JP5620564B1 - 金属箔粉の製造方法、金属箔粉および該金属箔粉を用いた塗料、インク、光輝性樹脂ペレット、および化粧材 - Google Patents

金属箔粉の製造方法、金属箔粉および該金属箔粉を用いた塗料、インク、光輝性樹脂ペレット、および化粧材 Download PDF

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Abstract

【課題】 ホルムアルデヒドの残存しない、光輝性、耐熱性、耐溶剤性、分散性に優れた金属箔粉とその製法、および該金属箔粉を用いた塗料、インク、光輝性樹脂ペレット、化粧材等を提供する。【解決手段】 離型フィルム基材の表面に少なくとも、シロキサン系樹脂、金属薄膜層、シロキサン系樹脂をこの順に実行してなる積層体とこれを前記離型フィルム基材から剥離粉砕して得られることを特徴とする、非定型偏平形状の金属箔粉およびその製造方法と該金属箔粉を用いた塗料、インク、光輝性樹脂ペレット、化粧材。【選択図】 なし

Description

本願発明は、少なくとも金属薄膜層とシロキサン系樹脂層との積層体を粉砕してなる、ホルムアルデヒドの残存しない非定型偏平形状の金属箔粉に関するものであり、環境や人体に対して無害な、光輝性、耐溶剤性、耐熱性、分散性に優れた金属箔粉とその製法、およびそれを用いた塗料、インク、光輝性樹脂ペレット、化粧材等に関する。
従来より、メタリック調の塗剤やラメ入りのインク、光輝性ペレット及びそれを成形してなる樹脂成形体、メイクアップ化粧料などのように、金属箔粉を媒体に含有させることにより、高い意匠性や光輝性を付与する方法が知られている。このように様々な用途に用いられる金属箔粉には、金属箔の粉砕粉末や蒸着粉、ガラス粉末等にめっきや物理蒸着によって金属を被覆したもの等が利用されてきた。しかし、このような用途においては、媒体内において均一に分散するために比重が小さいことが必要であるが、金属単体では比重が大きすぎて沈降してしまい問題であった。さらに化粧材などの肌に直接塗布するような用途においては、金属箔粉の形状が大きくなると肌に塗布した際にざらざらして使用感が悪く、メイクアップ効果も減少する。加えて金属箔では例え微細であっても金属片となって肌の表面に微細な傷を無数につけてしまう状態にもなり得るため、表面が平滑であることが必要であった。以上のような理由で、比重が小さく、光輝性に優れ、平滑な表面となるような金属箔粉が求められている。
そこで、このような金属箔粉として、例えば特公昭53−035135のように、透明樹脂層で被覆された金属蒸着箔の破砕小片が知られている。
特公昭53−035135
特許文献1には、片面または両面を透明樹脂層で被覆された金属蒸着箔を粉砕して得られる金属顔料について開示されている。このような製造方法を用いることで、微小でありながら光輝性に優れた金属箔粉を得ることができる。
しかし、特許文献1に記載された金属箔粉は、その透明無機薄膜塗布層の樹脂からホルムアルデヒドが発生し、得られる金属箔粉にも残存する。ホルムアルデヒドは発がん性があり人体や環境に対し有害であるため、特定化学物質障害予防規則や化学物質排出把握管理促進法、薬事法などにおいて使用が禁止されたり、基準値が設けられたりしている。このようなホルムアルデヒドの規制は、国内だけでなく海外においても行われており、国内外を問わずホルムアルデヒドを含まない製品の需要が高まっている。しかし、特許文献1に記載の金属箔粉には上記のようにホルムアルデヒドが残存するため市場の要求に応えることができず、従来の光輝性や耐熱性を保持したままホルムアルデヒドを含有しない金属箔粉を製造することは非常に困難であった。また、樹脂成形など高温処理が関わる工程を行う用途に用いる場合、その熱ダメージにより金属箔粉の光輝性が劣化し十分な性能が得られなかった。
