引自動車であるとしても、当該車両50全体が傾斜姿勢となるので、その重心高さHを精確に求めることができる。要するに、本第2実施形態によれば、牽引自動車を含む各種の車両50に柔軟に対応することができる。
なお、本第2実施形態で説明した内容もまた、第1実施形態と同様、本発明の1つの具体例であり、本発明の範囲を限定するものではない。
例えば、ロードセル104,104,…の数は、4つに限らず、これ以外の数であってもよい。
また、テープスイッチ116に代えて、図13に示したのと同様の物体検知センサ18、或いは、その他のものが、車両所定位置到達手段として採用されてもよい。
さらに、車両50の前後方向における重心Gの位置(前後方向重心距離Lx)のみならず、当該車両50の左右方向における重心Gの位置が求められてもよい。そのために、例えば図21に示すように、計量台102の左横方(または右横方)であって、当該計量台102の前後方向における中央よりも少し後側寄りの位置に、つまりは車両50が上述した第1状態にあるときの当該車両50の側面の略中央に当たる位置に、車両左右方向位置検出手段としての距離センサ118が設置される。この距離センサ118は、自身の設置位置から第1状態にある車両50の側面までの距離Ls(図22参照)を測定するためのものである。このような距離センサ118としては、例えば赤外線レーザを利用した赤外線方式のものが採用される。この場合、当該距離センサ118は、計量台102の中央側に向かって水平に赤外線レーザを発射すると共に、当該赤外線レーザの中心軸が計量台102の幅方向に沿って延伸するように設けられる。そして、この距離センサ118は、計量プロセッサ30に接続されている。なお、当該距離センサ118としては、赤外線方式以外の光方式や超音波方式のもの等も採用可能である。
その一方で、CPU34は、前側の2つのロードセルLC10およびLC30を左側ロードセル群LC130という1つの集合体として取り扱い、この前側ロードセル群LC130を構成する各ロードセルLC10およびLC30からのデジタル荷重検出信号W10およびW30を合算することで、つまり次の式18に基づいて、当該左側ロードセル群LC130への印加荷重値W130を求める。
《式18》
W130=W10+W30
これと同様に、CPU34は、右側の2つのロードセルLC20およびLC40を右側ロードセル群LC240という1つの集合体として取り扱い、この右側ロードセル群LC240を構成する各ロードセルLC20およびLC40からのデジタル荷重検出信号W20およびW40を合算することで、つまり次の式19に基づいて、当該右側ロードセル群LC240への印加荷重値W240を求める。
《式19》
W240=W20+W40
ここで例えば、車両50の後方から見たときの第1状態を、主に力学的要素に注目して図示すると、図22のようになる。この図22に示す状態によれば、車両50の総重量値Wtに応じた荷重が、計量台12上の左右方向における当該車両50の位置に応じた比率で、左側ロードセル群LC130および右側ロードセル群LC240に分散印加される。そして、このときの左側ロードセル群LC130への印加荷重値W130を、第1状態時左側印加荷重値W130[1]とすると共に、右側ロードセル群LC240への印加荷重値W240を、第1状態時右側印加荷重値W240[1]とすると、次の式20の関係が成立する。
《式20》
L51・W01+(L51+Lb)・W02=L33・W240[1]
where L51=Ls+Li−L53
この式20において、L51は、計量台102の左右方向における左側ロードセル群LC130による支持位置と車両50の左側の車輪56,56,…の列の接地位置(中心位置)との間の距離である。そして、Lsは、上述した距離センサ118による測距値である。さらに、Liは、計量台102(車両50)の左右方向における車両50の左側側面と当該車両50の左側の車輪56,56,…の列の接地位置との間の距離であり、上述した諸元情報Dsの1つとして与えられる。そして、L53は、計量台102の左右方向における距離センサ118の設置位置と左側ロードセル群LC13による支持位置との間の距離であり、既知である。また、W01は、車両50の左側の車輪56,56,…への総合印加荷重値であり、W02は、当該車両50の右側の車輪56,56,…への総合印加荷重値である。そして、この式20と併せて、次の式21も成立する。
《式21》
W01+W02=W130[1]+W240[1]
CPU34は、これら式20および式21から成る連立方程式を解くことで、車両50の左側車輪56,56,…への総合印加荷重値W01と、当該車両50の右側車輪56,56,…への総合印加荷重値W02と、を求める。なお、式20は、左側ロードセル群LC130による支持位置を中心とするモーメントに注目した釣り合い式であるが、これに代えて、右側ロードセル群LC240による支持位置を中心とするモーメントに注目した釣り合い式が採用されてもよい。
さらに、図22の状態において、例えば車両50の左側車輪56,56,…の列の接地位置を中心とするモーメントに注目すると、次の式22が成立する。なお、この式22において、Lyは、車両50の左右方向における当該車両50の左側車輪56,56,…の列の接地位置と当該車両50の重心Gとの間の距離である。
