JP5715457B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
一般に、収納ボックス前方の空間はデッドスペースになりやすいが、従来例1のようにすればデッドスペースを有効に活用し、スペース効率よくロック機構を設けることができる。
また、他の従来例として、ハンドルとシートの間に収納ボックスが配され、この収納ボックスのリッドをソレノイド式のロック機構でロックするとともに、イグニッションスイッチに対するイグニッションキーの回動位置によりアンロック操作することが記載されている。また、シートの下方に燃料タンクを配置してその給油口をシート後方に位置させ、シート後方のテールカバーに設けた開閉リッドを開いて給油する構造も開示されている(従来例2;特許文献2参照)。
また、従来例2の場合は、収納ボックスの前方に配置されているイグニッションスイッチを利用してイグニッションキーの回動位置によりアンロック操作できるが、ロック機構がソレノイドのためコストがやや高いものとなる。しかも、給油口側の開閉リッドにはこのロック機構は採用されていないから、こちら側のアンロック操作はやはり従来例1と同様に収納ボックスのリッド側とは別に設けなければならない。仮に、イグニッションスイッチを利用して、双方のロック機構を共通にアンロック操作しようとしても、イグニッションスイッチの構造上、双方を同時にアンロックするだけであり、いずれか一方を選択的にアンロックすることはできない。このため、2つのリッドのロック機構をコストの安い構成で共通にアンロック可能な構造が求められる。
そこで、本願はこのような要請の実現を目的とする。
この車体フレームに支持されるエンジンと、
運転者の着座するシートと、
左右のメインフレームの間に配置されて上方へ開放された収納ボックスと、
この収納ボックスの上方へ開放された開口部を開閉自在に覆うボックスリッドと、
このボックスリッドをロックするボックス側ロック機構と、
燃料タンクの給油口を開閉可能に覆う給油リッド(例えば、実施例のピリオンシート31)と、
この給油リッドをロックする給油側ロック機構と、
を備える鞍乗り型車両において、
前記ヘッドパイプと収納ボックスとの間に、キー操作されるキーシリンダを備えたアンロック機構が配置され、
このキーシリンダには、キーを時計回りまたは反時計回り方向のいずれか一方に回すことで前記ボックス側ロック機構のロックを解除するボックス側ケーブルと、
他方に回すことで給油側ロック機構のロックを解除する給油側ケーブルとが接続されるとともに、
前記キーシリンダが取り付けられるキーステーの下方には、前記エンジンへ浄化された空気を供給するエアクリーナが取付けられ、
前記ボックス側ケーブルは、前記キーシリンダから前記エアクリーナの車幅方向外側端部よりも一旦外側へ配索された後、前記ボックス側ロック機構に接続されることを特徴とする。
前記キーステーの下方かつ前記エアクリーナの上方には、エアクリーナカバーが設けられ、
前記キーステーと前記キーステーカバーと前記エアクリーナカバーとが共締めされることを特徴とする。
前記キーステーのケーブルステーがこのケーブルステー穴に挿通され、
前記給油側ケーブルが前記エアクリーナカバーの凸条部の下方に配されることを特徴とする。
このため、共通のキーシリンダを有する一つのアンロック機構により、離隔配置された2つのロック機構をアンロック操作できるから、離隔配置された2つのリッドのロック機構を、部品点数が少なく比較的構造が簡単でコストの安い構成でアンロックできる。しかも、このような2つのロック機構を共通に操作できる単一のアンロック機構をヘッドパイプと収納ボックスの間にスペース効率よく配置できる。
また、ケーブルをエアクリーナの車幅方向際外側部よりも外側へ配索した後、ロック機構側へ折り返すことにより、ケーブル長を長くすることができる。これにより、エアクリーナメンテナンス時、キーステーをケーブルが付いた状態のまま大きく後方に動かすことができるため、メンテナンス時にケーブルが邪魔にならないようにすることができ、メンテナンス性を向上させることができる。
なお、本願の説明において、前後・左右・上下とは本願発明の適用された車両の状態を基準とし、必要に応じて図面中に、Fr(前)及びRr(後)・L(左)及びR(右)・Up(上)及びLw(下)として各方向を記すものとする。
ボックスリッド22は後端部を収納ボックス21の後部上端へボックスリッド側ヒンジ機構22aを介して開閉自在に連結され、閉じたとき前端部側をボックス側ロック機構60(図1〜図3においては概略的に表示する。なお、後述の給油側ロック機構90も同様である)でロックされる。