本願発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、光輝性や耐熱性、耐溶剤性に優れ、媒体内で均一に分散する、ホルムアルデヒドの発生しない金属箔粉とその製造方法、および該金属箔粉を用いたインクや塗料、樹脂ペレット、化粧材等を提供することにある。
上記課題を解決する本願発明の請求項1に記載の金属箔粉の製造方法は、離型フィルム基材の表面に少なくとも、第1透明樹脂薄膜層を積層する第1透明樹脂積層工程と、金属薄膜層を積層する金属積層工程と、第2透明樹脂薄膜層を積層する第2透明樹脂積層工程とをこの順に実行して積層体を形成してなる積層体積層工程と、前記積層体を前記離型フィルム基材から剥離し、剥離された前記積層体を粉砕して非定型偏平形状の金属箔粉を得る剥離粉砕工程と、からなり、前記第1透明樹脂薄膜層および前記第2透明樹脂薄膜層が前記金属薄膜層を被覆するためのもので、該樹脂がシロキサン系樹脂であることを特徴とする。
本願発明の請求項2に記載の金属箔粉の製造方法に関する発明は、請求項1に記載の金属箔粉の製造方法において、前記第1透明樹脂薄膜層および前記第2透明樹脂薄膜層の厚さが0.05μm以上2.0μm以下であり、前記金属薄膜層の厚さが0.01μm以上0.2μm以下であり、前記金属箔粉の最大厚さが3.0μm以下であることを特徴とする。
本願発明の請求項3に記載の金属箔粉の製造方法に関する発明は、請求項1または請求項2に記載の金属箔粉の製造方法において、前記金属薄膜層が、アルミニウム、銀、金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタンの一群より選ばれる、いずれかの単体、又は複数を選択して組み合わせることにより得られる合金、又はいずれかの単体による化合物、又はそれらの混合物、のいずれかによるものであることを特徴とする。
本願発明の請求項4に記載の金属箔粉の製造方法に関する発明は、請求項1ないし請求項3に記載の金属箔粉の製造方法において、前記離型フィルム基材が、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートフィルム、ポリイミドフィルム、のいずれかであり、かつその厚みが4μm以上40μm以下であることを特徴とする。
本願発明の請求項5に記載の金属箔粉は、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の金属箔粉の製造方法により得られることを特徴とする。
本願発明の請求項6に記載の金属箔粉は、請求項5に記載の金属箔粉において、その粒度分布の平均粒径が10μmないし120μmであることを特徴とする。
本願発明の請求項7に記載の光輝性塗料は、請求項5または請求項6に記載の金属箔粉が、塗料やインク等の全体量に対して0.1ないし10重量%含有してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項8に記載の光輝性樹脂ペレットは、請求項5または請求項6に記載の金属箔粉が、樹脂全体量に対して0.01ないし10重量%含有してなることを特徴とする。
本願発明の請求項9に記載の化粧材は、請求項5または請求項6に記載の金属箔粉を含有してなることを特徴とする。
本願発明の金属箔粉の製造方法を用いれば、かねてより重要な課題となっているホルムアルデヒドが残存することによる人体や環境への悪影響に関する問題を解決することができる。ホルムアルデヒドが残存しないことから、従来行っていたホルムアルデヒドの除去のための熱処理工程を行う必要が無いため、工程の簡略化およびコストの低下になる。また、耐熱性、樹脂の平滑性および透過率が向上することから、従来よりも耐熱性、反射性の優れた金属箔粉とすることができ、耐溶剤性にも優れていることから、溶剤に混入しても金属薄膜層がダメージを受けることがなく、光輝性の劣化を防ぐことができる。さらに、本願発明の金属箔粉は金属薄膜層の両面が透明樹脂で被覆されているため、金属単体であるよりも比重が小さく、媒体内で沈降することなく均一に分散される。加えて、表面の透明樹脂薄膜層を任意の色に着色すれば、あらゆる色彩の金属光沢を呈する金属箔粉とすることもできる。
