JP5724234B2 - 印刷データ生成装置及び印刷データ生成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクなどの印刷材を用いて印刷媒体に印刷処理を行う印刷データ生成装置及び印刷データ生成方法に関する。
一般に、印刷媒体に印刷処理を行う印刷装置の一例として、シリアルタイプのインクジェット式の印刷装置(以下、単に「印刷装置」という。)が広く知られている。この印刷装置は、主走査方向に沿って移動するキャリッジ(移動体)と、該キャリッジに搭載され且つ印刷材としてのインクを噴射する印刷ヘッドとを有する印刷手段を備えている。また、印刷装置には、印刷媒体を主走査方向と交差する副走査方向に沿って搬送するための搬送装置が設けられている。そして、印刷装置の制御装置は、例えば外部装置から送信された印刷データを受信した場合、該印刷データに応じた画像を印刷媒体に印刷すべく印刷手段及び搬送装置を制御する(特許文献1参照)。
具体的には、搬送装置は、印刷可能な位置まで給送された印刷媒体を、所定の搬送量毎に副走査方向に沿って搬送する。このとき、キャリッジは、搬送装置による印刷媒体の搬送が一時停止された直後又は停止される直前から主走査方向に沿って移動し始めると共に、キャリッジに搭載される印刷ヘッドの各ノズルからは、インクが適宜噴射される。すなわち、印刷媒体へのインク噴射と、印刷媒体の搬送(「紙送り」ともいう。)とが交互に行われていた。
特開2009−208380号公報
ところで、印刷処理時において印刷装置の制御装置には、印刷手段の1回の駆動に対応するデータ長(データ量)の印刷データ(分割印刷データ)が順次送られてくる。各分割印刷データのデータ長は、一般的に、印刷ヘッドの副走査方向における幅(ヘッド長)によって設定される。そのため、搬送方向に沿って配置される各ノズルのうち、印刷処理時に使用され得るノズルの数、即ち候補ノズルの数は、一定である。
しかしながら、各分割印刷データのうち最後の分割印刷データのデータ長は、他の分割印刷データのデータ長と比較して短い可能性が高い。この場合、最後の分割印刷データに基づく印刷処理時における候補ノズルの数は、他の分割印刷データに基づく印刷処理時における候補ノズルの数よりも少ない。このように候補ノズルの数が、分割印刷データのデータ長によって変動する場合、制御装置では、印刷媒体への印刷処理時に、印刷ヘッドから印刷媒体へのインク噴射を伴わない印刷手段の駆動に関する処理が増大するおそれがあった。
例えば、印刷処理中にフラッシング処理を行うタイミングになった場合は、該印刷処理中に使用され得る全てのノズルからインクをキャップ又はフラッシングボックス内に排出させる。そのため、最後の分割印刷データに基づいたインク噴射処理が行われる前に、フラッシング処理が行われる場合であっても、最後の分割印刷データに基づいたインク噴射処理では使用されないノズル(「不使用ノズル」ともいう。)からもインクが噴射(排出)されることになる。こうした不使用ノズルからインクを排出させるための印刷ヘッドの駆動が、印刷媒体への印刷処理時に印刷ヘッドから印刷媒体へのインク噴射を伴わない印刷手段の駆動となる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷媒体への印刷処理をより効率的に行うことができる印刷データ生成装置及び印刷データ生成方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の印刷データ生成装置が分割印刷データを送信する印刷装置は、印刷材を印刷媒体に付着させる印刷ヘッドを有する印刷手段と、前記印刷ヘッドを基準として、印刷媒体を所定の搬送方向に相対的に移動させる搬送手段と、取得された分割印刷データ及び印刷条件に基づき前記印刷手段及び前記搬送手段を制御し、印刷媒体への印刷材の付着と該印刷媒体の相対移動とを行わせる印刷制御手段と、を備え、当該印刷データ生成装置は、所定の印刷データ及び印刷条件に基づき特定される印刷領域の前記搬送方向における大きさに基づき、印刷媒体において前記印刷手段の1回の駆動によって印刷材が付着される領域の前記搬送方向における印刷幅を設定し、当該印刷幅に基づいて、前記搬送方向で最後に分割される最後の分割印刷データと当該最後の分割印刷データのデータ長よりもデータ長が長い場合のある他の分割印刷データを含む複数の分割印刷データに基づき、前記印刷装置に前記印刷手段及び前記搬送手段を制御させるための分割印刷データを生成する。
上記構成によれば、印刷媒体において印刷手段の1回の駆動によって印刷材が付着される領域の搬送方向における印刷幅は、分割印刷データと印刷条件に基づき特定される印刷領域の搬送方向における大きさに応じた幅に設定される。そして、このように設定された印刷幅に基づき印刷手段の駆動が制御される。そのため、印刷データに基づき特定される印刷領域の搬送方向における大きさを考慮しない場合と比較して、印刷媒体において印刷手段の1回の駆動によって印刷材が付着される領域の搬送方向における印刷幅の変化幅を、狭くすることができる。その結果、印刷手段の最後の駆動によって印刷材が付着される領域の搬送方向における印刷幅と、それ以前での印刷手段の1回の駆動によって印刷材が付着される領域の搬送方向における印刷幅との差分を小さくできる。したがって、印刷媒体への印刷処理時に、印刷媒体に印刷材を付着させることのない印刷手段の駆動を少なくでき、ひいては印刷媒体への印刷処理をより効率的に行うことができる。
本発明の印刷データ生成装置が分割印刷データを送信する印刷装置において、前記印刷ヘッドは、印刷材を噴射する複数のノズルを有し、前記各ノズルは、前記搬送方向に沿ってそれぞれ配置されており、前記印刷データ生成装置は、前記印刷領域の前記搬送方向における大きさに基づき、前記各ノズルのうち使用し得る候補ノズルの数を設定し、前記印刷制御手段は、取得された分割印刷データに基づく印刷処理時に、前記各ノズルのうち前記印刷データ生成装置によって設定された候補ノズルから印刷材を噴射させるべく前記印刷ヘッドを制御する。
なお、候補ノズルが複数の場合、搬送方向において互いに隣り合う候補ノズル同士の間には、候補ノズル以外の他のノズルが介在しない。また、「搬送方向に沿って」ということは、搬送方向と平行なものに限られず、搬送方向に直交していなければ、搬送方向と交差する方向も含むものとする。
上記構成によれば、印刷データに基づき特定される印刷領域の搬送方向における大きさを考慮しない場合と比較して、印刷手段の最後の駆動に基づく印刷媒体への印刷材の付着時に使用し得るノズルの数と、それ以前の印刷手段の駆動に基づく印刷媒体への印刷材の付着時に使用し得るノズルの数との差分を小さくできる。
本発明の印刷データ生成装置が分割印刷データを送信する印刷装置において、前記印刷手段は、前記印刷ヘッドを支持し且つ前記搬送方向と交差する走査方向に、印刷媒体に対して相対的に往復移動する移動体をさらに有し、前記印刷制御手段は、前記走査方向における一方側から他方側に前記移動体を相対的に移動させつつ印刷媒体に対して印刷材を付着させるように前記印刷手段を制御した後、前記
走査方向における他方側から一方側に前記移動体を相対的に移動させつつ印刷媒体に対して印刷材を付着させるように前記印刷手段を制御するようになっており、前記印刷データ生成装置は、前記印刷領域の前記搬送方向における大きさに基づき、前記印刷データに基づく印刷時における前記移動体の移動回数が偶数回となるように前記印刷幅を設定する。
もし仮に、移動体の移動回数が奇数回に設定された場合、印刷手段の最後の駆動時には、移動体が印刷媒体に対して走査方向における他方側に相対的に移動しつつ、印刷ヘッドが駆動する。そして、印刷終了時には、移動体が印刷媒体に対して走査方向における一方側に相対的に移動し、その後、印刷手段が待機状態となる。最後の移動体の走査方向における一方側への相対的な移動は、印刷媒体に印刷材を付着させることのない印刷手段の駆動となる。この点、本発明では、移動体の移動回数が偶数回となるように、印刷手段の1回の駆動によって印刷材が付着される領域の搬送方向における印刷幅が設定される。そのため、印刷手段の最後の駆動時には、移動体が印刷媒体に対して走査方向における一方側に相対的に移動しつつ、印刷ヘッドが駆動し、その後、印刷手段が待機状態となる。その結果、印刷媒体への印刷処理時に、印刷媒体に印刷材を付着させることのない印刷手段の駆動を少なくできる。
本発明の印刷データ生成装置が分割印刷データを送信する印刷装置の印刷手段は、前記印刷ヘッドから噴射された印刷材を受容する印刷材受容部と、印刷媒体への印刷精度を維持するために、前記印刷材受容部内に前記印刷ヘッドから印刷材を噴射させるべく前記印刷手段を制御する維持制御手段と、をさらに備え、前記維持制御手段は、印刷媒体への印刷途中に、前記印刷材受容部を前記印刷ヘッドに対向配置させ、前記印刷データ生成装置によって設定された前記候補ノズルから印刷材を前記印刷材受容部に噴射させる一方で、前記各ノズルのうち前記候補ノズル以外の他のノズルから前記印刷材受容部への印刷材の噴射を規制するように前記印刷手段を制御する。
候補ノズル以外の他のノズルに対する印刷媒体への印刷精度を維持するための処理(「メンテナンス」ともいう。)は、印刷媒体に印刷材を付着させることのない印刷手段の駆動となる。この点、本発明では、候補ノズル以外の他のノズルには、メンテナンスが行われない。そのため、他のノズルにもメンテナンスを行う場合と比較して、メンテナンスに伴う印刷材の消費量を低減できる。
本発明の印刷データ生成装置が分割印刷データを送信する印刷装置において、前記印刷領域の前記搬送方向における大きさとして、印刷処理が行われる印刷媒体の前記搬送方向における長さ、前記分割印刷データに基づき印刷媒体に印刷される画像の前記搬送方向における長さ、及び前記分割印刷データのデータ長のうち少なくとも一方を取得する情報取得手段をさらに備え、前記印刷データ生成装置は、前記情報取得手段による取得結果に基づき、前記印刷手段の1回の駆動によって印刷媒体において印刷材が付着される領域の前記搬送方向における印刷幅を設定する。
