JP5700569B2 - ミニショベル - Google Patents

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Description

本発明は、ミニショベルに係わり、特に、外装カバーに熱交換器との対面位置に形成されて外気を冷却風として吸込む吸気口を有するミニショベルに関する。
ミニショベル(機械質量6000kg未満の油圧ショベル)は、例えばクローラ式の下部走行体と、この下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、この上部旋回体の前側に俯仰可能(言い換えれば、上下方向に回動可能)に設けられた多関節型の作業装置とを備えている。
作業装置は、上部旋回体に対し上下方向に回動可能に設けられたブームと、このブームの先端に前後方向に回動可能に連結されたアームと、このアームの先端に回動可能に連結されたバケット(標準装備のアタッチメント)とを備えており、ブーム用油圧シリンダ、アーム用油圧シリンダ、及びアタッチメント用油圧シリンダの伸縮駆動によりそれぞれ回動するようになっている。なお、標準装備のバケットに代えて、オプション装備のアタッチメントを装着可能としている。
上部旋回体には、エンジンが左右方向に延在する横置き状態で搭載されている。エンジンの左側には、エンジンによって駆動する油圧ポンプが設けられている。そして、操作レバーや操作ペダルの操作によって対応する方向切換弁が切換えられるようになっており、方向切換弁を介して油圧ポンプから油圧アクチュエータ(詳細には、上述したブーム用油圧シリンダ、アーム用油圧シリンダ、及びアタッチメント用油圧シリンダ等)に圧油(作動油)が供給されるようになっている。
また、エンジンの右側には、エンジンによって駆動する冷却ファンが設けられ、さらに、冷却ファンの右側には、熱交換器(詳細には、エンジン冷却水を冷却するラジエータ等)が設けられている。そして、冷却ファンで生起された冷却風によって熱交換器及びエンジンが冷却されるようになっている。なお、外装カバーには、熱交換器の対面位置に吸気口が形成されており、この吸気口から外気を冷却風として吸込むようになっている。
そして、熱交換器に供給される冷却風中の塵埃を補足するために、防塵ネットを設けることが提唱されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の従来技術では、板状の防塵ネットが、外装カバーの外側から吸気口を覆った状態で着脱可能に取付けられている。これにより、防塵ネットの汚れを点検する作業、防塵ネットの清掃する作業等を行うときの作業性を高めるようになっている。
特許第4550476号公報
しかしながら、上記従来技術には以下のような改善の余地があった。
ミニショベルは、例えばオプション装備のアタッチメントである草刈機(モア)を作業装置に装着して草刈作業を行うことが可能である。しかし、上述した外装カバーの吸気口と草刈機が比較的近いことから、草刈機で刈り取られた草が吸気口に吸い寄せられて防塵ネットに付着し、吸気口を塞いでしまう可能性がある。この場合、吸気性が損なわれてラジエータ及びエンジンの冷却が不十分となり、エンジンの温度が上昇する。そのため、作業を幾度となく中断して、防塵ネットに付着した草を取り除く必要があった。
本発明の目的は、吸気性を高めてエンジンの温度上昇を抑えることができ、作業効率を向上することができるミニショベルを提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、クローラ式の下部走行体と、前記下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、前記上部旋回体の前側に俯仰可能に設けられた作業装置とを備え、前記上部旋回体は、エンジンと、前記エンジンの冷却水を冷却するラジエータを含む少なくとも1つの熱交換器と、前記熱交換器及び前記エンジンを冷却する冷却風を生起する冷却ファンと、少なくとも前記熱交換器の側方を覆う外装カバーとを備え、前記外装カバーは、前記熱交換器との対面位置に形成されて外気を冷却風として吸込む吸気口を有するミニショベルにおいて、前記吸気口を覆うとともに前記外装カバーから側方一方側に立体的に張り出す吸気ボックスを取付け、前記吸気ボックスは、前記吸気ボックスで覆われた前記吸気口を前記側方一方側に投影した領域に形成された第1開口部及びそれ以外の領域に形成された第2開口部からなる外気取入口と、前記外気取入口を覆う防塵ネットとを有し、前記吸気ボックスは、前記外装カバーの外側から前記吸気口を覆った状態で着脱可能に取付けられる
