JP2001105412A - 木質成形体及びその成形方法 - Google Patents

木質成形体及びその成形方法

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JP2001105412A
JP2001105412A JP29054599A JP29054599A JP2001105412A JP 2001105412 A JP2001105412 A JP 2001105412A JP 29054599 A JP29054599 A JP 29054599A JP 29054599 A JP29054599 A JP 29054599A JP 2001105412 A JP2001105412 A JP 2001105412A
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Japan
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cavity
mold
molding
wood
wooden
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JP29054599A
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English (en)
Inventor
Fumihiko Sugiura
文彦 杉浦
Takashi Noda
孝巳 野田
Yoshiro Hattori
芳郎 服部
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造時に発生する廃棄物が少量で,製造容易
かつ製造コストが安価な木質成形体及びその成形方法を
提供すること。 【解決手段】 固定型35と該固定型35に対して進退
可能に設けられた可動型31とを有し,該可動型31と
上記固定型35とにより拡縮可能な閉空間のキャビティ
36を構成すると共に,上記固定型35または上記可動
型31の少なくとも一方に上記キャビティ36内と外部
とを連通させる脱揮部33を設けてなる圧縮成形型3を
用いて,上記キャビティ36に木質材料10と熱硬化性
接着剤20とを導入し,上記可動型31を前進させて上
記キャビティ36を得ようとする木質成形体と略同形状
まで縮小することにより,閉空間における熱プレスと脱
揮とを施して成形を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,家具用材料,建材,内装材料等
として使用可能な木質成形体及びその成形方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】凹凸面を有したり,曲面状の外形を持った
立体的な形状よりなる木製品を得るに当り,従来は自然
木よりなる木材や各種合板,集成材,パーティクルボー
ド,ファイバーボード等の木質材料よりなり,所望の木
製品の形状よりも大型の母材を原材料として,該母材を
削り出し,所望形状の木製品を製造していた。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,母材を削り出
して作製する方法は,最終製品の形状以上に大型の木材
や木質材料を必要とするため,削り屑や端材となって無
駄になる部分も多く,コスト高であった。また,木材や
木質材料の削り屑や端材は廃棄物となるため,資源保護
の点からも廃棄物の生じ難い木製品を得る方法が望まれ
ていた。また,削り出しの工程は多くの手間と時間が必
要で,特に形状が三次元的,立体的に複雑となればなる
程,製作が困難となってコスト高になり,また製品製作
の歩留率も悪化するおそれがあった。
【0004】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,製造時に発生する廃棄物が少量で,製造
容易かつ製造コストが安価な木質成形体及びその成形方
法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,固定型と
該固定型に対して進退可能に設けられた可動型とを有
し,該可動型と上記固定型とにより拡縮可能な閉空間の
キャビティを構成すると共に,上記固定型または上記可
動型の少なくとも一方に上記キャビティ内と外部とを連
通させる脱揮部を設けてなる圧縮成形型を用いて,上記
キャビティに木質材料と熱硬化性接着剤とを導入し,上
