JP2013130621A - 画像表示装置及びその製造方法、並びに硬化性組成物及び透明樹脂 - Google Patents

画像表示装置及びその製造方法、並びに硬化性組成物及び透明樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】画像表示部と透明部材とが透明樹脂層を介して接着された画像表示装置において、前記画像表示部と前記透明部材との剥離・貼付が繰り返し可能であり、剥離後の粘着性が劣化せずに十分な保持力を有する透明樹脂を得るための硬化性組成物及び該透明樹脂、並びに画像表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る画像表示装置は、画像表示部と透明部材とが透明樹脂層を介して接着された画像表示装置であって、前記透明樹脂層が、(A)ビニル基又は(メタ)アクリロイル基及び脂環式骨格を有するモノマーと、(B)ビニル基及び(メタ)アクリロイル基を有さず、常温で液体でありかつ重量平均分子量が500以上であるポリマーと、(C)ラジカル発生剤と、を含有し、前記(B)ポリマー100質量部に対して前記(A)モノマーを5質量部以上50質量部以下含有する硬化性組成物を硬化させて形成されたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置及びその製造方法、並びに硬化性組成物及び透明樹脂に関する。
近年、LCDや3Dディスプレイ、タッチパネル等の画像表示装置において、液晶パネル等の画像表示部の保護及びデザイン性向上等の観点から画像表示部に前面板(透明部材)を設けるケースが増大している。従来の画像表示装置の場合では、外部からの衝撃に対して画像表示部を保護するために、前面板と画像表示部との間に約1mm程度の隙間(以下、「エアギャップ層」ともいう)が設けられている。
しかしながら、このような画像表示装置は、画像表示部のガラス基板、エアギャップ層、前面板(ガラス板又はアクリル板)の順に屈折率が異なる材料が積み重ねられているため、光の一部が反射されて光の散乱が起こりやすかった。その結果、光の取り出し効率やコントラスト比の低下という問題が生じていた。また、エアギャップ層では、外部からの衝撃に対する強度が不十分であり、これにより画像表示部が損傷するという問題が生じていた。
このような問題を解決するために、前面板と画像表示部との隙間(エアギャップ層)に透明樹脂を充填することが提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特開2008−282000号公報 特開2009−186957号公報
上述の隙間に透明樹脂を充填して前面板と画像表示部とを貼り合わせる際に、位置ずれや気泡混入等の不良が発生する場合があった。かかる場合、一度前面板を剥離して再度貼り直す必要があった。しかしながら、従来の透明樹脂では、完全硬化すると接着力が強すぎ、剥離の際に画像表示部がダメージを受けて再利用出来なくなるため、半硬化状態で剥離する必要があった。そのため、前面板と画像表示部とを貼り合わせた後に半硬化状態にしておいて前面板を剥離していたが、前面板を剥離すると凝集破壊となって、いわゆる「糊残り」が生じることがあった。本硬化後に前面板と画像表示部の剥離・貼付を繰り返し行うことができれば、画像表示装置の歩留まりが良好となり、生産性を向上させることができる。また、使用中の落下等の衝撃により前面板が破損した場合にも前面板のみを剥離除去して取り替えることができるため、コストや資源保護の観点からも有用である。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、前記課題を解決することで、画像表示部と透明部材とが透明樹脂層を介して接着された画像表示装置において、前記画像表示部と前記透明部材との剥離・貼付が繰り返し可能な画像表示装置、並びにこのような画像表示装置に好適な剥離後の粘着性が劣化せずに十分な保持力を有する透明樹脂を得るための硬化性組成物及び該透明樹脂を提供するものである。なお、本明細書において、画像表示部と透明部材との剥離・貼付が繰り返し可能な性質のことを「リワーク性」と呼ぶこともある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る画像表示装置の一態様は、画像表示部と透明部材とが透明樹脂層を介して接着されており、下記の条件(i)〜(iv)を充たすことを特徴とする。
(i)前記透明樹脂層の弾性率が50MPa以下であること;
(ii)画像表示装置の接着面25mm×25mmあたり1kgのせん断方向の荷重を加えた場合において、前記画像表示部と前記透明部材との1時間後のずれが3mm以下であること;
(iii)前記透明部材と前記画像表示部とを剥離した場合において、剥離モードが前記画像表示部又は前記透明部材と前記透明樹脂層との界面における界面剥離であること;
(iv)前記条件(iii)で剥離した前記画像表示部と前記透明部材とを前記透明樹脂層を介して再接着した場合において前記条件(i)〜(iii)を充たすこと。
[適用例2]
本発明に係る画像表示装置の一態様は、画像表示部、透明樹脂層及び透明部材をこの順番で備え、下記の条件(i)〜(iv)を充たすことを特徴とする。
(i)前記透明樹脂層の弾性率が50MPa以下であること;
(ii)前記画像表示部の被接着面を構成する第一の材と前記透明部材の被接着面を構成する第二の材とを前記透明樹脂層を構成する透明樹脂を介して接着して行われるJIS Z0237に規定される保持力試験において、画像表示装置の接着面25mm×25mmあたり1kgのせん断方向の荷重に対する両材間の1時間後のずれが3mm以下であること;
(iii)前記第一の材と前記第二の材とを前記透明樹脂層を介して接着した後剥離した際の剥離モードが、前記第一の材又は前記第二の材と前記透明樹脂層との界面における界面剥離であること;
(iv)前記条件(iii)で剥離した前記第一の材と前記第二の材とを前記透明樹脂層を介して再接着した場合において前記条件(i)〜(iii)を充たすこと。
[適用例3]
適用例2の画像表示装置において、
前記第一の材及び前記第二の材の少なくとも一方が可撓性を有する材である場合において、JIS Z0237 10.5.1に準拠して前記可撓性を有する材を前記透明樹脂層から90°方向に剥離した際の最大剥離応力が5N/25mm以下であることができる。
[適用例4]
本発明に係る画像表示装置の製造方法の一態様は、
画像表示部と透明部材とが透明樹脂層を介して接着されてなる画像表示装置の製造方法であって、
(A)ビニル基又は(メタ)アクリロイル基及び脂環式骨格を有するモノマー、(B)ビニル基及び(メタ)アクリロイル基を有さず、常温で液体でありかつ重量平均分子量が500以上であるポリマー、並びに(C1)感放射線性ラジカル発生剤を含有し、前記(B)ポリマー100質量部に対して前記(A)モノマーを5質量部以上50質量部以下含有する硬化性組成物を前記透明部材もしくは前記画像表示部又はその両方に塗布する工程と、