このように本発明においては、吸気口を覆うとともに外装カバーから側方一方側に立体的に張り出す吸気ボックスを取付けている。この吸気ボックスの外気取入口は、外装カバーの吸気口を側方一方側に投影した領域に形成された第1開口部と、それ以外の領域に形成された第2開口部からなる。すなわち、吸気ボックスの外気取入口は、外装カバーの吸気口より面積が大きいので、吸気性を高めることができる。また、吸気ボックスは、外気取入口から吸気口への通風経路として、第1開口部から吸気口への第1通風経路と、第2開口部から吸気口への第2通風経路を形成するので、吸気性を高めることができる。詳しく説明すると、通常は、第1通風経路が主体となる。そのため、例えばオプション装備のアタッチメントである草刈機を作業装置に装着して草刈作業を行うと、最初は、草刈機で刈り取られた草が第1開口部に吸い寄せられて防塵ネットに付着し、第1開口部を塞いでしまう可能性がある。しかし、仮に第1開口部が塞がれたとしても、第2開口部から吸気口への通風流路が主体となるように切替わるので、吸気性を確保することができる。したがって、本発明においては、吸気性が損なわれてラジエータ及びエンジンの冷却が不十分となってエンジンの温度が上昇するのを抑えることができる。また、外装カバーの吸気口に板状の防塵ネットを取付けた場合と比べ、作業を頻繁に中断して防塵ネットに付着した草を取り除く必要がないため、作業効率を向上することができる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記吸気ボックスは、複数の面を形成する立体的なフレームを有し、前記外気取入口は、前記第1開口部及び前記第2開口部に相当する前記フレームの外側面開口部と、前記第2開口部に相当する前記フレームの他面開口部からなる。
(3)上記(2)において、好ましくは、前記フレームは、六面体形状をなし、前記外気取入口は、前記第1開口部及び前記第2開口部に相当する前記フレームの外側面開口部と、前記第2開口部に相当する前記フレームの前面開口部、後面開口部、上面開口部、及び下面開口部からなる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記吸気ボックスは、前記外装カバーに取付けられた場合に前記上部旋回体の後端の旋回半径内又はこれに近い半径内に収まるように構成される。
本発明によれば、吸気性を高めてエンジンの温度上昇を抑えることができ、作業効率を向上することができる。
本発明の一実施形態におけるミニショベルの全体構造を表す側面図である。 本発明の一実施形態におけるミニショベルの全体構造を表す平面図である。 本発明の一実施形態における上部旋回体の構造を表す側面図であり、吸気ボックスが取外された状態を示す。 本発明の一実施形態における上部旋回体の構造を表す側面図であり、吸気ボックスが取付けられた状態を示す。 本発明の一実施形態における上部旋回体の構造を表す斜視図であり、吸気ボックスが取外された状態を示す。 本発明の一実施形態における上部旋回体の構造を表す斜視図であり、吸気ボックスが取付けられた状態を示す。 本発明の一実施形態における吸気ボックスの構造を表す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態におけるミニショベルの全体構造を表す側面図であり、図2は、平面図である。なお、以降、油圧ショベルが図1で示す状態にて運転者が運転席に着座した場合における運転者の前側(図1中右側、図2中上側)、後側(図1中左側、図2中下側)、左側(図1中紙面に向かって奥側、図2中左側)、右側(図1中紙面に向かって手前側、図2中右側)を、単に前側、後側、左側、右側と称する。
図3及び図4は、本実施形態における上部旋回体の構造を表す側面図であり、図5及び図6は、斜視図である(但し、便宜上、運転席、キャノピ、操作レバー、及び操作ペダル等が取外された状態を示す)。なお、図3及び図5は、吸気ボックスが取外された状態を示し、図4及び図6は、吸気ボックスが取付けられた状態を示す。図7は、本実施形態における吸気ボックスの構造を表す斜視図である。
