JP5729346B2 - 両面剥離シート - Google Patents

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Description

本発明は、両面剥離シートに関し、剥離層形成後の巻き出し時におけるブロッキングによる表面の剥離層の脱落または転移といった欠陥の発生を防止し、粘着剤などを使用した際の粘着力低下を発生させない両面剥離シートに関するものである。
各種紙、ラミネート紙、合成フィルム、金属箔等の基材表面にオルガノポリシロキサン組成物の硬化層を形成させ、粘着性物質に対する剥離層として使用する方法はよく知られている。この場合、剥離性硬化皮膜を形成する方法として、ヒドロシリル化反応触媒の存在下、不飽和炭化水素基を有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させる付加反応型のオルガノポリシロキサン組成物(例えば、特許文献1)が広く用いられている。また、広範な用途のなかで、例えば両面テープや工程剥離紙といった用途において、基材の両面に剥離剤を塗工したものが使用されており、製造工程の簡略化、固定費の削減といった目的のために、両面の剥離剤を一工程で塗工する塗工機が用いられている。
一方、近年、安全・環境に対する配慮から、無溶剤型の剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物が広範な用途で使用されている。しかしながら、無溶剤型のオルガノポリシロキサン組成物は、一般に重量平均分子量範囲が2000〜30000と比較的小さく、かつ高級アルケニル官能基を比較的多量に持つことから、溶剤型に比べ、両面剥離シートとして、塗布、加熱硬化処理、そして巻き取り後、両面の剥離剤が接触した際に、剥離剤成分さらにはその下層の成分が反対面に転移し、剥離性能に異常をきたす、場合によってはピッキングによる欠陥が生ずるといった問題が起こり易い。このような問題の発生を防止する対策として、硬化反応の進み易いヘキセニル基を官能基として導入する(特許文献2)、またはアンチブロッキング剤としてシリコーンパウダー、疎水性球状シリカ粉末などの顔料成分を添加する(特許文献3〜5)といった対策が知られている。
しかしながら、両面剥離シートの上記オルガノポリシロキサン組成物層を形成した面の反対面に重剥離化剤としてレジン構造のシリコーンを添加した場合など、上記対策だけでは不十分な場合がある。また、アンチブロッキング剤の添加は、剥離剤との十分な密着性が得られないものが多く、構成上用途によっては加工工程でのアンチブロッキング剤の脱落、または粘着物質への転移といった問題を引き起こしていた。
特開昭47−32072号公報 特開平10−158519号公報 特開昭63−15848号公報 特開昭63−15849号公報 特開平7−331078号公報
本発明は、両面剥離シート製造後の巻き出し時におけるブロッキングによる剥離層の脱落または転移といった欠陥の発生を防止し、粘着剤などを使用した際の粘着力低下を発生させない両面剥離シートの提供を課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するため、基材上に設ける剥離層について種々検討し、本発明を完成するに至った。本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)基材の両面に硬化性オルガノポリシロキサンを主成分とする剥離剤を塗布、硬化させた両面剥離シートであって、前記基材の1方の面に設ける剥離層(第1剥離層)が、
(A)25℃におけるブルックフィールド型粘度計による粘度が20〜500mPa・sであり、ビニル基または炭素原子数3〜12の高級アルケニル基を1分子中に2以上含有する硬化性オルガノポリシロキサンを100質量部、
(B)ゲル透過クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が75000以上であるポリオルガノシロキサンガムを0.5〜20質量部、
(C)1分子中に2以上の珪素結合水素原子(Si−H)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび(D)白金系触媒を触媒量含有してなる硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化させたものであり、
前記剥離層(第1剥離層)を形成した面の反対面に設ける剥離層(第2剥離層)が、少なくともビニル基または炭素原子数3〜12の高級アルケニル基を1分子中に2以上含有する硬化性オルガノポリシロキサン、(C)1分子中に2以上の珪素結合水素原子(Si−H)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(D)白金系触媒を触媒量、および(E)SiO単位、(CHSiO1/2単位あるいはCH=CH(CHSiO1/2単位を有するレジン構造のオルガノポリシロキサン組成物含有し、硬化させたものである両面剥離シート。
