JP5706348B2 - 天井用目地装置 - Google Patents

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本発明は目地部を介して設けられた左右の建物の天井部分の目地部を覆う天井用目地装置に関する。
従来、この種の天井用目地装置は地震で目地部が狭くなるように左右の建物が揺れ動いた場合に、目地部を覆っていた天井目地カバーの先端部を上方へ突出するように回動させて、その揺れ動きを吸収する構造になっている。
このため、目地部側に下方へ突出する梁や目地部側に下方へ突出する突出躯体の障害物が形成されていると、地震で目地部が狭くなるように左右の建物が揺れ動いた場合、天井目地カバーの先端部が上方へ回動して、障害物と衝突して損傷するため、このような所には設置することができなかった。
特許第3408181号公報
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、目地部側に下方へ突出する障害物が形成されて、該障害物と天井材との間の隙間が小さくても、目地部をきれいに覆い、かつ目地部が狭くなっても、損傷することなく、その揺れ動きを吸収することができる天井用目地装置を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は一方の建物の目地部側に下方へ突出する障害物が形成され、かつ下部が該障害物の下部より下方に位置する吊り下げ具によって吊り下げ固定された先端部が目地部側端部まで位置し、下部が外方へ突出する傾斜面に形成された天井材と、この天井材の先端部の傾斜面と当接する他方の建物の壁面との間の目地部を覆う目地天井カバーと、この目地天井カバーの後端部を支持する前記他方の建物の壁面に取付けられた目地天井カバー支持具と、前記目地天井カバーの中央部寄りの部位を吊り下げ状態で保持する、前記他方の建物の壁面に取付けられた保持機構と、地震で目地部が狭くなり、前記目地天井カバーの先端部が前記天井材に乗り上げた場合に、該目地天井カバーの先端部が前記障害物に衝突しないよう上方へ突出するのを阻止するように、該目地天井カバーの後端部を上方へ移動させる後端部移動機構とからなる天井用目地装置において、前記目地天井カバー支持具は目地天井カバーの後端部が下方へ移動しないように支持する支持部および、目地天井カバーの後端部を順次上方へスライド移動させる傾斜面が形成された他方の建物の壁面に取付けられた支持体と、目地天井カバーの後端部が他方の建物の壁面から必要以上離れるのを阻止し、かつ該目地天井カバーの後端部を前記傾斜面にスライド移動させることができる保持具とで天井用目地装置を構成している。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、地震により目地部が狭くなるように左右の建物が揺れ動いた場合に、目地天井カバーの先端部が天井材に乗り上げるとともに、後端部移動機構で目地天井カバーを上方へ移動させることができる。
したがって、目地天井カバーが天井材に乗り上げて先端部が上方へ突出しようとすると、後端部移動機構によって目地天井カバーの後端部が上方へ移動して、先端部が上方へ突出するのを阻止できる。
よって、天井材と障害物との間の隙間が小さくても、目地天井カバーを損傷なく設置することができる。
(2)前記(1)により、地震で目地部が狭くなる揺れ動き時に、目地天井カバーの後端部を後端部移動機構で上方へ移動させるので、従来のように目地天井カバーの支点位置の変化によって移動するものに比べ、スムーズに衝撃なく移動させることができる。
(3)前記(1)によって、他方の建物の壁面に後端部移動機構を設置できるので、寸法的に余裕のある場所であるため、容易で、楽に取付けることができる。
(4)前記(1)によって、目地天井カバーの後端部が下方へ移動しないように支持する支持部および、目地天井カバーの後端部を順次上方へスライド移動させる傾斜面が形成された他方の建物の壁面に取付けられた支持体と、目地天井カバーの後端部が他方の建物の壁面から必要以上離れるのを阻止し、かつ該目地天井カバーの後端部を前記傾斜面にスライド移動させることができる保持具とからなる目地天井カバー支持具を用いているので、目地天井カバーの先端部を天井材7の先端部の傾斜面6と、目地天井カバー9の後端部を目地天井カバー支持具10の傾斜面20とでほぼ水平状態で上方へ押し上げることができ、構造が簡単で、容易に設置することができる。
(5)請求項2も前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、目地天井カバーの必要以上の移動を効率よく阻止することができる。
