JP5712785B2 - ステータ - Google Patents

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本発明は、ラジアルギャップ型回転電機に用いられる集中巻きステータに関する。
ラジアルギャップ型回転電機は、回転軸を中心として回転可能に配設されたロータと、このロータの径方向にギャップを隔てて配設されたステータとを備える回転電機である。ステータは、複数のティースを有し、周方向に隣り合うティースの間にスロットが設けられたステータコアと、各スロット内に配置されたPETフィルム等の絶縁物を介して各ティースに巻回された巻線とを備える。このようなステータは、集中巻きステータとよばれている。
ラジアルギャップ型回転電機において、例えば、ステータコアが分割されている場合や、パイプ等の筒状体にステータを固定する場合には、その固定手段として溶接が行われる。溶接時に発生する熱がステータコアを通じて絶縁物まで伝達されると、ステータコアと巻線との間の絶縁が破壊され、放電や短絡が生じるおそれがある。これを回避するための技術が下記特許文献に開示されている。
例えば、各スロットの周縁部を凹凸状に形成したステータが知られている(例えば、特許文献1参照)。かかるステータによれば、絶縁物とスロットの周縁部との接触面積が減るため、伝達した熱の影響を低減できるという利点がある。
しかしながら、電磁鋼板を所定形状に形成した複数のコアシートを積層して成るステータコアにおいて、各コアシートに対して金型で凹凸を打抜き形成するためには、複雑な形状の金型が必要となる。金型の形状が複雑になれば、これに応じて金型のコストも高くなる。一方で、複雑な形状の金型は劣化が早く、耐用期間は短い。
また、ステータコアは磁束が流れる磁路として機能するが、各コアシートにおけるスロットの周縁部に凹凸が形成されている場合、凸部には磁束が流れないため磁路として利用できない。言い換えれば、磁路として機能するのは凹部までの幅に制限される。このため、磁路幅が狭くなり、磁気飽和が生じるおそれがある。
特開平8−107642号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、簡単な構成でありながら、溶接時の熱の影響を大幅に低減することが可能なステータを提供することを目的としている。
本発明に係るステータは、環状のヨークの内周から径方向に突出する複数のティースを有し、周方向に隣り合う該ティースの間にスロットが設けられたステータコアと、前記スロット内に配置され、前記ヨークの内周と対向する第一対向部と、前記ティースの側面と対向する第二対向部とを有する絶縁物と、前記絶縁物を介して前記ティースに集中巻きで巻回される巻線と、を備え、前記ヨークの内周と、前記絶縁物の前記第一対向部との間に隙間が形成されていることを特徴とする。
本発明に係るステータは、前記第一対向部の周方向の長さが、前記ヨークの内周の周方向の長さよりも短いことを特徴とする。
本発明に係るステータは、前記第二対向部の径方向の長さが、前記ティースの側面の径方向の長さよりも短いことを特徴とする。
本発明に係るステータは、前記第一対向部に、前記ヨークの内周と接触する突起部が設けられていることを特徴とする。
本発明に係るステータは、前記ステータコアが、ヨーク部及びティース部が形成された複数のコアシートを回転軸方向に積層して成り、前記ティースの側面において、一又は複数のコアシートのティース部が、回転軸方向に隣接する他のコアシートのティース部の一方又は両方に対して周方向にずれていることを特徴とする。
本発明に係るステータは、前記複数のコアシートが、前記ティースの側面において、前記ティース部と前記絶縁物とが互いに接触している前記コアシートと、前記ティース部と前記絶縁物とが非接触である前記コアシートと、を備えることを特徴とする。
本発明に係るステータによれば、ヨークの内周と、絶縁物の第一対向部との間に隙間が形成されているため、スロット形成面と絶縁物との接触面積を大幅に減らすことができる。即ち、本発明では、スロット形成面のうち、絶縁物と接触するのは、そのほとんどがティースの側面においてのみである。ティースの側面は、ヨークの内周に比べて、ヨークの外周からの距離が長いため、伝達熱による影響が比較的少ない。このため、伝達熱の影響を大幅に低減することができる。また、スロット形成面の形状に関する特別な加工を必要としない。このため、製造の際に複雑な形状の金型を用いる必要もない。
