JP5951655B2 - 鞍乗り型車両の収納構造 - Google Patents
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Description
収納部は、ヘッドライトの上方でフロントカバーの車幅方向中央に設けられ、開閉自在とされたリッドを備える。リッドは、その後端部側が支点になり、前端部側が上方に開く構造を有する。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、収納部への収納物の出し入れが容易に行えるとともに、収納部の使い勝手を向上できる鞍乗り型車両の収納構造を提供することを目的としている。
また、上記構成において、車体の左側にサイドスタンド(67)が設けられ、前記キーシリンダ(407)、前記動作阻止部材(475)及び前記ケーブル(435)は、車体中心よりも左側に配置され、左側の前記操作子(405)のみ、前記リッドの係止状態の解除が前記動作阻止部材(475)によって妨げられ、左側の前記収納部(401L)に電装品(415,416)が配置されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記電装品は、ETC車載器(415)であり、前記収納部(401L)の後部に設けられていても良い。
また、上記構成において、側面視で、前記収納部(401L)は、車体前方に向けて下りる段状に形成され、前記ETC車載器(415)は、前記段を形成する段部(411t)の上部に配置されていても良い。
また、フロントカバーの側部に操作子が設けられ、当該操作子を操作することでリッドがフロントカバー側に係止された係止状態から開放状態へと変化するので、フロントカバーの側部に操作子が設けられているため、リッドを開放状態にして車体側方から収納物を出し入れする際に操作子を容易に操作することができる。従って、収納部の使い勝手を向上させることができる。
また、開口は略長方形であって、長手方向を略車両前後方向にフロントカバーに沿わせて配置するとともに、リッドは、開放状態となるように付勢されているので、開口が略車両前後方向に長い略長方形であることから、側方に立って荷物の出し入れが容易となる。また、リッドが開放状態となるように付勢されていることから、利便性が向上する。
また、操作子とは別に、リッドの開放を妨げる動作阻止部材が設けられ、動作阻止部材は、キーシリンダからケーブルを介して接続され、キーシリンダによる所定の操作があった時にのみ動作阻止部材による阻止が解除されるので、動作阻止部材を設けた場合に、意志を持った場合でなければリッドを開けることができないため、リッドが意志に反して開くのを防止することができる。
また、車体の左側にサイドスタンドが設けられ、キーシリンダ、動作阻止部材及びケーブルは、車体中心よりも左側に配置され、左側の操作子のみ、リッドの係止状態の解除が動作阻止部材によって妨げられ、左側の収納部に電装品が配置されるので、左側の操作子のみリッドの係止状態の解除が妨げられることで、サイドスタンドを使って車両を道路の左側に停車させた場合に、左側の収納部のリッドが容易に開けられないので、収納された電装品に対するいたずらを防止することができる。
また、電装品は、ETC車載器であり、収納部の後部に設けられているので、収納部内のスペースを有効利用できるとともにETC車載器の使い勝手を向上させることができる。
また、側面視で、収納部は、車体前方に向けて下りる段状に形成され、ETC車載器は、段を形成する段部の上部に配置されているので、収納部内のスペースを有効利用できるとともにETC車載器の使い勝手を向上させることができる。
図1は、本発明の車体収納構造を備えた自動二輪車1の左側面図である。図2は、自動二輪車1の右側面図である。図3は、自動二輪車1の正面図である。図4は、自動二輪車1の平面図である。
図1〜図4に示すように、自動二輪車1は、乗員がシート10に跨るように着座する鞍乗り型車両であり、車体フレームFの前方に前輪2を有し、駆動輪である後輪3は、車両後部に配置されるスイングアーム11に軸支されている。エンジンEは、シート10の前方で車体フレームFに支持される。車体フレームFの大部分は、樹脂製の車体カバーCによって覆われている。