前記透明部材と前記画像表示部とを貼り合わせる工程と、
放射線を照射して前記硬化性組成物を硬化させる工程と、
を含む。
[適用例5]
本発明に係る硬化性組成物の一態様は、
(A)ビニル基又は(メタ)アクリロイル基及び脂環式骨格を有するモノマーと、
(B)ビニル基及び(メタ)アクリロイル基を有さず、常温で液体であり且つ重量平均分子量が500以上であるポリマーと、
(C)ラジカル発生剤と、
を含有し、前記(B)ポリマー100質量部に対して前記(A)モノマーを5質量部以上50質量部以下含有する。
[適用例6]
適用例5の硬化性組成物において、
前記(A)モノマーの脂環式骨格が有橋脂環式骨格であることができる。
[適用例7]
適用例5又は適用例6の硬化性組成物において、
前記(A)モノマーの分子量を前記(A)モノマー中に存在するビニル基及び(メタ)アクリロイル基の個数で除した値が500未満であることができる。
[適用例8]
適用例5ないし適用例7のいずれか一例の硬化性組成物において、
前記(B)ポリマーが、ポリブタジエン及びポリイソプレンよりなる群から選択される少なくとも1種であることができる。
[適用例9]
適用例5ないし適用例8のいずれか一例の硬化性組成物において、
前記(A)モノマーが、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種であることができる。
[適用例10]
適用例5ないし適用例9のいずれか一例の硬化性組成物において、
さらに、(D)ビニル基又は(メタ)アクリロイル基を有するポリマーを、前記(B)ポリマー100質量部に対して0質量部を超えて25質量部以下含有することができる。
[適用例11]
本発明に係る透明樹脂の一態様は、
適用例5ないし適用例10のいずれか一例の硬化性組成物を硬化させてなる。
[適用例12]
本発明に係る画像表示装置の一態様は、
適用例11に記載の透明樹脂を備える。
本発明に係る硬化性組成物によれば、画像表示部と透明部材とが透明樹脂層を介して接着された画像表示装置において、前記画像表示部と前記透明部材との剥離・貼付が繰り返し可能であり、剥離後の粘着性が劣化せずに十分な保持力を有する透明樹脂を得ることができる。また、画像表示部と透明部材との剥離・貼付を繰り返し行うことができるため、画像表示装置の歩留まりが良好となり、生産性を向上させることができる。また、使用中の落下等の衝撃により透明部材が破損した場合にも透明部材のみを剥離除去して取り替えることができるため、コストや資源保護の観点からも有用である。
第1の実施形態に係る画像表示装置を模式的に示した断面図である。 第2の実施形態に係る画像表示装置を模式的に示した断面図である。 本実施の形態に係る画像表示装置を適用した静電容量式タッチパネルの構造を模式的に示した断面図である。
以下、本発明に係る好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変型例も含む。
1.画像表示装置
以下、本実施の形態に係る画像表示装置について、図面を参照しながら説明する。
1.1.第1の実施形態
図1は、第1の実施形態に係る画像表示装置を模式的に示した断面図である。図1に示すように、画像表示装置100では、図示しない駆動回路に接続され入力信号に対応する画像を表示する画像表示部10と、画像表示部10上に形成された透明樹脂層20と、透明樹脂層20上に形成された透明部材30と、が順次積層されている。すなわち、画像表示装置100は、画像表示部10と透明部材30とが透明樹脂層20を介して接着されてなるものである。
画像表示部10としては、特に限定されるものではなく、例えば液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)等が挙げられる。これらは3Dディスプレイ、タッチパネル等であってもよい。画像表示部10における透明樹脂層20との接着面は、必ずしも平滑である必要ではなく、例えば偏光板のように透明樹脂層20を形成するための液状組成物で充填できる程度の凹凸を有する面であってもよい。例えばOCAと呼ばれる透明両面テープを用いて画像表示部10と透明部材30とを接着させる場合にはOCAの凹凸追従性に限界があるため、接着性を良好なものとし、かつ前述のエアギャップ層をなくして視認性を向上させるため、画像表示部10の接着面はできる限り平滑とする必要がある。一方、後述する硬化性組成物は液状であるため、画像表示部10の接着面に凹凸があっても凹凸への追従が良好であり、凹凸面への貼り合わせに好適なものとなる。
透明樹脂層20は、後に詳述する透明樹脂からなる層であり、画像表示部10及び透明部材30の各々と密着するように形成されている。
透明部材30は、画像表示部10の保護及びデザイン性向上等の観点から設けられている場合もあれば、タッチパネル等の機能を有する場合もある。透明部材30は、画像表示部10と同程度の大きさの板もしくはフィルムからなるもので、例えば光学ガラスやプラスチック板(アクリル樹脂等)、プラスチックフィルム(PETフィルム等)を好適に用いることができる。板やフィルムが透明樹脂層20と接触する表面には、透明部材30に機能を付与するための表面処理、例えばITO蒸着による導電処理等をしてあっても良い。
第1の実施形態に係る画像表示装置100は、画像表示部10と透明部材30とが後に詳述する硬化性組成物を硬化させて形成される透明樹脂層20を介して接着されているため、下記の条件(i)〜(iv)を充たすことができる。
(i)透明樹脂層20の弾性率が50MPa以下であること。
(ii)画像表示装置100の接着面25mm×25mmあたり1kgのせん断方向の荷重を加えた場合において、画像表示部10と透明部材30との1時間後のずれが3mm以下、好ましくは24時間後のずれが1mm以下であること。
(iii)透明部材30と画像表示部10とを剥離した場合において、剥離モードが画像表示部10又は透明部材30と透明樹脂層20との界面における界面剥離であること。
(iv)前記条件(iii)で剥離した画像表示部10と透明部材30とを透明樹脂層20を介して再接着した場合において前記条件(i)〜(iii)を充たすこと。
1.2.第2の実施形態
図2は、第2の実施形態に係る画像表示装置を模式的に示した断面図である。第2の実施形態に係る画像表示装置200は、画像表示部110の透明樹脂層120との接着面に第一の材112が設けられ、透明部材130の透明樹脂層120との接着面に第二の材132が設けられている点で、第1の実施形態に係る画像表示装置100とは相違する。