《式22》
Ly・Wt=Lb・W02
∴ Ly=(Lb・W02)/Wt
また、車両50の左右方向における中心Pcを基準として、この中心Pcから当該車両50の重心Gまでの左右方向における距離をLzとすると、この距離Lzは、次の式23によって表される。
《式23》
Lz=Ly−(Lb/2)={(Lb・W02)/Wt}−(Lb/2)
即ち、CPU34は、この式23に基づく距離Lzを車両50の左右方向における重心位置を表す左右方向重心偏倚量として求める。そして、求められた左右方向重心偏倚量Lzを、メモリ回路36に一時的に記憶し、ひいては一定期間にわたってディスプレイ40に表示する。なお、この左右方向重心偏倚量Lzについても、上述した電光掲示板に表示されてもよいし、プリンタによって印刷されてもよい。
因みに、式23から分かるように、左右方向重心偏心量Lzが例えばLz=0のときは、車両50の重心Gは、当該車両50の左右方向における中心Pcに位置する。そして、左右方向重心偏倚量Lzが例えばLz<0(負数)のときは、車両50の重心Gは、当該車両50の中心Pcよりも左側に位置し、言わば左側偏心(偏荷重)状態にある。これとは反対に、左右方向重心偏倚量LzがLz>0(正数)のときは、車両50の重心Gは、当該車両50の中心Pcよりも右側に位置し、言わば右側偏心状態にある。
なお、上述の式22に代えて、例えば車両150の右側車輪56,56,…の列の接地位置を中心とするモーメントに注目した釣り合い式に基づいて、当該車両50の左右方向における右側車輪56,56,…の列の接地位置と重心Gとの間の距離が求められ、ひいては左右方向重心偏倚量Lzが求められてもよい。
またここでは、車両50が第1状態にあるときに、当該車両50の左右方向における重心Gの位置を表す左右方向重心偏倚量Lzが求められることとしたが、これに限らない。例えば、車両50が第2状態にあるときに、当該左右方向重心偏倚量Lzが求められてもよい。
さらに例えば、上述した車両所定位置到達手段としての2つのテープスイッチTS10およびTS20の少なくとも一方に代えて、比較的に高精度な距離センサが採用されると共に、この高精度距離センサが、ここで言う車両左右方向位置検出手段として兼用されてもよい。具体的には例えば、第1テープスイッチTS10に代えて、当該高精度距離センサが採用される、とすると、上述の図13を参照しながら説明したそれぞれの物体検知センサ18の設置要領と同じ要領で、当該第1テープスイッチTS10に代えての高精度距離センサが設置される。そして、この高精度距離センサによる測距値が急激に変化して、当該測距値が高精度距離センサの設置位置から車両50の第1軸の車輪56の外側面(エッジ部分)までの距離を表すものとして適当な値になったときに、第1状態が形成されたものと認識されると共に、このときの当該高精度距離センサによる測距値を用いて左右方向重心偏心量Lzが求められてもよい。
加えて例えば、図23に示すような構成とされることで、まず、第2状態が形成され、その後に、第1状態が形成されてもよい。この図23に示す構成によれば、上述の構成に比べて、各傾斜台108および110の高さ寸法が抑えられるので、その分、当該傾斜台108および110を含む計量台102上を車両50が移動する際の当該車両50の運転が容易になる。
10 計量部
12 計量台
14 ロードセル
16 テープスイッチ
30 計量プロセッサ
34 CPU
50 車両
54 車輪

Claims (4)

  1. 被計量物としての車両に属する全ての車輪が同時に載置可能な計量台と、
    上記計量台を支持すると共に該計量台を介して自身に印加される荷重を検出する複数の荷重検出手段と、
    上記車両が上記計量台上に上記全ての車輪を同時に載置させた状態で移動して該計量台上における所定位置に到達したときにこれを検出する車両所定位置到達検出手段と、
    上記車両所定位置到達検出手段によって上記車両が上記所定位置に到達したことが検出されたときの上記複数の荷重検出手段のそれぞれによる荷重検出値と上記計量台上における該所定位置に関する所定位置情報とに基づいて該車両の重量に関する重量情報を求める重量情報演算手段と、
    を具備する、車両計量装置。
  2. 上記重量情報演算手段は上記重量情報として上記車両に属する全ての車軸のそれぞれに印加される荷重を表す軸重情報を求める、
    請求項1に記載の車両計量装置。
  3. 上記重量情報演算手段は上記重量情報として上記車両の前後方向における重心の位置を表す前後方向重心位置情報を求める、
    請求項1に記載の車両計量装置。
  4. 上記計量台は自身に上記全ての車輪が同時に載置された状態にあるときに上記車両が傾斜姿勢となるように形成されており、
    上記重量情報演算手段は上記重量情報として上記車両の重心の高さを表す重心高さ情報を求める、
    請求項1に記載の車両計量装置。
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