JP5699430B2 - 隠蔽葉書製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、隠蔽葉書を製造する隠蔽葉書製造方法および隠蔽葉書に関するものである。
従来、郵送された葉書に記載された内容が、受取人に渡る前の段階で、第三者に盗み見られないように工夫された隠蔽葉書が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。このような隠蔽葉書の内側には機密情報や個人情報を示す文字、図形、表などが印字され、外側には宛先が印字されている。
特開平4−126299号公報
前述の隠蔽葉書は内側に機密情報などを印字するものであったが、オリジナルの画像を印刷して知人に送りたいというニーズがある。
例えば、年賀状、クリスマスカード、結婚式の礼状などを送る際、隠蔽葉書の内側に写真品質のプリントを行うことで、レア感を持たせたものができ、内容もはがしてから分かるので、ワクワク感の演出が可能である。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、熱転写用の受容層が設けられた受像紙に画像を形成し、内側に写真などを高画質で印刷した隠蔽葉書を製造する隠蔽葉書製造方法等を提供することである。
第1の発明は、基材の一方の片面に熱転写用の第1の受容層が設けられ、前記基材のもう一方の片面に熱転写用の第2の受容層が設けられた受像紙に画像を形成し、隠蔽葉書を製造する隠蔽葉書製造方法であって、熱転写装置が、前記第1の受容層に第1の画像を形成する第1の画像形成工程と、前記熱転写装置が、前記第1の画像形成工程によって画像が形成された前記第1の受容層の上に第1の保護層を形成する第1の保護層形成工程と、前記熱転写装置が、前記第2の受容層第2の画像を形成する第2の画像形成工程と、前記熱転写装置が、前記第2の画像形成工程によって画像が形成された前記第2の受容層の上に第2の保護層を形成する第2の保護層形成工程と、前記熱転写装置が、前記第2の保護層形成工程によって形成された前記受像紙の第2の保護層の上に接着層を形成する接着層形成工程と、前記熱転写装置が、前記接着層形成工程によって前記接着層が形成された前記受像紙を所定の大きさに切断する切断工程と、折り装置が、前記切断工程によって所定の大きさに切断された前記受像紙に折り目を形成する折り目形成工程と、前記折り装置が、前記接着層形成工程によって形成された前記接着層が内側になるように、前記折り目形成工程によって形成された前記折り目に沿って前記受像紙を折って圧着することで整形する整形工程と、を含むことを特徴とする隠蔽葉書製造方法である。第1の発明によって、内側と外側に写真などを高画質で印刷した隠蔽葉書を製造することができる。また、保護層によって、画像を保護し、隠蔽葉書に表面光沢、耐摩耗性等の表面特性を与えることができる。
第2の発明は、基材の少なくとも片側に熱転写用の受容層が設けられた受像紙に画像を形成し、隠蔽葉書を製造する隠蔽葉書製造方法であって、熱転写装置が、前記受像紙の受容層に画像を形成する画像形成工程と、前記熱転写装置が、前記画像形成工程によって画像が形成された前記受像紙の受容層の上に保護層を形成する保護層形成工程と、前記熱転写装置が、前記保護層形成工程によって形成された前記保護層の上に接着層を形成する接着層形成工程と、前記熱転写装置が、前記接着層形成工程によって前記接着層が形成された前記受像紙を所定の大きさに切断する切断工程と、折り装置が、前記切断工程によって所定の大きさに切断された前記受像紙に折り目を形成する折り目形成工程と、前記折り装置が、前記保護層形成工程によって形成された前記接着層が内側になるように、前記折り目形成工程によって形成された前記折り目に沿って前記受像紙を折って圧着することで整形する整形工程と、を含むことを特徴とする隠蔽葉書製造方法である。第の発明によって、少なくとも内側に写真などを高画質で印刷した隠蔽葉書を製造することができる。また、保護層によって、画像を保護し、隠蔽葉書に表面光沢、耐摩耗性等の表面特性を与えることができる。
第3の発明は、基材の一方の片面に熱転写用の第1の受容層が設けられ、前記基材のもう一方の片面に熱転写用の第2の受容層が設けられた受像紙に画像を形成し、隠蔽葉書を製造する隠蔽葉書製造方法であって、熱転写装置が、前記第1の受容層に第1の画像を形成する第1の画像形成工程と、前記熱転写装置が、前記第1の画像形成工程によって画像が形成された前記第1の受容層の上に第1の保護層を形成する第1の保護層形成工程と、前記熱転写装置が、前記第2の受容層に第2の画像を形成する第2の画像形成工程と、前記熱転写装置が、前記第2の画像形成工程によって画像が形成された前記第2の受容層の上に接着性を持つ材料の第2の保護層を形成する第2の保護層形成工程と、前記熱転写装置が、前記第2の保護層形成工程によって前記第2の保護層が形成された前記受像紙を所定の大きさに切断する切断工程と、折り装置が、前記切断工程によって所定の大きさに切断された前記受像紙に折り目を形成する折り目形成工程と、前記折り装置が、前記第2の保護層形成工程によって形成された前記第2の保護層が内側になるように、前記折り目形成工程によって形成された前記折り目に沿って前記受像紙を折って圧着することで整形する整形工程と、を含むことを特徴とする隠蔽葉書製造方法である。第3の発明によって、内側と外側に写真などを高画質で印刷した隠蔽葉書を製造することができる。また、保護層によって、画像を保護し、隠蔽葉書に表面光沢、耐摩耗性等の表面特性を与えることができる。
第4の発明は、基材の少なくとも片側に熱転写用の受容層が設けられた受像紙に画像を形成し、隠蔽葉書を製造する隠蔽葉書製造方法であって、熱転写装置が、前記受像紙の受容層に画像を形成する画像形成工程と、前記熱転写装置が、前記画像形成工程によって画像が形成された前記受像紙の受容層の上に接着性を持つ材料の保護層を形成する保護層形成工程と、前記熱転写装置が、前記保護層形成工程によって前記保護層が形成された前記受像紙を所定の大きさに切断する切断工程と、折り装置が、前記切断工程によって所定の大きさに切断された前記受像紙に折り目を形成する折り目形成工程と、前記折り装置が、前記保護層形成工程によって形成された前記保護層が内側になるように、前記折り目形成工程によって形成された前記折り目に沿って前記受像紙を折って圧着することで整形する整形工程と、を含むことを特徴とする隠蔽葉書製造方法である。第4の発明によって、少なくとも内側に写真などを高画質で印刷した隠蔽葉書を製造することができる。また、保護層によって、画像を保護し、隠蔽葉書に表面光沢、耐摩耗性等の表面特性を与えることができる。
第1の発明から第4の発明のいずれかの隠蔽葉書製造方法において、前記受像紙の幅は、前記隠蔽葉書の短辺方向の長さの略整数倍であり、前記受像紙の幅方向は、前記熱転写装置による搬送方向と直交し、前記切断工程では、前記熱転写装置は、前記受像紙の搬送方向の長さが前記隠蔽葉書の長辺方向の長さと略等しい位置で前記受像紙を切断し、前記折り目形成工程では、前記折り装置は、前記搬送方向に沿って伸びるように前記受像紙に前記折り目を形成するようにしても良い。
本発明により、熱転写用の受容層が設けられた受像紙に画像を形成し、内側に写真などを高画質で印刷した隠蔽葉書を製造する隠蔽葉書製造方法等を提供することができる。
熱転写プリンタ1と折り装置3の一例を示す図 熱転写シート5aの一例を示す図 熱転写シート5bの一例を示す図 ロール紙7の一例を示す図 隠蔽葉書9の層構成の一例を示す図 隠蔽葉書9の製造方法を説明する図 折り装置3の一例の動作を示す概略図 折り装置3の一例の動作を示す概略図 折り装置3の一例の動作を示す概略図 折り装置3の一例の動作を示す概略図 折り装置3の一例の動作を示す概略図 ロール紙7に形成される画像の一例を示す図 隠蔽葉書9の一例を示す図 折り目の形成を説明する図 熱転写プリンタ201と折り装置3の一例を示す図 熱転写シート205の一例を示す図 熱転写プリンタ301と折り装置3の一例を示す図 熱転写シート405aの一例を示す図 熱転写シート405bの一例を示す図 隠蔽葉書409の一例を示す図 隠蔽葉書509の製造方法を説明する図 熱転写プリンタ601と折り装置3の一例を示す図 熱転写シート605aの一例を示す図 熱転写シート605bの一例を示す図 ロール紙607の一例を示す図 隠蔽葉書609の層構成の一例を示す図 隠蔽葉書709の層構成の一例を示す図 隠蔽葉書709の製造方法を説明する図 隠蔽葉書709の一例を示す図
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1から図14を参照しながら、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、熱転写プリンタ1と折り装置3の一例を示す図である。図1に示す熱転写プリンタ1は、ロール紙7に対して両面印刷を行い、ロール紙7を所定の大きさにカットし、カットされたロール紙7を折り装置3に搬送するものである。折り装置3は、カットされたロール紙7を所定の位置で折り、対向する面を圧着し、隠蔽葉書を製造する。
