JP2010085578A - 紫外線硬化型粘着剤層の製造方法、及び紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルター - Google Patents

紫外線硬化型粘着剤層の製造方法、及び紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルター Download PDF

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Abstract

【課題】均一な厚み特性が得られる紫外線硬化型粘着剤層の製造方法を提供する。また、本発明の他の目的は、上記紫外線硬化型粘着剤層を備えた、耐衝撃性に優れるディスプレイ用フィルターを提供する。
【解決手段】厚みが100μm以上の紫外線硬化型粘着剤層の製造方法であって、少なくとも、基材に実質的に有機溶剤を含有しない紫外線硬化型粘着剤組成物を塗布する工程(A)、塗布された粘着剤組成物を加熱する工程(B)、塗布された粘着剤組成物に紫外線を照射する工程(C)をこの順に有する、紫外線硬化型粘着剤層の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、厚みが大きくかつ厚みが均一な紫外線硬化型粘着剤層の製造方法、及び前記紫外線硬化型粘着剤層を衝撃吸収層として備えたディスプレイ用フィルターに関する。
近年、大型フラットパネルディスプレイの一つとしてプラズマディスプレイパネル(「PDP」という)が注目され、家庭用ブラウン管テレビの代替としてその市場が急速に立上りつつある。PDPの構造は、従来、外部衝撃などから表示パネルを保護するため、赤(R)、緑(G)、青(B)の表示光を発する表示パネルの前面側に、強化ガラスを基体とする光学フィルターを、表示パネルとの間に空隙を設けて外装筐体内に配置して構成してなるものが一般的であった。
ところが、表示パネルとディスプレイ用フィルターとの間に空隙が介在すると、外部から表示面に入射する外光がディスプレイ用フィルター前面と表示パネル前面とで反射して多重に映り込む二重映り現象が生じ、PDPの表示画質を低下させるという問題があった。このため、最近では、表示パネル上に、粘着剤層を介してディスプレイ用フィルターを直接貼合せる構成のものが開示されている(例えば特許文献1、特許文献2)。
しかし、表示パネル上にディスプレイ用フィルターを直接貼合せる場合には、強化ガラスを基体とするディスプレイ用フィルターと表示パネルとの間に空隙を設けて配置した構造に比べ、衝撃を受けたときの緩衝効果(耐衝撃性)が劣ることになるため、外部衝撃などから表示パネルを保護する耐衝撃性能が不充分になる場合があった。
そこで、耐衝撃性粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルターが提案されている(例えば特許文献3〜5)。
特開平11−119666号公報 特開2002−251144号公報 特開2006−171261号公報 特開2007−182557号公報 特開2007−254705号公報
粘着剤層に十分な耐衝撃性を付与するには、粘着剤層の厚みは100μm以上であることが好ましい。また、耐衝撃性粘着剤層に用いられる粘着剤としては、紫外線硬化型や溶剤型の粘着剤が知られている。
上記したように厚みの大きい粘着剤層として溶剤型粘着剤を用いると、粘着剤層内部まで十分に乾燥、蒸発ができず、溶剤が残留する場合があること、また、溶剤を完全に蒸発させるために、長大な乾燥工程や乾燥装置、及び蒸発した溶剤の回収装置が必要になる等の不利益がある。これに対して、無溶剤型の紫外線硬化型粘着剤の場合、溶剤の残留がなく、また溶剤を蒸発させるための長大な乾燥工程や乾燥装置、及び蒸発した溶剤の回収装置は不要である等の利点がある。
しかしながら、厚みが100μm以上の無溶剤型の紫外線硬化型粘着剤層を均一な厚みに塗工形成することは難しく、塗工形成された粘着剤層に厚みムラや気泡による凹みムラが発生しやすいという問題があった。このような厚みの大きい粘着剤層をディスプレイ用フィルターの衝撃吸収層として適用した場合、粘着剤層の厚みが大きいために、その厚みムラの影響は大きく、ディスプレイ用フィルターの厚みムラとなって表れ、表示画像の視認性の低下の原因となる場合がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、均一な厚み特性が得られる紫外線硬化型粘着剤層の製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記紫外線硬化型粘着剤層を備えた、耐衝撃性に優れるディスプレイ用フィルターを提供することにある。
本発明の上記目的は、基本的に以下の発明によって達成された。
1)厚みが100μm以上の紫外線硬化型粘着剤層の製造方法であって、基材上に、実質的に有機溶剤を含有しない紫外線硬化型粘着剤組成物を塗布する工程、塗布された粘着剤組成物を加熱する工程、塗布された粘着剤組成物に紫外線を照射する工程を少なくとも有する、紫外線硬化型粘着剤層の製造方法。
2)前記加熱工程(B)における加熱温度が30℃以上である、前記1)に記載の紫外線硬化型粘着剤層の製造方法。
3)前記紫外線硬化型粘着剤組成物が、ウレタン系紫外線硬化型粘着剤組成物である、前記1)または2)に記載の紫外線硬化型粘着剤層の製造方法。
4)前記1)から3)のいずれかに記載の製造方法で得られた紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルター。
5)前記紫外線硬化型粘着剤層が、ディスプレイ用フィルターの一方の面の最表面に配置された、前記4)に記載のディスプレイ用フィルター。
本発明によれば、耐衝撃性に優れ、厚み精度の高い、紫外線硬化型粘着剤層を提供することができる。また、本発明によれば、上記の紫外線硬化型粘着剤層を備えた、耐衝撃性に優れるディスプレイ用フィルターを提供することができる。
本発明にかかる紫外線硬化型粘着剤層に用いられる紫外線硬化型粘着剤組成物は、実質的に有機溶剤を含まない、所謂、無溶剤型である。ここで、紫外線硬化型粘着剤組成物が実質的に有機溶剤を含まないとは、紫外線硬化型粘着剤組成物100質量%に含まれる有機溶剤の量が5質量%以下であることを意味し、好ましくは有機溶剤量が3質量%以下であり、より好ましくは有機溶剤量が1質量%以下であり、特に好ましくは有機溶剤を全く含まないことである。
上記有機溶剤は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸ブチル、エタノール、メタノールなどの揮発性の高い有機溶剤を対象とし、特に、沸点が130℃以下の有機溶剤を対象とする。
上記有機溶剤には、液状の重合性モノマー(例えば反応性希釈剤として用いられるような低分子のアクリレートモノマー等)は含まれない。
本発明の紫外線硬化型粘着剤組成物を無溶剤型とすることで、製造工程における安全性や環境性が改善され、また、粘着剤層の残存溶剤の大幅な低減が図られる。
紫外線硬化型粘着剤を用いる利点は、上記したように、無溶剤型の粘着剤組成物を用いることができる点にある。しかしながら、無溶剤型であるために、粘着剤組成物の粘度が高くなる傾向にあり、粘度の上昇は塗布性の悪化を招き、塗布膜の膜厚みの均一性や気泡等による凹みの発生が起こりやすくなる。特に、粘着剤層をディスプレイ用フィルターの衝撃吸収層として適用する場合は、粘着剤層の厚みを100μm以上とすることが好ましく、このような厚みの大きい粘着剤層として、無溶剤型の紫外線硬化型粘着剤組成物を用いた場合は上記の問題が助長されることが分かった。
無溶剤型の紫外線硬化型粘着剤組成物を用いる場合は、通常、塗布後に乾燥、加熱は行われないが、本発明は、無溶剤型の紫外線硬化型粘着剤組成物を塗布後、加熱することによって、前述した問題(塗布膜の厚みの均一化や気泡による凹みの改善)が大きく改善されることを見いだし、本発明を成すに至った。本発明の製造方法については、詳細は後述する。
本発明にかかる紫外線硬化型粘着剤組成物としては、公知のものが用いられる。例えば、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤組成物が挙げられ、これらの中でも、アクリル系及びウレタン系の粘着剤組成物が好ましく、特に、ウレタン系の粘着剤組成物が好ましい。
アクリル系紫外線硬化型粘着剤組成物としては、アクリル系ポリマー、重合性モノマー及び/又は重合性オリゴマー、並びに重合開始剤を含む組成物が挙げられる。
アクリル系ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル(アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル)をモノマー主成分とする(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーを用いることができる。また、アクリル系ポリマーとして、前記モノマーとカルボキシル基あるいは水酸基を有するモノマーを共重合したポリマーを用いることができる。また更に、アクリル系ポリマーとして、側鎖に重合性官能基(エチレン性不飽和基)を有する重合性ポリマーを用いることができる。アクリル系ポリマーの重量平均分子量としては1万〜50万の範囲が好ましく、2万〜40万の範囲がより好ましい。