図1、図5及び図6に示すように、車体フレームFは、金属製のパイプや板材を溶接等によって複数連結して形成されている。車体フレームFは、前端に設けられるヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12の下部から左右に分岐して後下がりに後方へ延びる左右一対のメインフレーム13L,13Rと、メインフレーム13L,13Rの後端から下方に延びる左右一対のピボットフレーム14L,14Rと、ピボットフレーム14L,14Rの上部から後上がりに後方へ延びる左右一対のシートフレーム15L,15Rと、ピボットフレーム14L,14Rの上下の中間部から後上がりに後方へ延びてシートフレーム15L,15Rに連結される左右一対のリヤフレーム16L,16Rとを備える。
また、シートフレーム15L,15Rの後端とリヤフレーム16L,16Rの後部とは、シートフレーム15L,15R及びリヤフレーム16L,16Rを車幅方向の外側から覆うように設けられる左右一対の補強プレート21,21によって連結されている。
スイングアーム11と上部クロスフレーム23との間には、リヤクッションユニット(不図示)が掛け渡される。
図1及び図6に示すように、エンジンEは、エンジンハンガー18L,18R、メインフレーム13L,13R及びピボットフレーム14L,14Rに連結され、吊り下げられるようにして車体フレームFに搭載されている。シリンダ部37は、左右のエンジンハンガー18L,18Rの間に配置されている。
シリンダ部37の前面から引き出される排気管38は、屈曲して後方に延び、後輪3の右側方に配置されるマフラー39(図2参照)に接続される。エンジンEの冷却水用のラジエーター28は、シリンダ部37の前方でヘッドパイプ12の下方に位置する。
燃料タンク41は、エアクリーナーボックス40の後方でエアクリーナーボックス40に隣接して設けられ、メインフレーム13L,13R上に支持される。
シート10は、運転者が着座するメインシート45と、同乗者が着座するリアシート46とを備える。メインシート45は、燃料タンク41の後部に連続するように配置され、メインフレーム13L,13Rに支持される。リアシート46は、メインシート45の後方でメインシート45よりも一段高い位置に設けられている。
リアシート46の同乗者は、リアシート46の下方に設けられた左右一対の同乗者用ステップ66L,66Rに足を載せる。
クランクケース36の一部は、車体カバーCに覆われずに左右の側方に露出する。
左右一対のサイドミラー59,59は、側方カバー部55L,55Rの上部の左右端に一体的に設けられている。
前面カバー部54には、ヘッドライト60が設けられる。前面カバー部54の後部には、ウインドスクリーン61が設けられる。
フロントフェンダー62は、フロントフォーク32,32に固定される。サイドスタンド67は、左側のピボットフレーム14Lに取り付けられている。サイドスタンド67で自動二輪車1を駐車状態にすると、自動二輪車1は左側に傾斜した状態となる。
図7及び図8に示すように、フロントカバー47、詳しくは、前面カバー部54には、左右一対の収納部401L,401Rが設けられている。収納部401L,401Rは、左右のサイドミラー59,59、左右の側方カバー部55L,55Rに隣接して設けられ、それぞれリッド403L,403Rを備える。図8では左側のリッド403Lが開いた状態を示している。リッド403Lの下方に隣接する側方カバー部55Lと、リッド403Lの後方に隣接するサイドミラー59とで囲まれる部分には、リッド403Lを開けるための側面視三角形状(図7参照)に形成された左側のリッド操作子405が設けられている。同様に、リッド403Rの下方に隣接する側方カバー部55Rと、リッド403Rの後方に隣接するサイドミラー59とで囲まれる部分には、リッド403Rを開けるための側面視三角形状に形成された右側のリッド操作子405が設けられている。
左側の収納部401L及び左側のリッドロック機構406Lよりも後方で左側のサイドミラー59の車幅方向内側には、リッドロック機構406Lと、着脱自在とされるメインシート45(図1参照)の固定用のロックを行うシートロック機構(不図示)とにケーブル(不図示)を介して接続されたキーシリンダ407が設けられている。