上記構成によれば、印刷処理が行われる印刷媒体の搬送方向における長さ、印刷データに基づき印刷媒体に印刷される画像の搬送方向における長さ及び印刷データのデータ長のうち少なくとも一方に基づき、印刷手段の一回の駆動によって印刷材が付着される領域の搬送方向における印刷幅が設定される。
本発明の印刷データ生成方法は、印刷データ生成装置から取得した分割印刷データに基づき、印刷手段を駆動させることにより所定の搬送方向に搬送される印刷媒体に対して印刷材を用いて印刷する印刷データ生成方法であって、当該印刷データ生成方法は、前記分割印刷データ及び印刷条件に基づき特定される印刷領域の前記搬送方向における大きさに基づき、前記印刷手段の1回の駆動によって印刷媒体に印刷材が付着される領域の前記搬送方向における印刷幅を設定し、当該印刷幅に基づいて、前記搬送方向で最後に分割される最後の分割印刷データと当該最後の分割印刷データのデータ長よりもデータ長が長い場合のある他の分割印刷データを含む複数の分割印刷データに基づき、前記印刷装置に前記印刷手段及び前記搬送手段を制御させるための分割印刷データを生成する。
上記構成によれば、上記印刷データ生成装置と同等の作用・効果を得ることができる。
(a)(b)は第1の実施形態の印刷装置の概略斜視図。 第1の実施形態のインク噴射部を模式的に示す平面図。 第1の実施形態のインク噴射部及び搬送装置を模式的に示す側面図。 ノズル形成面を模式的に示す平面図。 ノズル検査装置を説明する模式図。 第1の実施形態の印刷装置の電気的構成の要部を示すブロック図。 コントローラーの機能構成の要部を示すブロック図。 (a)は従来の方法で印刷処理が施された様子を説明する作用図、(b)は図8(a)の一部拡大図。 第1の実施形態の印刷処理ルーチンを説明するフローチャート。 印刷処理時におけるデータの変換と印刷処理とのタイミングを説明するタイミングチャート。 (a)は第1の実施形態の方法で印刷処理が施された様子を説明する作用図、(b)(c)は図11(a)の一部拡大図。 第2の実施形態の印刷処理ルーチンの一部を説明するフローチャート。 第3の実施形態において、印刷処理が施される様子を説明する作用図。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。
図1(a)は、本実施形態の印刷装置の構成の一例を示す斜視図である共に、図1(b)は、印刷装置の主要部の内部構成の一例を示す斜視図である。図1(a)(b)に示すように、印刷装置11は、印刷媒体の一例としてロール状の印刷用紙P(以下、「ロール紙」ともいう。)に印刷処理を行うシリアルタイプのインクジェット式プリンターである。こうした印刷装置11は、ロール紙Pに対して印刷処理を行う印刷装置本体12と、該印刷装置本体12を重力方向における下方から支持する支持用脚部13とを備えている。
また、印刷装置本体12の前面側から見て左側には、複数(本実施形態では6つ)のインクカートリッジ14を収容するホルダー部15と、該ホルダー部15をその前面から覆う開閉可能なホルダー用カバー16とが設けられている。各インクカートリッジ14には、互いに種類(例えば、色)の異なるインク(印刷材)がそれぞれ収容されている。また、印刷装置本体12の前面側から見て右側上部には、ユーザーによって操作される操作パネル17が設けられており、該操作パネル17は、液晶画面と各種ボタンとを有している。
印刷装置本体12の上側には、ロール紙P(図3参照)が収容される媒体収容部18が設けられている。この媒体収容部18内に収容されるロール紙Pは、主走査方向Xに沿って延びる軸部材19に巻かれている。媒体収容部18内において主走査方向Xにおける両側には、軸部材19を回転自在な状態で支持する軸支持部20がそれぞれ設けられている。そして、軸部材19が所定の回転方向(図3で矢印で示す方向)に回転することにより、ロール紙Pは、長尺状の用紙として印刷装置本体12内に送り出される。なお、媒体収容部18の前面側には、該媒体収容部18内に収容されるロール紙Pを覆う取り外し可能な収容部用カバー21が設けられている。
印刷装置本体12内には、ロール紙Pにおいて印刷装置本体12内に搬送された部分に対してインクを噴射するインク噴射部22と、該インク噴射部22に向けてロール紙Pを搬送する搬送手段の一例としての搬送装置23(図3参照)とが設けられている。また、印刷装置本体12には、ロール紙Pにおいてインク噴射部22によってインクが付着した部分、即ち印刷が完了した部分が排紙される排紙部24が設けられている。なお、印刷装置本体12は、該印刷装置本体12内を覆うための開閉可能な本体カバー25を有している。
次に、インク噴射部22について説明する。
図2及び図3に示すように、インク噴射部22は、主走査方向X(図2では左右方向)に延びる支持部材30を備えている。この支持部材30は、主走査方向Xにほぼ直交する副走査方向(搬送方向)Yにおいて上流側(媒体収容部18側)のほうが下流側(排紙部24側)よりも上方に位置するように配置されている。すなわち、支持部材30は、水平面に対して斜状をなす支持面30aを有している。こうした支持部材30の支持面30aは、ロール紙Pのうち印刷装置本体12内に搬送された部分を支持する。
また、インク噴射部22は、主走査方向Xに延びるガイド軸31を備えており、該ガイド軸31は、支持部材30の支持面30aに対向して配置されている。こうしたガイド軸31は、移動体としてのキャリッジ32を主走査方向Xに沿って往復移動可能な状態で支持している。
また、インク噴射部22は、正逆両方向に回転可能なキャリッジモーター(以下、「CRモーター」ともいう。)33と、該CRモーター33から出力された駆動力をキャリッジ32に伝達するキャリッジ駆動部34とを備えている。このキャリッジ駆動部34は、印刷装置本体12の後面において主走査方向Xにおける両端側に回転自在な状態で支持される一対のプーリー35,36を有しており、一方(図2では右側)のプーリー35には、CRモーター33の出力軸(図示略)が動力伝達可能な状態で連結されている。また、一対のプーリー35,36間には、一部がキャリッジ32に連結された無端状のタイミングベルト37が掛装されている。そして、キャリッジ32は、CRモーター33からの駆動力がキャリッジ駆動部34を介して伝達されることにより、主走査方向Xに沿ってガイド軸31にガイドされながら移動する。したがって、本実施形態では、キャリッジ駆動部34が、後述する印刷ヘッド42をロール紙Pに対して相対的に移動させる移動機構として機能する。
キャリッジ32の後面側には、該キャリッジ32の主走査方向Xにおける位置、移動速度及び移動方向を検出するためのリニアエンコーダー38が設けられている。このリニアエンコーダー38は、図6に示すように、主走査方向Xに延びる被検出用テープ39と、キャリッジ32に支持される検出部40とを備えている。被検出用テープ39は、印刷装置本体12に移動不能な状態で支持されると共に、主走査方向Xに沿って等間隔に形成される多数のスリット39aを有している。検出部40は、主走査方向Xにおいて互いに異なる位置に配置される複数(一例として2つ)のセンサー(図示略)を有している。そして、検出部40の各センサーからは、キャリッジ32の移動距離に相当するパルス状の検出信号が制御回路80(図6参照)にそれぞれ出力される。
キャリッジ32上には、各インクカートリッジ14から供給された各種インクを個別に一時的に貯留する複数(本実施形態では6つ)のサブタンク(図示略)が設けられている。これら各サブタンクには、インク供給装置41(図6参照)の駆動によって個別対応するインクカートリッジ14からインクがそれぞれ供給される。
また、キャリッジ32において支持部材30に対向する側には、図2及び図3に示すように、印刷ヘッド42が設けられている。この印刷ヘッド42には、サブタンクからインクが供給される複数(図2では6つのみ図示)のノズル43と、各ノズル43に個別対応する図示しない複数の駆動素子(一例として、圧電素子)とが設けられている。そして、ノズル43からは、サブタンクから供給されたインクが、駆動素子の駆動によって支持部材30に向けて噴射(供給)される。したがって、本実施形態では、印刷ヘッド42及びキャリッジ32により、ロール紙Pにおいてインク噴射部22に搬送された部分にインクを付着させる印刷手段が構成される。
印刷ヘッド42において支持部材30に対向する対向面は、図4に示すように、各ノズル43が開口するノズル形成面44とされており、該ノズル形成面44には、副走査方向Yに延びる複数(本実施形態では6つ)のノズル列45(図4では二点鎖線で囲まれた部分)が形成されている。これら各ノズル列45は、各インクカートリッジ14に個別対応すると共に、主走査方向Xに沿って所定間隔で配置されている。また、ノズル列45は、副走査方向Yに沿って所定のノズルピッチr間隔で配置されるn個(一例として360個)のノズル43によって形成されており、ノズル列45の副走査方向Yにおける長さは、ヘッド長Rに設定されている。ちなみに、ノズル列45を構成するノズル43には、副走査方向Yにおける下流側ほど若い番号が付されている。つまり、ノズル43(1)は、ノズル43(3)よりも排紙部24側に位置している。
図2に示すように、支持部材30の主走査方向Xにおける一方側(図2では右側)には、ロール紙Pが供給されないホームポジションが形成されており、該ホームポジションには、ロール紙Pへの印刷精度を維持させるために印刷ヘッド42に対して各種メンテナンスを行うメンテナンス装置60が設けられている。このメンテナンス装置60は、ホームポジションに位置する印刷ヘッド42に対して、接離する方向(図2では上下方向であって、支持面30aに直交する方向)に移動する有底略筒状のキャップ(印刷材受容部)61と、該キャップ61を昇降移動させる昇降機構62とが設けられている。また、メンテナンス装置60には、キャップ61内に受容されたインク(廃インク)を図示しない廃インクタンクに排出させるための吸引ポンプ(図示略)が設けられている。キャップ61は、図5に示すように、印刷ヘッド42に対向する側に開口するように配置されると共に、キャップ61内には、ホームポジションに位置する印刷ヘッド42から噴射(排出)されたインク(「廃インク」ともいう。)を吸収するインク吸収材63が収容されている。
