JP5716150B2 - リン - Google Patents

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Description

本発明は錘やリン棒で打鈴することで振動し、音が鳴るリンに関する。
リンは、風鈴、ベル、仏リン等としていろいろな分野にて使用されている。
リンは錘やリン棒で打鈴することで音色が出るものですが、特に略お椀状の形状をしたものは叩打音の後に側壁部が振動する際に振動音が内部で共鳴し、長く鳴り響く特徴がある。
鳴り響く音の高さや音色はリンの材質や大きさに起因するが、内側の形状や側壁部の肉厚変化によっても変化することが知られている(特許文献1,2)。
しかし、音色を貫通孔や側壁上縁部の形状にて調整したものはこれまで見当たらない。
特開2007−61224号公報 特開平8−84655号公報
本発明は音の響きの調整が容易で新規な音色を出すことができるリンの提供を目的とする。
本発明に係るリンは、底部と、底部の周囲から上方に向けて形成した側壁部とを有し、上部が開口したお椀型又はコップ型形状のリンであって、側壁部又は/及び底部に音の響きを調整するための貫通孔を形成したことを特徴とする。 ここで側壁部又は底部に貫通孔を形成するのは、リンの内側で相互に共鳴する振動音の一部を貫通孔から外部に放出し、音の響きや音色を調整するものであり、貫通孔の大きさや形状によって振動周波数そのものを調整することもできる。
また、底部は中心が外側に突出した曲面形状に形成してあり、底部中心を支点にして水平方向に揺動自在になっているようにしてもよく、このようにするとリン全体に揺るぎが生じ、貫通孔は底部の曲面形状部又は/及び側壁部に平面視で線対称に配置することも可能である。 本発明は、貫通孔で音色や響きを調整するものであるが、この貫通孔を複数配置し、配置の仕方により文字や模様を表現してもよく、このようにすると意匠性も向上する。 さらには、貫通孔ではなく側壁部の上端部の一部を上下方向に切り欠いた凹凸部を形成して音の響きや音色を調整することもできる。
本発明は、リンの側壁部あるいは底部に各種大きさ又は各種形状の貫通孔を形成したり、側壁部の上縁部に凹部、凸部、波形等の各種形状を施すことにより、好みに合せた響き、音色(共振音)を出すことができる。
また、底部の中心が外側に突出した曲面形状にすると、底部中心を支点にして左右、前後に揺らぎ、上部から照らされた光が底部から側壁に設けた貫通孔を通して外部に漏れ、光の変化を楽しむことができる。
側壁部に一対の貫通孔を形成したリンの実施例1を示す。 実施例1の(a)は平面図、(b)はA視側面図、(c)はB視側面図を示す。 底部から側壁部にわたって複数対の貫通孔を形成した実施例2を示す。 実施例2の(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はC−C線断面図、(d)はD−D線断面図を示す。 貫通孔の配置により文字を表現した例を示す。 側壁部の上縁部に凹部(くぼみ)を形成することで音色を調整した例を示す。 上縁部の各種形状例を示す。 穴(貫通孔)の有無によるFRFを比較したグラフを示す。
本発明に係るリンの第1の実施例を図1,2に示す。
リン10の材質は錘やリン棒で打鈴した場合に叩打音とその後に共鳴音(共振音)が鳴り響くものであれば特に限定がないが、一般的には金属音が好まれ、金、銀、錫、鉄の他に青銅、真鍮等の銅合金も響きがよい。
第1の実施例は中央部が平面に近い面になっている底部11の周囲から曲面を形成し、その先から概ね垂直に立設した側壁部12から構成されている。
上部が開口部14で開口した略お椀状のリン10の側壁部12に貫通孔13aを形成してある。
リン10を錘やリン棒で打撃すると、カーン、コーン、キーンと言った叩打音が鳴り、その後に共振音による余韻のある音色が鳴り響く。
この共振音は、側壁部12の肉厚変化や深さ及び開口部14の大きさによっても変化するが、本発明においては貫通孔13aの配置や形状及び大きさ等によってこの共振音に変化を与えた点に特徴がある。
貫通孔13aは、1つ以上有するものであればその形状、大きさに制限はない。