記可動型を前進させて上記キャビティを得ようとする木
質成形体と略同形状まで縮小することにより,閉空間に
おける熱プレスと脱揮とを施して成形を行なうことを特
徴とする木質成形体の成形方法にある。
【0006】本発明の作用につき説明する。本発明では
木質材料と熱硬化性接着剤とを上述した圧縮成形型に導
入して所望形状に成形するため,得ようとする成形体に
少なくとも必要な分量の木質材料と熱硬化性接着剤とを
使用することで,木質成形体を得ることができる。この
ため,成形時に廃棄物が殆ど発生しない。
【0007】また,熱硬化性接着剤が木質材料を固める
ため,木質材料としてバルク体の材料を使用する必要が
なく,例えば,木材の加工屑や端材等のいわゆる低コス
トな木質の廃棄物を本発明にかかる木質材料として利用
することができる。このような理由から本発明にかかる
成形方法は材料コストが安価である。また,加工屑や端
材等の廃棄物のリサイクルも可能となるため資源保護と
いう効果を得ることもできる。
【0008】また,圧縮成形型として,固定型と該固定
型に対して進退可能に設けられた可動型とを有し,該可
動型と上記固定型とにより拡縮可能な閉空間のキャビテ
ィを構成すると共に,上記固定型または上記可動型の少
なくとも一方に上記キャビティ内と外部とを連通させる
脱揮部を設けてなる圧縮成形型を用いている。ここにお
いて閉空間のキャビティとは,成形の際にキャビティが
外部に開放されておらず,上記圧縮成形型において,成
形体はキャビティの内表面全体から拘束を受ける。この
キャビティは可動型の前進により,得ようとする木質成
形体と略同形状まで縮小される。これにより,木質材料
と熱硬化性接着剤に対し閉空間における熱プレスと脱揮
とが施され,成形が行われる。
【0009】このような圧縮成形型を用いて熱プレスを
行なうと木質材料から水分等の揮発成分が放出され,キ
ャビティ内に溜まる。本発明において使用した圧縮成形
型は脱揮部を持っているため,揮発成分は脱揮部から圧
縮成形型の外部に放出される。このため,揮発成分によ
りキャビティ内圧が上昇して成形不良が生じることが防
止される。
【0010】また,本発明では閉空間のキャビティを持
った圧縮成形型を用いて成形しているため,キャビティ
の形状次第でいかなる形状の木質成形体も容易に製造す
ることができる。従来行われていた切削や削り出しでは
複雑な形状の加工の際に割れや欠け等の不良が生じるこ
ともあったが,本発明ではそのような問題は殆ど生じな
い。このため,成形体の製造歩留まりもよく,低コスト
である。
【0011】以上,本発明によれば,発生する廃棄物が
少量で,製造容易かつ製造コストが安価な木質成形体の
成形方法を提供することができる。
【0012】上記木質材料としては,後述するストラン
ドの他,細片,チップ,粉末状等,特に種類を選ぶこと
なく使用できる。また,木材の加工時に発生する端材,
不要になった木材製品より生じる廃材等を本発明の木質
材料として使用することができる。また,上記木質材料
は,すぎ,ひのき,ラワン等の自然木や,各種合板,集
成材,パーティクルボード,ファイバーボード等から構
成されている。
【0013】また,上記熱硬化性接着剤は熱硬化性であ
れば特に種類を問わず使用することができる。例えば,
後述するポリエチレングリコール系接着剤の他,ウレタ
ン系接着剤等を用いることができる。また,最終的な木
質成形体が人手に触れるような箇所に使われるのであれ
ば,無公害や無害な物質よりなる接着剤を利用すること
が好ましい。
【0014】上記圧縮成形型における脱揮部は,外部空
間に対しキャビティ内の気体を導出可能に構成されてい
る。例えば,後述する実施形態例の図3等に示すような
貫通穴より構成することができる。また,貫通穴を設
け,そこに適当な多孔体を充填して,これを脱揮部とす
ることもできる。また,圧縮成形型の全体または一部を
多孔体で構成することもできる。この場合は多孔体で構
成された部分が脱揮部となる。
【0015】また,上記熱プレスで木質材料と熱硬化性
接着剤とに付与する圧力は木質材料の種類や密度,熱硬
化性接着剤の種類や量,得ようとする木質成形体の密度
によって変わるため,一概に規定することはできない。
また,上記熱プレスの温度についても,熱硬化性接着剤
の種類によって変化するため一概に規定することはでき
ない。
【0016】上記木質材料と上記熱硬化性接着剤とのキ
ャビティへの導入について説明する。木質材料が粉体状