左側の収納部401Lと右側の収納部401Rとは、上記したリッドロック機構406Lとリッドロック機構406Rとが異なるとともに後述する収納空間の形状が異なり、その他は同様の構造である。
側方カバー部55Lの後縁部は、外側面よりも内側に折り曲げられているので、パーキングブレーキレバー408を側方カバー部55Lの後縁部の後方に配置することができ、パーキングブレーキレバー408を車両前方から目立たなくするとともに、車体側方を流れる空気流への影響を抑えることができる。
図9及び図10に示すように、収納部401Lは、上部が開いた箱状の収納部本体411Lと、収納部本体411Lの車幅方向内側の上側壁部411rにヒンジ412を介して開閉可能に取付けられたリッド403Lとを備える。従って、リッド403Lは、車幅方向外側が開いて側方に開放させる側方開放構造を構成している。また、収納部本体411Lの開口411bは、上方斜め車体側方へ指向しているため、上記の側方開放構造と合わせて、車体側方から収納部401L内へ収納物を容易に出し入れすることができる。
凹部411s内は、段状に形成され、凹部411sの前部は深く形成され、凹部411sの後部は、前部より浅くなるように開口411bより低くなった段部411tが形成されている。段部411tには、例えば、ETC車載器415等の電装品が収納され、収納部401Lの前部には、例えば、電装品であるシガーソケット416が設けられている。
右側の収納部401R(図8参照)についても、上記した左側の収納部401Lとほぼ同様の構造を有しているが、段部411tは形成されておらず、収納部本体の凹部の前部及び後部は共に深く形成されて、左側の収納部401Lよりも大きな収納容量を有する。
収納部本体411Lは、開口411bを囲むように形成された開口周囲部411dと、リッド操作子405を挿入するために開口周囲部411dに設けられた操作子挿入穴411eと、開口周囲部411の下方に形成された下部収納部411fとを備える。
ETC車載器415(図10参照)は、凹部411s内の高い位置である段部411tに配置されるため、ETC車載器415に対してETCカードの抜き差しを容易に行うことができ、使い勝手を向上させることができる。
また、収納部本体411Lにリッド操作子405を挿入する操作子挿入穴411eが設けられているので、リッド操作子405を予め収納部本体411Lに小組みした状態で、製造ラインにおいて収納部本体411Lを車体側に組付けることができ、生産性を向上させることができる。
図13及び図14に示すように、タンクカバー部56L,56Rは、それぞれの前部に、サイドミラー59に隣接するアウターカバー56a,56aと、アウターカバー56a,56aの内側に一体に形成されたインナーカバー56b,56jとを備える。アウターカバー56a,56aとインナーカバー56b,56jとの境界である稜線56cは、車幅方向外側に凸となる略円弧状に形成されている。
左側のインナーカバー56bには、凹部56dが形成され、凹部56dの底に略台形状の開口56fが開けられている。開口56f内には、キーシリンダ407のキー挿入穴407aと、キーシリンダ407の周囲の部分と、後で詳述する化粧板431の一部とが露出している。
キーシリンダ407は、操舵系29を構成するトップブリッジ30と車体前後方向で同じ位置に配置されている。即ち、ヘッドパイプ12内に回転可能に支持されたステアリングシャフト425の上端部と前後方向で同じ位置に配置されている。
ハンドルバー33は、詳しくは、トップブリッジ30に取付けられた左右一対のハンドルホルダー426,426で支持されている。
左側のタンクカバー部56Lの下方には、化粧板431に覆われたキーシリンダ407が配置されている。化粧板431は、上部に円形の開口431aが開けられ、開口431aからキーシリンダ407のキー挿入穴407aと、キー挿入穴407aの周囲の部分とが露出している。開口431aは、インナーカバー56b(図13参照)に開けられた開口56f(図13参照)よりも小さく形成されている。
