JP5714309B2 - 荷受台昇降装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に備えられ荷物の積み降ろしに用いる荷受台昇降装置に関する。
車両に荷受台昇降装置を備えて荷箱と地上との間を積み降ろしするようにしており、荷受台昇降装置を使用しないときには車両の床下に格納して荷受台昇降装置が邪魔にならないようにしている。このとき車両の床下空間の大きさは限られており、先部荷受台を基部荷受台に折り畳んで床下に格納するようにしている。そして、荷受台に載せる荷物により、荷受台の面積が広くしなければならない場合があり、製造時に複数のアルミブロックを組み合わせて先端側に延長(荷受台の長さを長く)することで面積を拡大している(特許文献1及び2参照)。
特許第3342840号公報 特開平9−132069号公報
しかしながら、上記荷受台昇降装置においては、荷受台の長さを延長するに当たり先部荷受台の長さを長くすると、先部荷受台の重量が増加してしまう。すると、たとえば作業者が先部荷受台を手作業で展開や折畳を行うような場合には、荷受台昇降装置の展開格納の作業において作業者の負担が大きくなってしまうといった問題がある。
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、荷受台の面積を拡大する際に、荷受台の展開、格納の作業性が悪化することを抑制することができる荷受台昇降装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための本発明の床下格納式荷受台昇降装置は、昇降機構を介して昇降可能に設けた荷受台を備えた床下格納式荷受台昇降装置において、 前記荷受台は、基部荷受台と基部荷受台に対して折畳み可能に設けた先部荷受台とからなり、 前記基部荷受台の基部に延長荷受台を固定可能な取付部を備え、 前記基部荷受台は基部に傾斜面を備えており、 前記取付部は、基部荷受台の基部の傾斜面に備えられるとともに延長荷受台の凸部を挿入するための凹部を有し、 前記取付部には、延長荷受台の凸部に備えたピン溝と対向することにより嵌合ピンを挿入するためのピン挿入孔を形成するピン溝をさらに備え、 前記ピン溝は、凹部上面の溝を凹部下面の溝より基部側に配置することを特徴としている。
このような構成の荷受台昇降装置によれば、荷受台の面積を拡大する際に、基部荷受台を延長することで、基部荷受台を延長する分だけ先部荷受台を延長する長さを短くすることができる。先部荷受台の重量の増加を抑制することができるため、操作性が悪化することを抑制することができる。
また、基部荷受台および取付部は荷箱に向かって突出していないので、荷受台と荷箱との接触を抑制することができる。
また、基部荷受台の端部の厚さを薄くすることができるため、荷箱との接触を抑制することができる。
また、前記延長荷受台は、凸部の荷受台先部側に支持部を有することが好ましい。この場合、延長荷受台が受けた荷重の一部を支持部より基部荷受台に支持させることができるため、嵌合ピンに加わる荷重を少なくすることができる。
このような構成の荷受台昇降装置によれば、先部荷受台の重量の増加を抑制することができるため、操作性が悪化することを抑制することができる。
本発明の一実施形態による荷受台昇降装置の側面図である。 図1の状態から荷受台を後方へスライドさせ、所定のスライド後端位置(張出位置)に到達させた後に荷受台を展開及び昇降させる使用状態を示す側面図である。 スライド駆動装置が最収縮した状態を示すスライド機構の平面図である。 図1から昇降機構及び荷受台を省略して、スライドレール付近を拡大した側面図である。 (a)は、図4のi部を拡大した図で、(b)は(a)の平面図である。 図2における最後部のブラケットの鉛直断面を後方側から見た拡大図である。 荷受台のうち先部側を省略した側面図である。 図7のii部を拡大し、ボルト挿入箇所で切断した断面図である。 (a)は、基部荷受板の側面図であり、(b)は(a)のiii部拡大図である。 延長荷受台の側面図である。 延長荷受台を備えない状態の基部荷受台の要部拡大断面図である。
