JP5708310B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は基板にレジストを塗布し、現像を行う基板処理装置及び基板処理方法に関する。
半導体製造工程の一つであるフォトレジスト工程は、基板の表面にフォトレジストを塗布し、露光後の基板を現像処理する塗布、現像装置に露光機を接続して行われる。塗布、現像装置では。露光機側で要求される温度に合わせて温調プレートにより、例えば23℃に調整している。この温度調整は温調プレートと温調部との間を循環する温調水の温度を随時検出し、予め設定した設定温度との偏差に基づいて温調部を介して温調水の温度をコントロールすることにより行われる。
しかしながら塗布、現像装置内のプロセスモジュール例えば加熱モジュールの温度の変更等により、インターフェイスブロック内の雰囲気温度が変動し、このため温調プレートで温調された基板が露光機へ搬送される途中で基板の温度が変動してしまう場合がある。
一方、露光機では、集積回路の高集積化によるパターンの微細化に伴って、より高い解像度が要求されるようになり、基板温度についてより一層の厳密な管理が要求される。従って、露光機に搬入された基板に対して速やかに露光を行うためには、基板の温度を塗布、現像装置内にて事前に露光機側で要求される温度スペックに調整しておくことが必要になる。このような要求に応えるために、インターフェイスブロック全体の雰囲気温度をTHC(温湿度調整装置)で高精度に調整する手法もあるが、高コストを伴うため得策とは言い難い。
特許文献1では、塗布処理前に温調された基板を、塗布ユニットまで搬送する途中で雰囲気温度の影響を受けるという課題に対し、雰囲気温度を検出して検出結果に基づいて基板温調装置で温調される基板の温度を調整している。しかしながら露光機に搬入する直前の、基板の温度の変動に関しては解決していない。
特開2001−244193
本発明はこのような事情の下になされたものであり、基板に対してレジストの塗布、現像処理を行う基板処理装置において、インターフェイスブロック内の雰囲気温度の変動にかかわらず基板の温度を露光機にて要求されている温度に精度よく設定できる基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
発明の基板処理装置は、基板にレジストを塗布するプロセスモジュールと、レジスト膜が形成された基板を露光機との間で受け渡すためのインターフェイスブロックと、このインターフェイスブロックを介して露光機から戻ってきた基板に対して現像処理を行うプロセスモジュールと、を備えた塗布、現像装置である基板処理装置において、
前記インターフェイスブロックに設けられ、レジスト膜が形成された基板の温度を露光機にて要求されている温度に設定するために、当該基板を載置して温調するための温調プレートと、
前記インターフェイスブロックに設けられ、温調された基板を前記温調プレートから受け取って露光機側に受け渡すための基板搬送機構と、
前記温調プレートの温度を調整するための温調機構と、
前記温調プレートの温度に対応する部位の温度を検出する第1の温度検出部と、
この第1の温度検出部の温度検出値と予め設定された温度設定値とに基づいて前記温調機構を制御する制御部と、
前記基板搬送機構により基板が搬送される雰囲気の温度または当該雰囲気を搬送された基板の温度を検出する第2の温度検出部と、
この第2の温度検出部の温度検出値に基づいて、温調後の基板が温調プレートから露光機側の基板載置部に搬送されるまでの搬送時間を調整する搬送時間調整部と、を備えたことを特徴とする。



本発明によれば、温調プレートを介して温調された基板をインターフェイスブロックから露光機に搬送するにあたって、インターフェイスブロック内の雰囲気温度を検出し、あるいは露光機へ向かう基板の温度を検出し、検出結果に基づいて温調プレートの設定温度、雰囲気中の基板の滞在時間あるいは温調プレートに供給される温調流体の流量を調整をしているため、インターフェイスブロック内の雰囲気温度が変動しても、基板を露光機の要求する温度に高い精度で調整できる。