本発明において、前記第一対向部の周方向の長さを、ヨークの内周の周方向の長さよりも短くすれば、ヨークの内周と絶縁物の第一対向部との間に隙間を容易且つ確実に形成することができる。即ち、巻線をティースに巻回する工程に付随させて、当該隙間を形成することができる。言い換えれば、隙間を形成するための工程を省略することができる。したがって、ステータの製造工程を一切変更する必要がない。本発明は、ステータコアが一体型である場合や、分割コアを一体化した後に巻線をティースに巻回する場合に特に有効である。
本発明において、前記第二対向部の径方向の長さを、ティースの側面の径方向の長さより短くしても、上述と同様の効果を得ることができる。本発明は、ステータコアが分割型であって、巻線をティースに巻回した後に分割コアを一体化する場合に特に有効である。
本発明において、前記第一対向部に、ヨークの内周と接触する突起部を設けても、上述と同様の効果を得ることができる。特に、絶縁物が、予め所定形状に成形されたインシュレータなどの樹脂成形物である場合には、たとえ第一対向部に対して径方向の外力が加えられたとしても、ヨークの内周と第一対向部とを応力により機械的に離隔させることができる。これにより、スロット内における巻線の占積率を向上させることができる。
本発明において、前記ティースの側面を、一又は複数のコアシートのティース部が、回転軸方向に隣接する他のコアシートのティース部の一方又は両方に対して周方向にずれるように構成すれば、スロット形成面と絶縁物との接触面積をさらに減らすことができる。これに加えて、磁路としての機能的な制限を受けることなく、ティースの側面と絶縁物との接触面積を低減することができる。これにより、溶接時の熱の影響をさらに効果的に低減するとともに、磁気飽和の発生を回避することができる。
本発明において、前記ティースの側面を、ティース部と絶縁物とが互いに接触しているコアシートと、ティース部と絶縁物とが非接触であるコアシートと、を備えるように構成しても、同様の効果を得ることができる。
本発明に係るステータを備えた回転電機を示す平面断面図である。 第一実施形態に係るステータを示す拡大断面図である。 第二実施形態に係るステータを示す拡大断面図である。 第三実施形態に係るステータを示す拡大断面図である。 第一乃至第三実施形態に係るステータにおけるティースの変形例を示す概略断面図である。 第一実施形態の変形例に係るステータコアのコアシートを示す平面図である。 第一乃至第三実施形態に係るステータにおけるティースの他の変形例を示す概略断面図である。 第一乃至第三実施形態に係るステータにおけるティースの更に他の変形例を示す概略断面図である。
以下、本発明に係るステータの実施形態について図面を用いて説明する。本明細書において、同一の符号で示されている場合は同一の構成を示すものとする。また、各図面において、各構成を示す符号及び引出線を明瞭に表示するために、断面を示すハッチングを適宜省略している。
図1に示すように、第一実施形態に係るステータ10は、ラジアルギャップ型の回転電機100を構成するものであり、回転軸1を中心として回転可能に配設されたロータ2の径方向にギャップを隔てて配設される。ステータ10は、ステータコア11、絶縁物12、及び巻線13を備える。
ステータコア11は、環状のヨーク111と、このヨーク111の内周Iから径方向に突出する複数のティース112とを有する。また、周方向に隣り合うティース112の間には、スロット113が設けられている。スロット113は、ヨーク111の内周I及びティース112の側面Sに囲まれた溝であり、ティース112の先端側で開口している。つまり、ヨーク111の内周I及びティース112の側面Sにより、スロット形成面P(図2太線部参照)が形成されている。ティース112及びスロット113の数は、例えば、ロータ2の磁極数や回転電機100の用途等に応じて適宜設計変更が可能であり、その数が偶数であるか奇数であるかは不問である。本実施形態では、6個のティース112が周方向に等間隔で並んでおり、スロット113も6箇所に設けられている。
ステータコア11は、表面を絶縁処理された、厚さ0.3〜0.5mm程度の電磁鋼板を所定形状に形成した多数枚のコアシート(図示省略)を回転軸方向に積層し、これらを一体化することにより形成される。本実施形態では、ステータコア11の平面形状(図1参照)と同一の形状に打抜き形成されたコアシートが所定の枚数だけ積層された、いわゆる一体型ステータコアを採用している。積層された各コアシートを一体化する方法としては、例えば、溶接、カシメ、樹脂モールド、ワニス含侵などの方法が挙げられる。これらの方法を適宜組み合わせて行ってもよい。