このように、キーシリンダ407の上方を開口431aの開けられた化粧板431で覆い、更に、図13に示したように、化粧板431の上方を、開口431aより大きい開口56fが開けられたインナーカバー56bで覆っている。これにより、化粧板431の開口431aとインナーカバー56bの開口56fとの位置関係の組付上のばらつきがあっても、化粧板431の開口431aとインナーカバー56bの開口56fとの位置関係の誤差を目立たなくすることができる。従って、キー挿入穴407aと化粧板431の開口431aと位置関係を保ちながら外観性を良好とすることができる。
キーシリンダ407は、車体フレームFの前部に取付けられたフロントサブフレーム433で支持されている。キーシリンダ407からは2本のケーブル、即ち車体前側に延びる第1ケーブル435と、車体後側に延びる第2ケーブル436とのそれぞれの一端が接続されている。
フロントサブフレーム433は、鋼板を折り曲げることにより形成されたキーシリンダ保持部438を備え、キーシリンダ保持部438の内側にキーシリンダ407が配置されている。キーシリンダ保持部438は、上壁438a、前壁438b、後壁438c及び内側壁438dを一体に備える。上壁438aにはキーシリンダ407の上部が取付けられている。前壁438b、後壁438c及び内側壁438dは、キーシリンダ407をそれぞれ前方、後方及び内側方から覆っている。
同様に、第2ケーブル436は、外側部分を構成するアウターケーブル436aと、アウターケーブル436a内に移動可能に挿入されたインナーワイヤ436bとから構成されている。アウターケーブル436aは、その先端部が、後壁438cの車幅方向内側の下縁部に取付けられている。インナーワイヤ436bは、その先端部が、キーシリンダ407の外周部407bから突出する第2アーム部407dに連結されている。第2ケーブル436の他端部は、図6において、車体フレームFを構成する下部クロスフレーム24の上部に取付けられたシートロック機構437に接続されている。
キーシリンダ407の内筒にキーが挿入されないときには、外筒441と内筒との間にタンブラーが跨って配置された状態となり、内筒は外筒441に対して回動不能になっている。内筒にキーが挿入されると、キーに設けられた溝又は山に対応する各タンブラーが外筒441、内筒間を移動し、タンブラーの全てが外筒441側又は内筒側に位置するため、内筒は外筒441内を左又は右に回動可能となる。
内側部431bは、キーシリンダ保持部438の内側壁438dにボルト443で略車幅方向に締結されている。上帯状部431cは、内側部431bの上縁から車幅方向外側に延びるとともに屈曲しつつ前後方向に延びている。下覆い部431dは、内側部431bの下縁から車幅方向外側へ延びてキーシリンダ407の下方を覆っている。下方延出部431eは、下覆い部431dの側縁から下方に延びている。下ガイド部431fは、下方延出部431eの下縁から車幅方向外側に延びる後ろ上がりに形成された部分であり、第1ケーブル435がキーシリンダ407側から後方に延びる状態から更に下方及び前方にUターンするようにガイドしている。
下覆い部431dは、キーシリンダ407と、第1ケーブル435及び第2ケーブル436の各先端部を下方から覆っている。下方延出部431eは、その外側面に第2ケーブル436を上方から位置決めする突起431k,431mを一体に備える。これにより、第2ケーブル436は、突起431k,431mと下ガイド部431fとに上下に挟まれて位置決めされる。
上記した内側部431bは、内側壁438dに略車幅方向に締結され、下段部431hは、後方延出部438eに略上下方向に締結されるため、化粧板431における車幅方向、前後方向及び上下方向の取付精度をより高めることができる。この結果、図15に示したように、キーシリンダ407のキー挿入穴407aに対する化粧板431の開口431aの位置精度を高めることができ、外観性を向上させることができる。
車体前部左側の収納部401Lに設けられたリッドロック機構406Lとキーシリンダ407とは第1ケーブル435によって接続されている。リッドロック機構406Lは、収納部401Lの後部下部に設けられるとともに、リッド操作子405の車幅方向内側に配置されている。キーシリンダ407は、収納部401Lよりも車体後方で車幅方向内側に配置されている。従って、第1ケーブル435は、キーシリンダ407から一端車体後方に延びた後に車体前方にUターンし、更に車幅方向外側へ延び、屈曲して車体前方に延びてリッドロック機構406Lに接続されている。第1ケーブル435の中間部には、フロントサブフレーム433に設けられた針金状のフック446で支持されて出来た屈曲部435cが形成されている。
