JP5700314B1 - 切創防護服用布帛 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軽量性、装着性、強靭性、耐切創性ならびに経済性を兼ね備えて、チェーンソーの切刃の回転と防護服内への食い込みを困難にする切創防護服布帛ならびに切創防護服の提供を図る。【解決手段】切創防護服1に使用され表地布帛2と裏地布帛7との中間層に配設される布帛であって、該切創防護服用布帛3が、高機能繊維束3aを縦横に配列若しくは高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bとを交互且つ縦横に配列した状態で、素地4の表面に接結・製織されて成る手段を採る。【選択図】図1

Description

本発明は、軽量性、装着性、強靭性、耐切創性ならびに経済性を兼ね備えて、チェーンソーの切刃の回転による防護服内への食い込みを困難にする切創防護服布帛に関する。
従来より、森林の伐採作業は、チェーンソーを使って行われるが、その作業現場は急斜面であったり、足場が安定しない凸凹状態やぬかるんだ状態など、極めて作業環境が悪い所で行われることが多いため、使用されるチェーンソーの回転刃によって作業者自身が負傷する災害事故が問題となっている。そこで、かかる問題を解決すべく、作業者の身体を切創事故から保護するための多様な切創防止用の防護服が提案されている。
例えば、作業性に優れ、安全性にも優れたチェーンソー刃による事故を防止することができるとする「チェーンソー用耐切創衣服」(特許文献1参照)が提案されている。
すなわち上記提案は、適宜素材より成る表生地と、同適宜素材より成る裏生地の間に、上面となる表生地より順に、まず高強度ポリエチレン繊維とポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを交織して得た布帛を、次いで適宜硬度と強度を有するナイロン又はポリエステル等の化合繊布帛を複数層として成る布帛集合体を、更に、高強度ポリエチレン繊維をフェルトとして得た布帛を、積層した上で、縫製等任意の手段にて一体化して強靭性ならびに耐切創性を確保することができるとされている。しかしながら、該提案は、高強度ポリエチレン繊維とポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維を一体化又は交織する布帛構造から回転刃の切り込み方向がポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の織り込み方向と平行(同方向)になった場合、回転刃が切創衣服の繊維の方向に沿って深く切り込まれる可能性があることから、耐切創性に問題があると共に、高価なポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維が多用されるため、経済性に問題があるものであった。
また、防護効果が高く、軽量で経済的で、しかも作業しやすいとする「チェーンソープロテクター」(特許文献2参照)が提案されている。
すなわち上記提案は、人体の腰部に取り付けられ、布地からなる保持体と、該保持体の下端部と連結部材によって着脱可能に連結された防護体からなり、防護体は表地層アラミド繊維からなる縦糸層、アラミド繊維からなる横糸層、アラミド繊維からなる平織層、緩衝材層、前記各層間の少なくとも1層間か、すべての層間に滑り材を挟み込むとともに、裏地層の組み合わせ構造によって、該防護体を下半身に装着させて、チェーンソーから下半身を防護する構造を採用するものである。しかしながら、該提案は、アラミド繊維による縦糸層と横糸層の二枚の生地が用いられることから、強靭性ならびに耐切創性は確保されるが、制作上の煩雑性を有すると共に、経済性にも欠けるという問題があった。
さらに、森林における伐採作業に用いられるチェーンソーや草刈作業に用いられる草刈機による足首や膝における切創事故を防止することを目的とした「安全脚絆」(特許文献3参照)が提案されている。
すなわち上記提案は、向こう脛に宛てがって臑に巻き付ける脚絆本体に、臑の延在方向に延びる複数のステンレス板を並べて内蔵した安全脚絆において、巻付方向に延びる脚絆本体の下縁に切欠を形成し、アラミド繊維を織成した足首保護カバーを切欠から突出させ、アラミド繊維を織成した膝保護カバーを、巻付方向に延びる脚絆本体の上縁から上方に突出させ、膝に巻き付けた状態を保持する締付紐を膝保護カバーに設けた構造を採用している。しかしながら、該提案は、ステンレス板を並べて内蔵していることによって、軽量性ならびに装着性が乏しい上、ステンレス板の飛散による二次災害が懸念されるもので、さらに回転刃がアラミド繊維に達するまでの時間的レスポンスが発生するため、切創事故の拡大が懸念されるものであった。
