以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下に説明する実施形態では、MEMS素子として主にピエゾ抵抗素子を用いた3軸加速度センサを用いる場合のMEMSデバイスについて説明する。但し、本発明は、MEMS素子としてピエゾ抵抗素子を用いた3軸加速度センサだけではなく、外力に応じて変位する可動部を有するピエゾ型、静電容量型、圧電型、熱検知型、FET型の加速度センサやジャイロセンサ、MEMS技術を用いた他の素子、例えば、地磁気センサ、圧力センサ、MEMSマイクロホン、マイクロミラー、RFスイッチなどを用いる場合にも適用することが可能であり、さらに種々の変形が可能である。
先ず、本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイス100の概略構成について、図1を参照して説明する。また、その断面構成を説明のために図2(a)乃至(c)参照する。図1は、本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイス100を上から見た透視図の一例である。本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイス100は、センサ102と、インターポーザとして用いられる貫通電極基板104とを含む。貫通電極基板104は、センサ102の下側に配置されるため、図1においてその図示は省略している。貫通電極基板104は、センサ102と同様に平面形状が矩形であり、その大きさもセンサ102と略同一である。センサ102は、錘部102aと、錘部102aに接続された可撓部102bと、可撓部102bに接続された固定部102cと、可撓部102bに配置されて可撓部102bの変位をXYZの3軸方向で検出する複数のピエゾ抵抗素子(図示せず)と、固定部102cに配置された端子(図示せず)とを含む。錘部102aと可撓部102bとは、可動部102dを構成する。センサ102に加速度が加わると、錘部102aが変位し、この変位に伴って可撓部102bが撓む。可撓部102bが撓むと、可撓部102bに配置されたピエゾ抵抗素子に力が加わり、ピエゾ抵抗素子の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化を検出して、センサ100に加えられた加速度の大きさ、方向などを検出する。センサ102は、貫通電極基板104上に配置される。センサ102と貫通電極基板104とは、センサ102と貫通電極基板104との間に配置され、センサ102の固定部102cに配置された端子と貫通電極基板104とを電気的に接続する導電性部材106によって接続される。図1において、導電性部材106を可動部102dの周囲に連続的に配置した例を示しているが、実際は、導電性部材106は、センサ102の固定部102cに配置された端子部分又は端子の周辺に配置されて、隣接する端子同士間は絶縁される。導電性部材106の周囲には樹脂層108が配置される。尚、図1に示す加速度センサデバイス100の透視図は、本発明の実施形態の一例であり、本発明はこれに限定されず、導電性部材106及び樹脂層108などの配置は、種々の変形が可能である。
貫通電極基板104は、シリコン基板、ガラス基板、窒化ガリウム基板であってもよい。貫通電極基板104には厚さ方向に貫通する貫通孔が形成される。貫通孔には、Cu、Ni、Au、Cuの合金、poly−Siなどの導電材料が充填されて、その厚さ方向に導通がとられ、図2(b)及び(c)に示すように、貫通電極110が形成される。貫通電極110は、上述の材料が完全に充填されていなくてもよい。図2(b)及び(c)に示すように。貫通電極基板104には、センサ102の可動部102dに対応する位置に凹部(ザグリ部)104aが形成されてもよい。凹部104aの深さは5μm〜50μmであってもよい。貫通電極基板104は、センサ102の可動部102dの変位を規制するためのストッパとしても機能する。
導電性部材106は、センサ102と貫通電極基板104との間に配置されて、センサ102の端子と貫通電極基板104とを電気的に接続する。導電性部材106は、Au、Cu、Al、Ag、Sn、Ni、Ni−Au合金、Ni−Pd合金、Be−Cu合金、Be−Rh合金、W、Ir、Ru、Pt、Pd、Cr、Ta、Tl、Ti、Moなどを含む金属膜でもよく、半田ボールでもよく、導電ペーストでもよい。半田材料としては、Sn、Sn−Pb系、Sn−Ag系、Sn−Zn系、Bi系の半田材料を用いてもよい。導電ペーストは、Au、Ag、Pd、Ni、Cu、Sn、AgコートCuなどであってもよい。図2(a)に示すように、導電性部材106は、センサ102の固定部102cに配置された端子112に対応するように、貫通電極基板104のセンサ102と対向する面上に配置され、センサ102の端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とを電気的に接続する。
樹脂層108は、センサ102と貫通電極基板104との間に、且つ少なくとも導電性部材106の周囲の一部に配置される。樹脂層108は、センサ102と貫通電極基板104とを封止する。樹脂層108は、熱硬化性及び熱可塑性を有する絶縁性樹脂であることが好ましく、例えば、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロロブテン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが好ましい。また、これらの樹脂にガラス、セラミック、シリコン、Ag、Cuなどのビーズを含有したものであってもよい。樹脂層108は、加速度センサデバイス100における緩衝部材として機能し、加速度センサデバイス100の耐落下衝撃性を向上させる。樹脂層108に用いる樹脂は曲げ弾性率0.5MPa以上30GPa以下(DMA法による測定)であることが好ましい。樹脂の曲げ弾性率が0.5MPa以下であると、加速度センサデバイスの落下時の衝撃を受け止められず、緩衝部材として機能できない。また、曲げ弾性率が低い材料は、一般的にガラス転移温度Tgが低い。そのため、曲げ弾性率が0.5MPa以下の材料を樹脂層108に使用する場合、その材料のガラス転移温度Tg付近での使用を余儀なくされる。ガラス転移温度Tg付近での使用は、材料の弾性率が安定せず、急激に変化するため、センサ特性が不安定になる。また、樹脂の曲げ弾性率が30GPa以上であると、樹脂の応力がセンサ特性に影響を及ぼす。以下、樹脂層108を緩衝用樹脂層108ともいう。緩衝用樹脂層108が導電性部材106と接することにより、センサ102と貫通電極基板104とを導電性部材106を介して接合した後に、図2(b)及び(c)に示すように導電性部材106を緩衝用樹脂層108で覆うことが可能となり、加速度センサデバイス100の落下時の衝撃がセンサの端子112と導電性部材106の接続部分に集中することを防止する。また、緩衝用樹脂層108が導電性部材106と接することにより、導電性部材106に段差をつけることが可能となり、導電性部材106とセンサ102の端子112との電気的な接合不良の低減を図ることができる。
上述したように、本発明の加速度センサデバイス100において、導電性部材106及び緩衝用樹脂層108などの配置は、種々の変形が可能であり、導電性部材106にも様々な材料を使用することが可能である。以下、本発明の種々の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る加速度センサデバイス200について、図2(a)乃至(c)を参照して説明する。図2(a)は、第1の実施形態に係る加速度センサデバイス200を上から見た透視図である。図2(b)は、図2(a)に示した第1の実施形態に係る加速度センサデバイス200をA−A´線に沿って見た断面図である。図2(c)は、図2(b)に示した加速度センサデバイス200のS部分の拡大図である。尚、図2(a)乃至(c)において、図1に示した加速度センサデバイス100と同一又は類似の構成要素については、同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第1の実施形態に係る加速度センサデバイス200は、貫通電極基板104に形成された貫通電極110の外側(加速度センサデバイス200のエッジ側)に導電性部材106及び緩衝用樹脂層108を配置する構成としたことに特徴がある。本実施形態において、導電性部材106は、Au、Cu、Al、Ag、Sn、Ni、Ni−Au合金、Ni−Pd合金、Be−Cu合金、Be−Rh合金、W、Ir、Ru、Pt、Pd、Cr、Ta、Tl、Ti、Moなどを含む金属膜からなる配線層でもよい(以下、導電性部材106を配線層106ともいう)。本実施形態において、緩衝用樹脂層108は、導電性部材106の配置位置の外側にあるため、緩衝用樹脂層108が、センサ102内部に侵入する虞がない。配置位置とは、本発明の加速度センサデバイスを平面的に見た場合において、各構成要素が配置された位置をいう。また、導電性部材106に形成されている配線パターン及び端子112に接続されるセンサ102側の配線(図示せず)が緩衝用樹脂108に踏みつけられず、断線や配線の変形などの虞がない。
図2(a)乃至(c)を参照すると、加速度センサデバイス200は、センサ102と、インターポーザとして用いられる貫通電極基板104とを含む。センサ102は、貫通電極基板104上に配置されている。尚、センサ102の端子112と導電性部材106との接続部分が貫通電極110の配置位置を避けるように、センサ102は貫通電極基板104上に配置される。このような構成とすることで、センサ102に接続している導電性部材106と貫通電極110との接合面積が十分にとれるため、センサ102と導電性部材106と貫通電極110とが剥離する虞がない。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とは、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cと対向する面上に配置された導電性部材106によって電気的に接続されている。図2(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス200において、導電性部材106である配線層106は、センサ102の端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とを電気的に接続する。センサ102の端子112と導電性部材(配線層)106との接続部分は、貫通電極110の配置位置を避けて配置される。緩衝用樹脂層108は、貫通電極110の配置位置の外側において、導電性部材106の配置位置の外側に配置されており、センサ102と貫通電極基板104とを接合する。貫通電極110のピッチをセンサ102の端子112のピッチに合わせることがないため、設計の自由度を向上させることができる。図2(c)に示すHは、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108の厚み(センサ102と貫通電極基板104との間の距離)を示し、5μm〜15μmであることが好ましい。
図3(a)乃至(d)を参照して、図2(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス200の製造方法について説明する。尚、図3(a)乃至(d)おいて、図2(c)に示した加速度センサデバイス200のS部分のみを拡大して示すが、実際の製造工程において、加速度センサデバイス200は、ウェハレベルで製造される。半導体基板を加工して、固定部102c、固定部に対して変位する可動部102d、及び固定部102cに配置された端子112を有するセンサ102を半導体基板に多面付けで予め製造しておく。
図3(a)に示すように、Si基板にDeep−RIEによって厚さ方向に貫通する貫通孔を形成し、熱酸化、CVDなどで絶縁膜(SiO2など)を形成し、スパッタリング、蒸着、CVDなどでシード層(Au/Ti積層、Au/Cr積層、Cu/Ti積層、Cu/TiN積層、Cu/Ti/TiN積層など)を形成し、貫通孔に、例えば、銅を充填めっきして貫通電極110を形成し、貫通電極基板104を製造する(貫通電極110の形成後、シード層をCMPやエッチングなどで除去する)。尚、貫通電極基板104のセンサ102に対向する面上のセンサ102の可動部102dに対応する部分に、エッチングによって、ザグリ部(凹部)104aを形成してもよい。
次に、図3(b)に示すように、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cに対向する面上に、貫通電極110と重ならないよう、貫通電極110の配置位置の外側に緩衝用樹脂層108を形成する。緩衝用樹脂層108は、フォトリソグラフィ又はスクリーン印刷、ディスペンス法などによって形成されてもよい。フォトリソグラフィによって形成する場合は、緩衝用樹脂層108として、熱硬化性及び熱可塑性に加えて感光性を有するシリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロロブテン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂など樹脂を使用する。緩衝用樹脂層108の厚さhは、25μm〜30μmとすることが好ましい。図3(b)に示すように、緩衝用樹脂層108は、テーパ状に形成することが好ましい。緩衝用樹脂層108をテーパ状に形成することにより、後述する導電性部材106を形成する際に形成されるシード層のつきまわりが向上する。テーパ角度は90°未満が好ましい。