画像表示部110の一部を構成する第一の材112及び透明部材130の一部を構成する第二の材132は、透明樹脂層120との接着性や剥離性を向上させることができれば特に限定されないが、可撓性を有する材であることが好ましい。第一の材112や第二の材132が可撓性を有することにより、画像表示部110又は透明部材130と透明樹脂層120とを剥離する際に、画像表示部110又は透明部材130にかかる負荷を低減させることができ、画像表示部110又は透明部材130の剥離による損傷を防ぐことができる。
前記第一の材及び前記第二の材の少なくとも一方が可撓性を有する材である場合において、JIS Z0237 10.5.1に準拠して可撓性を有する材を透明樹脂層120から90°方向に剥離した際の最大剥離応力は、5N/25mm以下であることが好ましく、0.1〜1N/25mmであることがより好ましい。この最大剥離応力が前記範囲にあると、画像表示部110又は透明部材130にかかる負荷を低減させることができ、画像表示部110又は透明部材130の剥離による損傷を防ぐことができる。
第一の材112及び第二の材132の具体例としては、ITO、金属薄膜、導電性ポリマー等の導電性材料、ガラス、シリコン等の非導電性無機材料、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)が挙げられる。ポリシクロオレフィンは特に限定されるものではないが、市販品として入手可能なものとしては、アートン(登録商標、JSR株式会社製)やゼオノア(登録商標、日本ゼオン株式会社製)等が挙げられる。
第2の実施形態に係る画像表示装置200は、画像表示部110と透明部材130とが後述の硬化性組成物を硬化させて形成される透明樹脂層120を介して接着されているため、下記の条件(i)〜(iv)を充たすことができる。
(i)透明樹脂層120の弾性率が50MPa以下であること。
(ii)画像表示部110の被接着面を構成する第一の材112と透明部材130の被接着面を構成する第二の材132とを透明樹脂層120を介して接着して行われるJIS Z0237に規定される保持力試験において、画像表示装置200の接着面25mm×25mmあたり1kgのせん断方向の荷重に対する両材間の1時間後のずれが3mm以下、好ましくは24時間後のずれが1mm以下であること。
(iii)第一の材112と第二の材132とを透明樹脂層120を介して接着した後剥離した際の剥離モードが、第一の材112又は第二の材132と透明樹脂層120との界面における界面剥離であること。
(iv)前記条件(iii)で剥離した第一の材112と第二の材132とを透明樹脂層120を介して再接着した場合において前記条件(i)〜(iii)を充たすこと。
1.3.画像表示装置の適用例
本実施の形態に係る画像表示装置は、3Dディスプレイ、タッチパネル等に好ましく適用することができるが、これらに限定されない。図3は、本実施の形態に係る画像表示装置を適用した静電容量式タッチパネルの構造を模式的に示した断面図である。図3に示すように、静電容量式タッチパネル1000は、画像表示部210、透明樹脂層220、透明部材230がこの順に積層された画像表示装置300と、画像表示装置300の透明部材230上に配置された透明シート240と、透明シート240上に配置された透明保護レンズ250と、を備えている。この透明部材230としては、例えば上下ITO透明導電膜付きガラス基板が挙げられる。透明シート240は、透明性及び接着性に優れているシートであれば特に限定されないが、透明樹脂層220と同様の材料であることが好ましい。また、透明保護レンズ250は、透明性及び耐擦傷性に優れる部材であれば特に限定されない。
1.4.画像表示装置の製造方法
以下に、前述の画像表示装置100の製造方法の一例について説明する。
まず、後に詳述する硬化性組成物を画面表示部10及び透明部材30の少なくとも一方に塗布する。硬化性組成物を塗布する方法は特に制限されず、例えばディスペンス塗工、バーコート塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、グラビアリバース塗工、リバースロール塗工、リップ塗工、ダイ塗工、ディップ塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の公知の方法を用いることができる。
また、硬化性組成物の塗布方法としては、粘度の異なる2種類の硬化性組成物を準備して、まず高粘度の硬化性組成物を用いて画像表示部10又は透明部材30の表面の周囲に堰部を設け、その内部に低粘度の硬化性組成物を流し込む方法により塗膜を形成してもよい。
次いで、画像表示部10と透明部材30とを硬化性組成物の塗布面を介して貼り合わせる。その後、透明部材30側から放射線を照射して硬化性組成物を硬化させる。この際、380nm以上500nm以下の波長領域を含む放射線を照射して硬化性組成物を硬化させることが好ましい。画像表示部10に組み込まれている液晶配向膜やカラーフィルター等を紫外線から保護するために、380nm未満の波長の光をカットした放射線を照射することが好ましいからである。なお、この方法で画像表示装置100を製造する場合、硬化性組成物の硬化反応を進行させるためには、放射線の照射により活性種が発生する(C1)感放射線性ラジカル発生剤を添加する必要がある。
放射線照射装置としては、例えば380nm未満の波長の放射線をカットした放射線を照射できる市販の装置を用いることができる。また、放射線の照射量は、好ましくは10〜10000mJ/cmであり、より好ましくは100〜5000mJ/cmである。
前記方法のほか、画像表示部10と透明部材30とを対向して設置し、画像表示部10と透明部材30の隙間に前述した硬化性組成物を注入し、次いで放射線を照射して透明樹脂層を製造してもよい。
2.硬化性組成物
本実施の形態に係る硬化性組成物は、(A)ビニル基又は(メタ)アクリロイル基、及び脂環式骨格を有するモノマー(以下、「(A)モノマー」ともいう)と、(B)ビニル基及び(メタ)アクリロイル基を有さず、常温で液体でありかつ重量平均分子量が500以上であるポリマー(以下、「(B)ポリマー」ともいう)と、(C)ラジカル発生剤と、を含有し、前記(B)ポリマー100質量部に対して前記(A)モノマーを5質量部以上50質量部以下含有する。
以下、本実施の形態に係る硬化性組成物の各成分について詳細に説明する。なお、本発明において「(メタ)アクリロイル基」というときはアクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を意味し、「(メタ)アクリレート」というときはアクリレート及びメタクリレートの両方を意味するものとする。
2.1.(A)モノマー
