JP2687054B2 - 化粧単板の製造方法 - Google Patents

化粧単板の製造方法

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JP2687054B2
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正敏 大村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】積層模様を有する化粧単板の製造
方法。
【0002】
【従来の技術】従来、積層模様を有する化粧単板は次の
ような製造方法がとられていた。すなわち、まづ、木材
フリッチを蒸煮また煮沸して繊維飽和点以上に含水率を
調整、該木材フリッチを湿潤状態で切削する。更に乾燥
して単板を得た後、該単板を任意サイズに切断し小単板
とする。最後に前記小単板を複数枚、積層模様に並設し
片面に接着テープ、接着糸をもって貼着接合して化粧単
板とする。
【0003】しかしながら、、上記従来の積層模様を有
する化粧単板の製造方法は次のような問題点を残してい
る。
【0004】単板の切断、接合に手間がかかる小単板が
乾燥されてなり接合時に欠け、割れなど損傷し易い。ま
た、基板等に接着後接着テープ、接着糸を研削除去しな
くてはならず工程がふえる。また従来は木材フリッチを
繊維飽和点以上の含水率に調整し、高湿、温度中で硬化
する接着剤を介して接着積層し積層ブロックを形成した
後、この積層ブロックを蒸煮または煮沸した後、湿潤状
態で切削して化粧単板とする。このような工程において
は、高湿、温度中で硬化する接着剤を用いなければなら
ないためコスト高となる。さらに化粧単板の含水率が高
く乾燥しなければならず、乾燥に伴なう各々単板の収縮
差によりあばれ、ねじれが発生する。また蒸煮または煮
沸により水溶性の木材成分によって材自体が汚染されて
しまう。
【0005】
【問題点を解決するための技術的手段】本発明は上記従
来技術の問題点を解決するため次のような技術的手段を
思い付いたものである。すなわち本発明の技術的手段は
“乾式法による加熱処理により木材の内部残留応力を減
少された木材でブロックを形成し、該ブロックを複数
個、任意組合せ、フィトンチッドを混入された接着剤を
介して積層し、木材フリッチを形成した後、該木材フリ
ッチを積層模様が現出するように切削して化粧単板とす
る製造方法”をその構成とするものである。
【0006】本発明は上記技術的手段を思い付いたこと
により、軟材、堅材を問わず、積層模様を現出するため
の切削が抵抗なく行なわれる利点を有するものである。
【0007】
【構成の説明】以下、上記技術的手段の構成の詳細につ
いて説明する。
【0008】まづ、生材原木を乾式法による加熱処理を
施す。この乾式法による加熱処理とは、熱源を電気、ガ
ス、オイルとするヒーターまた、木材、ゴム等あるいは
それら廃材の燃焼ガス、更に電磁波、遠赤外線エネルギ
ーを用いた、加熱炉内で、生材原木を直接加熱するもの
である。木材は、セルロース、ヘミセルロース、リグニ
ンを主成分とする。これら成分の熱分解温度がセルロー
ス260〜310℃、ヘミセルロース230〜260
℃、リグニン310〜450℃であることから、加熱温
度は230℃以下が好ましい。(炉内雰囲気温度は23
0℃以上でも良く、材面を230℃以下に保つ)その処
理時間は20〜120時間の範囲で行なわれる。木材の
主成分である、セルロース、ヘミセルロース、リグニン
は、湿潤下で60〜90℃内外(上限100℃)の熱軟
化温度を示し、加熱による放熱軟化温度範囲において、
主にセルロース、ヘミセルロース、またα−セルロース
の熱化学反応に伴う。吸湿性の弱いポリマー(重合等)
への変化、水素結合によるセルロース鎖の互いの結合
(セルロース同士の膠着)、ヘミセルロース、α−セル