本実施例1では、図2に示すように平面視で、点対称となるように2つの円形状の貫通孔13a,13bを一対形成した例となっている。
貫通孔の形状を星形やハート形にすることで、デザイン性を楽しむこともできる。
これにより、共振音が貫通孔13a,13bから外部に漏れることで新しい音色が出現した。
なお、貫通孔を底部にも設けた場合にリンの内部11aにゴミ等の異物がたまらない効果もある。
第2の実施例を図3及び4に示す。
本実施例に係るリン20は底部の中心が外側に突出した曲面形状の底部21になっていて、その周囲から曲面を形成しながら立ち上げた側壁部22となっている。
貫通孔は、底部21から側壁部22にかけて底部側に小さい孔径のやや楕円形状の貫通孔14a〜14fを6つ平面視点対称に配置し、その上方に相対的に大きい孔径の略楕円の貫通孔13a〜13fを6つ平面視点対称に配置した例となっている。
リンの肉厚も揺らぎに変化が出るように底部と側壁部とで異ならせてもよく、底部の肉厚が側壁部よりも厚い場合には安定感があり、逆に側壁部の上縁が肉厚になっていると揺らぎが大きくなる。
本実施例においては、底部が外側に突出した曲面形状(略円錐形状)になっているので、底部中心の頂部を支点にして左右及び前後の水平方向に揺動し、揺らぐことができるので、貫通孔により音色に変化を与えるのみならず、上部から光を照らせば揺らぐ貫通孔から外側に光が漏れることで光の変化を楽しむこともできる。
また、第1の実施例や第2の実施例において底部側に貫通孔を設けることで、リン棒等の打鈴具をこの貫通孔に挿入し、立設して置くこともできる。
図5は、複数の貫通孔13aを配列し、文字「A」,「B」を表現した例を示す。
本実施例のように貫通孔の数や配置により音色に変化を与えることもでき、意匠性を併せて楽しむことができる。
なお、本実施例は貫通孔の配置で文字を表現したが、各種模様でもよい。
また、リンに第2の実施例のように揺らぎを付与するとさらに光の変化を楽しむことができる。
貫通孔の数や大きさにより、リンの重量も変化し、振動数が変化する効果もある。
また、この貫通孔の数や大きさ、形状を段階的に変化させ音階を造り出すことも可能である。
リンの音色の調整は、貫通孔以外に図6及び図7に例を示すように側壁部の上縁部12aに凹部や凸部を形成することでも可能である。
図6は、凹部(くぼみ)12bを形成した例であり、図7は、デザイン的な凹凸部12b,12cを形成した例を示す。
このように側壁部上縁部にくぼみや凹凸部を形成すると、音色の変化のみならずこの部分に図6(b),(c)に示すようにリン棒30を水平方向に載置しておくこともできる。
これによりリン棒が転がり落ちるのを防止できる。
また、図7に示すようにリン本体を台座15に載置することも支柱部16で支えることも可能である。
図8に実施例1に示した貫通孔(穴)の有無によるFrequency Hzを比較したグラフを示す。
この結果からも貫通孔により音色が変化することが明らかになった。
なお、音色の変化は貫通孔と側壁部の上縁部の形状を組み合せることによっても調整できる。
本発明に係るリンは、リン布団に載置した仏リンとして使用できるが、例えば上記第2の実施例のリン等にあっては、木製や金属製のリン台に載置することで揺らぎを楽しむことができ、リンの貫通孔から外部に漏れる光がリン台に当たり尊厳さが出現する。
よって、本発明に係るリンは先祖を供養したり、信仰するものを祭ったり、愛玩動物等を供養するいわゆる仏リン具の他に風鈴、呼び鈴、教会ベルと言った打撃して音が鳴り響くことを利用した各種分野に適用できる。
また、貫通孔の配置や形状に変化を与えることで音色や音の高さ等も微調整ができるので楽器としての利用も期待できる。
10 リン
11 底部
12 側壁部
13a,13b 貫通孔
14 開口部
20 リン

Claims (1)

  1. 底部と、底部の周囲から上方に向けて形成した側壁部とを有し、上部が開口したお椀型又はコップ型形状のリンであって、側壁部の上端部は音の響きを調整するための当該上端部の一部を上下方向に切り欠いた凹凸部を有することを特徴とするリン。
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