JP5696550B2 - ハードコートフィルム及びタッチパネル - Google Patents

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本発明は、密着性に優れたハードコート層を形成するためのハードコート塗液を用いて形成したハードコート層を有するハードコートフィルム及び該ハードコート層を備えたタ
ッチパネルに関する。
例えばLCD、PDP、FED、EL等の表示パネルやタッチパネルに用いられる基板は、ガラス基板から、加工性及び軽量化の面で有利であるプラスチックフィルムに置き換わりつつある。しかし、プラスチックフィルムは表面が傷つきやすいため、プラスチックフィルムからなる基板としては、フィルム基材の表面にハードコート層を形成したハードコートフィルムか、或いは表面にハードコートフィルムを貼り付けて表面硬度や耐擦傷性を付与したものが用いられている。
また、ガラス基板においても、破損した際の飛散防止のために、表面にプラスチックフィルムを貼り付けており、その場合も、プラスチックフィルムとしては、ハードコートフィルムが用いられている。
また、ハードコートフィルムには、ハードコート層の上に透明導電層を形成したものもあり、透明導電性フィルムとして使用されている。このハードコートフィルムは、ハードコート層の上に金属酸化物等の透明薄膜からなる多層膜を形成することで得られる。この多層膜は、化学蒸着(CVD)法や、物理蒸着(PVD)法といったドライコーティング法により形成されている。
上記ハードコートフィルムは高い耐久性が要求される。耐久性を得るための要件の一つは、ハードコート層の密着性であり、フィルム基材の表面にハードコート層を形成したハードコートフィルムでは、フィルム基材とハードコート層との密着性が耐久性に影響し、ハードコート層の上にさらに透明導電層を形成したハードコートフィルムでは、フィルム基材とハードコート層との密着性に加えて、ハードコート層と透明導電層との密着性も耐久性に影響する。
特にタッチパネルに用いるハードコートフィルムは、ハードコート層の密着性が、経年劣化や機械的耐久性に大きく影響するため、高温高湿度環境下での耐久性試験に耐えられるような高い密着性が求められる。
そこで、ハードコート層の密着性を向上させるために、例えば、モノマー成分として分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物とシリカを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に、更にリン酸基含有エチレン性不飽和化合物を含有させたハードコート塗液によりハードコート層を形成することが提案されている。(特許文献1参照)
特開2007−016145号公報
しかし、上記ハードコート塗液により形成されたハードコート層は密着性が充分に高いとは言えない。
本発明は、上記の問題点に鑑み、ハードコート層の密着性が高い耐久性に優れたハードコートフィルム及び該ハードコートフィルムを備えたタッチパネルを提供することを目的としている。
発明者は上記課題に対して鋭意検討を行い、以下に述べる手段を用いることによって、上記課題を解決できることを見出した。
請求項に記載の発明は、フィルム基材の少なくとも一方の面に、ハードコート塗液の塗布、乾燥、硬化により形成されたハードコート層が設けられ、前記ハードコート層の上に、無機密着層を介して透明導電層が形成され、前記ハードコート塗液が、アクリレートを主成分とするモノマーもしくはオリゴマー(A)、チオール基を2つ以上有するポリチオール化合物(B)、および、光重合開始剤(C)を少なくとも含有する組成物からなり、該組成物中における前記ポリチオール化合物(B)の添加量が5重量%以上50重量%以下であり、かつ、前記光重合開始剤(C)の添加量が、前記アクリレートを主成分とするモノマーもしくはオリゴマー(A)に対して0.1質量%以上10質量%以下であり、前記ハードコート層の膜厚が、3μm以上20μm以下であり、前記無機密着層の膜厚が、1nm以上8nm以下であり、前記透明導電層の膜厚が、10nm以上25nm以下であることを特徴とするハードコートフィルムである。
請求項に記載の発明は、前記請求項に記載のハードコートフィルムを備えたタッチ
パネルである。
本発明のハードコート塗液によれば、他の部材との密着性が高いハードコート層を形成することができる。また、本発明のハードコートフィルム及びタッチパネルは、ハードコート層の密着性が高く、耐久性に優れている。
本発明の第1実施形態によるハードコートフィルムのハッチングを省略した断面図。 本発明の第2実施形態によるハードコートフィルムのハッチングを省略した断面図。
図1に示した第1実施形態によるハードコートフィルム10は、プラスチックフィルムからなるフィルム基材11の少なくとも一方の面(図1では上面)に、後述するハードコート塗液の塗布、乾燥、硬化により形成されたハードコート層12が設けられたものである。
ハードコート塗液は、アクリレートを主成分とするモノマーもしくはオリゴマー(A)、チオール基を2つ以上有するポリチオール化合物(B)、光重合開始剤(C)を少なくとも含有する組成物を溶剤に溶解したものである。
ポリチオール化合物(B)を構成する『チオール』はR−SHで表される構造を持ち、(メタ)アクリレートといった化合物内の二重結合『エン』にラジカル付加することにより高分子鎖、あるいは三次元網目構造が形成される。
一般的なアクリル系の紫外線硬化剤の場合は酸素による硬化阻害を受けやすいが、エン−チオール系の紫外線硬化剤の場合は酸素による硬化阻害を受けないため良好な硬化状態を得ることができ、フィルム基材11との高い密着性を得ることができる。