本実施形態のメンテナンス装置60には、各ノズル43のうち不良ノズルを検出するためのノズル検査装置64が設けられている。なお、不良ノズルとは、ノズル内におけるインクの粘度が高くなるなどによってインクを噴射できない、又は後述する制御回路80側からの指示に応じた量のインクを噴射できないノズルのことを示している。
ノズル検査装置64は、キャップ61内においてインク吸収材63の上面(印刷ヘッド42に対向する側の面)を覆う金属製の網材(電極部)65と、キャップ61の底部中央に配置された+側の端子66とを備えており、網材65は、+側の端子66に電気的に接続されている。また、ノズル検査装置64には、ノズル検査回路67(図5では破線で囲まれた部分)が電気的に接続されている。このノズル検査回路67には、網材65と印刷ヘッド42のノズル形成面44との間に電圧を印加するための電圧印加回路68と、網材65とノズル形成面44との間の電圧値の変化を検出する電圧検出装置69とが設けられている。電圧印加回路68は、網材65が正極になると共にノズル形成面44が負極になるように、直流電源(例えば400V)と抵抗素子(例えば1MΩ)とを備えている。そのため、網材65において印刷ヘッド42に対向する面(図5では上面)には、正の電荷が帯電する一方で、印刷ヘッド42のノズル形成面44には、負の電荷が帯電する。
電圧検出装置69は、網材65からの検出信号を積分して出力する積分回路69aと、該積分回路69aから出力された信号を反転増幅して出力する反転増幅回路69bと、該反転増幅回路69bから出力された信号をA/D変換してコントローラー86へ出力するA/D変換回路69cとを備えている。
そして、ノズル検査装置64によるノズル検査時には、検査対象となるノズル43からインクがキャップ61内に噴射される。このとき、ノズル43から噴射されたインクには、負の電荷が帯電している。こうしたインクが網材65に接近するに連れて、該網材65では、静電誘導によって正の電荷が次第に増加する。その結果、網材65と印刷ヘッド42のノズル形成面44との間の電位差は、静電誘導に基づく誘導電圧により、ノズル43からインクが噴射されない場合と比較して大きくなる。
そして、インクが網材65に着弾すると、網材65の正の電荷の一部が、インクに帯電していた負の電荷によって中和される。すると、網材65と印刷ヘッド42のノズル形成面44との間の電位差(電圧)は、ノズル43からインクが噴射されない場合と比較して小さくなる。その後、網材65と印刷ヘッド42のノズル形成面44との間の電位差は、当初の大きさに戻る。こうした電位差に関する検出信号は、積分回路69a、反転増幅回路69b及びA/D変換回路69cを介してコントローラー86に入力される。
すると、コントローラー86では、A/D変換回路69cから入力された検出信号の振幅Vd(網材65と印刷ヘッド42のノズル形成面44との間の電圧値の変化量)が検出される。そして、検出された振幅Vdが予め設定された振幅閾値以上である場合には、検査対象のノズル43が正常ノズルであると判定される一方、検出された振幅Vdが振幅閾値未満である場合には、検査対象のノズル43が不良ノズルであると判定される。
次に、搬送装置23について説明する。
図3に示すように、搬送装置23は、副走査方向Yに沿ってロール紙Pを搬送する装置である。こうした搬送装置23は、副走査方向Yにおいて支持部材30の上流側(図3では右斜め上方であって、媒体収容部18側)に配置される給紙ローラー対50と、副走査方向Yにおいて支持部材30の下流側(図3では左斜め下方であって、排紙部24側)に配置される排紙ローラー対51とを備えている。給紙ローラー対50及び排紙ローラー対51は、紙送りモーター(以下、「PFモーター」ともいう。)52から伝達される駆動力によって回転する駆動ローラー50a,51aと、該駆動ローラー50a,51aの回転に伴い従動回転する従動ローラー50b,51bとでそれぞれ構成されている。PFモーター52は、その出力軸近傍に設けられたロータリーエンコーダー53(図6参照)を用いて回転速度、回転量及び回転方向などが制御される。そして、PFモーター52から伝達される駆動力によって各駆動ローラー50a,51aが図3で示す矢印方向に回転することにより、各ローラー対50,51に挟持されるロール紙Pは、副走査方向Yにおいて排紙部24側に紙送り(搬送)される。
なお、本実施形態において「ロール紙Pを搬送」とは、媒体収容部18内において軸部材19が所定の方向(図3の矢印が示す方向)に回転することにより、ロール紙Pが、長尺状の用紙として送り出されることを示している。
次に、印刷装置11の電気的構成について説明する。
図6に示すように、印刷装置11には、ホスト装置HCが図示しない通信ケーブルを介して接続されている。すなわち、印刷装置11の制御回路80は、インターフェイスIFを介してホスト装置HCとの間で印刷データなどの各種情報を送受信可能とされている。また、制御回路80のインターフェイスIFには、ユーザーによる操作パネル17の操作結果に関する操作情報が入力される。
ホスト装置HCには、印刷データを生成するプリンタードライバーPDが、ホスト装置HCのCPU(図示略)とプログラムとにより構築されている。印刷データは、コマンドと、ロール紙Pに印刷すべき画像に関する画像データとを含んでいる。プリンタードライバーPDは、画像データの解像度を印刷装置11の印刷解像度に変換し、変換後の画像データに対して色変換処理を行う。続いて、プリンタードライバーPDは、色変換処理済みの画像データに対してハーフトーン処理(階調数変換処理)を行う。そして、プリンタードライバーPDは、上記各種処理が施された画像データを含む印刷データを印刷装置11側に送信させる。このとき、プリンタードライバーPDは、印刷データの拡張子によっては、上記各処理のうち一部の処理を行うことなく印刷装置11側に送信させることもある。
なお、プリンタードライバーPDは、印刷データを複数に分割し、該分割された印刷データを印刷装置11側に順次送信させる。すなわち、プリンタードライバーPDは、始めにホスト装置HC側で設定された印刷条件に関するデータを印刷装置11側に送信させる。印刷条件は、印刷方式(双方向印刷方式又は一方向印刷方式)、1回の紙送り量(搬送量)、印刷媒体のサイズ及び印刷媒体における余白の幅などを含んでいる。
続いて、プリンタードライバーPDは、印刷データをキャリッジ32の1走査分のデータ(以下、「分割印刷データ」ともいう。)に分割し、各分割印刷データを印刷装置11側に順次送信させる。詳しくは後述するが、プリンタードライバーPDは、印刷条件に関するデータを送信した後、その返答として印刷装置11側からデータ長Ds(図7参照)に関する情報を受信する。そして、プリンタードライバーPDは、印刷装置11から指示されたデータ長Dsの分割印刷データを生成し、該生成した分割印刷データを印刷装置11側に順次送信させる。なお、最後(最終パス用)の分割印刷データは、印刷の終了を指示する終了情報を含んでいる。
次に、印刷装置11の制御回路80について説明する。
制御回路80は、CPU81、ASIC82((Application Specific IC(特定用途向けIC))、ROM83、不揮発性メモリー84及びRAM85を有するコントローラー86(図4では一点鎖線で囲まれた部分)を備えている。このコントローラー86は、バス87を介して、ノズル検査回路67及び各種ドライバー88,89,90,91に電気的に接続されている。そして、コントローラー86は、PF用ドライバー88を介してPFモーター52を制御すると共に、CR用ドライバー89を介してCRモーター33を制御する。また、コントローラー86は、ヘッド用ドライバー90を介して印刷ヘッド42(具体的には、印刷ヘッド42内の各駆動素子)を制御すると共に、インク供給用ドライバー91を介してインク供給装置41を制御する。
ROM83には、各種制御プログラム及び各種データなどが記憶されている。不揮発性メモリー84には、ファームウェアプログラムを始めとする各種プログラム及び印刷処理に必要な各種データなどが記憶されている。RAM85には、CPU81によって実行されるプログラムデータ、CPU81による演算結果及び処理結果である各種データ、及びASIC82で処理された各種データなどが一時記憶される。また、RAM85は、受信バッファー85a、中間バッファー85b及び出力バッファー85cを有している。受信バッファー85aには、ホスト装置HCから受信した印刷データ(即ち、各分割印刷データ)が格納されると共に、中間バッファー85bには、処理途中のデータが格納される。さらに、出力バッファー85cには、処理後のデータが格納される。
次に、本実施形態のコントローラー86について説明する。
図7に示すように、コントローラー86は、ハードウェア及びソフトウェアのうち少なくとも一方により実現される機能部分として、データ受信部100、データ処理部101、データ長指示部103、計時部104、印刷制御部105及びメンテナンス制御部106を備えている。
データ受信部100は、ホスト装置HCから受信したデータ(印刷条件に関するデータや分割印刷データなど)を一時的に記憶する第1メモリー107を備えている。この第1メモリー107は、受信バッファー85aを含んで構成されている。そして、データ受信部100は、第1メモリー107に一時的に記憶(格納)されたデータをデータ処理部101に出力する。したがって、本実施形態では、データ受信部100が、印刷データを取得する取得手段として機能する。