本発明の基板処理装置の一例の全体構成を示す平面図である。 前記基板処理装置の概略を示す斜視図である。 前記基板処理装置を示す縦断側面図である。 前記基板搬送装置に用いられるインターフェイスブロックの一部を示す斜視図である。 インターフェイスブロックの基板温調装置の構成と制御方法を示す説明図である。 インターフェイスブロック内の雰囲気温度と温調設定温度を示す特性図である。 雰囲気温度による基板の温調工程の比較を示す説明図で、雰囲気温度が23℃の場合と、27℃の場合と、を示す。 第1の実施の形態の変形例に係るインターフェイスブロック内の雰囲気温度と温調水の循環流量を示す特性図である。 第1の実施の形態の変形例に係る基板温調装置の構成と制御方法を示す説明図である。 第2の実施の形態に係るインターフェイスブロック内の雰囲気温度と搬送アームによる搬送速度を示す特性図である。 第2の実施の形態に係るインターフェイスブロック内の雰囲気温度と搬送アームによる搬送速度を示す特性図である。 第2の実施の形態に係る基板温調装置の構成と制御方法を示す説明図である。 他の実施の形態におけるインターフェイスブロックを示す斜視図である。 他の実施の形態に係る基板温調装置の構成と制御方法を示す説明図である。
[第1の実施の形態]
本発明に係る基板処理装置の実施の形態を述べるにあって、装置の全体構成について簡単に説明する。基板処理装置である塗布、現像装置は、図1〜図3にキャリアブロックS1と中間ブロックS11と処理ブロックS2とインターフェイスブロックS3とを直線状に接続して構成されている。インターフェイスブロックS3にはさらに露光機S4が接続されている。
キャリアブロックS1は、同一ロットの基板であるウエハWを複数枚含むキャリアCを塗布、現像装置内に搬入出する役割を有し、キャリアCの載置台11と、開閉部12と、この開閉部12を介してキャリアCに対してウエハWの受け渡しを行う受け渡しアーム13とを備えている。受け渡しアーム13はキャリアブロックS1に載置されたキャリアCと棚ユニットU7のステージとの間のウエハWの受け渡しを行う役割を持っている。
処理ブロックS2はウエハWに液処理を行うための第1〜第6の単位ブロックB1〜B6が下から順に積層されて構成されている。図2において各単位ブロックB1〜B6に付したアルファベット文字は、処理種別を表示しており、BCTは反射防止膜形成、COTはレジスト膜形成、TCTは保護膜形成、DEVは現像処理を表している。なおB1、B2ではキャリアブロックS1寄りでBCTが行われ、インターフェイスブロックS3寄りでCOTが行われることを示している。
各単位ブロックB1〜B6の搬送領域にはウエハWの搬送機構が設けられ、対応する単位ブロック内の全てのモジュール間でウエハWの受け渡しを行うことができる。なお、各単位ブロックB1〜B6の前記搬送機構はメインアームA1〜A6として図3に示している。
図1は単位ブロックB1を示している。なお単位ブロックB2は単位ブロックB1と同様の構成である。単位ブロックB1には、キャリアブロックS1からインターフェイスブロックS3へ向かう直線状の搬送領域の右側には、液処理モジュール20である反射防止膜形成モジュールと,レジスト塗布モジュールと、があり、左側に加熱モジュール(冷却機能付きの加熱モジュールも含む)22が配置される。
単位ブロックB3〜B6は液処理モジュール20の薬液が異なることを除き同様に構成される。各液処理モジュール20はウエハWを処理するための2つのカップ21を備え、薬液供給ノズルより薬液を供給し、スピンコーティングにより夫々反射防止膜形成用の薬液、レジスト膜形成用の薬液、保護膜形成用の薬液および現像液をウエハに塗布する。
搬送領域のキャリアブロックS1側には、中間ブロックS11が接続され、互いに積層された複数のモジュールにより構成されている棚ユニットU7が設けられている。これらのモジュールに、温調プレートCPLと、バッファモジュールBU、ウエハ表面を疎水化させる疎水化処理モジュールADHなどが含まれる。棚ユニットU7における各モジュール間のウエハWの搬送は、受け渡しアーム30を介して行われる。
この塗布、現像装置では、キャリアCにより搬送されたウエハWは受け渡しアーム13により、処理ブロックS2に搬送され、反射防止膜形成(BCT)モジュール→レジスト膜形成(COT)モジュール→上側の反射防止膜形成(TCT)モジュールの順に搬送され、インターフェイスブロックS3を介して露光機S4へと搬送され露光処理が行われる。
露光後のウエハWはインターフェイスブロックS3を介して現像モジュールDEVへと搬送されて現像処理が行われ、棚ユニットU7、受け渡しアーム30を介してキャリアブロックS1のキャリアCへと戻される。
