JP5704325B2 - ハンド装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両製造工場等で使用される部品箱を把持するためのハンド装置に関するものである。
従来、車両製造工場等では平パレット上に置かれた複数の部品箱、例えば、規格箱(TP箱)、プラスチックダンボール箱(ダンプラ箱)や専用プラスチック箱(専用プラ箱)等の荷山を段バラシしたり、平パレット上に段積みする際にハンド装置が使用される。該ハンド装置は、ロボットや専用設備に取り付けられ、荷山の位置に移動できるようになっている。該ハンド装置は、平パレット上に隙間なく整然と積まれた複数の部品箱を段バラシしたり、複数の部品箱を平パレット上に隙間なく整然と段積みすることが要求される。
そこで、従来のハンド装置50は、図11に示すように、水平方向に延び伸縮自在の横アーム9と、該横アーム9の両端から上下方向に延び伸縮自在の縦アーム10a、10bと、該各縦アーム10a、10bの先端に互いに向かいように設けられたL字状爪51a、51bとを備えている。そして、この従来のハンド装置50により部品箱2を把持する際には、まず、他方のL字状爪51bにより部品箱2の他方側を把持し、部品箱2全体を水平方向にスライドさせて、隣接する部品箱2、2間に隙間を作る。続いて、この隙間に一方のL字状爪51aを挿入すると共に、両方のL字状爪51a、51bを互いに接近するようにスライドさせた後、両方のL字状爪51a、51bにて部品箱の両側を把持して持ち上げるようにする。
しかしながら、この従来のハンド装置50では、部品箱2全体を他方のL字状爪51bにより水平方向にスライドさせた後、隣接する部品箱間の隙間に一方のL字状爪51aを挿入できない場合があり、把持作業に時間を要し作業性を悪化させていた。これは、部品箱はその種類によって上下の部品箱が嵌合して段積みされるため、一番上段の部品箱全体を水平方向に最大限スライドさせても部品箱間の隙間を大きくすることができないことに起因する。
この問題に対処するために、図12に示すように、部品箱2の2側面をL字状部材61で把持して持ち上げるハンド装置60が考慮される。
しかしながら、この提案のハンド装置60では、高さ違いの部品箱2が隣接していると、部品箱2を持ち上げた際該部品箱2がたわみ、該部品箱2が周辺の部品箱2に干渉してスムーズに持ち上げることができない。しかも、大きな部品箱2ではそのたわみ量が大きくなり持ち上げることがさらに難しくなる。
また、図13に示すように、複数の縦アーム10a、10bの先端にそれぞれ設けた吸着体71、71により、部品箱2の上面または側面を吸着して持ち上げるハンド装置70が考慮される。
しかしながら、この提案のハンド装置70では、部品箱2はその上面が開放されているため上面を吸着して持ち上げることはできない。また、部品箱2の側面にはリブや凹凸があるために、吸着体71を側面にスムーズに吸着させることができない。
さらに、図14に示すように、まず、部品箱2の一方側を持ち上げて、その隙間にフォーク81を挿入して部品箱2を持ち上げるハンド装置80が考慮される。
しかしながら、この提案のハンド装置80では、高さ違いの部品箱2が隣接していると部品箱2の一方側を容易に持ち上げることができず、フォーク81を部品箱2と平パレット等との間の隙間に挿入することができない。つまり、部品箱2の大きさが異なる場合には対応が困難になる。
また、特許文献1には、ハンドベースの四隅部にクランプ用シリンダがそれぞれ取り付けられており、このクランプ用シリンダは圧縮空気により、それぞれ水平方向に伸縮し、その可動部にはワークを保持するための把持用爪が取り付けられるパレタイズ用及びデパレタイズ用ロボットハンドが開示されている。
特開2001−334484号公報