データ処理部101は、方式取得部108と、移動回数取得部109と、画像間隔取得部110と、候補ノズル数設定部111と、画像展開処理部112とを備えている。方式取得部108は、データ受信部100で受信した印刷条件に関するデータに基づき、ホスト装置HC側で設定された印刷モードを取得する。そして、方式取得部108は、取得した印刷モードに基づき、今回の印刷処理で行う印刷方式が、双方向印刷方式であるか、一方向印刷方式であるかを判断する。例えば、方式取得部108は、印刷モードがドラフト印刷である場合には双方向印刷方式であると判断し、印刷モードが高詳細印刷である場合には一方向印刷方式であると判断する。そして、方式取得部108は、取得した印刷方式に関する情報を移動回数取得部109に出力する。
「双方向印刷方式」とは、図8(a)に示すように、キャリッジ32が順方向(図8(a)では左方)に移動する際に印刷ヘッド42からインクを噴射させると共に、キャリッジ32が逆方向(図8(a)では右方)に移動する際にも印刷ヘッド42からインクを噴射させる印刷方式である。また、「一方向印刷方式」とは、キャリッジ32が順方向に移動する際にのみ印刷ヘッド42からインクを噴射させる印刷方式である。
図7に示すように、移動回数取得部109は、印刷データに基づく印刷処理時に、1頁分の印刷が完了するまでのキャリッジ32の主走査方向Xに沿った移動回数(走査回数)を計数するカウンター(図示略)を有している。移動回数取得部109は、印刷方式が双方向印刷方式である場合、キャリッジ32の順方向への移動時に計数すると共に、キャリッジ32の逆方向への移動時に計数する(図8参照)。一方、移動回数取得部109は、印刷方式が一方向印刷方式である場合、キャリッジ32の順方向への移動時に計数する一方で、キャリッジ32の逆方向への移動時には計数しない。すなわち、移動回数取得部109は、ロール紙Pへのインク噴射を伴うキャリッジ32の移動回数を計数している。そして、移動回数取得部109は、1頁分の印刷が完了した場合、計数値に関する情報を画像間隔取得部110に出力すると共に、計数値を「0(零)」にリセットする。
画像間隔取得部110は、移動回数取得部109から計数値に関する情報を取得する。また、画像間隔取得部110は、印刷制御部105から、インク噴射を伴うキャリッジ32の最後の移動時におけるノズル使用数SNに関する情報を取得する。このノズル使用数SNとは、最後に印刷された領域の副走査方向Yにおける印刷幅に相当する数である。そして、画像間隔取得部110は、取得した各情報に基づき、ロール紙Pに印刷された画像の副走査方向Yにおける長さHGを以下に示す関係式(式1)を用いて算出する。そして、画像間隔取得部110は、取得した長さHGに関する情報を候補ノズル数設定部111に出力する。したがって、本実施形態では、画像間隔取得部110が、情報取得手段として機能する。なお、長さHGはデータ受信部100で受信した印刷条件に関するデータに基づき取得してもよい。
なお、関係式(式1)において、「R×(CC−1)」という部分は、1つのノズル列45を構成する全てのノズル43を用いたインク噴射処理によって、インクが付着した部分の副走査方向Yにおける印刷幅の算出結果である。また、「SN×r」という部分は、最後のインク噴射処理によって、インクが付着した部分の副走査方向Yにおける印刷幅の算出結果である。
Figure 0005724234

ただし、HG…画像の副走査方向Yにおける長さ、R…ヘッド長、CC…計数値(インク噴射を伴うキャリッジ32の移動回数)、SN…ノズル使用数、r…ノズルピッチ
ここで、ノズル使用数SNについて、図8(a)(b)に基づき説明する。なお、全てのノズル43を用いて印刷を行うバンド印刷方式が、プリンタードライバーPD側で設定されているものとする。また、図8(b)では、明細書の説明理解の便宜上、印刷ヘッド42は1つのノズル列45を有すると共に、該ノズル列45は、13個のノズル43で構成されるものとする。
この場合、プリンタードライバーPDは、ノズル列45を構成する全てのノズル43に、データが割り当てられるように生成した分割印刷データを印刷装置11側に送信させる。すると、図8(a)に示すように、キャリッジ32の最後の移動時以外では、ノズル列45を構成する全てのノズル43からインクがロール紙Pに噴射される。しかし、キャリッジ32の最後の移動時では、図8(b)に示すように、全てのノズル43のうち一部のノズル43(図8(b)にて黒丸で示されたノズル)しか使用されない。しかも、キャリッジ32の最後の移動時に使用されるノズル43の数、即ちノズル使用数SN(図8(b)では4個)は、全ノズル数(ここでは13個)の半数以下となる可能性もあり得る。
図7に示すように、候補ノズル数設定部111は、画像間隔取得部110から長さHGに関する情報を取得する。そして、候補ノズル数設定部111は、印刷方式がバンド印刷方式である場合には、以下に示す関係式(式2)を用いて、2頁目以降におけるインク噴射を伴うキャリッジ32の移動回数、即ち印刷パス数IPを算出する。そして、候補ノズル数設定部111は、長さHGがヘッド長Rで割り切れない場合には、関係式(式2)によって算出された印刷パス数IPの小数点以下を切り上げる。また、候補ノズル数設定部111は、印刷方式が双方向印刷方式である場合において、印刷パス数IPが奇数であるときには、該印刷パス数IPに「1」だけインクリメントする。すなわち、印刷方式が双方向印刷方式である場合には、印刷パス数IPが偶数に設定される。
Figure 0005724234

ただし、IP…印刷パス数、HG…画像の副走査方向Yにおける長さ、R…ヘッド長
続いて、候補ノズル数設定部111は、算出した印刷パス数IPを以下に示す関係式(式3)に代入することにより、候補ノズル数KNを設定する。このとき、候補ノズル数設定部111は、関係式(式3)によって算出された候補ノズル数KNに小数点以下の数字が含まれる場合には、小数点以下を切り上げ、該数値を候補ノズル数KNとする。なお、「候補ノズル」とは、印刷データに基づく印刷処理時に使用され得るノズルのことであって、「候補ノズル数KN」とは、一のノズル列45の各ノズル43のうち候補ノズルに設定されたノズルの数のことである。一方、候補ノズル以外の他のノズル(「未使用ノズル」ともいう。)は、印刷処理時に使用されない。
Figure 0005724234

ただし、KN…候補ノズル数、HG…画像の副走査方向Yにおける長さ、IP…印刷パス数、r…ノズルピッチ
なお、候補ノズル数KNが複数である場合、副走査方向Yにおいて互いに隣り合う候補ノズル同士の間には、未使用ノズルが位置していない。そのため、候補ノズル数KNを取得することにより、ロール紙Pにおいてキャリッジ32の1回の移動によってインクが付着される領域(以下、「1走査領域」ともいう。)Tyの副走査方向Yにおける印刷幅Hy(=KN×r)が設定される(図11参照)。そして、候補ノズル数設定部111は、算出した候補ノズル数KNに関する情報を画像展開処理部112に出力する。したがって、本実施形態では、候補ノズル数設定部111が、印刷幅設定手段として機能する。また、画像の副走査方向Yにおける長さHGに基づき各ノズル43から候補ノズルを選択する点から、候補ノズル数設定部111が、選択手段としても機能する。
画像展開処理部112は、データ受信部100の第1メモリー107に格納された分割印刷データのうちコマンドを除いたデータを、印刷ドットが階調値で示されたビットマップデータに変換し、該ビットマップデータを展開する。そして、画像展開処理部112は、展開したデータに基づき、1走査分のビットマップデータを生成する。このとき、画像展開処理部112は、受信した分割印刷データに基づいたデータが候補ノズルに割り当てられると共に、未使用ノズルにはダミーデータ(ヌルデータ)が割り当てられるように、1走査分のビットマップデータを生成する。画像展開処理部112は、印刷制御部105から指示が入力された場合、生成した1走査分のビットマップデータを印刷制御部105に出力する。なお、「1走査分のビットマップデータ」とは、キャリッジ32の1回の主走査方向Xへの移動時、即ち印刷手段の1回の駆動時に、ロール紙Pに対してインクを噴射させるために必要なデータのことである。
データ長指示部103は、候補ノズル数設定部111から候補ノズル数KNに関する情報を取得した場合、取得した候補ノズル数KNが多いほど長いデータ長Dsを以下に示す関係式(式4)に基づき算出する。そして、データ長指示部103は、算出したデータ長Dsに関する情報をホスト装置HCに送信する。なお、「1つのノズルに必要な最大データ数Dmax」とは、キャリッジ32の1走査で常にインクを噴射し続ける場合(即ち、所謂ベタ印刷をする場合)に必要なデータ数のことを示している。また、「データ長Ds」とは、プリンタードライバーPD側から送信させる分割印刷データの大きさ、即ちデータ長を特定するためのデータである。ここで設定されたデータ長DsがプリンタードライバーPD側に送信されると、該プリンタードライバーPDは、設定したデータ長Dsの分割印刷データを生成し、該分割印刷データを印刷装置11に送信する。
Figure 0005724234

ただし、Ds…データ長、Dmax…1つのノズルに必要な最大データ数、KN…候補ノズル数、RN…ノズル列の数(=色数)
計時部104は、第1タイマー113と、第2タイマー114と、第3タイマー115とを備えている。これら各タイマー113〜115は、クロック回路などによってそれぞれ構成されている。第1タイマー113は、メンテナンス処理の一種であるフラッシングを行う間隔を計時するためのタイマーである。第2タイマー114は、メンテナンス処理の一種である上記ノズル検査処理を行う間隔を計時するためのタイマーである。第3タイマー115は、メンテナンス処理の一種であるクリーニングを行う間隔を計時するためのタイマーである。計時部104は、後述するメンテナンス制御部106から指示があった場合、該指示に応じたタイマー(例えば第1タイマー113)で計時される時間に関する情報をメンテナンス制御部106に出力する。
