JP5704325B2 - ハンド装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、この従来のハンド装置50では、部品箱2全体を他方のL字状爪51bにより水平方向にスライドさせた後、隣接する部品箱間の隙間に一方のL字状爪51aを挿入できない場合があり、把持作業に時間を要し作業性を悪化させていた。これは、部品箱はその種類によって上下の部品箱が嵌合して段積みされるため、一番上段の部品箱全体を水平方向に最大限スライドさせても部品箱間の隙間を大きくすることができないことに起因する。
しかしながら、この提案のハンド装置60では、高さ違いの部品箱2が隣接していると、部品箱2を持ち上げた際該部品箱2がたわみ、該部品箱2が周辺の部品箱2に干渉してスムーズに持ち上げることができない。しかも、大きな部品箱2ではそのたわみ量が大きくなり持ち上げることがさらに難しくなる。
しかしながら、この提案のハンド装置70では、部品箱2はその上面が開放されているため上面を吸着して持ち上げることはできない。また、部品箱2の側面にはリブや凹凸があるために、吸着体71を側面にスムーズに吸着させることができない。
しかしながら、この提案のハンド装置80では、高さ違いの部品箱2が隣接していると部品箱2の一方側を容易に持ち上げることができず、フォーク81を部品箱2と平パレット等との間の隙間に挿入することができない。つまり、部品箱2の大きさが異なる場合には対応が困難になる。
これにより、部品箱の段積み及び段バラシを容易に行うことができる。
なお、本発明の装置の各種態様およびそれらの作用については、以下の発明の態様の項において詳しく説明する。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項、(3)項、(4)項の各々が、請求項1乃至3の各々に相当する。
(1)項のハンド装置では、把持手段をその把持爪を没入させた状態で隣接する部品箱の間の隙間に挿入することができ、挿入後は、把持爪を対向する縦アームに向かって突出させることで部品箱の一方の被把持部を把持することが可能になる。また、鉛直方向に延びる回転軸の回転駆動により把持爪を対向する縦アームに向かって容易に突出させることが可能になる。また、把持爪は、複数の板状の把持部材を没入状態で同一平面に位置するように構成され、各把持部材に回転軸がそれぞれ連結されるので、部品箱の被把持部を把持して持ち上げた際に部品箱を安定させることができる。
(2)項のハンド装置では、部品箱の被把持部を把持して持ち上げた際に部品箱を安定させることができる。
(3)項のハンド装置では、把持手段全体をコンパクトにすることができ、各把持部材による部品箱からの荷重を支持部材でも受けることができるので、強度的に有利である。
(4)項のハンド装置では、支持部材を隣接する部品箱間の隙間にスムーズに案内することができる。
(5)項のハンド装置では、把持手段を隣接する部品箱の隙間に精度良く挿入することが可能になる。
(6)項のハンド装置では、部品箱の段バラシ及び段積みを安全に行うことができる。
本発明の実施の形態に係るハンド装置1は、ロボット(図示略)等に連結され、図8(a)に示すように、上面が解放された部品箱2の上端で両側に突設させる各被把持部3a、3bを把持して部品箱2を持ち上げて段バラシ及び段積みを行うものである。部品箱2の被把持部3a、3bは、水平鍔部4と、該水平鍔部4の先端から下方に延びる鉛直鍔部5とからなる。
本発明の実施の形態に係るハンド装置1は、図1に示すように、ロボット等との連結部8と、該連結部8に連結され、水平方向に延び伸縮自在の横アーム9と、該横アーム9の両端から上下方向に延び伸縮自在の一対の縦アーム10a、10bと、一方の縦アーム10aの先端に設けた第1把持手段11と、他方の縦アーム10bの先端に設けた第2把持手段12とを備えている。
各縦アーム10a、10bは、鉛直方向に延びるアーム本体17、17が2本平行に延びて構成される。該各縦アーム10a、10bは、横アーム9と同様に、図示は省略するが、電動モータやエアシリンダ等の駆動手段によりボールネジ機構やLMガイド等の伝達機構を介して伸縮自在に駆動される。なお、横アーム9及び各縦アーム10a、10bの駆動手段はロボットの制御部からの信号に基づいて制御される。