本実施の形態に係る硬化性組成物は、(A)ビニル基又は(メタ)アクリロイル基、及び脂環式骨格を有するモノマーを含有する。(A)モノマーの機能の一つとしては、本実施の形態に係る硬化性組成物を熱又は放射線により硬化させたときに(A)モノマー同士又は(A)モノマーと後述の(D)ポリマーとが三次元網目構造を形成することにより、透明樹脂の骨格を形成することが挙げられる。また、(A)モノマーが脂環式骨格を有することにより硬化性組成物を本硬化させた場合においても、画像表示部又は透明部材と透明樹脂との剥離モードが界面剥離となるため、剥離時の糊残りや画像表示部へのダメージを防ぐことができる。
(A)モノマーの具体例としては、脂環式(メタ)アクリレート化合物、脂環式ビニル化合物が挙げられるが、有橋脂環式(メタ)アクリレート化合物、有橋脂環式ビニル化合物であることが好ましい。脂環式構造内に橋かけ構造が存在すると、三次元網目構造の剛直性がより良好となるため、画像表示部又は透明部材と透明樹脂との剥離モードが界面剥離となりやすく、リワーク作業性が向上する場合がある。また、(A)モノマー1分子当たりのビニル基又は(メタ)アクリロイル基の数は2個以下であることが好ましい。(A)モノマー1分子当たりのビニル基又は(メタ)アクリロイル基の数が2個を超えると、より緻密な網目構造が形成されて剛直性に優れた透明樹脂が得られるものの、(B)ポリマーが網目構造内に入り込みにくくなり十分に膨張させることができず、透明樹脂の弾性が低下するためリワーク性が損なわれる場合がある。
有橋脂環式(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー;ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1−アダマンチルオキシ−1−エチル(メタ)アクリレート等の二官能モノマーが挙げられる。有橋脂環式ビニル化合物としては、例えば1−アダマンチルビニルエーテル等の単官能モノマーが挙げられる。
橋かけ構造を有しない脂環式骨格を有するビニル化合物又は(メタ)アクリレート化合物としては、例えばテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等の脂環式(メタ)アクリレート化合物;ビニルグリシジルエーテル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等の脂環式ビニル化合物が挙げられる。
なお、本実施の形態に係る硬化性組成物は、(A)モノマーとして、有橋脂環式骨格を有するビニル又は(メタ)アクリレート化合物と橋かけ構造を有しない脂環式骨格を有するビニル又は(メタ)アクリレート化合物とを併用することで、形成される三次元網目構造の剛直性を任意に制御することができる。前記例示した(A)モノマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(A)モノマーの分子量は、1000よりも小さいことが好ましく、100以上950以下であることがより好ましく、120以上900以下であることが特に好ましい。(A)モノマーの分子量が前記範囲にあると、形成される三次元網目構造の緻密さが適度となるため、強度を備えた透明樹脂を得ることができる。一方、(A)モノマーの分子量が1000以上の場合、形成される網目構造が粗くなるため、透明樹脂の機械的強度が劣る場合がある。
また、上記の(A)モノマーの分子量と同様の観点から、(A)モノマーの分子量を(A)モノマーが有するビニル基及び(メタ)アクリロイル基の個数で除した値が500未満であることが好ましく、300未満であることがより好ましく、250未満であることが特に好ましい。
本実施の形態に係る硬化性組成物における(A)モノマーの含有量は、後述する(B)ポリマー100質量部に対して5質量部以上50質量部以下であり、10質量部以上40質量部以下であることが好ましい。(A)モノマーと(B)ポリマーの含有量の関係が前記範囲であると、保持時・剥離時の透明樹脂の粘性及び弾性が適度となるため、良好なリワーク性を示す透明樹脂を得ることができる。(A)モノマーの含有割合が前記範囲未満であると、十分な三次元網目構造が形成されないため流動性に富んだ透明樹脂となり、貼り合わせ材料としては不適当なものとなる場合がある。一方、(A)モノマーの含有割合が前記範囲を超えると、形成される三次元網目構造が硬くなりすぎて(B)モノマーにより十分に膨張させることができず、透明樹脂の粘性が不足するため、接着力が不足する場合がある。
2.2.(B)ポリマー
本実施の形態に係る硬化性組成物は、(B)ビニル基及び(メタ)アクリロイル基を有さず、常温で液体であり且つ重量平均分子量が500以上であるポリマーを含有する。(B)ポリマーは、ビニル基及び(メタ)アクリロイル基を有しないため、本実施の形態に係る硬化性組成物を熱又は放射線により硬化させても(A)モノマーと(B)ポリマーとが共重合して三次元網目構造を形成することはない。このように(A)モノマーによって形成される三次元網目構造と(B)ポリマーとをそれぞれ独立させた形態とすることで形成される透明樹脂の弾性及び粘性を分離させることができ、保持時・剥離時に必要な膜の弾性を維持しつつ、接着に必要な粘性を付与・制御することが可能となる。これにより、良好なリワーク性を示す透明樹脂を得ることができる。
(B)ポリマーの主な機能としては、(A)モノマーによって形成された三次元網目構造に入り込んで膨張させて、透明樹脂に接着性や衝撃吸収能を付与することが挙げられる。また、(B)ポリマーの他の機能としては、(1)硬化性組成物全体のビニル基及び(メタ)アクリロイル基濃度を低くして硬化収縮率を低下させること、(2)(A)モノマーとの相溶性が良好なため硬化性組成物を無溶剤化できることが挙げられる。そのため、(B)ポリマーに要求される特性としては、常温(25℃)において流動性を有する液体であることが必要であり、さらに塗布性、粘着性、耐衝撃性の観点から、その粘度が0.1Pa・s以上20Pa・s以下であることが好ましく、0.15Pa・s以上15Pa・s以下であることがより好ましい。なお、本発明において粘度は、B型粘度計で測定した25℃での値をいう。
(B)ポリマーとしては、有機成分であっても無機成分であってもよい。有機成分としては、例えば脂肪族ポリエーテルジオール、脂環式ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオール等の各種ジオール化合物、液状ポリオレフィン、液状ゴムが挙げられる。無機成分としては、例えばシリコーンオイル等が挙げられる。
これらの中でも、前述した機能を十分に発揮させる観点から、ポリブタジエン及びポリイソプレンよりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。また、高屈折率を示し、硬化収縮率をより低減させる観点から、ポリイソプレンを用いることが特に好ましい。