印刷制御部105は、データの出力の指示をデータ処理部101に出力する。そして、印刷制御部105は、データ処理部101から入力された1走査分のビットマップデータに基づき、CRモーター33、印刷ヘッド42(詳しくは、印刷ヘッド42に内蔵された各駆動素子)及びPFモーター52を制御することにより、ロール紙Pに対して印刷処理を行う。したがって、本実施形態では、印刷制御部105が、印刷制御手段として機能する。なお、もし仮に、次のインク噴射制御を行うための1走査分のビットマップデータの生成がデータ処理部101で完了していない場合、印刷制御部105は、生成が完了するまでキャリッジ32(及び印刷ヘッド42)を待機させる。
メンテナンス制御部106は、第1タイマー113で計時される時間が予め設定された第1基準値を超えた場合、候補ノズルに対してフラッシング処理を行う。また、メンテナンス制御部106は、第2タイマー114で計時される時間が予め設定された第2基準値を超えた場合、候補ノズルに対してノズル検査処理を行い、その結果、不良ノズルが存在していれば、フラッシング処理又はクリーニング処理を行って不良ノズルの回復を図る。さらに、メンテナンス制御部106は、第3タイマー115で計時される時間が予め設定された第3基準値を超えた場合、候補ノズルに対してクリーニング処理を行う。すなわち、メンテナンス制御部106は、定期的又は不定期で、ロール紙Pへの印刷精度を維持させるためのフラッシング処理及びノズル検査処理等のメンテナンス処理を実行させる。したがって、本実施形態では、メンテナンス制御部106が、維持制御手段として機能する。本実施形態では、メンテナンス処理を候補ノズルに対して行い、その他のノズルに対して行わないために、メンテナンス処理に要する時間を節約できる。
次に、本実施形態のコントローラー86が実行する印刷処理ルーチンについて、図9に示すフローチャート及び図10に示すタイミングチャートに基づき説明する。
さて、ホスト装置HCからの印刷データの受信が開始されたタイミングで、印刷処理ルーチンが実行される。すると、初めのステップS10において、コントローラー86は、印刷開始処理を行う。具体的には、コントローラー86は、ロール紙Pの先端をインク噴射部22内に進入させるべくPFモーター52を制御する。
次のステップS11において、コントローラー86は、2頁目の印刷であるか否かを判定する。そして、コントローラー86は、1頁目の印刷であったり、3頁目以降の印刷であったりする場合(ステップS11;NO)、その処理を後述するステップS13に移行する。一方、コントローラー86は、2頁目の印刷である場合(ステップS11;YES)、その処理を次のステップS12に移行する。
ステップS12において、コントローラー86は、候補ノズル数KNを設定する候補ノズル数設定処理を行う。すなわち、コントローラー86は、1頁目の印刷時に取得したノズル使用数SN及び計数値CCなどを上記関係式(式1)〜(式3)に代入することにより候補ノズル数KNを算出する。また、コントローラー86は、算出した候補ノズル数KNを上記関係式(式4)に代入することによりデータ長Dsを算出し、該算出したデータ長Dsに関する情報をホスト装置HC側に送信する。その後、コントローラー86は、その処理を次のステップS13に移行する。
ステップS13において、コントローラー86は、ロール紙Pへの印刷精度の維持を図るためのメンテナンス処理を行う。具体的には、コントローラー86は、今回の印刷処理ルーチンの実行にあたって初めてメンテナンス処理が行われる場合、各タイマー113〜115で計時する各時間を取得する。そして、コントローラー86は、フラッシング処理、ノズル検査処理及びクリーニング処理を必要に応じて行う。
また、2回目以降のメンテナンス処理が行われる場合、コントローラー86は、第1タイマー113で計時する時間を取得し、フラッシング処理を必要に応じて行う。すなわち、ノズル検査処理及びクリーニング処理は、ロール紙Pへのインク噴射が開始される直前に実行されることはあっても、ロール紙Pへのインク噴射が開始されてから実行されることはない。また、本実施形態では、フラッシング処理やノズル検査処理を行う場合、コントローラー86は、ステップS12の処理で設定された候補ノズルに対してフラッシング処理やノズル検査処理を行う一方で、未使用ノズルに対してフラッシング処理やノズル検査処理を行わない。
続いて、コントローラー86は、インク噴射処理(ステップS14)を行い、紙送り処理(ステップS15)を行う。したがって、本実施形態では、ステップS14,S15によって、印刷ステップが構成される。
インク噴射処理では、印刷制御部105は、データ処理部101によって生成された1走査分のビットマップデータに基づき、キャリッジ32の移動を制御すると共に、印刷ヘッド42の各ノズル43のうち候補ノズルからのインクの噴射を制御する。なお、インク噴射処理は、紙送り処理が終了したと同時又は直後から印刷ヘッド42によるインク噴射が行われるように、PFモーター52の駆動が停止する前からCRモーター33の駆動を開始させるべく実行されてもよい。
紙送り処理では、印刷制御部105は、プリンタードライバーPD側で設定された紙送り量に基づき、PFモーター52を制御する。この紙送り処理では、印刷方式が双方向印刷方式である場合、印刷ヘッド42からのインク噴射が終了した直後(又はキャリッジ32の移動が一時的に停止した直後)から給紙ローラー対50及び排紙ローラー対51が駆動される。また、印刷方式が一方向印刷方式である場合、紙送り処理は、インク噴射処理が完了してキャリッジ32が逆方向に移動している最中に、給紙ローラー対50及び排紙ローラー対51が駆動される。
次のステップS16において、コントローラー86は、今回の印刷処理が終了したか否かを判定する。すなわち、ホスト装置HCから送信される各分割印刷データのうち最後に送信される分割印刷データには、印刷の終了を指示する終了情報が含まれている。そこで、コントローラー86は、終了情報を含んだ分割印刷データに基づいたインク噴射処理が完了したか否かを判定する。そして、コントローラー86は、今回の印刷処理が終了していない場合(ステップS16;NO)、印刷処理を継続させるべく、その処理を前述したステップS11に移行する一方、今回の印刷処理が終了した場合(ステップS16;YES)、その処理を次のステップS17に移行する。
ここで、図10のタイミングチャートに示すように、分割印刷データの受信が完了すると、受信した分割印刷データが画像展開処理部112によって展開される(第1のタイミングt11)。そして、分割印刷データの展開が完了すると、1走査分のビットマップデータの生成が画像展開処理部112によって開始される(第2のタイミングt12)。そして、1走査分のビットマップデータの生成が完了されると、次の分割印刷データがデータ受信部100によって受信され始める(第3のタイミングt13)。このように、データの受信、展開及び生成が繰り返し実行される。
また、第3のタイミングt13では、ロール紙Pにインクを噴射させるべくキャリッジ32の移動が開始されると共に、印刷ヘッド42からは、適切なタイミングでインクが噴射される。その後、キャリッジ32の移動、即ちインク噴射処理が完了すると、紙送り処理が開始される(第4のタイミングt14)。そして、紙送り処理が完了した第5のタイミングt15で、次の1走査分のビットマップデータの生成が完了している場合には、キャリッジ32の移動及び印刷ヘッド42からのインクの噴射が直ぐに開始される。このように、インク噴射処理及び紙送り処理が繰り返し行われる。
図9のフローチャートに戻り、ステップS17において、コントローラー86は、印刷終了処理を行う。すなわち、コントローラー86は、ロール紙Pのうちインクが付着した部分、即ち画像が形成された部分を排紙部24に排紙すべくPFモーター52を制御すると共に、印刷ヘッド42をホームポジションに移動させるべくCRモーター33を制御する。そして、コントローラー86は、ホームポジションに位置する印刷ヘッド42を保護する目的で、キャップ61を印刷ヘッド42に接近させ、該印刷ヘッド42をキャッピングする。その後、コントローラー86は、印刷処理ルーチンを終了する。
次に、本実施形態の印刷装置11での印刷処理のうち、2頁目以降の印刷を行う場合の作用を中心に説明する。なお、2頁目以降の印刷では、1頁目の印刷でロール紙Pに形成した画像と同一の画像をロール紙Pに印刷するものとする。また、図11(a)(b)(c)では、明細書の説明理解の便宜上、印刷ヘッド42は1つのノズル列45を有すると共に、該ノズル列45は、12個のノズル43で構成されるものとする。また、12個のノズル43のうち、10個が候補ノズルであり、残りの2個が未使用ノズルであるものとする。そして、図11(b)(c)では、未使用ノズルを破線の丸で示すと共に、候補ノズルを黒塗りの丸又は実線の丸で示すものとする。
さて、2頁目の印刷が開始されると、図11(a)(b)に示すように、キャリッジ32が順方向(図11(a)では左方)に移動し始めると共に、ノズル列45を構成する各ノズル43のうち候補ノズルからは、ロール紙Pに向けてインクが適宜噴射される。そして、キャリッジ32の順方向への移動が完了すると、即ち1走査分のビットマップデータに基づいたインク噴射処理が完了すると、紙送り処理によってロール紙Pが副走査方向Yにおける下流側に搬送される。その後、紙送り処理が完了すると、キャリッジ32が逆方向(図11(a)では右方)に移動し始めると共に、候補ノズルからは、ロール紙Pに向けてインクが適宜噴射される。