熱転写プリンタ1は、熱転写シート5a、サーマルヘッド11a、熱転写シート供給ロール15a、熱転写シート巻取ロール17a、一組のニップローラ19a、プラテンローラ21a、熱転写シート5b、サーマルヘッド11b、熱転写シート供給ロール15b、熱転写シート巻取ロール17b、一組のニップローラ19b、プラテンローラ21b、センサ23、カッタ25を備える。また、熱転写プリンタ1は、図示を省略したローラや搬送路等で構成されるロール紙7の搬送機構、印刷制御を行う制御部を備える。
ロール紙7は、受像シートであり、両面印刷を行うべく給紙ロール(図示しない)から搬送ローラ等により搬送される。ロール紙7の詳細については後述する。
カッタ25は、両面印刷を行った後、ロール紙7を切断する為に用いられる。
熱転写シート5a(5b)には、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)等の染料層、必要に応じて、画像保護層、接着材層が設けられる。熱転写シート5a(5b)の詳細については後述する。
熱転写シート供給ロール15a(15b)は、熱転写シート5a(5b)を巻き付けたもので、熱転写シート供給ロール15a(15b)に巻き付けられた熱転写シート5a(5b)は印刷時に搬送され、後述のサーマルヘッド11a(11b)の発熱部を経由して、熱転写シート巻取ロール17a(17b)に巻き取られる。
サーマルヘッド11a(11b)は、発熱部、画像情報入力部、昇降部、制御部(図示しない)等を有する。印刷を行う際、サーマルヘッド11a(11b)は、プラテンローラ21a(21b)との間で熱転写シート5a(5b)とロール紙7を圧接するとともに、発熱部を構成する発熱素子を画像情報入力部より入力された画像データに応じて発熱させ、熱転写シート5a(5b)の染料層の染料をロール紙7に転写する。また、必要に応じて、画像保護層、接着材層をロール紙7に転写する。
プラテンローラ21a(21b)は円筒状の形状を有し、ロール紙7を搬送する。プラテンローラ21a(21b)の円筒面ではロール紙7が搬送されるとともに、サーマルヘッド11a(11b)による印刷が行われる。
ニップローラ19a(19b)はロール紙7の搬送を補助するローラである。一組のニップローラ19a(19b)がロール紙7の搬送方向においてサーマルヘッド11a(11b)を挟むようにプラテンローラ21a(21b)と近接して設けられる。
印刷を行う際は、プラテンローラ21a(21b)とニップローラ19a(19b)でロール紙7を挟持しながら確実に搬送を行う。また、ニップローラ19a(19b)は平滑な平面を有し、ロール紙7の表面に凹凸を生じさせることがない。
センサ23は、ロール紙7に印刷される画像の位置を両面で合わせる際、ロール紙7に形成された後述の検知マークを検知する。検知マークとセンサ23の組み合わせは種々考えられ、例えばセンサ23については赤外線センサなどを用いることができる。図1では、センサ23がサーマルヘッド11bに対して搬送方向の下流側に設けられているが、これに限らず、例えばサーマルヘッド11bに対して搬送方向の上流側に設けるようにしても良い。
折り装置3は、カッタ25で切断されたロール紙7を所定の位置で折り、圧着する。ロール紙7の折り畳まれる内側の一方の面(または両面)には、熱転写プリンタ1によって接着層が転写されており、圧着することによって対向する面が剥離可能に接着される。
図2は、熱転写シート5aの一例を示す図である。熱転写シート5aは、基材の一方の面に染料層と保護層を設けたものである。図2に示す例では、染料層として、Y(イエロー)51a、M(マゼンダ)53a、C(シアン)55aが設けられている。また、保護層として、OP層57aが設けられている。
染料層は、1色の単一層、あるいは色相の異なる染料を含む複数の層を、同一基材の同一面に面順次に、繰り返し形成する。染料層は、昇華性染料を任意のバインダーにより担持してなる層である。使用する染料としては、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であって、従来公知の昇華転写型熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用可能である。
染料層のバインダーとしては、従来公知のバインダー樹脂がいずれも使用できる。
染料層、染料層のバインダーの一例としては、例えば、特開2008−49663号公報に開示されている。
保護層は、染料層と面順次に形成される。保護層に用いる樹脂には、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、これらの樹脂をシリコーン変性した樹脂及びこれらの樹脂の混合物を挙げることができる。
熱転写シート5aは、サーマルヘッド11a(11b)の発熱部の位置に搬送されたときに、搬送方向の下流側から上流側へ、Y(イエロー)51a、M(マゼンダ)53a、C(シアン)55a、OP層57aの順になるように設けられる。
尚、熱転写シート5aの平面構成には、OP層57aの前に、K(ブラック)の染料層を更に加えることもできる。また、印刷目的に応じて、金色、銀色の染料層、ホログラム層などを有する領域を加えて、特色転写を行うこともできる。
図3は、熱転写シート5bの一例を示す図である。熱転写シート5bは、基材の一方の面に染料層と保護層と接着層を設けたものである。図3に示す例では、染料層として、Y(イエロー)51b、M(マゼンダ)53b、C(シアン)55bが設けられている。また、保護層として、OP層57bが設けられている。また、接着層として、接着層59が設けられている。
染料層、保護層については、図2の説明にて前述した通りである。
接着層は、染料層と保護層と面順次に形成される。接着層に用いる接着剤は、加圧時に接着性を有し圧着後に剥離可能な感圧接着剤を主成分とし、その感圧接着剤をロール紙7の面上に形成し、折り装置3で折り畳んで圧着することで、ロール紙7の対向する面を剥離可能に接着することができる。
接着層としては、例えば、特開2005−220204に開示される、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及び/又はそのオリゴマーからなる成分と、脂肪及び/又は脂肪油からなる成分とを含有するものを用いることができ、その硬化被膜をロール紙7に形成し、折り装置3で折り畳んで圧着することで、内側の対向する面が剥離可能に接着された隠蔽葉書を製造することができる。
熱転写シート5bは、サーマルヘッド11bの発熱部の位置に搬送されたときに、搬送方向の下流側から上流側へ、Y(イエロー)51b、M(マゼンダ)53b、C(シアン)55b、OP層57b、接着層59の順になるように設けられる。
尚、熱転写シート5bの平面構成には、OP層57bの前に、K(ブラック)の染料層を更に加えることもできる。また、印刷目的に応じて、金色、銀色の染料層、ホログラム層などを有する領域を加えて、特色転写を行うこともできる。また、OP層57bを設けないようにしても良い。
図4は、ロール紙7の一例を示す図である。図4に示すロール紙7は、基材71の両面に、中間層73a(73b)、受容層75b(75b)が順次設けられる構成となっている。これらは、強度や耐熱性、染料の染着性など考慮して、様々な構成あるいは材料を用いることができる。受容層75a(75b)には熱転写シート5a(5b)の染料等が転写され、両面印刷が可能となる。尚、片面印刷の場合には、受容層が片面のみに設けられたものを用いれば良い。
基材71としては、紙類、プラスチックフィルム等が使用できる。紙類では、各種紙単体もしくは加工紙等いずれも使用可能で、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙等の他、樹脂エマルジョンや合成ゴムラテックス等の含浸紙、合成樹脂内添紙などが挙げられる。合成紙では、ポリスチレン系合成紙やポリオレフィン系合成紙等が使用できる。プラスチックフィルムでは、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂フィルムなどを使用できる。
中間層73a(73b)は、バインダー樹脂等から構成される。バインダー樹脂としては、例えば、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。
受容層75a(75b)は、加熱により熱転写シート5a(5b)から転写される染料を受容する働きを有するもので、染料を受容し、発色させると同時に、一旦受容した染料を再昇華させないことが望まれる。受容層75a(75b)は、一般に熱可塑性樹脂を主体として構成される。受容層75a(75b)を形成する材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂及び塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体及びそれらの混合物などである。
基材71、中間層73a(73b)、受容層75a(75b)の材料としては、その他、特開2001−315443号公報に公開されているものを用いることができる。
