JP5716987B2 - 包装容器の製造方法及び包装パッケージの製造方法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施形態に係る包装容器の断面図である。
第2の実施形態に係る包装容器は、第1の実施形態に係るものと同一の構造を備えているが、使用時の剥離領域4の形態が異なる。本実施形態は、輸送時等に発生する高度差や気温差の影響で、外圧の上昇や内圧の低下(これらを併せて「相対的な内圧低下」という)によって包装容器1が凹んだりすることを防止するためのものである。そのため、包装容器1は、後に空間5を形成できるように、剥離領域4の内層部2を外層部3にほぼ沿わせた状態で構成されており、相対的な内圧低下に伴う体積変動を吸収するためのマージンが付与されている。なお、剥離領域4を図2に示した構造により実現する場合、剥離領域4内の内層部2の変形を確実にするため、後述の方法により予め剥離ニス層7部分を剥離させてから、再度内層部2を外層部3に沿わせるように変形させてもよい。
第1の方法は、剥離領域4に対して、ホットエアーを吹き付け加熱する方法である。剥離領域4がホットエアーにより加熱されると、内層部2が軟化するとともに、外層部3の紙層に含まれる水分も急加熱される。これにより発生した水蒸気の大きな膨張圧力によって、内層部2は、剥離ニス層7から剥離する。一般に、包装容器の側壁は、内層部2及び外層部3を貼り合わせて接着した平坦なシートを、所定の大きさに打ち抜き、筒状に形成する成型工程によって成型される。ホットエアーの吹き付けは、この成型工程前のシートの状態で行ってもよく、成型工程後の筒状に成型された後の状態で行ってもよい。ホットエアーの吹き付けは、内層部2及び外層部3のいずれの側から行ってもよいが、内層部2の側から行う方が外層部3を傷めることが少ないため、好ましい。なお、ホットエアーの温度及び吹き付け時間の好適な一例として、200〜300℃のホットエアーを1〜2秒間ほど吹き付ける例が挙げられる。
第2の方法は、剥離領域4に対して、電磁誘導により加熱する方法である。この方法は、内層部2がアルミ箔を含む層構成である場合に有効である。この方法では、剥離領域4に、コイルを対向して配置し、高周波電流を流し、内層部2に含まれるアルミ箔に高周波誘導電流を発生させることによって加熱する。この熱は、内層部2から紙層に伝わり、第1の方法と同様に、加熱によって内層部2を外層部3から剥離することができる。発熱量の好適な例として、内層部2の温度を150℃程度とすることが挙げられる。また、この方法は、上述の成型工程の前後いずれの段階で行ってもよい。
第3の方法は、剥離領域4に対して、電磁波により加熱する方法である。この方法では、内層部2がアルミ箔を含んでいない場合であっても、電磁波を照射することによって誘電加熱することができる。この場合も、第1及び第2の方法と同様に、加熱によって内層部2を外層部3から剥離することができる。発熱量の好適な例として、内層部2の温度を150℃程度とすることが挙げられる。また、この方法は、上述の成型工程の前後いずれの段階で行ってもよい。
第4の方法は、剥離領域4に内層部2の側から赤外線を照射して加熱する方法である。この方法は、内層部2がアルミ箔等の金属を含まない層構成である場合に有効である。また、剥離領域4に予め黒色等の、明度が低く赤外線吸収率の高い色を着色し、加熱効率を高めておくことが好ましい。着色の方法としては、剥離ニスに顔料を添加したり、剥離ニス層の上下いずれかの層に印刷を行うことが挙げられる。赤外線照射量の好適な例として、100Wのハロゲンヒーターを4秒間照射することが挙げられる。このような赤外線照射によって発生した熱は、第1〜第3の方法と同様に、紙層に伝わり、内層部2を外層部3から剥離することができる。また、この方法は、上述の成型工程の前後いずれの段階で行ってもよい。
第5の方法は、剥離領域4をしごき加工する方法である。内層部2及び外層部3を貼り合わせて接着したシートをローラー等でしごいて撓ませると、撓みの内側の層には押し縮める向きの力が加わり、外側の層には引き伸ばす向きの力が加わる。内層部2及び外層部3を構成する各層の一般的な材質上、引き伸ばす向きの力に対して伸びる量より、押し縮める向きの力に対して縮む量は小さいため、内層部2と外層部3とを剥離させることができる。しごき加工は、上述の成型工程のシート供給時に行ってもよいし、シート製造時(ラミネート後)の巻き取り工程において行ってもよい。