ミニショベルは、クローラ式の下部走行体1と、この下部走行体1上に旋回可能に設けられた上部旋回体2と、この上部旋回体2の前側にスイングポスト3を介し連結された作業装置4とを備えている。下部走行体1は、左右の走行用油圧モータ(図示せず)の回転駆動により走行し、上部旋回体2は、旋回用油圧モータ(図示せず)の回転駆動により旋回するようになっている。
スイングポスト3は、上部旋回体2の前部に水平方向に回動可能に設けられ、スイング用油圧シリンダ5の伸縮駆動により水平方向に回動するようになっている。これにより、作業装置4が左右にスイングするようになっている。
作業装置4は、スイングポスト3に上下方向に回動可能に連結されたブーム6と、このブーム6に上下方向に回動可能に連結されたアーム7と、このアーム7に上下方向に回動可能に連結されたオプション装備の草刈機(モア)8とを備えている。ブーム6、アーム7、及び草刈機8は、ブーム用油圧シリンダ9、アーム用油圧シリンダ10、及びアタッチメント用油圧シリンダ11の伸縮駆動により上下方向に回動するようになっている。なお、草刈機8は、標準装備のアタッチメントであるバケットや、他のオプション装備のアタッチメント(詳細には、例えばブレーカ又はオーガ)等と交換可能にしている。
上部旋回体2は、その下部基礎構造をなす旋回フレーム12と、この旋回フレーム12上の前方左側に設けられた運転室13と、旋回フレーム12の後側に設けられ作業装置4との釣り合いをとるためのカウンタウェイト14と、旋回フレーム12上に搭載の機器(詳細は後述)を側方から覆う外装カバー15とを備えている。
運転室13には、運転者が着座する運転席16が設けられ、運転席16の上方を覆う3柱キャノピ17(詳細には、左後側支柱、右後側支柱、及び右前側支柱で支持されたキャノピ)が設けられている。運転席16の前側には、下部走行体1の走行を指示する左右の走行用操作レバー18が設けられている。左の走行用操作レバー18の左側の足元部分には、草刈機8の駆動(すなわち、草刈機8に組込まれた草刈用油圧モータの回転駆動)を指示するオプション用操作ペダル(図示せず)が設けられている。右の走行用操作レバー18の右側の足元部分には、スイングポスト3の回動を指示する操作ペダル19が設けられている。運転席16の左側には、上部旋回体2の旋回及びアーム7の回動を指示する十字操作式の操作レバー(図示せず)が設けられている。運転席16の右側には、ブーム6の回動及び草刈機8の回動を指示する十字操作式の操作レバー20が設けられている。
旋回フレーム12の後側には、エンジン21が左右方向に延在する横置き状態で配置されている。エンジン21の左側には、エンジン21によって駆動される油圧ポンプ22が設けられている。また、運転室13の床下には、図示しない複数の方向切換弁からなる弁ユニットが設けられている。そして、上述した操作レバーや操作ペダルの操作によって対応する方向切換弁が切換えられるようになっており、方向切換弁を介して油圧ポンプ22から油圧アクチュエータ(詳細には、上述した左右の走行用油圧モータ、旋回用油圧モータ、ブーム用油圧シリンダ9、アーム用油圧シリンダ10、アタッチメント用油圧シリンダ11、及び草刈用油圧モータ等)に圧油(作動油)が供給されるようになっている。
また、エンジン21の右側には、エンジン21によって駆動される冷却ファン23が設けられ、さらに、冷却ファン23の右側には、熱交換器(詳細には、エンジン21の冷却水を冷却するラジエータ24や、作動油を冷却するオイルクーラ25等)が設けられている。そして、冷却ファン23で生起された冷却風によって熱交換器及びエンジン21が冷却されるようになっている。なお、熱交換器の前側には、作動油タンク26や燃料タンク(図示せず)が設けられている。
外装カバー15は、エンジンカバー15a、左側面カバー(図示せず)、右下側面カバー15b、右上側面カバー15c、左スカートカバー15d、及び右スカートカバー15eで構成されている。なお、右下側面カバー15b及び右上側面カバー15cは、それらが一体となって開閉可能なように互いに接続されており、それらの接続部は他の部分に比べて若干窪むような構造となっている。
カウンタウェイト14の上下方向中間位置にはエンジン21等の点検用の開口(図示せず)が形成されており、エンジンカバー15aは、この開口を開閉可能に覆うようになっている。すなわち、エンジンカバー15aは、エンジン21等を後側から覆うようになっている。左側面カバーは、油圧ポンプ22等を左側から覆うようになっている。右下側面カバー15b及び右上側面カバー15cは、熱交換器(詳細には、ラジエータ24やオイルクーラ25等)、作動油タンク26、及び燃料タンク等を右側から覆うようになっている。左スカートカバー15d及び右スカートカバー15eは、運転室13の床下(すなわち、この床下に配置された弁ユニット等)を側方から覆うようになっている。
