JP5725595B2 - 圧密木材複合成形品の成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧密木材複合成形品の成形方法に関し、特に一定の厚み(例えば0.5mm)以上の厚みを有する木材を3次元形状に圧密に成形する、圧密木材複合成形品の成形方法に関する。
自動車のハンドルや内装パネル、クルーザー、家電製品、オーディオ製品、家具等、1枚の無垢材を削り出しで加工した高級品があるが、削り出しの加工が難しく、加工に時間がかかり、コストがかかることや切削屑が出ることなどから多くの問題があり、量産化されていなかった。
また、木材の強度を高めたり、3次元の形状を付与する方法として、耐圧密閉容器の中で加熱圧縮によって木材を圧密化する方法があるが、高温高圧容器の中で木材を加熱圧縮した後、冷却固定という操作を行うため、非常に時間がかかることや設備投資に多大のコストがかかることから実用化されていない。
特開平3−30921号公報(特許文献1)には、1枚の木板又は予め熱硬化性接着剤が塗布された数枚の木板を射出成形の金型に配置し、その木板の裏面側に合成樹脂を射出して取り付け部を成形すると同時に、前記金型により前記木板を所定形状の賦形し、かつその木板と前記取付部材とを接着一体化することを特徴とする木板を表面材とする樹脂モールド部品の成形法が開示されている。
また特開平5−131488号公報(特許文献2)には、金属薄板あるいは樹脂薄板の
一面に木質単板を積層し、他面に多孔質材あるいは繊維質材を積層一体化して木質化粧表
面材を得、次いでこの表面材の木質単板部に塗装処理を施し、その後、これを成形金型内
に配置し、この表面材の多孔質材あるいは繊維質材側に樹脂を射出して複合成形品を得る
ことを特徴とする製法が開示されている。
しかし、これらの公報に開示されている方法は、成形する前に予め金属箔板と木材とを一体化する工程が必要であったり、熱硬化性接着剤を木材に塗布することにより一体化する成形方法であり、工程が煩雑で、また得られる成形品の表面硬度が十分なものではなかった。
また、薄い突き板(厚さ0.3mm程度)を使用した場合、裏打ち等の補強をしていても3次元形状に射出成形すると曲率の大きい部分で樹脂が突き板を破損が生じ、更には曲面の縁の部分での割れや中央部分でのしわを生じて、木材の意匠性を損なっていた。
この点、伸びを見込んだ薄板では、金型内からはみ出てしまい金型が閉塞できなくなってしまう。また金型内に納めようとしても、縦横に圧縮する必要があり、新たな機材・手法が付加され煩雑である。さらに、金型曲面に密着させようとすれば、木材を軟化させる手段と金型に特殊な加工が必要になり、別途手法を付加することとなり、やはり煩雑で複雑な工程となるという問題がある。
特開平3−30921号公報 特開平5−131488号公報
本発明の目的は、3次元成形を賦形した木材の表面硬度を向上させた、圧密木材複合成形品の成形方法を提供することである。
さらに本発明の目的は、上記目的に加えて、さらに一定の厚みを有する木材を用いて、実用的に問題となる反りやひずみがなく、木材表面の平滑性が高く、良好な光沢を有する、圧密木材複合成形品の成形方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、突き板では表現できない無垢材のボリュームを持たせることで、木目を有効に利用して高級感を表現することができる、圧密木材複合成形品の成形方法を提供することである。
本発明の圧密木材複合成形品の成形方法は、木材を成形金型内に設置し、該木材の裏面側に溶融熱可塑性樹脂を射出圧力10乃至140MPaで加圧射出して、該木材を厚さ方向に圧縮率7.3%乃至46.2%で圧縮して所定形状の3次元形状に賦形するとともに、該木材を圧密化して平均表面硬度15.5乃至31.3N/mm とし、該木材と該熱可塑性樹脂とを一体化することを特徴とする、圧密木材複合成形品の成形方法である。
また、本発明の他の圧密木材複合成形品の成形方法は、木材を成形金型内の両面に接するよう設置し、該木材の間に溶融熱可塑性樹脂を射出圧力10乃至140MPaで加圧射出して、得られる成形品の表面部材となる木材を厚さ方向に圧縮率7.3%乃至46.2%で圧縮して所定形状の3次元形状に賦形するとともに、該両木材を圧密化して平均表面硬度15.5乃至31.3N/mm し、該両木材と該熱可塑性樹脂とを一体化することを特徴とする、圧密木材複合成形品の成形方法である。