ロール紙7の幅は、例えば、葉書(第2種郵便物)の長辺方向のサイズ(14〜15.4cm程度)とする。これにより、搬送方向の長さが葉書の短辺方向のサイズ(9〜10.7cm程度)の2倍の位置でロール紙7をカットすることで、隠蔽葉書9の見開きのサイズとなる。この場合、隠蔽葉書9の折り目は、葉書の長辺方向の長さを有する。
また、ロール紙7の幅は、葉書の短辺方向のサイズとしても良い。これにより、搬送方向の長さが葉書の長辺方向のサイズの2倍の位置でロール紙7をカットすることで、隠蔽葉書9の見開きのサイズとなる。この場合、隠蔽葉書9の折り目は、葉書の短辺方向の長さを有する。
図5は、隠蔽葉書9の層構成の一例を示す図である。図6は、隠蔽葉書9の製造方法を説明する図である。ここで、図1から図6を参照しながら、熱転写プリンタ1による画像形成方法の流れ、折り装置3による整形方法を説明する。
熱転写プリンタ1は、最初に、熱転写シート5aのY(イエロー)51aの領域の一端がサーマルヘッド11aの位置にくるように頭出しが行われる。加えて、ロール紙7の最初の印刷領域の印刷開始位置がプラテンローラ21aの下部でサーマルヘッド11aの位置にくるように、ロール紙7が搬送ローラ等により搬送される。
サーマルヘッド11aの両側近傍では、ロール紙7がプラテンローラ21aとニップローラ19aで挟持されており、サーマルヘッド11aの位置では、ロール紙7の下面がサーマルヘッド11aに対向し、ロール紙7の上面がプラテンローラ21aに接する。ロール紙7をプラテンローラ21aとニップローラ19aで挟持するので、ロール紙7の搬送を確実に行うことができる。
ついで、サーマルヘッド11aが、熱転写シート5aの上面(染料等が設けられた面)をロール紙7の下面(受容層75a)に押し付ける。即ち、熱転写シート5aの上面とロール紙7の受容層75aが接するように、サーマルヘッド11aとプラテンローラ21aの間で熱転写シート5aとロール紙7を重ね合わせて圧接する。
その後、ロール紙7と熱転写シート5aを搬送しながら、印刷する画像のY(イエロー)成分量に対応する画像を熱転写方式により転写する。即ち、サーマルヘッド11aの発熱部の発熱素子が画像データのY成分量に応じて発熱し、画像データのY成分量に応じた量だけ、熱転写シート5aのY(イエロー)51aの染料がロール紙7の受容層75aに転写される。
Y(イエロー)51aの染料の転写を終えると、サーマルヘッド11aを下げて熱転写シート5aをロール紙7から離し、ロール紙7を引き戻す。ロール紙7を引き戻す量は、転写時ロール紙7を搬送した量と同量であり、最初の印刷画像の印刷開始位置がサーマルヘッド11aと再び同じ位置になる。また、サーマルヘッド11aの位置に熱転写シート5aのM(マゼンダ)53aの領域の一端が来るように、熱転写シート5aを搬送し、頭出しが行われる。
その後、同様の手順でM(マゼンダ)53a、C(シアン)55aの染料を画像データの各色の成分量に応じて転写していく。また、印刷目的に応じてK(ブラック)や金色、銀色の染料やホログラムの転写を行うことができる。これらの染料の転写によって、図5に示す受容層75aに高画質な画像が形成される。特に、熱転写プリンタ1が昇華型の場合、極めて短時間の加熱によりドット単位で染料の移行量を制御できる。従って、昇華型の熱転写プリンタ1によって形成された画像は、中間調の再現性や階調性に優れ、極めて高精細な画像であり、フルカラー銀塩写真に匹敵するものである。
染料の転写後、同様の手順で保護層であるOP層57aを転写する。これによって、図5に示すOP層77aが、受容層75aの下部に形成される。OP層77aは、受容層75aに形成された画像を保護し、隠蔽葉書9に表面光沢、耐摩耗性等の表面特性を与える。
このようにして、受容層75aに各色の染料等を画像データに合わせて転写し、OP層77aを形成すると、次の画像印刷領域までロール紙7を所定量送り出し、同様の手順で受容層75aに画像を形成し、OP層77aを形成する。ただし、例えば、隠蔽葉書9の片面に2つの画像を形成する場合、熱転写プリンタ1は、2つの画像を1回で印刷しても良いし、2回に分けて印刷しても良い。また、熱転写プリンタ1は、複数枚分の隠蔽葉書9に含まれる複数の画像を1回で印刷しても良い。いずれの場合も、OP層77aを形成した後、続いてロール紙7をプラテンローラ21bに向かって送り出し、ロール紙7の受容層75bに画像の形成等を行う両面印刷の手順となる。
また、画像の印刷時には、検知マークをロール紙7の受容層75aに形成することができる。
検知マーク81は、画像印刷とともにロール紙7の受容層75aに形成される。検知マーク81は、ロール紙7の受容層75aに印刷される、センサ23により検知可能な微小なマークである。例えば、センサ23を赤外線センサとして、検知マーク81をカーボンブラックを含む染料により形成することができる。その他、受容層75aのうち画像が形成されない周囲の領域に対して、OP層77aを形成しないことで検知マークとし、検知マーク(OP層77aが形成されていない領域とOP層77aが形成されている領域との境界)をセンサ23としての光学センサで、例えば光沢の度合いの違いとして検出することなどもできる。
図6では、検知マーク81を画像が形成されない四隅に形成している。ここで、図6(a)に示す点線は、後述する折り装置3でロール紙7を折り畳むときの折り目を示している。検知マーク81の形状は様々に定めることができ、更に、検知マーク81はロール紙7の受容層75aに事前に印刷するようにしても良い。この場合、画像印刷時にロール紙7の受容層75aに検知マーク81を形成しなくても良い。
また、ロール7への両面印刷後、後述する折り装置3でロール紙7の折り畳みを行うが、この折り畳みの際の位置合わせのために用いる検知マークも上記のように印刷時に形成することができる。折り装置3は、この検知マークをセンサによって検知することで位置合わせを行い、折り位置のずれを防ぐことができる。この場合の検知マーク及びセンサの構成は、検知マーク81及びセンサ23と同様の構成とすることができる。
所定の枚数の印刷をロール紙7の受容層75aに行った後は、ロール紙7の先端をプラテンローラ21bに向かって送り出す。送り出されたロール紙7は、プラテンローラ21bに達する。サーマルヘッド11bの位置では、既に形成されているロール紙7のOP層75aがプラテンローラ21bに接し、ロール紙7の受容層75bがサーマルヘッド11bに対向し、印刷がなされる面となる。
また、ロール紙7の搬送方向に沿ってサーマルヘッド11bの両側近傍では、ロール紙7がプラテンローラ21bとニップローラ19bで挟持される。
センサ23がロール紙7の最初の画像印刷領域の先端に形成された検知マーク81を検知すると、ロール紙7の最初の画像印刷領域がサーマルヘッド11bの位置にセットされる。
センサ23は、センサ23で検知マーク81を検知するとき、ロール紙7の画像印刷領域の印刷開始位置がサーマルヘッド11bの位置にくるように設けられている。このようにして、印刷の際に両面の印刷画像の位置合わせがなされる。
ただし、センサ23の配置は、センサ23で検知マーク81を検知するときロール紙7の画像印刷領域の印刷開始位置がサーマルヘッド11bの位置から所定量離れるようにしても良い。この場合は、両面の印刷画像の位置合わせは、センサ23で検知マーク81を検知した後、所定量だけロール紙7を引き戻し、あるいは送り出すことによってなされる。また、センサ23がサーマルヘッド11bに対してロール紙7の搬送方向の上流側に配置されている場合も同様である。
更に、熱転写シート5bのY(イエロー)51bの領域の一端がサーマルヘッド11bの位置にくるように頭出しが行われる。
続いて、サーマルヘッド11bが、熱転写シート5bの下面(染料層等が設けられた面)をロール紙7の上面(受容層75b)に押し付ける。即ち、熱転写シート5bの下面とロール紙7の受容層75bが接するように、サーマルヘッド11bとプラテンローラ21bの間で熱転写シート5bとロール紙7を重ね合わせて圧接する。
その後、ロール紙7と熱転写シート5bを搬送しながら、印刷する画像のY成分量に対応する画像を熱転写方式により転写する。
Yの染料の転写を終えると、サーマルヘッド11bを上げて熱転写シート5bをロール紙7から離し、検知マーク81をセンサ23が再び検知するまで、ロール紙7を引き戻す。検知マーク81をセンサ23が再び検知するとき、最初の印刷画像の印刷開始位置はサーマルヘッド11bと再び同じ位置になる。
また、サーマルヘッド11bの位置に熱転写シート5bのM(マゼンダ)53bの領域の一端が来るように、熱転写シート5bを搬送し、頭出しが行われる。
以下同様の手順でM(マゼンダ)53b、C(シアン)55bの染料を画像データの各色の成分量に応じて転写していく。また、印刷目的に応じてK(ブラック)や金色、銀色の染料やホログラムの転写を行うことができる。これらの染料の転写によって、図5に示す受容層75bに高画質な画像が形成される。特に、熱転写プリンタ1が昇華型の場合、中間調の再現性や階調性に優れ、極めて高精細な画像が形成される。
染料の転写後、同様の手順で保護層であるOP層57bを転写する。これによって、図5に示すOP層77bが、受容層75bの上部に形成される。OP層77bは、受容層75bに形成された画像を保護し、隠蔽葉書9に表面光沢、耐摩耗性等の表面特性を与える。