上述した特許文献1の発明に係るパレタイズ用及びデパレタイズ用ロボットハンドにおいても、隣接する部品箱間の隙間が狭い場合にはワークを保持するための把持用爪が挿入できず、上述した問題を解決することができない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、部品箱の段積み及び段バラシを容易に行えるハンド装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のハンド装置は、各把持手段のうちいずれか一方または両方に、対向する前記縦アームに向かって出没可能に移動する把持爪を備え、該把持爪には鉛直方向に延びる回転軸が連結され、該回転軸の回転により前記把持爪が対向する前記縦アームに向かって出没可能に移動して、前記把持爪は、複数の板状の把持部材を没入状態で同一平面に位置するように構成され、各把持部材に前記回転軸がそれぞれ連結されることを特徴としている。
これにより、部品箱の段積み及び段バラシを容易に行うことができる。
なお、本発明の装置の各種態様およびそれらの作用については、以下の発明の態様の項において詳しく説明する。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項、(3)項、(4)項の各々が、請求項1乃至の各々に相当する。
(1)部品箱を把持するためのハンド装置であって、水平方向に延びる横アームと、該横アームから上下方向に延びる一対の縦アームと、該各縦アームの先端に設けた前記部品箱を把持するための把持手段とを備え、前記各把持手段のうちいずれか一方または両方に、対向する前記縦アームに向かって出没可能に移動する把持爪を備え、該把持爪には鉛直方向に延びる回転軸が連結され、該回転軸の回転により前記把持爪が対向する前記縦アームに向かって出没可能に移動して、前記把持爪は、複数の板状の把持部材を没入状態で同一平面に位置するように構成され、各把持部材に前記回転軸がそれぞれ連結されることを特徴とするハンド装置。
(1)項のハンド装置では、把持手段をその把持爪を没入させた状態で隣接する部品箱の間の隙間に挿入することができ、挿入後は、把持爪を対向する縦アームに向かって突出させることで部品箱の一方の被把持部を把持することが可能になる。また、鉛直方向に延びる回転軸の回転駆動により把持爪を対向する縦アームに向かって容易に突出させることが可能になる。また、把持爪は、複数の板状の把持部材を没入状態で同一平面に位置するように構成され、各把持部材に回転軸がそれぞれ連結されるので、部品箱の被把持部を把持して持ち上げた際に部品箱を安定させることができる。
)前記把持爪は、一対の板状の把持部材で構成され、前記各回転軸は各把持部材の隣接する一辺側にそれぞれ固定され、各回転軸を回転させることで、前記各把持部材は上面視ハ字状で対向する縦アームに向かって突出することを特徴とする()項に記載のハンド装置。
(2)項ハンド装置では、部品箱の被把持部を把持して持ち上げた際に部品箱を安定させることができる。
)前記各把持部材は、前記縦アームの先端に連結された板状の支持部材の開口部内に収容されると共に、前記回転軸の先端が前記支持部材に回転自在に支持されることを特徴とする()項または()項に記載のハンド装置。
)項のハンド装置では、把持手段全体をコンパクトにすることができ、各把持部材による部品箱からの荷重を支持部材でも受けることができるので、強度的に有利である。
)前記支持部材の先端は先細りのテーパ状に形成されることを特徴とする()項に記載のハンド装置。
)項のハンド装置では、支持部材を隣接する部品箱間の隙間にスムーズに案内することができる。
)隣接する部品箱間の隙間の位置を検知する位置検知手段を備えることを特徴とする(1)項〜()項のいずれかに記載のハンド装置。
)項のハンド装置では、把持手段を隣接する部品箱の隙間に精度良く挿入することが可能になる。
)前記把持手段により部品箱を把持したことを検知する把持検知手段を備えたことを特徴とする(1)項〜()項のいずれかに記載のハンド装置。
)項のハンド装置では、部品箱の段バラシ及び段積みを安全に行うことができる。