(2)前記(A)成分の高級アルケニル基がヘキセニル基である(1)に記載の両面剥離シート。
(3)前記(B)成分の分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基により封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサンである(1)または(2)に記載の両面剥離シート。
(4)前記第1剥離層を形成する塗工液が無溶剤型もしくは有機溶剤含有量が50質量%未満の塗工液であり、25℃におけるブルックフィールド型粘度計による粘度が50〜500mPa・sである塗工液を塗布、硬化させることにより形成された(1)〜(3)のいずれか1項に記載の両面剥離シート。
本発明の剥離層を用いることにより、両面剥離シートの製造工程において本シートを巻き取った際に発生するブロッキングによる剥離層の脱落または転移といった欠陥の発生を防止することが可能となる技術に関するものである。特に、第1および第2の剥離層を1段階で同時に塗工した場合、第2剥離層がレジン構造オルガノポリシロキサン系重剥離コントロール剤を含有した剥離剤を使用した場合、または一般にヒドロシリル化反応の阻害物質となりがちである印刷インクの上に剥離剤を塗布し、熱硬化させた場合において有効である。さらに、オルガノポリシロキサンの熱硬化処理の比較的緩やかな状態での巻き取りが可能となることから熱硬化処理時間の短い、高速塗工での製造を行なった場合でも、上記のような問題の発生を抑制することが可能となる。
以下、本発明について実施形態を示して詳細に説明する。
本発明の第1剥離層を構成する主剤ポリマーである(A)成分は、典型的には、25℃におけるブルックフィールド型粘度計による粘度が25〜500mPa・sであるトリオルガノシロキシ末端基を有するポリジオルガノシロキサンポリマーを含む。この主剤ポリマーはRSiO2/2単位、RSiO1/2単位およびRSi単位を含むことが好ましい。ここで、各R基は独立に飽和又はエチレン性不飽和の炭化水素基を表す。但し、少なくとも二つのR基は末端にエチレン性不飽和炭化水素を含有する。このエチレン性不飽和炭化水素基は、ビニル基及び式−(CH−CH=CHで示される高級アルケニル基から成る群より独立に選択される。ここで、前記式中のmは1〜10の整数である。最も好適なエチレン性不飽和炭化水素基はヘキセニル基であり、最も好適な飽和炭化水素基はメチル基である。
主剤ポリマーに含まれるエチレン性不飽和炭化水素基の含有量は、特に制限されるものではないが0.1〜15.0質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%の範囲で適宜選択可能である。本発明は主剤ポリマーが硬化した際に(B)成分が塗布層表面に効果的にブリードアウトすることによる発明の効果を得るものである。したがって、エチレン性不飽和炭化水素基の含有量が多過ぎるとブリードアウトが阻害され、少な過ぎても効果的なブリードアウトが得られなくなる。
本発明においては、エチレン性不飽和オルガノポリシロキサンを珪素に結合した炭化水素基のみを有し、且つ線状であるものとして記載するが、本発明の範囲内では微量の非線状シロキサン単位、すなわちSiO4/2単位およびRSiO3/2単位(Rは上記と同じ)並びに微量の他の珪素結合基、例えばヒドロキシル及びアルコキシルが含まれていてもよい。
(B)成分のオルガノポリシロキサンガムは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量が約75000以上、好ましくは約150000以上、より好ましくは約300000以上のトリオルガノシロキシ末端基を有するポリジオルガノシロキサンポリマーである。これにはSiO2/2単位、RSiO1/2単位およびRSi単位が含まれる。ここで、Rは各々独立に飽和又はエチレン性不飽和の炭化水素基を表し、少なくとも二つのR基は末端にエチレン性不飽和炭化水素基を含有する。このエチレン性不飽和基は、ビニル基及び式−(CH−CH=CHで示される高級アルケニル基から成る群より独立に選択される。ここで、前記式中のmは1〜10の整数である。最も好適な飽和炭化水素基はメチル基である。
本発明においては、エチレン性不飽和オルガノポリシロキサンガムを珪素に結合した炭化水素基のみを有し、且つ線状であるものとして記載するが、本発明の範囲においては微量の非線状シロキサン単位、すなわちSiO4/2単位およびRSiO3/2 単位(Rは上記と同じ)並びに微量の他の珪素結合基、例えばヒドロキシル及びアルコキシルが含まれていてもよい。
オルガノポリシロキサンガムに含まれるエチレン性不飽和基の数は、1分子当たり最少で1個からその分子内に存在する珪素原子の平均合計数の最高で5.0モル%までの範囲にあることが好ましい。本発明は主剤ポリマーが硬化した際にオルガノポリシロキサンガムが塗布層表面に効果的にブリードアウトすることが好ましく、またオルガノポリシロキサンガムのエチレン性不飽和炭化水素基が、硬化時に架橋点を持つことにより脱落ないし移行し難いことが望ましい。したがって、より好適な条件はオルガノポリシロキサンガムの両末端にのみエチレン性不飽和炭化水素基が存在することである。