本願発明の金属箔粉は上記のような特徴をもつため、様々な用途に用いることができる。特に、本願発明の金属箔粉はホルムアルデヒドが残存しないため、直接肌に塗布するような用途にも用いることができるだけでなく、製造工程においてもホルムアルデヒドの発生を防ぐことができ、環境や人体に対して無害な金属箔粉とすることができる。即ち国内外におけるホルムアルデヒドの規制を考慮する必要がなくなる。
その他用途として例えば、本願発明の金属箔粉を塗料やインク等に混入すると、金属箔粉の比重が小さいため金属箔粉が沈降せず、ラメや金属調にムラのない塗料やインクとすることができる。同様に、溶融した樹脂に混入すれば、金属箔粉が均一に分散した光輝性樹脂ペレットとすることができ、これを射出成形等により成形すれば光輝性の樹脂成形体とすることができる。その際、本願の金属箔粉は耐熱性を有しているため、金属薄膜層が熱によるダメージを受けることがなく、熱処理工程を経ても光輝性が劣化することがない。また、従来よりも反射性が優れていることから、化粧材に混入することで優れたメイクアップ効果が得られ、さらに粒子が細かく表面が平滑であることから肌に塗布した際にもざらざらせず良好な使用感が得られる。
以下、本願発明の実施の形態について説明する。尚、以下に示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
本願発明にかかる金属箔粉の製造方法に関して、第1の実施の形態として説明する。本実施の形態にかかる金属箔粉の製造方法は、離型フィルム基材の表面に少なくとも、第1透明樹脂積層工程と金属積層工程と第2透明樹脂積層工程とをこの順に実行して積層体を形成してなる積層体積層工程と、前記積層体を前記離型フィルム基材から剥離し、剥離された前記積層体を粉砕して非定型偏平形状の金属箔粉を得る剥離粉砕工程とを実行してなり、前記第1透明樹脂薄膜層および前記第2透明樹脂薄膜層が、前記金属薄膜層を被覆するためのもので、該樹脂がシロキサン系樹脂によるものである。
まず、各工程において用いる材料について説明する。
本実施の形態における離型フィルム基材は特に限定はないが、剥離性や耐熱性、コスト等を鑑みて適宜選択される。その具体例としてはポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられるが、本実施の形態においてはポリエステルフィルムを用いることとする。
離型フィルム基材の厚さも、本願発明の製造工程における加工性、ハンドリング性などに応じて適宜選択される。具体的には4μm以上40μm以下が好ましい。4μmより薄くなるとハンドリングが悪いため作業効率が低下する。40μmより厚くなると柔軟性に乏しくなり、剥離等に問題が多くなる。また、最終的には廃棄するものであるのでそれ以上厚くすることに有意性がなく、コストが高くなるためである。本実施の形態においては20μmとする。
次に本実施の形態における第1透明樹脂薄膜層について説明する。第1透明樹脂薄膜層はシロキサン系樹脂を用いる。シロキサン系樹脂は耐熱性に優れかつホルムアルデヒドが発生しないことから、耐熱性の高い無害な金属箔粉を得ることができる。該層は前記離型フィルム基材上に形成され、また、最終的に得られる金属箔粉において後述の金属薄膜層の表面を被覆することから、離型フィルム基材からの金属薄膜層の剥離性向上、金属薄膜層の耐熱性、耐汚染性および耐溶剤性等の向上に必要なものである。本実施の形態においてはポリジメチルシロキサンを用いることとする。
次に本実施の形態における金属薄膜層についてであるが、金属光沢を有する等の機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、その具体例としてはアルミニウム、金、銀、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタンの一群より選ばれる何れかの単体、又は複数を選択して組み合わせることにより得られる合金、又は何れかの単体による化合物、又はそれらの混合物、の何れかによるものである。本実施の形態においてはアルミニウムを用いることとする。