やチップ状などの細片である場合は,これと熱硬化性接
着剤とを同時にキャビティに投入し,キャビティ内で混
合することもできるが,外部容器等で一端両者を混合し
た後,キャビティに流し込むこともできる。また,木質
材料が例えば後述するストランドのごとく,ある程度の
大きさをもっている場合は,例えばロールコーター,ス
プレー吹きつけ等の各種塗布方法を利用して木質材料に
一端熱硬化性接着剤を付着させ,その後キャビティに導
入することもできる。
【0017】次に,請求項2に記載の発明のように,上
記木質材料及び上記熱硬化性接着剤とを上記キャビティ
に導入する前に,予め上記熱硬化性接着剤の熱硬化温度
未満まで加熱しておくことが好ましい。これにより,充
分に加熱された状態で木質材料や熱硬化性接着剤をキャ
ビティに導入することができ,キャビティに導入した直
後より硬化が始まることとなる。よって,成形時間を短
縮することができ,効率高い成形が可能となる。なお,
上記熱硬化温度は使用する熱硬化性接着剤によって変化
するため,適当に選択する必要がある。
【0018】次に,請求項3に記載の発明のように,外
部が硬化し未だ内部が未硬化の状態にある半硬化状態で
上記木質成形体を上記圧縮成形型より取出して,外部ヒ
ータで加熱して全硬化させることが好ましい。これによ
り,木質材料及び熱硬化性接着剤(木質成形体)の成形
型内の滞在時間を減らすことができるため,効率よく成
形することができる。
【0019】なお,上記半硬化状態とは,キャビティと
直接接触して最も高温となっている部分が硬化して,得
ようとする成形体の形状となった状態を指している。外
部が硬化して,圧縮成形型の外部に取出しても殆ど変形
しない状態である。外部ヒータとしては,例えば各種の
加熱炉等を利用することができる。
【0020】次に,請求項4に記載の発明のように,上
記木質材料はストランドであることが好ましい。ストラ
ンドを用いることで,木質材料の強度をそのまま活かす
ことができ,熱硬化性接着剤の使用量が少なくとも強度
高い木質成形体を得ることができる。また,ストランド
は長尺片であるため,ストランドの木目が木質成形体表
面に現れることとなり(図5参照),自然木の暖かな風
合い等の自然木特有の高い意匠性を持った木質成形体を
得ることができる。
【0021】また,通常の木材は湿気,乾燥により反り
やゆがみが生じるため,経年使用時における寸法狂いよ
る製品の機能低下や外観不良が生じるおそれがあるが,
本発明では多数のストランドを熱硬化性接着剤で固めて
構成した木質成形体を得ることができるため,自然木の
良さ(木目等の高い意匠性)を活かしつつ,自然木より
も使い勝手のよい製品を得ることができる。なお,スト
ランドとは長尺で厚みの薄い木片を指しており,後述す
る実施形態例において使用した木質材料を図1に示し
た。
【0022】次に,上記熱硬化性接着剤はポリエチレン
グリコール系接着剤であることが好ましい。ポリエチレ
ングリコールは使用時に有害なホルマリン等の公害物質
を発生しないため,生産工程において公害物質低減のた
めの厳密な管理を不要とすることができる。また,後述
するごとくポリエチレングリコールはセルロースと反応
して硬化する物質であるため,木質材料と混ぜてキャビ
ティに導入し,熱が加えられるまでは安定して存在する
ことができる。よって,使用可能時間の制限などが緩
く,使いやすい。また,粘度も低く,扱いが容易であ
る。また,硬化後は機械的な強度に優れた樹脂となるた
め,木質成形体の強度を高く維持することができる。
【0023】ここでポリエチレングリコール系接着剤と
は,両端にヒドロキシル基を持つ化合物のポリエチレン
グリコールを含有する接着剤で,水にとかして適当な濃
度となして使用する。ポリエチレングリコールそのもの
はいわゆる熱硬化性樹脂ではないが,熱を加えることで
セルロースと反応して不可逆的に硬化する。木質材料は
セルロース含有材料であるため,本発明においてポリエ
チレングリコール系接着剤は熱硬化性接着剤として機能
する。また,ポリエチレングリコール系接着剤における
ポリエチレングリコールの分子量は400〜6000の
範囲内であればいずれでもよいが,取り扱いの容易性の
観点から,なるべく低粘度であることが好ましい。
【0024】次に,請求項5に記載の発明のように,上
記木質材料表面積1m2あたり熱硬化性接着剤を30g
以上塗布することが好ましい。これにより,硬化後にウ
レタン系接着剤(唯一のホルマリン発生ゼロの無公害接
着剤)よりも高い機械的強度を得ることができる。この