更に、OP層77bの形成後、同様の手順で接着層59を転写し、隠蔽葉書9の接着層79を形成する。接着層79を形成する領域は、例えば、図5に示すように、OP層77bの半分の領域である。すなわち、図6(a)に示すように、領域Cである。但し、接着層79を形成する領域は、これに限定されず、OP層77bの全体としても良いし、OP層77bの周辺の領域としても良い。また、接着層59は間欠的に転写するようにしても良い。
このようにして、受容層75bに各色の染料等を画像データに合わせて転写し、OP層77bを形成し、接着層79を形成すると、次の画像印刷領域までロール紙7を所定量送り出し、同様の手順で受容層75bに画像を形成し、OP層77bを形成し、接着層79を形成する。ただし、例えば、隠蔽葉書9の片面に2つの画像を形成する場合、熱転写プリンタ1は、2つの画像を1回で印刷しても良いし、2回に分けて印刷しても良い。また、熱転写プリンタ1は、複数枚分の隠蔽葉書9に含まれる複数の画像を1回で印刷しても良い。いずれの場合も、OP層77b、接着層79を形成した後、ロール紙7を切断する手順に移る。
尚、図5に示す折り目80は、両面印刷の前に形成しても良いし、両面印刷後に折り装置3が形成するようにしても良い。折り目80は、例えば、隠蔽葉書9を二つに分離する用途として使う場合には、破線状のミシン目として形成することができる。
また、検知マーク81をロール紙7に事前に印刷しておくことも可能であることを先に述べたが、この場合は、ロール紙7の受容層75aに印刷を行う場合も、センサによって印刷開始位置を定めることが望ましい。即ち、センサで事前に印刷された所定の検知マーク81をセンサが検知するとき、あるいは検知マーク81をセンサが検知した後所定量搬送して、ロール紙7の印刷画像の印刷開始位置がサーマルヘッド11aの位置にくるようにしておく。これにより、ロール紙7の受容層75aに印刷を行う時点でより正確に印刷画像の位置を定めることができ、両面の位置合わせを正確に行うことができる。
このようにして所定の数の画像をロール紙7の受容層75bに印刷し、OP層77bを形成し、接着層79を形成し、所定量の両面印刷が終了すると、カッタ25でロール紙7を切断する。切断されたロール紙7は、図6(a)に示す状態となっている。
続いて、切断されたロール紙7を折り装置3によって折り、圧着することで整形する。折り装置3は、接着層79が内側になるように、図6(a)に示す折り目に沿って二つ折りし、圧着する。図6(b)に示すように、接着層79が設けられた領域Cが内側になるように二つ折りされる。これによって、領域Cと対向する領域Dとの一部もしくは全部が剥離可能に接着される。二つ折りする際には、上記したように印刷の際に設けた検知マーク81を図示しないセンサが検知することで、切断されたロール紙7の位置合わせを行い、位置ずれを防ぐようにすることができる。
次に、図7〜図11を参照し、折り装置3の一例を説明する。
図7〜図11は、折り装置3の一例の動作を示す概略図である。図7に示す折り装置3は、切断されたロール紙7である隠蔽葉書9に対して折り目80を形成し、接着層79が内側になるように二つ折りし、圧着することで整形する。
図7では、隠蔽葉書9の一部が折り装置3に搬送された状態を示している。
折り装置3は、搬送ローラ31a、31b、31c、31d、折り目形成ローラ32a、32b、圧着ローラ33、制止板34、搬送板35、センサ23を備える。また、折り装置3は、図示を省略したローラや搬送路等で構成される搬送機構、搬送板35等の制御を行う制御部を備える。
搬送ローラ31a、31bは、それぞれ円筒状の形状を有し、一方が他方に従動して隠蔽葉書9を搬送する。同様に、搬送ローラ31c、31dは、それぞれ円筒状の形状を有し、一方が他方に従動して隠蔽葉書9を搬送する。
折り目形成ローラ32a、32bは、それぞれ平坦かつ平行な2つの直線部と、円弧状の2つの曲線部とが接続された断面をもつ筒状の形状を有する。折り目形成ローラ32aの1つの曲線部には、幅方向にわたって突起部が設けられている。一方、折り目形成ローラ32bの1つの曲線部には、幅方向にわたって開口部が設けられている。折り目形成ローラ32a、32bは、隠蔽葉書9が折り目80の形成位置に搬送されると回転し、協働して隠蔽葉書9に折り目を形成する。図7のように、隠蔽葉書9の位置が折り目80の形成位置でない場合、折り目形成ローラ32a、32bは、直線部が隠蔽葉書9の搬送路と平行になるように位置する。これによって、折り目形成ローラ32a、32bが隠蔽葉書9の搬送を妨げることがない。
圧着ローラ33は、円筒状の形状を有し、搬送板35と協働して、二つ折りされた隠蔽葉書9を圧着する。
制止板34は、板状の形状を有し、隠蔽葉書9の一端と当接し、隠蔽葉書9の一方向(図7の例では右方向)への移動を制止する。
搬送板35は、板状の形状を有し、制御部による制御によって左右に並進移動する。
センサ23aは、隠蔽葉書9の折り目80の形成位置を合わせる為、隠蔽葉書9の搬送方向に対して後方に形成された検知マークを検知する。センサ23aは、隠蔽葉書9の折り目80の形成位置と検知マークの位置を考慮して適切な位置に配置する。尚、図7ではセンサ23aを搬送方向の上流に配置したが、搬送方向の下流に配置しても良い。
センサ23bは、23bの下方に隠蔽葉書9が搬送されてきたことを検知し、制御部に通知する。制御部は、センサ23bからの通知によって搬送板35を圧着ローラ33の方向(図7の例では左方向)に並進移動させるとともに、圧着ローラ33を搬送板35と同じ方向(図7の例では時計回りの方向)に回転駆動させる。
図8では、隠蔽葉書9に折り目80を形成する状態を示している。
センサ23aが隠蔽葉書9の搬送方向に対して後方に形成された検知マークを検知すると、制御部は隠蔽葉書9の搬送を停止する。
次に、折り目形成ローラ32a、32bが協働して回転する。このとき、折り目形成ローラ32aの突起部と折り目形成ローラ32bの開口部が、隠蔽葉書9を挟んで対向するように回転する。これによって、図8に示すように、折り目形成ローラ32aの突起部が折り目形成ローラ32bの開口部に貫入され、隠蔽葉書9に折り目80が形成される。
図9では、隠蔽葉書9の一端と制止板34が当接する状態を示している。
隠蔽葉書9に折り目80が形成されると、折り装置3は隠蔽葉書9の搬送を再開し、搬送が進むにつれて、図9に示すように隠蔽葉書9の一端が制止板34に当接する。更に搬送を進めると、隠蔽葉書9の一端が制止板34に当接しているので、隠蔽葉書9の中央部分に形成されている折り目80に沿って、接着層79が内側になる方向に曲げが生じる。
図10では、隠蔽葉書9の折り目80が圧着ローラ33に当接する状態を示している。
図9の状態から更に搬送を進めると、折り目80に沿った曲げの内角が狭くなり、隠蔽葉書9の自重も作用して、図10の状態となる。
センサ23bは、図10の状態になる直前に隠蔽葉書9が搬送されてきたことを検知し、制御部に通知する。そして、制御部は、センサ23bからの通知によって搬送板35を並進移動させるとともに圧着ローラ33を回転駆動させる。
図11では、圧着ローラ33が隠蔽葉書9を圧着する状態を示している。
図10の状態から搬送板35の並進移動と圧着ローラ33の回転駆動を進めると、図11の状態となる。隠蔽葉書9の内側には接着層79が形成されているので、圧着ローラ33による圧着によって、隠蔽葉書9が剥離可能に接着される。
尚、圧着ローラ33に代えてヒートローラを設け、ヒートローラによる熱によって隠蔽葉書9の接着を行うようにしても良い。
尚、折り目80は、隠蔽葉書9の内側に形成するようにしたが、隠蔽葉書9の外側に形成するようにしても良い。外側に形成する場合、折り目形成ローラ32aに開口部が設けられ、折り目形成ローラ32bに、突起部が設けられる。
次に、図12、図13を参照し、第1実施形態によって製造された隠蔽葉書9の実施例を説明する。
図12は、ロール紙7に形成される画像の一例を示す図である。図13は、隠蔽葉書9の一例を示す図である。
図12に示す領域A、Bは、受容層75aである。領域C、Dは、受容層75bである。
領域Aには、画像103aが形成されている。画像103aは、個人情報などが含まれておらず、第三者に閲覧されても良いものである。
領域Bには、宛先101、郵便番号102が印刷されている。宛先101、郵便番号102は、前述した両面印刷の手順で印刷をしても良いし、両面印刷の前または後に、熱転写プリンタ1とは異なる印刷装置で印刷をしても良い。また、郵便番号102を記入する位置には、図12に示すように、複数の矩形領域が設けられ、番号の記入や、OCR(Optical Character Reader:光学式文字読取装置)で番号を読み取るときの目安となっている。そこで、郵便番号102を記入する位置に設ける矩形領域を検知マーク81として用いるようにしても良い。
領域C、Dには、画像103bが形成されている。画像103bは、折り装置3によって対向する面として接着される二つの面である領域C、Dにわたり形成され、見開きの状態で画像全体が閲覧されるものである。画像103bは、個人情報などを含み、第三者に閲覧されたくないものである。