本発明によれば、部品箱の段積み及び段バラシを容易に行うことのできるハンド装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るハンド装置の斜視図である。 図2は、本ハンド装置が平パレット上の各部品箱上に移動した斜視図である。 図3は、本ハンド装置の構成である第1把持手段の平面図である。 図4は、本ハンド装置の構成である第1把持手段の正面図である。 図5は、図4のA−A線矢視図である。 図6は、本ハンド装置の構成である位置検知手段の概略斜視図である。 図7は、本ハンド装置の構成である把持検知手段の概略斜視図である。 図8は、本ハンド装置にて部品箱を把持して持ち上げる手順を段階的に示した模式図である。 図9は、部品箱の被把持部が水平鍔部だけの場合の第1把持手段による把持形態を示す図である。 図10は、部品箱の被把持部が開口部の場合の第1把持手段による把持形態を示す図である。 図11は、従来のハンド装置を示す模式図(側面図)である。 図12は、図11とは他の従来のハンド装置の模式図(平面図)である。 図13は、さらに他の従来のハンド装置の模式図(側面図)である。 図14は、さらに他の従来のハンド装置の模式図(側面図)である。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図10に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係るハンド装置1は、ロボット(図示略)等に連結され、図8(a)に示すように、上面が解放された部品箱2の上端で両側に突設させる各被把持部3a、3bを把持して部品箱2を持ち上げて段バラシ及び段積みを行うものである。部品箱2の被把持部3a、3bは、水平鍔部4と、該水平鍔部4の先端から下方に延びる鉛直鍔部5とからなる。
本発明の実施の形態に係るハンド装置1は、図1に示すように、ロボット等との連結部8と、該連結部8に連結され、水平方向に延び伸縮自在の横アーム9と、該横アーム9の両端から上下方向に延び伸縮自在の一対の縦アーム10a、10bと、一方の縦アーム10aの先端に設けた第1把持手段11と、他方の縦アーム10bの先端に設けた第2把持手段12とを備えている。
本ハンド装置1は、図1及び図2に示すように、ロボットの制御部に入力された各種検知センサからの情報により把持する部品箱2の大きさや位置を認識して、ロボットの駆動により平パレット15上の所定位置に移動し、横アーム9や各縦アーム10a、10bを伸縮させることで、第1及び第2把持手段11、12により部品箱2の両側の被把持部3a、3b(図8参照)を把持して持ち上げるようにしている。
図1及び図2に示すように、横アーム9は、水平方向に延びるアーム本体16、16が2本平行に延びて構成される。該横アーム9は、図示は省略するが、電動モータやエアシリンダ等の駆動手段によりボールネジ機構やLMガイド等の伝達機構を介して伸縮自在に駆動される。
各縦アーム10a、10bは、鉛直方向に延びるアーム本体17、17が2本平行に延びて構成される。該各縦アーム10a、10bは、横アーム9と同様に、図示は省略するが、電動モータやエアシリンダ等の駆動手段によりボールネジ機構やLMガイド等の伝達機構を介して伸縮自在に駆動される。なお、横アーム9及び各縦アーム10a、10bの駆動手段はロボットの制御部からの信号に基づいて制御される。
第1把持手段11は、図2〜図5に示すように、他方の縦アーム10bの第2把持手段12に向かって出没可能に設けられる把持爪18と、該把持爪18に連結され鉛直方向に延びる回転軸19と、一方の縦アーム10aの各アーム本体17、17の先端に連結され、把持爪18及び回転軸19を収容する板状の支持部材20とから構成される。
把持爪18は、図3〜図5に示すように、一対の略矩形板状の把持部材21、21を支持部材20の開口部22に収容した状態(没入状態)で支持部材20と同一平面を形成するように構成される。各把持部材21の隣接する一辺側に鉛直方向に延びる回転軸19がそれぞれ連結される。
支持部材20は、略矩形板状に形成され、一対の把持部材21、21を収容する略矩形状の開口部22と、各回転軸19を収容するべく、開口部22の幅方向中央から所定幅で上方に延びる縦長開口部23とを設けている。また、図5に示すように、支持部材20の先端はその側面視形状が先細りのテーパ状で、詳しくはV字状に尖って形成される。なお、支持部材20の厚さは、各回転軸19の外径よりも大きく、また、各把持部材21の厚みよりも厚く形成される。本実施の形態では、支持部材20の厚みは5mm程度に設定される。