ピリオンシート31は後端部側に設けられたヒンジ機構31aにより前端部側を開閉自在とし、これを前開きすることにより、ピリオンシート31の前部下方に配置されている燃料タンク27の給油キャップ27aを外して給油できる。このため、ピリオンシート31は本願発明における給油リッドを兼ねている。
ピリオンシート31の左右両側にはグラブレール32が設けられている。
燃料タンク27の前半部側はライダーシート30の下方に位置する大容量部であり、左右のシートレール14間へ深く入り込んでいる。
タンクステー33の上には斜め上がり後方へ延びるシートステー34が設けられ、その上端部にてライダーシート30の前部下方を支持している。
シートステー34の上下方向中間部にはECUボックス35が支持されている。
シートステー34の下部には斜め上がり前方へ延びるボックスステー36が設けられ、このボックスステー36により収納ボックス21の底部後端が支持されている。
車体フレーム10はエンジン37をフレーム構造の一部として利用することによりダイヤモンドフレーム構造をなしている。
エンジン37のシリンダヘッドにはエアクリーナ20から吸気され、排気管38を通して排気される。
フロントトップカバー23は、大部分が左右からフロントサイドカバー44で覆われ、車体表面に出ている部分は、ボックスリッド22の前方で車体中心線CLに沿う中央部分である。
キーシリンダ51はこれらのロック機構を共通の操作でアンロックするものであり、キーシリンダ51のアンロック操作を、ボックス側ケーブル53でボックス側ロック機構60へ伝達し、給油側ケーブル55で給油側ロック機構90へ伝達する。
キーステー70の下方にはエアクリーナカバー80が配置され、キーステー70に取付けられている。結局、キーステー70及びエアクリーナカバー80はフロントトップカバー23に支持されている。
ライダーシート30は前部が幅狭になり、後方へ向かって拡幅し、最大幅部30bから後方側は幅狭になり、ここがピリオンシート31の前端との合わせ部46になっている。
ピリオンシート31は合わせ部46から後方へ向かって次第に幅狭に変化し、その左右両側へグラブレール32が張り出している。
ボックスリッド22の前端部には側面視が略コ字状をなすロック金具22bが設けられ、収納ボックス21の周縁前端部21cの前方に設けられたボックス側ロック機構60へロック可能になっている。
ボックスリッド22を閉じたときはロック金具22bがボックス側ロック機構60によりロックされて開き不能となる。ボックス側ロック機構60はキーシリンダ51によりアンロックされ、ロック金具22bが解放されると、ボックスリッド22はボックスリッド側ヒンジ機構22aを中心に前端側を後方へ回動して前開きされ、収納ボックス21の開口部を開放する。
給油側ケーブル55は収納ボックス21の側面へ側方へ突出して一体形成されている支持部21iにより支持されている。
ピリオンシート31の前端がロックされると前開き不能に固定され、給油側ケーブル55を引くことによりアンロックするとピリオンシート31の前端は解放されて、ピリオンシート31後端のヒンジ機構31aにより前開きし、燃料タンク27の給油キャップ27a上方を開放する。
48はピリオンシート31の前端部下方に設けられるロック部クロスプレートであり、燃料タンク27の上を通り、左右のシートレール14間に架け渡されている。また、このロック部クロスプレート48に給油側ロック機構90が支持されている。
図4はフロントトップカバー23を除いてアンロック機構50部分を示す車体要部の平面図である。この図において、キーステー70に支持されているキーシリンダ51には、左右より、ボックス側ケーブル53と給油側ケーブル55がそれぞれ接続されている。
ボックス側ケーブル53はキーステー70の右側から車体右側へ延出し、エアクリーナ20の最外側部20bを外方へ超えた所で湾曲して曲がり返し、収納ボックス21の前端上部に取付けられているボックス側ロック機構60へ接続している。
これらの線は、L1、L2、L3の順に外方側に位置し、特にL1はL2より外方に位置する。但し、最外側部53bはフロントサイドカバー44より内側に位置する。
すなわち、エアクリーナ20のメンテナンス時に、その上を覆うエアクリーナカバー80をキーステー70及びフロントトップカバー23と一緒に反転させて収納ボックス21の上方へ移動させると、これらと一体になっているキーシリンダ51に一端が連結されているボックス側ケーブル53は、撓み分によって仮想線で示すように後方へ長く伸びることができるため、エアクリーナカバー80等の大きな移動を可能とし、エアクリーナ20の上方を十分に大きく開放して容易にメンテナンスできるようになる。