図13(a)には、領域C、Dが内側になるように折り畳まれた隠蔽葉書9が示されている。領域C、Dの接着を剥離すると、図13(b)に示すように、見開きの状態となり、画像103bを閲覧することができる。
図14は、折り目の形成を説明する図である。図12に示したように、折り目となる領域を含めて隠蔽葉書9の受容層75bの全体に画像を形成する場合、ミシン目のような貫通孔を設けると、意匠性が著しく落ちる。そこで、折り目となる領域に画像が形成される場合、図14に示すように、少なくとも受容層75bに到達しない程度のハーフカットとすることが望ましい。ハーフカットの線は、連続状でも良いし、破線状でも良い。
尚、熱転写プリンタ1の搬送は、搬送方向に力が加わる。そこで、両面印刷を行う前に折り目を形成する場合、破線状にしておくことで、熱転写プリンタ1の搬送によって破れてしまうことを防止できる。
以上、図1から図14を参照しながら、第1の実施の形態を説明したが、第1の実施の形態により、内側に写真などを高画質で印刷した隠蔽葉書を製造することができる。特に、昇華型の熱転写プリンタ1によって形成された画像は、中間調の再現性や階調性に優れ、極めて高精細な画像であり、フルカラー銀塩写真に匹敵するものである。
また、図12に示すように、隠蔽葉書9の内側には葉書のサイズの2倍の画像を形成し、外側の裏面には葉書のサイズの画像を形成することができるので、従来のように葉書の裏面に画像を形成するだけのデザインよりも、大幅にデザインの選択肢が広がる。
尚、上述の説明では両面印刷を行うこととしたが、隠蔽葉書9の内側になる面だけに画像を形成する片面印刷としても良い。この場合、ロール紙7は、基材のも片側のみに受容層が設けられるようにしても良い。
<第2の実施の形態>
次に、図15、図16を参照しながら、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、熱転写プリンタ、熱転写シートが異なる。以下、第1の実施の形態と同様の内容については説明を省略する。また、図15、図16では、前述の図面に含まれる要素と同じ要素については同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図15は、熱転写プリンタ201と折り装置3の一例を示す図である。図16は、熱転写シート205の一例を示す図である。
図16に示す熱転写シート205は、Y(イエロー)51bの右端とOP層57aの左端が連接されており、搬送方向の下流側から上流側へ、Y(イエロー)51a、M(マゼンダ)53a、C(シアン)55a、OP層57a、Y(イエロー)51b、M(マゼンダ)53b、C(シアン)55b、OP層57b、接着層59が面順次に設けられている。
熱絵転写プリンタ201は、熱転写シート205、サーマルヘッド11、熱転写シート供給ロール15、熱転写シート巻取ロール17、一組のニップローラ19、プラテンローラ21、センサ23、カッタ25、ガイドベーン29、搬送ローラ31を備える。
ガイドベーン29は、方向を切り替えることによりロール紙7の搬送方向を搬送ローラ31の上方や下方に変化させるために用いられる。
搬送ローラ31は、ロール紙7の搬送機構の一部である。搬送ローラ31の上方や下方にロール紙7を搬送させることができる。
図15では、センサ23がサーマルヘッド11に対してロール紙7の搬送方向の上流側に設けられている。しかし、センサ23の位置はこれに限らず、例えばサーマルヘッド11に対して下流側に設けるようにしても良い。
熱転写プリンタ201は、1つのプラテンローラ21と1つのサーマルヘッド11で両面印刷を行う。両面印刷開始に際して、ロール紙7が搬送ローラ31等により送り出される際、熱転写プリンタ201では、ガイドベーン29が下向きに配置されている。ロール紙7はガイドベーン29に沿って不図示の搬送機構により搬送され、プラテンローラ21を周回して、ロール紙7はサーマルヘッド11まで達する。このとき、ロール紙7の上面(受容層75b)はプラテンローラ21に接し、ロール紙7の下面(受容層75a)はサーマルヘッド11に対向する。また、熱転写シート205のY(イエロー)51aの一端がサーマルヘッド11の位置にくるように頭出しが行われる。以降は第1の実施の形態と同様、熱転写シート205のY(イエロー)51a、M(マゼンダ)53a、C(シアン)55aの染料を転写してロール紙7の受容層75aに画像を形成して隠蔽葉書9の受容層75aとし、熱転写シート205のOP層57aを転写して隠蔽葉書9のOP層77aを形成する。
その後、ロール紙7を引き戻し、ロール紙7の先端をプラテンローラ21から離した後、ガイドベーン29を回転させて、図15に示すように、上方向に傾斜するようにし、プラテンローラ21へ向かうロール紙7の搬送経路を上方に切り替える。
次に、ロール紙7をプラテンローラ21に向かって送り出す。このとき、ガイドベーン29は上向きに配置されており、図15に示すように、ロール紙7はガイドベーン29に沿ってロール紙7が搬送ローラ31の上方に送り出され、ロール紙7はサーマルヘッド11まで達する。このとき、ロール紙7の下面(受容層75a)はプラテンローラ21に接し、ロール紙7の上面(受容層75b)はサーマルヘッド11に対向する。また、熱転写シート205は、Y(イエロー)51bの一端がサーマルヘッド11の位置にくるように頭出しが行われる。以降は第1の実施の形態と同様、熱転写シート205のY(イエロー)51b、M(マゼンダ)53b、C(シアン)55bの染料を転写してロール紙7の受容層75bに画像を形成して隠蔽葉書9の受容層75bとし、熱転写シート205のOP層57bを転写して隠蔽葉書9のOP層77bを形成し、熱転写シート205の接着層59を転写して隠蔽葉書9の接着層79を形成する。
第1の実施の形態と同様、熱転写プリンタ201によって、図12、図13に示す隠蔽葉書9を製造することができる。すなわち、内側に写真などを高画質で印刷した隠蔽葉書を製造することができる。特に、昇華型の熱転写プリンタ201によって形成された画像は、中間調の再現性や階調性に優れ、極めて高精細な画像であり、フルカラー銀塩写真に匹敵するものである。
熱転写プリンタ201は、プラテンローラが一つなので、第1の実施の形態における熱転写プリンタ1と比較して、装置全体を小さくすることができる。また、熱転写プリンタ201は、サーマルヘッドと熱転写シートが一つなので、第1の実施の形態における熱転写プリンタ1と比較してコストを抑えることができる。
<第3の実施の形態>
次に、図17を参照しながら、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、熱転写プリンタが異なる。以下、第1の実施の形態と同様の内容については説明を省略する。また、図17では、前述の図面に含まれる要素と同じ要素については同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図17は、熱転写プリンタ301と折り装置3の一例を示す図である。
熱絵転写プリンタ301は、熱転写シート5a、サーマルヘッド11a、熱転写シート供給ロール15a、熱転写シート巻取ロール17a、一組のニップローラ19a、プラテンローラ21、熱転写シート5b、サーマルヘッド11b、熱転写シート供給ロール15b、熱転写シート巻取ロール17b、一組のニップローラ19b、センサ23、カッタ25、ガイドベーン29、搬送ローラ31を備える。
熱転写プリンタ301は、1つのプラテンローラ21と2つのサーマルヘッド11a(11b)で両面印刷を行う。
図17では、センサ23がサーマルヘッド11に対してロール紙7の搬送方向の上流側に設けられている。しかし、センサ23の位置はこれに限らず、例えばサーマルヘッド11に対して下流側に設けるようにしても良い。
図17に示すように、ロール紙7が搬送ローラ31等により送り出される際、熱転写プリンタ301では、ガイドベーン29が下向きに配置されている。ロール紙7はガイドベーン29に沿って不図示の搬送機構により搬送され、ロール紙7はサーマルヘッド11aまで達する。このとき、ロール紙7の上面(受容層75b)はプラテンローラ21に接し、ロール紙7の下面(受容層75a)はサーマルヘッド11aに対向する。また、熱転写シート5aのY(イエロー)51aの一端がサーマルヘッド11aの位置にくるように頭出しが行われる。以降は第1の実施の形態と同様、熱転写シート5aのY(イエロー)51a、M(マゼンダ)53a、C(シアン)55aの染料を転写してロール紙7の受容層75aに画像を形成して隠蔽葉書9の受容層75aとし、熱転写シート5aのOP層57aを転写して隠蔽葉書9のOP層77aを形成する。
その後、ロール紙7を引き戻し、ロール紙7の先端をプラテンローラ21から離した後、ガイドベーン29を回転させて、図17に示すように、上方向に傾斜するようにし、プラテンローラ21へ向かうロール紙7の搬送経路を上方に切り替える。