本発明を実施するための第1の形態の平面図。 図1の2−2線に沿う断面図。 図1の3−3線に沿う断面図。 本発明を実施するための第1の形態の目地部が狭くなりはじめの状態の説明図。 本発明を実施するための第1の形態の目地部が狭くなった状態の説明図。 本発明を実施するための第1の形態の目地部が広くなった状態の説明図。 本発明者が考えた天井用目地装置の平面図。 図7の8−8線に沿う断面図。 本発明者が考えた天井用目地装置の目地部が狭くなった状態の説明図。 本発明者が考えた天井用目地装置の平面図。 図10の11−11線に沿う断面図。 本発明者が考えた天井用目地装置の目地部が狭くなった状態の説明図。 本発明を実施するための第2の形態の平面図。 図13の14−14線に沿う断面図。 本発明を実施するための第2の形態の目地部が狭くなった状態の説明図。 本発明を実施するための第3の形態の平面図。 図16の17−17線に沿う断面図。 本発明を実施するための第3の形態の目地部が狭くなった状態の説明図。 本発明を実施するための第4の形態の平面図。 図19の20−20線に沿う断面図。 図19の21−21線に沿う断面図。
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1ないし図6に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた左右の建物3、3の天井部位の目地部を覆う本発明の天井用目地装置で、この天井用目地装置1は一方の建物3の目地部2側に下方へ突出する梁や目地部2側に下方へ突出する突出躯体等の障害物4が形成され、かつ下部が該障害物4の下部より下方に位置する吊り下げ具5によって吊り下げ固定された先端部が目地部2側端部まで位置し、下部が外方へ突出する傾斜面6に形成された天井材7と、この天井材7の先端部の傾斜面6と当接する傾斜面8に形成され、かつ他方の建物3の壁面3aとの間の目地部2を覆う目地天井カバー9と、この目地天井カバー9の後端部を支持する前記他方の建物3の壁面3aに取付けられた目地天井カバー支持具10と、前記目地天井カバー9の中央部寄りの部位を吊り下げ状態で保持する前記他方の建物3の壁面3aに取付けられた目地天井カバー保持具10と、前記目地天井カバー9の中央部寄りの部位を吊り下げ状態で保持する前記他方の建物3の壁面3aに取付けられた保持機構11と、地震で目地部2が狭くなり、前記目地天井カバー9の先端部が前記天井材7に乗り上げた場合に、該目地天井カバー9の先端部が前記障害物4に衝突しないように上方へ突出するのを阻止するように該目地天井カバー9の後端部を上方へ移動させる後端部移動機構12とで構成されている。
前記天井材7の先端部には、該先端部を保護するとともに、前記目地天井カバー9の先端部を支持するカバー部材13が取付けられている。
前記目地天井カバー9は前記天井材7とほぼ同じ厚さ寸法で、先端部が該天井材7の傾斜面6と面接触する傾斜面8となるように目地天井カバー本体14および、該目地天井カバー本体14の底面に固定された多数個のスライドリブ15が形成された化粧板16とで構成されている。
前記目地天井カバー支持具10は前記他方の建物3の壁面3aに複数本のビス17で固定されるL字状の目地天井カバー支持具本体18と、この目地天井カバー支持具本体18の先端部の支持部19に一端部が固定され、他端部が傾斜面20を介して前記L字状の目地天井カバー支持具本体18の他端部に固定されたガイド部材21と、一端部が支持部19に後端部が支持されている目地天井カバー9の後端部に取付けられ、他端部が前記L字状の目地天井カバー支持具本体18の上部あるいは、該上部より上方の壁面3aに取付けられたワイヤーやロープを用いた保持具22とで構成されている。
前記保持機構11は前記目地天井カバー支持具10の上部位置の壁面3aに、前記天井目地部2の中央部へ突出するように固定された少なくとも2個以上の支持アーム23、23と、この支持アーム23、23の先端部に一端部が取付けられ、他端部は前記目地天井カバー9のほぼ中央部に、該目地天井カバー9が水平状態となるように保持できるように取付けられたワイヤー、ロープ、チエーン等の目地天井カバー保持具24、24とで構成されている。
前記後端部移動機構12は地震で目地部2が狭くなり、前記目地天井カバー9の先端部が前記天井材7に乗り上げた場合に、前記天井材7の先端の上部位置を支点0にしてほぼ水平状態となるように、該目地天井カバー9の後端部を上方へ引き上げることができるように一端部が前記支持アーム23、23の後端部寄りの部位に取付けられ、他端部が該目地天井カバー9の後端部寄りの部位に取付けられた引張りバネ25、25で構成されている。
なお、この引張りバネ25、25の弾性力は目地天井カバー9が前記ガイド部材21に支持されている場合には、該目地天井カバー9の自重で上方へ引き上げるだけの弾性力がなく、目地天井カバー9の先端部が天井材7へ乗り上げることにより目地天井カバーの自重が小さくなり、該目地天井カバー9を水平状態にする弾性力のあるものが使用されている。