このオルガノポリシロキサンガムは、該組成物の0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10.0質量%、より好ましくは1.0〜5.0質量%で存在する。必要に応じ、例えば15質量%を上回る量のガムを使用することも可能であるが、このような多量のガムを添加すると一般に組成物の粘度が高くなり過ぎ、無溶剤塗布液としての使用が困難となるおそれがあり、また本シートを巻き取った際の反対面側、または粘着物質を貼り付けた際の粘着物質側への(B)成分の転移が多くなり、剥離力の異常が生じるおそれがある。
一般に剥離剤の剥離力を軽くするために、低官能または無官能のポリシロキサン類を添加し、これらが接触物に転移することにより剥離力を軽くする効果を得ている。これらの添加剤を使用した低剥離力シリコーンは、ブロッキングも良好となる傾向が見られるが、添加物の転移が、反対面の剥離力、残留接着力の低下を招くおそれがある。
(C)成分は、一分子中に2以上の珪素結合水素原子(Si−H)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、架橋剤である。該(C)成分は、好適には、1分子中に少なくとも3個の珪素原子結合水素原子を有することが好ましく、その結合位置は特に限定されないが、珪素原子結合水素原子の含有量はオルガノポリシロキサン組成物全体の0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。また、水素原子以外で、(C)成分が含有する珪素原子に結合する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基のアルキル基が例示され、メチル基であることが好ましい。また、前記有機基の分子構造としては、直鎖状、分岐鎖状、分岐環状が例示される。
(C)成分の25℃におけるブルックフィールド型粘度計による粘度は1〜1000mPa・sであり、好ましくは5〜500mPa・sである。これは、25℃における粘度が1mPa・s未満であると、(C)成分がオルガノポリシロキサン組成物中から揮発し易く、1000mPa・sを超えると、オルガノポリシロキサン組成物の硬化時間が長くなるためである。このような(C)成分として、具体的には、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体が例示される。なお、(C)成分として、2種以上のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを併用することができる。
(C)成分の配合量は、(A)成分および(B)成分中のエチレン性不飽和炭化水素基に対する(C)成分中のSiH基のモル比が0.5〜5となる量であり、好適には1〜3となる量である。SiH基のモル比が前記下限値より小さいと硬化性が低下し、前記上限値を超えると剥離抵抗が大きくなり、実用的な剥離性が得られなくなる場合がある。
(D)成分は白金系触媒であり、系中に存在する珪素原子結合アルケニル基と、珪素原子結合水素原子との付加反応(ヒドロシリル化反応)を促進する触媒である。好ましい白金系触媒として具体的には塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン錯体、塩化白金酸とケトン類との錯体、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯体、四塩化白金、白金微粉末、アルミナまたはシリカの担体に固体状白金を担持させたもの、白金黒、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のカルボニル錯体、これらの白金系触媒を含むメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂等の熱可塑性有機樹脂粉末の白金系触媒が例示される。特に、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体、塩化白金酸とテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンとの錯体、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン錯体等の白金アルケニルシロキサン錯体が好ましく使用できる。
(D)成分の添加量は触媒量であればよく、通常、本発明の第1剥離層を構成する硬化性オルガノポリシロキサン組成物の全体質量に対し、(D)成分が含有する白金系金属量で1〜1000ppmであり、5〜500ppmの範囲とすることが好ましい。
