JP5716894B2 - 覚醒効果を生じさせる下敷き - Google Patents

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Description

本発明は、文房具として使用される下敷きに関し、特に、学習時において覚醒効果を有し、かつ、記憶力を向上させることができる下敷きに関する発明である。
学習時における人間の集中力は通常、時間の経過とともに低下する。その結果、多くの場合は眠気が襲ってくることとなる。眠気を除去するため、コーヒー等の摂取、軽い運動等により対応するのが一般的であった。
ところで長時間の単純作業における覚醒降下を防止する方法として、物理刺激をコントロールすることによって、長時間の単調作業においても不快感無く覚醒させ、その状態を維持できる手法が研究されている。
物理刺激のコントロールによる覚醒低下を防止する方法として、眠くなりやすい刺激を除去する方法、及び、眠くなりにくくする刺激を積極的に提示する方法がある。この中で後者の、眠くなり難くする刺激を積極的に提示する方法として、人体の一部を振動させる局所運動刺激が、長時間単調作業中の人間の覚醒に与える影響に関する研究もなされている(非特許文献1)。
上記研究では、人体の一部を振動させる局所運動刺激の周期が短いほど覚醒維持効果が高くなるという結果が得られている(非特許文献1)。
さらに脳回路を形成し、記憶を定着させるためには、学習時に五感(ごかん)を働かせると良いことは従来からよく知られている。「五感」とは、動物やヒトが外界を感知するための多種類の感覚機能のうち、従来からの分類による5種類の感覚、すなわち視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚のことである。この分類を前提として、人間の感覚全体を指すために「五感」という表現が用いられる場合もある。尚、本明細書において脳回路とは、情報が処理されるパターンのことであり、多くの情報は処理されて脳内に記憶という形態で保存される。
一方、下敷きとは物の下に敷く物の総称である。または「倒木の下敷きになる」といった様に何かにつぶされた、もしくは乗っかられた様子を指す用法もある。しかしながら特に普通名詞としての下敷きは筆記をするときに紙などの下に敷くものを指す。筆記の際に用いられる下敷きの材質は鉛筆、シャープペンなど硬筆用は堅いプラスチック、毛筆用は柔らかい毛氈(厚地のフェルトで敷物等に用いる物)である。
通常、ノートを開いて下に何も敷かずに字を書き込もうとすると、筆記者の筆圧により部分的にノートの紙が下に沈みこみ、紙の裏に筆記具の跡が残ることがある。また、紙に字などを書く際、紙の下に凹凸があったり、紙の下が柔らかい平面だったりすると、書きにくい。そこでこのような場合、紙の下に硬く滑らかな板を敷き、書きやすく筆記具の跡が残りにくい状態にするものである。
材質としては硬質ポリ塩化ビニル(塩ビ)や厚紙などが一般的である。近年では環境問題への関心の高まりから、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタラート(PET)を使用するものも出てきている。
山崎好幸、岡本宣久、畑 秀二(マツダ(株)):「局所振動刺激の覚醒維持効果、第10回ヒューマンインターフェースシンポジウム論文集P225〜P228」
眠くなりにくくする刺激を積極的に提示する方法として、人体の一部を振動させる局所運動刺激が、長時間単調作業中の人間の覚醒に与える影響に関する研究がなされているものの、物理刺激のコントロールによる覚醒低下を防止する方法として、眠くなり難くする刺激を積極的に提示する実用的かつ具体的な方法、すなわち人体の一部を振動させる局所運動刺激を与えることを実現するような器具等は開発されていなかった。
一方、下敷きの役割は、紙の下に硬く滑らかな板を敷くことで、書きやすく筆記具の跡が残りにくい状態にするものであり、下敷きの上面の凸凹はかかる効果を提供しないばかりで無く、却って逆効果を生ずるため凸凹を備えた下敷きが文具としての下敷きとして採用されることは無かった。