さらに、エン−チオール系の紫外線硬化剤は、硬化反応がラジカル連鎖による段階的逐次反応であり、硬化とともに経時的に生成ポリマーの分子量が増大していくため、硬化初期から高分子量体を与えるアクリル系紫外線硬化剤と比べて、硬化歪みが小さくなる性質があることから、高温高湿度環境下や光照射環境下での耐久性試験による密着性の低下を抑制することができる。
ポリチオール化合物(B)としては、例えば、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート(TEMPIC)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(MTBD1)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(MTNR1)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(MTPE1)等のチオール基を2〜5個有するポリチオール化合物を挙げることができる。これらのうち反応性の面からトリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)が好ましい。
前記組成物のポリチオール化合物(B)の重量割合は5〜50重量%程度が好ましく、10〜30重量%程度が特に好ましい。5重量%より少ない場合は反応性や密着性が低下し、又、50重量%より多い場合は密着性や経時安定性、硬化性に悪影響を及ぼす場合がある。
ハードコート塗液の主成分のアクリレート(A)としては、特に限定はしないが、乾燥時の温度に耐え、透明性を維持できる樹脂が好ましい。さらに硬化後の機械特性及び透明性、耐薬品性、耐熱性はもちろんのこと、塗布加工時の低粘度化等の諸物性を考慮した場合、具体的には3次元架橋の期待出来る3官能以上のアクリレートを主成分とするモノマーもしくはオリゴマーを架橋して成る紫外線硬化型樹脂が好ましい。3官能以上のアクリレートとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリエステルアクリレート等が好ましい。特に好ましいのは、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレートおよびポリエステルアクリレートである。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用しても構わない。また、これら3官能以上のアクリレートの他にエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、等のいわゆるアクリル系樹脂を併用することが可能である。これらの樹脂は、いずれのコート方法を用いる場合であっても、工業的な製造を考慮すると5分以内で硬化できるものが望ましい。
ベースとなる光硬化型樹脂としては、1分子中に少なくとも1個以上の架橋性二重結合を有する化合物が挙げられる。この種の光硬化型樹脂としては、例えば、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリオールアクリレートなどのアクリル系樹脂が好ましい。具体的には、架橋性オリゴマー、単官能または多官能モノマー、光重合開始剤、光重合開始助剤などを含むものである。
架橋性オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等のアクリルオリゴマーが好ましい。具体的にはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ポリウレタンのジアクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等がある。
単官能または多官能モノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル等のアクリルモノマーが好ましい。具体的には2官能の(メタ)アクリル酸エステルとしてはトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等がある。3官能の(メタ)アクリル酸エステルとしてはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等がある。4官能の(メタ)アクリル酸エステルとしてはテトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等がある。6官能の(メタ)アクリル酸エステルとしてはジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等がある。
前記ハードコート塗液の塗布、乾燥、硬化により形成するハードコート層12の膜厚は、必要とされる硬度と柔軟性により決定するが、3μm未満の膜厚では、十分な塗膜強度を得られず、傷が付きやすいものとなってしまうだけでなく、膜厚がばらつきやすくなり、膜厚のばらつきによる光の干渉縞が発生するなどの不具合が生じてしまう。一方、20μmを超えると曲げによるクラックが発生する場合があり、また、形成されるハードコートフィルムにカールが発生しやすくなってしまう。従って、ハードコート層12の好ましい膜厚は3〜20μmである。