本発明の第1剥離層を構成する硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、上記成分以外に、常温下でのゲル化、硬化を抑制して保存安定性を向上させ、加熱硬化性とするために、(F)ヒドロシリル化反応抑制剤を含有することが好ましい。ヒドロシリル化反応抑制剤としては、アセチレン系化合物、エンイン化合物、有機窒素化合物、有機燐化合物、オキシム化合物が例示され、具体的には、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール(ETCH)等のアルキンアルコール;3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ブチン、3−メチル−3−トリメチルシロキシ−1−ペンチン、3,5−ジメチル−3−トリメチルシロキシ−1−ヘキシン、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;1−エチニル−1−トリメチルシロキシシクロヘキサン、ビス(2,2−ジメチル−3−ブチノキシ)ジメチルシラン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン等のアルケニルシロキサンが例示される。(F)ヒドロシリル化反応抑制剤の添加量は、通常、成分(A)100質量部当り0.001〜5質量部の範囲内であるが、本成分の種類、ヒドロシリル化反応触媒の性能と含有量、成分(A)中の高級アルケニル基の含有量、成分(C)中の珪素原子結合水素原子の量および所望の可使時間および作業環境に応じて適宜選択するとよい。
本発明の第1剥離層を構成する組成物は(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分および任意で(F)成分からなるものであり、特に、無溶剤型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物としての使用に適している。特に、無溶剤型で用いる場合、上記組成物は基材へのコーテイング性の点で、25℃における組成物全体のブルックフィールド型粘度計を用いNo.2またはNo.3ローターで回転数60rpmにおける粘度が50〜1000mPa・sの範囲にあることが好ましく、より好ましくは100〜500mPa・sである。
また、一般に溶剤型シリコーンは、無溶剤型に比べ分子鎖が長く、架橋密度が低い構造を有しており、無溶剤型に比べ硬化させた際の分子鎖の自由度が高い構造をしていると考えられる。そのため両面剥離シートとした際のブロッキングは、無溶剤型に比べ軽度となり、問題となり難い傾向が見られる。
そこで、薄塗り等を目的として、公知の有機溶剤を上記組成物に加え、または溶解させて使用することは可能である。該有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、オクタン、イソパラフィンなどの脂肪族系炭化水素溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの重合度3〜6の環状ポリシロキサン類、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、メチルペンタフルオロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素を例示することができる。
本発明にかかる硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、上記各成分以外に任意成分を添加することができる。例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物からなる接着促進剤;フェノール系、キノン系、アミン系、リン系、ホスファイト系、イオウ系、チオエーテル系などの酸化防止剤;トリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤;リン酸エステル系、ハロゲン系、リン系、アンチモン系などの難燃剤;カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などからなる1種類以上の帯電防止剤;耐熱剤、染料、顔料等の公知の添加剤を添加することができる。
一般に熱硬化性ポリオルガノシロキサンを主成分とする剥離層には剥離力を重くするための重剥離コントロール剤として、(E)SiO単位、(CHSiO1/2単位あるいはCH=CH(CHSiO1/2単位を有する、いわゆるレジン構造のオルガノポリシロキサンを添加することが広く用いられている。しかしながら、レジン構造のオルガノポリシロキサンを剥離層に添加すると剥離層に若干のタックが生じ、さらに熱硬化反応であるヒドロシリル化反応を抑制するなど、生産現場においてシートを巻き取った際のブロッキングが悪化する傾向があるが、本発明における剥離層は、特に反対面(第2剥離層)に上記レジン構造オルガノポリシロキサンを使用した際に、第1剥離層が無溶剤型剥離層である場合でもブロッキングを抑制する効果が得られる。