右下側面カバー15bには、ラジエータ24及びオイルクーラ25のコア部(言い換えれば、風量が比較的大きい部分)と対面する位置に吸気口27Aが形成され、右上側面カバー15cには、オイルクーラ25の上側端部(言い換えれば、風量が比較的小さい部分)と対面する位置に吸気口27Bが形成されている。そして、冷却ファン23の駆動によって、吸気口27A,27Bから(但し、主に吸気口27Aから)外気を冷却風として吸込み、この冷却風がラジエータ24及びオイルクーラ25等を通過してエンジン21に到達するようになっている。
右下上面カバー15cには、吸気口27Bを覆うように板状の防塵ネット28が設けられている。また、本実施形態の大きな特徴として、右上側面カバー15bには、吸吸気口27Aを覆うとともに右上側面カバー15bから右側(図2中右側)に立体的に張り出す吸気ボックス29が取付けられている。
吸気ボックス29は、六面体形状のフレーム30を有している。フレーム30は、略台形枠状の内側面枠30a、略台形枠状の外側面枠30b、略四角形枠状の前面枠30c、略四角形枠状の後面枠30d、略四角形枠状の上面枠30e、及び略四角形枠状の下面枠30fで構成されている。内側面枠30a、外側面枠30b、前面枠30c、後面枠30d、上面枠30e、及び下面枠30fは、内側面開口31a、外側面開口31b、前面開口31c、後面開口31d、上面開口31e、及び下面開口31fをそれぞれ形成している。
フレーム30の内側面枠30aは、吸気ボックス29の取付フランジの役割をなす部分であり、右下側面カバー15bに沿うように曲板状に形成されている。また、フレーム30の内側面枠30aには、複数(本実施形態では5つ)の取付穴(貫通穴)32が形成されている。一方、右下側面カバー15bには、フレーム30の取付穴32に対応する位置に挿通穴(貫通穴)33が形成され、それら挿通穴33の内面側にナット(図示せず)が溶接されている。そして、ボルト34をフレーム30の内側面枠30aの取付穴32にそれぞれ挿通し、さらに右下側面カバー15bの挿通穴33にそれぞれ挿通してナットに螺合することにより、吸気ボックス29が右下側面カバー15bに取付けられるようになっている。すなわち、吸気ボックス29は、右下側面カバー15bの外側から吸気口27Aを覆った状態で着脱可能に取付けられている。
なお、上述したように右下側面カバー15bと右上側面カバー15cとの接続部は他の部分に比べて若干窪んでいることから、フレーム30の内側面枠30aは、右下側面カバー15bと右上側面カバー15cとの接続部を跨がないように、右下側面カバー15bの範囲に収まる形状となっている。言い換えれば、フレーム30は、右下側面カバー15bの範囲に収まるように、上面枠30eが傾斜する構造となっている。
また、本実施形態のミニショベルは、後方超小旋回型であって、吸気ボックス29の有無にかかわらず、上部旋回体2が下部走行体1の全幅Hの120%以内で旋回するようになっている。すなわち、上部旋回体2の後端旋回半径をR1としたときに、R1×2<H×1.2となっている。また、上部旋回体2に取付けられた吸気ボックス29は、その内部に後述する通風流路が形成される程度に張り出す必要があるものの、上部旋回体2の後端旋回半径R1に近い半径R2(但し、R2>R1)内に収まるように構成されており、R2×2≦H×1.2となっている。
吸気ボックス29の内側面開口31a以外の開口、すなわち、外側面開口31b、前面開口31c、後面開口31d、上面開口31e、及び下面開口31fは、外気取入口を構成するものであり、板状の防塵ネット35(但し、本実施形態では、防塵ネット28と比べて穴径が小さいもの)でそれぞれ覆われている。なお、内側面開口31aは、右下側面カバー15bの吸気口27Aを含むように形成されている。また、外側面開口31bは、図7中の一点鎖線(仮想線)で区切られるように、右下側面カバー15bの吸気口27Aを右側(言い換えれば、吸気ボックス29の張り出し方向)に投影した領域に形成された開口部31b1と、それ以外の領域に形成された開口部31b2からなる。