次に、ロール紙7をプラテンローラ21に向かって送り出す。このとき、ガイドベーン29は上向きに配置されており、図17に示すように、ロール紙7はガイドベーン29に沿ってロール紙7が搬送ローラ31の上方に送り出され、ロール紙7はサーマルヘッド11bまで達する。このとき、ロール紙7の下面(受容層75a)はプラテンローラ21に接し、ロール紙7の上面(受容層75b)はサーマルヘッド11bに対向する。また、熱転写シート5bは、Y(イエロー)51bの一端がサーマルヘッド11bの位置にくるように頭出しが行われる。以降は第1の実施の形態と同様、熱転写シート5bのY(イエロー)51b、M(マゼンダ)53b、C(シアン)55bの染料を転写してロール紙7の受容層75bに画像を形成して隠蔽葉書9の受容層75bとし、熱転写シート5bのOP層57bを転写して隠蔽葉書9のOP層77bを形成し、熱転写シート5bの接着層59を転写して隠蔽葉書9の接着層79を形成する。
第1の実施の形態と同様、熱転写プリンタ301によって、図12、図13に示す隠蔽葉書9を製造することができる。すなわち、内側に写真などを高画質で印刷した隠蔽葉書を製造することができる。特に、昇華型の熱転写プリンタ301によって形成された画像は、中間調の再現性や階調性に優れ、極めて高精細な画像であり、フルカラー銀塩写真に匹敵するものである。
熱転写プリンタ301は、プラテンローラが一つなので、第1の実施の形態における熱転写プリンタ1と比較して、装置全体を小さくすることができる。また、第2の実施の形態における熱転写プリンタ201と比較すると、熱転写プリンタ301はサーマルヘッドが二つなので、仮に一方のサーマルヘッドが故障しても、第2の実施の形態と同様の印刷方法に切り替えることで両面印刷を継続することができ、高い耐障害性を有する。
<第4の実施の形態>
次に、図18から図20を参照しながら、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、熱転写シートが異なる。以下、第1の実施の形態と同様の内容については説明を省略する。また、図18から図20では、前述の図面に含まれる要素と同じ要素については同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図18は、熱転写シート405aの一例を示す図である。熱転写シート405aは、図2に示した熱転写シート5aと同様である。
また、図19は、熱転写シート405bの一例を示す図である。熱転写シート405bは、図3に示した熱転写シート5bに代えて用いるものである。熱転写シート405bは、熱転写シート5bのOP層57a、接着層59に代えて、接着性OP層58を設けたものである。
接着性OP層58は、ロール紙7に転写することで、ロール紙7に表面光沢、耐摩耗性等の表面特性を与える保護層としての役目を果たす。更に、接着性OP層58は、加熱及び/又は加圧による接着層としての役目を果たす。
接着性OP層58としては、例えば、特開2005−220204に開示される、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及び/又はそのオリゴマーからなる成分と、脂肪及び/又は脂肪油からなる成分とを含有するものを用いることができ、その硬化被膜をロール紙7に形成し、折り装置3で折り畳んで圧着することで、内側の対向する面が剥離可能に接着された隠蔽葉書を製造することができる。
尚、受容層75bに形成される画像に影響がないように、接着性OP層58のガラス転移温度(Tg)は常温よりも高いことが望ましく、例えば、50℃から60℃程度が望ましい。
図20は、隠蔽葉書409の一例を示す図である。隠蔽葉書409は、熱転写シート405a、熱転写シート405bを用いて、第1の実施の形態における熱転写プリンタ1、第3の実施の形態における熱転写プリンタ301による両面印刷を行うことで製造することができる。また、隠蔽葉書409は、第2の実施の形態における熱転写シート205のように、熱転写シート405aに設けた染料層と、熱転写シート405bに設けた染料層、保護層(接着層)とを面順次に設けたものを用いて、第2の実施の形態における熱転写プリンタ201による両面印刷を行うことで製造することもできる。但し、いずれの場合であっても、OP層57aの転写、接着層59の転写の工程を行う必要はない。
第4の実施の形態では、第1の実施の形態から第3の実施の形態と同様、図12、図13に示す隠蔽葉書9と同様の隠蔽葉書409を製造することができる。すなわち、内側に写真などを高画質で印刷した隠蔽葉書409を製造することができる。特に、昇華型の熱転写プリンタ301によって形成された画像は、中間調の再現性や階調性に優れ、極めて高精細な画像であり、フルカラー銀塩写真に匹敵するものである。
熱転写シート405a、熱転写シート405bを用いることで、第1の実施の形態から第3の実施の形態において行われる、OP層57aの転写、接着層59の転写の工程を省略することができ、印刷速度が向上する。また、1枚の隠蔽葉書409を製造するために用いられる熱転写シートの搬送方向の長さが短くなり、熱転写シートの交換頻度を減らすことができる。
<第5の実施の形態>
次に、図21を参照しながら、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、ロール紙の幅方向(=搬送方向と直交する方向)の大きさ、およびそれに対応するサーマルヘッド等の幅方向の大きさが異なる。以下、第1の実施の形態と同様の内容については説明を省略する。また、図21では、前述の図面に含まれる要素と同じ要素については同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図21は、隠蔽葉書509の製造方法を説明する図である。第5の実施の形態におけるロール紙507の幅は、図21に示すように、葉書(第2種郵便物)の短辺方向のサイズ(9〜10.7cm程度)の略整数倍(図21に示す例では、略2倍)とする。また、搬送方向の長さが葉書の長辺方向のサイズ(14〜15.4cm程度)と略等しい位置でロール紙507をカットする。これによって、カットされたロール紙507は、隠蔽葉書509の見開きのサイズとなる。更に、隠蔽葉書509の折り目580は、ロール紙507の幅方向と直交する方向(=搬送方向)に沿って伸びるように形成される。これによって、折り目580を両面印刷の前に形成する場合であっても、熱転写プリンタ1の搬送によって破れてしまうことを防止できる。尚、図13に示したように、折り目580は、少なくとも受容層75bに到達しない程度のハーフカットとすることが望ましい。ハーフカットの線は、連続状でも良いし、破線状でも良い。
第5の実施の形態におけるロール紙507を用いて、第1の実施の形態における熱転写プリンタ1、第2の実施の形態における熱転写プリンタ201、第3の実施の形態における熱転写プリンタ301のいずれかによって両面印刷を行うことで、図12、図13に示す隠蔽葉書9と同様の隠蔽葉書509を製造することができる。すなわち、内側に写真などを高画質で印刷した隠蔽葉書を製造することができる。特に、昇華型の熱転写プリンタによって形成された画像は、中間調の再現性や階調性に優れ、極めて高精細な画像であり、フルカラー銀塩写真に匹敵するものである。
第5の実施の形態におけるロール紙507の折り目580は、搬送方向に沿って形成されるので、折り目580を両面印刷の前に形成する場合であっても、熱転写プリンタの搬送によって破れてしまうことを防止できる。
また、第5の実施の形態におけるロール紙507は、1枚の隠蔽葉書509を製造するために用いられる搬送方向の長さが短くなり、ロール紙の交換頻度を減らすことができる。
<第6の実施の形態>
次に、図22〜図26を参照しながら、第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態は、隠蔽葉書の内側にのみ画像を形成する片面印刷を行う。第6の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、熱転写プリンタ、熱転写シート、ロール紙が異なる。以下、第1の実施の形態と同様の内容については説明を省略する。また、図22〜図26では、前述の図面に含まれる要素と同じ要素については同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図22は、熱転写プリンタ601と折り装置3の一例を示す図である。図23は、熱転写シート605aの一例を示す図である。図24は、熱転写シート605bの一例を示す図である。図25は、ロール紙607の一例を示す図である。図26は、隠蔽葉書609の層構成の一例を示す図である。
図23に示す熱転写シート605aは、Y(イエロー)51aの右端とC(シアン)55aの左端が連接されており、搬送方向の下流側から上流側へ、Y(イエロー)51a、M(マゼンダ)53a、C(シアン)55aが面順次に設けられている。
図24に示す熱転写シート605bは、OP層57bの右端と接着層59の左端が連接されており、搬送方向の下流側から上流側へ、OP層57b、接着層59が面順次に設けられている。
図25に示すロール紙607は、図4に示したロール紙7に代えて用いるものである。ロール紙607は、最下層にインクジェットプリンタ用のインクジェット受容層76を設けたものである。隠蔽葉書709として整形した後、インクジェットプリンタによって宛先などをインクジェット受容層76に印字できる。