本実施形態において、光硬化型樹脂を硬化させる活性エネルギー線が紫外線である場合には、光重合開始剤を添加する必要がある。ラジカル発生型の光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2、2、−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、などのアセトフェノン類;メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4、4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類及びアゾ化合物などがある。これらは単独または2種以上の混合物として使用でき、さらにはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン;2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸誘導体等の光開始助剤などと組み合わせて使用することができる。
上記光重合開始剤の添加量は、主成分のアクリレートに対して0.1質量%以上10質量%以下である。0.1質量%未満ではハードコート層の硬化が不十分となり好ましくない。また、10質量%を超える場合は、ハードコート層の黄変を生じたり、耐候性が低下したりするため好ましくない。
光硬化型樹脂を硬化させるのに用いる光は紫外線、電子線、あるいはガンマ線などであり、電子線あるいはガンマ線の場合、必ずしも光重合開始剤や光重合開始助剤を含有する必要はない。これらの線源としては高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプや加速電子などが使用できる。
溶剤については、上記の主成分のアクリレートを溶解するものであれば特に限定しない。具体的には、溶剤として、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、等が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本実施形態に使用するフィルム基材11の厚みは、特に限定はしないが、好ましくは25μm以上500μm以下であり、より好ましくは50μm以上300μm以下である。このフィルム基材11としては、例えば熱可塑性樹脂からなるプラスチックフィルムを使用する。
フィルム基材11として用いるプラスチックフィルムは、特に限定されるものではなく、公知のプラスチックフィルムの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、セロハン、ナイロンフィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアセテートフィルム、ポリスチレンフィルム、アクリル系フィルム、耐熱性・エンプラ系フィルム、フッ素樹脂フィルム、トリアセチルセルロースフィルム等のプラスチックフィルムが挙げられる。
フィルム基材11上にハードコート塗液を塗布するコーティング方法は、特に限定されるものではないが、実用的には、ダイコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター、マイクログラビアコーター等によるコーティングが一般的である。
図2に示した第2実施形態によるハードコートフィルム10aは、上記第1実施形態におけるハードコート層12の上に、無機密着層13を介して透明導電層14を形成したものであり、透明導電性フィルムとして使用される。
無機密着層14を形成する材料としては、例えば、インジウム、錫、チタン、珪素、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、マグネシウム、ビスマス、セリウム、クロム、白金、炭素、タンタル、アルミニウム、ゲルマニウム、ガリウム、アンチモン、ネオジウム、ランタン、トリウム、ハフニウム、イットリウム、ロジウム、セレニウム、ユーロピウム、イッテルビウム、スカンジウム、プラセオジウム、サマリウム等の元素、または、これらの元素の酸化物、弗化物、硫化物、窒化物、または、酸化物、弗化物、硫化物、窒化物の混合物等が挙げられる。酸化物、弗化物、硫化物、窒化物の化学組成は、化学量論的な組成と一致しなくてもよい。これらの層構成及び材料にすることで、ハードコート層12と無機密着層13との密着性を向上させることができる。
また、無機密着層21の厚みは、1nm以上8nm以下であることが好ましい。無機密着層の厚みが1nmより小さいと密着性が十分向上せず、また、厚みが8nmより大きいと光学特性に影響するだけでなく、密着性が低下する。
透明導電層14は、無機密着層21の上に、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、またはこれらの混合物からなる導電性材料により形成されている。これらの導電性材料のうち、酸化インジウムと酸化スズの混合酸化物(ITO)が特に好ましい。また、透明導電層14の導電性材料には、必要に応じて、Al、Zr、Ga、Ge、Si、Ti、W等の添加物を含有させてもよい。
透明導電層14の厚みは、10nm以上25nm以下であることが好ましい。より好ましくは、18nm以上22nm以下である。厚みが10nmより小さくなると、透明導電層14の均一性が得にくくなり、25nmより大きくなると、透明導電層14の光吸収により透明性の低下を生じる。
無機密着層13及び透明導電層14の製膜方法については、特に限定はないが、蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法等の真空成膜法により形成されること好ましい。
[実施例及び比較例]
以下、図2に示した第2実施形態のハードコートフィルム10aの具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明の有用性について説明する。但し、本発明は該実施例に限定されるものではない。
次の表1は、実施例1,2,3と比較例1,2のハードコートフィルムにおけるハードコート塗液と性能を示している。