フロントトップカバー23は中央の本体部23aの下にキーステー70が重なり、前部側を下方へ突出して一体に形成されているボス23bにてキーステー70及びエアクリーナカバー80と共締めされている。後部側は下方へ突出して一体に形成されているボス23cにてキーステー70のみと締結されている。
このキー操作表示は、キー挿入口56の左側に施された「BOX」表示と右側に施された「GAS」表示及びそれぞれをアンロックするためにキー58を回動させる方向を示す矢印の方向表示よりなる。
なお、このキー操作表示は、アイコン又はイラストが付いたものでもよい。
右側の「GAS」表示は、右側の矢示方向へ反時計回りに回動すると、キー58によるアンロック操作の対象物である給油側ロック機構90を作動させてピリオンシート31をアンロックして開けるようにすることを示す。
このように、キー操作表示をフロントトップカバー23へ一体的に設けると、使い勝手を向上させるとともに、キー操作表示をフロントトップカバー23と別体の板状等に形成してこれをフロントトップカバー23の表面へ取付ける場合と比較して部品点数を削減することができる。
段差部23dの左右方向中央には後方へ開放された切り欠き溝23eが前後方向へ長く形成され、ここにロック金具22bを出入させるようになっている。
さらに、段差部23dにはボス23cと、その近傍に通し穴23fとが設けられている。ボス23cはキーステー70との締結部であり、下方へ突出形成されている。通し穴23fは段差部23dの後端部に設けられ、ここで収納ボックス21の前部へ締結される。
本体部23aの後部左右には、左右へ張り出す張り出し部23gが設けられ、後端部の取付穴23hにて収納ボックス21の開口周縁部21a(図2参照)における前部左右へ締結される。
ボックス側ケーブル53及び給油側ケーブル55の図示部分は、厳密には被覆チューブ部分を示し、この部分はキーシリンダ51の操作時には不動である。各被覆チューブ部分のキーシリンダ側端部は、キーステー70の左右に設けられた左ケーブルステー部74a、右ケーブルステー部74bに支持されている。
左右の前側取付腕部73a、73bには、通し穴73c、73dが設けられ、ここでフロントトップカバー23とエアクリーナカバー80が共締めされている。
通し穴75cと75eはエアクリーナカバー80と締結するための取付穴であり、通し穴75dと75fはフロントトップカバー23と締結するための取付穴である。
なお、通し穴75dと75fには、フロントトップカバー23のボス23c(図5)の先端が嵌合し、下方からタッピングスクリュー(図示せず)で締結することにより一体化される。
ボックス側ロック機構60は、収納ボックス21の周縁前端部21cに設けられた取付フランジ21dへボルト21eで取付けられている。左右の取付フランジ21d間は後方へ凹入しており、キーステー70の逃げ部76との間に間隙を形成し、この間隙へロック金具22bが上下方向へ出入し、ボックス側ロック機構60でロック金具22bをロックするようになっている。22cはロック金具22bを一体に設けた本体金具であり、予めボックスリッド22の前端部下面へ取付けられている。
なお、ボックス側ロック機構60の取付けに際して、フロントトップカバー23の後端部に形成された段差部23d(図5参照)を重ね、通し穴23fへボルト21eを通すことにより、段差部23dは取付フランジ21dの上へ重なり、ボルト21eとナット61aにより、フロントトップカバー23をボックス側ロック機構60と取付フランジ21dへ共締めされる。
この共締部は、図8に左側を示すように、予め前側取付腕部73aに設けられている通し穴73cへボス83の突部83aを嵌合し、さらに、突部83aの中心部に形成されている凹部へ、フロントトップカバー23の下面に下方へ突出して一体に形成されたボス23bの先端を上方から嵌合し、ボス83の内側下方よりタッピングスクリュー83cで3部材を結合することにより、共締めにて結合している。右側の共締部も同様であり、右側の前側取付腕部73bに設けられた通し穴73d(図6)にて、フロントトップカバー23の右側のボス23b(図5)とエアクリーナカバー80の右側のボス83(図11)とを共締めする。
小径穴部72aによりキーシリンダ51を挿通孔72に挿通させるとき、ケーブル連結腕部52、54を貫通させることができる。
挿通孔72の開口縁部で小径穴部72aと反対側位置には、開口縁部から挿通孔72の径方向外方へ切り込まれた回り止め溝72bが形成されている。
逃げ穴82の後方となる本体部81の後端部左右にはボス84が上方へ一体に突出形成されている。