該把持検知手段30は、一端が他方の縦アーム10bに連結される(図7では1本のアーム本体17だけが図示される)と共に他端がLMガイド31に連結され、並列に配置される2つのスプリング32、32と、部品箱2を第1及び第2把持手段11、12で把持した際の各スプリング32、32の伸びを検知するリミットスイッチ33とから構成される。このリミットスイッチ33からの検出信号はロボットの制御部に出力される。なお、本実施の形態では、第2把持手段12側の他方の縦アーム10bに把持検知手段30を備えたが、第1把持手段11側の一方の縦アーム10aに備えてもよいし、部品箱2を把持した際の各部材の相対的な移動を容易に検知可能な部位に把持検知手段30を備えればよい。これにより、本ハンド装置1による段バラシ及び段積みを安全に行うことができる。
まず、図8(a)に示すように、ロボットの駆動により本ハンド装置1を把持する部品箱2の上方に移動させる。この時、一方の縦アーム10aは最も縮んだ状態であり、他方の縦アーム10b側に設けた第2把持手段12の各棒状把持部26が部品箱2の他方の被把持部3bの水平鍔部4と上下方向で重ならない位置に停止される。
次に、図8(c)に示すように、第2把持手段12の押圧手段27の押圧用縦アーム28を伸長させて、各押圧棒29により部品箱2の他方の被把持部3bの水平鍔部4を上方から押圧する。これにより、本ハンド装置1の第2把持手段12により、部品箱2の他方の被把持部3bを確実に把持することができる。
次に、図8(e)に示すように、横アーム9を縮めて、一方の縦アーム10aを他方の縦アーム10bに接近する方向に移動させて、一方の縦アーム10aの先端に設けた第1把持手段11を、隣接する部品箱2間の隙間40の上方に移動させる。この時、第1把持手段11の側方に備えた、隣接する部品箱2の隙間40の位置を検知する位置検知手段25(図6参照)からの検知信号により横アーム9の駆動をさらに微調整する。これにより、第1把持手段11の支持部材20を隣接する部品箱2間の隙間40に精度良く挿入することが可能になる。
次に、図8(g)に示すように、第1把持手段11の各回転軸19をそれぞれ回転駆動させることで、各把持部材21、21が上面視ハ字状で支持部材20から他方の縦アーム10b側に突出される。
次に、図8(i)に示すように、本ハンド装置1全体を上方に移動させることで部品箱2を持ち上げるようにする。この時、把持検知手段30(図7参照)により、本ハンド装置1によって部品箱2が確実に把持されていることを検知する。なお、把持検知手段30により部品箱2の把持が検知されなかった場合には、すぐに、本ハンド装置1による部品箱2の持ち上げが停止される。
なお、回転軸19が水平方向の場合、部品箱2を持ち上げる際には各把持部材21、21が開かないように維持する機構が必要である。しかしながら、本実施の形態では、各回転軸19は鉛直方向に延びるので、そのような機構は必ずしも必要ではなく、部品箱2の重量により各把持部材21、21の開きが抑制され、上面視ハ字状で突出した位置が維持される。
さらに、本発明の実施の形態に係るハンド装置1では、支持部材20の先端を側面視V字状に尖らせたので、第1把持手段11の支持部材20を隣接する部品箱2間の隙間40にスムーズに案内することができる。
さらにまた、本発明の実施の形態に係るハンド装置1では、部品箱2を大きくスライドさせる必要がないので、上段に積んだ部品箱2が下段の部品箱2に落ち込むことを抑止することができる。
なお、本実施形態では、一対の略矩形板状の把持部材21、21を支持部材20の開口部22に収容した状態で支持部材20と同一平面を形成するように構成したが、必ずしも、支持部材20と各把持部材21、21とが同一平面を形成する必要はなく、隣接する部品箱2、2間の隙間40に挿入できる程度に各把持部材21が支持部材20の開口部22に収容されていれば良い。
Claims (3)
- 部品箱を把持するためのハンド装置であって、
水平方向に延びる横アームと、該横アームから上下方向に延びる一対の縦アームと、該各縦アームの先端に設けた前記部品箱を把持するための把持手段とを備え、
前記各把持手段のうちいずれか一方または両方に、対向する前記縦アームに向かって出没可能に移動する把持爪を備え、
該把持爪には鉛直方向に延びる回転軸が連結され、該回転軸の回転により前記把持爪が対向する前記縦アームに向かって出没可能に移動して、
前記把持爪は、複数の板状の把持部材を没入状態で同一平面に位置するように構成され、各把持部材に前記回転軸がそれぞれ連結されることを特徴とするハンド装置。 - 前記各把持部材は、前記縦アームの先端に連結された板状の支持部材の開口部内に収容されると共に、前記回転軸の先端が前記支持部材に回転自在に支持されることを特徴とする請求項1に記載のハンド装置。
- 前記支持部材の先端は先細りのテーパ状に形成されることを特徴とする請求項2に記載のハンド装置。
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