次に、図3(c)に示すように、Au、Cu、Al、Ag、Sn、Ni、Ni−Au合金、Ni−Pd合金、Be−Cu合金、Be−Rh合金、W、Ir、Ru、Pt、Pd、Cr、Ta、Tl、Ti、Moなどの金属を含む導電性部材(配線層)106を緩衝用樹脂層108及び貫通電極基板104の一面上に形成する。先ず、スパッタリング、蒸着、CVDなどでシード層(Au/Ti積層、Au/Cr積層、Cu/Ti積層、Cu/TiN積層、Cu/Ti/TiN積層など)を形成し、導電性部材(配線層)106を貫通電極110と緩衝用樹脂層108の一部とに重なるように形成するために、貫通電極110上及び緩衝用樹脂層108上にレジストをパターニングし、Au、Cu、Al、Ag、Sn、Ni、Ni−Au合金、Ni−Pd合金、Be−Cu合金、Be−Rh合金、W、Ir、Ru、Pt、Pd、Cr、Ta、Tl、Ti、Moなどの金属のめっき処理を行なって金属膜を形成し、レジストを剥離し、シード層をエッチングなどによって除去して導電性部材(配線層)106を形成する。
次に、図3(d)に示すように、センサ102が形成された半導体基板と貫通電極基板104とを電気的に接続し、且つ接合する。半導体基板に形成されたセンサ102の固定部102cに配置された端子112と緩衝用樹脂層108上に配置している配線層106の一部とを接着させるように、且つセンサ102の可動部102dが貫通電極基板104に形成されたザグリ部104aに対応するようにセンサ102が形成された半導体基板を貫通電極基板104上に配置し、250℃〜350℃で半導体基板と貫通電極基板104とを熱圧着する。これにより、センサ102の端子112と貫通電極基板104上に形成された配線層106とが電気的に接続される。さらに、熱圧着による熱硬化によって、センサ102の固定部102cの一部と緩衝用樹脂層108とが接合される。熱硬化後の緩衝用樹脂層108の厚さHは、5μm〜15μmであることが好ましい。以上のように、緩衝用樹脂層108上に配線層106を配置させて、センサ102の端子112と貫通電極110との電気的接続を行うため、配線層106をセンサ102と貫通電極110との間隔に応じて厚膜化する必要がなく、簡便に加速度センサデバイス200を製造することができる。この後、半導体基板及び貫通電極基板104をダイシングし、個々のセンサデバイスを切り離して個片化することにより、図2(a)乃至(c)に示されるような加速度センサデバイス200が得られる。尚、緩衝用樹脂層108及び導電性部材(配線層)106を貫通電極基板104側に形成する例を説明したが、緩衝用樹脂層108及び導電性部材(配線層)106は、センサ102が形成されている半導体基板に形成されてもよい。
図2(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス200において、センサ102と貫通電極基板104とが電気的に接続されながら互いに接合されている。センサ102と貫通電極基板104とは緩衝用樹脂層108を介して接合されているため、緩衝用樹脂層108が加速度センサデバイス200における緩衝部材として機能し、加速度センサデバイス200の耐落下衝撃性が向上する。また、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて配置されるため、貫通電極基板104がセンサ102の錘部102aの変位を規制するためのストッパとして機能し、センサ102に過大な外力がかかった場合において、センサ102が損傷するのを防止する。さらに、図2(a)に示すように、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて、センサ102の可動部102dの配置位置の周囲を取り囲むように配置されるため、センサ102の気密性が維持され、センサ102内の中空構造を保つことが可能となる。また、加速度センサデバイス200の製造工程において、センサ102と貫通電極基板104とは熱圧着され、接合に超音波を用いないため、接合時にセンサ102が破壊される虞がなく、ダイシング時において、センサ102内に水分が浸入する虞もない。また、緩衝用樹脂層108として熱硬化性及び熱可塑性の樹脂を使用しているため、センサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する際に、熱硬化されながら、加圧によって厚み5μm〜15μmになるように変形されるため、加速度センサデバイス200全体の低背化が可能となる。さらに、ウェハレベルでセンサ102と貫通電極基板104との接合と電気的な接続とを熱圧着によって一度に行うため、製造工程を短縮することが可能である。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る加速度センサデバイス300について、図4(a)乃至(c)を参照して説明する。図4(a)は、第2の実施形態に係る加速度センサデバイス300を上から見た透視図の一例である。図4(b)は、図4(a)に示した第2の実施形態に係る加速度センサデバイス300をA−A´線に沿って見た断面図である。図4(c)は、図4(b)に示した加速度センサデバイス300のS部分の拡大図である。尚、図4(a)乃至(c)において、図1及び図2(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス100及び200と同一又は類似の構成要素については、同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第2の実施形態に係る加速度センサデバイス300は、貫通電極基板104に形成された貫通電極110の配置位置の内側に導電性部材106及び緩衝用樹脂層108を配置する構成としたことに特徴がある。第1の実施形態と同様に、導電性部材106は金属膜からなる配線層でもよい(以下、導電性部材106を配線層106ともいう)。
図4(a)乃至(c)を参照すると、図2(a)乃至(c)に示された加速度センサデバイス200と同様に、加速度センサデバイス300は、センサ102と、インターポーザとして用いられる貫通電極基板104とを含む。センサ102は、貫通電極基板104上に配置されている。尚、センサ102の端子112と導電性部材106との接続部分が貫通電極110の配置位置を避けるように、センサ102は貫通電極基板104上に配置される。このような構成とすることで、センサ102に接続している導電性部材106と貫通電極110との接合面積が十分にとれるため、センサ102と導電性部材106と貫通電極110とが剥離する虞がない。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とは、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cと対向する面上に配置された導電性部材106によって電気的に接続されている。図4(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス300において、配線層106は、センサ102の端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とを電気的に接続する。緩衝用樹脂層108は、貫通電極110の配置位置の内側(センサ102の固定部102cの可動部102d側)において、導電性部材106の配置位置の内側に配置されており、センサ102と貫通電極基板104とを接合する。センサ102の端子112と導電性部材(配線層)106との接続部分は、貫通電極110の配置位置を避けて配置される。本実施形態において、緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dを避けてパターニングされているため、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに侵入する虞がない。貫通電極110のピッチをセンサ102の端子112のピッチに合わせることがないため、設計の自由度を向上させることができる。図4(c)に示すHは、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108の厚み(センサ102と貫通電極基板10との間の距離)を示し、5μm〜15μmであることが好ましい。
図4(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス300の製造方法については、図2(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス200とほぼ同様であるため、省略する。但し、緩衝用樹脂108は、貫通電極基板104に形成された貫通電極110の配置位置の内側(センサ102の固定部102cの可動部102d側)に形成する。或いは、センサが形成された半導体基板と貫通電極基板104とを接合した際に、緩衝用樹脂層108が貫通電極110の配置位置の内側に配置されるように、緩衝用樹脂層108を半導体基板上に形成してもよい。
図4(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス300において、センサ102と貫通電極基板104とが電気的に接続されながら互いに接合されている。センサ102と貫通電極基板104とは緩衝用樹脂層108を介して接合されているため、緩衝用樹脂層108が加速度センサデバイス300における緩衝部材として機能し、加速度センサデバイス300の耐落下衝撃性が向上する。また、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて配置されるため、貫通電極基板104がセンサ102の錘部102aの変位を規制するためのストッパとして機能し、センサ102に過大な外力がかかった場合において、センサ102が損傷するのを防止する。さらに、図4(a)に示すように、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて、センサ102の可動部102dの配置位置の周囲を取り囲むように配置されるため、センサ102の気密性が維持され、センサ102内の中空構造を保つことが可能となる。また、加速度センサデバイス300の製造工程において、センサ102と貫通電極基板104とは熱圧着され、接合に超音波を用いないため、接合時にセンサ102が破壊される虞がなく、ダイシング時において、センサ102内に水分が浸入する虞もない。また、緩衝用樹脂層108として熱硬化性及び熱可塑性の樹脂を使用しているため、センサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する際に、熱硬化されながら、加圧によって厚み5μm〜15μmになるように変形されるため、加速度センサデバイス300全体の低背化が可能となる。さらに、ウェハレベルでセンサ102と貫通電極基板104との接合と電気的な接続とを熱圧着によって一度に行うため、製造工程を短縮することが可能である。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る加速度センサデバイス400について、図5(a)乃至(c)を参照して説明する。図5(a)は、第3の実施形態に係る加速度センサデバイス400を上から見た透視図である。図5(b)は、図5(a)に示した第3の実施形態に係る加速度センサデバイス400をA−A´線に沿って見た断面図である。図5(c)は、図5(b)に示した加速度センサデバイス300のS部分の拡大図である。尚、図5(a)乃至(c)において、図1、図2(a)乃至(c)、及び図4(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス100、200、及び300と同一又は類似の構成要素については、同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第3の実施形態に係る加速度センサデバイス400は、貫通電極基板104に形成された貫通電極110とセンサ102の固定部102cに配置された端子112の少なくとも一部とが重なるようにセンサ102と貫通電極基板104とを配置し、且つ、貫通電極110の配置位置の外側に導電性部材106及び緩衝用樹脂層108を配置する構成としたことに特徴がある。第1及び第2の実施形態と同様に、本実施形態において、導電性部材106はAu、Cu、Al、Ag、Sn、Ni、Ni−Au合金、Ni−Pd合金、Be−Cu合金、Be−Rh合金、W、Ir、Ru、Pt、Pd、Cr、Ta、Tl、Ti、Moなどの金属を含む金属膜からなる配線層であってもよい(導電性部材106を配線層106ともいう)。また、緩衝用樹脂層108が導電性部材106の配置位置の外側にあるため、緩衝用樹脂層108が、センサ102内部に侵入する虞がない。また、導電性部材106に形成されている配線パターン及び端子112に接続されるセンサ102側の配線(図示せず)が緩衝用樹脂108に踏みつけられず、断線や配線の変形などの虞がない。
図5(a)乃至(c)を参照すると、図2(a)乃至(c)及び図4(a)乃至(c)に示された加速度センサデバイス200及び300と同様に、加速度センサデバイス400は、センサ102と、インターポーザとして用いられる貫通電極基板104とを含む。センサ102は、貫通電極基板104上に配置されている。尚、センサ102の端子112と導電性部材106との接続部分が貫通電極110に配置位置と少なくとも一部が重なるように、センサ102は貫通電極基板104上に配置される。このような構成とすることで、貫通電極110間のピッチを変更することが可能になり、その余白部に新たな配線を配置することができるようになるため、設計自由度が向上する。又、貫通電極110間のピッチをほぼ均等にすることが可能なため、貫通電極110同士の熱膨張によるひび割れのリスクを回避することができ、加速度センサデバイスの信頼性が向上する。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とは、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cと対向する面上に配置された導電性部材106によって電気的に接続されている。図5(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス400において、配線層106は、センサ102の端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とを電気的に接続する。緩衝用樹脂層108は、貫通電極110の配置位置の外側(加速度センサデバイス400のエッジ側)において、導電性部材106の配置位置の外側に配置されており、センサ102と貫通電極基板104とを接合する。図5(c)に示すHは、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108の厚み(センサ102と貫通電極基板10との間の距離)を示し、5μm〜15μmであることが好ましい。