ため,特に前述したポリエチレングリコール系接着剤を
用いる際には無公害で硬度に優れた木質成形体を得るこ
とができる。混合比が30g未満である場合は,機械的
強度が低くなるおそれがある。
【0025】本発明にかかる成形方法から得られた木質
成形体は,各種家具類の構成部品,手すり等の内装材,
テラス等の外装材,木質インパネ等の自動車用内装材等
の通常の木材や従来存在した各種木質成形体と同じよう
な用途に利用することができる。また,本発明にかかる
成形方法では複雑な三次元形状を持った製品を容易に得
ることができるため,階段手すり,自動車用インパネ,
家具類の部品等に好適である。
【0026】次に,請求項6記載の発明は,木質材料と
熱硬化性接着剤とよりなり,閉空間のキャビティを有す
る圧縮成形型を用いて両者を脱揮しつつ熱プレスを施す
ことにより所望形状に成形されてなることを特徴とする
木質成形体にある。
【0027】このような木質成形体は,木質材料と熱硬
化性接着剤とを上述した圧縮成形型に導入して所望形状
に成形するため,得ようとする成形体に少なくとも必要
な分量の木質材料と熱硬化性接着剤とを使用すること
で,木質成形体を得ることができる。このため,成形時
に廃棄物が殆ど発生しない。
【0028】また,熱硬化性接着剤が木質材料を固める
ため,木質材料としてバルク体の材料を使用する必要が
なく,例えば,木材の加工屑や端材等のいわゆる低コス
トな木質の廃棄物を本発明にかかる木質材料として利用
することができる。このような理由から本発明にかかる
木質成形体は材料コストが安価である。また,加工屑や
端材等の廃棄物のリサイクルを実現できるため資源保護
という効果を得ることもできる。
【0029】また,本発明にかかる木質成形体は,脱揮
部を持つ圧縮成形型を用いた熱プレスで成形されてお
り,成形時に木質材料から放出された揮発成分は脱揮部
から外部に放出される。このように成形体から充分に揮
発成分が抜けるため,高密度,高強度な成形体を得るこ
とができる。
【0030】また,本発明では閉空間のキャビティを持
った圧縮成形型を用いて成形しているため,キャビティ
の形状次第でいかなる形状の木質成形体も容易に製造す
ることができる。従来行われていた切削や削り出しでは
複雑な形状の加工の際に割れや欠け等の不良が生じるこ
ともあったが,本発明ではそのような問題は殆ど生じな
い。このため,成形体の製造歩留まりに優れ,低コスト
である。
【0031】以上,本発明によれば,製造時に発生する
廃棄物が少量で,製造容易かつ製造コストが安価な木質
成形体を提供することができる。その他詳細は上述と同
様である。
【0032】次に,請求項7記載の発明のように,上記
木質材料はストランドであることが好ましい。これによ
り,強度高い木質成形体を得ることができる。また,自
然木の良さを活かしつつ,自然木よりも使い勝手のよい
製品を得ることができる。その他詳細は上述と同様であ
る。
【0033】また,上記熱硬化性接着剤はポリエチレン
グリコール系接着剤であることが好ましい。上記接着剤
は硬化後は機械的な強度に優れた樹脂となるため,木質
成形体の強度を高く維持することができる。また,人体
に有害なホルマリンの発生量が0であり,無公害の木質
成形体を得ることができる。その他詳細は上述と同様で
ある。
【0034】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる木質成形体とその成形方法
につき,図1〜図5を用いて説明する。本例に示す成形
方法の概略について説明する。まず,図3,図4に示す
ごとき,固定型35と該固定型35に対して進退可能に
設けられた可動型31とを有し,該可動型31と上記固
定型35とにより拡縮可能な閉空間のキャビティ36を
構成すると共に,上記固定型35または上記可動型31
の少なくとも一方に上記キャビティ36内と外部とを連
通させる脱揮部33を設けてなる圧縮成形型3を準備す
る。
【0035】次いで,上記キャビティ36に木質材料1
0と熱硬化性接着剤20とを導入し,上記可動型31を
前進させて上記キャビティ36を得ようとする木質成形
体1と略同形状まで縮小する。これにより,閉空間にお
ける熱プレスと脱揮とを施して成形を行なう。
【0036】以下,詳細に説明する。本例にかかる木質
材料10は,図1に示すごとき,長尺なひのき製建築廃
材を薄く削って作製したストランドである。長さLは6
00mm,幅Wは9〜15mmで,厚さは0.5±0.