図7に示すように、凸条部86の下方を通った給油側ケーブル55のインナーケーブル55aはキーシリンダ51の下端部に設けられているケーブル連結腕部54に連結される。
このようにすると、下側になる給油側ケーブル55を低い位置に配索しても、エアクリーナカバー80全体を下方へ下げず、逆にその一部を凸条部86として上方へ突出させることによって、その下方へ給油側ケーブル55を配索するので、キーステー70とエアクリーナカバー80を、ボックス側ケーブル53及び給油側ケーブル55と互いに干渉しないようにしつつもそれぞれを近接配置させることができ、各ケーブルを極力コンパクトに取付けることが可能となる。
図12はキーシリンダ51の外形を示し、キーシリンダ51には、ケーブル連結腕部52及び54が上下に設けられ、それぞれにボックス側ケーブル53のインナーケーブル53a及び給油側ケーブル55のインナーケーブル55aの一端が連結される。ケーブル連結腕部52及び54は、キーシリンダ51の筒状をなす本体部57の径方向外方へ突出しており、それぞれの非アンロック操作時における位置である中立時位置は、上下方向で重なるほぼ同じ位置になっている。
ケーブル連結腕部52はキー58を時計回り方向へ回動させるときのみ連動して回動し、ケーブル連結腕部54はキー58を反時計回り方向へ回動させるときのみ連動して回動する。すなわち、キーシリンダ51は、キー58を時計回り方向又は反時計回り方向のいずれかへ回動させるとき、ケーブル連結腕部52又は54のいずれか一方を連動して回動させるとともに他方を回動させない、ロストモーション機構を内蔵している。
キーシリンダ51の本体部57は、キーステー70の挿通孔72の内径よりも若干小さな外径を有し、その側面上で頭部51a近傍位置に切り欠き部57aが形成されている。この切り欠き部57aは、図中のA部にこれを通る本体部57の横断面として示すように、外周部の対向位置を平行な弦に沿って切り欠いた一対の平面部からなる二面幅形状部である。切り欠き部57aの下部は、本体部57の外周部との間に固定段部57bをなす。
なお、非作動時位置は、キー58によりアンロック操作しないときにおけるキー挿入口56の位置であり、キー58によるアンロック操作後は各ケーブル(53・55)がそれぞれ対応するロック機構(60・90)側へ引き戻されることによってこの位置へ戻り、ここでキー58をキー挿入口56から抜き取ることができる。
なお、図のBは上下を反転した状態であり、図のAと同様に、キーシリンダ51を図12における上方から見た状態では、アンロック操作時におけるケーブル連結腕部54の回動は反時計回りになる。
また、共通のキーシリンダ51を有する一つのアンロック機構50により、ライダーシート30を挟んで前後に離隔配置された2つのロック機構である、ボックス側ロック機構60と給油側ロック機構90をアンロック操作できるから、離隔配置された2つのリッドであるボックスリッド22とピリオンシート31(給油リッド)を、部品点数が少なく比較的構造が簡単でコストの安い構成でアンロックできる。しかも、このような2つのロック機構を共通に操作できる単一のアンロック機構50をヘッドパイプ11後方かつ収納ボックス21前方へスペース効率よく配置できる。
図14はボックス側ロック機構60を前方から示す図、図15は図14の15−15線断面図、図16は作動説明図である。
ボックス側ロック機構60は基部プレート61と、この基部プレート61に形成されたスロット62を挟んで配置された第1レバー63及び第2レバー64を備える。
第1レバー63の回動は、基部プレート61に形成された第1ガイド溝61dへ入った第1レバー63の突部63dが第1ガイド溝61dの端部へ当接することで規制される。
係合突部64bの下方に係合凹部64cが形成され、この係合凹部64cにロック金具22bの下部が係合するようになっている。
このボックス側ロック機構60を組立てるには、基部プレート61に支軸65及び67の一端を取付け、支軸65に第1レバー63とコイルバネ66を取付け、支軸67に第2レバー64とコイルバネ68を取付け、さらに支軸65及び67の他端を押さえプレート69に設けられた通し穴へ貫通させ、両端をカシメることで全体が組立てられる。このようにすると、ボックス側ロック機構60の厚さは大半がコイルバネ66及び68のものとなり、全体として薄型に構成され、構造が簡単になりかつ製造が容易になる。