好適には、本発明の他の圧密木材複合成形品の成形方法は、上記成形方法において、前記溶融熱可塑性樹脂の加圧射出は、2段階で行うことを特徴とする、圧密木材複合成形品の成形方法である。
さらに好適には、本発明の他の圧密木材複合成形品の成形方法は、上記成形方法において、木材を成形金型に設置する前に、該木材を大気下又は飽和蒸気雰囲気下で加熱することを特徴とする、圧密木材複合成形品の成形方法である。
また好適には、本発明の他の圧密木材複合成形品の成形方法は、上記成形方法において、木材を成形金型に設置する前に、該成形金型に接する側であって、3次元形状を賦形する木材表面に紫外線硬化剤を予め塗布し、一体化された成形品の、紫外線硬化剤を塗布した木材表面に紫外線を照射することで該紫外線硬化剤を硬化させることを特徴とする、圧密木材複合成形品の成形方法である。
さらに好適には本発明の他の圧密木材複合成形品の成形方法は、上記成形方法において、前記熱可塑性樹脂に木質系粉砕物を含有させることを特徴とする、圧密木材複合成形品の成形方法である。
本発明の圧密木材複合成形品の製造方法は、一定の厚みを有する木材を用いても、実用的に問題となる反りやひずみがなく、木材表面の平滑性が高く、良好な光沢を有し、3次元成形の賦形した木材の表面硬度を向上させた、圧密木材複合成形品を成形することが可能となる。
また特に、請求項4記載の圧密木材複合成形品の製造方法は、上記効果に加えて、更に変形が少なく平滑性が良好なものとなり、これは木材中のヘミセルロース、特にポリウロニドが化学的に変化して吸湿性の弱いポリマーになることと、水素結合によってセルロース鎖が互いに結合することによるものと考えられる。
また、請求項5記載の圧密木材複合成形品の製造方法は、上記効果に加えて、更に、塗装工程を省略でき、表面性状をさらに平滑に仕上げることができる。
本発明の圧密木材複合成形品の成形方法の工程の一実施例を模式的に示す図である。 本発明の他の圧密木材複合成形品の成形方法の工程の一実施例を模式的に示す図である。 本発明により3次元形状が賦形された圧密木材複合成形品の一実施例の写真図である。 ウォールナット木材を用いた場合の、本発明の成形前後の木材表面粗さの一実施例の写真図である。 ウォールナット木材を用いて得られた複合成形品の一実施例の側面からの写真図である。 得られた圧密木材複合成形品の反り量を測定する方法を模式的に示す図である。 得られた圧密木材複合成形品の加湿試験による反り量を示す線図である。 得られた圧密木材複合成形品の乾燥試験による反り量を示す線図である。
本発明に係る圧密木材複合成形品の成形方法について、以下に詳細に説明する。
本発明の第1の圧密木材複合成形品の成形方法は、木材を成形金型内に設置し、該木材の裏面側に溶融熱可塑性樹脂を加圧射出して、該木材を厚さ方向に圧縮して所定形状の3次元形状に賦形するとともに、該木材を圧密化し、該木材と該熱可塑性樹脂とを一体化する、圧密木材複合成形品の成形方法である。
また、本発明の第2の圧密木材複合成形品の成形方法は、木材を成形金型内の両面に接するよう設置し、該木材の間に溶融熱可塑性樹脂を加圧射出して、得られる成形品の表面部材となる木材を厚さ方向に圧縮して所定形状の3次元形状に賦形するとともに、該両木材を圧密化し、該両木材と該熱可塑性樹脂とを一体化する、圧密木材複合成形品の成形方法である。
図1は、本発明に係る圧密木材複合成形品の成形方法の工程の一実施例を模式的に示す図である。
まず、金型1に3次元形状を賦形する木材2を設置する。
本発明においては、使用できる木材の種類は特定されず任意のものを適用することができ、例えば、ナラ、ウォールナット、竹等が例示できる。
また、その木材の形態は、木材の無垢材であっても、集成材であってもかまわない。
さらに、木材の厚みは、金型に設置できれば特に限定されないが、成形性の容易性の点、及び本件発明の上記効果をより有効に発揮できる点から、厚さは0.5mm〜5.0mmの木材を好適に使用することができる。