(B)ポリマーの重量平均分子量は500以上であり、好ましくは500以上100,000以下であり、より好ましくは1,000以上80,000以下であり、特に好ましくは2,000以上50,000以下である。(B)ポリマーの重量平均分子量が500未満では、流動性が高すぎるためブリードアウトしやすくなり、重量平均分子量が100,000を超えると塗布性が悪化するおそれがある。なお、本発明において、(B)ポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した、重量平均分子量を意味する。
(B)ポリマーとしては、例えば、水酸基末端液状ポリブタジエン(出光興産株式会社製、商品名「Poly bd(登録商標)」)、水酸基末端液状ポリイソプレン(出光興産株式会社製、商品名「Poly ip(登録商標)」)、ポリプロピレングリコール(旭硝子ウレタン株式会社製、例えばPPG−400、1000、2000、3000、EXCENOL720、1020、2020」)、液状ゴム(株式会社クラレ製、商品名「LIR−30」、「LIR−50」、「LBR−307」、「LBR−305」、「LBR−300」、日本曹達株式会社製、商品名「B−1000」、「B−2000」、「B−3000」、三菱化学株式会社製、商品名「ポリエーテルH」)、液状ポリオレフィン化合物(三井化学株式会社製、「ルーカント(登録商標)H−10」、「H−20」、「H−40」、「H−100」、「H−600」、「H−2000」)等の市販品として入手することができる。
本実施の形態に係る硬化性組成物における(A)モノマー及び(B)ポリマーの含有量の合計は、組成物全体を100質量%として、70〜99.5質量%が好ましく、80〜99質量%がより好ましい。(A)モノマー及び(B)ポリマーの含有量の合計が、上記範囲内であることで、透明樹脂を形成した場合に、各性能のバランスがとれるため好ましい。
2.3.(C)ラジカル発生剤
本実施の形態に係る硬化性組成物は、(C)ラジカル発生剤を含有する。(C)ラジカル発生剤は、放射線の照射又は熱により、前記(A)モノマー及び必要に応じて使用される(D)ポリマーの重合を開始し得るラジカルを発生する成分である。なお、放射線とは、ラジカルのような活性種を発生する化合物を分解して活性種を発生させることのできるエネルギー線と定義される。このような放射線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等の光エネルギー線が挙げられる。ただし、一定のエネルギーレベルを有し、硬化速度が速く、しかも照射装置が比較的安価で小型な観点から、紫外線を使用することが好ましい。
放射線の照射によりラジカルを発生する化合物(以下、「(C1)感放射線性ラジカル発生剤」ともいう)としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられる。なお(C1)感放射線性ラジカル発生剤は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(C1)感放射線性ラジカル発生剤の市販品としては、例えばIrgacure184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI−1700、−1750、−1850、CG24−61、Darocur1116、1173、LucirinTPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
なお、本実施の形態に係る硬化性組成物に添加される感放射線性ラジカル発生剤は、380nm以上500nm以下に極大吸収波長を有する(C1)感放射線性ラジカル発生剤を含むことが好ましい。この理由について、以下に説明する。前述した画像表示装置の製造方法では透明部材側から放射線を照射して透明樹脂層を形成するが、380nm未満の波長を含む放射線を照射した場合にはその放射線によって後方にある画像表示部(例えば、液晶配向膜やカラーフィルター等)に悪影響を及ぼすことがある。それを防ぐために、380nm未満の波長の放射線をカットした放射線を照射することにより透明樹脂層を形成するのが望ましいとされているからである。380nm以上500nm以下に極大吸収波長を有する光重合開始剤としては、例えばLucirinTPO(BASF社製)が挙げられる。
また、本実施の形態に係る硬化性組成物には、反応のプロセスを助ける光増感剤をさらに添加してもよい。光増感剤としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられる。光増感剤の市販品としては、例えば、ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
熱によりラジカルを発生する化合物((C2)感熱性ラジカル発生剤)としては、例えば、tert−ブチルパーアセテート、tert−ブチル−パーオキシベンゾエート、tert−ブチル−パーオキシオクトエート、tert−ブチル−パーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチル−パーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、アセチルパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物(所望の分解温度に応じて、tert−ブチル基はそれぞれ炭素数5〜9の第三級アルキル基またはアラルキル基によって置き換えられてもよい)や、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。
本実施の形態に係る硬化性組成物中において、(C)ラジカル発生剤の含有量は、(C)ラジカル発生剤及び後述する溶剤を除いた全成分の合計を100質量部としたときに、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.1〜10質量部の範囲内である。前記範囲で(C)ラジカル発生剤を添加することにより、硬化反応が円滑に進行し、強固な三次元網目構造を形成することができる。
2.4.(D)ビニル基又は(メタ)アクリロイル基を有するポリマー
本実施の形態に係る硬化性組成物には、必要に応じて(D)ビニル基又は(メタ)アクリロイル基を有するポリマー(以下、「(D)ポリマー」ともいう)を添加してもよい。(D)ポリマーを添加した場合には、(A)モノマーと(D)ポリマーとが共重合することにより、透明樹脂の透明性及び貯蔵弾性率を向上させることができると共に、硬化収縮率を低下させることができる。かかる透明樹脂を透明部材と画像表示部との間に挟持させることにより、画像表示装置の視認性及び耐衝撃性を向上させることができる。