(E)レジン構造オルガノポリシロキサンを含有した熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物の配合としては、特に限定されるものではないが、少なくともビニル基または炭素原子数3〜12の高級アルケニル基を1分子中に2以上含有する硬化性オルガノポリシロキサン100質量部に対し、(C)1分子中に2以上の珪素結合水素原子(Si−H)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを0.1〜20質量部、(D)白金系触媒を触媒量、および上記レジン構造のオルガノポリシロキサン組成物の含有量を目標とする剥離力により1〜400質量部の範囲で添加したものである。
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を基材表面に塗工する方法として、浸漬、スプレー、グラビアコート、オフセットコート、オフセットグラビアコート、オフセット転写ロールコーター、5本ロールコーター等を用いたロールコート、リバースロールコート、エアナイフコート、カーテンフローコーター等を用いたカーテンコート、コンマコート、マイヤーバーその他公知の硬化層を形成する目的で使用される方法が制限なく使用できる。特に本発明における第1剥離層は無溶剤型であることが好ましく、その場合の塗工方法としては5本ロールコーターのような微量塗工が可能な方式が好ましい。
本発明の硬化性オルガノポリシロキサンの塗工量は用途に応じて適宜設定されるが、シート基材上で0.01〜20.0g/mとなる量が一般的であり、より好ましくは0.1〜3.0g/m程度である。
本発明における基材は特に限定されるものではないが、各種フィルム、紙など幅広く用いることが可能である。特に紙を基材とした場合は、ポリビニルアルコール、各種ラテックスなどのバインダーにより目止め処理を施したもの、クレーコート層を設けたもの、またはポリエチレンのようなフィルムなどによりラミネート処理を行なったものなど、剥離剤組成物を塗布した際に硬化性オルガノポリシロキサンが内部に浸透せず、基材表面にとどまるよう処理を行うことが望ましい。
更に剥離層と基材の間に印刷層を設けることも可能であり、本発明における硬化性オルガノポリシロキサンを用いることにより、印刷インクにより発生するブロッキング、インクの転移といった問題を抑制することが可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、それぞれ質量部及び質量%を示す。
(実施例1)
(第1剥離層の形成)
(A)分子鎖両末端および側鎖にビニル基を有するポリジメチルシロキサン(25℃におけるブルックフィールド型粘度計による粘度:250mPa・s)94.8質量部、(B)ゲル透過クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が470000である分子鎖末端がビニル基で封鎖されたジメチルシロキサン生ゴム3.0質量部、(C)25℃におけるブルックフィールド型粘度計による粘度が25mPa・sである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン4.0質量部、(D)白金触媒(商品名:「SRX−212」、東レ・ダウコーニング社製)1.5質量部の混合物を両面に部分ケン化ポリビニルアルコール(商品名:「PVA217」、クラレ社製)を合計2.0g/m塗工したグラシン紙(米坪:80g/m)のフェルト面側に5本ロールコーターを使用して1.0g/m塗布し、120℃のオーブンで30秒熱硬化処理を行い、第1剥離層を形成した。
(第2剥離層の形成)
第2剥離層として、溶剤型シリコーン(商品名:「KS776A」、信越化学社製)90質量部、シリコーンレジン系重剥離コントロール剤(商品名:「KS3800」、信越化学社製)10質量部、トルエン200質量部の混合物に白金触媒(商品名:「CAT−PL−50T」、信越化学社製)1.5質量部加えたものを上記グラシン紙の第1剥離層を形成した面の反対面側に塗布硬化後の質量が、1.0g/mとなるようにバーコーターを使用して塗布し、120℃のオーブンで30秒熱硬化処理を行い、基材の両面に剥離層をもつ両面剥離シートを得た。
(実施例2)
実施例1の(A)成分のビニル基をヘキセニル基に置き換えた以外は実施例1と同様にして両面剥離シートを得た。
(比較例1)
実施例1の(B)成分を使用しない以外は実施例1と同様にして両面剥離シートを得た。
(比較例2)
実施例2の(B)成分を使用しない以外は実施例2と同様にして両面剥離シートを得た。
(比較例3)
実施例1の第1剥離層の変わりに、無溶剤移行成分含有軽剥離型シリコーン(商品名:「SP7259」、東レ・ダウコーニング社製)100質量部、白金触媒(商品名:「SRX−212」、東レ・ダウコーニング社製)1.5質量部の混合物を用いた以外は実施例1と同様にして両面剥離シートを得た。
<試験方法>
1)ブロッキング試験