またさらに、軽量、着脱容易で、高速回転する刃物が当るとその刃物をすべらせ、さらに布地内部への食い込みを困難にさせる主にチェーンソー、刈払機などを用いる作業の安全上着用されることを目的とした「保護着衣具」(特許文献4参照)が提案されている。
しかしながら、上記提案は、芯にステンレス繊維を、中間層にポリエステル繊維を芯にしたアラミド繊維のコアヤーンを、最外層にポリエステル加工糸を、それぞれ用いて形成された三層複合糸を使った、2/2の綾織組織で、密度が経糸においてインチ当り15〜40本、緯糸においてインチ当り20〜40本の布地より作る構造で構成されていることによって、ステン繊維を基芯としてその外周にポリ繊維を芯にしたアラミド繊維と更にその外周にポリ加工糸を用いて形成した三層複合糸による複雑構造を採用していることで、軽量性、装着性、経済性を確保することができないものであった。
以上のように、従来の切創防護服は、軽量性、装着性、強靭性、耐切創性、経済性を兼ね備えてチェーンソーの切刃の回転と防護服内の食い込みを困難にする手袋、手甲、脚絆、ベスト、ズボン、膝カバー、腕カバー、帽子、覆面、ゲートル等に使用される切創防護服布帛としての防護機能を充分に備えるものではなかった。
本発明者は、以上のような切創防護服の現状に鑑み、従来の軽量性、装着性、強靭性、耐切創性、経済性の問題に着目し、その問題点を安価で且つ簡便な構造を用いて一挙に解決することができないものかという着想の下、切創防護服に使用され,表地布帛と裏地布帛との中間層に高機能繊維布帛が配設される3層構造の布帛であって、高機能繊維布帛が、高機能繊維束を横に配列し、その上に高機能繊維束を縦に配列した状態で、素地の表面に接結又は製織されて成る切創防護服用の布帛を開発し、本発明における「切創防護服用布帛」の提案に至るものである。
特開2004−244741号公報 特開2009−270239号公報 特開2012−97388号公報 実開平9−288号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、軽量性、装着性、強靭性、耐切創性ならびに経済性を兼ね備えて、チェーンソーの切刃の回転と防護服内の食い込みを困難にする切創防護服布帛を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、切創防護服に使用され、表地布帛と裏地布帛との中間層に配設される布帛であって、高機能繊維束を横に配列し、その上に高機能繊維束を縦に配列した状態で、素地の表面に接結又は製織されて成る手段を採る。
また、本発明は、切創防護服に使用され、表地布帛と裏地布帛との中間層に配設される切創防護服用布帛であって、高機能繊維束と高分子合成繊維束とを交互に横に配列し、その上に高機能繊維束と高分子合成繊維束とを交互に縦に配列した状態で、素地の表面に接結又は製織されて成る手段を採る。
またさらに、本発明は、前記切創防護服用布帛において、高機能繊維束が1束に対して高分子合成繊維束が2〜4束の割合で交互且つ縦横に配列されて成る手段を採る。
さらにまた、本発明は、前記切創防護服用布帛において、本発明は、前記切創防護服用布帛において、高機能繊維布帛の素地幅100mmに対して高機能繊維束が16〜32束配列されて成る手段を採る。
さらにまた、本発明は、前記切創防護服用布帛において、本発明は、前記切創防護服用布帛において、高機能繊維布帛の素地幅100mmに対して高機能繊維束と高分子合成繊維束との合計が16〜32束配列されて成る手段を採る。
そしてまた、本発明は、前記切創防護服用布帛において、高機能繊維束又は高分子合成繊維束が、1500〜9000デシテックスの太さから成る手段を採る。
そしてさらに、本発明の切創防護服は、表地布帛と裏地布帛との中間層に、前記切創防護服用布帛を素地の裏面が裏地布帛側に向いた状態で配設して成る手段を採る。
そしてまた、本発明の切創防護服は、前記切創防護服用布帛と裏地布帛との中間層に、滑り材布帛または緩衝材布帛のいずれか一方若しくは両方を配設して成る手段を採る。
本発明の切創防護服用布帛によれば、高機能繊維束を横に配列し、その上に高機能繊維束を縦に配列した状態で、素地の表面に接結又は製織されて成る手段を採ることによって、強靭性、耐切創性を確保した上で軽量性、装着性、経済性を確保することができるといった従来にない優れた効果を奏する。