第6の方法は、剥離領域4を内層部2の側から吸盤24で剥離する方法である。図10は、この方法を実行する様子を示す図である。図10では、吸盤24を、平坦なシート25の剥離領域4に吸着させ、吸盤24をシート25から引き離すことで、内層部2を外層部3から剥離する。吸引は、このように、シート25が、成型工程前の平坦な状態で行ってもよく、成型工程後の筒状に成型された後の状態で行ってもよい。いずれの場合も、外層部3の側からも吸盤等により剥離領域4を固定することで、外層部3の変形が防止され、内層部2のみが変形して外層部3から剥離する。吸盤の大きさ、形状、あるいは吸引力は、内層部2を剥離領域4の全体に渡って剥離させることが可能であれば、特に限定されない。また、この方法は、上述の成型工程の前後いずれの段階で行ってもよい。
第7の方法は、成型後の容器の内部を減圧する方法である。図11は、この方法を実行する様子を示す断面図である。図11では、底部12と側壁11とが成型された状態の包装容器1の開口部がパッキング21で押さえられている。包装容器1の内部の空気は、パッキング21に設けられた通気穴23から吸引され減圧される。これにより、内層部2が外層部3から剥離される。また、側壁11の外径にほぼ等しい内径を持つ受け具22に包装容器1を嵌合させ外層部3を固定すると、側壁11全体の膨らみが規制される。一般に、筒状の側壁11の一部が凹むと、他の一部が膨らむが、受け具22によって膨らみが規制されることにより、結果的に側壁11の凹みも規制され、外層部3の変形を防止できる。また、変形防止の効果を高めるため、受け具22に通気穴を設け、受け具側22からも、側壁11を吸着して固定してもよい。また、パッキング21で包装容器1の開口部を押さえる代わりに、側壁11の内径にほぼ等しい外径を持つ筒状具を、包装容器1に嵌合させ、剥離領域4に対向する領域に形成された通気穴から空気を吸引して剥離領域4の近傍を減圧することで、包装容器1の変形を防止しつつ、内層部2を外層部3から剥離させることもできる。この場合、受け具22は用いなくてもよいが、用いた方が変形防止の効果が高くなる。
図7は、実施例1に係るパッケージを構成するシートの断面図である。より特定的には、(a)は側壁を構成するシートの断面図であり、(b)は底部を構成するシートの断面図であり、(c)はシール蓋を構成するシートの断面図である。
図8は、実施例2に係る側壁を構成するシートの断面図である。
図9は、実施例3に係る側壁を構成するシートの断面図である。
2 内層部
3 外層部
4 剥離領域
5 空間
6a、6b 接着層
7 剥離ニス層
11 側壁
12 底部
13 漏斗パーツ
14 シール蓋
21 パッキング
22 受け具
23 通気穴
24 吸盤
25 シート
Claims (3)
- 内容物を密封包装するために用いられ、剛性を有する包装容器の製造方法であって、
変形自在な材料よりなり、前記包装容器の内面を構成する内層部及び、剛性を有する材料よりなり、前記内層部の外側に設けられる外層部を、接着層を介して積層し、前記内層部及び前記外層部を剥離可能に形成した剥離領域を有するシートを準備する準備工程と、
前記シートを用いて筒状の容器を形成する成型工程と、
前記成型工程の前後いずれかにおいて実行され、前記シートの前記剥離領域の内層部を、前記外層部から剥離する剥離工程とを含み、
前記内層部は、金属層を含み、
前記外層部は、紙層を含み、
前記剥離工程において、前記シートの前記剥離領域にある前記金属層を高周波加熱により加熱し、前記外層部の前記紙層に含まれる水分を膨張させることによって前記内層部を前記外層部から剥離させる、包装容器の製造方法。 - 剛性を有する包装容器に、内容物を密封包装した包装パッケージの製造方法であって、
変形自在な材料よりなり、前記包装容器の内面を構成する内層部及び、剛性を有するとともに空気が透過可能な材料よりなり、前記内層部の外側に、前記内層部との隙間に外気の導入される孔が形成されることなく設けられる外層部を、接着層を介して積層し、前記内層部及び前記外層部を剥離可能に形成した剥離領域を有するシートを準備する準備工程と、
前記シートを用いて筒状の容器を形成する成型工程と、
成型された前記筒状の容器に内容物を充填して封止する充填工程と、
前記充填工程の後に、前記シートの前記剥離領域の内層部を、前記外層部から剥離する剥離工程とを含み、
前記充填工程において、前記内容物とともに酸素吸収剤が充填及び封止され、
前記剥離工程は、前記酸素吸収剤による酸素吸収に伴う内圧低下によって剥離を行う、包装パッケージの製造方法。 - 前記剥離工程において、内圧低下量は、前記剥離領域の剥離後、常温時の内圧が、大気圧以下となるよう設定される、請求項2に記載の包装パッケージの製造方法。
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