上記した所定の操作とは、キーシリンダ407にキーを挿入して右回転させることである。即ち、キーシリンダ407にキーを挿入し、キーを右回転させると、図16に示した第1ケーブル435のインナーワイヤ435bが引かれ、この状態で図9に示したリッド操作子405を押すことにより、リッドロック機構406Lが解除され、リッド403Lを開けることができる。このリッドロック機構406Lの詳細構造及び作用については図20及び図21にて説明する。
ここで、リッド403L,403R(リッド403Rについては図8参照)は、ヒンジ412に設けられたねじりコイルばね424によって開放状態となるように付勢されているため、リッド操作子405が操作され、リッドロック機構406L,406R(リッドロック機構406Rについては図8参照)が解除されることで、リッド403L,403Rが自ら開放状態となるように動き、回動操作が省かれ、利便性が向上する。特に、上記の如く左側の収納部401Lを開ける場合には、キーシリンダ407の操作がリッド操作子405の操作に加えて必要となるため、利便性の効果が大きい。
また、図16において、キーシリンダ407にキーを挿入し、キーを左回転させると、第2ケーブル436のインナーワイヤ436bが引かれ、図6に示したシートロック機構437のロックが解除されるため、メインシート45(図10参照)を取外すことができる。
図18及び図19に示すように、フロントサブフレーム433は、左右一対の第1前後延出フレーム453L,453R、前部クロスフレーム454、左右一対の第2前後延出フレーム456L,456R、左右一対のサイド連結フレーム457L,457R、サイド傾斜フレーム458L,458R、連結クロスフレーム461、センターブラケット462を備える。なお、符号463は車幅方向中央を前後方向に延びる車体中心線である。
図20(A)に示すように、リッド403Lは、下面に鉤形のリッド係合部403cが設けられた内板403eと、内板403eに外部に露出するように取付けられた外板(不図示)とから構成されている。
リッドロック機構406Lは、リッド403Lを閉状態にロックするのに加えて、そのロックを解除するロック機構406Aと、ロック機構406Aによるリッド403Lのロック解除を阻止する、又はロック解除を許容するロック解除阻止機構406B(図20(B)参照)とを備える。
ロック機構406Aは、操作子挿入穴411eと、リッド操作子405と、操作子延長部405cと、フック部405dとを備える。
操作子延長部405cは、リッド操作子405に一体に形成された部分であり、先端部に、リッド403Lのリッド係合部403cに係合するフック部405dが一体に形成されている。なお、符号411jは収納部本体411Lの開口周囲部411dに形成された開口部であり、リッド係合部403cが挿入される部分である。
内端面405bは、端部凹部405hが形成され、端部凹部405hと収納部本体411Lの内面411uとの間に、ロック機構406Aの一部を構成する圧縮コイルばね472が配置されている。操作子凸部405fは、リッド操作子405が操作子挿入穴411eから抜けるのを防止する部分であり、収納部本体411Lの内側に圧縮コイルばね472によって押付けられている。操作子凹部405gは、後で詳述するロック解除阻止機構406Bの一部が係合する部分である。
操作子延長部405cは、リッド操作子405の内端部側から一体に前方に直線状に延びる部分であり、操作子延長部405cの前端部にフック部405dが一体に設けられている。
ピン挿入穴411pは、収納部本体411Lに設けられた突出壁411nに前後方向に延びるように開けられている。リング部材476は、ピン挿入穴411pの後端部に固定されている。ロック解除阻止ピン475は、ピン挿入穴411pに移動可能に挿入され、ロック解除阻止ピン475とリング部材476のそれぞれの間に設けられた圧縮コイルばね477によってリッド操作子405の操作子凹部405g内に付勢されつつ挿入されている。ロック解除阻止ピン475の後端には、第1ケーブル435のインナーワイヤ435bが接続されている。なお、符号478はフロントサブフレーム433(図19参照)に設けられたケーブル端支持部であり、第1ケーブル435のアウターケーブル435aが支持されている。