1mmである。また,使用した熱硬化性接着剤20はポ
リエチレングリコール系接着剤で,分子量1000のポ
リエチレングリコールの10%水溶液よりなる。
【0037】上記ストランドの木質材料10に対し,ロ
ールコータを用いて上記熱硬化性接着剤20を塗布す
る。図2に示すごとく,1組の大小の上ローラー22,
23と下ローラー221,231とが向かい合うように
配置されており,上ローラー22,23と下ローラー2
21,231との間に木質材料10が導入される。
【0038】上ローラー22の上方にはスクレーパー2
1が配置され,ここから熱硬化性接着剤20が上ローラ
ー23に供給される。また,上ローラー23とスクレー
パー21との間の隙間により熱硬化性接着剤の木質材料
に対する塗布量が決められる。また,下ローラー231
の斜下方にもスクレーパー211が配置され,ここから
下ローラー231に熱硬化性接着剤20が供給される。
【0039】供給された熱硬化性接着剤20は,回転す
る上ローラー22,23と下ローラー221,231と
の間を木質材料10が通過する際に該木質材料10の両
面に塗布される。なお,塗布量は木質材料10の表面積
1m2あたり30g以上とする。
【0040】圧縮成形型3は,図3,図4に示すごと
く,両側に配置した側部固定型30,301と両者の間
に配置された下固定型32と該下固定型32の上方に配
置され,側部固定型30,301の間においてスライド
可能に構成された可動型31とよりなる。なお,この圧
縮成形型3では,下固定型32と側部固定型30,30
1とにより固定型35が構成される。
【0041】可動型31,下固定型32には等間隔に直
径2mmの貫通穴が多数設けてあり,この貫通穴が脱揮
部33となる。可動型31,下固定型32にはそれぞれ
窪みが設けてあり,可動型31と下固定型32が閉じら
れることで窪みから閉空間が形成される。この閉空間が
成形が行われるキャビティ36となる。
【0042】上記ロールコータにより両面に熱硬化性接
着剤20が塗布された木質材料10を,重量測定で密度
を定める方法で所定量の材料をキャビティ36となる固
定型35側の窪みに導入し,次いで固定型35に対し可
動型31を挿入,前進させる。なお,上記木質材料10
が導入される前に,予め上記圧縮成形型3は熱硬化性接
着剤の硬化温度以上の温度150〜180℃に加熱され
ている。
【0043】図3に示すごとく,可動型31をスライド
させつつ下方へ移動させる。これにより,可動型31に
よる加圧が行われるとともに,圧縮成形型3の型閉めが
行われる。なお,この時の加圧力は3×106Pa以上
である。
【0044】図4に示すごとく,型閉めにより,キャビ
ティ36は得ようとする木質成形体1と同形状の閉空間
となり,熱硬化性接着剤20が塗布された木質材料10
が圧縮され,互いに接着されて得ようとする木質成形体
1の形状になると共に熱硬化性接着剤20の熱による固
化が始まる。この時,木質材料10に含まれる水分等の
揮発成分が気化して,キャビティ36内に出てくる。こ
の揮発成分は可動型31,下固定型32のそれぞれに設
けた脱揮部33より圧縮成形型3の外に排出される。図
4に記載した矢線39が排出される揮発成分である。
【0045】固化はキャビティ36と直接接触する熱硬
化性接着剤20から始まり,徐々にキャビティ36内部
の熱硬化性接着剤20の方へと進行する。最終的に圧縮
成形型3の温度と最もキャビティ36内部に位置する熱
硬化性接着剤20との温度が等しくなったときに,熱硬
化性接着剤20の固化がほぼ終了する。固化の終了する
めやす時間であるが,大体得ようとする木質成形体の厚
みに略等しい。つまり厚み30mmの成形体では30
分,10mmでは10分かかる。固化終了後,可動型3
1を上方へスライドさせて型開きを行ない,キャビティ
36から完成した木質成形体1を取出す。
【0046】得られた木質成形体1を図5に記載する。
この木質成形体1は同図に示すごとく曲部を有する棒材
で,屋内で手すりとして使用する部材である。この木質
成形体1の表面は最も外表面に存在するストランドの木
質材料10が持つ木目がそのまま現れ,自然木よりなる
木材製品と同様の外観を有する。この木質成形体1の密