好適には、該木材を大気下又は飽和蒸気雰囲気下で加熱し、木材の吸湿性を低下させることで製品後の変形や狂いを少なくすることが可能になる。
また、飽和蒸気下、大気下、真空下の順で、例えば150℃以上の高温に木材が晒されることにより、得られる成形品の変形が少なくなる。詳細なことは不明であるが、これは、木材中のヘミセルロース、特にポリウロニドが化学的に変化して吸湿性の弱いポリマーになることや、水素結合によってセルロース鎖が互いに結合することによるものと考えられる。
また必要に応じて、木材は、上記金型に設置する前に、3次元形状を賦形する木材表面に、予め紫外線硬化剤を塗布することができる。
3次元形状を賦形する木材表面に紫外線硬化剤を塗布することで、塗装工程を省略でき、表面性状をさらに平滑に仕上げることができる。
上記木材2を3次元形状の金型1に設置し(図1(a))、該木材2の裏面側、すなわち該木材2と金型の雄型との間の間隙3に(図1(b))、溶融熱可塑性樹脂4が射出される(図1(c))。
使用される熱可塑性樹脂の種類は特に限定されず、任意のものを用いることができ、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ABS、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド等を例示することができる。
熱可塑性樹脂は溶融状態で射出成形されるので、好ましくは150〜350℃で溶融状態となる熱可塑性樹脂を適用することが、取り扱いの容易さ、コスト面で好ましい。
また、好ましくは該熱可塑性樹脂を予備乾燥して、含まれる水分を除去することが、内部における気泡の発生やひけの発生を抑制して、成形性を安定させる点から好ましい。
さらに、前記溶融熱可塑性樹脂には木粉を含有させることができる。熱可塑性樹脂に木粉を含有させることで、線膨張率等の熱的挙動を木材により近づけ、圧密木材複合品の寸法安定性を向上させるという利点がある。
熱可塑性樹脂に含有させることができる木粉の割合は、流動性の点から、10〜80重量%である。
該溶融熱可塑性樹脂は、例えば射出圧力10〜140MPaで射出されて、金型内に設置されている木材を、該溶融熱可塑性樹脂が射出された木材裏面側より加熱圧縮し、所望する3次元形状が木材表面に賦形されることとなる。
溶融熱可塑性樹脂の射出は、1段階の射出でもよいが、2段階で実施されることが好適である。
金型に高圧で溶融熱可塑性樹脂を射出しても、金型内部に残存している空気が急激に圧縮されてしまうため、得られる圧密木材複合成形品にショートショットや焼け等の成形不良が生じる場合がある。かかる現象を防止するためには、2段階で射出を行うことが望ましいからである。
具体的には、例えば、射出成形をまず射出1圧と射出2圧に分け、射出1を低圧、例えば27〜37MPaにて溶融熱可塑性樹脂を射出し、内部の空気の圧縮を緩やかにして、空気を追い出し、その後射出2を高圧、例えば19〜131MPaにて溶融熱可塑性樹脂を射出する。これにより、金型の端部にまで溶融熱可塑性樹脂が確実に充填される。
そして、射出された溶融熱可塑性樹脂が、木材裏面側より木材を加熱圧縮して、該木材を圧密にするとともに、樹脂と木材とを一体化する。
射出圧力は、溶融樹脂の流動性が高く、溶融樹脂を射出する箇所に隅々まで注入することができれば、射出圧力を2段階とする必要はないが、射出成形用樹脂が射出成形を所望する箇所に隅々まで注入するのが困難な場合には、樹脂の種類に応じて、適宜射出圧力を2段階に切り替えて実施する。
該木材の圧密化は、木材の種類によりその比重が異なるためそれぞれ異なるが、木材の細胞壁が破壊されない圧力で細胞の空隙(細胞内こう、細胞間隙等)がなくなるまで圧縮される。これにより得られる複合成形品の木材表面硬度を良好なものとすることができる。
例えばナラや竹の比重は0.65〜0.70、ウォールナットは0.6程度であり、比重が異なれば圧縮率も異なる。
得られる成形品の硬度は、成形する前の木材の表面硬度よりも硬く、例えば1.1〜1.8倍とすることも可能である。
射出成形した後、80℃以下、好ましくは40℃以下、又は常温に冷却した後、該成形品を金型から取り出して、木材と熱可塑性樹脂とからなる取付部5とが一体化された、本発明の圧密木材複合成形品を得る(図1(d))。