続いて、インターフェイスブロックS3の構成について説明する。インターフェイスブロックS3は棚ユニットU8を備えており、棚ユニットU8の左側及び右側には夫々棚ユニットU9、棚ユニットU10が設けられている。
棚ユニットU8は受け渡しモジュールTRS、温調プレート53、バッファモジュール群が互いに積層されて構成されている。棚ユニットU8、U9間には第1の搬送アーム3Aが設けられている。また棚ユニットU8、U10間には第2の搬送アーム3Bが設けられている。また棚ユニットU8と露光機S4との間の領域には、第3の搬送アーム3Cが設けられている。各搬送アーム3A〜3Cは昇降自在な基台32と、基台32上を鉛直軸回りに回転自在な回転台33と、回転台33上を進退自在なウエハ支持部34と、を備えており、基板搬送機構を構成している。
インターフェイスブロックS3は、図4に示すように露光機S4側のパネルに形成される開閉可能な搬送口6を通して第3の搬送アーム3Cにより、温調プレート53と露光機S4との間、例えばS4のステージ61でウエハWが受け渡されるように構成されている。
図5に示すように温調プレート53は、温調流体である温調水を循環するための循環路をなす配管54が設けられ、温調水により温調されるようになっている。この配管54は温調プレート53と温調部であるチラー5内に設置されたポンプ90を介して引き回され、チラー5により温調された温調水が温調プレート53に供給されるように構成されている。チラー5は冷却部51及び加熱部52を備え、これらの加熱作用及び冷却作用の組み合わせにより温調水の温調が行われる。この例では配管54、及びチラー5は温調機構に相当する。後述するように温調プレート53の下方側には図示しない昇降機構が設けられ、この昇降機構により図示しない昇降ピンが温調プレート53内を昇降してウエハWを温調プレート53に載置される位置と上方位置との間で昇降できるようになっている。
配管54には、温調水の温度を検出する第1の温度検出部70が設けられ検出値はコントローラ8へ送られる。コントローラ8は後述の主制御部4により設定された温度設定値と前記温度検出値との偏差分を加算部(突合せ回路)82にて求め、この偏差分を例えばPID演算部81にて、PID演算処理してチラー5に操作量を出力し、この操作量により例えば加熱部52の発熱量を操作して、温調水の温度が設定値になるように制御している。この例では主制御部4とコントローラ8とにより制御部が構成されている。
図4に戻ってインターフェイスブロックS3の上部にはFFU100が設けられ、このFFU100により、クリーンルームのエアが供給されている。
「背景技術」の項目に述べたように、FFU100にて管理されている雰囲気の温度が露光機S4側で要求される温度範囲から外れて変動する場合があることから、インターフェイスブロックS3内(搬送領域)の雰囲気温度を検出するための第2の温度検出部7が設けられている。図5において、4はコンピュータからなる主制御部である。図5中の41はバスであり、バス41にはCPU42、雰囲気温度に対応する配管54の設定値のデータテーブルを記憶しておくメモリ43、設定値の読み出し等を行うプログラム44が接続されている。なおプログラム44はプログラム格納部に格納されているが、図5では略記している。前記プログラム44は、例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)、メモリーカードなどの記憶媒体により格納されて主制御部4にインストールされる。
メモリ43内のデータテーブルは図6にイメージで示すように、第2の温度検出部7の温度検出値(雰囲気温度)を横軸に、配管54内の水温の温度設定値を縦軸に夫々とったグラフであり、雰囲気温度が高く(低く)なるにつれて水温の温度設定値が低く(高く)なるように設定されている。プログラム44は、第2の温度検出部7の温度検出値に応じて前記データテーブルから水温の設定値を読み出し、コントローラ8に出力するステップ群を備えている。この例ではプログラム44及びデータテーブルにより、温度設定値を調整するための設定値調整部が構成される。