図16のAはアンロック操作時であり、図14のロック状態にて、インナーケーブル53aを矢示a方向へ引くと、第1レバー63はコイルバネ66に抗して時計回り方向(矢示b方向)へ回動し、係合段部63aが係合端部64aから外れるため、第2レバー64は第1レバー63による係合を解かれ、コイルバネ68によって時計回り方向(矢示c方向)へ回動し、係合突部64bがロック金具22bとの係合を解き、スロット62から外へ出て、係合凹部64cが上方へ向くため、ロック金具22bは解放されて矢示d方向へ上方移動可能になる。この状態はボックスリッド22のアンロック状態であり、ボックスリッド22を開くことができる。
このとき、係合凹部64cもスロット62から外れた位置にあり、ロック金具22bの直下には第2レバー64の縁部64eが位置する。縁部64eは係合端部64aと係合凹部64cの間に位置し、第1レバー63に向かって斜め下がりの傾斜面をなしている。
図17はピリオンシート31を開いた状態の平面図、図18は同状態における燃料タンク側の斜視図である。これらの図において、ピリオンシート31を開いた状態では、燃料タンク27の給油口に取付けられた給油キャップ27aがロック部クロスプレート48の中央部に形成された前方へ湾曲する凹部である逃げ部48aから露出しており、この給油キャップ27aを取り外すことにより給油可能になっている。
ロック金具31bはピリオンシート31を閉じたとき側面視で上向きのコ状をなす金具であり、ピリオンシート31の前部下面左右に下方へ突出して設けられている。
給油側ケーブル55のアウターケーブル55bは、図18に示すように、クロスプレート47の左側端部下方にてクランプ97により車体フレーム側へ固定されている。
なお、給油側ロック機構90について、説明の都合上、左右を区別する必要があるときは、右側を90R、左側を90Lとして区別するものとする。図17〜20及び後述する図22は区別して表示してあり、以下の説明においても区別する。
グラブレール32は前後をボルト48e、32dによりシートレール14へ取付けられている。燃料タンク27の後端は、ボルト27bによりクロスプレート49へ取付けられている。ボルト48eによる取付けは、ロック部クロスプレート48との共締めになっている。
ヒンジステー31fの他端は、グラブレール32のシートレール14近傍部分32aに形成された前後方向へ長い長溝32bへ係合するスライド部31gをなす。
図18の丸囲み部に示すように、長溝32bの後端には斜め下がりに後方へ傾斜するロック溝32cが連続して設けられている。
ピリオンシート31を閉じるときは、手でスライド部31gをロック溝32cから長溝32bの水平部へ出し、その後、ピリオンシート31を前方へ押し出すと、スライド部31gが長溝32b上を前方へ摺動して折りたたまれ、スライド部31gが長溝32bの前端部へ当接すると、ピリオンシート31が燃料タンク27の上へ倒れて閉じた状態になる。このとき、左右のロック金具31bは給油側ロック機構90R・90Lにてロックされる。
連結ロッド91の他端部91bには連結金具91cが溶接されている。連結金具91cには、若干の間隔を持って平行する一対の壁部91d及び91eを備え、両壁部91d及び91eの間隙溝へ係合された係止部材91fに、給油側ケーブル55を構成するインナーケーブル55aの一端(後端)が連結されている。内側(連結ロッド91に近い側)の壁部91eはロック部クロスプレート48の縁部に形成された車幅方向へ延びるガイド48gに摺動し、連結ロッド91をガイド48gに沿って車幅方向へ移動させるようになっている。
96はバラケ防止プレートであり、給油側ロック機構90Rを車体側へ取付ける前の段階で、スライド部92が受け部93から脱落しないようにして取扱性を良好にするためのものであり、車体取付時には除去される。
他方の取付部93fには上方へ突出する突起93gが設けられており、予めロック部クロスプレート48の側部48bに設けられている位置決め穴(図示省略)へ嵌合することにより、受け部93をロック部クロスプレート48側へ位置決め及び回り止めした状態でボルト95にて締結できるようになっている。
凹部92c内にはリターンスプリング94が収容され、凹部92cの前端とストッパ93bの間に配置され、スライド部92を受け部93に対して前進方向へ付勢している。
受け部93の先端部は図21で略U字状をなして上方が開放された受け溝93cをなし、この受け溝93c内へ係止部92dが突出している。
すると、係止部92dはロック金具31bにより押されていた力が無くなるので、リターンスプリング94により再び前進し、ロック金具31bの上を受け溝93c内へ突出するため、ロック金具31bは係止部92dに係止され、ピリオンシート31はロック状態になる。
図22に示すように、給油側ケーブル55はクランプ97から先の部分が略90°湾曲して車体内方へ延び、インナーケーブル55aはアウターケーブル55bの端部55dから長く延出して、車体右側の給油側ロック機構90Rにおける連結ロッド91の連結金具91cへ連結される。