車両VのシャシフレームV1上に荷箱Bを搭載しており、前記荷箱Bの下面には、当該荷箱Bを補強するためのサブフレームV2が配設され、このサブフレームV2がシャシフレームV1上に重なるようにして配設されている。このシャシフレームV1の後端下方に格納式の荷受台昇降装置Aが取り付けられている。
荷受台昇降装置Aは、シャシフレームV1に配設されたスライド機構Sと、このスライド機構Sに昇降機構Lを介して接続された荷受台Pとを備えている。
そして、この荷受台昇降装置Aは、車両Vの後方(図1の右側)において、荷受台Pを昇降させることによって荷箱Bに対して荷物を積み降ろすことができる。
以下図1〜図6を参照してスライド機構Sについて説明する。
図1において、荷受台昇降装置Aの車幅方向に左右一対設けられている固定側支持部1は、各々、車両V前後方向に水平に延びる左右一対のスライドレール11と、左右一対のスライドレール11をシャシフレームV1に固定するための複数(本例では3個)の取付ブラケット12と、左右一対のスライドレール11の前端部を連結する角パイプからなる連結部材13とによって構成されている。スライドレール11と各取付ブラケット12とは、2組のボルト・ナット12aにより締結されている。スライドレール11には支持板21が車両V前後方向に摺動可能に支持されている。
図6は、図1における最後部の取付ブラケット12の鉛直断面を後方側から見た図であり、スライドレール11は図示のような断面形状のアルミニウムダイキャスト部材である。スライドレール11の内部下方には水平方向に延びる空洞状のガイド部11aが形成され、ガイド部11aの内壁面との間に僅かな隙間を保って、支持板21に接続されたスライド部材22がガイド部11a内を車両Vの前後方向にスライド可能に装着されている。そして、ガイド部11aの底部中央には支持板21を通すスリット11bが長手方向に形成されている。上記ガイド部11a内下部には、スリット11bから左右に離れる方向に向かって下り勾配の下部傾斜面11cが形成されている。
一方、スライド部材22は、前方側の第1スライド部材220と、後方側の第2スライド部材221とによって構成されている(図4参照)。第1スライド部材220は支持板21の左右に設けられ、荷受台P等の負荷によりガイド部11a内上面11dに接するようになっている。上記第2スライド部材221は支持板21の左右に設けられ、荷受台P等の負荷によりガイド部11aの下部傾斜面11cに接するようになっている。
左右一対の支持板21は、車幅方向に水平に延びる角パイプからなるクロスメンバ23を貫通させ、左右一対の支持板21とクロスメンバ23とは互いに一体に溶接している。支持板21より車幅方向の外側には、支持ブラケット24が、クロスメンバ23と一体に溶接されている。これらの支持ブラケット24も、左右一対設けられている。左右一対の支持板21の下部は、チャンネル材25により連結されている(図3参照)。
上記の支持板21、スライド部材22、クロスメンバ23、支持ブラケット24、チャンネル材25は固定側支持部1に対して車両Vの前後方向にスライド可能な可動側支持部2を構成している。
次に、荷受台昇降装置Aを格納位置と張出位置との間でスライドさせるスライド駆動装置3(スライドシリンダ)について説明する。
図3において、上記スライド駆動装置3は、車幅方向において左右のスライドレール11の間に配置された左右一対の複動式のシリンダ31にて構成されている。左右のシリンダ31のシリンダ本体31aは、その前後両端部が互いに前後逆向きに配置された状態で重ね合わされ、前後一対の継手部32にて一体的に連結されている。