各回転軸19は、その下部が各把持部材21の隣接する一辺側にそれぞれ固定される。各回転軸19の先端は支持部材20の開口部22に臨む下壁面24に回転自在に支持される。各回転軸19の上部には、その回転が同期するように伝達ギヤ(図示略)等が連結され、電動モータ(図示略)またはエアシリンダ(図示略)からの回転駆動が伝達ギヤを介して各回転軸19に伝達される。
そして、各回転軸19が、互いに相反する方向に同期して回転することで、各把持部材21、21が各回転軸19を支点に互いに重なる方向に回転して、各把持部材21、21が上面視ハ字状(図3参照)で支持部材20から他方の縦アーム10b側に突出される。なお、本実施の形態では、各回転軸19の回転角度は45°に設定されている。これにより、部品箱2を持ち上げる際、各上面視ハ字状で突出する把持部材21、21から、部品箱2の一方の被把持部3aの鉛直鍔部5の下面へ付与される荷重がある箇所に集中せず分散するため、部品箱2を安定して持ち上げることができる。なお、各把持部材21、21が必要以上回転しないためにストッパ(図示略)を設けてもよい。
本ハンド装置1には、図6に示すように、一方の縦アーム10aの先端に備えられた第1把持手段11の側方に、隣接する部品箱2の隙間40の位置を検知する位置検知手段25が備えられる。該位置検知手段25は、例えば、レンジファインダ(2次元形状計測センサ)が採用される。この位置検知手段25からの検出信号はロボットの制御部に出力される。これにより、第1把持手段11を隣接する部品箱2間の隙間40に精度良く挿入することが可能になる。なお、位置検知手段25からの検出エリアが、第1把持手段11の支持部材20の直下の部品箱2間の隙間40となるようにその向きを調整する必要がある。
第2把持手段12は、図1に示すように、他方の縦アーム10bの各アーム本体17、17の先端から連続して設けられ、一方の縦アーム10a側に突設する2本の棒状把持部26、26と、部品箱2の他方の被把持部3bの水平鍔部4を上方から押圧する押圧手段27とから構成される。該押圧手段27は、伸縮自在の押圧用縦アーム28と、押圧用縦アーム28の先端に固定される複数の押圧棒29(本実施の形態では2本)とから構成される。なお、棒状把持部26の長さは、部品箱2の水平鍔部4の突出長さよりも長く形成される。
また、本ハンド装置1には、図7に示すように、部品箱2を第1及び第2把持手段11、12により把持していることを検知する把持検知手段30が備えられている。本実施の形態では、第2把持手段12が設けられる他方の縦アーム10bに把持検知手段30が設けられている。
該把持検知手段30は、一端が他方の縦アーム10bに連結される(図7では1本のアーム本体17だけが図示される)と共に他端がLMガイド31に連結され、並列に配置される2つのスプリング32、32と、部品箱2を第1及び第2把持手段11、12で把持した際の各スプリング32、32の伸びを検知するリミットスイッチ33とから構成される。このリミットスイッチ33からの検出信号はロボットの制御部に出力される。なお、本実施の形態では、第2把持手段12側の他方の縦アーム10bに把持検知手段30を備えたが、第1把持手段11側の一方の縦アーム10aに備えてもよいし、部品箱2を把持した際の各部材の相対的な移動を容易に検知可能な部位に把持検知手段30を備えればよい。これにより、本ハンド装置1による段バラシ及び段積みを安全に行うことができる。
次に、本発明の実施の形態に係るハンド装置1にて部品箱2を把持して持ち上げる方法を図8に基づいて説明する。
まず、図8(a)に示すように、ロボットの駆動により本ハンド装置1を把持する部品箱2の上方に移動させる。この時、一方の縦アーム10aは最も縮んだ状態であり、他方の縦アーム10b側に設けた第2把持手段12の各棒状把持部26が部品箱2の他方の被把持部3bの水平鍔部4と上下方向で重ならない位置に停止される。
次に、図8(b)に示すように、本ハンド装置1全体を下方に移動させると共に、横アーム9を縮めて他方の縦アーム10bを一方の縦アーム10a側に接近するように移動させる。その結果、第2把持手段12の各棒状把持部26が部品箱2の他方の被把持部3bの水平鍔部4と対向して鉛直鍔部5の下面に当接する状態となる。
次に、図8(c)に示すように、第2把持手段12の押圧手段27の押圧用縦アーム28を伸長させて、各押圧棒29により部品箱2の他方の被把持部3bの水平鍔部4を上方から押圧する。これにより、本ハンド装置1の第2把持手段12により、部品箱2の他方の被把持部3bを確実に把持することができる。