射出成形金型に設置する前に、木材に紫外線硬化性樹脂をその表面に塗布している場合には、得られた複合成形品に紫外線を照射して、木材表面の紫外線硬化性樹脂を硬化させる。
これにより、塗装工程を省略でき、表面性状をさらに平滑に仕上げることができる。
本発明の第2の方法は、金型1内に木材2を設置する際に、図2のように木材2を成形金型1内の両面に接するよう設置して(図2(a)、(b))、該木材2の間隙3に溶融熱可塑性樹脂4を加圧射出する(図2(c))ことを除いては、上記本発明の第1の方法と同様に実施して、圧密木材複合成形品を得ることができる(図2(d))。
このようにして得られた本発明による圧密木材複合成形品は、木材表面に3次元加工を付与することができるとともに、その表面硬度や耐摩耗性を向上させ、実用的に問題となる反りやひずみもなく、木材表面の平滑性も優れ、光沢のある成形品である。
また必要に応じて、得られた複合成形品の木材表面全体に塗装、例えばウレタン塗装することもでき、これによって、得られた複合成形品を乾燥、湿潤状態に繰り返してさらすことによっても、長期に熱可塑性樹脂と木材との間に剥離や反り、変形は全く観られず、優れた一体化が実現できる。
以下、本発明を次の実施例および比較例に基づき説明するが、本発明は実施例により何ら制限されるものではない。
(実施例1)
射出成型用の熱可塑性樹脂(ポリブチレンテレフタレート樹脂、商品名:ジュラネックス600JP、ポリプラスチックス株式会社製)を、まず120℃で5時間、予備乾燥し、含まれる水分を除去した。
図1に示すように、竹集成材、ウォールナット、ナラ無垢材の各木材(厚さ3mm×長さ100mm×巾80mm)を加温した射出成形用の3次元形状の金型に配置した。
次いで、該金型内で、設置した各木材の裏面側に、射出成形用シリンダ温度を240℃に設定して、溶融させた上記熱可塑性樹脂を、まず射出1圧27MPaで射出し、次いで射出2圧19〜93MPaの射出圧力で射出して、前記木材を3次元形状に加熱圧縮成形すると同時に、該熱可塑性樹脂により各木材の裏面側に取付部材を成形して木材及び取り付け部を設けた。
その後、金型を水冷して、これを40℃以下となるまで冷却することによって、各木材と各熱可塑性樹脂とからなる取付部が一体となった複合成形品を製造した。
なお、射出成形は、日精樹脂工業株式会社製の射出成型機NS60−9Aを用い、下記表1の条件で射出成形を行った。
得られた各成形体の表面を構成する、3次元形状が賦形された木材は、実用上問題となる反りやひずみがない(0.5mm以下)。また木材表面も平滑性が高く光沢を有していた。
例えば、表1のタケNo4は、ハンディグロスチェッカー(株式会社堀場製作所製)で測定して、成形前は光沢値が2、成形後には光沢値が19となっていた。
成形条件
・熱可塑性樹脂の予備乾燥:120℃、5時間
・シリンダ温度:240℃
・金型温度 :80℃
射出後水冷40℃以下
・射出1圧 :27MPa(15%)
・射出2圧 :19〜92MPa(約10〜50%の10%刻みの5水準)
(但し、%は、上記射出成型機の射出圧力184.7MPa
(100%)の出力%を示す)
・冷却時間(水冷):1分
・スクリュ回転数:100〜150rpm(上記射出成型機の押出用シリンダ)
使用した木材の種類、射出2圧、厚さ方向圧縮率、表面硬度の測定結果を表1に示す。なお、本発明に用いた木材(無処理)の硬度も、表1に示す。
ここで、厚さ方向圧縮率(%)=(試験前木材の厚さ−試験後の木材の厚さ)/試験前の木材の厚さ×100である。
なお、表面硬度は、日本工業規格(JIS)の木材の試験方法 Z 2101の硬さ試験の試験方法に基づいて、得られた各圧密木材複合品の表面硬度を測定した値である。
また、タケ5及びウォールナット5を用いて得られた3次元形状が賦形されたエンボス仕上げの圧密木材複合成形品の写真を図3(a)及び(b)に示す。
Figure 0005725595
上記表1より、射出2圧の条件に応じて、得られた成形品の圧縮率と硬さが樹種により異なるが、各木材について木材細胞の空隙がなくなるまで圧縮することで、得られた成形品の硬度を1.1〜1.8倍にまで向上させることができる。