車両右側のシリンダ31は、ピストンロッド31bの先端部に一体形成された連結部としてのボス部31cが、取付板14にピン14aにより取り付けられている。上記取付板14は、上記連結部材13の車幅方向の略中間部に固定されており、固定側支持部1を構成する部材のひとつである。また、車両左側のシリンダ31は、そのピストンロッド31bのボス部31cが、車両前後方向に延びる取付台26にピン26aにより取り付けられている。上記取付台26は、その後端部がチャンネル材25の車幅方向の略中間部に固定されているとともに、その前端部は、上記クロスメンバ23の車幅方向の略中間部に固定されている。そして、取付台26は、可動側支持部2を構成する部材のひとつである。
上記構成により、一対のシリンダ31をともに収縮することにより、スライドレール11に対して支持板21を図4に実線で示す格納位置までスライドさせることができる。また、一対のシリンダ31をともに伸長させることにより、スライドレール11に対して支持板21を図4に二点鎖線で示す張出位置までスライドさせることができる。
図1に示すように、支持ブラケット24には補助リンク41の上部がピン40aを介して一定範囲で回動可能に取り付けられている。この補助リンク41の中央部にピン40bを介して上アーム42が回動可能に取り付けられ、上アーム42の下方であって補助リンク41の下部には昇降駆動装置であるリフトシリンダ44の基端がピン40cにより回動可能に取り付けられている。リフトシリンダ44の先端は上アーム42の所定位置にピン40dを介して接続されており、伸縮作動により上アーム42にトルクを付与する。
また、支持ブラケット24にはピン40eを介して下アーム43が回動可能に取り付けられている。
上アーム42及び下アーム43の先端には、ピン40f、40gにより荷受台Pが水平に取り付けられており、上アーム42および下アーム43はそれらの支点(ピン40b,40e)および作用点(40f,40g)を結ぶ四角形が平行四辺形となる平行リンクを構成している。
上記の補助リンク41、上アーム42、リフトシリンダ44および下アーム43は、左右一対設けられ、アーム式の昇降機構Lを構成している。
また、上アーム42の上面側には、ストッパボルト42aが上方に突出して取り付けられている。このストッパボルト42aが支持ブラケット24に当接することで、上アーム42が回動許容範囲を超えて反時計回り方向に回動することを防止している。
リフトシリンダ44の伸縮作動により、先端側(荷受台P)を昇降動作させる。つまり、シャシフレームV1の後方において、荷受台PをシャシフレームV1上の荷箱Bの床に対応させる(つまり、荷箱Bの床面と同じ高さとする)上昇位置と、荷受台Pを地面に接地させた接地位置との間を昇降させることができる。
なお、荷受台Pの基部を接地した状態でリフトシリンダ44をさらに収縮すると補助リンク41が回動し、上アーム42を車両後方側に移動させることにより、荷受台Pの先端部を地面に接地させた状態とすることができる。この場合、荷受台Pの上面(荷物を載せる荷受面)は、後方に緩やかに傾斜した状態となる。
荷受台Pは、上アーム42および下アーム43の先端に水平に取り付けられた基部側の荷受台(以下基部荷受台51)と、これに対して折り畳み・展開可能に接続された先部側の荷受台(以下先部荷受台53)とを備えている。格納時には基部荷受台51上に先部荷受台53が折り畳まれる。また、使用時には先部荷受台53が展開され、基部荷受台51から先部荷受台53へ連続した荷受面が構成される。
荷受台Pの構成についてさらに説明する。
基部荷受台51とヒンジ部材55とは軸55aによって回動可能として接続されており、ヒンジ部材55と先部荷受台53とは軸55bによって回動可能として接続されている。これにより、先部荷受台53は基部荷受台51に対して軸55a,55bの両者の軸心回りに回動可能となり、先部荷受台53は基部荷受台51に対して折り畳んだ状態となることができる。
荷受台Pは、展開状態で載置面上の荷物が荷受台Pの左右方向の外側に脱落することを防止するサイドガード8を備えている。