熱転写プリンタ601は、熱転写シート605a、サーマルヘッド11a、熱転写シート供給ロール15a、熱転写シート巻取ロール17a、一組のニップローラ19a、プラテンローラ21a、熱転写シート605b、サーマルヘッド11b、熱転写シート供給ロール15b、熱転写シート巻取ロール17b、一組のニップローラ19b、プラテンローラ21b、センサ23、カッタ25を備える。また、熱転写プリンタ601は、図示を省略したローラや搬送路等で構成されるロール紙607の搬送機構、印刷制御を行う制御部を備える。
図22では、センサ23がサーマルヘッド11bに対して搬送方向の下流側に設けられているが、これに限らず、例えばサーマルヘッド11bに対して搬送方向の上流側に設けるようにしても良い。
熱転写プリンタ601は、最初に、熱転写シート605aのY(イエロー)51aの領域の一端がサーマルヘッド11aの位置にくるように頭出しが行われる。加えて、ロール紙607の最初の印刷領域の印刷開始位置がプラテンローラ21aの上部でサーマルヘッド11aの位置にくるように、ロール紙607が搬送ローラ等により搬送される。
サーマルヘッド11aの両側近傍では、ロール紙607がプラテンローラ21aとニップローラ19aで挟持されており、サーマルヘッド11aの位置では、ロール紙607の上面がサーマルヘッド11aに対向し、ロール紙607の下面がプラテンローラ21aに接する。ロール紙607をプラテンローラ21aとニップローラ19aで挟持するので、ロール紙607の搬送を確実に行うことができる。
ついで、サーマルヘッド11aが、熱転写シート605aの下面(染料等が設けられた面)をロール紙607の上面(受容層75b)に押し付ける。即ち、熱転写シート605aの下面とロール紙607の受容層75bが接するように、サーマルヘッド11aとプラテンローラ21aの間で熱転写シート605aとロール紙607を重ね合わせて圧接する。
その後、ロール紙607と熱転写シート5aを搬送しながら、印刷する画像のY(イエロー)成分量に対応する画像を熱転写方式により転写する。即ち、サーマルヘッド11aの発熱部の発熱素子が画像データのY成分量に応じて発熱し、画像データのY成分量に応じた量だけ、熱転写シート605aのY(イエロー)51aの染料がロール紙607の受容層75bに転写される。
Y(イエロー)51aの染料の転写を終えると、サーマルヘッド11aを上げて熱転写シート605aをロール紙607から離し、ロール紙607を引き戻す。ロール紙607を引き戻す量は、転写時ロール紙607を搬送した量と同量であり、最初の印刷画像の印刷開始位置がサーマルヘッド11aと再び同じ位置になる。また、サーマルヘッド11aの位置に熱転写シート605aのM(マゼンダ)53aの領域の一端が来るように、熱転写シート605aを搬送し、頭出しが行われる。
その後、同様の手順でM(マゼンダ)53a、C(シアン)55aの染料を画像データの各色の成分量に応じて転写していく。これらの染料の転写によって、図26に示す受容層75bに高画質な画像が形成される。特に、熱転写プリンタ601が昇華型の場合、極めて短時間の加熱によりドット単位で染料の移行量を制御できる。従って、昇華型の熱転写プリンタ601によって形成された画像は、中間調の再現性や階調性に優れ、極めて高精細な画像であり、フルカラー銀塩写真に匹敵するものである。
このようにして、受容層75bに各色の染料等を画像データに合わせて転写すると、次の画像印刷領域までロール紙607を所定量送り出し、同様の手順で受容層75bに画像を形成する。受容層75bに画像を形成した後、続いてロール紙607をプラテンローラ21bに向かって送り出し、OP層の形成等を行う手順となる。
所定の枚数の印刷をロール紙607の受容層75bに行った後は、ロール紙7の先端をプラテンローラ21bに向かって送り出す。送り出されたロール紙607は、プラテンローラ21bに達する。サーマルヘッド11bの位置では、ロール紙607のインクジェット受容層76がプラテンローラ21bに接し、ロール紙607の受容層75bがサーマルヘッド11bに対向し、OP層が形成される面となる。
また、ロール紙607の搬送方向に沿ってサーマルヘッド11bの両側近傍では、ロール紙607がプラテンローラ21bとニップローラ19bで挟持される。
センサ23がロール紙607の最初の画像印刷領域の先端に形成された検知マーク81を検知すると、ロール紙607の最初の画像印刷領域がサーマルヘッド11bの位置にセットされる。
更に、熱転写シート605bのOP層57bの領域の一端がサーマルヘッド11bの位置にくるように頭出しが行われる。
続いて、サーマルヘッド11bが、熱転写シート605bの下面(OP層57b等が設けられた面)をロール紙607の上面(受容層75b)に押し付ける。即ち、熱転写シート605bの下面とロール紙607の受容層75bが接するように、サーマルヘッド11bとプラテンローラ21bの間で熱転写シート605bとロール紙607を重ね合わせて圧接する。
その後、ロール紙607と熱転写シート605bを搬送しながら、OP層57bを転写する。これによって、図26に示すOP層77bが、受容層75bの上部に形成される。OP層77bは、受容層75bに形成された画像を保護し、隠蔽葉書609に表面光沢、耐摩耗性等の表面特性を与える。
OP層57bの転写を終えると、サーマルヘッド11bを上げて熱転写シート605bをロール紙607から離し、検知マーク81をセンサ23が再び検知するまで、ロール紙607を引き戻す。検知マーク81をセンサ23が再び検知するとき、最初の印刷画像の印刷開始位置はサーマルヘッド11bと再び同じ位置になる。
また、サーマルヘッド11bの位置に熱転写シート605bの接着層59の領域の一端が来るように、熱転写シート605bを搬送し、頭出しが行われる。
以下同様の手順で接着層59を転写し、隠蔽葉書609の接着層79を形成する。接着層79を形成する領域は、例えば、図26に示すように、OP層77bの半分の領域である。但し、接着層79を形成する領域は、これに限定されず、OP層77bの全体としても良いし、OP層77bの周辺の領域としても良い。また、接着層59は間欠的に転写するようにしても良い。
このようにして、OP層77b、接着層79を形成すると、次の画像印刷領域までロール紙607を所定量送り出し、同様の手順でOP層77b、接着層79を形成する。ただし、例えば、隠蔽葉書9の片面に2つの画像を形成する場合、熱転写プリンタ601は、2つの画像を1回で印刷しても良いし、2回に分けて印刷しても良い。また、熱転写プリンタ1は、複数枚分の隠蔽葉書9に含まれる複数の画像を1回で印刷しても良い。いずれの場合も、OP層77b、接着層79を形成した後、ロール紙607を切断する手順に移る。
尚、図24に示す熱転写シート605bは、OP層57b、接着層59が面順次に設けられているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、接着層59のみが設けられるものとしても良い。また、例えば、第4の実施の形態のように接着性OP層58が設けられるものとしても良い。また、例えば、印刷目的に応じてK(ブラック)や金色、銀色の染料やホログラムなどの特色層を加えて、搬送方向の下流側から上流側へ、特色層、OP層57b、接着層59が面順次に設けられるものとしても良い。
また、図22に示す熱転写プリンタ601は、2つのサーマルヘッドと2つの熱転写シートであったが、片面印刷に用いる熱転写プリンタはこれに限定されるものではない。例えば、1つのサーマルヘッドと1つの熱転写シートを有する熱転写プリンタによって片面印刷を行っても良い。この場合、熱転写シートは、図23に示すY(イエロー)51a、M(マゼンダ)53a、C(シアン)55a、図24に示すOP層57b、接着層59が面順次に設けられる。
<第7の実施の形態>
次に、図27から図29を参照しながら、第7の実施の形態について説明する第7の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、熱転写シート、ロール紙、隠蔽葉書の折り方が異なる。熱転写シートとロール紙は、熱転写シート5b、熱転写シート605b、ロール紙607を用いる。第7の実施の形態では、外三つ折りによって隠蔽葉書を製造する。以下、第1の実施の形態、第6の実施の形態と同様の内容については説明を省略する。また、図27から図29では、前述の図面に含まれる要素と同じ要素については同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図27は、隠蔽葉書709の層構成の一例を示す図である。隠蔽葉書709は、ロール紙607を用いて、熱転写プリンタ1によって、熱転写シート5bのY(イエロー)51b、M(マゼンダ)53b、C(シアン)55bの染料を転写してロール紙607の受容層75bに画像を形成して隠蔽葉書709の受容層75bとし、熱転写シート5bのOP層57bを転写して隠蔽葉書709のOP層77bを形成し、熱転写シート5bの接着層59を転写して隠蔽葉書609の接着層79aを形成する。更に、熱転写プリンタ1によって、インクジェット受容層76の下部に熱転写シート605bの接着層59を転写して接着層79bを形成する。