アクリル系ポリマーの使用量は、紫外線硬化型粘着剤組成物100質量%に対して30〜95質量%の範囲が好ましい。
重合性モノマーとしては、(メタ)アクリレート化合物やビニル化合物が挙げられ、例えばジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、アジピン酸ビニル、アクリル酸ビニルなどが挙げられる。
重合性オリゴマーとしては、ウレタン系オリゴマー、ポリエーテル系オリゴマー、ポリエステル系オリゴマー、ポリカーボネート系オリゴマー、ポリブタジエン系オリゴマーなどが挙げられる。
重合性モノマー及び/又は重合性オリゴマーの使用量(重合性モノマーと重合性オリゴマーを併用する場合は両者の合計量)は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、1〜5質量部の範囲が好ましく、2〜30質量部の範囲がより好ましい。
重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等のベンゾフェノン系、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等のヒドロキシアルキルフェノン系、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン等のチオキサントン系、トリエタノールアミン、4−ジメチル安息香酸エチル等のアミン系が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、重合性モノマー及び/又は重合性オリゴマー(重合性モノマーと重合性オリゴマーを併用する場合は両者の合計量)の100質量部に対して0.05〜10質量部の範囲が好ましく、0.1〜5質量部の範囲がより好ましい。
前述したように、本発明は、紫外線硬化型粘着剤組成物としてウレタン系紫外線硬化型粘着剤組成物が特に好ましく用いられるが、以下、ウレタン系紫外線硬化型粘着剤組成物について説明する。
かかるウレタン系紫外線硬化型粘着剤組成物としては、ウレタン化合物、例えばウレタンポリマーやウレタンプレポリマー(ウレタンオリゴマーを含む)を紫外線硬化型粘着剤組成物の主要構成成分とするものが好ましく用いられる。
上記ウレタン化合物としては、分子末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンプレポリマー、分子末端にカルボキシ基または水酸基を有するウレタンポリマーあるいはウレタンプレポリマーが挙げられる。ここで、ウレタンプレポリマーは、重合性のポリマーを意味する。
分子末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンプレポリマーとして、分子の片末端もしくは両末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンプレポリマーが挙げられるが、分子の両末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンプレポリマーが好ましく用いられる。上記のエチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基等が挙げられる。上記ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は、1万〜10万の範囲が好ましく、2〜8万の範囲がより好ましく、特に2〜5万の範囲が好ましい。
分子末端にカルボキシ基または水酸基を有するウレタンポリマーは、分子の片末端もしくは両末端にカルボキシ基または水酸基を有するウレタンポリマーであり、分子の両末端にカルボキシ基または水酸基を有するウレタンポリマーが好ましく用いられる。
また、分子末端にカルボキシ基または水酸基を有するウレタンプレポリマーとしては、分子の片末端にカルボキシ基または水酸基を有し、もう一方の末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンプレポリマーが挙げられる。
分子末端にカルボキシ基または水酸基を有するウレタンポリマーあるいはウレタンプレポリマーの重量平均分子量としては、1万〜10万の範囲が好ましく、2〜8万の範囲がより好ましく、特に2〜5万の範囲が好ましい。
上記の分子末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンプレポリマーについては、特開2006−171261号公報、特開2007−254705号公報に詳しく記載されており、これらの特許文献に記載された化合物を用いることができるし、あるいはこれらの特許文献に記載の合成方法に準じて合成することができる。
上記の分子末端にカルボキシ基または水酸基を有するウレタンポリマーあるいはウレタンプレポリマーについては、特開2007−254705号公報に詳しく記載されており、この特許文献に記載された化合物を用いることができるし、あるいはこの特許文献に記載の合成方法に準じて合成することができる。
上記したウレタン化合物の使用量は、ウレタン系紫外線硬化型粘着剤組成物100質量%に対して、30〜95質量%の範囲が好ましく、40〜95質量%の範囲がより好ましく、特に50〜95質量%の範囲が好ましい。
ウレタン化合物として、上記した分子末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンプレポリマー(A)と、上記した分子末端にカルボキシ基または水酸基を有するウレタンポリマー及び/又はウレタンプレポリマー(B)とを組み合わせて用いることが好ましい。上記(A)と(B)の使用比率は、質量比で、9:1〜1:9の範囲が好ましく、8:2〜2:8の範囲がより好ましい。これによって、基材との密着性が良好で、かつ耐衝撃性に優れた粘着剤層を形成することができる。
上記のウレタンプレポリマー(A)と、ウレタンポリマー及び/又はウレタンプレポリマー(B)とを組み合わせて使用する態様において、上記(A)と(B)を別々に合成して、紫外線硬化型粘着剤組成物を作製するときに両者を混合しても良いし、または、1つの合成過程で上記(A)と(B)を含むウレタンプレポリマー(C)を合成し、このウレタンプレポリマー(C)を紫外線硬化型粘着剤組成物の作製に用いても良い。上記のウレタンプレポリマー(C)を合成する方法は、特開2007−254705号公報に詳しく記載されており、これらを参照して本発明に組み入れることができる。
上記のウレタンプレポリマー(C)において、分子末端アクリレート比率は全末端の50〜90%であるのが好ましい。ウレタンプレポリマー(C)の分子末端アクリレート比率は、ウレタンプレポリマー(C)の酸価もしくは水酸基価と分子量から算出される。
ウレタン系紫外線硬化型粘着剤組成物には、更に重合性モノマーとして、(メタ)アクリレート化合物やビニル化合物を用いることが好ましい。
かかる重合性モノマーとしては、例えば2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロイソフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロテレフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルイソフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルテレフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、グリシドールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロノニル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、シクロステアリル(メタ)アクリレート、シクロラウリル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリシクロデカル(メタ)アクリレート、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エチレンオキサイド付加(メタ)アクリレート、水転ビスフェノールA型エチレンオキサイド付加(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、アジピン酸ビニル、アクリル酸ビニル等が挙げられる。
上記した重合性モノマーの使用量は、ウレタン系紫外線硬化型粘着剤組成物100質量%に対して、1〜50質量%の範囲が好ましく、2〜30質量%の範囲が好ましい。