(D)ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは1000以上20000以下、より好ましくは1000以上15000以下である。重量平均分子量が1000未満であると、硬化させたときに硬度が高くなりすぎるおそれがあり、重量平均分子量が20000を超えると塗布性が悪化するおそれがある。なお、(D)ポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量を意味する。
(D)ポリマーは、ビニル基又は(メタ)アクリロイル基を2個以上有することが好ましい。また、(D)ポリマーの重量平均分子量を(D)ポリマー1分子当たりのビニル基又は(メタ)アクリロイル基の数で除した値は500以上10,000以下であることが好ましい。この値が前記範囲にあると、三次元網目構造の絡み合いが適度なものとなり、得られる透明樹脂の硬度が適度となると共に硬化収縮率を低下させることができる。
(D)ポリマーの具体例としては、ポリプロピレングリコール末端アクリレート(日油株式会社、商品名「ブレンマー(登録商標)PPG−800」)、ポリイソプレン末端アクリレート(株式会社クラレ製、商品名「UC−102」)、ポリイソプレン末端メタクリレート(株式会社クラレ製、商品名「UC−203」)ポリブタジエン末端アクリレート(大阪有機工業株式会社製、商品名「BAC−45」)、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(D)ポリマーの含有量は、透明樹脂に要求される透明性、貯蔵弾性率及び硬化収縮率に応じて適宜決定されるが、本実施の形態に係る硬化性組成物における(D)ポリマーの含有量は、前記(B)ポリマー100質量部に対して25質量部以下であることが好ましく、1質量部以上20質量部以下であることがより好ましく、5質量部以上15質量部以下であることが特に好ましい。(D)ポリマーと(B)ポリマーの含有量の関係が前記範囲であると、視認性及び耐衝撃性を向上できると共に、非流動性を備えた透明樹脂を得ることができる。
2.5.その他の添加剤
本実施の形態に係る硬化性組成物は、上記成分以外に必要及び用途に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、塗面改良剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤、溶剤、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤等を添加してもよい。
本実施の形態に係る硬化性組成物は、(A)モノマーと(B)ポリマーとの相溶性が良好であるために無溶剤化することもできるが、塗膜の厚さを調節する観点から溶剤で希釈して粘度を調節してもよい。なお、本実施の形態に係る硬化性組成物の粘度は、通常1000〜10000mPa・s/25℃であり、好ましくは1500〜8000mPa・s/25℃であり、より好ましくは3000〜6000mPa・s/25℃であるとよい。
前記溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられる。
本実施の形態に係る硬化性組成物において、必要に応じて用いられる溶剤の含有量は、溶剤を除く成分の合計を100質量部としたときに、1〜10000質量部の範囲内であることが好ましい。溶剤の含有量は、塗布膜厚、硬化性組成物の粘度等を考慮して適宜決定することができる。本実施の形態に係る硬化性組成物が溶剤を含む場合には、塗布後に加熱処理等の溶剤除去工程を行うことが好ましい。
2.6.硬化性組成物の製造方法
本実施の形態に係る硬化性組成物は、(A)モノマー、(B)ポリマー、(C)ラジカル発生剤、必要に応じて(D)ポリマー、その他の添加剤をそれぞれ添加して、室温又は加熱条件下で混合することにより調製することができる。具体的には、ミキサー、ニーダー、ボールミル、三本ロール等の混合機を用いて調製することができる。
3.透明樹脂
本実施の形態に係る透明樹脂は、前述した硬化性組成物を硬化させることにより得られる。かかる透明樹脂は、耐衝撃性、高接着性の他、リワーク性を備えている。すなわち、透明部材と画像表示部とをかかる透明樹脂を介して貼り合わせた後に、前記透明部材と前記画像表示部との剥離・貼付を繰り返し行っても糊残りや画像表示部へのダメージを与えることがない。このように透明部材と画像表示部との剥離・貼付を繰り返し行うことができるため、画像表示装置の歩留まりが良好となり、生産性を向上させることができる。
本実施の形態に係る透明樹脂を画像表示装置に適用する場合には、厚さ100μmとした場合の可視光領域の透過率が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、99%以上であることが特に好ましい。また、厚さを100μmとした場合のヘイズは1.0以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。さらに、厚さが100μmの場合のイエローインデックス(YI)は1.0以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。透過率、ヘイズ及びYIが前記範囲であると、透明樹脂の透明性が良好となることから画像表示装置の視認性も良好となる。
本実施の形態に係る透明樹脂を画像表示装置に適用する場合には、硬化収縮率(23℃)が0〜5%であることが好ましく、0〜4%であることがより好ましい。硬化収縮率が前記範囲であると、硬化性組成物が硬化する際に蓄積される内部応力を緩和させることができ、透明樹脂と透明部材又は画像表示部との界面に歪みができることを防止できる。これにより、画像表示装置の視認性を向上させることができる。
本実施の形態に係る透明樹脂を画像表示装置に適用する場合には、弾性率(23℃)が少なくとも50MPa以下であることが必要であり、0.1〜30MPaであることが好ましく、1〜25MPaであることがより好ましい。弾性率が前記範囲であると、外部からの衝撃を吸収する機能に優れ、画像表示装置の耐衝撃性を向上させることができる。
本実施の形態に係る透明樹脂を画像表示装置に適用する場合には、硬化して形成される透明樹脂が非流動性であることが好ましい。透明樹脂が流動性を有すると、画像表示装置の長期間の使用により透明樹脂と透明部材又は画像表示部との界面に歪みが生じ、視認性が低下することがあるからである。
本実施の形態に係る透明樹脂は、前述したように画像表示装置を構成する透明部材と画像表示部との間に挟持させて接着させる用途において好適であるが、これに限定されない。本実施の形態に係る透明樹脂は、透明性及び接着性を活かしてレンズや偏光板などの光学部材用接着剤に適用可能であるほか、その耐衝撃吸収性を活かして防振材、吸音材、車両等の振動が加わる箇所に用いられる接着剤や、リワーク性を活かして吸着パッド、仮止め材等の用途に用いることも可能である。
4.実施例