絶縁物12は、ステータコア11と巻線13とを電気的に絶縁するための絶縁部材である。絶縁物12は、絶縁体をフィルム状に形成した部材であり、スロット113内においてスロット形成面Pと対向するように配置される。このとき、絶縁物12には、図2に示すように、ヨーク111の内周Iと対向する第一対向部121と、ティース112の側面Sと対向する第二対向部122とが形成される。
絶縁物12において、第一対向部121とヨーク111の内周Iとの間には隙間Gが形成されている。本実施形態では、第一対向部121の周方向の長さが、ヨーク111の内周Iの周方向の長さよりも短く設計されている。より具体的には、ヨーク111の内周I形状は、少なくとも外周Oに向かって凸な形状、例えば円弧形状を含む。このため、第一対向部121は、第二対向部122と接続している周方向の両端部を除き、ヨーク111の内周Iと非接触である。一方、第二対向部122とティース112の側面Sとは、巻線13に押圧されて互いに密着している。
絶縁物12は、電気絶縁性が高く耐熱性に優れた絶縁体を材料として形成するのが好ましい。絶縁物12の厚みを薄く形成することが可能となり、より高い絶縁・耐熱効果を得ながら、スロット113内における巻線13の占積率を高めることができるからである。このような絶縁体として、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等が挙げられる。絶縁物12の厚みは、材料として使用される絶縁体の種類に応じて適宜設計変更が可能である。
巻線13は、導電性を有する線材である。本実施形態では、三相交流用の巻線13が、絶縁物12を介して各ティース112に集中巻きで巻回されている。つまり、一のティース112には、異なる三相のうちの一に相当する巻線13のみが絶縁物12を介して巻回されている。したがって、図2に示すように、一のスロット113内には、異なる二相の巻線13が絶縁物12に沿って、且つ、周方向に所定の間隔を隔てて配置される。なお、図示を省略しているが、図2において、絶縁物12に接する4箇所に配置された巻線13を点線で結ぶ略台形状の領域内には、多数の巻線13が存在する。
第一実施形態に係るステータ10の要旨とするところは、絶縁物12の第一対向部121とヨーク111の内周Iとの間に隙間Gが形成されていることにある。この隙間Gは、以下のようにして形成される。
ティース112に巻線13が巻回される際、絶縁物12の第二対向部122は、巻線13によって押圧される。つまり、第二対向部122には、ティース112の側面Sに対して垂直方向の力がかかる。図2に示す一のスロット113に着目すると、周方向に隣り合うティース112の側面Sと対向する第二対向部122それぞれに対して、この垂直方向の力がかかることになる。これに伴い、第一対向部121の周方向の両端部が、相反する方向に引っ張られて、ヨーク111の内周Iから離隔する。こうして、第一対向部121とヨーク111の内周Iとの間に隙間Gが形成されるのである。
特に、本実施形態では、第一対向部121の周方向の長さが、ヨーク111の内周Iの周方向の長さよりも短く設計されているため、上述した第一対向部121にかかる張力が、ヨーク111の内周Iから離隔する方向により大きく作用する。このため、巻線13をティース112に巻回する工程に付随させて当該隙間Gを形成することができる。言い換えれば、隙間Gを形成するための工程を省略することができる。したがって、隙間Gを形成するための特別な工程を要することなく、隙間Gを容易且つ確実に形成することが可能であり、通常のステータの製造工程を一切変更する必要がないという利点がある。
次に、第一実施形態に係るステータ10における隙間Gの作用・機能について説明する。図1に示すように、ステータ10は、パイプ等の筒状体3に固定されている。本実施形態では、ステータコア11のヨーク111の外周Oにおいて、スロット113の外側には円弧部O1が、ティース112の外側には直線部O2が、それぞれ周方向に交互に配置されている。このため、筒状体3の内周面と円弧部O1とが互いに接触している。