また、ウレタン系紫外線硬化型粘着剤組成物には、更に重合開始剤を含有させることが好ましい。かかる重合開始剤としては市販のものを広く使用することができるが、以下に示すような重合開始剤が好ましく用いられる。例えば、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等のベンゾフェノン系、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン等のヒドロキシアルキルフェノン系、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン等のチオキサントン系、トリエタノールアミン、4−ジメチル安息香酸エチル等のアミン系が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、紫外線硬化型粘着剤組成物100質量%に対して、0.05〜5質量%の範囲が適当である。
本発明において、紫外線硬化型粘着剤組成物には、黄変防止のために、酸化防止剤や光安定剤を含有させることが好ましい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましく用いられる。光安定剤としては、立体障害ピペリジル基とエチレン性不飽和基とを有する単量体が好ましく用いられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕、ヘキサメチレン−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、N,N’−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン、ジエチル〔(3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕ホスフェート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(4−sec−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(4−ネオペンチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル)イソシアヌル酸、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、p−クロロメチルスチレンとp−クレゾールの重縮合物、p−クロロメチルスチレンとジビニルベンゼンの重縮合物、p−クレゾールとジビニルベンゼン重縮合物のイソブチレン反応物、などが挙げられる。
上記化合物の中でも、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、エチレンビス(オキシエチレン)ビス〔3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート〕、ヘキサメチレン−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のプロピオネート化合物が好ましく用いられる。
リン系酸化防止剤としては、例えばトリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4’−ジイルビスホスホナイト、ジ−t−ブチル−m−クレジル−ホスホナイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−ペンタエリスリールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリスリールジホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライル(オクタデシルホスファイト)、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマー、水添ビスフェノールAホスファイトポリマー、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイトなどが挙げられる。
これらの中でも、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト等のトリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、モノフェニルジアルキルホスファイトが好ましく用いられる。
本発明に用いることができる、立体障害ピペリジル基とエチレン性不飽和基とを有する単量体、について説明する。係る単量体における立体障害ピペリジル基とは、ピペリジル基の2位と6位にそれぞれ1乃至2個のアルキル基を有するものであり、エチレン性不飽和基とは、アクリル基(アクリロイル基)、メタクリル基(メタクリロイル基)、クロトノイル基、ビニル基、アリル基等であり、エチレン性不飽和基が立体障害ピペリジル基の1位および/または4位に、直接もしくは酸素原子やイミノ基等の連結基を介して結合した化合物である。
本発明に好ましく用いられる立体障害ピペリジル基とエチレン性不飽和基とを有する単量体は、下記一般式(1)および(2)で表すことができる。
Figure 2010085578
(式中、R は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R〜Rはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは水素原子またはシアノ基を表し、R、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子またはイミノ基を表す。)
Figure 2010085578
(式中、R12〜R15はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表し、R16は水素原子またはシアノ基を表し、R17〜R20はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子またはイミノ基を表す。)
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。
前記一般式(2)で表される化合物としては、例えば1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。
上記した化合物の中でも、一般式(1)で表される化合物が好ましく、特に4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンが好ましく用いられる。
上記したヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、および立体障害ピペリジル基とエチレン性不飽和基とを有する単量体の、それぞれの含有比率は、紫外線硬化型粘着剤組成物100質量%に対して0.05〜5質量%の範囲が好ましく、それぞれの含有比率が0.1〜3質量%の範囲がより好ましい。
本発明において、紫外線硬化型粘着剤組成物には必要に応じて可塑剤を加えることもできる。かかる可塑剤としては、安息香酸ベンジル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチルベンジル、フタル酸ジオクチル、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸系化合物、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジブトキシエチルなどのアジピン酸系化合物、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸系化合物、リン酸トリエチレン、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルフェニルなどのリン酸化合物、ジオクチルセバケート、メチルアセチルリシノレートなどの脂肪酸系化合物、ジイソデシル−4,5−エポキシテトラヒドロフタレートなどのエポキシ系化合物、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリn−オクチル、トリメリット酸トリイソデシルなどのトリメリット酸系化合物、その他オレイン酸ブチル、塩素化パラフィン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリブテン、ポリイソブチレンなどが挙げられる。
上記可塑剤の使用量は、紫外線硬化型粘着剤組成物100質量%に対して、1〜30質量%の範囲が好ましい。