上記課題を解決するために、出願人は敢えて下敷きの上面に凸凹部を設置し、筆記時に下敷きの上面の凸凹によって指に生じる振動が人体の一部を振動させる局所振動刺激となり、覚醒効果を生じさせること、及び、人体の一部を振動させる局所振動刺激が与えられる中指の爪の生え際の人差し指側に、中衝という眠気を取るツボがあるという知見に基づき鋭意研究を重ねた結果、本願発明に至ったのである。尚、本明細書において下敷きの上面とは筆記される紙等と下敷きとが接する側の面のことを言う。
本願発明は、学習時に覚醒効果を生じさせる下敷きに関するものであり、一般的な文房具として用いられる下敷き以外にも学習机等の机の上面に設置するための凸凹面を有するシート状の製品、学習机等の机の上面に凸凹面を設けることもその技術的思想として含むものである。
本発明は、文房具として使用される下敷きであって、下敷き上面側に複数の凸凹形状を有することを特徴とする覚醒効果を生じさせる下敷きとした。
本発明は、文房具として使用される下敷きであって、下敷き上面側に複数の凸形状を有することを特徴とする覚醒効果を生じさせる下敷きとした。
本発明は、文房具として使用される下敷きであって、下敷き上面側に複数の凹形状を有することを特徴とする覚醒効果を生じさせる下敷きとした。
本発明は、前記複数の凸凹形状は半球形状であることを特徴とする覚醒効果を生じさせる下敷きとした。
本発明は、前記複数の半球形状の凹形状において、径が1mm〜10mmであり、かつ、深さが0.01mm〜3mmであり、凸形状において、径が1mm〜10mmであり、かつ、高さが0.01mm〜3mmであることを特徴とする覚醒効果を生じさせる下敷きとした。
本発明によれば、下敷きの上面の全範囲に微細な複数の凹凸を備えることにより、筆記時に微細な凸凹から生じる振動が筆記具を持つ指、特に中指の爪の生え際の人差し指側の中衝という眠気を取るツボに伝わる。下敷き面の凸凹によって生じる振動により学習時に覚醒効果を生じることとなる。
さらなる効果として、下敷き上面の全範囲に設けた複数の凸凹によって生じる振動によって伝わる微妙な指への振動がヒトの五感のうちの1つである触感を刺激するし、凸凹面を筆記具が通過する際、僅かではあるものの音も発生し聴覚を刺激する。通常の筆記時には視覚のみが刺激されるのであるが、本願発明に係る下敷きを用いることにより視覚、触覚及び聴覚が刺激される。このような刺激が記憶を必要とする勉強時における脳に対する強い刺激となるため、本願発明に係る下敷きを使用する事によって、脳回路が形成され、
ことにより記憶が定着されるため記憶力が良くなる。指に伝わる振動に加え、かかる振動による体感リズムにより記憶力が相乗的に向上するという効果がある。尚、本発明に係る下敷き上面の凸凹部は微少なものであるため筆記時に文字等が書けないというような不都合は生じない。
本発明の一実施形態例に係る下敷きを示す一部拡大断面図である。 本発明の一実施形態例に係る下敷きを示す一部拡大断面図である。 本発明の一実施形態例に係る下敷きを示す一部拡大断面図である。 本発明の一実施形態例に係る下敷きを示す一部拡大断面図である。 本発明の一実施形態例に係る下敷きを示す一部拡大断面図である。 本発明の一実施形態例に係る下敷きを示す一部拡大断面図である。
10 本発明に係る下敷き
20 凸部
30 凹部
40 凸凹部
50 下敷き上面
本発明の実施の形態について説明する。本願発明は、下敷きの上面50に凸凹部40を形成することにより達成される。かかる凸凹部40の形状は規則的なものであっても良いし、不規則な形状であっても良い。
凸凹部40の形状が不規則であるとは、下敷きの上面50に様々な形状の凸凹部40を不規則に配置させることである。統計学的に示すと、各凸凹部40に係る各寸法値が度数分布的に顕著な特異点を持たないように分布された状態であることを意図する。尚、本明細書においては、任意に下敷きの一断面を切り取って断面観察した場合に、凸凹のラインが円弧の一部となっているような線を備えるが線自体は全体として規則的ではない凸凹面を不規則な凸凹面と定義する。さらに、任意に下敷きの一断面を切り取って断面観察した場合に、凸凹のラインが円弧のような形状を有さずに全く不規則な線であるような凸凹面をランダムな凸凹面と定義する。すなわち、ランダムな凸凹面は不規則な凸凹面に含まれる関係にある。
「不規則化」する各寸法要素には、凸凹径,凸凹深さ,凸凹間隔等があり、このうちの1つに対して行ってもよいが、実際問題として覚醒効果を最大限に発揮することのできる最適形態は各寸法要素を組み合わせて相乗効果を得ることが好ましい。例えば、凸凹間隔寸法を不規則にすると、凸凹配置が規則的な方向性を作らないため、筆記時に手に伝わる振動が予期できず、このため覚醒効果がより高まるものと考える。