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、本実施例において「%」及び「部」との記載は、特に断りのない限り、それぞれ「質量%」及び「質量部」を意味するものとする。
4.1.実施例1
4.1.1.硬化性組成物の製造
紫外線を遮蔽した容器中に、(A)モノマーとしてトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名「A−DCP」)10質量部、イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「IBXA」)15質量部、(B)ポリマーとして水酸基末端液状ポリイソプレン(出光興産株式会社製、商品名「Poly ip(登録商標)」、重量平均分子量:2500、分子中のアクリロイル基数:0)75質量部、(C)成分としてジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキサイド(BASF社製、商品名「LucirinTPO」)3質量部及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、商品名「Irgacure184」)2質量部を添加して40℃で4時間撹拌することにより均一な硬化性組成物を得た。
4.1.2.硬化膜サンプルの作製
上記で得られた硬化性組成物を、厚さ188μmPETフィルム又はガラス上にバーコーターを用いて膜厚が約200μmとなるように塗布した。その後、窒素雰囲気下、下記の条件で紫外線を照射して硬化膜サンプルを作製した。
<光照射条件>
・紫外線照射装置;アイグラフィックス株式会社製、型式「UBX0311−00」
・照度計;アイグラフィックス株式会社製、型式「UV METER UVPF−36」
・照射量;3000mJ/cm
なお、弾性率測定には、PETフィルム上に形成された硬化膜サンプルを使用した。硬化収縮率測定には、ガラス上に形成された硬化膜サンプルを使用した。
4.1.3.貼り合わせサンプルの作製
上記で得られた硬化性組成物を、厚さ188μmPETフィルム上に滴下、スペーサーとして188μmのPETフィルムを用い、上から厚さ1mmのガラス板にて押さえ、PETフィルムとガラス板との間に硬化性組成物を充填した。その後、下記の条件でガラス側より紫外線を照射して貼り合わせサンプルを作製した。
<光照射条件>
・紫外線照射装置;アイグラフィックス株式会社製、型式「UBX0311−00」
・照度計;アイグラフィックス株式会社製、型式「UV METER UVPF−36」
・照射量;3000mJ/cm
4.2.実施例2〜7、比較例1〜4
表1に示す成分を表1に示す割合で配合したこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を製造して硬化膜サンプル及び貼り合わせサンプルを作製した。
4.3.評価試験
上記実施例で作製された硬化膜サンプルについて、下記項目の評価試験を行った。
4.3.1.硬化収縮率の測定
硬化前の硬化性組成物の比重d及び硬化膜サンプル中の硬化膜の比重dを求め、下記式(1)により硬化収縮率(%)を算出した。なお、硬化膜の比重dはアルキメデス法により求めた。
硬化収縮率(%)=(1−(d/d))×100 ・・・(1)
4.3.2.弾性率の測定
温度23℃、湿度50%の環境下、得られた硬化膜サンプルについて、ARシリーズレオメータ(TAインスツルメント社製、型式「AR2000」)を用い、測定周波数1Hzでの弾性率(MPa)を測定した。
4.3.3.貼り合わせ状態の評価
貼り合わせサンプルを手で持ち、上下基材の貼り合わせ状態を確認した。なお、表1において、透明樹脂が流動性を持たず、基材と水平方向に力を加えても基材のズレが生じない場合を「○」と記載した。透明樹脂が流動性を有する場合や基材と水平方向に力を加えると基材のズレが生じる場合には「×」と記載した。
4.3.4.剥離モードの評価
貼り合わせサンプルを手で持ち、PETフィルムをガラスから剥がした際の剥離モードを記録した。ガラス側への糊残りがなく、PETフィルム側に透明樹脂層が完全に移動している状態を「界面剥離」とした。ガラス側へ糊残りが少しでも発生している状態を「凝集破壊」とした。
4.3.5.剥離表面の粘着性評価
剥離した透明樹脂層表面の粘着性の有無を指触で官能評価した。粘着性が感じられた場合を「○」とし、粘着性が感じられなかった場合を「×」と評価した。
4.3.6.90°剥離試験
上記試験でガラスから剥離した、PETフィルム上に透明樹脂層を有するサンプルを幅25mmになるように短冊状に切断し、試験片とした。この試験片を別のガラス板に貼り付け、ハンドローラーを1往復させて軽く圧着した。20分静置した後、PETフィルムの一方の端を引っ張り試験機で90°方向に引っ張り、その応力を測定した。
4.3.7.保持力試験
保持力試験は以下に示すように、JIS Z0237に準拠して行った。上記の貼り合わせサンプルをガラスから剥離した後、PETフィルムと透明樹脂層からなる構造体を、幅25mmになるように短冊状に切断し、試験片とした。片方の端25mm×25mmを別のガラス板に貼り付け、ハンドローラーを1往復させて軽く圧着した。20分静置した後、ガラス板を垂直に固定、貼り付け側とは反対側の部分に1kgの加重を加えた。1時間後のPETフィルムとガラス板とのずれが3mm以下である場合を「保持」、落下した場合を「落下」と判定した。ずれが3mm超だが落下しなかった場合はその値を記録した。
4.4.評価結果
上記の評価試験方法により得られた結果を表1に併せて示した。
Figure 2013130621
表1に記載の各成分について以下に示す。なお、ポリマーの分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフを用いて測定した。カラムとしてShodex K−801(昭和電工株式会社製)を用いた。クロロホルムを溶媒として40℃、0.5mL/分の条件で標準ポリスチレンによる検量線を作成し、これを基準に各ポリマーの分子量を決定した。なお、特に断りのない限り、本明細書に記載されたポリマーの分子量はこの方法により測定されたものである。
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名「A−DCP」)
・イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製、商品名「IBXA」)
・シクロヘキシルメタクリレート(三菱レイヨン株式会社製、商品名「アクリエステル(登録商標)CHMA」)
・Poly−ip(登録商標)(商品名、出光興産株式会社製、水酸基末端液状ポリイソプレン、重量平均分子量:2,500、粘度:25℃・12Pa・s)
・LIR−30(商品名、株式会社クラレ製、液状ポリイソプレンゴム、重量平均分子量:28,000、粘度:38℃・70Pa・s)