さらに、本発明にかかる紫外線硬化型粘着剤組成物には、必要に応じて各種の重合禁止剤を添加することもできる。かかる重合禁止剤としてはハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジブチル−4−メチルフェノール等を用いることができる。また、必要に応じて、上記以外の各種添加剤、たとえば、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色防止剤、顔料等を用いることもできる。
本発明にかかる紫外線硬化型粘着剤層の厚みは100μm以上である。本発明の紫外線硬化型粘着剤層は、ディスプレイ用フィルターの衝撃吸収層として好適であり、耐衝撃性を高めるという観点から、紫外線硬化型粘着剤層の厚みは200μm以上が好ましく、300μm以上がより好ましい。紫外線硬化型粘着剤層の厚みの上限は、紫外線硬化型粘着剤組成物の塗布適性、硬化速度等の生産性、及びディスプレイの表示画像の視認性を考慮して、2000μm以下が好ましく、1000μm以下がより好ましい。
以下、本発明の紫外線硬化型粘着剤層の製造方法について詳細に説明する。本発明の紫外線硬化型粘着剤層の製造方法は、少なくとも、基材に紫外線硬化型でかつ実質的に有機溶剤を含有しない粘着剤組成物を塗布する工程(A)、塗布された粘着剤組成物を加熱する工程(B)、塗布された粘着剤組成物に紫外線を照射する工程(C)をこの順に有する。
以下の説明において、基材に紫外線硬化型でかつ実質的に有機溶剤を含有しない粘着剤組成物を塗布する工程(A)を塗布工程(A)と称し、塗布された粘着剤組成物を加熱する工程(B)を加熱工程(B)と称し、塗布された粘着剤組成物に紫外線を照射する工程(C)を紫外線照射工程(C)と称す。
塗布工程(A)に用いられる基材、即ち、紫外線硬化型粘着剤組成物を塗布して紫外線硬化型粘着剤層を形成するための基材としては、離型フィルムあるいは紫外線硬化型粘着剤層が適用される部材(例えば、ディスプレイ用フィルター)を構成する基材が挙げられる。例えば、本発明の紫外線硬化型粘着剤層をディスプレイ用フィルターの衝撃吸収層として適用する場合、予め離型フィルムに紫外線硬化型粘着剤層を形成した後、ディスプレイ用フィルター側に転写積層する方法、あるいはディスプレイ用フィルターを構成する基材(例えばプラスチックフィルム)に直接に形成する方法がある。
本発明の紫外線硬化型粘着剤層の製造方法においては、上記のいずれの方法も用いることができる。
離型フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムを用いることができる。離型フィルムの厚みは、30〜200μmの範囲が好ましい。また、離型フィルムの表面には、紫外線硬化型粘着剤層からの剥離性を高めるため、シリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の処理が施されていることが好ましい。ディスプレイ用フィルターを構成する基材については、後述する。
塗布工程(A)において、粘着剤組成物を基材上に塗布するのに用いられる塗布装置としては、スリットダイコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、ロールコーター等公知の塗布装置を用いることができるが、これらの中でも、厚みが100μm以上の塗膜を均一に塗布するという観点から、スリットダイコーターが好ましく用いられる。塗布工程(A)における塗布速度は、1〜10m/分の範囲が適当である。
塗布工程(A)で基材に塗布された粘着剤組成物は、加熱工程(B)で加熱される。加熱工程(B)における加熱温度は、28℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、特に33℃以上が好ましい。加熱温度の上限は60℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。ここで加熱温度とは、基材に塗布された紫外線硬化型粘着剤組成物の表面温度である。紫外線硬化型粘着剤組成物の加熱温度は、該粘着剤組成物が塗布された基材が加熱工程から搬出された直後(基材の搬送距離にして5cm以内)で測定するのが適当である。なお、搬送速度が通常の1〜10m/分程度であれば、加熱工程から搬出後5cm以内の位置の紫外線硬化型粘着剤組成物の表面温度は、加熱工程から搬出されたとはいえ、その表面温度はほぼ低下することはなく、加熱工程内における紫外線硬化型粘着剤組成物の表面温度と同じと推定される。表面温度の測定は、例えば、非接触式の赤外線表面温度計を用いて測定することができる。
本発明において、加熱工程(B)は、基材に塗布された紫外線硬化型粘着剤組成物の温度を上昇させることが重要であり、塗布直後の紫外線硬化型粘着剤組成物の表面温度に対して3℃以上上昇させることが好ましく、特に5℃以上上昇させることが好ましい。表面温度上昇の上限は、15℃程度である。ここで塗布された紫外線硬化型粘着剤層粘着剤組成物の温度とは、上記と同様に表面温度を意味する。
紫外線硬化粘着剤組成物の塗布は、通常、常温で行われる。本発明においても、粘着剤組成物の塗布は、20〜27℃の常温で塗布される。従って、基材に塗布された直後の粘着剤組成物の表面温度も20〜27℃程度であり、これを加熱工程(B)で加熱することによって、紫外線硬化型粘着剤組成物の表面温度を上昇させる。
本発明における加熱工程(B)は、従来の溶剤型粘着剤組成物の溶剤の蒸発を目的とする乾燥工程に比べて、短小、短縮化が可能であり、生産性への影響は軽微である。本発明の加熱工程(B)は、加熱温度にもよるが、加熱工程(B)の所要時間は120秒以下で十分であり、90秒以下であることがより好ましく、特に60秒以下であることが好ましい。所要時間の下限は10秒程度である。
加熱工程(B)における加熱方法としては、従来から公知の方法を用いることができる。例えば、熱風を吹き付ける方法、赤外線を用いる方法、マイクロ波を用いる方法、加熱ロールを用いる方法等が挙げられる。これらの中でも赤外線を用いる方法が好ましく用いられる。
加熱工程(B)で加熱された紫外線硬化型粘着剤組成物は、次の紫外線照射工程(C)で紫外線が照射され、光重合を生起し、硬化する。
紫外線照射工程(C)は、低酸素の状態で行うのが好ましく、かかる低酸素状態で行う方法として、窒素ガスなどの不活性ガスで置換して酸素の無い雰囲気中で行う方法、紫外線透過性フィルムによる被覆で空気と遮断した状態で行う方法が挙げられる。
紫外線照射工程(C)で用いられる紫外線は、波長200〜400nmの範囲の紫外線が好ましく、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ等の紫外線を発するランプが用いられる。
紫外線照射工程(C)における紫外線の照射量は、積算光量で500〜3000mJ/cmの範囲が好ましく、800〜2500mJ/cmの範囲がより好ましく、特に1000〜2000mJ/cmの範囲が好ましい。
上記のようにして、基材上に紫外線硬化型粘着剤層が形成された後、必要に応じて該粘着剤層の上に更に離型フィルムが積層され、ロール状に巻き取られるか、あるいは所定サイズのシートに切断される。
なお、ここまでに説明した紫外線硬化型粘着剤層の製造方法と同様の方法により、厚み100μm以上の紫外線硬化型粘着剤層と基材を有する積層体(この積層体を積層体Aとする)も製造することができる。つまり、厚み100μm以上の紫外線硬化型粘着剤層と基材を有する積層体Aの製造方法は、少なくとも、基材に紫外線硬化型でかつ実質的に有機溶剤を含有しない粘着剤組成物を塗布する工程(A)、塗布された粘着剤組成物を加熱する工程(B)、塗布された粘着剤組成物に紫外線を照射する工程(C)をこの順に有する製造方法である。また積層体Aは、厚み100μm以上の紫外線硬化型粘着剤層と基材を有するが、基材は1枚であっても、紫外線硬化型粘着剤層を保護するという観点から紫外線硬化型粘着剤層をの両側の2枚であっても特に限定されない。
またこのようにして得られる厚み100μm以上の紫外線硬化型粘着剤層と基材を有する積層体Aは、後述するようにディスプレイ用フィルターの製造に用いることができる。例えば、積層体Aの基材として離型フィルムを用いれば、ディスプレイ用フィルターを構成する特定の層と積層体Aを紫外線硬化型粘着剤層により貼合し、続いて積層体Aの基材である離型フィルムを剥離して、さらにディスプレイ用フィルターを構成する別の層と貼合することで、内部に紫外線硬化型粘着剤層を有するディスプレイ用フィルターを得ることができる。また例えば、積層体Aの基材としてディスプレイ用フィルターを構成する基材を用いることで、内部に積層体Aを有するディスプレイ用フィルターを得ることができる。また例えば、ディスプレイ用フィルターの一方の最表面に、基材として離型フィルムを用いた積層体Aを、基材が最表面になるように設けることで、離型フィルム付きディスプレイ用フィルターを得ることもできる。
次に、本発明の紫外線硬化型粘着剤層の製造方法によって製造された紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルターについて説明する。