さらに、凸凹部40の径寸法に対する深さ又は高さ寸法の比(凸凹深さ又は凸凹高さ/凸凹径)は「アスペクト比」として表され、実際に快適な筆記を可能とするためには、アスペクト比が0.5以下であることが好ましい。
このように、形成する凸凹部40の各寸法値は、上記各事項が検討され設計されるが、これらの指針として実施する際は、以下に示す範囲が好ましい。
・凸凹径寸法(1mmから15mm)
・凸凹深さ及び高さ寸法(0.01mmから7mm)
・各凸凹の中心間寸法(径寸法の1倍から5倍)
・アスペクト比(0.5以下)
本願発明の文房具として使用される下敷き10は、下敷きの上面側50に複数の凸凹形状を有することにより覚醒効果を生じさせる下敷きの他、下敷き上面側50に複数の凸形状のみを有する下敷きであっても良いし、下敷き上面側に複数の凹形状のみを有する下敷きであっても良い。
下敷き上面50に凸凹面を設けることにより、筆記時に下敷きの上面50の凹凸によって指に生じる振動が人体の一部を振動させる局所振動刺激となり、覚醒効果を生じさせることとなる。加えて、人体の一部を振動させる局所振動刺激が与えられる中指の爪の生え際の人差し指側に、中衝という眠気を取るツボがあり、かかるツボを刺激し覚醒効果を生じることとなる。さらに本願発明に係る下敷きを用いることにより視覚、触覚及び聴覚が刺激される。このような刺激が記憶を必要とする勉強時における脳に対する強い刺激となるため、脳回路が形成されることにより記憶が定着されるため記憶力が良くなる。
下敷き上面50の凸凹部40が規則的に配置されている場合であっても、実際に文字等を書く作業は一方向に筆記具を動かすこととはならない。すなわち、あらゆる方向に様々な速度で筆記具を動かすことが通常である。これにより人差し指の爪の生え際の人差し指側の中衝という眠気を取るツボに不規則な刺激が与えられ、覚醒効果を生じることが考えられる。さらに本願発明に係る下敷きを用いることにより視覚、触覚及び聴覚が刺激される。このような刺激が記憶を必要とする勉強時における脳に対する強い刺激となるため、脳回路が形成されることにより記憶が定着されるため記憶力が良くなる。
図1のように、本発明にかかる下敷きは、下敷き上面50の全範囲に対してプレス加工等行うことにより、下敷き10の断面を観察した場合に、凸凹40のラインが円弧のような形状を有さずに不規則であるような、ランダムな凸凹形状を形成する。下敷き10にランダムな凸凹面40を設けることにより、筆記時に下敷きの上面50の凸凹によって指に生じる振動が人体の一部を振動させる局所振動刺激となり、覚醒効果を生じさせることとなる。加えて、人体の一部を振動させる局所振動刺激が与えられる中指の爪の生え際の人差し指側に、中衝という眠気を取るツボがあり、かかるツボを刺激し覚醒効果を生じることとなる。さらに本願発明に係る下敷きを用いることにより視覚、触覚及び聴覚が刺激される。このような刺激が記憶を必要とする勉強時における脳に対する強い刺激となるため、脳回路が形成されることにより記憶が定着されるため記憶力が良くなる。
図2のように、本発明にかかる下敷きは、下敷き上面50の全範囲に対してプレス加工等行うことにより、下敷き10の断面を観察した場合に、凸凹のラインが円弧の一部となっているような線を備えるが線自体は全体として規則的ではない凸凹面、すなわち、不規則な凸凹面を下敷きに設けることにより、筆記時に下敷きの上面の凹凸によって指に生じる振動が人体の一部を振動させる局所振動刺激となり、覚醒効果を生じさせることとなる。加えて、人体の一部を振動させる局所振動刺激が与えられる中指の爪の生え際の人差し指側に、中衝という眠気を取るツボがあり、かかるツボを刺激し覚醒効果を生じることとなる。さらに本願発明に係る下敷きを用いることにより視覚、触覚及び聴覚が刺激される。このような刺激が記憶を必要とする勉強時における脳に対する強い刺激となるため、脳回路が形成されることにより記憶が定着されるため記憶力が良くなる。