次に本実施の形態における第2透明樹脂薄膜層であるが、第1透明樹脂薄膜層と同様であるので説明は省略する。第2透明樹脂薄膜層は、第1透明樹脂薄膜層と同じシロキサン系樹脂でも異なるシロキサン系樹脂でも良い。本実施の形態においてはポリジメチルシロキサンとする。
以上の材料を用いて、本願発明の製造方法について説明する。
まず、第1透明樹脂薄膜層積層工程について説明する。この工程は湿式薄膜形成法として知られるものであれば特に限定されるものではなく、グラビア塗布法、リバースコート法、ダイコート法、バーコーター法等公知の方法を適宜選択することが考えられるが、本実施の形態ではバーコーター法とする。
前記第1透明樹脂薄膜層の膜厚は、0.05μm以上2.0μm以下が好ましい。厚みが0.05μmより薄いと金属薄膜層の保護や離型フィルム基材からの剥離性向上に十分ではない。また、厚みが2.0μmより厚くなると全体の厚みが厚くなりすぎ、光輝性に劣る。本実施の形態においては1.0μmとする。
次に、金属層を積層する金属積層工程について説明する。この工程は、電子ビーム蒸着法、加熱蒸着法、スパッタリング法、等公知の乾式法を適宜選択すればよく、本実施の形態においては高周波誘導加熱蒸着法とする。成膜条件も成膜方法や目的とする金属薄膜層の組成等に応じて適宜設定すればよいが、成膜時の真空度は1.3×10−1Pa以下、好ましくは1.3×10−2Pa以下である。例えばアルミニウムからなるターゲット材料を用いて金属層を形成する場合の成膜条件としては、次の条件が考えられる。すなわち、チャンバー内を1.0×10−2Paまで真空に引いて蒸着材を加熱し、真空蒸着を行う。基板温度については、蒸着により基材が損傷しない温度であればよい。
金属薄膜層の厚さは、0.01μm以上0.2μm以下の範囲が好ましい。0.01μmより薄いときは、光輝性においてまた機能性においてその性能は乏しく、0.2μmより厚いときは、これ以上厚さを大きくしても反射性、光輝性等の増大に影響が少ない上にコストが高くなり有意性がない。本実施の形態においては0.05μmとする。
次に、第2透明樹脂積層体を積層する第2透明樹脂積層工程であるが、該工程は第1透明樹脂積層工程と同様であるので説明を省略する。本実施の形態においてはバーコーター法とし、膜厚を0.5μmとする。
以上により、積層体積層工程について説明したが、該工程により得られる積層体は、厚さが3μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは2μm以下である。
次に、剥離粉砕工程について説明する。剥離粉砕工程は、前記積層体積層工程にて離型フィルム基材上に形成された積層体を離型フィルム基材から剥離し、該積層体を粉砕して本願発明の非定型偏平形状の金属箔粉を得るが、粉砕方法としては特に限定しない。具体的にはジェットミル、ボールミル、リングロールミル、ハンマーミル、チューブミル等が挙げられる。この粉砕は水中で行ってもよく、その際にアルコールなどの粘度調節剤、乾燥促進剤、沈降安定剤、界面活性剤等を同時に使用して粉砕してもよい。さらに粉砕を積極的に実施しなくとも、離型フィルム基材から剥離するだけで積層体が微細な非定型偏平形状の金属箔粉となる場合もある。また、粉砕すると同時に粗分離を行っても良い。
以上説明した本実施の形態により製造される金属箔粉は、樹脂層にシロキサン系樹脂を使用しているため、得られる金属箔粉にホルムアルデヒドが残存せず、人体や環境に対して無害なものとなる。また、光輝性や耐熱性、耐溶剤性に優れ、媒体で均一に分散し、微小である事から塗布した際にも平滑な表面をもつ。