本発明の紫外線硬化型粘着剤層の製造方法によって製造された紫外線硬化型粘着剤層は、ディスプレイ用フィルター、特にプラズマディスプレイの表示パネルの前面に配置されるディスプレイ用フィルターの衝撃吸収層として好適である。
また、本発明にかかる紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルターは、該粘着剤層を介してディスプレイの表示パネルに直接に貼り付けられることが好ましい。従って、本発明の紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルターにおいて、該粘着剤層は、ディスプレイ用フィルターの一方の面の最表面になるように配置されることが好ましい。該粘着剤層を保護するために必要に応じて、該粘着剤層上に積層される離型フィルムは、最終的には剥離除去されるものであり、本発明の紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルターを構成するものではない。
本発明の紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルター(以降、単にディスプレイ用フィルターと称す)は、少なくとも1枚の基材と、反射防止機能、防眩機能、ハードコート機能、及び防汚機能の中から選ばれる少なくとも1つの機能を有する機能層とを少なくとも有することが好ましい。
本発明のディスプレイ用フィルターに用いられる基材としては、プラスチックフィルムが好ましく用いられる。かかるプラスチックフィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アートン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びセルロース樹脂が好ましく、特にポリエステル樹脂が好ましく用いられる。プラスチックフィルムの厚みとしては、50〜300μmの範囲が適当であるが、コストの観点及びディスプレイ用フィルターの剛性を確保するという観点から90〜250μmの範囲が特に好ましい。
本発明にかかる機能層は、前述のように、反射防止機能、防眩機能、ハードコート機能、及び防汚機能の中から選ばれる少なくとも1つの機能を有する。かかる機能層は単一層であっても複数層で構成されていてもよく、また複数の機能を併せ持った層であってもよい。機能層は、ディスプレイ用フィルターの紫外線硬化型粘着剤層とは反対面の最表面に配置されることが好ましい。機能層の表面には必要に応じてカバーフィルムが積層されるが、カバーフィルムは最終的には剥離除去されるものであり、本発明のディスプレイ用フィルターを構成するものではない。
反射防止機能を有する層(反射防止層)は、ディスプレイの画像表示に影響を与える蛍光灯などの外光の反射や映り込みを防止するものである。反射防止層は、表面の視感反射率が5%以下であることが好ましく、4%以下がより好ましく、特に3%以下であることが好ましい。また、視感反射率に下限は特になく、0%であることが最も好ましいが、視感反射率は0.05%程度であれば十分である。ここで視感反射率は、分光光度計等を使用して可視領域波長(380〜780nm)の反射率を測定し、CIE1931システムに準じて計算された視感反射率(Y)である。
このような反射防止層としては、高屈折率層と低屈折率層とを低屈折率層が視認側になるように2層以上積層したものを用いることができる。高屈折率層の屈折率は1.5〜1.7の範囲が好ましく、特に1.55〜1.69の範囲が好ましい。低屈折率層の屈折率は1.25〜1.49の範囲が好ましく、特に1.3〜1.45の範囲が好ましい。
高屈折率層を形成する材料としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどを重合硬化させたもの、あるいはシリコーン系、メラミン系、エポキシ系の架橋性樹脂原料を架橋硬化させたもの等の有機系材料、更に上記有機系材料に屈折率が1.6〜3程度の金属酸化物微粒子、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化鉄、アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫等を含有するものが挙げられる。
高屈折率層の厚みは、0.01〜20μmの範囲が好ましく、0.05〜10μmの範囲がより好ましい。
反射防止層を構成する低屈折率層は、含フッ素ポリマー、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル、含フッ素シリコーン等の有機系材料、MgF2 、CaF2 、SiO2 等の無機系材料で構成することができる。低屈折率層の厚みは、0.01〜1μmの範囲が好ましく、0.02〜0.5μmの範囲がより好ましい。
防眩機能を有する層(防眩層)は、画像のギラツキを防止するものであり、表面に微小な凹凸を有する膜が好ましく用いられる。防眩層としては、例えば、熱硬化型樹脂または光硬化型樹脂に粒子を分散させて支持体上に塗布および硬化させたもの、あるいは、熱硬化型樹脂または光硬化型樹脂を表面に塗布し、所望の表面状態を有する型を押し付けて凹凸を形成した後に硬化させたものなどが用いられる。防眩層は、ヘイズ値(JISK 7136:2000年)が0.5〜20%であることが好ましい。防眩層の厚みは、0.01〜20μmが好ましい。
ハードコート機能を有する層(ハードコート層)は、傷防止のために設けられる層である。ハードコート層は硬度が高いことが好ましく、ハードコート層の表面硬度はJIS K5600−5−4(1999年)で定義される鉛筆硬度で表すことができ、ハードコート層が設けられた側の表面(ハードコート層上に他の機能層を有する場合は他の機能層表面)を直接鉛筆で引っかくことによって鉛筆硬度を評価することができる。本発明におけるハードコート層が設けられた側の表面の鉛筆硬度は、1H〜9Hが好ましく、2H〜9Hがより好ましい。
ハードコート層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂などを用いることができる。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂が好ましい。さらに、硬化性、可撓性および生産性の点で、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂、または熱硬化型のアクリル系樹脂からなるものが好ましい。
ハードコート層の厚みは、0.1〜20μmが好ましく、より好ましくは1〜10μmである。ハードコート層の厚みが0.1μm未満の場合には十分硬化していても薄すぎるために、表面硬度が十分でなく、傷が付きやすくなる傾向にある。一方、ハードコート層の厚みが20μmを超える場合には、折り曲げなどの応力により、硬化膜にクラックが入りやすくなる傾向にある。
ハードコート層には、前述した反射防止層を構成する高屈折率層としての機能を付与することができる。ハードコート層の高屈折率化は、高屈折率の金属酸化物微粒子を添加することにより図られる。
防汚機能を有する層(防汚層)は、ディスプレイ用フィルターの表面を人が触ることによる油脂性物質の付着や環境からのごみや埃の付着を防止し、あるいは付着しても除去しやすくするための層である。防汚層としては、例えば、フッ素系コート剤、シリコン系コート剤、シリコン・フッ素系コート剤等が用いられる。防汚層の厚みは、1〜10nmの範囲が好ましい。
機能層が単一層で構成される場合は、複数の機能を併せ持つことが好ましく、以下に例示する。
a)反射防止性ハードコート層
b)防眩性ハードコート層
c)防眩性反射防止層
また、機能層を複数層で構成することも好ましく、以下に複数構成の機能層を例示する。尚、下記例示の複数構成においては、右側に記載の層が視認側に配置される(左側に記載の層が表示パネル側に配置される)。
d)ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
e)高屈折率ハードコート層/低屈折率層
f)ハードコート層/防眩層
g)ハードコート層/防眩性反射防止層
h)ハードコート層/防汚層
i)ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層/防汚層
j)防眩性ハードコート層/防汚層
k)反射防止性ハードコート層/防汚層
本発明にかかるディスプレイ用フィルターには、更に導電層を設けることが好ましい。導電層は、ディスプレイから発生する電磁波を遮蔽するための層である。導電層の面抵抗値は、低い方が好ましく、10Ω/□以下が好ましく、5Ω/□以下がより好ましく、特に3Ω/□以下が好ましい。面抵抗値の下限値は0.01Ω/□程度である。導電層の面抵抗値は、4端子法により測定することができる。導電層としては、導電性薄膜あるいは導電性メッシュが用いられる。