Figure 0005696550
<ハードコート塗液>
ハードコート塗液は、共栄社化学株式会社製のアクリレート(商品名;PE−3A)、境化学工業株式会社製のポリチオール化合物(商品名;PEMP)、チバ・ジャパン株式会社製の光重合開始剤(商品名;イルガキュア184)を表1の重量割合で含有し、溶剤として酢酸エチルを用いたものである。
<ハードコート層の形成>
フィルム基材である東洋紡株式会社製のポリエチレンテレフタレート(商品名;A4300−125)の上に、表1のハードコート塗液をワイヤーバーにより硬化膜厚が8μmになるように塗布、乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJ/cmの紫外線を照射しハードコート層を形成した。
<透明導電層の形成>
次に、ハードコート層の上に、無機密着層を、DCマグネトロンスパッタリング法で成膜することにより形成し、この無機密着層の上に、透明導電層14を、直流マグネトロンスパッタリング法で成膜することにより形成した。ここで、無機密着層の厚みは7nmとした。また、透明導電層の成膜においては、スパッタリングターゲットとして、酸化スズを10重量%含有のITOを使用した。さらに、透明導電層の厚みは18nmとした。
<評価方法>
以上の条件で製造したハードコートフィルムについて、以下の方法で評価を行なった。
(1)全光線透過率及びヘイズ値
透明導電性フィルムについて、日本電色工業株式会社製の写像性測定器(商品名;NDH−2000)を使用して全光線透過率及びヘイズ値を測定した。
(2)密着性
透明導電層の表面に、1マスが1mm角で、10マス×10マス=100マスとなるように碁盤目状にカットした切れ込みを入れた後、粘着テープ(ニチバン株式会社製、工業用24mm巾テープ)を用いて剥離試験を行い、100マス部の残存率で密着性を評価した。100マス全てが剥離せずに残存したときを100/100とした。
(3)耐光試験後密着性
東洋精機製作所製のATLASキセノンウェザオメーターCi4000(商品名)を用いて、照度:1.2W/m(420nm)、ブラックスタンダードパネル温度:40℃、槽内温度:20℃ 、槽内湿度:50%RH、試験時間200時間の条件で耐光試験を実施し、試験後の密着性を上記の剥離試験方法で評価した。
(4)鉛筆硬度
JIS−K5400に準じた評価を行なった。
<評価結果>
表1のように、実施例1,2,3のハードコートフィルムは、アクリレートを主成分とするモノマーもしくはオリゴマーにポリチオール化合物を添加しハードコート層を形成することにより、比較例1,2のハードコートフィルムと比較して、耐光試験後密着性が向上していることが確認された。また、ポリチオール化合物の添加量を5重量%以上50重量%以下とすることにより、光学特性や硬化性への影響の度合いが少なく、品質面の向上をはかることができた。
以上のように、本発明のハードコート塗液によれば、第1実施形態のハードコートフィルム10の製造において、フィルム基材11との密着性が高いハードコート層12を形成することができる。また、第2実施形態のハードコートフィルム10aの製造において、フィルム基材11及びハードコート層12の上に設ける透明導電層14の下地層である無機密着層13との密着性が高いハードコート層12を形成することができる。
そして、本発明のハードコートフィルム10,10aは、ハードコート層12の密着性が高いため、耐久性に優れている。
本発明のハードコートフィルム10,10aは、例えば、表示パネルやタッチパネルの表面に貼り付けるか、或いは、表示パネルやタッチパネルの表面側の基板として使用される。
このハードコートフィルム10,10aをタッチパネルに用いる場合、第1実施形態のハードコートフィルム10は、接触型、静電誘導型、電磁ペンを使用する電磁誘導型のいずれのタッチパネルにも利用できる。
また、第2実施形態のハードコートフィルム10aは、ハードコート層12の上に、無機密着層13を介して透明導電層14が形成されているため、フィルム基材11の反対面側に透明導電層14と対向する導電膜を配置することにより、透明導電層14と前記導電膜との間にフィルム基材11とハードコート層12及び無機密着層13とからなる誘電層を介在させた静電誘導型タッチパネルを構成することができる。
10,10a…ハードコートフィルム
11…フィルム基材
12…ハードコート層
13…無機密着層
14…透明導電層

Claims (2)

  1. フィルム基材の少なくとも一方の面に、ハードコート塗液の塗布、乾燥、硬化により形成されたハードコート層が設けられ、前記ハードコート層の上に、無機密着層を介して透明導電層が形成され、
    前記ハードコート塗液が、アクリレートを主成分とするモノマーもしくはオリゴマー(A)、チオール基を2つ以上有するポリチオール化合物(B)、および、光重合開始剤(C)を少なくとも含有する組成物からなり、該組成物中における前記ポリチオール化合物(B)の添加量が5重量%以上50重量%以下であり、かつ、前記光重合開始剤(C)の添加量が、前記アクリレートを主成分とするモノマーもしくはオリゴマー(A)に対して0.1質量%以上10質量%以下であり、
    前記ハードコート層の膜厚が、3μm以上20μm以下であり、
    前記無機密着層の膜厚が、1nm以上8nm以下であり、
    前記透明導電層の膜厚が、10nm以上25nm以下であることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 前記請求項に記載のハードコートフィルムを備えることを特徴とするタッチパネル。
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