この金属箔粉は、目的に応じて特定の平均粒径および粒度分布をもつよう分級しても良い。平均粒径は目的に応じて適宜選択すれば良いが、好ましくは10μmないし120μmである。10μmより小さいと光輝性等の性能が十分に発揮されず、120μmを超えると粒子が大きくなり平滑な塗工面を形成することが困難である。
以上説明した本願発明の金属箔粉の製造方法を実際に行った一例を以下に述べる。
厚さ12μmの未延伸ポリプロピレンフィルムに、ポリジメチルシロキサンをバーコーター法で塗布し、乾燥して厚さ0.8μmの第1透明樹脂薄膜層を形成した。該第1透明樹脂薄膜層上に、0.01Paまで真空状態にした真空蒸着機で、金属薄膜層としてクロムを0.04μm蒸着形成した。得られたこのクロム金属薄膜層上に、ポリジメチルシロキサンを前記第1透明樹脂薄膜層と同様にして0.3μmの厚さに形成し第2透明樹脂薄膜層を得た。こうして得た第1透明樹脂薄膜層・クロム金属薄膜層・第2透明樹脂薄膜層からなる特殊光輝性の積層体のみをフィルムから剥離し、水中で粉砕して厚さ1.2μmの特殊光輝性の非定型偏平形状の金属箔粉を得た。
また上記のような製造方法の他に、下記のような例も考えられる。
厚さ20μmの未延伸ポリプロピレンフィルムに、ポリジメチルシロキサンをグラビア塗布法で塗布し、乾燥して厚さ1.0μmの第1透明樹脂薄膜層を形成した。該第1透明樹脂薄膜層上に、0.01Paまで真空状態にした真空蒸着機で、アルミニウムを加熱して金属薄膜層を0.05μm蒸着形成した。得られたこのアルミニウム金属薄膜層上に、ポリジメチルシロキサンを前記第1透明樹脂薄膜層と同様にして0.5μmの厚さに形成し第2透明樹脂薄膜層を得た。こうして得たフィルム上の積層体を、フィルムから剥離してボールミルによって粉砕し、これを分級機にかけて分級することで、厚さ1.5μm、平均粒径が60μmである特殊光輝性の非定型偏平形状金属箔粉を得た。
以上述べたような本願発明の金属箔粉をインクや塗料に混入すると、媒体中で金属箔粉が均一に分散することから、沈降や凝集がなく輝度感の高いメタリック調の塗剤とすることができる。このとき、塗剤に対する金属箔粉の含有量は目的に応じて適宜選択すれば良いが、具体的には塗剤全体量に対して0.1ないし10重量%であることが好ましい。0.1重量%未満では充分な光輝性が得られず、10重量%を超えると光輝性等の増大に影響が少ない上にコストが高くなり有意性がない。また、スプレーやインクジェット等で用いる場合は、ノズル詰まりを防ぐためにも粒径の小さいものが好ましい。
同様に、本願発明の金属箔粉を溶融状態の樹脂に混入し、該溶融状態の樹脂を適宜の形状や大きさに切断して冷却すれば、本願発明の光輝性樹脂ペレットを得ることができる。この光輝性樹脂ペレットは、本願発明の金属箔粉に耐熱性があることから、金属薄膜層の光輝性が劣化せず、従来にない輝度感を醸す効果が得られる。また、溶融状態の樹脂またはペレットを再度溶融状態にしたものを、射出成形機等を使用して成型すれば、金属箔粉が均一に分散し、光輝性に優れた樹脂成形品を得ることができる。このとき、樹脂に対する金属箔粉の含有量は目的に応じて適宜選択すれば良いが、具体的には樹脂全体量に対して0.01ないし10重量%であることが好ましい。0.01重量%未満では充分な光輝性が得られず、10重量%を超えると光輝性等の増大に影響が少ない上にコストが高くなり有意性がない。
さらに、本願発明の金属箔粉をアイシャドーやファンデーション、マニキュアなどといった化粧材に混入することで、ラメ感や光沢性を付与しメイクアップ効果の向上した化粧材を得ることができる。本願発明の金属箔粉はホルムアルデヒドが残存しないことから、直接肌に塗布する用途にも使用可能であり、また粒径が小さく表面が平滑であることから、ざらつきや肌への損傷などがなく良好な使用感が得られる化粧材とすることができる。このとき化粧材に対する金属箔粉の含有量は目的に応じて適宜選択すれば良い。
その他、本願発明の金属箔粉は、環境や人体に無害であるという特徴、および光輝性、分散性、耐溶剤性、耐熱性、平滑性等の特徴を生かして、様々な用途に用いられることが考えられるが、ここでは省略する。