図1を参照して、基部荷受台51の側面には、折畳検知スイッチLS1が取り付けられている。この折畳検知スイッチLS1は、荷受台昇降装置Aの動作を制御する制御装置(図示せず)に接続されており、当該折畳検知スイッチLS1に対応するドグ(サイドガード8を兼用)が接近するとON状態となるように構成されている。折畳検知スイッチLS1を動作させるドグは、先部荷受台53に設けられ、荷受面に載せた荷物が荷受台Pの側方に落下するのを防止するサイドガード8のうち、先部荷受台53が折り畳まれて上アーム42の上に重ねられたときに折畳検知スイッチLS1に近接する箇所が兼用し、折畳検知スイッチLS1は、図1に示す状態まで先部荷受台53が折り畳まれることでON状態となり、荷受台Pの折り畳みが完了したことを制御装置に認識させる。
次に、上記スライド機構Sによるスライド動作においてスライド後退位置(車両後方側)を規制する張出位置調節装置61の構造について説明する。図4は、図1から昇降機構L及び荷受台Pを省略してスライドレール11付近を拡大した側面図である。この図4のi部を拡大したものが図5(a)であり、(b)はその平面図である。図4及び図5において、スライドレール11の後方の所定位置には、直方体状の調節部材610がこれを貫通する一対のボルト611a・ナット611bによって取り付けられている。このボルト611a・ナット611bのボルト611aの頭部は、スライドレール11の側面に前後方向へ貫通形成されている溝部11eに挿入されており、ナット611bを締めれば調節部材610をスライドレール11に固定することができるとともにナット611bを緩めて前後方向に移動することもできる。
また、図5において、調節部材610の前方側側面には、ストッパボルト612と、近接センサLS2の被検知ドグとなるボルト613(ストッパボルト612との識別の便宜上、ハッチングを付している)とが、前方側へ突出長を調節可能に取り付けられている。一方、支持板21にはボルト・ナットによりストッパ部材614が取り付けられている。ストッパ部材614にはストッパボルトとの当接部614aが一体に形成されている。
上記の張出位置調節装置61においては、可動側支持部2が後方へスライドして支持板21に取り付けられたストッパ部材614の当接部614aが、ストッパボルト612に当接することによりスライド停止となる。従って、調節部材610を前後に位置調節することにより、スライド後端位置を可変的に規制することができる。
また、図1の荷受台P格納状態から可動側支持部2を後方へスライドさせ、当接部614aがストッパボルト612に当接すると、近接センサLS2がボルト613を検知する。この検知信号に基づいてスライド機構Sのスライド駆動装置3の伸長動作は停止となり、次の動作であるリフトシリンダ44の収縮動作が行われる。すなわち、近接センサLS2はスライド動作からリフトシリンダ44の動作に入るタイミングを検知する。
図1および図2に示すように、左右一対の支持板21の各々には、後方へ突出するようにローラ取付板71が取り付けられ、その後端にガイドローラ72が回転自在に取り付けられている。このガイドローラ72に、先部荷受台53の先端を乗せることができる。このガイドローラ72は、図1の状態から可動側支持部2が後退して、上アーム42及び下アーム43が下方へ回動したとき、先部荷受台53を起立方向へ回動させる機能と、逆に、使用後、先部荷受台53をもたれかからせることにより、上アーム42及び下アーム43の上方回動によって先部荷受台53を自動的に畳み込ませる機能とを有する。
図3に示すように、クロスメンバ23の車両Vの進行方向に向かって左側には、荷受台昇降装置Aを操作するための操作スイッチ等を収めたスイッチボックス73が取り付けられている。
クロスメンバ23の他方側(車両Vの進行方向に向かって右側)には、油圧ポンプやバルブ、制御装置等を備えたパワーユニットPUを納めたケース74が取り付けられている。
以上の構成による荷受台昇降装置Aにおいて、荷受台Pが格納位置から展開状態となるまでの動作について説明する。