接着層79aは、OP層77bに対して、搬送方向の上流側の端部から1/3程度(=折り目780aの位置)までの領域に形成する。また、接着層79bは、インクジェット受容層76に対して、搬送方向の下流側の端部から1/3程度(=折り目780bの位置)までの領域に形成する。尚、接着層79aと接着層79bの形成位置は入れ替えても良い。
図28は、隠蔽葉書709の製造方法を説明する図である。図28(a)に示すロール紙は、ロール紙607の受容層75bに画像を形成し、OP層77bを形成し、接着層79a、接着層79bを形成し、カッタ25によって所定の位置で切断されたものである。
図28(b)に示すように、隠蔽葉書709は、切断されたロール紙607を折り装置3によって外三つ折りにして折り畳み、圧着することで整形する。折り装置3は、接着層79a、接着層79bがそれぞれ内側になるように、図28(b)に示す折り目に沿って外三つ折りし、圧着する。図28(b)に示すように、接着層79aが設けられた領域D、接着層79bが設けられた領域Cがそれぞれ内側になるように折り畳まれる。これによって、領域Dと対向する領域Eの一部もしくは全部が剥離可能に接着される。また、領域Cと対向する領域Bの一部もしくは全部が剥離可能に接着される。外三つ折りする際には、上記したように印刷の際に設けた検知マーク81を図示しないセンサが検知することで、切断されたロール紙607の位置合わせを行い、位置ずれを防ぐようにすることができる。
図29は、隠蔽葉書709の一例を示す図である。図29に示す隠蔽葉書709には、葉書のサイズに相当する3つの領域にわたり、画像603が形成されている。画像603のうち、領域D、Eに形成されている部分は、個人情報などを含み、第三者に閲覧されたくないものである。一方、画像603のうち、領域Fに形成されている部分は、個人情報などが含まれておらず、第三者に閲覧されても良いものである。
領域Dの裏面(図28に示す領域A)には、インクジェットプリンタなどによって郵便番号や宛先を印字する(不図示)。
上記の説明では、最下層にインクジェット用のインクジェット受容層76を設けたロール紙607を用いて片面印刷することとしたが、図4に示すロール紙7を用いて両面印刷するようにしても良い。この場合、図28に示す領域B、Cにも画像を形成することができる。そして、領域B、Cは、図28(b)に示すように外三つ折りすることで隠蔽葉書709の内側になるので、領域B、Cに形成する画像は、個人情報などを含み、第三者に閲覧されたくないものとすることができる。
第7の実施の形態では、図29に示すように、隠蔽葉書609には葉書のサイズの3倍の画像を形成することができるので、パノラマ写真のように横長の写真であっても適切な画像サイズで印刷することができる。特に、画像の略1/3程度の領域は、隠蔽葉書709の裏面として剥離前に閲覧可能となっているので、画像の一部を先に閲覧させることができる等、従来のように葉書の裏面に画像を形成するだけのデザインよりも、大幅にデザインの選択肢が広がる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る隠蔽葉書製造方法等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、201、301、601………熱転写プリンタ
3………折り装置
5a、5b、205、405a、405b、605a、605b………熱転写シート
7、607………ロール紙
9、409、509、609、709………隠蔽葉書

Claims (5)

  1. 基材の一方の片面に熱転写用の第1の受容層が設けられ、前記基材のもう一方の片面に熱転写用の第2の受容層が設けられた受像紙に画像を形成し、隠蔽葉書を製造する隠蔽葉書製造方法であって、
    熱転写装置が、前記第1の受容層に第1の画像を形成する第1の画像形成工程と、
    前記熱転写装置が、前記第1の画像形成工程によって画像が形成された前記第1の受容層の上に第1の保護層を形成する第1の保護層形成工程と、
    前記熱転写装置が、前記第2の受容層に第2の画像を形成する第2の画像形成工程と、
    前記熱転写装置が、前記第2の画像形成工程によって画像が形成された前記第2の受容層の上に第2の保護層を形成する第2の保護層形成工程と、
    前記熱転写装置が、前記第2の保護層形成工程によって形成された前記受像紙の第2の保護層の上に接着層を形成する接着層形成工程と、
    前記熱転写装置が、前記接着層形成工程によって前記接着層が形成された前記受像紙を所定の大きさに切断する切断工程と、
    折り装置が、前記切断工程によって所定の大きさに切断された前記受像紙に折り目を形成する折り目形成工程と、
    前記折り装置が、前記接着層形成工程によって形成された前記接着層が内側になるように、前記折り目形成工程によって形成された前記折り目に沿って前記受像紙を折って圧着することで整形する整形工程と、
    を含むことを特徴とする隠蔽葉書製造方法。
  2. 基材の少なくとも片側に熱転写用の受容層が設けられた受像紙に画像を形成し、隠蔽葉書を製造する隠蔽葉書製造方法であって、
    熱転写装置が、前記受像紙の受容層に画像を形成する画像形成工程と、
    前記熱転写装置が、前記画像形成工程によって画像が形成された前記受像紙の受容層の上に保護層を形成する保護層形成工程と、
    前記熱転写装置が、前記保護層形成工程によって形成された前記保護層の上に接着層を形成する接着層形成工程と、
    前記熱転写装置が、前記接着層形成工程によって前記接着層が形成された前記受像紙を所定の大きさに切断する切断工程と、
    折り装置が、前記切断工程によって所定の大きさに切断された前記受像紙に折り目を形成する折り目形成工程と、
    前記折り装置が、前記保護層形成工程によって形成された前記接着層が内側になるように、前記折り目形成工程によって形成された前記折り目に沿って前記受像紙を折って圧着することで整形する整形工程と、
    を含むことを特徴とする隠蔽葉書製造方法。
  3. 基材の一方の片面に熱転写用の第1の受容層が設けられ、前記基材のもう一方の片面に熱転写用の第2の受容層が設けられた受像紙に画像を形成し、隠蔽葉書を製造する隠蔽葉書製造方法であって、
    熱転写装置が、前記第1の受容層に第1の画像を形成する第1の画像形成工程と、
    前記熱転写装置が、前記第1の画像形成工程によって画像が形成された前記第1の受容層の上に第1の保護層を形成する第1の保護層形成工程と、
    前記熱転写装置が、前記第2の受容層に第2の画像を形成する第2の画像形成工程と、
    前記熱転写装置が、前記第2の画像形成工程によって画像が形成された前記第2の受容層の上に接着性を持つ材料の第2の保護層を形成する第2の保護層形成工程と、
    前記熱転写装置が、前記第2の保護層形成工程によって前記第2の保護層が形成された前記受像紙を所定の大きさに切断する切断工程と、
    折り装置が、前記切断工程によって所定の大きさに切断された前記受像紙に折り目を形成する折り目形成工程と、
    前記折り装置が、前記第2の保護層形成工程によって形成された前記第2の保護層が内側になるように、前記折り目形成工程によって形成された前記折り目に沿って前記受像紙を折って圧着することで整形する整形工程と、
    を含むことを特徴とする隠蔽葉書製造方法。
  4. 基材の少なくとも片側に熱転写用の受容層が設けられた受像紙に画像を形成し、隠蔽葉書を製造する隠蔽葉書製造方法であって、
    熱転写装置が、前記受像紙の受容層に画像を形成する画像形成工程と、
    前記熱転写装置が、前記画像形成工程によって画像が形成された前記受像紙の受容層の上に接着性を持つ材料の保護層を形成する保護層形成工程と、
    前記熱転写装置が、前記保護層形成工程によって前記保護層が形成された前記受像紙を所定の大きさに切断する切断工程と、
    折り装置が、前記切断工程によって所定の大きさに切断された前記受像紙に折り目を形成する折り目形成工程と、
    前記折り装置が、前記保護層形成工程によって形成された前記保護層が内側になるように、前記折り目形成工程によって形成された前記折り目に沿って前記受像紙を折って圧着することで整形する整形工程と、
    を含むことを特徴とする隠蔽葉書製造方法。
  5. 前記受像紙の幅は、前記隠蔽葉書の短辺方向の長さの略整数倍であり、
    前記受像紙の幅方向は、前記熱転写装置による搬送方向と直交し、
    前記切断工程では、前記熱転写装置は、前記受像紙の搬送方向の長さが前記隠蔽葉書の長辺方向の長さと略等しい位置で前記受像紙を切断し、
    前記折り目形成工程では、前記折り装置は、前記搬送方向に沿って伸びるように前記受像紙に前記折り目を形成する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の隠蔽葉書製造方法。
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