上記構成の天井用目地装置1は通常時には図1および図2に示すように、天井目地部2は天井材7とほぼ同一面に位置する目地天井カバー9で覆われている。
地震で天井目地部2が狭くなるように左右の建物3、3が揺れ動いた場合、目地天井カバー9の先端部が天井材7に乗り上げて、目地天井カバー9が傾斜状態になった後、天井材7の先端部の上部位置に目地天井カバー9の先端部が位置し、該位置を支点0として目地天井カバー9が後端部移動機構12の引張りバネ25、25によって上方へ回動して、ほぼ水平状態に位置させ、目地天井カバー9の先端部が一方の建物3の障害物4に衝突するのを効率よく阻止でき、一方の建物3の目地部側に下方へ突出する障害物4がある建物3、3間にも損傷することなく、設置することができる。
地震で目地部2が広くなるように左右の建物3、3が揺れ動いた場合、図6に示すように目地天井カバー9は天井材7の先端部より離れるように他方の建物3と一体になって移動し、その揺れ動きを吸収するとともに、揺れ動きが停止すると元の状態へ自動的に戻る。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図7ないし図21に示す本発明者が考えた天井用目地装置の形態および本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明者が考えた天井用目地装置および本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図7ないし図9に示す本発明者が考えた天井用目地装置の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、他方の建物3の壁面3aに複数個本のビス26で固定された目地天井カバー9の後端部を支持するL字状の目地天井カバー支持具本体18と、前記支持アーム23、23の下部位置に位置するように壁面3aより突出するように設けられた後部支持アーム27、27と、この後部支持アーム27、27に一端部が取付けられ、他端部が目地天井カバー9の後端部寄りの部位に取付けられた、ワイヤーやロープ等の上下方向の保持具22、22および目地天井カバー9の後端部寄りの部位に一端部が取付けられ、他端部が壁面3aに取付けられた、壁面3aより目地天井カバー9が所定量以上離れるのを防止する離れ防止保持具28、28とからなる目地天井カバー支持具10Aを用いた点で、このような目地天井カバー支持具10Aを用いて構成した天井用目地装置1Aにしてもよい。
図10ないし図12に示す本発明者が考えた天井用目地装置の形態において、前記図7ないし図9に示す形態と主に異なる点は、後部支持アーム27、27と目地天井カバー9に、該目地天井カバー9の上方への移動ができ、かつ下方への移動は阻止することができる吊り棒29を用いた上下方向の保持具22A、22Aを用いた点で、このような上下方向の保持具22A、22Aを用いて構成した天井用目地装置1Bにしても、よい。
なお、この形態ではL字状の目地天井カバー支持具本体18を設置しなくても、上下方向の保持具22A、22Aで確実に目地天井カバー9を支持することができる。
図13ないし図15に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、支持アーム23、23の先端部に取付けられた係止ピン30、30によって上方へ移動可能な長孔31、31を介して吊り下げられたバー部材32、32と、このバー部材32、32の下端部に目地天井カバー9の中央部を枢支する取付金具33、33とを用いた保持機構11Aを用いるとともに、天井材7の傾斜面6と接触する目地天井カバー9の先端部の傾斜面8との接触抵抗よりも小さな接触抵抗となるように目地天井カバー支持具9の傾斜面20と目地天井カバー9の後端部とを接触するように設定した目地天井カバー9の後端部を上方へ移動させる後端部移動機構12Bを用いた点で、このような保持機構11Aや後端部移動機構12Bを用いて構成した天井用目地装置1Cにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、本実施形態では後端部移動機構12Bは天井材7の傾斜面6の傾斜角度よりも小さな傾斜角度に傾斜面20を設定することにより可能となるとともに、目地天井カバー支持具9の傾斜面20にスベリ剤を塗布したり、スベリ材を設置してもよい。