そして、最後の分割印刷データに基づいたインク噴射処理を行う場合、印刷パス数IPが偶数の数値に設定されているため、キャリッジ32は、図11(a)における左側に位置している。その結果、図11(a)(c)に示すように、キャリッジ32が逆方向に移動し始めると共に、各候補ノズルからは、ロール紙Pに向けてインクが適宜噴射される。このとき、全ての候補ノズルに、最後の分割印刷データに基づいたデータが割り当てられているわけではない。そのため、各候補ノズルのうち一部のノズル(図11(c)では実線の丸で示されたノズル)からは、インクが噴射されない。これは、最後に受信した分割印刷データのデータ長が、上記関係式(式4)に基づき算出されたデータ長Dsと一致しないためである。
しかし、本実施形態では、印刷パス数IP及び候補ノズル数KNは、1頁目に印刷された画像の副走査方向における長さHGに基づき設定される。そのため、最後の分割印刷データに基づいたインク噴射処理時に使用されるノズル43の数(「ラスト使用数」ともいう。)と候補ノズル数KNとの差分(図11では2つ)は、全てのノズル43を用いて印刷を行う従来の場合の差分と比較して少なくなる(図8(b)参照)。
そして、逆方向に移動するキャリッジ32は、そのまま、ホームポジションまで移動してキャップ61によってキャッピングされる。なお、3頁目以降の印刷は、2頁目の印刷の場合と略同等であるため、その説明を省略する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ロール紙Pにおいてキャリッジ32の1回の移動によってインクが付着される1走査領域Tyの副走査方向Yにおける印刷幅Hyは、印刷データに基づき特定される印刷領域の搬送方向における大きさに応じた長さHGに設定される。そして、このように設定された印刷幅Hyに基づき印刷ヘッド42の駆動が制御される。そのため、印刷データに基づき特定される印刷領域の搬送方向における長さHGを考慮しない場合と比較して、1走査領域Tyの印刷幅Hyの変化幅を、狭くすることができる。その結果、キャリッジ32の最後の移動に基づく1走査領域Tyの印刷幅Hyと、それ以前でのキャリッジ32の移動に基づく1走査領域Tyの印刷幅Hyとの差分を小さくできる。したがって、ロール紙Pへの印刷処理時に、ロール紙Pにインクを付着させることのない印刷手段の駆動を少なくできる。
また、印刷手段の無駄な駆動を少なくできる分、印刷処理をより効率的に行うことができる。
(2)本実施形態では、印刷データに基づき特定される印刷領域の搬送方向における大きさとして、1頁目の印刷でロール紙Pに形成された画像の副走査方向Yにおける長さHGが取得される。そして、長さHGに基づき、一のノズル列45を構成する各ノズル43のうち候補ノズルに設定される数、即ち候補ノズル数KNが算出される。そのため、長さHGを考慮することなくインク噴射処理を行う従来の場合と比較して、最後の分割印刷データに基づいたインク噴射処理時に使用されるノズルの数、即ちラスト使用数と、それ以前の分割印刷データに基づいたインク噴射処理時に使用されるノズルの数との差分を小さくできる。
(3)本実施形態では、印刷処理中に実行されるフラッシング処理では、候補ノズル以外の未使用ノズルからのインクの排出が行われない。そのため、未使用ノズルからもインクを排出させるようなフラッシング処理を行う場合と比較して、フラッシング処理に伴うインク消費量を低減できる。
(4)また、印刷処理開始時に実行されるノズル検査処理では、今回の印刷処理では使用されない未使用ノズルの検査を行わない。そのため、未使用ノズルの検査も行う場合と比較して、ノズル検査処理に要する時間を短縮できると共に、ノズル検査処理時におけるインク消費量を低減できる。
(5)さらに、フラッシング処理は、第1タイマー113によって計時される時間が第1基準値以上になったタイミングで実行される。そのため、最後の分割印刷データに基づいたインク噴射処理が行われる直前に、フラッシング処理が行われることもある。このとき、各候補ノズルのうち、最後の分割印刷データに基づいたインク噴射処理では使用されないノズルからもインクが排出されることになる。この点、本実施形態では、上述したように、長さHGを考慮することなくインク噴射処理を行う従来の場合と比較して、最後の分割印刷データに基づいたインク噴射処理時に使用されるノズルの数、即ちラスト使用数と、それ以前の分割印刷データに基づいたインク噴射処理時に使用されるノズルの数との差分を小さくできる。すなわち、各候補ノズルのうち、最後の分割印刷データに基づいたインク噴射処理では使用されないノズルの数を少なくできる分、フラッシング処理によるインクの無駄な消費量を、従来の場合と比較して少なくできる。また、フラッシング処理時に駆動する駆動素子の数を少なくでき、ひいてはロール紙Pへの印刷処理時に、ロール紙Pにインクを付着させることのない印刷手段の駆動を少なくできる。
(6)印刷方式が双方向印刷方式である場合において、印刷パス数IPが奇数であったときには、最後の分割印刷データに基づいたインク噴射処理にキャリッジ32が順方向に移動することになる。この場合、印刷処理の終了後に、キャリッジ32をホームポジション側に移動させる必要がある。こうしたキャリッジ32の移動は、ロール紙Pへのインクの噴射を伴わない印刷手段の駆動となる。この点、本実施形態では、印刷方式が双方向印刷方式である場合には、印刷パス数IPが偶数に設定される。そのため、最後の分割印刷データに基づいたインク噴射処理には、キャリッジ32が逆方向に移動することになる。そして、ロール紙Pへのインク噴射を終了させると、キャリッジ32は、そのまま、ホームポジションに移動し、その後、待機状態となる。そのため、ロール紙Pへの印刷処理時に、ロール紙Pにインクを付着させることのない印刷手段の駆動を少なくできる。
(7)本実施形態では、印刷データに基づき特定される印刷領域の搬送方向における大きさに応じた長さHGに基づき、候補ノズル数KNが算出される。こうして算出された候補ノズル数KNは、一のノズル列45を構成するノズル43の総数よりも少ないことが多いと考えられる。この場合、ホスト装置HC側から受信する分割印刷データのデータ長Dsは、一のノズル列45を構成する全てのノズルを用いて印刷を行う場合と比較して短くなる。その結果、データの受信、展開及び生成に要する時間を短くできる。そのため、1走査分のビットマップデータの生成が完了するまでの間におけるキャリッジ32の待機時間を短くできる。
また、前回のインク噴射処理でロール紙Pに付着したインクが乾燥する前に、今回のインク噴射処理でロール紙Pにインクを噴射させることができる。そのため、前回のインク噴射処理でインクが付着した領域の一部と、今回のインク噴射処理でインクが付着する領域の一部とが重なる場合であっても、画質が低下する可能性を低くできる。
(8)近年では、ロール紙Pに印刷する画像の解像度が高くなる傾向があり、結果として、印刷データのデータ量が増大する傾向にある。そのため、データの受信、展開及び生成などに要する時間が長くなり、印刷処理中におけるキャリッジ32の待機時間が長くなる傾向がある。この点、本実施形態では、データの受信、展開及び生成などに要する時間を短くできる分、画像の高解像度化が進んでも、印刷処理に要する時間の増大を抑制できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図12に基づき説明する。なお、第2の実施形態は、候補ノズル数KNを設定するためのパラメーターの一部が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態では、第1の実施形態の場合とは異なり、ホスト装置HC側で設定された印刷領域や用紙サイズに関する情報に基づき、印刷パス数IPなどが算出される。
そこで次に、本実施形態のコントローラー86が実行する印刷処理ルーチンについて、図12に示すフローチャーに基づき説明する。
さて、ホスト装置HCからの印刷データの受信が開始されたタイミングで、印刷処理ルーチンが実行される。すると、初めのステップS100において、コントローラー86は、印刷条件に関するデータの受信が完了したか否かを判定する。コントローラー86は、印刷条件に関するデータを受信中の場合(ステップS100;NO)、ステップS20の判定処理を繰り返す一方、印刷条件に関するデータの受信が完了した場合(ステップS100;YES)、その処理を次のステップS121に移行する。
ステップS121において、コントローラー86は、上記ステップS12と同じように、候補ノズル数KNを設定する候補ノズル数設定処理を行う。ただし、本実施形態では、コントローラー86は、ロール紙Pに印刷された画像の副走査方向Yにおける長さHGの代わりに、受信した印刷条件に含まれるロール紙P内における印刷領域の副走査方向Yにおける長さ、又は1頁分の用紙の副走査方向Yにおける長さを用い、候補ノズル数KN及びデータ長Dsを算出する。
続いて、コントローラー86は、印刷開始処理(ステップS10)を行い、その後、メンテナンス処理(ステップS13)を行う。なお、以降の処理は、第1の実施形態の場合と同様であるため、その説明を省略する。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態における効果(1)〜(8)と同等の効果に加え、以下に示す効果を更に得ることができる。