図3のように、実施例2に係る下敷き10において、下敷き上面50の上に細い毛先部を形成することで、細い毛先の長さ及び堅さは筆記時に筆記具を絡ませしなやかな振動を起こさせることとなる。筆記時に発生する毛先部と下敷きの上面50の凹凸によって指に生じる振動が人体の一部を振動させる局所振動刺激となり、覚醒効果を生じさせることとなる。加えて、人体の一部を振動させる局所振動刺激が与えられる中指の爪の生え際の人差し指側に、中衝という眠気を取るツボがあり、かかるツボを刺激し覚醒効果を生じることとなる。さらに本願発明に係る下敷きを用いることにより視覚、触覚及び聴覚が刺激される。このような刺激が記憶を必要とする勉強時における脳に対する強い刺激となるため、脳回路が形成されることにより記憶が定着されるため記憶力が良くなる。
図4のように、本発明にかかる下敷きは、下敷き上面50の全範囲に対してプレス加工等行うことにより、凹部30を規則的に配置する。下敷きの凹部30が規則的に配置されていた場合であっても、実際に文字を書く作業は一方向に筆記具を動かすこととはならない。すなわち、あらゆる方向に筆記具を動かすことが通常である。これにより人差し指に不規則な刺激が与えられ、覚醒効果を生じることが考えられる。さらに本願発明に係る下敷きを用いることにより視覚、触覚及び聴覚が刺激される。このような刺激が記憶を必要とする勉強時における脳に対する強い刺激となるため、脳回路が形成されることにより記憶が定着されるため記憶力が良くなる。
図5のように、本発明にかかる下敷きは、下敷き上面50の全範囲に対してプレス加工等行うことにより、凸部20を規則的に配置する。下敷きの凸部20が規則的に配置されていた場合であっても、実際に文字を書く作業は一方向に筆記具を動かすこととはならない。すなわち、あらゆる方向に筆記具を動かすことが通常である。これにより人差し指に不規則な刺激が与えられ、覚醒効果を生じることが考えられる。さらに本願発明に係る下敷きを用いることにより視覚、触覚及び聴覚が刺激される。このような刺激が記憶を必要とする勉強時における脳に対する強い刺激となるため、脳回路が形成されることにより記憶が定着されるため記憶力が良くなる。
図6のように、本発明にかかる下敷きは、下敷きの上面50の全範囲に対してプレス加工等行うことにより、凸凹部40を規則的に配置する。下敷きの凸凹部40が規則的に配置されていた場合であっても、実際に文字を書く作業は一方向に筆記具を動かすこととはならない。すなわち、あらゆる方向に筆記具を動かすことが通常である。これにより人差し指に不規則な刺激が与えられ、覚醒効果を生じることが考えられる。さらに本願発明に係る下敷きを用いることにより視覚、触覚及び聴覚が刺激される。このような刺激が記憶を必要とする勉強時における脳に対する強い刺激となるため、脳回路が形成されることにより記憶が定着されるため記憶力が良くなる。
本発明にかかる下敷きには、下敷きの上面50に凸凹部40を形成する方法として、プレス加工等以外にも以下のような方法がある。具体的には、基盤上に設置したメッシュ状の金網等にビニールシートを乗せた後、基盤とビニールシートとの空間を真空にすることでメッシュ状の凸凹面を形成する。さらに、この凸凹面を型として液状の樹脂を流し込むことによりメッシュ状に凸凹が形成することができる。
尚、本願発明の覚醒効果を生じさせる下敷きは、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
本発明は、文房具として使用される下敷きに関する分野、特に、学習時において覚醒効果を有し、かつ、記憶力を向上させることができる下敷きに関する分野で利用される。

Claims (3)

  1. 文房具として使用される下敷きであって、下敷き上面側に複数の凸凹形状を有し、
    前記複数の凸凹形状は半球形状であることを特徴とする覚醒効果を生じさせる下敷き。
  2. 前記複数の半球形状の凸凹形状の凹形状部分は、径が1mm〜10mmであり、かつ、深さが0.01mm〜3mmであり、前記凸凹形状の凸形状部分は、径が1mm〜10mmであり、かつ、高さが0.01mm〜3mmであることを特徴とする請求項1に記載の覚醒効果を生じさせる下敷き。
  3. 文房具として使用される下敷きであって、下敷き上面側に複数の凸形状又は複数の凹形状が、不規則に形成されていることを特徴とする覚醒効果を生じさせる下敷き。
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