ステータ10を筒状体3に固定する方法として、例えば、溶接や焼き嵌めなどの方法がある。ステータ10を筒状体3に溶接固定する場合、筒状体3の内周面と円弧部O1との接触部に対して溶接が行われ、不図示の溶接部が形成される。また、ステータ10を筒状体3に焼き嵌めで固定する場合、円弧部O1が高温に加熱された筒状体3の内周面と接触する。したがって、いずれの方法で固定する場合にも、固定作業の際に発生する熱が円弧部O1を通じてステータコア11に伝達される。この伝達熱が、絶縁物12まで達すると、ステータコア11と巻線13との間の絶縁が破壊され、放電や短絡が生じるおそれがある。
絶縁物12は、スロット形成面Pに沿って互いに接触するように(即ち、第一対向部121とヨーク111の内周I、及び第二対向部122とティース112の側面S、それぞれが接触するように)配置されているのが一般的である。スロット113における無駄なスペースを無くし、巻線13の占積率を高めるためである。これにより、回転電機100の小型化・高性能化が実現される。
しかしながら、上述のように巻線13の占積率を高めた場合、絶縁物12とスロット形成面Pとの接触面積も大きくなるため、結果的に、伝達熱の影響を受けやすいという弊害を含むことになる。特に、ティース112の側面Sには、巻線時、巻線13を隈なく巻くことを意図して、テンションが付加されるが、そのテンションは、ティース112の側面S側に付加される。したがって、ヨーク111の内周Iにはテンションがかからない。本実施形態では、ティース112の側面Sに比べて、ヨーク111の内周Iの方が、熱源となる円弧部O1からの距離が近い位置にある。このため、第二対向部122に比べて、第一対向部121の方が、伝達熱の影響を受け易いと考えられる。
これに対して、本実施形態では、第一対向部121とヨーク111の内周Iとの間に隙間Gが形成されている。巻線時にティース112の側面S側に付加される上述のテンションにより、第一対向部121はより確実に引っ張られ、隙間Gが形成される。この隙間Gは、以下のような作用・機能を有する。
第一に、伝達熱の影響を受け易い第一対向部121に対して熱が伝わり難くなる。隙間Gでは空気が熱媒体になるからである。空気の熱電導率は、ステータコア11を構成する電磁鋼板の熱電導率に比べてはるかに低い。このため、第一対向部121がヨーク111の内周Iから少しでも離隔していれば、熱対策としての効果を十分に得られる。言い換えれば、隙間Gが微小でも、第一対向部121に対して熱が伝わり難くなるという作用・機能は十分に発揮される。したがって、隙間Gが巻線13の占積率に大きく影響を与えることはない。また、本実施形態では、隙間Gを設けたことで、第一対向部121に比べて、第二対向部122の方が、伝達熱の影響の受け易くなっている。
第二に、絶縁物12とスロット形成面Pとの接触面積が大幅に低減される。本実施形態において、絶縁物12がスロット形成面Pと接触するのは、ほとんどティース112の側面Sにおいてのみである。ティース112の側面Sは、ヨーク111の内周Iに比べて、ヨーク111の外周O(本実施形態では、円弧部O1)からの距離が長いため、伝達熱による影響が比較的少ない。
このように、隙間Gは、ステータコア11の形状に応じた伝達熱の影響の大きさに関する特性を利用した非常に効果的且つ実用的な熱対策となるのである。本実施形態のステータ10によれば、第一対向部121とヨーク111の内周Iとの間に隙間Gが形成されていることにより、以下のような効果を得ることができる。
即ち、本実施形態のステータ10によれば、隙間Gの上述した作用・機能により、簡単な構成でありながら、絶縁物12に対する伝達熱の影響を大幅に低減することができる。また、スロット形成面Pの形状に関する特別な加工を必要としない。このため、製造の際に複雑な形状の金型を用いる必要もない。さらに、隙間Gの形成が容易であり、且つ、巻線13をティース112に巻回する工程に付随させて確実に形成することができる。したがって、従来のステータ10の製造工程を一切変更する必要がない。
以上、本発明の第一実施形態に係るステータ10について説明したが、本発明に係るステータは、その他の形態で実施することができる。
例えば、第二実施形態として図3に示すステータ20のような形態であってもよい。ステータ20は、絶縁物22a、22bの第二対向部222の径方向の長さが、ステータコア21のティース212の側面Sの径方向の長さよりも短いことを特徴としている。
ステータ20は、ヨーク211が分割部Bにおいて分割された、いわゆる分割型ステータコア21を採用している。分割型ステータコア21は、巻線13を高占積率で巻回可能であるとともに、コア取りが良く、歩留りが高いという利点がある。