次に上述実施の形態の作用について説明する。キャリアブロックS1に搬入されたキャリアCから取り出されたウエハWは、処理ブロックS2にて例えば反射防止膜及び、レジスト膜が形成され、インターフェイスブロックS3に搬送される。そしてこのウエハWは図4に示すように露光機S4内の雰囲気温度に事前に調整するために、温調プレート53上に載置される。温調プレート53を温調するための温調水は、第1の温度検出部70により、常時温度がモニターされており、既述のようにチラー5により、設定温度に維持されるようにコントロールされている。即ち温調水の設定温度は、露光機S4側で要求される温度(目標温度)、例えば23℃になっている。一方このウエハWが露光機S4側に搬送される雰囲気は例えば23℃になっており、従って温調プレート53の温度が23℃であれば図7にイメージを示すように23℃に温調されたウエハWが23℃に温調された雰囲気を通って露光機S4内に搬入されるのでウエハWの温度は露光機S4側で要求される、例えば23℃に収まる。
ここで例えばウエハWのロットの切り替えにより、処理ブロックS2とインターフェイスブロックS3との間に介在している加熱モジュール22の設定温度が高くなり、インターフェイスブロックS3内の温度が例えば27℃まで上昇したとすると、第2の温度検出部7の温度検出値が4℃(27℃−23℃)上昇する。このため主制御部4から出力される温度設定値が図6に示すように23℃よりもa1だけ小さくなり、従って、温調プレート53を介して温調されたウエハWも(23℃−a1)となる。なおこの実施の形態における説明では、温調プレート53に搬入される前のウエハWの想定温度範囲に対して、ウエハWを温調プレート53に載置したときにいずれの場合にもウエハWが23℃になるように載置時間が決められているものとしている。
この結果、図7で示すように、搬送アーム3Cにより温調プレート53から露光機S4まで搬送される間に(23℃−a1)と雰囲気温度である27℃との温度差に応じた昇温速度でウエハWの温度が上昇し、露光機S4内に搬入されたウエハWの最終的な温度はウエハWの搬送時間に応じて決まる。従ってプロセス前に実際にウエハWを搬送して、あるいはシミュレーションにより、ウエハWの温度、雰囲気温度及び搬送速度の関係を取得してウエハWが露光機S4に搬入されたときの温度が露光機S4内で要求される温度範囲内になるように図6に示す設定温度データを決めておくことにより、雰囲気温度が27℃であっても露光機S4内に搬入されるときのウエハWの温度は23℃±0.2℃以内の範囲に収まる。
また逆に例えばウエハWのロットの切り替わり時に加熱モジュール22の設定温度が低くなり、インターフェイスブロックS3の雰囲気温度が23℃よりも低くなった場合、例えば19℃になった場合には温調水の設定温度は図6に示すようにa2だけ大きくなる。このため温調プレート53により温調されたウエハWの温度も(23℃+a2)となり、温度の低下とウエハWの温度の上昇とが相俟って、結果として露光機S4に搬入されるウエハWの温度が23℃±0.2℃以内の範囲内に収まることとなる。
上述の実施の形態によれば、温調プレート53に供給する温調水の温度を設定温度となるようにコントロールして、温調プレート53を介してウエハWの温調を行うにあたり、温調後のウエハWが露光機S4に搬送されるインターフェイスブロックS3内の領域の温度を検出し、その検出温度値に応じて、温調水の設定温度を調整するようにしているため、雰囲気温度が変動しても、露光機S4に搬入されるときの基板の温度の一定化を図ることができる。露光機S4側で要求される温度範囲はパターンの微細化に伴い益々厳しくなる傾向にあるが、こうした厳しい要求に応えることができる高性能な塗布、現像装置を構築することができる。
更に第1の実施の形態の変形例を述べておく、この例では、温調水の循環路である配管54にマスフローコントローラ(MFC)94を設け、温調水の流量(循環流量)を雰囲気温度に基づいて調整している。主制御部4のメモリ43内に記憶されるインターフェイスブロックS3内の雰囲気の温度検出値と温調水の循環流量Qとの関係は図8に示すように雰囲気温度が目標から外れるに伴い(雰囲気温度が目標温度よりも高くなるあるいは低くなるに伴い)循環流量Qが大きくなるように規定される。即ち雰囲気温度が目標温度に収まっているときには循環流量が予め設定された流量Q1になっており、雰囲気温度が目標温度から外れると流量がQ1よりも大きくなる。