なお、外気取入口を構成する外側面開口31bの開口部31b1は、特許請求の範囲に記載の吸気ボックスで覆われた吸気口を側方一方側に投影した領域に形成された第1開口部に相当し、開口部31b2は、それ以外の領域に形成された第2開口部に相当する。また、外気取入口を構成する他面開口(詳細には、前面開口31c、後面開口31d、上面開口31e、及び下面開口31f)は、第2開口部に相当する。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
吸気ボックス29の外気取入口は、吸気ボックス29で覆われた右下側面カバー15bの吸気口27Aより面積が大きいので、吸気性を高めることができる。また、吸気ボックス29は、外気取入口から吸気口27Aへの通風流路として、外側面開口31bの開口部31b1から吸気口27Aへの通風流路、外側面開口31bの開口部31b2から吸気口27Aへの通風流路、前面開口31cから吸気口27Aへの通風流路、後面開口31dから吸気口27Aへの通風流路、上面開口31eから吸気口27Aへの通風流路、及び下面開口31fから吸気口27Aへの通風流路を形成するので、吸気性を高めることができる。詳しく説明すると、外側面開口31bの開口部31b1から吸気口27Aへの通風流路は直線的になるので風量が一番大きく、外側面開口31bの開口部31b2から吸気口27Aへの通風流路はやや曲げになるので風量が二番目に大きく、他面開口31c,31d,31e,31fから吸気口27Aへの通風流路は90程度の曲げになるので風量が小さい。そのため、通常は、外側面開口31bの開口部31b1から吸気口27Aへの流れが主体となる。ここで、例えばオプション装備のアタッチメントである草刈機8を作業装置4に装着して草刈作業を行うと、最初は、草刈機8で刈り取られた草が外側面開口31bの開口部31b1に吸い寄せられて防塵ネット35に付着し、開口部31b1を塞いでしまう可能性がある。しかし、仮に外側面開口31bの開口部31b1が塞がれたとしても、開口部31b2から吸気口27Aへの通風流路が主体となるように切替わり、吸気性を確保することができる。また、その後、草刈機8で刈り取られた草が外側面開口31bの開口部31bに吸い寄せられて防塵ネット35に付着し、開口部31b2を塞いでしまう可能性がある。しかし、仮に外側面開口31bの全体が塞がれたとしても、他面開口31c〜31fから吸気口27Aへの通風流路が主体となるように切替わり、吸気性を確保することができる。なお、他面開口31c〜31fのなかでは、草刈機8が前側に位置することから、前面開口31cが草で塞がれる可能性が一番高い。しかし、仮に、前面開口31cが塞がれ、さらに上面開口31e及び下面開口31fが塞がれたとしても、後面開口31dから吸気口27Aへの通風流路が主体となるように切替わり、吸気性を確保することができる。
したがって、本実施形態では、吸気性が損なわれてラジエータ24及びエンジン21の冷却が不十分となってエンジン21の温度が上昇するのを抑えることができる。また、右下側面カバー15bの吸気口27Aに板状の防塵ネットを取付けた場合と比べ、作業を頻繁に中断して防塵ネットに付着した草を取り除く必要がないため、作業効率を向上することができる。
なお、上記一実施形態においては、吸気ボックス29は、六面体形状のフレーム30を有し、外気取入口は、このフレーム30の外側面開口31b、前面開口31c、後面開口31d、上面開口31e、及び下面開口31fからなる場合を例にとって説明したが、本発明の趣旨及び技術思想の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。すなわち、外気取入口は、吸気口27Aを側方一方側に投影した領域に形成された第1開口部及びそれ以外の領域に形成された第2開口部からなるように構成さえすればよい。具体的には、例えば、六面体形状のフレームの前面開口、後面開口、上面開口、及び下面開口のうちのいずれかを塞ぐことにより、外気取入口は、フレームの前面開口、後面開口、上面開口、及び下面開口のうちのいずれかと外側面開口からなるか、若しくは外側面開口のみからなるように構成してもよい。このような変形例においては、上記一実施形態と比べて効果が小さくなるものの、吸気性を高めてエンジンの温度上昇を抑えることができ、作業効率を向上することができる。