本実施形態では、初めに、分割コア21a、21bそれぞれのティース212に絶縁物22a、22bを介して巻線13が集中巻きでそれぞれ巻回される。次に、巻線13が巻回された分割コア21a、21bを、それぞれのヨーク211の周方向の端部に形成された分割部Bが互いに対向するように配置する。そして、ヨーク211の外周において分割部Bを溶接することで、分割コア21a、21bが一体化される。かかる工程を、周方向に隣接するすべての分割コア(図示省略)に対して行うことにより、ステータ20が形成される。
図3に示すように、本実施形態では、絶縁物22a、22bの第二対向部222の径方向の長さが、分割コア21a、21bのティース212の側面Sの径方向の長さよりも短いため、ティース212に巻線13が集中巻きで巻回された時点で、第一対向部221がヨーク211の内周Iからそれぞれ離隔している。このため、分割部Bにおいて溶接が行われる時、ヨーク211の内周Iと各第一対向部221との間には隙間Gが形成されている。したがって、第二実施形態に係るステータ20においても、上述したステータ10により得られる効果と同様の効果を得ることができる。
本実施形態において、第二対向部222の径方向の長さは、ティース212の側面Sの径方向の長さより少しでも短ければよい。巻線13が第二対向部222を押圧する力(即ち、ティース212の側面Sに対して垂直方向の力)のうち、径方向成分に相当する力(即ち、ヨーク211の内周Iから離隔する方向の力)が第一対向部221に対して働くからである。上述の通り、隙間Gは微小であってもその作用・機能を発揮するため、溶接時に第一対向部221がヨーク211の内周Iからごく僅かでも離隔していればよい。
また、第三実施形態として図4に示すステータ30のような形態であってもよい。ステータ30は、絶縁物32a、32bの第一対向部321に、スロット形成面Pを構成するヨーク211の内周Iと接触する突起部323が設けられていることを特徴としている。
本実施形態では、突起部323は、絶縁物32a、32bの第一対向部321の先端部にそれぞれ設けられており、分割部B付近でヨーク211の内周Iと接触している。つまり、ヨーク211の内周Iと接触しているのは突起部323においてのみである。このとき、絶縁物32a、32bそれぞれの突起部323は互いに対向しており、その対向部は分割部Bに一致している。なお、突起部323は、必ずしも先端部に設けられている必要はなく、絶縁物32a、32bの第一対向部321の任意の位置に設けることが可能である。また、突起部323の数も必要に応じて複数設けてもよい。
図4に示すように、本実施形態では、絶縁物32a、32bの第一対向部321にそれぞれ突起部323が設けられているため、ティース212に巻線13が集中巻きで巻回された時点で、第一対向部321がヨーク211の内周Iから離隔している。このため、分割部Bにおいて溶接が行われる時、ヨーク211の内周Iと各第一対向部221との間には隙間Gが形成されている。したがって、第三実施形態に係るステータ30においても、上述したステータ10、20により得られる効果と同様の効果を得ることができる。
特に、本実施形態において、絶縁物32a、32bが、予め所定形状に成形されたインシュレータなどの樹脂成形物である場合には、たとえ第一対向部321に対して径方向の外力が加えられたとしても、ヨーク211の内周Iと第一対向部321とを応力により機械的に離隔させることができる。これにより、スロット113内における巻線13の占積率を向上させることができる。
また、上述したステータ10、20、30において、ティース112、212は、図5に示すティース312のような形態であってもよい。ティース312は、ヨーク部311s及びティース部312sが形成された多数枚のコアシート31s(図6参照)を回転軸方向に積層して成るステータコア(図示省略)を構成するものであり、その側面Sにおいて、一又は複数のコアシート31sのティース部312sが、回転軸方向に隣接する他のコアシート31sのティース部312sの一方又は両方に対して周方向にずれていることを特徴としている。