両面剥離シートの第1剥離層を形成した面と第2剥離層を形成した面が重なるように重ね、10kgf/cmの荷重を掛けた状態で60℃の加熱を行い、24時間後に両面剥離シートを剥がした際の貼り着き具合を評価した。
◎: 貼り着き感もなく剥がれる。
○: 貼り着き気味ではあるが、特に問題なく剥がれる。
△: 貼り着きがあり、剥がすとバリバリ音がする。
×: 貼り着きが強く、基材破れを起す。
2)残留接着率
両面剥離シートの第1剥離層に粘着テープ(日東電工社製ポリエステルテープNo.31B)を貼り着けし、ゴムロールで密着させてから、25g/cmの荷重を掛けたまま70℃で20時間放置した後、剥離層面から粘着テープを剥がし、ステンレス板の研磨面に貼り着け、0.3m/分にて180゜剥離したときの粘着力(A)と、テフロン(登録商標)シートに粘着テープ(日東電工社製ポリエステルテープNo.31B)を貼り着けし、ゴムロールで密着させてから、25g/cmの荷重を掛けた状態で70℃で20時間放置した後、剥離層面から粘着テープを引き剥がし、ステンレス板の研磨面に貼り着け、0.3m/分にて180゜剥離したときの粘着力(B)を測定し、(A)と(B)との比率(A/B)×100を残留接着率(%)として求めた。
3)剥離力比
評価面の上に1液型アクリル系粘着剤(BPS−8170、東洋インキ社製)を塗布し、これを70℃、2分間の条件下で加熱乾燥を行った。次いでこれに貼合わせ紙(王子製紙社製上質紙:坪量64g/m)を貼り合わせ、20g/cmの荷重をかけて、温度23℃、相対湿度50%の条件下で24時間放置した。その後テンシロンを用いて、幅50mm、剥離速度0.3m/分、剥離角度180°の条件で貼合わせ紙を剥離し、剥離に要した力(剥離力、gf)を測定した。
本測定をブロッキング試験に使用した面と、未使用の面について行い、下記式を用いて剥離力比を算出した。
剥離力比=ブロッキング試験使用面の剥離力(gf)/未使用面の剥離力(gf)
Figure 0005729346
上記の結果から明らかなように、本発明の実施例で得られた熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物を用いることにより、ブロッキングによる問題のない両面剥離シートが得られ、しかも本発明の両面剥離シートは移行成分による残留接着率の低下もなく、優れた両面剥離シートである。なお、比較例1の両面剥離シートはブロッキングが酷く、剥離力比を測定することができなかった。

Claims (4)

  1. 基材の両面に硬化性オルガノポリシロキサンを主成分とする剥離剤を塗布、硬化させた両面剥離シートであって、前記基材の1方の面に設ける剥離層(第1剥離層)が、
    (A)25℃におけるブルックフィールド型粘度計による粘度が20〜500mPa・sであり、ビニル基または炭素原子数3〜12の高級アルケニル基を1分子中に2以上含有する硬化性オルガノポリシロキサンを100質量部、
    (B)ゲル透過クロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が75000以上であるポリオルガノシロキサンガムを0.5〜20質量部、
    (C)一分子中に2以上の珪素結合水素原子(Si−H)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび(D)白金系触媒を触媒量含有してなる硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化させたものであり、
    前記剥離層(第1剥離層)を形成した面の反対面に設ける剥離層(第2剥離層)が、少なくともビニル基または炭素原子数3〜12の高級アルケニル基を1分子中に2以上含有する硬化性オルガノポリシロキサン、(C)1分子中に2以上の珪素結合水素原子(Si−H)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(D)白金系触媒を触媒量、および(E)SiO単位、(CHSiO1/2単位あるいはCH=CH(CHSiO1/2単位を有するレジン構造のオルガノポリシロキサン組成物含有し、硬化させたものであることを特徴とする両面剥離シート。
  2. 前記(A)成分の高級アルケニル基がヘキセニル基であることを特徴とする請求項1に記載の両面剥離シート。
  3. 前記(B)成分の分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基により封鎖された直鎖状ジメチルポリシロキサンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の両面剥離シート。
  4. 前記剥離剤が無溶剤型もしくは有機溶剤含有量50質量%未満の塗工液であり、25℃におけるブルックフィールド型粘度計による粘度が50〜500mPa・sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の両面剥離シート。
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