(9)本実施形態では、印刷処理を開始するにあたって最初に受信する印刷条件に関するデータに含まれる印刷領域や用紙サイズに基づき、候補ノズル数KN及びデータ長Dsが算出される。そのため、1頁目の印刷時から、候補ノズルや印刷パス数IPを設定した状態でロール紙Pに画像を印刷することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図13に基づき説明する。なお、第3の実施形態は、印刷方法の一部が第1及び第2の各実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1及び第2の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1及び第2の各実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態では、マイクロウィーブ印刷方式の印刷処理が行われる。このマイクロウィーブ印刷方式とは、図13に示すように、前回のインク噴射処理によって形成された1走査領域Tyの一部(副走査方向Yにおける上流側端部(図13では下端部))と、今回のインク噴射処理によって形成される1走査領域Tyの一部(副走査方向Yにおける下流側端部(図13では上端部))とを重ね合わせる方式である。1走査領域Tyのうち前回及び次回のインク噴射処理による1走査領域Tyと重複する部分を「第1領域Tz」といい、1走査領域Tyのうち第1領域Tz以外の部分を「第2領域Tx」という。なお、本実施形態では、第1領域Tzの副走査方向Yにおける幅Hzに対する第2領域Txの副走査方向Yにおける幅Hxの比率αは、候補ノズル数KNが変動しても一定値(例えば4)である。
ここで、マイクロウィーブ印刷方式の場合において、候補ノズル数設定部111による印刷パス数IPの設定方法について説明する。
マイクロウィーブ印刷方式で印刷処理を行う場合、副走査方向Yに並置される各ノズル43のうち一部のノズルは、1走査領域Tyのうち第2領域Txにインクを噴射する非重ねノズルである。また、残りのノズルは、第1領域Tzにインクを噴射する重ねノズルである。そして、非重ねノズルの数を「Nx」とし、重ねノズルの数を「Nz」とした場合、ノズル列45を構成する各ノズル43が等間隔で配置されるため、非重ねノズル数Nxと重ねノズル数Nzとの関係は、以下に示す関係式(式5)で示される。
Figure 0005724234

ただし、α…比率、Nx…非重ねノズル数、Nz…重ねノズル数
また、1頁目の印刷を行う場合は、一のノズル列45を構成する全てのノズル43が使用される。そのため、1頁目の印刷処理を行う場合において、比率αが「4」であって且つノズル列45が「360個」のノズル43で構成されるときには、非重ねノズル数Nxが「240」となり、重ねノズル数Nzが「60」となる。そして、2頁目以降におけるインク噴射を伴うキャリッジ32の移動回数、即ち印刷パス数IPは、以下に示す関係式(式6)に基づき算出される。算出された値に小数点以下が含まれる場合、該小数点以下を切り上げた値が、印刷パス数IPとされる。この際、印刷方式が双方向印刷方式である場合において関係式(式6)に基づき算出された印刷パス数IPが奇数であるときに、印刷パス数IPは、偶数となるように「1」だけインクリメントされる。なお、関係式(式6)に代入される非重ねノズル数Nx及び重ねノズル数Nzは、1頁目の印刷時の値(この場合、Nx=240、Nz=60)である。そして、画像の副走査方向Yにおける長さHGが「55」であって且つノズルピッチr(図4参照)が「0.07」である場合、印刷パス数IPは「3」とされる。
2頁目以降の印刷処理時での印刷パス数IPが算出されると、非重ねノズル数Nx及び重ねノズル数Nzは、以下に示す関係式(式7)と上記関係式(式5)とに基づきそれぞれ算出される。なお、比率αが「4」である場合、非重ねノズル数Nxが「168」とされ、重ねノズル数Nzが「42」とされる。すなわち、候補ノズル数KN(=Nx+2×Nz)は、「252」とされる。
Figure 0005724234

ただし、IP…印刷パス数、HG…画像の副走査方向Yにおける長さ、r…ノズルピッチ、Nz…重ねノズル数、Nx…非重ねノズル数
次に、本実施形態の印刷装置11での印刷処理のうち、2頁目以降の印刷を行う場合の画像展開処理部112の処理について説明する。なお、2頁目以降の印刷では、1頁目の印刷でロール紙Pに形成した画像と同一の画像をロール紙Pに印刷するものとする。また、図13では、一のノズル列45を構成するノズル43の数が13個であるものとし、各ノズル43(1)〜43(13)のうち、ノズル43(3)〜43(11)が候補ノズルに設定され、ノズル43(1),43(2),43(12),43(13)が候補ノズル以外の未使用ノズルであるものとする。
マイクロウィーブ印刷方式で印刷処理を行う場合は、マイクロウィーブ印刷方式に対応した分割印刷データをコントローラー86が受信する第1ケースと、マイクロウィーブ印刷方式に対応していない分割印刷データをコントローラー86が受信する第2ケースとが考えられる。第1ケースでは、コントローラー86の画像展開処理部112は、受信した分割印刷データを、ビットマップデータに変換して展開する。そして、画像展開処理部112は、各候補ノズル43(3)〜43(11)に対して、展開したビットマップデータに応じたデータが割り当てられると共に、未使用ノズル43(1),43(2),43(12),43(13)に対して、ダミーデータが割り当てられるように、1走査分のビットマップデータを生成する。
一方、第2ケースでは、コントローラー86の画像展開処理部112は、受信した分割印刷データを、ビットマップデータに変換して展開する。そして、画像展開処理部112は、以下に示す方法で各ノズル43(1)〜43(13)にデータが割り当てられるように、1走査分のビットマップデータを生成する。
すなわち、画像展開処理部112は、各候補ノズル43(3)〜43(11)のうち、第2領域Txに対応する各候補ノズル43(5)〜43(9)に対して、展開されたビットマップデータに応じたデータを割り当てる。また、画像展開処理部112は、第1領域Tzに対応する候補ノズル43(3),43(4),43(10),43(11)のうち、副走査方向Yにおいて所定個おきの候補ノズルに対して、展開されたビットマップデータを割り当てる。図13では、画像展開処理部112は、各候補ノズル43(3),43(4),43(10),43(11)のうち、候補ノズル43(3),43(11)に対して、展開されたビットマップデータに応じたデータを割り当てると共に、候補ノズル43(4),43(10)に対して、ダミーデータを割り当てる。また、画像展開処理部112は、未使用ノズル43(1),43(2),43(12),43(13)に対して、ダミーデータを割り当てる。
したがって、本実施形態では、上記第1及び第2の各実施形態と同等の作用・効果に加え、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(10)本実施形態の印刷処理では、前回のインク噴射処理によって形成された1走査領域Tyの一部と、今回のインク噴射処理によって形成される1走査領域Tyの一部とが重なる。そのため、前回のインク噴射処理によってロール紙Pに付着したインクが乾燥する前に、今回のインク噴射処理を行うことが画質向上の観点から好ましい。この点、本実施形態では、1頁目に印刷された画像の副走査方向Yにおける長さHGに基づきデータ長Dsが設定されるため、印刷処理中におけるキャリッジ32の待機時間を短くできる。その結果、前回のインク噴射処理が終了してから、今回のインク噴射処理が開始されるまでの時差を短くできる。したがって、前回のインク噴射処理によってロール紙Pに付着したインクが乾燥する前に、今回のインク噴射処理を行える可能性を高くでき、ひいてはロール紙Pに印刷される画像の画質の向上に貢献できる。
なお、上各記実施形態は以下のように変更してもよい。
・各実施形態において、1頁目に印刷された画像の副走査方向Yにおける長さHG、設定された用紙サイズ及び設定された印刷領域の代わりに、取得する印刷データのデータ長に基づき、印刷パス数IPや候補ノズル数KNを設定してもよい。ただし、この場合、印刷装置11は、印刷データの受信を完了した後に、印刷処理を行ってもよい。
・第3の実施形態において、比率αは、「4」以外の任意数(例えば、5や0.5)であってもよい。
・第3の実施形態において、マイクロウィーブ印刷方式の場合、以下に示す方法で非重ねノズル数Nx及び重ねノズル数Nzを設定してもよい。すなわち、非重ねノズル数Nxを一定とし、重ねノズル数Nzを、候補ノズル数KNから非重ねノズル数Nxを減算した値としてもよい。ただし、以下に示す関係式(式8)が成立する場合には、重ねノズル数Nzを「0(零)」とし、非重ねノズル数Nxを以下に示す関係式(式9)に基づき算出してもよい。
Figure 0005724234

ただし、Nx…非重ねノズル数、IP…印刷パス数、r…ノズルピッチ、HG…画像の副走査方向Yにおける長さ
なお、長さHGの代わりに、ホスト装置HC側で設定された印刷領域の副走査方向Yにおける長さや用紙の副走査方向Yにおける長さを代入してもよい。
・各実施形態において、候補ノズル数KNが算出された場合、一のノズル列45を構成する各ノズル43のうち、副走査方向Yにおける下流側に位置するノズルを、候補ノズルに設定してもよい。また、一のノズル列45を構成する各ノズル43のうち、副走査方向Yにおける上流側に位置するノズルを、候補ノズルに設定してもよい。また、一のノズル列45を構成する各ノズル43のうち、副走査方向Yにおける中央側に位置するノズルを、候補ノズルに設定してもよい。
・各実施形態において、上記関係式(式3)に基づき算出された候補ノズル数KNの1桁目を切り上げてもよい。この場合、候補ノズル数KNは、印刷データに基づき特定される印刷領域の副走査方向Yにおける大きさに基づき、「10個」単位で設定される。
・各実施形態では、印刷処理中にフラッシング処理を行う場合には、各ノズル43のうち候補ノズル以外の未使用ノズルからインクを排出させないが、印刷処理中ではない場合に実行されるフラッシング処理では、全てのノズル43からインクを排出させてもよい。このように構成することにより、ノズル43内におけるインクの粘度上昇などに伴うノズル43の目詰まりを抑制できる。
同様に、印刷処理中ではない場合に実行されるノズル検査処理では、全てのノズル43を検査してもよい。
・各実施形態において、メンテナンス装置60は、ノズル検査装置64を備えない構成でもよい。