導電性薄膜としては、金属薄膜や酸化物半導体膜、それらの積層体などを用いることができる。金属薄膜の材料としては、銀、金、パラジウム、銅、インジウム、スズ、あるいは銀とそれ以外の金属の合金などが用いられる。金属薄膜の形成方法としては、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、メッキ等の公知の方法を用いることができる。酸化物半導体膜の材料としては、亜鉛、チタン、インジウム、スズ、ジルコニウム、ビスマス、アンチモン、タンタル、セリウム、ネオジウム、ランタン、トリウム、マグネシウム、ガリウム等の酸化物、硫化物、またはこれら酸化物の混合物などが用いられる。酸化物半導体の形成方法としては、スパッタリング、イオンプレーティング、イオンビームアシスト、真空蒸着、湿式塗工等の公知の方法を用いることができる。
本発明に用いられる導電層としては、導電性メッシュが好ましい。導電性メッシュは、上記の金属薄膜に比べて、低い面抵抗値が得られるという利点がある。
導電性メッシュを得るための1つの方法として、銅箔等の金属膜をプラスチックフィルムに接着材を介して貼り合わせた金属膜積層フィルムを、フォトリソグラフ法、スクリーン印刷法等を利用してエッチングレジストパターン作製した後、金属膜をエッチングする方法がある。
フォトリソグラフ法は、金属膜積層フィルムの金属膜に紫外線等の照射により感光する感光層を設け、この感光層にフォトマスク等を用いて像様露光し、現像してレジスト像を形成する方法である。
スクリーン印刷法は、金属膜積層フィルムの金属膜表面にエッチングレジストインクをパターン印刷し、硬化させてレジスト像を形成する方法である。
エッチングする方法としては、ケミカルエッチング法等がある。ケミカルエッチングとは、エッチングレジストで保護された導体部分以外の不要導体をエッチング液で溶解し、除去する方法である。エッチング液としては、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液、アルカリエッチング液等がある。
導電性メッシュを得るための他の方法としては、1)金属薄膜(上記の金属箔を積層する以外の方法で形成された金属薄膜)をエッチング加工する方法、2)印刷で直接メッシュパターンを形成する方法、3)感光性銀塩を用いる方法、4)印刷パターン上に金属膜積層後に現像する方法、及び5)金属薄膜をレーザーアブレーションする方法なども挙げられる。以下にそれぞれの方法を詳細に説明する。
上記1)の方法は、プラスチックフィルム上に粘着材あるいは接着材からなる接着層を介さずに金属薄膜を形成し、この金属薄膜をフォトリソグラフ法あるいはスクリーン印刷法等を利用してエッチングレジストパターンを作製した後、金属薄膜をエッチングする方法である。金属薄膜の形成は、金属(例えば銀、金、パラジウム、銅、インジウム、スズ、あるいは銀とそれ以外の金属の合金など)をスパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、あるいはメッキ等の公知の方法を用いて行うことができる。
上記2)の方法としては、プラスチックフィルムに導電性ペースト等をメッシュパターンに印刷する方法や、プラスチックフィルムに触媒インク等でメッシュパターンを印刷し、これに金属メッキを施す方法がある。後者の1つの方法として、パラジウムコロイド含有ペーストからなる触媒インクを用いてメッシュパターンに印刷し、これを無電解銅メッキ液中に浸漬して無電解銅メッキを施し、続いて電解銅メッキを施し、さらにNi−Sn合金の電解メッキを施して導電性メッシュパターンを形成する方法がある。
上記3)の方法は、ハロゲン化銀などの銀塩乳剤層をプラスチックフィルムにコーティングし、フォトマスク露光あるいはレーザー露光の後、現像処理して銀のメッシュを形成する方法である。形成された銀メッシュは更に銅、ニッケル等の金属でメッキするのが好ましい。この方法は、国際公開第04/7810号パンフレット、特開2004−221564号公報、特開2006−12935号公報等に記載されており、参照することができる。
上記4)の方法は、プラスチックフィルム上に剥離可能な樹脂でメッシュパターンとは逆パターンの印刷を施し、その印刷パターン上に金属薄膜を上記1)と同様の方法で形成した後、現像して樹脂とその上の金属膜を剥離して金属のメッシュパターンを形成する方法である。剥離可能な樹脂として、水、有機溶剤あるいはアルカリに可溶な樹脂やレジストを用いることができる。この方法は、特開2001−185834号公報、特開2001−332889号公報、特開2003−243881号公報、特開2006−140346号公報、特開2006−156642号公報等に記載されており、参照することができる。
上記5)の方法は、上記1)と同様の方法でプラスチックフィルム上に形成された金属薄膜からレーザーアブレーション方式で金属メッシュを作製する方法である。レーザーアブレーションとは、レーザー光を吸収する固体表面へエネルギー密度の高いレーザー光を照射した場合、照射された部分の分子間の結合が切断され、蒸発することにより、照射された部分の固体表面が削られる現象である。この現象を利用することで固体表面を加工することが出来る。レーザー光は直進性、集光性が高い為、アブレーションに用いるレーザー光の波長の約3倍程度の微細な面積を選択的に加工することが可能であり、レーザーアブレーション法により高い加工精度を得ることが出来る。
かかるアブレーションに用いるレーザーは金属が吸収する波長のあらゆるレーザーを用いることが出来る。例えばガスレーザー、半導体レーザー、エキシマレーザー、または半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーを用いることが出来る。また、これら固体レーザーと非線形光学結晶を組み合わせることにより得られる第二高調波光源(SHG)、第三高調波光源(THG)、第四高調波光源(FHG)を用いることができる。
かかる固体レーザーの中でも、プラスチックフィルムを加工しないという観点から、波長が254nmから533nmの紫外線レーザーを用いることが好ましい。中でも好ましくはNd:YAG(ネオジウム:イットリウム・アルミニウム・ガーネット)などの固体レーザーのSHG(波長533nm)、さらに好ましくはNd:YAG などの固体レーザーのTHG(波長355nm)の紫外線レーザーを用いることが好ましい。
かかるレーザーの発振方式としてはあらゆる方式のレーザーを用いることが出来るが,加工精度の点からパルスレーザーを用い,さらに望ましくはパルス幅がns以下のQスイッチ方式のパルスレーザーを用いることが好ましい。
また、この方法の場合、金属薄膜の上(視認側)に更に0.01〜0.1μmの金属酸化物層を形成した後に、金属薄膜と金属酸化物層とをレーザーアブレーションするのが好ましい。金属酸化物としては銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、銀、ステンレス、クロム、チタン、すずなどの金属酸化物を用いることができるが、価格や膜の安定性などの点から銅酸化物が好ましい。金属酸化物の形成方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレート法、化学蒸着法、無電解および電解めっき法等を用いることができる。
本発明に用いることができる導電性メッシュのメッシュパターンとしては、格子状パターン、5角形以上の多角形からなるパターン、円形パターン、あるいはこれらの複合パターンが挙げられ、更にランダムパターンも好ましく用いられる。メッシュの線幅及び線間隔(ピッチ)は、開口率が70%以上98%以下となるように設計するのが好ましく、線幅としては3〜40μmが好ましく、線間隔(ピッチ)は50〜500μmの範囲が好ましい。導電層の厚みは、0.1〜20μmの範囲が適当である。
本発明において、導電性メッシュは黒化処理するのが好ましい。黒化処理は、酸化処理や黒色印刷により行うことができる。例えば、特開平10−41682号公報、特開2000−9484号公報、特開2005−317703号公報等に記載の方法を用いることができる。黒化処理は、導電性メッシュの少なくとも視認側の表面と両側面を行うのが好ましく、更には導電性メッシュの両面及び両側面を黒化処理するのが好ましい。
本発明のディスプレイ用フィルターには、更に近赤外線遮蔽層を設けることが好ましい。 近赤外線遮蔽層は、ディスプレイから発生される近赤外線を遮蔽する層である。近赤外線遮蔽層は、波長800〜1100nmの範囲における光線透過率の最大値が30%以下となるように調整するのが好ましく、更に15%以下となるように調整するのが好ましい。近赤外線遮蔽層は、近赤外線吸収剤を樹脂バインダー中に分散もしくは溶解した塗料を塗布乾燥して形成することができる。近赤外線吸収剤としては、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ジチオール系化合物、ジイモニウム系化合物等の公知の有機系吸収剤、または特開2006−154516号公報に記載のタングステン酸化物微粒子あるいは複合タングステン酸化物微粒子等の公知の無機系吸収剤を用いることができる。