図1の状態から、スライド駆動装置3を伸長すると、折り畳み状態の荷受台Pは、車両後方へ移動する。この状態からリフトシリンダ44を収縮させると、平行リンクが下方へ回動し基部荷受台51は下方へ移動する。このように平行リンクが下方へ回動すると、先部荷受台53は、前記ガイドローラ72に載った状態となる。つまり、先部荷受台53の表面(荷受面)が、ガイドローラ72に上から接触している状態となる。さらに、この先部荷受台53は前記ヒンジ部材55によって基部荷受台51に対して回動自在であるため、基部荷受台51が下方へ移動することによって、前後方向に水平姿勢であった先部荷受台53は、徐々に傾斜姿勢となる。この結果、先部荷受台53は折り畳み状態のまま、ガイドローラ72によって車両前方側から支持され傾斜した姿勢となる。
そして、作業者が、この先部荷受台53をヒンジ部55によって車両後方へ回動させ、先部荷受台53を地面に接地させる。これにより、荷受台Pは展開状態となる。
荷受台Pを展開した状態で、荷受台Pに荷物を載せたのちリフトシリンダ44を伸張し、荷受台Pを上昇させることにより、荷物を荷箱Bに積み込むことができる。一方、上昇位置にある荷受台Pの上面に荷箱B内の荷物を載せたのちリフトシリンダ44を収縮し、荷受台Pを下降させることにより、荷箱B内の荷物を地面に降ろすことができる。
展開状態にある荷受台Pを格納状態とするまでの動作はこれと反対であり、作業者が、先部荷受台53を前方へ回動させ、ガイドローラ72にもたれかける。そして、リフトシリンダ44を伸長させ、平行リンクを上方へ回動させる。この際、先部荷受台53はガイドローラ72に支持されたままの状態で自動的に基部荷受台51に対して回動し、傾斜姿勢にあった先部荷受台53は徐々に水平姿勢に変化し、略水平姿勢になると折畳検知スイッチLS1がONとなる。そして、スライド駆動装置3を収縮させ、格納状態となるまで荷受台Pを車両前方へ移動させる。
次に、本発明を適用した基部荷受台51について図7〜図11を用いて説明する。
基部荷受台51は基部荷受板91と基部荷受板91の下面に固定された補強部材92とからなる。荷受台Pは、補強部材92が昇降機構L(上アーム42と下アーム43)に連結支持されることにより昇降することができる。そして基部荷受台51の基端面(詳しくは基部荷受板91の基端面)には延長荷受台93を固定可能な取付部Cを備えている。なお、基部荷受板91と延長荷受板93とはアルミニウムの押出成形により形成されている。
延長荷受台93は基部荷受板91の取付部Cに取り付けられるとともに補強部材92の基端部92aにより延長荷受台93の下面から支持されている。そして、補強部材92と、基部荷受板91とは、基部荷受板91の車両前後方向中央部分においては皿ネジ94とナット95aとにより固定され(図7参照)、基部荷受板91の基端部分においてはボルト96aを基部荷受板91の中空部91cに挿入したナットプレート97に螺入することにより固定している(図8参照)。なお、中空部91cは、基部荷受板91の押出成形時に一体成形されている。
一方、図8を参照し、補強部材92と延長荷受台93との固定構造について説明する。補強部材92と延長荷受台93とは、補強部材92の基端部92aと延長荷受台93とを貫通したボルト96bを、延長荷受台93の中空部93aに挿入したナット95bで締め付けることにより固定している。なお、中空部93aは、延長荷受台93の押出成形時に一体形成されている。
延長荷受台93は、補強部材92の基端部92aにより支持したが、補強部材92の基端部92aを基部荷受板91の基端の下方までの長さとし、基端部92aに延長荷受台93を下部から支持するための専用の補強部材を別途取り付けるようにしてもよい。また、取付部Cの強度が強く、延長荷受台93を補強部材で支持する必要性がない場合は基端部92aを延長しなくてもよい。
次に、基部荷受台51の取付部Cの詳細構造について図9を参照して説明する。