また、他の変形例として、吸気ボックスは、蒲鉾形状(詳細には、上面及び下面が平面で、外側面が曲率の大きな曲面である四面体形状)のフレームを有し、外気取入口は、このフレームの側面開口、上面開口、及び下面開口からなるように構成してもよい。また、例えば、蒲鉾形状のフレームの上面開口及び下面開口のうちのいずれかを塞ぐことにより、外気取入口は、このフレームの上面開口及び下面開口のうちのいずれかと側面開口からなるか、若しくは側面開口のみからなるように構成してもよい。このような変形例においても、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記一実施形態においては、右下側面カバー15bの吸気口27Aだけでなく、右下側面カバー15cの吸気口27Bも形成されており、カバー15b,15cの構造上の理由から、吸気口27Aだけを吸気ボックス29で覆う場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、カバー15b,15cの構造上の理由がなければ、吸気口27A,27Bを吸気ボックスで覆ってもよい。また、吸気口は、2つだけの場合に限られず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。これらの場合も、上記同様の効果を得ることができる。
なお、以上においては、本発明の適用対象として、作業装置4がスイングポスト3を介し上部旋回体2の前側に連結された後方超小旋回型のミニショベルを例にとって説明したが、これに限られず、例えば作業装置4が上部旋回体の旋回中心寄りに連結された超小旋回型のミニショベル等に適用してもよいことは言うまでもない。
1 下部走行体
2 上部旋回体
4 作業装置
15 外装カバー
21 エンジン
23 冷却ファン
24 ラジエータ
25 オイルクーラ
27A 吸気口
27B 吸気口
29 吸気ボックス
30 フレーム
31b 外側面開口
31b1 開口部(第1開口部)
31b2 開口部(第2開口部)
31c 前面開口(第2開口部)
31d 後面開口(第2開口部)
31e 上面開口(第2開口部)
31f 下面開口(第2開口部)
35 防塵ネット

Claims (4)

  1. クローラ式の下部走行体と、前記下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体と、前記上部旋回体の前側に俯仰可能に設けられた作業装置とを備え、
    前記上部旋回体は、エンジンと、前記エンジンの冷却水を冷却するラジエータを含む少なくとも1つの熱交換器と、前記熱交換器及び前記エンジンを冷却する冷却風を生起する冷却ファンと、少なくとも前記熱交換器の側方を覆う外装カバーとを備え、
    前記外装カバーは、前記熱交換器との対面位置に形成されて外気を冷却風として吸込む吸気口を有するミニショベルにおいて、
    前記吸気口を覆うとともに前記外装カバーから側方一方側に立体的に張り出す吸気ボックスを取付け、
    前記吸気ボックスは、前記吸気ボックスで覆われた前記吸気口を前記側方一方側に投影した領域に形成された第1開口部及びそれ以外の領域に形成された第2開口部からなる外気取入口と、前記外気取入口を覆う防塵ネットとを有し、
    前記吸気ボックスは、前記外装カバーの外側から前記吸気口を覆った状態で着脱可能に取付けられたことを特徴とするミニショベル。
  2. 請求項1記載のミニショベルにおいて、
    前記吸気ボックスは、複数の面を形成する立体的なフレームを有し、
    前記外気取入口は、前記第1開口部及び前記第2開口部に相当する前記フレームの外側面開口部と、前記第2開口部に相当する前記フレームの他面開口部からなることを特徴とするミニショベル。
  3. 請求項2記載のミニショベルにおいて、
    前記フレームは、六面体形状をなし、
    前記外気取入口は、前記第1開口部及び前記第2開口部に相当する前記フレームの外側面開口部と、前記第2開口部に相当する前記フレームの前面開口部、後面開口部、上面開口部、及び下面開口部からなることを特徴とするミニショベル。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のミニショベルにおいて、
    前記吸気ボックスは、前記外装カバーに取付けられた場合に前記上部旋回体の後端の旋回半径内又はこれに近い半径内に収まるように構成されたことを特徴とするミニショベル。
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