図5(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス400の製造方法については、図2(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス200とほぼ同様であるため、省略する。但し、センサ102は、センサ102の固定部102cに配置された端子112と導電性部材106との接続部分が、貫通電極基板104に形成された貫通電極110の配置位置と少なくとも一部が重なるように配置する。
図5(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス400において、センサ102と貫通電極基板104とが電気的に接続されながら互いに接合されている。センサ102と貫通電極基板104とは緩衝用樹脂層108を介して接合されているため、緩衝用樹脂層108が加速度センサデバイス400における緩衝部材として機能し、加速度センサデバイス400の耐落下衝撃性が向上する。また、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて配置されるため、貫通電極基板104がセンサ102の錘部102aの変位を規制するためのストッパとして機能し、センサ102に過大な外力がかかった場合において、センサ102が損傷するのを防止する。さらに、図5(a)に示すように、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて、センサ102の可動部102dの配置位置の周囲を取り囲むように配置されるため、センサ102の気密性が維持され、センサ102内の中空構造を保つことが可能となる。また、加速度センサデバイス400の製造工程において、センサ102と貫通電極基板104とは熱圧着され、接合に超音波を用いないため、接合時にセンサ102が破壊される虞がなく、ダイシング時において、センサ102内に水分が浸入する虞もない。また、緩衝用樹脂層108として熱硬化性及び熱可塑性の樹脂を使用しているため、センサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する際に、熱硬化されながら、加圧によって厚み5μm〜15μmになるように変形されるため、加速度センサデバイス400全体の低背化が可能となる。さらに、ウェハレベルでセンサ102と貫通電極基板104との接合と電気的な接続とを熱圧着によって一度に行うため、製造工程を短縮することが可能である。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る加速度センサデバイス500について、図6(a)乃至(c)を参照して説明する。図6(a)は、第4の実施形態に係る加速度センサデバイス500を上から見た透視図である。図6(b)は、図6(a)に示した第4の実施形態に係る加速度センサデバイス500をA−A´線に沿って見た断面図である。図6(c)は、図6(b)に示した加速度センサデバイス500のS部分の拡大図である。尚、図6(a)乃至(c)において、図1、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、及び図5(a)乃至(c)に示したセ加速度ンサデバイス100、200、300及び400と同一又は類似の構成要素については、同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第4の実施形態に係る加速度センサデバイス500において、センサ102の固定部102cに配置された端子112と導電性部材106との接続部分が、貫通電極110の配置位置と少なくとも一部が重なるようにセンサ102と貫通電極基板104とを配置し、且つ、貫通電極基板104に形成された貫通電極110の配置位置の内側に導電性部材106及び緩衝用樹脂層108を配置する構成としたことに特徴がある。第1乃至第3の実施形態と同様に、本実施形態において、導電性部材106は、Au、Cu、Al、Ag、Sn、Ni、Ni−Au合金、Ni−Pd合金、Be−Cu合金、Be−Rh合金、W、Ir、Ru、Pt、Pd、Cr、Ta、Tl、Ti、Moなどの金属を含む金属膜からなる配線層でもよい(以下、導電性部材106を配線層106ともいう)。また、本実施形態において、緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dを避けてパターニングされているため、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに侵入する虞がない。
図6(a)乃至(c)を参照すると、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、及び図5(a)乃至(c)に示された加速度センサデバイス100、200、300及び400と同様に、加速度センサデバイス500は、センサ102と、インターポーザとして用いられる貫通電極基板104とを含む。センサ102は、貫通電極基板104上に配置されている。尚、センサ102の端子112と導電性部材106との接続部分が貫通電極110の配置位置と少なくとも一部が重なるように、センサ102は貫通電極基板104上に配置される。このような構成とすることで、貫通電極110間のピッチを変更することが可能になり、その余白部に新たな配線を配置することができるようになるため、設計自由度が向上する。又、貫通電極110間のピッチをほぼ均等にすることが可能なため、貫通電極110同士の熱膨張によるひび割れのリスクを回避することができ、加速度センサデバイスの信頼性が向上する。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とは、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cと対向する面上に配置された導電性部材106によって電気的に接続されている。図6(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス500において、配線層106は、センサ102の端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とを電気的に接続する。緩衝用樹脂層108は、貫通電極110の配置位置の内側(センサ102の固定部102cの可動部102d側)において、導電性部材106の配置位置の内側に配置されており、センサ102と貫通電極基板104とを接合する。図6(c)に示すHは、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108の厚み(センサ102と貫通電極基板10との間の距離)を示し、5μm〜15μmであることが好ましい。
図6(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス500の製造方法については、図2(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス200とほぼ同様であるため、省略する。但し、センサ102は、センサ102の固定部102cに配置された端子112と導電性部材106との接続部分が、貫通電極基板104に形成された貫通電極110の配置位置と少なくとも一部が重なるように配置する。また、緩衝用樹脂108は、貫通電極基板104に形成された貫通電極110の配置位置の内側(センサ102の固定部102cの可動部102d側)に形成する。或いは、センサが形成された半導体基板と貫通電極基板104とを接合した際に、緩衝用樹脂層108が貫通電極110の配置位置の内側に配置されるように、緩衝用樹脂層108を半導体基板上に形成してもよい。
図6(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス500において、センサ102と貫通電極基板104とが電気的に接続されながら互いに接合されている。センサ102と貫通電極基板104とは緩衝用樹脂層108を介して接合されているため、緩衝用樹脂層108が加速度センサデバイス500における緩衝部材として機能し、加速度センサデバイス500の耐落下衝撃性が向上する。また、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて配置されるため、貫通電極基板104がセンサ102の錘部102aの変位を規制するためのストッパとして機能し、センサ102に過大な外力がかかった場合において、センサ102が損傷するのを防止する。さらに、図6(a)に示すように、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて、センサ102の可動部102dの配置位置の周囲を取り囲むように配置されるため、センサ102の気密性が維持され、センサ102内の中空構造を保つことが可能となる。また、加速度センサデバイス500の製造工程において、センサ102と貫通電極基板104とは熱圧着され、接合に超音波を用いないため、接合時にセンサ102が破壊される虞がなく、ダイシング時において、センサ102内に水分が浸入する虞もない。また、緩衝用樹脂層108として熱硬化性及び熱可塑性の樹脂を使用しているため、センサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する際に、熱硬化されながら、加圧によって厚み5μm〜15μmになるように変形されるため、加速度センサデバイス500全体の低背化が可能となる。さらに、ウェハレベルでセンサ102と貫通電極基板104との接合と電気的な接続とを熱圧着によって一度に行うため、製造工程を短縮することが可能である。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る加速度センサデバイス600について、図7(a)乃至(c)を参照して説明する。図7(a)は、第5の実施形態に係る加速度センサデバイス600を上から見た透視図である。図7(b)は、図7(a)に示した本第5の実施形態に係る加速度センサデバイス600をA−A´線に沿って見た断面図である。図7(c)は、図7(b)に示した加速度センサデバイス600のS部分の拡大図である。尚、図7(a)乃至(c)において、図1、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)及び図6(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス100乃至500と同一又は類似の構成要素については、同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第5の実施形態に係る加速度センサデバイス600において、センサ102の固定部102cに配置された端子112と導電性部材106との接続部分を、貫通電極基板104に形成された貫通電極110の配置位置と少なくとも一部が重なるように配置し、且つ、貫通電極110の配置位置の外側に緩衝用樹脂層108を配置する構成としたことに特徴がある。
図7(a)乃至(c)を参照すると、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、及び図6(a)乃至(c)に示された加速度センサデバイス200乃至500と同様に、加速度センサデバイス600は、センサ102と、インターポーザとして用いられる貫通電極基板104とを含む。センサ102は、貫通電極基板104上に配置されている。尚、センサ102の端子112と導電性部材106との接続部分が貫通電極110の配置位置と少なくとも一部が重なるように、センサ102は貫通電極基板104上に配置される。このような構成とすることで、貫通電極110間のピッチを変更することが可能になり、その余白部に新たな配線を配置することができるようになるため、設計自由度が向上する。又、貫通電極110間のピッチをほぼ均等にすることが可能なため、貫通電極110同士の熱膨張によるひび割れのリスクを回避することができ、加速度センサデバイスの信頼性が向上する。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とは、センサ102の端子112と対向する貫通電極110上に配置された導電性部材106によって電気的に接続されている。図7(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス600において、導電性部材106は半田ボール又は導電ペーストである。半田材料としては、Sn、Sn−Pb系、Sn−Ag系、Sn−Zn系、Bi系の半田材料を用いてもよい。導電ペーストの場合は、上述したように、Au、Ag、Pd、Ni、Cu、Sn、AgコートCuなどを用いてもよい。緩衝用樹脂層108は、貫通電極110の配置位置の外側(加速度センサデバイス600のエッジ側)において、導電性部材106の配置位置の外側に配置されており、センサ102と貫通電極基板104とを接合する。緩衝用樹脂層108は、貫通電極110の配置位置の外側に配置されているため、緩衝用樹脂層108がセンサ102内部に侵入する虞がない。また、導電性部材106に形成されている配線パターン及び端子112に接続されるセンサ102側の配線(図示せず)が緩衝用樹脂108に踏みつけられず、断線や配線の変形などの虞がない。図7(c)に示すHは、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108の厚み(センサ102と貫通電極基板10との間の距離)を示し、5μm〜15μmであることが好ましい。