また、本発明の切創防護服用布帛によれば、高機能繊維束と高分子合成繊維束とを交互に横に配列し、その上に高機能繊維束と高分子合成繊維束とを交互に縦に配列した状態で、素地の表面に接結又は製織されて成る手段を採ることによって、強靭性、耐切創性を確保した上で高機能繊維束の使用量を減らして、軽量性、装着性、経済性を確保することができるといった従来にない優れた効果を奏する。
またさらに、本発明の切創防護服用布帛によれば、高機能繊維束が1束に対して高分子合成繊維束が2〜4束の割合で交互且つ縦横に配列されて成る手段を採ることによって、上記と比して、さらに強靭性、耐切創性を確保した上で高機能繊維束の使用量を減らして、軽量性、装着性、経済性を確保することができるといった優れた効果を奏する。
さらにまた、本発明の切創防護服用布帛によれば、素地幅100mmに対して高機能繊維束若しくは高機能繊維束と高分子合成繊維束との合計が16〜32束配列されて成る手段を採ることによって、従来に増して、耐切創性と経済性を両立することができるといった優れた効果を奏する。
そしてまた、本発明の切創防護服用布帛によれば、高機能繊維束又は高分子合成繊維束が、1500〜9000デシテックスの太さから成る手段を採ることによって、従来に増して耐切創性と経済性を両立することができるといった優れた効果を奏する。
そしてさらに、本発明の切創防護服によれば、表地布帛と裏地布帛との中間層に、前記切創防護服用布帛を素地の裏面が裏地布帛側に向いた状態で配設して成る手段を採ることによって、回転刃が高機能繊維束に早期に絡まることとなって、従来に増して耐切創性を確保することができるといった優れた効果を奏する。
そしてまた、本発明の切創防護服によれば、切創防護服用布帛と裏地布帛との中間層に、滑り材布帛または緩衝材布帛のいずれか一方若しくは両方を配設して成る手段を採ることによって、回転刃が滑り材布帛の上面を滑る状態を促進し、さらに緩衝材布帛が作業者自身の身体を守る安全性を確保できるといった優れた効果を奏する。
これらの効果を総括して、本発明に係る切創防護服用布帛並びに切創防護服によれば、軽量性、装着性、強靭性、耐切創性、経済性を備えてチェーンソーの切刃の回転と食い込みを困難にすることによって、手袋、手甲、脚絆、ベスト、ズボン、膝カバー、腕カバー、帽子、覆面、ゲートル等に多様な切創防護服の素材生地として利用できるといった優れた効果を奏する。
本発明にかかる切創防護服用布帛の第一の実施形態を示す説明図である。(実施例1) 本発明にかかる切創防護服用布帛の第二の実施形態を示す平面説明図である。(実施例2) 本発明にかかる切創防護服用布帛の第三の実施形態を示す平面説明図である。(実施例3) 本発明にかかる切創防護服用布帛の第四の実施形態を示す平面説明図である。(実施例4) 本発明にかかる切創防護服用布帛の第五の実施形態を示す断面説明図である。(実施例5) 本発明にかかる切創防護服の第一の実施形態を示す断面説明図である。(実施例6) 本発明にかかる切創防護服の第二の実施形態を示す分解斜視図である。(実施例7)
本発明の切創防護服用布帛3は、切創防護服に使用され、表地布帛2と裏地布帛7との中間層に配設される布帛であって、高機能繊維束3aを横に配列しその上に高機能繊維束3aを縦に配列した状態若しくは高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bとを交互に横に配列しその上に高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bとを交互に縦に配列した状態で、素地4の表面に接結又は製織されて成る手段を採ったことを最大の特徴とする。以下、本発明の実施形態を、図面を基に説明する。
尚、本発明における切創防護服用布帛3は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法等の範囲内で、適宜変更することができる。
図1は、本発明にかかる切創防護服用布帛3の第一の実施形態を示す説明図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は断面図である。
本実施例にかかる切創防護服用布帛3は、切創防護服に使用され、表地布帛2と裏地布帛7との中間層に配設される布帛であって、高機能繊維束3aを横に配列し、その上に高機能繊維束3aを縦に配列した状態で、素地4の表面に接結又は製織されて形成される。