ロースなどの炭水化物の減少による平衡含水率の低下、
含水率の低下による重量減少、などにより耐吸湿、水性
が向上され寸法安定化が図られる。また疎水化されるこ
とにより極性も小さくなり分子間の結合強度は低下す
る。このため細胞壁の構成上において、セルロース、ヘ
ミセルロースのリグニンとの共働した細胞壁支持機構が
緩慢的になり、細胞壁自体が軟化してしまう。それに伴
い曲げ、ヤング率、曲げ強さ、曲げ、靭性等の低下が起
きる。そのため、切削、切断時の抵抗が減少され、切
削、切断加工が容易に行なえることとなる。また、木材
の内部残留応力が減少され、以後の加工時、内部残留応
力に伴う応力変形が抑制される。このことから加熱によ
る木材内部温度が、その中心付近において熱軟化温度で
ある100℃以下好ましくは60〜90℃となるように
加熱温度、加熱処理時間をコントロールし行なう。ま
た、それらのコントロールは生材原木の樹脂、大きさに
より任意選択される。このようにして生材原木は、内部
残留応力が減少されたものとなる。
【0009】次に該生材原木を切断して、内部残留応力
を減少された木材のブロックが得られる。生材原木は内
部残留応力が減少されてなり、切断時において軟化とと
もに応力が減少され、容易に切断され、しかも、挽曲
り、ねじれ、割れの発生がない木材のブロックが得られ
る。あるいは前記工程に代えて、生材原木を予じめ大き
な木材のブロックに切断した後、該木材のブロックを加
熱処理して内部残留応力を減少し、更に木材のブロック
を所定サイズに再切断して得てもよい。つぎに該ブロッ
クを複数個、任意組合せフィトンチッドを混入された接
着剤を介して積層して木材フリッチを形成する。フィト
ンチッドとしては、天然木(幹、枝、葉、根、株、木
皮、樹脂)を蒸留、圧搾、溶媒抽出等により精製し得ら
れる精油である。具体的には、α−ピネン、β−ピネ
ン、ジペンテル、リモネン、テルピノーレンなどを主成
分とするモノテルペン類、カジネン、ロンジホオーレン
などを主成分とするセスキテルペン類からなり、テレビ
ン油と呼称される。フィトンチッドとしては、精油状態
(溶剤希釈する場合もある)のまま、あるいはエマルジ
ョンタイプとしたり、また精油を内部に封入したマイク
ロカプセルタイプのものが用いられる。フィトンチッド
を得る樹木としてはスギ、ヒノキ、ヒバ、マツ、シラカ
バ、マキ、ネズコ、クスノキ、クヌギ、イチョウ、ツバ
キ等から得られる。
【0010】フィトンチッドは木材のブロックを構成す
る樹木と同樹種材より得られるフィトンチッド、異なる
樹種材より得られるフィトンチッド、同樹種材と異なる
樹種材あるいは異なる樹種の複数種混合して用いてもよ
い。
【0011】接着剤としては、尿素樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニール樹脂、
エチレン−酢酸ビニール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル
樹脂あるいはそれら変性樹脂など合成樹脂接着剤、イソ
シアネート系接着剤、ゴムまた合成ゴム系接着剤等の熱
硬化性、熱可塑性接着剤が用いられる。
【0012】図1に示す木材のブロック1は、接着剤
を塗布後任意組合せ積層し、ホットプレス、コールドプ
レス、ターンバックルなどの圧締装置を用いて圧締接着
する。たとえば、トガサワラ生材原木を加熱処理した
後、切断して木材の内部残留応力を減少された木材のブ
ロックを形成する。該ブロックを複数個、任意組合せ、
トガサワラより得られた精油をエマルジョンタイプとし
たフィトンチッドを混合された接着剤を用いて積層し、
図2のように木材フリッチ2とする。あるいはヒノキ生
材原木を加熱処理した後、切断して木材の内部残留応力
を減少された木材のブロック1を形成し、該ブロック1
を複数個、任意組合せブロック樹種とは異なるヒバより