図8(a)乃至(d)を参照して、図7(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス600の製造方法について説明する。尚、図8(a)乃至(d)おいて、図7(c)に示した加速度センサデバイス600のS部分のみを拡大して示すが、実際の製造工程において、加速度センサデバイス600は、ウェハレベルで製造される。センサ102は、第1の実施形態と同様に、半導体基板に多面付けで予め製造しておく。
図8(a)に示すように、Si基板にDeep−RIEによって厚さ方向に貫通する貫通孔を形成し、貫通孔に導電材料、例えば銅を充填めっきして貫通電極110を形成し、貫通電極基板104を製造する。貫通孔の形成方法及び貫通電極110の形成方法は、第1の実施形態において、図3(a)を参照して詳述した方法と同様である。尚、貫通電極基板104のセンサ102に対向する面上のセンサ102の可動部102dに対応する部分に、エッチングによって、ザグリ部(凹部)104aを形成してもよい。
次に、図8(b)に示すように、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cに対向する面上に、貫通電極110と重ならないよう、貫通電極110の配置位置の外側(加速度センサデバイス600のエッジ側)に緩衝用樹脂層108を形成する。緩衝用樹脂層108は、フォトリソグラフィ又はスクリーン印刷、ディスペンス法などによって形成されてもよい。フォトリソグラフィによって形成する場合は、緩衝用樹脂層108として、熱硬化性及び熱可塑性に加えて感光性を有するシリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロロブテン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂など樹脂を使用する。緩衝用樹脂層108の厚さhは、25μm〜30μmとすることが好ましい。
次に、図8(c)に示すように、ディスペンサなどによって、導電性部材106(半田ボール又は導電ペースト)を貫通電極基板104の貫通電極110上に配置する。
次に、図8(d)に示すように、センサ102と貫通電極基板104とを電気的に接続し、且つ接合する。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極110上に配置された導電性部材106とを接着させるように、且つセンサ102の可動部102dが貫通電極基板104に形成されたザグリ部104aに対応するようにセンサ102を貫通電極基板104上に配置し、250℃〜350℃でセンサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する。これにより、センサ102の端子112と貫通電極110上に配置された導電性部材106とが電気的に接続される。さらに、熱圧着による熱硬化によって、センサ102の固定部102cの一部と緩衝用樹脂層108とが接合される。熱硬化後の緩衝用樹脂層108の厚さHは、5μm〜15μmであることが好ましい。この後、貫通電極基板104をダイシングし、個々のセンサデバイスを切り離して個片化することにより、図7(a)乃至(c)に示されるような加速度センサデバイス600が得られる。尚、緩衝用樹脂層108及び導電性部材106を貫通電極基板104側に配置する例を説明したが、緩衝用樹脂層108及び導電性部材106は、センサ102が形成されている半導体基板に配置されてもよい。
図7(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス600において、センサ102と貫通電極基板104とが電気的に接続されながら互いに接合されている。センサ102と貫通電極基板104とは緩衝用樹脂層108を介して接合されているため、緩衝用樹脂層108が加速度センサデバイス600における緩衝部材として機能し、加速度センサデバイス600の耐落下衝撃性が向上する。また、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて配置されるため、貫通電極基板104がセンサ102の錘部102aの変位を規制するためのストッパとして機能し、センサ102に過大な外力がかかった場合において、センサ102が損傷するのを防止する。さらに、図7(a)に示すように、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて、センサ102の可動部102dの配置位置の周囲を取り囲むように配置されるため、センサ102の気密性が維持され、センサ102内の中空構造を保つことが可能となる。また、加速度センサデバイス600の製造工程において、センサ102と貫通電極基板104とは熱圧着され、接合に超音波を用いないため、接合時にセンサ102が破壊される虞がなく、ダイシング時において、センサ102内に水分が浸入する虞もない。また、緩衝用樹脂層108として熱硬化性及び熱可塑性の樹脂を使用しているため、センサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する際に、熱硬化されながら、加圧によって厚み5μm〜15μmになるように変形されるため、加速度センサデバイス600全体の低背化が可能となる。さらに、ウェハレベルでセンサ102と貫通電極基板104との接合と電気的な接続とを熱圧着によって一度に行うため、製造工程を短縮することが可能である。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る加速度センサデバイス700について、図9(a)乃至(c)を参照して説明する。図9(a)は、第6の実施形態に係る加速度センサデバイス700を上から見た透視図である。図9(b)は、図9(a)に示した第6の実施形態に係る加速度センサデバイス700の一例をA−A´線に沿って見た断面図である。図9(c)は、図9(b)に示した加速度センサデバイス700のS部分の拡大図である。尚、図9(a)乃至(c)において、図1、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、図6(a)乃至(c)及び図7(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス100乃至600と同一又は類似の構成要素については、同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第6の実施形態に係る加速度センサデバイス700において、センサ102の固定部102cに配置された端子112と導電性部材106との接続部分を、貫通電極110の配置位置と少なくとも一部が重なるように配置し、且つ、貫通電極基板104に形成された貫通電極110の配置位置の内側に緩衝用樹脂層108を配置する構成としたことに特徴がある。
図9(a)乃至(c)を参照すると、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、図6(a)乃至(c)及び図7(a)乃至(c)に示された加速度センサデバイス200乃至600と同様に、加速度センサデバイス700は、センサ102と、インターポーザとして用いられる貫通電極基板104とを含む。センサ102は、貫通電極基板104上に配置されている。尚、センサ102の端子112と導電性部材106との接続部分が貫通電極110の配置位置と少なくとも一部が重なるように、センサ102は貫通電極基板104上に配置される。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とは、センサ102の端子112と対向する貫通電極110上に配置された導電性部材106によって電気的に接続されている。図9(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス700において、図6(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス600と同様に、導電性部材106は半田ボール又は導電ペーストである。半田及び導電ペーストの材料は、第5の実施形態において説明したものと同様である。緩衝用樹脂層108は、貫通電極110の配置位置の内側(センサ102の固定部102cの可動部102d側)において、導電性部材106の配置位置の内側に配置されており、センサ102と貫通電極基板104とを接合する。このような構成とすることで、貫通電極110間のピッチを変更することが可能になり、その余白部に新たな配線を配置することができるようになるため、設計自由度が向上する。又、貫通電極110間のピッチをほぼ均等にすることが可能なため、貫通電極110同士の熱膨張によるひび割れのリスクを回避することができ、加速度センサデバイスの信頼性が向上する。図9(c)に示すHは、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108の厚み(センサ102と貫通電極基板10との間の距離)を示し、5μm〜15μmであることが好ましい。
図9(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス700の製造方法については、図7(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス600とほぼ同様であるため、省略する。但し、緩衝用樹脂108は、貫通電極基板104に形成された貫通電極110の配置位置の内側(センサ102の可動部102d側)に形成する。本実施形態において、緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dを避けてパターニングされているため、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに侵入する虞がない。尚、緩衝用樹脂層108及び導電性部材(配線層)106は、センサ102が形成されている半導体基板と貫通電極基板104とを接合した際に、緩衝用樹脂層108が貫通電極110の配置位置の内側に配置されるように、センサ102が形成されている半導体基板に形成されてもよい。
図9(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス700において、センサ102と貫通電極基板104とが電気的に接続されながら互いに接合されている。センサ102と貫通電極基板104とは緩衝用樹脂層108を介して接合されているため、緩衝用樹脂層108が加速度センサデバイス700における緩衝部材として機能し、加速度センサデバイス700の耐落下衝撃性が向上する。また、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて配置されるため、貫通電極基板104がセンサ102の錘部102aの変位を規制するためのストッパとして機能し、センサ102に過大な外力がかかった場合において、センサ102が損傷するのを防止する。さらに、図9(a)に示すように、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて、センサ102の可動部102dの配置位置の周囲を取り囲むように配置されるため、センサ102の気密性が維持され、センサ102内の中空構造を保つことが可能となる。また、加速度センサデバイス700の製造工程において、センサ102と貫通電極基板104とは熱圧着され、接合に超音波を用いないため、接合時にセンサ102が破壊される虞がなく、ダイシング時において、センサ102内に水分が浸入する虞もない。また、緩衝用樹脂層108として熱硬化性及び熱可塑性の樹脂を使用しているため、センサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する際に、熱硬化されながら、加圧によって厚み5μm〜15μmになるように変形されるため、加速度センサデバイス700全体の低背化が可能となる。さらに、ウェハレベルでセンサ102と貫通電極基板104との接合と電気的な接続とを熱圧着によって一度に行うため、製造工程を短縮することが可能である。
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る加速度センサデバイス800について、図10(a)乃至(c)を参照して説明する。図10(a)は、第7の実施形態に係る加速度センサデバイス800を上から見た透視図である。図10(b)は、図10(a)に示した第7の実施形態に係る加速度センサデバイス800をA−A´線に沿って見た断面図である。図10(c)は、図10(b)に示した加速度センサデバイス800のS部分の拡大図である。尚、図10(a)乃至(c)において、図1、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、図6(a)乃至(c)、図7(a)乃至(c)及び図9(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス100乃至700と同一又は類似の構成要素については、同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第7の実施形態に係る加速度センサデバイス800において、センサ102の固定部102cに配置された端子112と導電性部材106a及び106bとの接続部分を、貫通電極110の配置位置と少なくとも一部が重なるように配置し、且つ、導電部材106a及び106bの配置位置の周囲に緩衝用樹脂層108を配置する構成としたことに特徴がある。