・各実施形態において、印刷装置を、印刷処理中に、印刷媒体を基準として、印刷ヘッド42が所定の搬送方向に相対移動する印刷装置に具体化してもよい。
・各実施形態において、印刷装置11は、ホスト装置HCを介さずに、外部メモリー(メモリーカードなど)や電子カメラなどから印刷データを直接取得可能な印刷装置であってもよい。この場合、外部メモリーに記憶される印刷データは、印刷装置11内のメモリー(RAM85など)にコピーされ、該メモリーに記憶された印刷データに基づいて印刷処理が行われる。
また、印刷装置11は、スキャナー部などを備えた複合機であってもよい。
・各実施形態において、印刷装置11は、印刷中に印刷ヘッドが移動しない所謂ラインヘッドタイプの印刷装置でもよいし、主走査方向Xに複数の印刷ヘッド42が配置される所謂ラテラルタイプの印刷装置であってもよい。こうした印刷装置であっても、各ノズル43は、印刷媒体の搬送方向に沿って配置されることが好ましい。
・また、印刷媒体と印刷ヘッドは相対的に移動すればよく、例えば印刷媒体が搬送をされず印刷ヘッドが移動してもよい。例えば、シリアルタイプのインクジェット式プリンターでは、印刷ヘッド42をロール紙Pに対して主走査方向Xに相対的に移動させてもよい。また、ロール紙Pを印刷ヘッド42に対して副走査方向Yに相対的に移動させてもよい。
・各実施形態において、印刷装置11で印刷される印刷媒体は、ロール紙に限らず、他の用紙(例えば単票紙)であってもよい。
・各実施形態において、印刷装置11は、インクカートリッジ14がキャリッジ32に着脱可能な状態で搭載される所謂オンキャリタイプのプリンターに具体化してもよい。
・各実施形態では、印刷装置11として、インクジェット式プリンターが採用されているが、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置を採用してもよい。また、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。この場合、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態を言い、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置が挙げられる。さらに、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。また、流体は、トナーなどの粉粒体でもよい。なお、本明細書でいう流体には、気体のみからなるものは含まないものとする。
・各実施形態において、印刷装置11は、ドットインパクト方式、レーザー方式などの他の印刷方式の印刷装置でもよい。
・第2の実施形態において、1走査領域Tyの副走査方向Yにおける印刷幅を、プリンタードライバーPDで取得してもよい。すなわち、プリンタードライバーPDは、印刷装置11側でユーザーによって設定された用紙のサイズ等に基づき、関係式(式2)〜(式4)を用いて印刷パス数IP、候補ノズル数KN及びデータ長Dsを算出する。そして、プリンタードライバーPDは、算出したデータ長Dsの分割印刷データを印刷装置11側に順次送信させてもよい。
・各実施形態において、印刷装置11で行っていた処理をプリンタードライバーPDで行うようにしてもよいし、プリンタードライバーPDで行っていた処理を印刷装置11で行うようにしてもよい。
・上述した各実施形態・各変形例を組み合わせてもよい。
次に、上記各実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)印刷データを印刷装置に送信するホスト装置に実行されるプログラムであって、
前記ホスト装置の制御部に、
印刷データに基づき特定される印刷領域の大きさに基づき、1回の通信で前記印刷装置側に送信するデータのデータ長を設定させるステップと、
印刷データを、前記ステップで設定したデータ長単位で分割して生成した分割印刷データを前記印刷装置側に順次送信させるステップと、を実行させるプログラム。
11…印刷装置、23…搬送手段としての搬送装置、32…印刷手段を構成するキャリッジ(移動体)、34…移動機構としてのキャリッジ駆動部、42…印刷手段を構成する印刷ヘッド、43…ノズル、61…印刷材受容部としてのキャップ、100…取得手段としてのデータ受信部、105…印刷制御手段としての印刷制御部、106…維持制御手段としてのメンテナンス制御部、110…情報取得手段としての画像間隔取得部、111…印刷幅設定手段、選択手段としての候補ノズル数設定部、Ds…データ長、HG…長さ、Hy…印刷幅、P…印刷媒体としてのロール紙、Ty…領域。

Claims (6)

  1. 印刷材を印刷媒体に付着させる印刷ヘッドを有する印刷手段と、
    前記印刷ヘッドを基準として、印刷媒体を所定の搬送方向に相対的に移動させる搬送手段と、
    取得された分割印刷データ及び印刷条件に基づき前記印刷手段及び前記搬送手段を制御し、印刷媒体への印刷材の付着と該印刷媒体の相対移動とを行わせる印刷制御手段と、
    を備えた印刷装置に送信する分割印刷データを生成する印刷データ生成装置であって、
    当該印刷データ生成装置は、所定の印刷データ及び前記印刷条件に基づき特定される印刷領域の前記搬送方向における大きさに基づき、印刷媒体において前記印刷手段の1回の駆動によって印刷材が付着される領域の前記搬送方向における印刷幅を設定し、当該印刷幅に基づいて、前記搬送方向で最後に分割される最後の分割印刷データと当該最後の分割印刷データのデータ長よりもデータ長が長い場合のある他の分割印刷データを含む複数の分割印刷データに基づき、前記印刷装置に前記印刷手段及び前記搬送手段を制御させるための分割印刷データを生成することを特徴とする印刷データ生成装置
  2. 前記印刷装置の前記印刷ヘッドは、印刷材を噴射する複数のノズルを有し、前記各ノズルは、前記搬送方向に沿ってそれぞれ配置されており、
    前記印刷データ生成装置は、前記印刷領域の前記搬送方向における大きさに基づき、前記各ノズルのうち使用し得る候補ノズルの数を設定し、
    前記印刷制御手段は、取得された分割印刷データに基づく印刷処理時に、前記各ノズルのうち前記印刷データ生成装置によって設定された候補ノズルから印刷材を噴射させるべく前記印刷ヘッドを制御することを特徴とする請求項1に記載の印刷データ生成装置
  3. 前記印刷装置の前記印刷手段は、前記印刷ヘッドを支持し且つ前記搬送方向と交差する走査方向に、印刷媒体に対して相対的に往復移動する移動体をさらに有し、
    前記印刷制御手段は、
    前記走査方向における一方側から他方側に前記移動体を相対的に移動させつつ印刷媒体に対して印刷材を付着させるように前記印刷手段を制御した後、
    前記走査方向における他方側から一方側に前記移動体を相対的に移動させつつ印刷媒体に対して印刷材を付着させるように前記印刷手段を制御するようになっており、
    前記印刷データ生成装置は、前記印刷領域の前記搬送方向における大きさに基づき、前記分割印刷データに基づく印刷時における前記移動体の移動回数が偶数回となるように前記印刷幅を設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印刷データ生成装置
  4. 前記印刷装置は、前記印刷ヘッドから噴射された印刷材を受容する印刷材受容部と、
    印刷媒体への印刷精度を維持するために、前記印刷材受容部内に前記印刷ヘッドから印刷材を噴射させるべく前記印刷手段を制御する維持制御手段と、をさらに備え、
    前記維持制御手段は、印刷媒体への印刷途中に、前記印刷材受容部を前記印刷ヘッドに対向配置させ、前記印刷データ生成装置によって設定された前記候補ノズルから印刷材を前記印刷材受容部に噴射させる一方で、前記各ノズルのうち前記候補ノズル以外の他のノズルから前記印刷材受容部への印刷材の噴射を規制するように前記印刷手段を制御する請求項2に記載の印刷データ生成装置
  5. 前記印刷データ生成装置は、前記印刷領域の前記搬送方向における大きさとして、印刷処理が行われる印刷媒体の前記搬送方向における長さ、前記分割印刷データに基づき印刷媒体に印刷される画像の前記搬送方向における長さ、及び前記分割印刷データのデータ長のうち少なくとも一方を取得する情報取得手段をさらに備え、
    前記印刷データ生成装置は、前記情報取得手段による取得結果に基づき、前記印刷手段の1回の駆動によって印刷媒体において印刷材が付着される領域の前記搬送方向における印刷幅を設定することを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の印刷データ生成装置
  6. 印刷材を印刷媒体に付着させる印刷ヘッドを有する印刷手段と、前記印刷ヘッドを基準として、印刷媒体を所定の搬送方向に相対的に移動させる搬送手段と、取得された分割印刷データ及び印刷条件に基づき前記印刷手段及び前記搬送手段を制御し、印刷媒体への印刷材の付着と該印刷媒体の相対移動とを行わせる印刷制御手段とを備えた印刷装置に送信する分割印刷データを生成する印刷データ生成方法であって、
    当該印刷データ生成方法は、所定の印刷データ及び前記印刷条件に基づき特定される印刷領域の前記搬送方向における大きさに基づき、印刷媒体において前記印刷手段の1回の駆動によって印刷材が付着される領域の前記搬送方向における印刷幅を設定し、当該印刷幅に基づいて、前記搬送方向で最後に分割される最後の分割印刷データと当該最後の分割印刷データのデータ長よりもデータ長が長い場合のある他の分割印刷データを含む複数の分割印刷データに基づき、前記印刷装置に前記印刷手段及び前記搬送手段を制御させるための分割印刷データを生成することを特徴とする印刷データ生成方法
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