該切創防護服用布帛3は、高機能繊維からなる高機能繊維束3aから構成されるもので、ここでいう高機能繊維とは、強靭性と高弾性率による耐切創性を備えるものであれば特に限定はないが、例えばアラミド繊維やポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維などが考え得る。
かかる高機能繊維束3aは、素地4の表面において、横に配列されたその上に縦に配列された状態で、接結糸8によって接結又は製織される。素地4は、生地状のものであればその素材について特に限定するものではなく、例えば綿生地などを用いればよい。ただし、本発明の切創防護という目的に鑑みれば、該素地4についても強靭性を備えることが望ましく、例えばポリエステル繊維糸を織ってできる生地などを使用することが好ましい。
高機能繊維束3aを素地4の表面に接結又は製織すべく使用される接結糸8については、特に素材の限定はないが、例えば素地4と同素材のポリエステル系製糸で形成されることが好ましい。
ところで、かかる接結糸8については、前記素地4を構成する繊維糸(縦糸または横糸)で代用することが可能である。すなわち、繊維糸の一部が高機能繊維束3aの上側(素地4の反対側)にある状態で素地4が製織されることで、その一部の繊維糸が接結糸8として機能し、高機能繊維束3aが素地4上に接結される態様である。これにより、別体としての接結糸8を準備することなく、素地4に高機能繊維束3aを接結することが可能となる。
以上で構成される切創防護服用布帛3は、高機能繊維束3aを横に配列し、その上に高機能繊維束3aを縦に配列した状態で、素地4の表面に接結又は製織されることによって、チェーンソーの切刃が該切創防護服用布帛3に当接した際に、高機能繊維束3aが高速で回転するチェーンソーの切刃に綿状に絡んで回転を困難にすることとなり、強靭性と耐切創性を充分に確保した切創防護服用布帛3を提供するものである。
図2は、本発明にかかる切創防護服用布帛3の第二の実施形態を示す説明図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は断面図である。
本実施例にかかる切創防護服用布帛3は、切創防護服に使用され、表地布帛2と裏地布帛7との中間層に配設される布帛であって、高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bとを交互に横に配列し、その上に高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bとを交互に縦に配列した状態で、素地4の表面に接結又は製織されて形成される。
該切創防護服用布帛3は、高機能繊維からなる高機能繊維束3aと、該高機能繊維を除く高分子合成繊維からなる高分子合成繊維束3bから構成されるもので、ここでいう高機能繊維とは、強靭性と高弾性率による耐切創性を備えるものであれば特に限定はないが、例えばアラミド繊維やポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維などが考え得る。また、高分子合成繊維についても同様、高機能繊維ほどではないが、強靭性ならびに高弾性率を備えていることが望ましく、例えばナイロン繊維やポリエステル繊維などが考え得る。
かかる高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bとは、素地4の表面において、夫々交互に、且つ、横に配列されたその上に縦に配列された状態で、接結糸8によって接結又は製織される。素地4は、生地状のものであればその素材について特に限定するものではなく、例えば綿生地などを用いればよい。ただし、本発明の切創防護という目的に鑑みれば、該素地4についても強靭性を備えることが望ましく、例えばポリエステル繊維糸を織ってできる生地などを使用することが好ましい。
高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bとを素地4の表面に接結又は製織すべく使用される接結糸8については、特に素材の限定はないが、例えば素地4と同素材のポリエステル系製糸で形成されることが好ましい。
なお、接結糸8について、素地4を構成する繊維糸で代用することが可能であることは、前記第一の実施形態(実施例1)と同様である。