図10(a)乃至(c)を参照すると、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、図6(a)乃至(c)、図7(a)乃至(c)及び図9(a)乃至(c)に示された加速度センサデバイス200乃至700と同様に、加速度センサデバイス800は、センサ102と、インターポーザとして用いられる貫通電極基板104とを含む。センサ102は、貫通電極基板104上に配置されている。尚、センサ102の端子112と導電性部材106a及び106bとの接続部分が貫通電極110の配置位置と少なくとも一部が重なるように、センサ102は貫通電極基板104上に配置される。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とは、センサ102の端子112と対向する貫通電極110上に配置された導電性部材106a及び106bによって電気的に接続されている。図10(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス800において、導電性部材106aはAu、Cu、Al、Ag、Sn、Ni、Ni−Au合金、Ni−Pd合金、Be−Cu合金、Be−Rh合金、W、Ir、Ru、Pt、Pd、Cr、Ta、Tl、Ti、Moなどの金属を含む凹形状の金属膜であり、導電性部材106bは半田ボール又は導電ペーストである。半田及び導電ペーストの材料は、第5の実施形態において説明したものと同じである。好ましくは、金属膜としての導電性部材106aには、Cu上にNi/Au処理したCu膜、導電性部材106bには、鉛フリー半田を使用する。また、好ましくは、金属膜としての導電性部材106aには、Cu上にNi/Au処理したCu膜、導電性部材106bには導電ペーストとしてAuコートCuを使用してもよい。導電性部材106aは、凹部802を有し、凹部802は貫通電極上に配置される。導電性部材106bは導電性部材106aの凹部802に配置される。緩衝用樹脂層108は、貫通電極基板104の貫通電極110上を除く導電性部材106a及び106bの配置位置の周囲に配置されており、センサ102と貫通電極基板104とを接合する。このような構成とすることで、貫通電極110間のピッチを変更することが可能になり、その余白部に新たな配線を配置することができるようになるため、設計自由度が向上する。又、貫通電極110間のピッチをほぼ均等にすることが可能なため、貫通電極110同士の熱膨張によるひび割れのリスクを回避することができ、加速度センサデバイスの信頼性が向上する。また、本実施形態において、緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dを避けてパターニングされているため、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに侵入する虞がない。図10(c)に示すHは、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108の厚み(センサ102と貫通電極基板10との間の距離)を示し、5μm〜15μmであることが好ましい。
図11(a)乃至(e)を参照して、図10(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス800の製造方法について説明する。尚、図11(a)乃至(e)おいて、図10(c)に示した加速度センサデバイス800のS部分のみを拡大して示すが、実際の製造工程において、加速度センサデバイス800は、ウェハレベルで製造される。尚、センサ102は、第1の実施形態と同様に、半導体基板に多面付けで予め製造しておく。
図11(a)に示すように、Si基板にDeep−RIEによって厚さ方向に貫通する貫通孔を形成し、形成した貫通孔に導電材料、例えば銅を充填めっきして貫通電極110を形成し、貫通電極基板104を製造する。貫通孔の形成方法及び貫通電極110の形成方法は、第1の実施形態において、図3(a)を参照して詳述した方法と同様である。尚、貫通電極基板104のセンサ102に対向する面上のセンサ102の可動部102dに対応する部分に、エッチングによって、ザグリ部(凹部)104aを形成してもよい。
次に、図11(b)に示すように、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cに対向する面上に、貫通電極110と重ならないよう、貫通電極110の配置位置の周囲に緩衝用樹脂層108を形成する。緩衝用樹脂層108は、フォトリソグラフィ又はスクリーン印刷、ディスペンス法などによって形成されてもよい。フォトリソグラフィによって形成する場合は、緩衝用樹脂層108として、熱硬化性及び熱可塑性に加えて感光性を有するシリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロロブテン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂など樹脂を使用する。緩衝用樹脂層108の厚さhは、25μm〜30μmとすることが好ましい。図11(b)に示すように、緩衝用樹脂層108は、テーパ状に形成することが好ましい。緩衝用樹脂層108をテーパ状に形成することにより、後述する導電性部材106aを形成する際に形成されるシード層のつきまわりが向上する。テーパ角度は90°未満が好ましい。
次に、図11(c)に示すように、貫通電極110の配置位置の周囲に形成された緩衝用樹脂層108の一部に重なるように、導電性部材106aを貫通電極110上に形成する。導電性部材106aは、第1の実施形態において、図3(c)を参照して説明した配線層106の形成方法と同じ方法で形成される。
次に、図11(d)に示すように、ディスペンサなどによって、導電性部材106b(半田ボール又は導電ペースト)を貫通電極110上に形成された導電性部材106a上に配置する。貫通電極110の配置位置の周囲に形成された緩衝用樹脂層108の開口内に導電性部材106bを配置するため、導電性部材106bを容易に配置することができる。
次に、図11(e)に示すように、センサ102と貫通電極基板104とを電気的に接続し、且つ接合する。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極110上に配置された導電性部材106bとを接着させるように、且つセンサ102の可動部102dが貫通電極基板104に形成されたザグリ部104aに対応するようにセンサ102を貫通電極基板104上に配置し、250℃〜350℃でセンサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する。これにより、センサ102の端子112と貫通電極110上に配置された導電性部材106bとが電気的に接続される。さらに、熱圧着による熱硬化によって、センサ102の固定部102cの一部と緩衝用樹脂層108とが接合される。熱硬化後の緩衝用樹脂層108の厚さHは、5μm〜15μmであることが好ましい。この後、貫通電極基板104をダイシングし、個々のセンサデバイスを切り離して個片化することにより、図10(a)乃至(c)に示されるような加速度センサデバイス800が得られる。尚、緩衝用樹脂層108及び導電性部材106a及び106bを貫通電極基板104側に形成する例を説明したが、緩衝用樹脂層108及び導電性部材106a及び106bは、センサ102が形成されている半導体基板に形成されてもよい。
図10(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス800において、センサ102と貫通電極基板104とが電気的に接続されながら互いに接合されている。センサ102と貫通電極基板104とは緩衝用樹脂層108を介して接合されているため、緩衝用樹脂層108が加速度センサデバイス800における緩衝部材として機能し、加速度センサデバイス800の耐落下衝撃性が向上する。また、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて配置されるため、貫通電極基板104がセンサ102の錘部102aの変位を規制するためのストッパとして機能し、センサ102に過大な外力がかかった場合において、センサ102が損傷するのを防止する。さらに、図10(a)に示すように、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて、センサ102の可動部102dの配置位置の周囲を取り囲むように配置されるため、センサ102の気密性が維持され、センサ102内の中空構造を保つことが可能となる。また、加速度センサデバイス800の製造工程において、センサ102と貫通電極基板104とは熱圧着され、接合に超音波を用いないため、接合時にセンサ102が破壊される虞がなく、ダイシング時において、センサ102内に水分が浸入する虞もない。また、緩衝用樹脂層108として熱硬化性及び熱可塑性の樹脂を使用しているため、センサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する際に、熱硬化されながら、加圧によって厚み5μm〜15μmになるように変形されるため、加速度センサデバイス800全体の低背化が可能となる。さらに、ウェハレベルでセンサ102と貫通電極基板104との接合と電気的な接続とを熱圧着によって一度に行うため、製造工程を短縮することが可能である。
(第8の実施形態)
本発明の第8の実施形態に係る加速度センサデバイス900について、図12(a)乃至(c)を参照して説明する。図12(a)は、第8の実施形態に係る加速度センサデバイス900を上から見た透視図である。図12(b)は、図12(a)に示した第8の実施形態に係る加速度センサデバイス900をA−A´線に沿って見た断面図である。図12(c)は、図12(b)に示した加速度センサデバイス900のS部分の拡大図である。尚、図12(a)乃至(c)において、図1、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、図6(a)乃至(c)、図7(a)乃至(c)、図9(a)乃至(c)及び図10(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス100乃至800と同一又は類似の構成要素については、同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第8の実施形態に係る加速度センサデバイス900において、センサ102の固定部102cに配置された端子112と導電性部材106b´及び106c´との接続部分を貫通電極110の配置位置を避けて配置し、導電部材106a´、106b´及び106c´を介してセンサ102の端子112と貫通電極110とを電気的に接続し、且つセンサ102の固定部102cに対向する貫通電極基板104のセンサ102の可動部側(ザグリ部104寄り)に貫通電極110を配置する構成としたことに特徴がある。
図12(a)乃至(c)を参照すると、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、図6(a)乃至(c)、図7(a)乃至(c)、図9(a)乃至(c)及び図10(a)乃至(c)に示された加速度センサデバイス200乃至800と同様に、加速度センサデバイス900は、センサ102と、インターポーザとして用いられる貫通電極基板104とを含む。センサ102は、貫通電極基板104上に配置されている。尚、センサ102の端子112と導電性部材106b´及び106c´との接続部分が貫通電極110の配置位置を避けるように、センサ102は貫通電極基板104上に配置される。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とは、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cと対向する面上に配置された導電性部材106a´、106b´及び106c´によって電気的に接続されている。このような構成とすることで、センサ102に接続している導電性部材106と貫通電極110との接合面積が十分にとれるため、センサ102と導電性部材106と貫通電極110とが剥離する虞がない。図12(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス900において、導電性部材106a´はAu、Cu、Al、Ag、Sn、Ni、Ni−Au合金、Ni−Pd合金、Be−Cu合金、Be−Rh合金、W、Ir、Ru、Pt、Pd、Cr、Ta、Tl、Ti、Moなどの金属を含む金属膜からなる配線層であり(以下、配線層106a´ともいう)、導電性部材106b´は、Au、Cu、Al、Ag、Sn、Ni、NiとAuとの合金、NiとPdとの合金、BeとCuとの合金、BeとRhとの合金、W、Ir、Ru、Pt、Pd、Cr、Ta、Tl、Ti、Moなどの金属を含む凹形状の金属膜であり、導電性部材106c´は半田ボール又は導電ペーストである。半田及び導電ペーストの材料は、第5の実施形態において説明したものと同じである。また、金属膜と半田ボール/導電性ペーストとの好ましい組み合わせは、第7の実施形態において説明したものと同様である。導電性部材106a´は、貫通電極110と少なくとも一部が重なるように配置され、加速度センサデバイス900のエッジ方向に延長されて導電性部材106b´と接続される。導電性部材106b´は、凹部902を有し、凹部902は導電性部材106a´上に配置される。導電性部材106c´は、導電性部材106b´の凹部902に配置され、センサ102の端子112と接続される。センサ102の端子112と導電性部材106b´及び106c´との接続部分は、貫通電極110の配置位置を避けて配置される。緩衝用樹脂層108は、端子112の配置位置の周囲、且つ、導電性部材106a´の一部、106b´及び106c´の配置位置の周囲に配置されており、センサ102と貫通電極基板104とを接合する。図12(a)乃至(c)に示すセンサデバイス100において、貫通電極110は、センサ102の固定部102cに対向する貫通電極基板104のセンサ102の可動部側(ザグリ部104寄り)に配置されている。本実施形態において、緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dを避けてパターニングされているため、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに侵入する虞がない。貫通電極110のピッチをセンサ102の端子112のピッチに合わせることがないため、設計の自由度を向上させることができる。図12(c)に示すHは、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108の厚み(センサ102と貫通電極基板10との間の距離)を示し、5μm〜15μmであることが好ましい。