本発明のディスプレイ用フィルターには、更に色調調整層を設けることが好ましい。色調調整層は、ディスプレイから発光される特定波長の光を吸収して色純度や白色度を向上させるための機能である。特に赤色発光の色純度を低下させるオレンジ光を遮蔽するのが好ましく、波長580〜620nmの範囲に吸収極大を有する色素を含有させるのが好ましい。更に、白色度を向上させるために波長480〜500nmに吸収極大を有する色素を含有させるのが好ましい。色調調整層として、上記した波長の光を吸収する色素を含有する層を新たに設けてもよいし、上記の近赤外線遮蔽層に上記色素を含有させてもよい。
本発明にかかるディスプレイ用フィルターの構成例のいくつかを以下に例示する。但し、本発明はこれらに限定されることはない。以下の構成例において、紫外線硬化型粘着剤層が表示パネル側となる。
a)紫外線硬化型粘着剤層/近赤外線遮蔽層/基材/導電層/機能層。
b)紫外線硬化型粘着剤層/基材/導電層/粘着剤層/近赤外線遮蔽層/基材/機能層。
c)紫外線硬化型粘着剤層/基材/粘着剤層/基材/導電層/粘着剤層/近赤外線遮蔽層/基材/機能層。
本発明の紫外線硬化型粘着剤層の製造方法で製造された紫外線硬化型粘着剤層を、ディスプレイ用フィルターに適用する場合、ディスプレイ用フィルターを構成する基材に、紫外線硬化型粘着剤層を直接に形成しても良いし、あるいは、一旦別の基材(例えば、離型フィルム)に紫外線硬化型粘着剤層を形成し、ディスプレイ用フィルター側に転写積層しても良く、ディスプレイ用フィルターの構成によって適宜選択することができる。
上記の構成例a)及びb)の場合は、一旦別の基材に紫外線硬化型粘着剤層を形成した後、ディスプレイ用フィルター側に転写積層することが好ましく、一方構成例c)の場合は、ディスプレイ用フィルターを構成する基材に直接に紫外線硬化型粘着剤層を形成することが好ましい。いずれの方法であっても、本発明の紫外線硬化型粘着剤層を製造する方法、即ち、前述した、塗布工程(A)、加熱工程(B)及び紫外線照射工程(C)がこの順に実施されることは言うまでもない。
次に、別の基材に紫外線硬化型粘着剤層を形成した後、ディスプレイ用フィルター側に転写積層するために用いられる貼合方法の好ましい態様を説明する。
上記貼合方法としては公知の貼合方法を用いることができるが、特にニップロールを用いた加圧による貼合方法が好ましい。加圧による貼合を行うと貼合時にディスプレイ用フィルターと紫外線硬化型粘着剤層の間に気体を包み込むことなく貼合できるため、透光性を向上させることができる。本発明における貼合方法としては、紫外線硬化型粘着剤層が形成された別の基材とディスプレイ用フィルターとの貼合位置を調整し、二つのニップロール間にディスプレイ用フィルターと紫外線硬化型粘着剤層が形成された別の基材を通したのち、ニップロールで加圧しながら貼合する方法を用いることができる。
上記の貼合使用されるニップロールの材質としては、ゴムロール、ステンレススチール製研磨ロールおよびスポンジゴムロールが挙げられる。ゴムロールとしては、NBR等からなり、その硬度がJISK 6301の試験方法で測定したJISショアCスケールで約60〜90度、好ましくは約70〜80度、表面粗さがJISB 0601(表面粗さ)の粗さ曲線の局部山頂の平均間隔Sで表して約0.1〜5S、好ましくは約0.5〜1であることが好ましい。ステンレススチール製研磨ロールとしては、SUS304、SUS316等からなり、膜厚の均一化を図る上から、その表面粗さが、JISB 0601(表面粗さ)の粗さ曲線の局部山頂の平均間隔Sで表して約0.2〜1.0Sであるものが好ましく、またその動摩擦係数が約0.1〜0.4、好ましくは約0.15〜0.35であるものが好ましい。本発明における動摩擦係数は、JISK 7125の試験方法に準拠して、ポリビニルアルコール系フィルムと水中で測定した値で表す。スポンジゴムロールとしては、スポンジの硬度がJISK 6301の試験方法で測定したJISショアCスケールで約20〜60度、好ましくは約25〜50度、密度が約0.4〜0.6g/cm、好ましくは約0.42〜0.57g/cmおよび表面粗さがJIS B 0601(表面粗さ)の粗さ曲線の局部山頂の平均間隔Sで表して約10〜30S、好ましくは約15〜25Sであることが好ましい。
以下に、実施例を具体的に挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<紫外線硬化型粘着剤組成物の作製>
まず、下記の要領で、分子末端にエチレン性不飽和基を有するウレタンプレポリマー(A)と分子末端に水酸基を有するウレタンプレポリマー(B)とを含むウレタンプレポリマー(C)を得た。
<ウレタンプレポリマー(C)の合成>
特開2007−254705号公報の合成例8に準じて、重量平均分子量が38000のウレタンプレポリマー(C)を合成した。このウレタンプレポリマー(C)のアクリレート末端比率は70%であった。
尚、ウレタンプレポリマー(C)の重量平均分子量及びアクリレート末端比率は下記の要領で測定した。
<重量平均分子量>
GPCにより重量平均分子量を測定した。測定にはWALTERS GPC−150C Plus(日本WALTERS社製)を用い下記条件にて測定した。
検出器:WALTERS 2410
溶媒:テトラヒドロフラン
カラム:HR4 2本、HR4E 1本(7.5mm×300mm)
温度:40℃
濃度:0.2%
注入量:100μl
流速:1.0m/m
n数:3
<アクリレート末端比率>
ウレタンプレポリマー(C)のアクリレート末端比率は、JISK−1557に準拠し、樹脂をクロロホルム中に溶解させ、無水酢酸を添加しKOHで滴定することにより水酸基価を算出し、水酸基価と重量平均分子量からアクリレート末端比率を算出した。
<紫外線硬化型粘着剤組成物の調製>
前記ウレタンプレポリマー(C)を88質量部、反応性希釈剤(重合性モノマー)として4−ヒドロキシブチルアクリレートを10質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを2質量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを1質量部、リン系酸化防止剤としてトリフェニルホスファイトを0.5質量部、立体障害ピペリジル基とエチレン性不飽和基とを有する単量体として4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン〕を0.5質量部、および重合開始剤としてヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー184、以下IC184と表記)を0.5質量部加えて均一に混合することにより紫外線硬化型粘着剤組成物を調製した。
<紫外線硬化型粘着剤層の作製>
上記の紫外線硬化型粘着剤組成物を、幅700mm、厚み75μmの離型PETフィルム(東レフィルム加工(株)製 セラピール(登録商標)MD)の離型層上に、紫外線硬化型粘着剤組成物の硬化後の厚み(紫外線硬化型粘着剤層の厚み)が500μmとなるように、スリットダイコーターで塗布した。塗布幅は660mmである。次いで、紫外線硬化型粘着剤組成物が塗布されたPETフィルムを赤外線加熱チャンバー内に搬送し、60秒間加熱した。続いて、メタルハライドランプを用いて積算光量1600mJ/cmを照射して紫外線硬化型粘着剤層を形成した。次いで、紫外線硬化型粘着剤層の上に厚みが75μmの離型PETフィルム(東レフィルム加工(株)製 セラピール(登録商標)MD)を、離型PETフィルムの離型層側が紫外線硬化型粘着剤層と接するように積層した。
塗布時の紫外線硬化型粘着剤組成物の液温度は23℃に設定、塗布直後の紫外線硬化型粘着剤組成物の表面温度は23.1℃、加熱時の紫外線硬化型粘着剤組成物の表面温度は30.3℃であった。
尚、塗布直後の紫外線硬化型粘着剤組成物の表面温度とは、基材上に塗布された直後から基材が加熱工程(赤外線加熱チャンバー)に入るまでの該粘着剤組成物の表面温度であり、本実施例では、塗布直後から基材の搬送距離にして10cm程度の位置で測定した紫外線硬化型粘着剤組成物の表面温度である。この表面温度の測定は、赤外線表面温度計を用いて、幅方向の3箇所についてほぼ等間隔で測定し、得られたデータを平均した。
加熱時の紫外線硬化型粘着剤組成物の表面温度は、加熱工程(赤外線加熱チャンバー)から紫外線硬化型粘着剤組成物が塗布された基材が搬出された直後に測定した表面温度である。この表面温度の測定は、赤外線表面温度計を用いて、幅方向の3箇所についてほぼ等間隔で測定し、得られたデータを平均した。
<紫外線硬化型粘着剤層の厚みの測定>
上記で作製した紫外線硬化型粘着剤層の厚みを、2枚の離型PETフィルムにサンドウィッチされた状態で、厚み計((株)ミツトヨ製 MODEL ID−C112CB)を用いて、幅方向に5cm間隔で測定した。得られた測定値から2枚の離型PETフィルムの厚みを差し引いた値を紫外線硬化型粘着剤層の厚みとした。表1に、平均値(Av)、最大値(Max)、最小値(Min)、ばらつき率を示した。