取付部Cは基部荷受板91の基端部分(荷箱に近接する側の部分)に一体形成されている。基部荷受板91は、図9(a)に示したような断面で紙面上下方向に一様断面であり、荷受台Pの幅と同じ幅の寸法で成形されている。図9(b)は、図9(a)のiii部を拡大した図で、取付部Cを拡大して示している。基部荷受板91の端面91bには、断面略四角形の凹部91cと、凹部91cの下方に溝91dとを形成している。端面91bは基部荷受板91の上端から内側に傾斜した傾斜面に形成されている。そして、凹部91cの上面91eには断面略半円状の第一ピン溝91fと、凹部91cの下面91gには断面略半円状の第二ピン溝91hとが形成されている。第一ピン溝91fは後述の第三ピン溝93gと、第二ピン溝91hは後述の第四ピン溝93iと、それぞれ向かい合うことでピン挿入孔を形成する。
延長荷受台93の詳細構造について図10を用いて説明する。
延長荷受台93は図10に示したような断面で紙面上下方向に一様断面であり、荷受台Pの幅と同じ幅の寸法で成形されている。延長荷受台93の基端面93bと先端面93cとは、基部荷受板91の端面91bとほぼ平行な方向に傾斜させており、延長荷受台93の断面は略平行四辺形となっている。
先端面93cには取付部Cの凹部91cに挿入するための凸部93dと、凸部93dの下方に溝91dと契合するための突起93eとが一体成形されている。そして、凸部93dの上面93fには断面略半円状の第三ピン溝93gが、下面93hには断面略半円状の第四ピン溝93iがそれぞれ形成されている。
図8を参照して、基部荷受台51(基部荷受板91)と延長荷受台93との結合を説明する。
基部荷受板91の凹部91cに延長荷受台93の凸部93dを挿入する。基部荷受板の端面91bと延長荷受台の先端面93cとが接するまで挿入すると、基部荷受板の溝91dと延長荷受台の突起93eとが係合する。また、基部荷受板91の凹部91cの高さ寸法と延長荷受台の凸部93dの高さ寸法とはほぼ同じ寸法にしているため、凹部91cと凸部93dの上面及び下面同士が近接する。そして、基部荷受板91と延長荷受台93との両上面91e,93fに一体成形した第一ピン溝91fと第三ピン溝93gとが対向し、基部荷受板91と延長荷受台93との両下面91g,93hに一体成形した第二ピン溝91hと第四ピン溝93iとが対向することで2つのピン挿入孔が形成される。この2つのピン挿入孔に荷受台Pの幅と略同じ長さの嵌合ピン98を挿入することで延長荷受台93は基部荷受台51(基部荷受板91)と結合される。
以上の構成により、基部荷受台51の基端部に延長荷受台93を固定可能な取付部Cを備えているので、延長荷受台93の長さ(図9のY)ぶん荷受台Pの長さを延長することができる。そして、延長荷受台93は基部荷受台51に固定しているので、先部荷受台53の重量が増加しない。これにより、先部荷受台53を作業者が展開作業または折畳作業をおこなう際に重量の増加分による負担増を防ぐことができる。積み降ろしする荷物が極端に大きく、荷受台を延長したい長さが延長荷受台93の長さよりも長くなってしまう場合は、先部荷受台53も併せて延長する必要がある。しかしながら、先部荷受台93を延長するための寸法は、延長荷受台93の長さぶんだけ短くすることができるため、先部荷受台93の重量増加量を抑制することができ、作業者の負担の増加が抑制される。
さらに、延長荷受台93は基部荷受台51の昇降機構Lが取り付けられた箇所(ピン40fとピン40g)よりも基端側に設けているため、基部荷受台51の昇降機構Lが取り付けられた箇所から基部荷受台51の先端までの距離は変わらない。これにより、荷受台Pの長さを延長した際に、格納姿勢の荷受台昇降装置Aの全体の寸法が長くなってしまうことを防止することができる。
短い長さの荷受台Pを製造するに当たり、基部荷受台51(基部荷受板91)を兼用する場合には、延長荷受台93を基部荷受板91に固定せずに基部荷受台51を製造する(図11参照)。このとき、基部荷受台51(基部荷受板91)に設けた取付部Cは凹部91cであり、基部荷受台51(基部荷受板91)の基端側の端面よりも内側に形成されているので、取付部Cが荷箱Bに取り付けられた突出する部材(たとえば、荷箱の観音扉を閉じた状態で保持するためのキーパB1)との接触を防止することができる。