図13(a)乃至(f)を参照して、図12(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス900の製造方法について説明する。尚、図13(a)乃至(f)おいて、図12(c)に示した加速度センサデバイス900のS部分のみを拡大して示すが、実際の製造工程において、加速度センサデバイス900は、ウェハレベルで製造される。センサ102は、第1の実施形態と同様に、半導体基板に多面付けで予め製造しておく。
図13(a)に示すように、Si基板にDeep−RIEによって厚さ方向に貫通する貫通孔を形成し、形成した貫通孔に導電材料、例えば銅を充填めっきして貫通電極110を形成し、貫通電極基板104を製造する。貫通孔の形成方法及び貫通電極110の形成方法は、第1の実施形態において、図3(a)を参照して詳述した方法と同様である。尚、貫通電極基板104のセンサ102に対向する面上のセンサ102の可動部102dに対応する部分に、エッチングによって、ザグリ部(凹部)104aを形成してもよい。
次に、図13(b)に示すように、貫通電極基板104のザグリ部104aが形成された面上に、貫通電極110の少なくとも一部に重なるように、導電性部材(配線層)106a´を形成する。導電性部材106a´は、第1の実施形態において、図3(c)を参照して説明した配線層106の形成方法と同じ方法で形成される。
次に、図13(c)に示すように、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cに対向する面上に、導電性部材(配線層)106a´のセンサ102の端子112に対向する部分を露出するように緩衝用樹脂層108を形成する。緩衝用樹脂層108は、フォトリソグラフィ又はスクリーン印刷、ディスペンス法などによって形成されてもよい。フォトリソグラフィによって形成する場合は、緩衝用樹脂層108として、熱硬化性及び熱可塑性に加えて感光性を有するシリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロロブテン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂など樹脂を使用する。緩衝用樹脂層108の厚さhは、25μm〜30μmとすることが好ましい。図13(c)に示すように、緩衝用樹脂層108は、テーパ状に形成することが好ましい。緩衝用樹脂層108をテーパ状に形成することにより、後述する導電性部材106b´を形成する際に形成されるシード層のつきまわりが向上する。テーパ角度は90°未満が好ましい。
次に、図13(d)に示すように、緩衝用樹脂層108の一部に重なるように、導電性部材(パッド)106b´を露出している導電性部材106a´上に形成する。導電性部材106b´は、導電性部材106a´と同様に、図3(c)を参照して説明した配線層106の形成方法と同じ方法で形成される。
次に、図13(e)に示すように、ディスペンサなどによって、導電性部材106c´(半田ボール又は導電ペースト)を導電性部材(パッド)106b´上に配置する。貫通電極110の配置位置の周囲に形成された緩衝用樹脂層108の開口内に導電性部材106c´を配置するため、導電性部材106c´を容易に配置することができる。
次に、図13(f)に示すように、センサ102と貫通電極基板104とを電気的に接続し、且つ接合する。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極110上に配置された導電性部材106c´とを接着させるように、且つセンサ102の可動部102dが貫通電極基板104に形成されたザグリ部104aに対応するようにセンサ102を貫通電極基板104上に配置し、250℃〜350℃でセンサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する。これにより、センサ102の端子112と貫通電極110上に配置された導電性部材106c´とが電気的に接続される。さらに、熱圧着による熱硬化によって、センサ102の固定部102cの一部と緩衝用樹脂層108とが接合される。熱硬化後の緩衝用樹脂層108の厚さHは、5μm〜15μmであることが好ましい。この後、貫通電極基板104をダイシングし、個々のセンサデバイスを切り離して個片化することにより、図12(a)乃至(c)に示されるような加速度センサデバイス900が得られる。尚、緩衝用樹脂層108及び導電性部材106a´、106b´、106c´を貫通電極基板104側に形成する例を説明したが、緩衝用樹脂層108及び導電性部材106a´、106b´、106c´は、センサ102が形成されている半導体基板に形成されてもよい。
図12(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス900において、センサ102と貫通電極基板104とが電気的に接続されながら互いに接合されている。センサ102と貫通電極基板104とは緩衝用樹脂層108を介して接合されているため、緩衝用樹脂層108が加速度センサデバイス900における緩衝部材として機能し、加速度センサデバイス900の耐落下衝撃性が向上する。また、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて配置されるため、貫通電極基板104がセンサ102の錘部102aの変位を規制するためのストッパとして機能し、センサ102に過大な外力がかかった場合において、センサ102が損傷するのを防止する。さらに、図12(a)に示すように、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて、センサ102の可動部102dの配置位置の周囲を取り囲むように配置されるため、センサ102の気密性が維持され、センサ102内の中空構造を保つことが可能となる。また、加速度センサデバイス900の製造工程において、センサ102と貫通電極基板104とは熱圧着され、接合に超音波を用いないため、接合時にセンサ102が破壊される虞がなく、ダイシング時において、センサ102内に水分が浸入する虞もない。また、緩衝用樹脂層108として熱硬化性及び熱可塑性の樹脂を使用しているため、センサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する際に、熱硬化されながら、加圧によって厚み5μm〜15μmになるように変形されるため、加速度センサデバイス900全体の低背化が可能となる。さらに、ウェハレベルでセンサ102と貫通電極基板104との接合と電気的な接続とを熱圧着によって一度に行うため、製造工程を短縮することが可能である。
(第9の実施形態)
本発明の第9の実施形態に係る加速度センサデバイス1000について、図14(a)乃至(c)を参照して説明する。図14(a)は、第9の実施形態に係る加速度センサデバイス100の0を上から見た透視図である。図14(b)は、図14(a)に示した第6の実施形態に係る加速度センサデバイス1000をA−A´線に沿って見た断面図である。図14(c)は、図14(b)示した加速度センサデバイス1000のS部分の拡大図である。尚、図14(a)乃至(c)において、図1、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、図6(a)乃至(c)、図7(a)乃至(c)、図9(a)乃至(c)、図10(a)乃至(c)及び図12(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス100乃至900と同一又は類似の構成要素については、同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第9の実施形態に係る加速度センサデバイス1000において、センサ102の固定部102cに配置された端子112と導電性部材106b´及び106c´との接続部分を、貫通電極110の配置位置を避けるように配置し、導電部材106a´、106b´及び106c´を介してセンサ102の端子112と貫通電極110とを電気的に接続し、且つ加速度センサデバイス1000のエッジ側に貫通電極110を配置する構成としたことに特徴がある。
図14(a)乃至(c)を参照すると、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、図6(a)乃至(c)、図7(a)乃至(c)、図9(a)乃至(c)、図10(a)乃至(c)及び図12(a)乃至(c)に示された加速度センサデバイス200乃至900と同様に、加速度センサデバイス1000は、センサ102と、インターポーザとして用いられる貫通電極基板104とを含む。センサ102は、貫通電極基板104上に配置されている。尚、センサ102の端子112と導電性部材106b´及び106c´との接続部分が貫通電極110の配置位置を避けるように、センサ102は貫通電極基板104上に配置される。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とは、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cと対向する面上に配置された導電性部材106a´、106b´及び106c´によって電気的に接続されている。このような構成とすることで、センサ102に接続している導電性部材106と貫通電極110との接合面積が十分にとれるため、センサ102と導電性部材106と貫通電極110とが剥離する虞がない。図14(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス1000において、導電性部材106a´、導電性部材106b´、及び導電性部材106c´形状及び材料は、第8の実施形態において説明した導電性部材106a´乃至106c´と同一である。導電性部材106a´は、配線層であり、貫通電極110と少なくとも一部が重なるように配置され、センサ102の可動部102d方向に延長されて凹部902を有する導電性部材106b´と接続される。導電性部材106b´は、凹部902が導電性部材106a´上に配置される。導電性部材106c´は、導電性部材106b´の凹部902に配置され、センサ102の端子112と接続される。センサ102の端子112と導電性部材106b´及び106c´との接続部分は、貫通電極110の配置位置を避けて配置される。緩衝用樹脂層108は、端子112の配置位置の周囲、且つ、導電性部材106a´の一部、106b´及び106c´の配置位置の周囲に配置されており、センサ102と貫通電極基板104とを接合する。図14(a)乃至(c)に示すセンサデバイス100において、貫通電極110は、加速度センサデバイス1000のエッジ側に配置されている。本実施形態において、緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dを避けてパターニングされているため、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに侵入する虞がない。貫通電極110のピッチをセンサ102の端子112のピッチにあわせることがないため、設計の自由度を向上させることができる。図14(c)に示すHは、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108の厚み(センサ102と貫通電極基板10との間の距離)を示し、5μm〜15μmであることが好ましい。
図14(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス1000の製造方法については、図12(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス900とほぼ同様であるため、省略する。但し、貫通電極110は加速度センサデバイス1000のエッジ側に形成される。
図14(a)乃至(b)に示した加速度センサデバイス1000において、センサ102と貫通電極基板104とが電気的に接続されながら互いに接合されている。センサ102と貫通電極基板104とは緩衝用樹脂層108を介して接合されているため、緩衝用樹脂層108が加速度センサデバイス1000における緩衝部材として機能し、加速度センサデバイス1000の耐落下衝撃性が向上する。また、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて配置されるため、貫通電極基板104がセンサ102の錘部102aの変位を規制するためのストッパとして機能し、センサ102に過大な外力がかかった場合において、センサ102が損傷するのを防止する。さらに、図14(a)に示すように、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて、センサ102の可動部102dの配置位置の周囲を取り囲むように配置されるため、センサ102の気密性が維持され、センサ102内の中空構造を保つことが可能となる。また、加速度センサデバイス1000の製造工程において、センサ102と貫通電極基板104とは熱圧着され、接合に超音波を用いないため、接合時にセンサ102が破壊される虞がなく、ダイシング時において、センサ102内に水分が浸入する虞もない。また、緩衝用樹脂層108として熱硬化性及び熱可塑性の樹脂を使用しているため、センサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する際に、熱硬化されながら、加圧によって厚み5μm〜15μmになるように変形されるため、加速度センサデバイス1000全体の低背化が可能となる。さらに、ウェハレベルでセンサ102と貫通電極基板104との接合と電気的な接続とを熱圧着によって一度に行うため、製造工程を短縮することが可能である。
(第10の実施形態)