尚、上記ばらつき率とは、((Max−Min)/Av)×100)で算出した値である。
<ディスプレイ用フィルターの作製>
<機能層の形成>
厚み100μmのPETフィルム(東レ(株)製のルミラー;登録商標)の片面に、下記のハードコート層、高屈折率層、低屈折率層を順次塗工形成した。それぞれの乾燥厚みは、ハードコート層が5μm、高屈折率層が0.1μm、低屈折率層が0.1μmである。
<ハードコート層>
市販のハードコート剤(JSR(株)製 オプスター(登録商標)Z7534;固形分濃度60質量%)を、固形分濃度が45質量%になるようにメチルエチルケトンで希釈してハードコート層用塗工液とした。この塗工液をマイクログラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、ハードコート層を形成した。
<高屈折率層>
市販の高屈折率・帯電防止塗料(JSR(株)製 オプスター (登録商標) TU4005)をイソプロピルアルコールで固形分濃度8%に希釈して高屈折率層用塗工液とした。この塗工液を、マイクログラビアコーターで塗布し、100℃で乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、ハードコート層上に屈折率が1.65の高屈折率層を形成した。
<低屈折率層>
市販の低屈折率層用塗料(JSR(株)製 オプスター(登録商標) TU2180)をメチルイソブチルケトンで固形分濃度が3質量%になるように希釈して低屈折率層用塗工液とした。この塗工液をマイクログラビアコーターで塗布し、100℃で乾燥後、紫外線1.0J/cmを照射して硬化させ、高屈折率層上に屈折率が1.37の低屈折率層を形成した。
<近赤外線遮蔽層の形成>
上記の機能層が形成されたPETフィルムの機能層とは反対側のPETフィルム面に、オレンジ光遮蔽機能を併せ持つ近赤外線遮蔽層(近赤外線吸収色素としてのフタロシアニン系色素とジイモニウム系色素、およびオレンジ光吸収色素としてのテトラアザポルフィリン系色素をアクリル系樹脂に混合した塗料を、乾燥膜厚みが12μmになるように塗工した層)を設けた。
<導電層の形成>
厚み100μmのPETフィルム(東レ(株)製のルミラー;登録商標)の片面に、常温にて3×10−3Paの真空下で、真空蒸着法によりニッケル層(厚み0.02μm)を形成した。さらにその上に、同じく常温にて3×10−3Paの真空下で、真空蒸着法により銅層(厚み2.5μm)を形成した。その後、この銅層側の表面にフォトレジスト層を塗工形成し、格子状メッシュパターンのマスクを介してフォトレジスト層を露光、現像し、次いでエッチング処理を施して、線幅13μmでピッチ300μmの格子状の導電性メッシュを作製した。さらに、導電性メッシュに黒化処理(酸化処理)を施した。
<貼合>
先ず、機能層と近赤外線遮蔽層が形成されたPETフィルムの近赤外線遮蔽層の面と、導電層が形成されたPETフィルムの導電層の面を、市販のアクリル系粘着剤(厚み25μm)で貼合した。次いで、上記で貼合された積層体の導電層が形成されたPETフィルムの裏面(導電層とは反対面)に、上記で作製した紫外線硬化型粘着剤層の一方の離型PETフィルムを剥離して貼合した。
貼合は、離型PETフィルム上に形成された紫外線硬化型粘着剤層とディスプレイ用フィルター用積層体を2本のニップロール(NBR製ゴムロールとステンレススチール製研磨ロール)に位置合わせしながら導き、線圧2〜8N/cmの範囲でラミネートした。
ラミネート後は、トムソン刃型打ち抜き加工装置により、50インチサイズ(647mm×1134mm)に打ち抜き、紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルターを得た。
<視認性評価>
上記のようにして作製した紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルターを、紫外線硬化型粘着剤層の上に積層されている離型PETフィルムを剥離して、プラズマディスプレイの表示パネルに、紫外線硬化型粘着剤層を介して貼り付けた。
次いで、あらゆる角度から表示パネルを観察し、ディスプレイ用フィルターの厚みのばらつきによる視認性への影響を目視で観察し、以下の基準で評価した。評価結果を表1に示した。
○;良好である。
×;見る角度によっては凸凹が視認される。
<耐衝撃性の評価>
上記のようにして作製した紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルターを、紫外線硬化型粘着剤層の上に積層されている離型PETフィルムを剥離して、厚み1.3mmのソーダガラス上に貼合した。その鉛直上方から高さを変えながら、直径38mm、重さ約229gの鋼球を自由落下させ、ガラス破損時の高さで以下の基準で評価した。
◎:高さ45cmで破損無し。
○:高さ30cmで破損無く、45cmで破損した。
×:高さ30cmで破損した。
(実施例2)
実施例1と同様にして、紫外線硬化型粘着剤層及び紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルターを作製した。但し、紫外線硬化型粘着剤層の形成において、紫外線硬化型粘着剤組成物の塗布後の加熱温度を変更した。加熱時の紫外線硬化型粘着剤組成物の表面温度を表1に示した。実施例1と同様にして、紫外線硬化型粘着剤層の厚みを測定し、実施例1と同様にして視認性評価及び耐衝撃性の評価を行った。これらの結果を表1にまとめて示した。
(比較例1)
紫外線硬化型粘着剤組成物の塗布後の加熱を行わない以外は、実施例1と同様にして紫外線硬化型粘着剤層及び紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルターを作製した。実施例1と同様にして、紫外線硬化型粘着剤層の厚みを測定し、実施例1と同様にして視認性評価及び耐衝撃性の評価を行った。これらの結果を表1にまとめて示した。
(実施例3)
紫外線硬化型粘着剤層の厚みを300μmに変更する以外は、実施例2と同様にして、紫外線硬化型粘着剤層及び紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルターを作製した。加熱時の紫外線硬化型粘着剤組成物の表面温度を表1に示した。実施例1と同様にして、紫外線硬化型粘着剤層の厚みを測定し、実施例1と同様にして視認性評価及び耐衝撃性の評価を行った。これらの結果を表1にまとめて示した。
(比較例2)
紫外線硬化型粘着剤層の厚みを70μmに変更する以外は、比較例1と同様にして、紫外線硬化型粘着剤層及び紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルターを作製した。実施例1と同様にして、紫外線硬化型粘着剤層の厚みを測定し、実施例1と同様にして視認性評価及び耐衝撃性の評価を行った。これらの結果を表1にまとめて示した。
Figure 2010085578
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例は、紫外線硬化型粘着剤層の厚みのばらつきが小さく、この紫外線硬化型粘着剤層を備えた本発明のディスプレイ用フィルターは、良好な視認性と優れた耐衝撃性を有する。
一方、比較例1は、紫外線硬化型粘着剤組成物の塗布後に加熱していないので、得られた紫外線硬化型粘着剤層の厚みのばらつきが大きく、この紫外線硬化型粘着剤層を備えた比較例のディスプレイ用フィルターは、視認性が悪化していた。
比較例2は、紫外線硬化型粘着剤層の厚みが70μmであるが、このように厚みが100μm未満の場合は、本来厚みのばらつきはあまり起こらない。そして、厚みが100μm未満の場合は、良好な耐衝撃性が得られない。

Claims (5)

  1. 厚みが100μm以上の紫外線硬化型粘着剤層の製造方法であって、少なくとも、基材に実質的に有機溶剤を含有しない紫外線硬化型粘着剤組成物を塗布する工程(A)、塗布された粘着剤組成物を加熱する工程(B)、塗布された粘着剤組成物に紫外線を照射する工程(C)をこの順に有する、紫外線硬化型粘着剤層の製造方法。
  2. 前記加熱工程(B)における加熱温度が30℃以上である、請求項1に記載の紫外線硬化型粘着剤層の製造方法。
  3. 前記紫外線硬化型粘着剤組成物が、ウレタン系紫外線硬化型粘着剤組成物である、請求項1または2に記載の紫外線硬化型粘着剤層の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の製造方法で得られた紫外線硬化型粘着剤層を備えたディスプレイ用フィルター。
  5. 前記紫外線硬化型粘着剤層が、ディスプレイ用フィルターの一方の面の最表面に配置された、請求項4に記載のディスプレイ用フィルター。
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