また、上記実施例のごとく平行リンク式の昇降機構Lであれば、荷受台Pは図2の二点鎖線に示すように車両前後方向に移動しながら昇降するが、基部荷受台51(基部荷受板91)の基端側の端面は傾斜面に形成しているので、端面91bを荷受台Pが動作する方向に合わせることができ、昇降動作時に荷受台Pと荷箱BのキーパB1とが接触することを防止することができる。なお、延長荷受台93の端面93bについても同様にキーパB1との接触を防止することができる。
また、上側のピン挿入孔と下側のピン挿入孔とは、荷物を荷受台Pに載せた際の荷重に耐えるため、所定の強度を有しておく必要がある。そこで、両ピン挿入孔の間隔(上側のピン挿入孔の中心と下側のピン挿入孔の中心とを結んだ距離の長さ)は、荷物の荷重に対応した長さを超えた距離だけ離して形成する必要がある。本実施例では、図8に示すように、上側のピン挿入孔を、下側のピン挿入孔よりも荷受台Pの基端側(延長荷受台93側)に配置しているため、両ピン挿入孔の間隔は鉛直方向から傾斜することになる。すると、両ピン挿入孔の間隔を確保しつつ、鉛直方向の長さを傾斜させた分だけ短くすることができ、凸部93dの高さ寸法を短くすることができる。これにより、凹部91cの高さ寸法も短くなるため、基部荷受板91の基端部の厚さを薄くすることができ、基部荷受板91と荷箱Bとの接触をさらに抑制することができる。
一方、延長荷受台93において、凸部93dの上面93fは、先部側(基部荷受台51側)に向かって延長することで支持部93jを形成しており、延長荷受台93に加わった荷物の荷重(図10の矢印)の一部を基部荷受板91に伝達することで支持することができる。これにより嵌合ピン98に加わる力を小さくすることができる。
さらに、荷物の荷重が延長荷受台93に加わった際に(図10の矢印)、延長荷受台93は突起93e周りに反時計回り方向のモーメントが加わるが、支持部93jにより凹部91cの上面91eと接触する面積が広くなっているので、反時計回り方向のモーメントを分散することができる。したがって、凸部93dの上面93fや凹部91cの上面91eが破損してしまうことを抑制することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態においては、一枚板に組み立てた先部荷受台53を基部荷受台51に対して折り畳み可能に連結しているが、先部荷受台53を二枚以上の板をヒンジを介して展開・折畳可能に連結し、折畳んだ先部荷受台53を基部荷受台51に対して折畳むようにしてもよい。このときであっても、基部荷受台51を延長しているので、二枚以上の先部荷受台53を延長する寸法を少なくすることができる。したがって、折畳んだ先部荷受台53を軽量化できるため、折畳んだ先部荷受台53の基部荷受台51に対する折畳み作業の作業性が向上する。
A 荷受台昇降装置
P 荷受台
51 基部荷受台
53 先部荷受台
C 取付部
91c 凹部
91f 第一ピン溝
91h 第二ピン溝
93 延長荷受台
93d 凸部
93g 第三ピン溝
93i 第四ピン溝
98 嵌合ピン

Claims (2)

  1. 昇降機構を介して昇降可能に設けた荷受台を備えた床下格納式荷受台昇降装置において、
    前記荷受台は、基部荷受台と基部荷受台に対して折畳み可能に設けた先部荷受台とからなり、
    前記基部荷受台の基部に延長荷受台を固定可能な取付部を備え
    前記基部荷受台は基部に傾斜面を備えており、
    前記取付部は、基部荷受台の基部の傾斜面に備えられるとともに延長荷受台の凸部を挿入するための凹部を有し、
    前記取付部には、延長荷受台の凸部に備えたピン溝と対向することにより嵌合ピンを挿入するためのピン挿入孔を形成するピン溝をさらに備え、
    前記ピン溝は、凹部上面の溝を凹部下面の溝より基部側に配置することを特徴とする床下格納式荷受台昇降装置。
  2. 前記延長荷受台は、凸部の荷受台先部側に支持部を有することを特徴とする請求項記載の床下格納式荷受台昇降装置。
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