本発明の第10の実施形態に係る加速度センサデバイス1100について、図15(a)乃至(c)を参照して説明する。図15(a)は、第10の実施形態に係る加速度センサデバイス1100を上から見た透視図である。図15(b)は、図15(a)に示した第10の実施形態に係る加速度センサデバイス1100をA−A´線に沿って見た断面図である。図15(c)は、図15(b)示した加速度センサデバイス1100のS部分の拡大図である。尚、図15(a)乃至(c)において、図1、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、図6(a)乃至(c)、図7(a)乃至(c)、図9(a)乃至(c)、図10(a)乃至(c)、図12(a)乃至(c)及び図14(a)、乃至(c)に示した加速度センサデバイス100乃至1000と同一又は類似の構成要素については、同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第10の実施形態に係る加速度デバイス1100において、センサ102の固定部102cに配置された端子112と導電性部材106との接続部分を、貫通電極110の配置位置と少なくとも一部が重なるように配置し、且つ、導電性部材106及び貫通電極110の配置位置の周囲に緩衝用樹脂層108を配置する構成としたことに特徴がある。
図15(a)乃至(b)を参照すると、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、図6(a)乃至(c)、図7(a)乃至(c)、図9(a)乃至(c)、図10(a)乃至(c)、図12(a)乃至(c)及び図14(a)乃至(c)に示された加速度センサデバイス200乃至1000と同様に、センサデバイス1100は、センサ102と、インターポーザとして用いられる貫通電極基板104とを含む。センサ102は、貫通電極基板104上に配置されている。尚、センサ102の端子112と導電性部材106との接続部分が貫通電極110の配置位置の少なくとも一部と重なるように、センサ102は貫通電極基板104上に配置される。このような構成とすることで、貫通電極110間のピッチを変更することが可能になり、その余白部に新たな配線を配置することができるようになるため、設計自由度が向上する。又、貫通電極110間のピッチをほぼ均等にすることが可能なため、貫通電極110同士の熱膨張によるひび割れのリスクを回避することができ、加速度センサデバイスの信頼性が向上する。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とは、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cと対向する面上に配置された導電性部材106によって電気的に接続されている。図15(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス1100において、導電性部材106は半田ボール又は導電ペーストである。半田及び導電ペーストの材料は、第5の実施形態において説明したものと同じである。緩衝用樹脂層108は、貫通電極110及び導電性部材106の配置位置の周囲に配置されており、センサ102と貫通電極基板104とを接合する。本実施形態において、緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dを避けてパターニングされているため、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに侵入する虞がない。図15(c)に示すHは、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108の厚み(センサ102と貫通電極基板10との間の距離)を示し、5μm〜15μmであることが好ましい。
図16(a)乃至(d)を参照して、図15(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス1100の製造方法について説明する。尚、図16(a)乃至(d)おいて、図15(c)に示した加速度センサデバイス1100のS部分のみを拡大して示すが、実際の製造工程において、加速度センサデバイス1100は、ウェハレベルで製造される。センサ102は、第1の実施形態と同様に、半導体基板に多面付けで予め製造しておく。
図16(a)に示すように、Si基板にDeep−RIEによって厚さ方向に貫通する貫通孔を形成し、形成した貫通孔に導電材料、例えば銅を充填めっきして貫通電極110を形成し、貫通電極基板104を製造する。貫通孔の形成方法及び貫通電極110の形成方法は、第1の実施形態において、図3(a)を参照して詳述した方法と同様である。尚、貫通電極基板104のセンサ102に対向する面上のセンサ102の可動部102dに対応する部分に、エッチングによって、ザグリ部(凹部)104aを形成してもよい。
次に、図16(b)に示すように、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cに対向する面上に、貫通電極110と重ならないよう、貫通電極110の配置位置の周囲に緩衝用樹脂層108を形成する。緩衝用樹脂層108は、フォトリソグラフィ又はスクリーン印刷、ディスペンス法などによって形成されてもよい。フォトリソグラフィによって形成する場合は、緩衝用樹脂層108として、熱硬化性及び絶縁性に加えて感光性を有するシリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロロブテン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂など樹脂を使用する。緩衝用樹脂層108の厚さhは、25μm〜30μmとすることが好ましい。
次に、図16(c)に示すように、ディスペンサなどによって、導電性部材106(半田ボール又は導電ペースト)を貫通電極基板104の貫通電極110上に配置する。貫通電極110の配置位置の周囲に形成された緩衝用樹脂層108の開口内に導電性部材106を配置するため、導電性部材106を容易に配置することができる。
次に、図16(d)に示すように、センサ102と貫通電極基板104とを電気的に接続し、且つ接合する。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極110上に配置された導電性部材106とを接着させるように、且つセンサ102の可動部102dが貫通電極基板104に形成されたザグリ部104aに対応するようにセンサ102を貫通電極基板104上に配置し、250℃〜350℃でセンサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する。これにより、センサ102の端子112と貫通電極110上に配置された導電性部材106とが電気的に接続される。緩衝用樹脂層108は、導電性部材106に対するガイド機構としても機能する。さらに、熱圧着による熱硬化によって、センサ102の固定部102cの一部と緩衝用樹脂層108とが接合される。熱硬化後の緩衝用樹脂層108の厚さHは、5μm〜15μmであることが好ましい。この後、貫通電極基板104をダイシングし、個々のセンサデバイスを切り離して個片化することにより、図15(a)乃至(c)に示されるような加速度センサデバイス1100が得られる。尚、緩衝用樹脂層108及び導電性部材106を貫通電極基板104側に形成する例を説明したが、緩衝用樹脂層108及び導電性部材106は、センサ102が形成されている半導体基板に形成されてもよい。
図15(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス1100において、センサ102と貫通電極基板104とが電気的に接続されながら互いに接合されている。センサ102と貫通電極基板104とは緩衝用樹脂層108を介して接合されているため、緩衝用樹脂層108が加速度センサデバイス1100における緩衝部材として機能し、加速度センサデバイス1100の耐落下衝撃性が向上する。また、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて配置されるため、貫通電極基板104がセンサ102の錘部102aの変位を規制するためのストッパとして機能し、センサ102に過大な外力がかかった場合において、センサ102が損傷するのを防止する。さらに、図15(a)に示すように、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて、センサ102の可動部102dの配置位置の周囲を取り囲むように配置されるため、センサ102の気密性が維持され、センサ102内の中空構造を保つことが可能となる。また、加速度センサデバイス1100の製造工程において、センサ102と貫通電極基板104とは熱圧着され、接合に超音波を用いないため、接合時にセンサ102が破壊される虞がなく、ダイシング時において、センサ102内に水分が浸入する虞もない。また、緩衝用樹脂層108として熱硬化性及び熱可塑性の樹脂を使用しているため、センサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する際に、熱硬化されながら、加圧によって厚み5μm〜15μmになるように変形されるため、加速度センサデバイス1100全体の低背化が可能となる。さらに、ウェハレベルでセンサ102と貫通電極基板104との接合と電気的な接続とを熱圧着によって一度に行うため、製造工程を短縮することが可能である。
(第11の実施形態)
本発明の第11の実施形態に係る加速度センサデバイス1200について、図17(a)乃至(c)を参照して説明する。図17(a)は、図1に示した第11の実施形態に係る加速度センサデバイス1200を上から見た透視図である。図17(b)は、図17(a)に示した第12の実施形態に係る加速度センサデバイス1200をA−A´線に沿って見た断面図である。図17(c)は、図17(b)に示した加速度センサデバイス1200のS部分の拡大図である。尚、図17(a)乃至(c)において、図1、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、図6(a)乃至(c)、図7(a)乃至(c)、図9(a)乃至(c)、図10(a)乃至(c)、図12(a)乃至(c)、図14(a)乃至(c)及び図15(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス100乃至1100と同一又は類似の構成要素については、同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第11の実施形態に係る加速度デバイス1100において、センサ102の固定部102cに配置された端子112と導電性部材106c´との接続部分を、貫通電極110の配置位置を避けるように配置し、センサ102の端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とを導電性部材106a´及び106c´を介して電気的接続し、貫通電極110をセンサ102の固定部102cに対向する貫通電極基板104のセンサ102の可動部側(ザグリ部104寄り)に配置し、且つ、端子112の配置位置の周囲及び導電性部材106a´、106c´の配置位置の周囲に緩衝用樹脂層108を配置する構成としたことに特徴がある。
図17(a)乃至(c)を参照すると、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、図6(a)乃至(c)、図7(a)乃至(c)、図9(a)乃至(c)、図10(a)乃至(c)、図12(a)乃至(c)、図14(a)乃至(c)及び図15(a)乃至(c)に示された加速度センサデバイス200乃至1100と同様に、加速度センサデバイス1200は、センサ102と、インターポーザとして用いられる貫通電極基板104とを含む。センサ102は、貫通電極基板104上に配置されている。尚、センサ102の端子112と導電性部材106c´との接続部分が貫通電極110の配置位置を避けるように、センサ102は貫通電極基板104上に配置される。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とは、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cと対向する面上に配置された導電性部材106a´及び106c´によって電気的に接続されている。図17(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス1200において、導電性部材106a´はAu、Cu、Al、Ag、Sn、Ni、Ni−Au合金、Ni−Pd合金、Be−Cu合金、Be−Rh合金、W、Ir、Ru、Pt、Pd、Cr、Ta、Tl、Ti、Moなどの金属を含む金属膜からなる配線層であり(以下、配線層106a´ともいう)、導電性部材106c´は半田又は導電ペーストである。半田及び導電ペーストの材料は、第5の実施形態において説明したものと同じである。導電性部材106a´は、貫通電極110と少なくとも一部が重なるように配置され、加速度センサデバイス1200のエッジ方向に延長されて導電性部材106c´と接続される。導電性部材106c´は、導電性部材106a´上に配置され、センサ102の端子112と接続される。センサ102の端子112と導電性部材106c´との接続部分は、貫通電極110の配置位置を避けて配置される。緩衝用樹脂層108は、端子112の配置位置の周囲、且つ導電性部材106a´及び106c´の配置位置の周囲に配置されており、センサ102と貫通電極基板104とを接合する。図17(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス1200において、貫通電極110は、貫通電極110をセンサ102の固定部102cに対向する貫通電極基板104のセンサ102の可動部側(ザグリ部104寄り)に配置されている。このような構成とすることで、センサ102に接続している導電性部材106と貫通電極110との接合面積が十分にとれるため、センサ102と導電性部材106と貫通電極110とが剥離する虞がない。本実施形態において、緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dを避けてパターニングされているため、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに侵入する虞がない。貫通電極110のピッチをセンサ102の端子112のピッチに合わせることがないため、設計の自由度を向上させることができる。図17(c)に示すHは、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108の厚み(センサ102と貫通電極基板10との間の距離)を示し、5μm〜15μmであることが好ましい。