ロック解除阻止機構406Bの上記構成により、図20(B)の状態では、ロック解除阻止ピン475が、リッド操作子405の操作子凹部405g内に挿入されているため、リッド操作子405を操作することができず、リッド403Lを開けることができない。
図21(A)に示すように、キーシリンダ407(図17参照)にキーを挿入して右回転させる。この結果、キーシリンダ407に接続された第1ケーブル435のインナーワイヤ435bが矢印Gで示すように引かれ、これに伴って、ロック解除阻止ピン475が、圧縮コイルばね477の弾性力に抗して矢印Hで示すように後退し、ロック解除阻止ピン475の先端部475aが、リッド操作子405に形成された操作子凹部405gから外れる。
この結果、図21(C)に示すように、フック部405dが車幅方向内側へ移動することで、フック部405dが、リッド403Lのリッド係合部403cから外れ、リッド係合部403cは、ヒンジ412(図11参照)に設けられたねじりコイルばね424(図11参照)の弾性力によって、矢印Kで示すように移動する。即ち、リッド403Lが開く。
図21(A)において、キーシリンダ側の操作を行わない、即ち第1ケーブル435のインナーワイヤ435bを引かなければ、図20(A)の状態が維持され、リッド操作子405を押せないので、リッド403Lを開けることはできない。
また、フロントカバー47の側部に操作子としてのリッド操作子405が設けられ、このリッド操作子405を操作することでリッド403L,403Rがフロントカバー47側に係止された係止状態から開放状態へと変化するので、フロントカバー47の側部にリッド操作子405が設けられているため、車体側方から収納物を出し入れする際にリッド操作子405を容易に操作することができる。従って、収納部401L,401Rの使い勝手を向上させることができる。
また、図8、図9及び図10に示したように、開口411bは略長方形であって、長手方向を略車両前後方向にフロントカバー47(図7参照)に沿わせて配置するとともに、リッド403L,403Rは、開放状態となるように付勢されているので、開口411bが略車両前後方向に長い略長方形であることから、側方に立って荷物の出し入れが容易となる。また、リッド403L,403Rが開放状態となるように付勢されていることから、利便性が向上する。
また、図10に示したように、電装品は、ETC車載器415であり、収納部401Lの後部に設けられているので、収納部401L内のスペースを有効利用できるとともにETC車載器415の使い勝手を向上させることができる。
また、図10及び図11に示したように、側面視で、収納部401Lは、車体前方に向けて下りる段状に形成され、ETC車載器415は、段を形成する段部411tの上部に配置されているので、ETC車載器415と他の収納物とを分けて収納することが可能になり、収納部401L内のスペースを有効利用できるとともにETC車載器415の使い勝手を向上させることができる。
例えば、上記実施形態において、図17に示したように、キーシリンダ407に第1ケーブル435を介して左側のリッドロック機構406Lのみを連結したが、これに限らず、キーシリンダ407にケーブルを介して右側のリッドロック機構406R(図8参照)をも連結することで、図8及び図17において、キーシリンダ407に挿入したキーを回しながら、左右のリッド操作子405,405のいずれかを操作したときに左右のリッド403L,403Rのいずれかを開けるようにしても良い。
2 前輪
47 フロントカバー
55L,55R 側方カバー部(フロントサイドカバー)
59 サイドミラー
67 サイドスタンド
401L,401R 収納部
405 リッド操作子(操作子)
407 キーシリンダ
411h 上部膨出壁(前壁)
411r 上側壁部(車幅方向内側部)
411s 凹部
411t 段部
412 ヒンジ
415 ETC車載器(電装品)
416 シガーソケット(電装品)