図5に示すように、本実施形態のティース312は、すべてのコアシート31sにおいて、ティース部312sの幅方向(周方向)両端部のどちらか一方のみが絶縁物12の第二対向部122と接触しており、他方は非接触である。本実施形態のティース312の側面Sには、径方向に延びるスリット状の凹部が積層されたコアシート31sの枚数だけ形成されている。ティース部312sの第二対向部122と接触する側が、一枚ずつ交互に異なるように積層されているためである。なお、ティース部312sは、必ずしも第二対向部122と接触する側を一枚ずつ交互に異ならせて積層する必要はない。例えば、第二対向部122と接触する側が複数枚にわたって同じ側に連続して積層されていてもよい。
ティース312に巻線13が巻回される際、ティース312の側面Sには絶縁物12の第二対向部122が、回転軸方向の両端面にはインシュレータ4がそれぞれ配置される。このとき、ティース312の側面Sにおいて、ティース部312sが第二対向部122と非接触である部分(本実施形態では、スリット状の凹部に相当する部分)には隙間Gが形成されている。
このように、上述したステータ10、20、30において、本実施形態のティース312を採用すれば、スロット形成面Pと絶縁物12との接触面積をさらに減らすことができる。したがって、ティース312の側面Sと第二対向部122との間に形成される隙間Gの作用・機能により、絶縁物12に対する伝達熱の影響を更に低減することが可能となる。また、従来のように、コアシート31sにおけるスロット形成面Pに凹凸を設けなくてもよいので、磁路としての機能的な制限を受けることもない。これにより、磁気飽和の発生を回避することができる。
本実施形態のティース312は以下のようにして形成することができる。例えば、図6に示すように、大きさの異なる2種類のスロット(第一スロット313a、第二スロット313b)が周方向に交互に設けられた一体型のコアシート31sを、周方向にスロットピッチ(360度をスロット数で除した角度)で相対的に回転させながら、または、周方向にスロットピッチで揺動させながら積層すればよい。このように形成すれば、ティース312の周方向の幅をすべて一定に形成することができる。
あるいは、スロットの大きさがすべて同一の一体型コアシートを用いてもティース312を形成することができる。この場合、各コアシートを周方向に微小角度だけ揺動させながら積層すればよい。このように形成しても、上述のようにティース312の周方向の幅をすべて一定に形成することができる。なお、ヨークの内周が同一円周上に位置するようにコアシートを形成すれば、スロットの底部(即ちヨークの内周)に段差が形成されないため、より確実に絶縁物12の第一対向部121との接触を回避できる点で好ましい。
さらに、本実施形態のティース312は、図3及び図4に示すような分割型のステータコア21に採用してもよい。この場合にも、上述と同様に、各分割コアシートを周方向に微小角度だけ揺動させながら積層すればよい。ティース312をステータコア21に採用すれば、ヨーク211の分割部Bにも凹凸が形成される。これにより、分割部Bの短絡に起因する渦電流の発生を防止することができる。
また、図7に示すティース412のような形態であってもよい。ティース412は、その側面Sにおいて、ティース部412sと絶縁物12とが互いに接触しているコアシートと、ティース部412sと絶縁物12とが非接触であるコアシートと、を備えることを特徴としている。
図7に示すように、本実施形態のティース412は、絶縁物12の第二対向部122と非接触のティース部412sが、回転軸方向にコアシート二枚分連続して積層されており、その両側に絶縁物12の第二対向部122と接触するティース部412sが配置されるように規則的に積層されている。なお、この積層順は特に限定されるものではない。例えば、第二対向部122と非接触のティース部412sと、第二対向部122と接触するティース部412sとがコアシート一枚ごとに交互に積層されていてもよく、あるいは、これらのいずれか一方又は両方がコアシート二枚分以上連続して積層されていてもよい。
ティース412に巻線13が巻回される際、ティース412の側面Sには絶縁物12の第二対向部122が、回転軸方向の両端面にはインシュレータ4がそれぞれ配置される。このとき、ティース412の側面Sにおいてティース部412sが第二対向部122と非接触である部分には隙間Gが形成されている。このように、上述したステータ10、20、30において、本実施形態のティース412を採用した場合にも、上述したティース312と同様の効果を得ることができる。