度は約0.6g/cm3で,原料となった木質材料10
の0.4g/cm3よりも大きい。
【0047】次に本例の作用効果について説明する。本
例では,木質材料10と熱硬化性接着剤20とを上述し
た圧縮成形型3に導入して所望形状に成形するため,得
ようとする成形体に少なくとも必要な分量の木質材料1
0と熱硬化性接着剤20とを使用することで,木質成形
体1を得ることができる。このため,成形時に廃棄物が
殆ど発生しない。
【0048】また,熱硬化性接着剤20が木質材料10
を固めるため,木質材料10としてバルク体の材料を使
用する必要がなく,廃材からなるストランドのように低
コスト材料を利用することができ,材料コストが安価で
ある。また,廃材を利用できるためリサイクルにも有用
である。
【0049】更に,脱揮部33を設けた圧縮成形型3で
成形しているため,木質材料10から発生した揮発成分
39は脱揮部33から外部に放出される。このため,キ
ャビティ36の内圧上昇が原因の成形不良が生じ難い。
また,キャビティ36は閉空間であるため,該キャビテ
ィ36の形状次第でいかなる形状の木質成形体1をも容
易に製造することができる。
【0050】本例のごとく滑らかな曲面を持つ部材を従
来のごとく削り出し等で成形しようとすると,多量の廃
材や削り屑が生じてコスト高となったり,省資源を達成
できなくなる。更に,削り出しの際は,バルク材料を面
取りして,所望形状に近づけ,その後,繰り返しかんな
類ややすり類を用いて徐々に徐々に目的形状に近づける
という面倒な製造工程を行なわなくてはならない。
【0051】本例によれば,圧縮成形型3に導入して,
熱プレス,型開きという具合に簡単に生産を行なうこと
ができる。また,簡単に生産できるため大量生産に向い
ている。また多品種少量生産においてもキャビティ36
の形状を変更するだけで済むため,このようなケースに
も向いている。更に,もっと複雑な曲面から構成された
製品であっても,キャビティ36を利用した成形である
ため,一般の樹脂製品のように容易に製造することがで
きる。このように本例の製法は容易であるため製造コス
トを安価とすることができる。
【0052】以上,本例によれば,発生する廃棄物が少
量で,製造容易かつ製造コストが安価な木質成形体と該
木質成形体の成形方法を提供することができる。
【0053】更に,ストランドの木質材料10を利用す
るため,強度高い木質成形体1を得ることができ,更に
長尺片であるため,木目が木質成形体1の表面に現れ
て,(図5参照),自然木の暖かな風合い等の特有の高
い意匠性を持った木質成形体1を得ることができる。
【0054】また,木材は湿気,乾燥により反りやゆが
みが生じるため,経年使用時における寸法狂いよる製品
の機能低下や外観不良が生じるおそれがあるが,本例の
成形体は,多数のストランドを熱硬化性接着剤20で固
めて構成してあるため,反りやゆがみの方向もばらばら
で成形体全体に反りは生じがたい。更に熱硬化性接着剤
20で固めてあるため,水分が木質成形体1の内部に浸
透し難い。このため,自然木の木目模様の外観を活かし
つつ,自然木よりも使い勝手のよい製品を得ることがで
きる。
【0055】また,熱硬化性接着剤20がポリエチレン
グリコールを含み,この物質は使用時に有害な公害物質
を発生しない。よって,生産工程での公害物質低減管理
などが不要で工程の簡略化に多いに寄与できる。また,
ポリエチレングリコールはセルロースと反応して硬化す
る物質であるため,木質材料10と混ぜてキャビティ3
6に導入し,熱が加えられるまでは安定して存在するこ
とができる。よって,使用可能時間の制限などが緩く,
使いやすい。また,粘度も低く,扱いが容易である。ま
た,ポリエチレングリコールは硬化後は機械的な強度に
優れた樹脂となるため,木質成形体1の強度を高く維持
することができる。
【0056】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,製造時
に発生する廃棄物が少量で,製造容易かつ製造コストが
安価な木質成形体及びその成形方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例における,木質材料の斜視図。