425 ステアリングシャフト
435 第1ケーブル(ケーブル)
475 ロック解除阻止ピン(動作阻止部材)
F 車体フレーム
Claims (8)
- 車体フレーム(F)と、この車体フレーム(F)の前端に回転可能に支持されて前輪(2)を操舵可能とするステアリングシャフト(425)と、このステアリングシャフト(425)の周囲に配置されて車体前部を覆うフロントカバー(47)と、このフロントカバー(47)の前面に設けられる収納部(401L,401R)と、を備える鞍乗り型車両の収納構造において、
前記収納部(401L,401R)は、前記フロントカバー(47)の左右方向の一方又は両方に偏移して設けられた開口(411b)と、当該開口(411b)から下方に向けて凹むことで収納空間を形成する凹部(411s)と、前記開口(411b)を開閉可能に覆うリッド(403L,403R)と、で構成され、
前記リッド(403L,403R)は、前記凹部(411s)を形成する車幅方向内側部(411r)にヒンジ(412)を介して開閉可能に取付けられ、
前記リッド(403L,403R)の後部にサイドミラー(59)、下部にフロントサイドカバー(55L,55R)が配置され、前記フロントカバー(47)の側部に操作子(405)が設けられ、
前記リッド(403L,403R)が係止状態では、側面視において、前記操作子(405)は、前記リッド(403L,403R)と前記サイドミラー(59)と前記フロントサイドカバー(55L,55R)とに囲まれた部分に設けられ、
前記操作子(405)を操作することで前記リッド(403L,403R)が前記フロントカバー(47)側に係止された係止状態から開放状態へと変化することを特徴とする鞍乗り型車両の収納構造。 - 前記開口(411b)は略長方形であって、長手方向を略車両前後方向に前記フロントカバー(47)に沿わせて配置するとともに、前記リッド(403L,403R)は、開放状態となるように付勢されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の収納構造。
- 前記操作子(405)とは別に、前記リッド(403L,403R)の開放を妨げる動作阻止部材(475)が設けられ、
前記動作阻止部材(475)は、キーシリンダ(407)からケーブル(435)を介して接続され、
前記キーシリンダ(407)による所定の操作があった時にのみ前記動作阻止部材(475)による阻止が解除されることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両の収納構造。 - 前記キーシリンダ(407)は、側面視で前記ステアリングシャフト(425)と重なる位置で、前記操作子(405)側の車体カバー(F)内に配置されることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両の収納構造。
- 車体の左側にサイドスタンド(67)が設けられ、
前記キーシリンダ(407)、前記動作阻止部材(475)及び前記ケーブル(435)は、車体中心よりも左側に配置され、
左側の前記操作子(405)のみ、前記リッドの係止状態の解除が前記動作阻止部材(475)によって妨げられ、
左側の前記収納部(401L)に電装品(415,416)が配置されることを特徴とする請求項3又は4に記載の鞍乗り型車両の収納構造。 - 前記電装品は、シガーソケット(416)であり、前記収納部(401L)の前壁(411h)に取付けられていることを特徴とする請求項5に記載の鞍乗り型車両の収納構造。
- 前記電装品は、ETC車載器(415)であり、前記収納部(401L)の後部に設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の鞍乗り型車両の収納構造。
- 側面視で、前記収納部(401L)は、車体前方に向けて下りる段状に形成され、前記ETC車載器(415)は、前記段を形成する段部(411t)の上部に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の鞍乗り型車両の収納構造。
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