得られた精油を、エマルジョンタイプとしたフィトンチ
ッドを混合された接着剤 を用いて積層し、木材フリッ
チ2とする。あるいはナラ、ヒノキ、ケヤキの生材原木
を加熱処理した後、各々切断して木材の内部残留応力を
減少されたブロック1とし、該ブロック1を複数個、任
意組合せ、ブロック樹種とは異なるヒノキ、ヒバより得
られた精油を、エマルジョンタイプとした各々フィトン
チッドを混合された接着剤を用いて積層し、木材フリッ
チ2とする。
【0013】つぎに、図3のように前記木材フリッチ2
を積層模様が現出するように切削装置(スライサー、ハ
ーフロータリーレース、ロータリーレース等)によって
切削し、図4に示す化粧単板4を得る。木材フリッチ2
は軟化とともに内部残留応力が減少された木材のブロッ
ク1からなるため切削加工が容易に行なえる。また、異
種材のブロックを任意組合せた木材フリッチにおいて
も、切削加工が容易なことはもちろん、その各々ブロッ
クが、内部残留応力の減少及び寸法安定化がなされてな
るため、得られた化粧単板が応力差、収縮膨張差による
ねじれ、反り、あばれ等の発生することがない。このこ
とは化粧単板を必要に応じて乾燥した場合についても、
同様の効果としてあらわれる。化粧単板は各々ブロック
単板が、その木口部を接着剤を介して積層模様状に接着
されたものとなり、接着剤にフィトンチッドが混合され
大気中に放散される。フィトンチッドは次に述べるよう
に多くの機能(樹脂によりその機能は多少異なるが)を
有する。たとえば、スギは殺菌、殺ダニ、ヒバは抗微生
物、殺虫、ヒノキは抗菌、トガサワラは殺虫、殺菌、殺
線虫、シラカバは抗菌、殺虫、他に脱臭、薬理、芳香等
を有する。ブロック単板の樹種と、同樹種材のフィトン
チッドを用いることで、長時間に亘りフィトンチッドが
徐々に放散され有効に働く。ブロック単板の樹種と異な
る樹種材のフィトンチッドを用いることで、その芳香効
果により異なる木質感が表わされる。また、異なるフィ
トンチッドを複数混合して用いることによって、各々フ
ィトンチッドが有する機能が相俟って有効に働く。
【0014】
【効果】乾式法による加熱処理により、木材の軟化、内
部残留応力が減少された木材のブロックを組合せた木材
フリッチを用いるため、切削抵抗が減少されてなり、軟
材はもちろんであるが堅材においても、切削が容易に行
なわれ、また異なる樹種材の木材のブロックを組合せて
も良好に切削され、切削時の割れ、肌荒れ、ねじれ、切
削後の化粧単板のねじれ、反り、あばれ等の発生がな
く、また刃物寿命が長くなる。また、耐吸湿、水性が向
上され寸法安定性に優れた化粧単板が得られる。
【0015】化粧単板を接着剤を介して基板に貼着した
化粧板とする際においても、化粧単板自体が寸法安定性
に優れ、膨張収縮が小さいため、化粧板に反り、ねじれ
等の発生することがない。さらに、素材単板にフィトン
チッドが含浸され、殺菌、殺虫、抗菌、薬理、鎮静、芳
香等の機能を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】木材ブロックの斜視図
【図2】木材フリッチの斜視図
【図3】切削中の斜視図
【図4】化粧単板の斜視図 1 木材ブロック 2 木材フロック 3 切削装置 4 化粧単板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾式法による加熱処理により木材の内部
    残留応力を減少された木材でブロックを形成し、つぎに
    該ブロックを複数個、任意組合せ、フィトンチッドを混
    入された接着剤を介して積層して木材フリッチを形成し
    た後、該木材フリッチを積層模様が現出するように切削
    して化粧単板とすることを特徴とする化粧単板の製造方
    法。
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