また、下記表2に、表1で得られたウォールナット4(射出2圧が74MPaのもの)を用いた場合の成形前後の表面粗さの測定結果を示す。また、図4に表面粗さを、カラー3Dレーザー顕微鏡(VK−8700;キーエンス株式会社製)を用い、100倍で測定した写真を示す。図4(a)には、本実施例により得られた複合成形品のウォールナットの前記写真、図4(b)には、無処理のウォールナットの前記写真を示す。
なお、表2中の最大深さ、最大粗さ、平均粗さ(JIS B 0601に準じる)は、上記カラーレーザー顕微鏡の解析ソフト(形状解析アプリケーションVK−H1A1)で演算処理した値である。
Figure 0005725595
上記表2及び図4に示すように、得られた木材成形品の表面の平滑性は向上していることがわかる。
(実施例2)
図2に示すように、木材としてウォールナット無垢材(厚さ3mm×長さ100mm×巾80mm)を、射出成形用金型の両側にそれぞれ配置し、両木材の間に、シリンダ温度240℃で設定、溶融したポリブチレンテレフタレート樹脂を射出2圧74MPaで射出成形した以外は、実施例1と同様の条件で、該木材とポリブチレンテレフタレート樹脂とが一体となった圧密木材複合成形品を製造した。
図5には、得られた複合成形品の側面からの写真図を示す。
得られた複合成形品の表面を構成する、3次元形状が賦形された木材は反りやひずみもなく、木材表面も平滑性が高く光沢を有していた。
得られた圧密木材複合成形品の光沢を、ハンディグロスチェッカー(株式会社堀場製作所製)で測定したところ、ウォールナット無垢材(成形前)は光沢値3であったが、成形後は20であった。
(実施例3)
木粉を含む熱可塑性樹脂(木粉樹脂;ファルパックW−3501KA、日本油脂株式会社製、木粉50重量%、ポリプロピレン重量50%)を120℃で5時間、予備乾燥して、含まれる水分を除去した。
タケ無垢集成材(厚さ3mm×長さ100mm×巾100mm)を、80℃に加温した射出成形用の3次元形状の金型に配置した。
次いで、該金型内で、設置した木材の裏面側に、射出成形用シリンダ温度を200℃に設定して溶融させた木粉樹脂を射出1圧27MPa、射出2圧110MPaの射出圧力で射出して、前記木材を3次元形状に加熱圧縮成型すると同時に、木材の裏面側に取付部材を成形して木材及び取り付け部を設けた。
その後、金型を水冷して、これを40℃以下となるまで冷却することによって、木材と木粉樹脂とが一体となった複合成形品を製造した。
なお、射出成形は、日精樹脂工業株式会社製の射出成型機NS60−9Aを用い、下記の条件で射出成形を行った。
得られた複合成形品の表面を構成する、3次元形状が賦形された木材は反りやひずみもなく、木材表面も平滑性が高く光沢を有していた。
得られた3次元形状が賦形された竹の表皮仕上げの圧密木材複合成形品の写真を図3(c)に示す。
得られた圧密木材複合成形品の光沢を、ハンディグロスチェッカー(株式会社堀場製作所製)で測定したところ、タケ無垢集成材(成形前)は光沢値2であったが、成形後は19であった。
なお、得られた複合成形品は50重量%以上が木材で構成されているため、木製品表示が可能である。
成形条件
・予備乾燥 :120℃、5時間
・シリンダ温度:200℃
・金型温度 :80℃
射出後水冷40℃以下
・射出1圧 :27MPa(15%)
・射出2圧 :110MPa(60%))
(但し、%は、上記射出成型機の射出圧力184.7MPa
(100%)の出力%を示す)
・冷却時間(水冷):1分
・スクリュ回転数:100〜150rpm(上記射出成型機の押出用シリンダ)
(実施例4)
ウォールナット無垢材(厚さ3mm×長さ100mm×巾80mm)の表面(3次元複合成形品の表面側)に紫外線硬化樹脂であるUVオイル(商品名;UFO、大谷塗料株式会社製)を塗布し、乾燥機により、40℃で2時間、べたつきがない状態に乾燥させた木材を用いた以外は、実施例1と同様にして、該木材とポリブチレンテレフタレート樹脂とが一体となった複合成形品を製造した。
得られた複合成形品を構成する木材の、予め塗布されているUVオイル塗布面にUV照射装置を用い、80W/cmランプ1灯、コンベアスピード5m/分で4回パスさせ、トータル光量1200mj/cmの条件で、UVオイルを硬化させた。