次に、図8(d)に示すように、横アーム9を伸長させて、他方の縦アーム10bを一方の縦アーム10aから離間する方向に移動させる。これにより、部品箱2が全体的に他方の縦アーム10b側に移動して、隣接する部品箱2間の隙間40(図6参照)を最大限開けるようにする。なお、部品箱2が上下に嵌合して段積みされている場合には、上段の部品箱2を嵌合の範囲内で最大限左右方向にスライドさせて隣接する部品箱2間の隙間40を最大限にする。
次に、図8(e)に示すように、横アーム9を縮めて、一方の縦アーム10aを他方の縦アーム10bに接近する方向に移動させて、一方の縦アーム10aの先端に設けた第1把持手段11を、隣接する部品箱2間の隙間40の上方に移動させる。この時、第1把持手段11の側方に備えた、隣接する部品箱2の隙間40の位置を検知する位置検知手段25(図6参照)からの検知信号により横アーム9の駆動をさらに微調整する。これにより、第1把持手段11の支持部材20を隣接する部品箱2間の隙間40に精度良く挿入することが可能になる。
次に、図8(f)に示すように、一方の縦アーム10aを、第1把持手段11の各把持部材21、21の上面が、部品箱2の一方の被把持部3aの鉛直鍔部5の下面よりも下方に位置するまで伸長させる。
次に、図8(g)に示すように、第1把持手段11の各回転軸19をそれぞれ回転駆動させることで、各把持部材21、21が上面視ハ字状で支持部材20から他方の縦アーム10b側に突出される。
次に、図8(h)に示すように、一方の縦アーム10aを縮めて、第1把持手段11の各把持部材21、21の上面を部品箱2の一方の被把持部3aの鉛直鍔部5の下面に当接させる。
次に、図8(i)に示すように、本ハンド装置1全体を上方に移動させることで部品箱2を持ち上げるようにする。この時、把持検知手段30(図7参照)により、本ハンド装置1によって部品箱2が確実に把持されていることを検知する。なお、把持検知手段30により部品箱2の把持が検知されなかった場合には、すぐに、本ハンド装置1による部品箱2の持ち上げが停止される。
最終的に、本ハンド装置1で把持した部品箱2を、荷山に積まれている部品箱2の最大高さまで持ち上げて搬送し段バラシする。なお、各把持部材21、21を他方の縦アーム10b側に上面視ハ字状で突出させた状態で部品箱2の一方の被把持部3aを持ち上げている間は部品箱2の重量により各把持部材21、21はその位置(上面視ハ字状)が維持される。
なお、回転軸19が水平方向の場合、部品箱2を持ち上げる際には各把持部材21、21が開かないように維持する機構が必要である。しかしながら、本実施の形態では、各回転軸19は鉛直方向に延びるので、そのような機構は必ずしも必要ではなく、部品箱2の重量により各把持部材21、21の開きが抑制され、上面視ハ字状で突出した位置が維持される。
一方、平パレット15への部品箱2の段積みは、図8(a)→(i)に示す手順の逆の手順図8(i)→(a)となり、隣接する部品箱2間に隙間が無いように段積みを行うことができる。
なお、本実施の形態に係るハンド装置1に採用された第1把持手段11では、図9に示すように、部品箱2の被把持部3a、3bが水平鍔部4のみで構成される場合も問題なく適用することができる。すなわち、本ハンド装置1の第1把持手段11を隣接する部品箱2間の隙間40に挿入して、その後、各回転軸19をそれぞれ回転駆動させ、各把持部材21、21を上面視ハ字状で支持部材20から対向する他方の縦アーム10b側に突出させて、部品箱2の水平鍔部4を把持することができる。