【図2】実施形態例における,木質材料に対する熱硬化
性接着剤の塗布の説明図。
【図3】実施形態例における,圧縮成形型による成形を
示す説明図。
【図4】実施形態例における,図3に続く圧縮成形型に
よる成形を示す説明図。
【図5】実施形態例における,木質成形体の斜視図。
【符号の説明】
1...木質成形体, 10...木質材料, 20...熱硬化性接着剤, 3...圧縮成形型, 31...可動型, 33...脱揮部, 35...固定型, 36...キャビティ,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 芳郎 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 Fターム(参考) 2B260 AA10 AA12 AA20 BA01 BA02 BA05 BA18 BA20 CC03 CD02 CD06 CD10 DA01 DA07 DA17 DD02 EA05 EB02 EB06 EB11 EB21 EB42 EC01 EC08 EC18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定型と該固定型に対して進退可能に設
    けられた可動型とを有し,該可動型と上記固定型とによ
    り拡縮可能な閉空間のキャビティを構成すると共に,上
    記固定型または上記可動型の少なくとも一方に上記キャ
    ビティ内と外部とを連通させる脱揮部を設けてなる圧縮
    成形型を用いて,上記キャビティに木質材料と熱硬化性
    接着剤とを導入し,上記可動型を前進させて上記キャビ
    ティを得ようとする木質成形体と略同形状まで縮小する
    ことにより,閉空間における熱プレスと脱揮とを施して
    成形を行なうことを特徴とする木質成形体の成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記木質材料及び上
    記熱硬化性接着剤とを上記キャビティに導入する前に,
    予め上記熱硬化性接着剤の熱硬化温度未満まで加熱して
    おくことを特徴とする木質成形体の成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において,外部が硬化
    し未だ内部が未硬化の状態にある半硬化状態で上記木質
    成形体を上記圧縮成形型より取出して,外部ヒータで加
    熱して全硬化させることを特徴とする木質成形体の成形
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記木質材料はストランドであることを特徴とする木質
    成形体の成形方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
    上記木質材料表面積1m2あたり熱硬化性接着剤を30
    g以上塗布することを特徴とする木質成形体の成形方
    法。
  6. 【請求項6】 木質材料と熱硬化性接着剤とよりなり,
    閉空間のキャビティを有する圧縮成形型を用いて両者を
    脱揮しつつ熱プレスを施すことにより所望形状に成形さ
    れてなることを特徴とする木質成形体。
  7. 【請求項7】 請求項6において,上記木質材料はスト
    ランドであることを特徴とする木質成形体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007085012A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Atsushi Tsunoda 草木ボード及び畳床
JP2013099964A (ja) * 2013-02-22 2013-05-23 Uchiyama Manufacturing Corp コルク栓の製造方法及びコルク栓製造用成型装置並びにコルク栓
CN116252371A (zh) * 2023-05-12 2023-06-13 福建省闽清双棱竹业有限公司 一种竹木复合板生产系统

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