得られた各複合成形品の表面を構成する、3次元形状が賦形された木材は、実用的に問題となる反りやひずみもなく(0.5mm以下)、木材表面も非常にすべらかで平滑性が高く光沢を有していた。
得られた圧密木材複合成形品の光沢を、ハンディグロスチェッカー(株式会社堀場製作所製)で測定したところ、ウォールナット無垢材(成形前)は光沢値3であったが、成形後は39であった。
(実施例5)
ウォールナット無垢材(厚さ33mm×巾240mm×長さ2000mm)を耐圧容器中で160℃の飽和蒸気を吹き込み、8時間熱処理し、この熱処理材を乾燥させた後、厚さ3mm×長さ100mm×巾80mmに木取りした木材を成形金型に設置して用いた以外は、実施例3と同様にして、該木材と木粉樹脂とが一体となった複合成形品を製造した。
得られた各複合成形品の表面を構成する、3次元形状が賦形された木材は、反りやひずみもなく木材表面も平滑性が高く光沢を有していた。
なお、得られた複合成形品は50重量%以上が木材で構成されているため、木製品表示が可能である。
上記実施例1(ウォールナット、射出2圧が110MPaのもの)、実施例3、実施例5の木材表面全体にウレタン塗装を4回行った。乾燥後各成形品の変形(反り)を、以下の加湿試験または乾燥試験を行って24時間ごとにそれぞれ測定した。なお、反り量は、図6のようにして測定した。
加湿試験:50℃、95%RH×48時間
乾燥試験:80℃×48時間
その結果を図7及び図8にそれぞれ示す。
実施例5のものは、熱可塑性樹脂と木材との剥離や反り、変形はほとんど観察されなかった。一方、上記実施例1や3で得られた複合成形品は、上記加湿試験と乾燥試験を行うことにより、熱可塑性樹脂と木材との間に若干反り、変形が若干観察されたが、実用的には全く問題がない程度である。
本発明は、自動車のハンドルや内装パネル、クルーザー、家電製品、オーディオ製品、家具などに適用することができ、特に3次元立体面を有する木材表面を形成する成型品を製造するのに適用することが可能である
1 金型
2 木材
3 間隙
4 熱可塑性樹脂
5 取り付部






















Claims (6)

  1. 木材を成形金型内に設置し、該木材の裏面側に溶融熱可塑性樹脂を射出圧力10乃至140MPaで加圧射出して、該木材を厚さ方向に圧縮率7.3%乃至46.2%で圧縮して所定形状の3次元形状に賦形するとともに、該木材を圧密化して平均表面硬度15.5乃至31.3N/mmとし、該木材と該熱可塑性樹脂とを一体化することを特徴とする、圧密木材複合成形品の成形方法。
  2. 木材を成形金型内の両面に接するよう設置し、該木材の間に溶融熱可塑性樹脂を射出圧力10乃至140MPaで加圧射出して、得られる成形品の表面部材となる木材を厚さ方向に圧縮率7.3%乃至46.2%で圧縮して所定形状の3次元形状に賦形するとともに、該両木材を圧密化して平均表面硬度15.5乃至31.3N/mm し、該両木材と該熱可塑性樹脂とを一体化することを特徴とする、圧密木材複合成形品の成形方法。
  3. 請求項1又は2記載の圧密木材複合成形品の成形方法において、前記溶融熱可塑性樹脂の加圧射出は、2段階で行うことを特徴とする、圧密木材複合成形品の成形方法。
  4. 請求項1〜3いずれかの項記載の圧密木材複合成形品の成形方法において、木材を成形金型に設置する前に、該木材を大気下又は飽和蒸気雰囲気下で加熱することを特徴とする、圧密木材複合成形品の成形方法。
  5. 請求項1〜4いずれかの項記載の圧密木材複合成形品の成形方法において、木材を成形金型に設置する前に、該成形金型に接する側であって、3次元形状を賦形する木材表面に紫外線硬化剤を予め塗布し、一体化された成形品の、紫外線硬化剤を塗布した木材表面に紫外線を照射することで該紫外線硬化剤を硬化させることを特徴とする、圧密木材複合成形品の成形方法。
  6. 請求項1〜5記載の圧密木材複合成形品の成形方法において、前記熱可塑性樹脂に木質系粉砕物を含有させることを特徴とする、圧密木材複合成形品の成形方法。
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