循環流量Qの調整は図9に示すように主制御部4のプログラム44がメモリ43内の関係データから雰囲気温度に対応する循環流量Qを読み出し、この循環流量Qをマスフローコントローラ94に指示することにより行われる。メモリ43内の前記関係データ、プログラム44及びマスフローコントローラ94は流量調整部を構成している。今、雰囲気温度が23℃、温調水の循環流量Qの設定値がQ1であるときに、露光機S4内に搬入されるウエハWの温度が、例えば23℃±0.2℃以内に収まっているとする。雰囲気温度が23℃よりも高くなると既述のように温調水の設定温度が低くなり、チラー5により温調水が冷却される。そして温調水の循環流量QがQ1よりも大きくなり、温調プレート53の温度を速やかに低下させる、また逆に雰囲気温度が23℃±0.2℃よりも低下したときに温調水の温度は高くなるが、この場合にも循環流量QがQ1よりも大きくなり、温調プレート53の温度を速やかに上昇させる。このため雰囲気温度変化による温調プレート53の追従性が良くなることから、第1の実施の形態の効果をより一層発揮できる。なお温調水と雰囲気温度との関係はリニアな関係でなくとも例えば雰囲気温度が目標温度から外れるにつれて段階的に増えるようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態では、インターフェイスブロックS3の雰囲気温度に基づいて、搬送アーム3Cが温調プレート53上のウエハWを受け取ってから搬送口6を介して、露光機S4内のステージ61に搬送するまでの搬送時間を調整している。この搬送時間はインターフェイスブロックS3の雰囲気中にウエハWが滞在している時間ということができる。
主制御部4のメモリ43内に記憶される、インターフェイスブロックS3内の雰囲気の温度検出値と搬送時間との関係を示すデータは、温調プレート53の温度により変わってくる。例えば温調プレート53の温度を23℃に設定した場合には、雰囲気温度が目標温度である23℃±0.2℃のときの搬送時間に比べて、雰囲気温度が23℃よりも高く、あるいは低い場合の搬送時間が短くなるように前記データが作成される。搬送時間の調整としては、例えば搬送アーム3Cの搬送速度を調整する手段が挙げられる。搬送速度を速くすると軸受けの摩耗等により搬送アーム3Cの使用寿命が短くなる場合には、雰囲気温度が目標温度になっている(収まっている)場合には、例えば搬送アーム3Cのメーカーが推奨している搬送速度C1(搬送速度と使用寿命のバランスが取れている適切な速度)に設定し、雰囲気温度が目標温度から外れている場合には、搬送速度をC1より速くするように制御される。「搬送速度をC1よりも速くするとは」図10に示すように雰囲気温度が目標温度よりも高温側、低温側において搬送速度が例えば直線的に増加する関係であってもよいし、あるいは図11に示すように段階的に増加する関係であってもよい。
雰囲気温度が目標温度から外れることが少ない装置においては、雰囲気温度が目標温度から外れたときには、搬送アーム3Cの使用寿命という観点からは望ましくないかもしれない、搬送アーム3Cの高速運転を行うことになるが、それによってウエハWに対して良好な露光が行えるという、塗布現像装置の本来の機能を維持することができることから、この手法は有効である。
搬送時間の調整は図12に示すように、主制御部4のプログラム44がメモリ43内の前記関係データから雰囲気温度に対応する搬送時間を読み出し、搬送アーム3Cの駆動系93を介して行われる。駆動系93を介して行われるとは搬送アーム3Cを動作させるためのモータの速度を調整することをいう。
なお雰囲気温度が通常目標温度よりも高く、そのため温調プレート53によるウエハWの設定温度を前記目標温度よりも低く設定している装置に対しても、第2の実施の形態の手法を適用してもよい。例えば温調プレート53の設定温度が22℃である場合雰囲気温度が24℃のときに搬送アーム3Cによる搬送速度をCnとすると、雰囲気温度が24℃よりも高いときに搬送速度をCnよりも大きくし、24℃よりも低いときには搬送速度をCnよりも小さくするといった手法が挙げられる。ただし雰囲気温度がある温度よりも低くなるとアラームを出すことになる。
またウエハWを前記雰囲気中に滞在する時間の調整は、温調プレート53から一旦雰囲気中の載置部に載置し、この載置部に載置している時間を調整する場合や搬送アーム3Cの搬送は等速で行い、途中でその搬送を一旦停止させ、その停止時間を調整する場合も含まれる。