また、本実施の形態に係るハンド装置1に採用された第1把持手段11では、図10に示すように、部品箱2の被把持部3a、3bが開口部35を備える場合でも問題なく適用することができる。すなわち、本ハンド装置1の第1把持手段11を隣接する部品箱2間の隙間40に挿入して、その後、各回転軸19をそれぞれ回転駆動させ、各把持部材21、21を上面視ハ字状で支持部材20から対向する他方の縦アーム10b側に突出させて、部品箱2の開口部35内に挿入して把持することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係るハンド装置1では、一方の縦アーム10aの先端に第1把持手段11を備え、第1把持手段11は一方の縦アーム10aから他方の縦アーム10bの第2把持手段12に向かって出没可能に駆動する把持爪18を備えたので、第1把持手段11を、把持爪18を没入させた状態で隣接する部品箱2間の隙間40に容易に挿入することができ、挿入後、把持爪18を他方の縦アーム10bの第2把持手段12に向かって突出させた状態として部品箱2の一方の被把持部3aを把持することができる。これにより、従来のハンド装置50(図11参照)のような、隣接する部品箱2間の隙間40に一方のL字状爪51aが挿入できない不都合を解消することができ、作業性を向上させることができる。また、本ハンド装置1では、各回転軸19をそれぞれ回転駆動させると、各把持部材21、21は上面視ハ字状で支持部材20から対向する他方の縦アーム10b側に突出されて、部品箱2の一方の被把持部3aを把持するので、部品箱2を安定して持ち上げることができる。
また、本発明の実施の形態に係るハンド装置1では、第1把持手段11の各把持部材21、21は、支持部材20の開口部22内に収容されると共に、各回転軸19、19の先端が支持部材20に回転自在に支持されるので、第1把持手段11をコンパクトにすることができると共に、各把持部材21、21による部品箱2からの荷重を支持部材20にて受けることができるので、強度的に有利となる。
さらに、本発明の実施の形態に係るハンド装置1では、支持部材20の先端を側面視V字状に尖らせたので、第1把持手段11の支持部材20を隣接する部品箱2間の隙間40にスムーズに案内することができる。
さらにまた、本発明の実施の形態に係るハンド装置1では、部品箱2を大きくスライドさせる必要がないので、上段に積んだ部品箱2が下段の部品箱2に落ち込むことを抑止することができる。
上述した本発明の実施の形態に係るハンド装置1では、一方の縦アーム10aだけに第1把持手段11を備えたが、両方の縦アーム10a、10bの先端に第1把持手段11、11を備えてもよい。また、本発明の実施の形態に係るハンド装置1では、第1把持手段11の把持爪18を一対の把持部材21で構成したが、1枚または3枚以上の把持部材21で構成してもよい。
なお、本実施形態では、一対の略矩形板状の把持部材21、21を支持部材20の開口部22に収容した状態で支持部材20と同一平面を形成するように構成したが、必ずしも、支持部材20と各把持部材21、21とが同一平面を形成する必要はなく、隣接する部品箱2、2間の隙間40に挿入できる程度に各把持部材21が支持部材20の開口部22に収容されていれば良い。
1 ハンド装置,2 部品箱,3a 一方の被把持部,3b 他方の被把持部,9 横アーム,10a 一方の縦アーム,10b 他方の縦アーム,11 第1把持手段,12 第2把持手段,18 把持爪,19 回転軸,20 支持部材,21 把持部材,22 開口部,25 位置検知手段,26 棒状把持部,27 押圧手段,30 把持検知手段

Claims (3)

  1. 部品箱を把持するためのハンド装置であって、
    水平方向に延びる横アームと、該横アームから上下方向に延びる一対の縦アームと、該各縦アームの先端に設けた前記部品箱を把持するための把持手段とを備え、
    前記各把持手段のうちいずれか一方または両方に、対向する前記縦アームに向かって出没可能に移動する把持爪を備え、
    該把持爪には鉛直方向に延びる回転軸が連結され、該回転軸の回転により前記把持爪が対向する前記縦アームに向かって出没可能に移動して、
    前記把持爪は、複数の板状の把持部材を没入状態で同一平面に位置するように構成され、各把持部材に前記回転軸がそれぞれ連結されることを特徴とするハンド装置。
  2. 前記各把持部材は、前記縦アームの先端に連結された板状の支持部材の開口部内に収容されると共に、前記回転軸の先端が前記支持部材に回転自在に支持されることを特徴とする請求項に記載のハンド装置。
  3. 前記支持部材の先端は先細りのテーパ状に形成されることを特徴とする請求項に記載のハンド装置。
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