以上で構成される切創防護服用布帛3は、高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bとを交互に横に配列し、その上に高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bとを交互に縦に配列した状態で、素地4の表面に接結又は製織されることによって、チェーンソーの切刃が該切創防護服用布帛3に当接した際に、高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bが高速で回転するチェーンソーの切刃に綿状に絡んで回転を困難にすることとなる。このように、本発明は、高分子合成繊維束3bを使用することで、高機能繊維束3aの使用量を効率良く減らしつつも強靭性と耐切創性を充分に確保した切創防護服用布帛3を提供するものである。
図3は、本発明にかかる切創防護服用布帛3の第三の実施形態を示す平面説明図である。
本実施例にかかる切創防護服用布帛3は、高機能繊維束3aが1束に対して高分子合成繊維束3bが2〜4束の割合で交互且つ縦横に配列されて形成される。なお、図面では、高機能繊維束3aが1束に対して高分子合成繊維束3bが2束の割合で配列された場合について示している。
以上で構成される切創防護服用布帛3は、高機能繊維束3aが1束に対して高分子合成繊維束3bが2〜4束の割合で交互且つ縦横に配列されて成る手段を採ることによって、高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bが高速で回転するチェーンソーの切刃に綿状に絡んで回転を困難にすることで、上記第一乃至第二の実施形態にかかる切創防護服用布帛3と比して、同等の強靭性、耐切創性を確保しつつ、高機能繊維束3aの使用量を効率よく減らして、より一層の経済性が確保されるものである。
図4は、本発明にかかる切創防護服用布帛3の第四の実施形態を示す平面説明図である。
本実施例にかかる切創防護服用布帛3は、素地4の幅100mmに対して高機能繊維束3a若しくは高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bとの合計が16〜32束配列されて形成される。なお、図面では、素地4の幅100mmに対して高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bとの合計が16束配列された場合について示している。
以上で構成される切創防護服用布帛3は、素地4の幅100mmに高機能繊維束3a若しくは高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bとの合計が16〜32束配列されて成る手段を採ることによって、高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bの使用量を効率よく配しつつ、該切創防護服用布帛3の強靭性、耐切創性を確実なものとする配列を提供するものである。
図5は、本発明にかかる切創防護服用布帛3の第五の実施形態を示す断面説明図である。
本発明の切創防護服用布帛3は、高機能繊維束3a又は高分子合成繊維束3bが、1500〜9000デシテックスの太さで形成されて成る。
以上で構成される切創防護服用布帛3は、高機能繊維束3a又は高分子合成繊維束3bが、1500〜9000デシテックスの太さで形成されて成る手段を採ることによって、強靭性、耐切創性を確実なものとする高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bの効率よい使用量について提案するものである。
図6は、本発明にかかる切創防護服用1の第一の実施形態を示す説明図であり、図6(a)は分解斜視図、図6(b)断面図である。
すなわち、本実施例にかかる切創防護服用1は、上記した切創防護服用布帛3が表地布帛2と裏地布帛7との中間層に配設することで、全体として三層構造を為すものである。このように、切創防護服用布帛3を表地布帛2と裏地布帛7との中間層に配設するに際しては、図面に示すように、創防護服用布帛3における素地4の裏面4aが裏地布帛7側に向いた状態で配設されることとなる。
表地布帛2は、特に素材は限定されないが、裏地布帛7に比べて厚みと強度を要すると共に、防水性を備えるナイロン系布地などで形成される。
また、裏地布帛7は、表地布帛2同様、特に素材は限定されないが、軽量性の良い薄手の樹脂製生地または吸汗性を備えるネット状生地で形成されることが好ましい。
以上のように、表地布帛2と裏地布帛7との中間層において、本発明にかかる切創防護服用布帛3を素地4の裏面4aが裏地布帛7側に向いた状態で配設することで、本発明にかかる切創防護服1が完成する。完成した切創防護服1は、その生地内に上記切創防護服用布帛3が使用されていることで、チェーンソーの切刃が表地布帛2を切創した場合であっても、該切創防護服用布帛3の高機能繊維束3aと高分子合成繊維束3bが切刃に早期に絡まることとなり、それによって該切刃の回転が強制的に停止されることとなるため、作業者の身体の安全性が確保されることとなる。