このため、インナーケーブル55aを引いて、連結ロッド91をA矢示方向へ引くと、車体右側の給油側ロック機構90Rは、スライド部92がA矢示方向へ引かれてアンロックされるが、同時に、車体左側の給油側ロック機構90Lもスライド部92がB矢示方向へ引かれ、連動してアンロックされる。
図22は左右が連動するアンロック操作の説明図である。この図において、インナーケーブル55aがA矢示方向へ引かれると、クランプ97から連結金具91cまでの長さが短くなり、この長さ変化分に対応して連結ロッド91をガイド48gに案内されてA矢示方向へストロークdだけ移動させ、同時にスライド部92をB矢示方向へストロークdだけ移動させてアンロックする。
一方、アウターケーブル55bはクランプ97で固定されており、クランプ97から端部55dまでの長さは一定である。このため、端部55dは相対的にB矢示方向へストロークdだけ進むことになり、その結果、スライド部92をB矢示方向へストロークdだけ移動させて連動アンロックする。
このようにすると、インナーケーブル55aとアウターケーブル55bの動きの違いを利用して、左右の給油側ロック機構90L・90Rを連動させるアンロック操作機構を容易に形成できる。
Claims (5)
- ヘッドパイプ(11)と、このヘッドパイプより後方に延びる左右のメインフレーム(12)と、を有する車体フレーム(10)と、
この車体フレームに支持されるエンジン(37)と、
運転者の着座するシート(30)と、
左右のメインフレーム(12)の間に配置されて上方へ開放された収納ボックス(21)と、
この収納ボックス(21)の上方へ開放された開口部を開閉自在に覆うボックスリッド(22)と、
このボックスリッド(22)をロックするボックス側ロック機構(60)と、
燃料タンク(27)の給油口を開閉可能に覆う給油リッド(31)と、
この給油リッド(31)をロックする給油側ロック機構(90)と、
を備える鞍乗り型車両において、
前記ヘッドパイプ(11)と収納ボックス(21)との間に、キー操作されるキーシリンダ(51)を備えたアンロック機構(50)が配置され、
このキーシリンダ(51)には、キー(58)を時計回りまたは反時計回り方向のいずれか一方に回すことで前記ボックス側ロック機構(60)のロックを解除するボックス側ケーブル(53)と、
他方に回すことで給油側ロック機構(90)のロックを解除する給油側ケーブル(55)とが接続されるとともに、
前記キーシリンダ(51)が取り付けられるキーステー(70)の下方には、前記エンジン(37)へ浄化された空気を供給するエアクリーナ(20)が取付けられ、
前記ボックス側ケーブル(53)は、前記キーシリンダ(51)から前記エアクリーナ(20)の車幅方向外側端部よりも一旦外側へ配索された後、前記ボックス側ロック機構(60)に接続されることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記キーステー(70)は、前記キーシリンダ(51)が挿通される挿通孔(72)を有し、この挿通孔(72)の左右に、前記ボックス側ケーブル(53)と前記給油側ケーブル(55)とをそれぞれ支持する左右のケーブルステー(74a及び74b)が設けられることを特徴とする請求項1に記載した鞍乗り型車両。
- 前記キーステー(70)の上方には、キーステーカバー(23)が配され、
前記キーステー(70)の下方かつ前記エアクリーナ(20)の上方には、エアクリーナカバー(80)が設けられ、
前記キーステー(70)と前記キーステーカバー(23)と前記エアクリーナカバー(80)とが共締めされることを特徴とする請求項1又は2に記載した鞍乗り型車両。 - 前記キーステーカバー(23)の上面かつ前記キーシリンダ(51)の周囲に、キー(58)によるアンロック操作の対象物及び方向を示すキー操作表示が一体に形成されていることを特徴とする請求項3に記載した鞍乗り型車両。
- 前記エアクリーナカバー(80)には、ケーブルステー穴(85)が設けられるとともに、このケーブルステー穴(85)の近傍部から車幅方向外方へかけて凸条部(86)が設けられ、
前記キーステー(70)のケーブルステー(74a)がこのケーブルステー穴(85)に挿通され、
前記給油側ケーブル(55)が前記エアクリーナカバー(80)の凸条部(86)の下方に配されることを特徴とする請求項3又は4に記載した鞍乗り型車両。
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