上述の第1及び第2の実施の形態において、図13及び図14に示すように露光機S4へウエハWを搬入するための搬送口6に臨む領域の上方にサーモビューア(二次元放射温度計)71を設置し、露光機S4に搬入する直前のウエハWの温度を検出するようにしてもよい。この場合サーモビューア71からウエハWの表面の二次元の温度分布データが主制御部4に取り込まれ、主制御部4ではプログラム44により、例えばウエハWの表面の平均温度が求められる。そして第1及び第2の実施の形態において、主制御部4のメモリ43には、記憶されているインターフェイスブロックS3の雰囲気温度(第2の温度検出部7の温度検出値と図6、図8、図10及び図11に示されているグラフの縦軸であるパラメータとの関係データについて雰囲気温度に代えて、ウエハWの表面の平均温度が用いられる。例えば第1の実施の形態に対応させると、ウエハWの前記平均温度と温調水の設定温度との関係を規定したデータが記憶され、ウエハWの前記平均温度に応じて温調水の設定温度が調整されることになる。
この例においても先の実施の形態と同様の作用効果が得られる。なおウエハWの温度の測定についてはウエハWが露光機S4に搬入された直後であってもよく、例えば搬送アーム3Cが搬入口6を介して、露光機S4内のステージ61に載置したウエハWに対してサーモビューア71により温度を測定してもよい。更にまたサーモビューア71の代わりにスポット領域を測定する放射温度計を用い、この放射温度計によりウエハWの中心部の温度を検出し、その温度検出値をウエハWの温度として評価して、前記平均温度に代えてもよい。
また本発明は、第1及び第2の実施の形態の手法を組み合わせてもよい。例えば露光機S4に搬入されるウエハWの温度を調整するために搬送アーム3Cの搬送速度を調整した場合、搬送アーム3Cの駆動系の性能の限界などにより、搬送速度の変更のみではウエハWの温度を適切な温度に調整できない可能性がある。そこで第1の実施の形態と組み合わせ、温調プレート53の設定温度も合わせて変更するようにしてもよい。
W 半導体ウエハ
S1 キャリアブロック
S2 処理ブロック
S3 インターフェイスブロック
S4 露光機S4
S11 中間ブロック
4 主制御部
5 チラー
53 温調プレート
6 搬送口
7 温度検出部
8 コントローラ

Claims (2)

  1. 基板にレジストを塗布するプロセスモジュールと、レジスト膜が形成された基板を露光機との間で受け渡すためのインターフェイスブロックと、このインターフェイスブロックを介して露光機から戻ってきた基板に対して現像処理を行うプロセスモジュールと、を備えた塗布、現像装置である基板処理装置において、
    前記インターフェイスブロックに設けられ、レジスト膜が形成された基板の温度を露光機にて要求されている温度に設定するために、当該基板を載置して温調するための温調プレートと、
    前記インターフェイスブロックに設けられ、温調された基板を前記温調プレートから受け取って露光機側に受け渡すための基板搬送機構と、
    前記温調プレートの温度を調整するための温調機構と、
    前記温調プレートの温度に対応する部位の温度を検出する第1の温度検出部と、
    この第1の温度検出部の温度検出値と予め設定された温度設定値とに基づいて前記温調機構を制御する制御部と、
    前記基板搬送機構により基板が搬送される雰囲気の温度または当該雰囲気を搬送された基板の温度を検出する第2の温度検出部と、
    この第2の温度検出部の温度検出値に基づいて、温調後の基板が温調プレートから露光機側の基板載置部に搬送されるまでの搬送時間を調整する搬送時間調整部と、を備えたことを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記温調機構は、温調流体が循環する循環路と、この循環路に設けられ、前記制御部からの制御信号に基づいて温調流体の温度を調整するための温調部と、を備え、
    前記第1の温度検出部は、前記温調流体の温度を検出するためのものであることを特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
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