本実施形態のティース412は以下のようにして形成することができる。例えば、ステータコアに設けられたティースの数が奇数である場合において、大きさの異なる2種類のスロット(例えば、図6に示す第一スロット313a(以下、大と示す)、第二スロット313b(以下、小と示す))を、周方向に、大・大・小・大・大・小...の順に設けられた一体型のコアシート(図示省略)を周方向にスロットピッチ(360度をスロット数で除した角度)で相対的に回転させながら積層すればよい。あるいは、コアシートごとにティース部412sの幅寸法を規則的に異ならせて打抜き形成し、これを打抜き順に積層して形成することもできる。
さらに、図8に示すティース512のような形態であってもよい。ティース512は、上述したティース312の変形例であり、ティース512の側面Sが傾斜面となるようにコアシートのティース部512sが積層された、いわゆるスキューティースである。本実施形態のティース512によれば、絶縁物12の第二対向部122との隙間Gは微小なものになるが、ティース部512sと第二対向部122が点接触になるので、面接触のティースに比べて接触面積を更に低減することができる。
上述した本発明の各実施形態に係るステータは、いずれも集中巻きステータに限定されるものであり、分布巻きステータは含まれない。その理由は、以下の通りである。
分布巻きステータは、巻線を環状に束ねて形成された空芯コイルを有し、異なる相の空芯コイルが径方向に重ねられて一のスロットに収容されたステータである。分布巻きステータでは、スロット内に収容された空芯コイルは、その回転軸方向の両端部が径方向に引き出される。ロータを配設するためのスペースを確保するためである。このとき、スロットの底部に位置する絶縁物は、空芯コイルによって径方向に押圧される。これに伴い絶縁物がヨークの内周に密着してしまう。このため、ヨークの内周と絶縁物との間に隙間が形成されていたとしても、上述のような作用・機能が十分に発揮されないからである。
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
例えば、第一実施形態に係るステータ10に設けられた絶縁物12の第一対向部121に、図4に示すような突起部323が設けられていてもよい。このように、各実施形態の特徴点を適宜組み合わせた形態で実施することが可能である。
1:回転軸
2:ロータ
3:筒状体
10、20、30:ステータ
11、21:ステータコア
12、22a、22b、32a、32b:絶縁物
13:巻線
111、211:ヨーク
112、212、312、412、512:ティース
113、313a、313b:スロット
121、221、321:第一対向部
122、222、322:第二対向部
31s:コアシート
311s:ヨーク部
312s、412s、512s:ティース部
G:隙間

Claims (5)

  1. 環状のヨークの内周から径方向に突出する複数のティースを有し、周方向に隣り合う該ティースの間にスロットが設けられたステータコアと、
    前記スロット内に配置され、前記ヨークの内周と対向する第一対向部と、前記ティースの側面と対向する第二対向部とを有する絶縁物と、
    前記絶縁物を介して前記ティースに集中巻きで巻回される巻線と、を備え、
    前記第二対向部の径方向の長さが、前記ティースの側面の径方向の長さよりも短く、
    前記ヨークの内周と、前記絶縁物の前記第一対向部との間に隙間が形成されていることを特徴とするステータ。
  2. 前記第一対向部の周方向の長さが、前記ヨークの内周の周方向の長さよりも短いことを特徴とする、請求項1に記載のステータ。
  3. 前記第一対向部に、前記ヨークの内周と接触する突起部が設けられていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のステータ。
  4. 前記ステータコアが、ヨーク部及びティース部が形成された複数のコアシートを回転軸方向に積層して成り、
    前記ティースの側面において、一又は複数のコアシートのティース部が、回転軸方向に隣接する他のコアシートのティース部の一方又は両方に対して周方向にずれていることを特徴とする、請求項1から請求項のいずれか一つに記載のステータ。
  5. 前記複数のコアシートが、
    前記ティースの側面において、前記ティース部と前記絶縁物とが互いに接触している前記コアシートと、前記ティース部と前記絶縁物とが非接触である前記コアシートと、を備えることを特徴とする、請求項に記載のステータ。
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