以上説明した製造方法により得られる金属箔粉であれば、ホルムアルデヒドを発生しないため環境や人体に無害なものとすることができ、国内外において設定されている規制値を考慮する必要なく使用することができる。また、光輝性、分散性、耐溶剤性、耐熱性、平滑性に優れているため、加飾や高級感を付与する意匠など様々な用途に用いることができる。具体的にはメタリック調塗料やラメ入りインク、粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティック状、軟膏状、液状、乳液状など様々な形態での化粧材の光輝性顔料、樹脂に混入して得られる光輝性ペレット、およびそれを成形してなる樹脂成形品等に用いることができる。

Claims (9)

  1. 離型フィルム基材の表面に少なくとも、
    第1透明樹脂薄膜層を積層する第1透明樹脂積層工程と、
    金属薄膜層を積層する金属積層工程と、
    第2透明樹脂薄膜層を積層する第2透明樹脂積層工程と
    をこの順に実行して積層体を形成してなる積層体積層工程と、
    前記積層体を前記離型フィルムから剥離し、剥離された前記積層体を粉砕して非定型偏平形状を有する金属箔粉を得る剥離粉砕工程と、
    からなり、
    前記第1透明樹脂薄膜層および前記第2透明樹脂薄膜層が前記金属薄膜層を被覆するためのもので、該樹脂がシロキサン系樹脂によるものであること、
    を特徴とする、金属箔粉の製造方法。
  2. 請求項1に記載の金属箔粉の製造方法において、
    前記第1透明樹脂薄膜層および第2透明樹脂薄膜層の厚さが0.05μm以上2.0μm以下であり、
    前記金属薄膜層の厚さが0.01μm以上0.2μm以下であり、
    前記金属箔粉の最大厚さが3.0μm以下であること、
    を特徴とする、金属箔粉の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の金属箔粉の製造方法において、
    前記金属薄膜層が、アルミニウム、銀、金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタンの一群より選ばれる、いずれかの単体、又は複数を選択して組合わせることにより得られる合金、又はいずれかの単体による化合物、又はそれらの混合物、のいずれかによるものであること、
    を特徴とする、金属箔粉の製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3に記載の金属箔粉の製造方法において、
    前記離型フィルムが、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートフィルム、ポリイミドフィルム、のいずれかであり、
    かつその厚みが4μm以上40μm以下であること、
    を特徴とする、金属箔粉の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の金属箔粉の製造方法により得られること、
    を特徴とする、金属箔粉。
  6. 請求項5に記載の金属箔粉において、その粒度分布の平均粒径が10μmないし120μmであること
    を特徴とする、金属箔粉。
  7. 請求項5または請求項6に記載の金属箔粉が、塗料やインク等の全体量に対して0.1ないし10重量%含有してなること、
    を特徴とする、光輝性塗料。
  8. 請求項5または請求項6に記載の金属箔粉が、樹脂全体量に対して0.01ないし10重量%含有してなること、
    を特徴とする光輝性樹脂ペレット。
  9. 請求項5または請求項6に記載の金属箔粉を含有してなること、を特徴とする化粧材。
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