図16ないし図18に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記 図10ないし図12に示す形態と主に異なる点は、後部支持アーム27、27の先端部に取付けられた係止ピン34、34によって上方へ移動可能な長孔35、35を介して吊り下げられたバー部材36、36を用いた保持具22B、22Bと、天井材7の傾斜面6と接触する目地天井カバー9の先端部の傾斜面8との接触抵抗よりも小さな接触抵抗となるように目地天井カバー支持具9の傾斜面20と目地天井カバー9の後端部とを接触するように設定した目地天井カバー9の後端部を上方へ移動させる後端部移動機構12Bを用いた点で、このような目地天井カバー支持具10B、10Bや後端部移動機構12Bを用いた天井用目地装置1Dにしてもよい。
図19ないし図21に示す本発明を実施するための第4の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、所定間隔で数mmだけ下方へ突出するブレード37を地震で左右方向に移動する方向に配置した天井目地カバー9Aを用いた点で、このような天井目地カバー9Aを用いた天井用目地装置1Eにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、地震で目地部が狭くなるように左右の建物3,3が揺れ動いても天井材の上面と目地天井カバー9Aの複数個のブレード37の底面だけが接触して、目地天井カバー9Aの底面に位置する化粧板が損傷するのを効率良く阻止することができる。
なお、このように形成された目地天井カバー9Aは前記本発明を実施するための第2の形態から前記本発明を実施するための第3の形態にも使用することができる。
また、前記本発明を実施するための各形態では2個の支持アーム23、23を用いる保持機構11、11Aについて説明したが、本発明はこれに限らず、2個以上の複数個の支持アームを用いた保持機構を用いても同様な作用効果が得られる。
本発明は目地部を介して設けられた左右の建物の天井目地部を覆う天井用目地装置を製造する産業で利用される。
1、1A、1B、1C、1D、1E:天井用目地装置、
2:目地部、 3:建物、
4:障害物、 5:吊り下げ具、
6:傾斜面、 7:天井材、
8:傾斜面、 9:目地天井カバー、
10、10A、10B:目地天井カバー支持具、
11、11A:保持機構、 12、12A、12B:後端部移動機構、
13:カバー部材、 14:目地天井カバー本体、
15:スライドリブ、 16:化粧板、
17:ビス、
18:L字状の目地天井カバー支持具本体、
19:支持部、 20:傾斜面、
21:ガイド部材、 22、22A、22B:支持具、
23:支持アーム、 24:目地天井カバー保持具、
O:支点、 25:引張りバネ、
26:ビス、 27:後部支持アーム、
28:離れ防止保持具、 29:吊り棒、
30:係止ピン、 31:長孔、
32:バー部材、 33:取付金具、
34:係止ピン、 35:長孔、
36:バー部材、 37:ブレード。

Claims (2)

  1. 一方の建物の目地部側に下方へ突出する障害物が形成され、かつ下部が該障害物の下部より下方に位置する吊り下げ具によって吊り下げ固定された先端部が目地部側端部まで位置し、下部が外方へ突出する傾斜面に形成された天井材と、この天井材の先端部の傾斜面と当接する他方の建物の壁面との間の目地部を覆う目地天井カバーと、この目地天井カバーの後端部を支持する前記他方の建物の壁面に取付けられた目地天井カバー支持具と、前記目地天井カバーの中央部寄りの部位を吊り下げ状態で保持する、前記他方の建物の壁面に取付けられた保持機構と、地震で目地部が狭くなり、前記目地天井カバーの先端部が前記天井材に乗り上げた場合に、該目地天井カバーの先端部が前記障害物に衝突しないよう上方へ突出するのを阻止するように、該目地天井カバーの後端部を上方へ移動させる後端部移動機構とからなる天井用目地装置において、前記目地天井カバー支持具は目地天井カバーの後端部が下方へ移動しないように支持する支持部および、目地天井カバーの後端部を順次上方へスライド移動させる傾斜面が形成された他方の建物の壁面に取付けられた支持体と、目地天井カバーの後端部が他方の建物の壁面から必要以上離れるのを阻止し、かつ該目地天井カバーの後端部を前記傾斜面にスライド移動させることができる保持具とで構成したことを特徴とする天井用目地装置。
  2. 保持機構は目地天井カバーの上部位置の他方の建物の壁面に取付けられた該目地天井カバーの中央部より前方へ突出する複数個の支持アームと、この複数個の支持アームの先端部に取付けられた、前記目地天井カバーの中央部に取付けられ、該天井目地カバーをほぼ水平状態に保持する目地天井カバー保持具とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の天井用目地装置。
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