図18(a)乃至(e)を参照して、図17(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス1200の製造方法について説明する。尚、図18(a)乃至(e)おいて、図17(a)に示した加速度センサデバイス1200のS部分のみを拡大して示すが、実際の製造工程において、加速度センサデバイス1200は、ウェハレベルで製造される。センサ102は、第1の実施形態と同様に、半導体基板に予め多面付けで製造しておく。
図18(a)に示すように、Si基板にDeep−RIEによって厚さ方向に貫通する貫通孔を形成し、形成した貫通孔に導電材料、例えば銅を充填めっきして貫通電極110を形成し、貫通電極基板104を製造する。貫通孔の形成方法及び貫通電極110の形成方法は、第1の実施形態において、図3(a)を参照して詳述した方法と同様である。尚、貫通電極基板104のセンサ102に対向する面上のセンサ102の可動部102dに対応する部分に、エッチングによって、ザグリ部(凹部)104aを形成してもよい。
次に、図18(b)に示すように、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cに対向する面上に、貫通電極110の少なくとも一部に重なるように、導電性部材(配線層)106a´を形成する。導電性部材106a´は、第1の実施形態において、図3(c)を参照して説明した配線層106の形成方法と同じ方法で形成される。
次に、図18(c)に示すように、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cに対向する面上に緩衝用樹脂層108を形成する。緩衝用樹脂層108は、フォトリソグラフィ又はスクリーン印刷、ディスペンス法などによって形成されてもよい。フォトリソグラフィによって形成する場合は、緩衝用樹脂層108として、熱硬化性及び絶縁性に加えて感光性を有するシリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロロブテン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂など樹脂を使用する。緩衝用樹脂層108は、緩衝用樹脂層108の一部が導電性部材106a´の一部に重なるように、且つセンサ102の固定部102cに対向する部分の導電性部材106a´の一部を露出させるように形成する。緩衝用樹脂層108の厚さhは、25μm〜30μmとすることが好ましい。
次に、図18(d)に示すように、ディスペンサなどによって、導電性部材106c´(半田又は導電ペースト)を露出している導電性部材106a´上に配置する。貫通電極110の配置位置の周囲に形成された緩衝用樹脂層108の開口内に導電性部材106c´を配置するため、導電性部材106c´を容易に配置することができる。
次に、図18(e)に示すように、センサ102と貫通電極基板104とを電気的に接続し、且つ接合する。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極110上に配置された導電性部材106c´とを接着させるように、且つセンサ102の可動部102dが貫通電極基板104に形成されたザグリ部104aに対応するようにセンサ102を貫通電極基板104上に配置し、250℃〜350℃でセンサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する。これにより、センサ102の端子112と貫通電極110上に配置された導電性部材106c´とが電気的に接続される。緩衝用樹脂層108は、導電性部材106に対するガイド機構としても機能する。さらに、熱圧着による熱硬化によって、センサ102の固定部102cの一部と緩衝用樹脂層108とが接合される。熱硬化後の緩衝用樹脂層108の厚さHは、5μm〜15μmであることが好ましい。この後、貫通電極基板104をダイシングし、個々のセンサデバイスを切り離して個片化することにより、図17(a)乃至(c)に示されるような加速度センサデバイス1200が得られる。尚、緩衝用樹脂層108及び導電性部材106a´及び106c´を貫通電極基板104側に形成する例を説明したが、緩衝用樹脂層108及び導電性部材106a´及び106c´は、センサ102が形成されている半導体基板に形成されてもよい。
図17(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス1200において、センサ102と貫通電極基板104とが電気的に接続されながら互いに接合されている。センサ102と貫通電極基板104とは緩衝用樹脂層108を介して接合されているため、緩衝用樹脂層108が加速度センサデバイス1200における緩衝部材として機能し、加速度センサデバイス1200の耐落下衝撃性が向上する。また、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて配置されるため、貫通電極基板104がセンサ102の錘部102aの変位を規制するためのストッパとして機能し、センサ102に過大な外力がかかった場合において、センサ102が損傷するのを防止する。さらに、図17(a)に示すように、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて、センサ02の可動部102dの配置位置の周囲を取り囲むように配置されるため、センサ102の気密性が維持され、センサ102内の中空構造を保つことが可能となる。また、加速度センサデバイス1200の製造工程において、センサ102と貫通電極基板104とは熱圧着され、接合に超音波を用いないため、接合時にセンサ102が破壊される虞がなく、ダイシング時において、センサ102内に水分が浸入する虞もない。また、緩衝用樹脂層108として熱硬化性及び熱可塑性の樹脂を使用しているため、センサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する際に、熱硬化されながら、加圧によって厚み5μm〜15μmになるように変形されるため、加速度センサデバイス1200全体の低背化が可能となる。さらに、ウェハレベルでセンサ102と貫通電極基板104との接合と電気的な接続とを熱圧着によって一度に行うため、製造工程を短縮することが可能である。
(第12の実施形態)
本発明の第12の実施形態に係る加速度センサデバイス1300について、図19(a)乃至(c)を参照して説明する。図19(a)は、第12の実施形態に係る加速度センサデバイス1300を上から見た透視図である。図19(b)は、図19(a)に示した第13の実施形態に係る加速度センサデバイス1300をA−A´線に沿って見た断面図である。図19(c)は、図19(b)に示した加速度センサデバイス1300のS部分の拡大図である。尚、図19(a)乃至(c)において、図1、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、図6(a)乃至(c)、図7(a)乃至(c)、図9(a)乃至(c)、図10(a)乃至(c)及び図12(a)乃至(c)、図14(a)乃至(c)、図15(a)乃至(c)及び図17(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス100乃至1200と同一又は類似の構成要素については、同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第12の実施形態に係る加速度デバイス1300は、センサ102の固定部102cに配置された端子112と導電性部材106c奪取との接続部分を、貫通電極110の配置位置を避けるように配置し、センサ102の端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とを導電性部材106a´及び106c´を介して電気的接続し、貫通電極110を加速度センサデバイス1300のエッジ側に配置し、且つ、端子112の配置位置の周囲、及び導電性部材106a´、106c´の配置位置の周囲に緩衝用樹脂層108を配置する構成としたことに特徴がある。
図19(a)乃至(c)を参照すると、図2(a)乃至(c)、図4(a)乃至(c)、図5(a)乃至(c)、図6(a)乃至(c)、図7(a)乃至(c)、図9(a)乃至(c)、図10(a)乃至(c)及び図12(a)乃至(c)、図14(a)乃至(c)、図15(a)乃至(c)及び図17(a)乃至(c)に示された加速度センサデバイス200乃至1200と同様に、センサデバイス1300は、センサ102と、インターポーザとして用いられる貫通電極基板104とを含む。センサ102は、貫通電極基板104上に配置されている。尚、センサ102の端子112と導電性部材106c´との接続部分が貫通電極110との配置位置を避けるように、センサ102は貫通電極基板104上に配置される。センサ102の固定部102cに配置された端子112と貫通電極基板104に形成された貫通電極110とは、貫通電極基板104のセンサ102の固定部102cと対向する面上に配置された導電性部材106a´及び106c´によって電気的に接続されている。図19(a)乃至(b)に示す加速度センサデバイス1300において、導電性部材106a´及び導電性部材106c´は、第11の実施形態において説明した導電性部材106a´及び導電性部材106c´と同一である。導電性部材106a´は、貫通電極110と少なくとも一部が重なるように配置され、センサ102の可動部102d方向に延長されて導電性部材106c´と接続される。導電性部材106c´は、導電性部材106a´上に配置され、センサ102の端子112と接続される。センサ102の端子112と導電性部材106c´との接続部分は、貫通電極110の配置位置を避けて配置される。緩衝用樹脂層108は、導電性部材106a´及び106c´の配置位置の周囲に配置されており、センサ102と貫通電極基板104とを接合する。図19(a)乃至(b)に示す加速度センサデバイス1300において、貫通電極110は、加速度センサデバイス100のエッジ側に配置されている。このような構成とすることで、センサ102に接続している導電性部材106と貫通電極110との接合面積が十分にとれるため、センサ102と導電性部材106と貫通電極110とが剥離する虞がない。本実施形態において、緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dを避けてパターニングされているため、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに侵入する虞がない。貫通電極110のピッチをセンサ102の端子112のピッチに合わせることがないため、設計の自由度を向上させることができる。図19(c)に示すHは、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108の厚み(センサ102と貫通電極基板10との間の距離)を示し、5μm〜15μmであることが好ましい。
図19(a)乃至(c)に示す加速度センサデバイス1300の製造方法については、図17(a)乃至(c)に示したセンサデバイス100とほぼ同様であるため、省略する。但し、貫通電極110は、加速度センサデバイス100のエッジ側に形成される。
図19(a)乃至(c)に示した加速度センサデバイス1300において、センサ102と貫通電極基板104とが電気的に接続されながら互いに接合されている。センサ102と貫通電極基板104とは緩衝用樹脂層108を介して接合されているため、緩衝用樹脂層108が加速度センサデバイス1300における緩衝部材として機能し、加速度センサデバイス1300の耐落下衝撃性が向上する。また、センサ102と貫通電極基板104とを接合する緩衝用樹脂層108は、センサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて配置されるため、貫通電極基板104がセンサ102の錘部102aの変位を規制するためのストッパとして機能し、センサ102に過大な外力がかかった場合において、センサ102が損傷するのを防止する。さらに、図19(a)に示すように、緩衝用樹脂層108がセンサ102の可動部102dに対応するザグリ部104aを避けて、センサ102の可動部102dの配置位置の周囲を取り囲むように配置されるため、センサ102の気密性が維持され、センサ102内の中空構造を保つことが可能となる。また、加速度センサデバイス1300の製造工程において、センサ102と貫通電極基板104とは熱圧着され、接合に超音波を用いないため、接合時にセンサ102が破壊される虞がなく、ダイシング時において、センサ102内に水分が浸入する虞もない。また、緩衝用樹脂層108として熱硬化性及び熱可塑性の樹脂を使用しているため、センサ102と貫通電極基板104とを熱圧着する際に、熱硬化されながら、加圧によって厚み5μm〜15μmになるように変形されるため、加速度センサデバイス1300全体の低背化が可能となる。さらに、ウェハレベルでセンサ102と貫通電極基板104との接合と電気的な接続とを熱圧着によって一度に行うため、製造工程を短縮することが可能である。
尚、上述した本発明に係る第1乃至第12の実施形態の説明において、貫通電極基板104は、インターポーザとして用いられる。インターポーザとして用いられる場合、貫通電極基板104のセンサ102と対向する面の反対側の面には、樹脂などの絶縁層を介して外部接続用のパッドが配置されていてもよい。また、貫通電極基板104と外部接続用のパッドとの間に、樹脂などの絶縁層を介して配線層が配置されてもよい。