なお、本発明が採用される切創防護服1としては、特に限定はないが、例えば手袋や手甲、脚絆、ベスト、ズボン、膝カバー、腕カバー、帽子、覆面、ゲートル等々、多種多様な切創防護服1が考え得る。
図7は、本発明にかかる切創防護服1の第二の実施形態を示す分解斜視図である。
すなわち、本実施例にかかる切創防護服1は、前記切創防護服用布帛3と裏地布帛7との中間層に、滑り材布帛5または緩衝材布帛6のいずれか一方若しくは両方を配設することで、全体として4層乃至5層構造を為すものである。
滑り材布帛5は、特に素材は限定されないが、チェーンソーの切刃が接触した際に生地の表面上を滑り易い合成樹脂製シートなどで形成されることが好ましい。
緩衝材布帛6についても、特に素材は限定されないが、高強度ポリエチレン繊維を用いたフェルト布地や綿材などの衝撃緩和機能を備える素材で形成されることが好ましい。
以上で構成される切創防護服1は、上記第一の実施形態に対し、さらに前記切創防護服用布帛3と裏地布帛7との中間層に滑り材布帛5や緩衝材布帛6を配設して全体として4層乃至5層構造で構成された手段を採ることによって、チェーンソーの回転刃が滑り材布帛の上面を滑る状態を促進し、さらに緩衝材布帛6が作業者自身の身体の安全性をより確保する役目を果たすもので、特にチェーンソーを使った作業を専業とするプロ仕様として提供されるものである。
本発明の切創防護服1ならびに切創防護服用布帛3は、軽量性、装着性、強靭性、耐切創性、経済性を備えることに加えて、チェーンソーの切刃の回転と防護服内の食い込みを困難にする構造を備えることによって、従来に増して手袋、手甲、脚絆、ベスト、ズボン、膝カバー、腕カバー、帽子、覆面、ゲートル等に多様な切創防護服の素材生地として利用することができることから、本発明の産業上の利用可能性は極めて高いものと思料する。
1 切創防護服
2 表地布帛
3 切創防護服用布帛
3a 高機能繊維束
3b 高分子合成繊維束
4 素地
4a 裏面
5 滑り材布帛
6 緩衝材布帛
7 裏地布帛
8 接結糸

Claims (8)

  1. 切創防護服に使用され、表地布帛と裏地布帛との中間層に配設される布帛であって、
    高機能繊維束を横に配列し、その上に高機能繊維束を縦に配列した状態で、素地の表面に接結又は製織されて成ることを特徴とする切創防護服用布帛。
  2. 切創防護服に使用され、表地布帛と裏地布帛との中間層に配設される布帛であって、
    高機能繊維束と高分子合成繊維束とを交互に横に配列し、その上に高機能繊維束と高分子合成繊維束とを交互に縦に配列した状態で、素地の表面に接結又は製織されて成ることを特徴とする切創防護服用布帛。
  3. 前記切創防護服用布帛において、前記高機能繊維束が1束に対して前記高分子合成繊維束が2〜4束の割合で交互且つ縦横に配列されて成ることを特徴とする請求項2に記載の切創防護服用布帛。
  4. 前記切創防護服用布帛において、素地幅100mmに対して前記高機能繊維束が16〜32束配列されて成ることを特徴とする請求項1に記載の切創防護服用布帛。
  5. 前記切創防護服用布帛において、素地幅100mmに対して前記高機能繊維束と前記高分子合成繊維束との合計が16〜32束配列されて成ることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の切創防護服用布帛。
  6. 前記切創防護服用布帛において、前記高機能繊維束又は高分子合成繊維束が、1500〜9000デシテックスの太さから成ることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の切創防護服用布帛。
  7. 前記請求項1から請求項5のいずれかに記載の切創防護服用布帛を使用した切創防護服であって、
    前記表地布帛と前記裏地布帛との中間層に、前記切創防護服用布帛を素地の裏面が裏地布帛側に向いた状態で配設して成ることを特徴とする切創防護服。
  8. 前記切創防護服において、前記切創防護服用布帛と前記裏地布帛との中間層に、滑り材布帛または緩衝材布帛のいずれか一方若しくは両方を配設して成ることを特徴とする請求項7に記載の切創防護服。
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