・LucirinTPO(商品名、BASF社製、ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキサイド)
・Irgacure184(商品名、BASF社製、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)
・ポリブタジエン末端アクリレート(大阪有機工業株式会社製、商品名「BAC−45」、重量平均分子量:3000、分子中のアクリロイル基数:2)
・ノニルフェノールEO変性アクリレート(東亜合成株式会社製、商品名「アロニックスM113」)
表1の結果から明らかなように、実施例1〜7に係る硬化性組成物から得られた透明樹脂によれば、剥離時に基材との界面で剥離し、かつその剥離面では粘着性が維持されており、再接着後の保持力試験においても良好な結果を示した。
比較例1に係る硬化性組成物によれば、(A)モノマーを含まないため、形成される三次元網目構造が脆弱であり、剥離時に凝集破壊を生じるため、リワーク作業性に劣ることが判明した。
比較例2に係る硬化性組成物によれば、(B)ポリマーを含まないため、弾性率が高い硬化膜が得られた。また、剥離後の剥離面での粘着性が不足し、基材貼り合わせ時の保持力が不足するため、貼り合わせ材料としては不適当であることが判明した。
比較例3に係る硬化性組成物によれば、(B)ポリマーの含有割合が多すぎるため、膜を形成せず、紫外線照射後も流動性があり、貼り合わせ材料としては不適当であることが判明した。
比較例4に係る硬化性組成物によれば、(B)ポリマーの含有割合が少なすぎるため、弾性率及び硬化収縮率が高い硬化膜が得られた。そのため、基材への負荷が大きく破損するおそれがあり、また貼り合わせ時の保持力も不足しているため、貼り合わせ材料としては不適当であることが判明した。
以上のように、(A)モノマーによって形成された剛直性に優れた三次元網目構造を、非架橋性液体である(B)ポリマーで膨潤させることによって、視認性に優れ、基材からの剥離が容易であり、かつ基材への保持力を発現する透明樹脂を得ることができた。このような特性を備えた透明樹脂を画像表示装置の透明部材と画像表示部との間に挟持させることにより、画像表示装置の特性を維持したまま貼り合わせ作業性を向上させることができる。
4.5.実施例8
4.5.1.表示装置サンプルの作製
画像表示部として用いられるLCDパネルの代替として1mmガラス板、透明部材として用いられるガラスタッチセンサーの代替として同じく1mmガラス板を使用した。画像表示部に実施例1で得られた硬化性組成物を滴下、スペーサーとして188μmのPETフィルムを用い、上から透明部材にて押さえ、画像表示部と透明部材との間に透明樹脂を充填した。その後、下記の条件で透明部材側より紫外線を照射して表示装置サンプルを作製した。
<光照射条件>
・紫外線照射装置;アイグラフィックス株式会社製、型式「UBX0311−00」
・照度計;アイグラフィックス株式会社製、型式「UV METER UVPF−36」
・照射量;3000mJ/cm
4.5.2.表示装置サンプルの評価
4.5.2.1.文字視認性
作製した表示装置サンプルの画像表示部を下にして新聞紙の上に置き、文字の鮮明度を目視評価した。透明樹脂が充填されてない部分と比較して、印刷が鮮明に見えるものを「○」とした。
4.5.2.2.保持力試験
表示装置サンプルを垂直に固定し、透明部材側に接着面25mm×25mmあたり1kgのせん断方向の加重を鉛直方向に加え、保持力試験を行った。1時間後の変位が3mm以下である場合を「○」、それ以外の場合を貼り合わせ部分が落下した場合も含め「×」とした。
4.5.2.3.はみ出し樹脂処理特性
2枚の基材を圧着して隙間なく貼り合わせようとすると、一部の透明樹脂がはみ出る場合がある。このはみ出した透明樹脂をカッターナイフ等で切り取ることができれば処理が容易となる。したがって、カッターナイフで切り取ることが出来た場合を「○」とし、カッターナイフで切れない又は透明樹脂が割れた場合を「×」とした。
4.5.2.4.画像表示部−透明部材界面剥離特性
表示装置サンプルに対し、透明部材がフィルム状の場合はフィルム端を手で持ち、画像表示部からの剥離を行った。透明部材が板状で曲げが不可能の場合は、貼り合せの隙間よりカッターナイフを差し入れ、透明樹脂と画像表示部の間から徐々に剥離させた。剥離時に糊残りなく剥がれる場合を「○」とした。画像表示部に糊残りが少しでも生じている場合を「×」とした。
4.5.2.5.透明樹脂−透明部材界面剥離特性
上記試験で剥離した透明部材と透明樹脂層の積層体について、透明樹脂層を手で持ち、透明部材から剥離した。剥離可能な場合を「○」、剥離不可能な場合を「×」とした。
4.5.2.6.剥離表面の粘着性評価
剥離した透明樹脂層表面の粘着性の有無を指触で官能評価した。粘着性が感じられた場合を「○」とし、粘着性が感じられなかった場合を「×」と評価した。
4.5.2.7.90°剥離試験
透明部材がフィルム状で曲げられる場合、表示装置サンプルを手で持ち、透明部材をガラスから剥離した。透明部材上に透明樹脂層を有するサンプルを幅25mmになるように短冊状に切断し、試験片とした。この試験片を別の画像表示部に貼り付け、ハンドローラーを1往復させて軽く圧着した。20分静置した後、透明部材の一方の端を電気機械式万能試験機(インストロン社製、5542)でガラス板から90°方向に引っ張り、その応力を検出した。
4.6.実施例9〜12、比較例5〜8
画像表示部、透明部材、透明樹脂層を作製するための硬化性組成物を表2に記載の材料に変更した以外は、上記実施例8と同様に表示装置サンプルを作製して、評価した。
表2に記載の材料について以下に示す。
・易接着処理PET(東洋紡績株式会社、商品名「コスモシャイン A4300」、100μm)
・未処理PET(東レ株式会社、商品名「ルミラー T60」、100μm)
・TAC(トリアセチルセルロースフィルム、80μm)
Figure 2013130621
4.7.評価結果
表2の結果から明らかなように、実施例8〜12のサンプルは、視認性及び画像表示部との剥離性が良好であり、再貼り付け後にも十分な保持力を示すため、リワーク性が良好であることが示された。また、本発明に係る透明樹脂を用いる場合には、基材の表面状態によって剥離する対象を制御できることも明らかであるため、画像表示装置の密着・剥離特性を作業プロセスに合わせて制御することが可能である。
比較例5の表示装置サンプルでは、比較例1の硬化性組成物を用いて透明樹脂層が形成されているため、剥離モードが界面剥離とならず糊残りが生じた。
比較例6の表示装置サンプルでは、比較例1の硬化性組成物を用いて透明樹脂層が形成されているため、剥離モードが界面剥離とならず糊残りが生じた。比較例5及び比較例6の結果から、部材の種類や表面状態によらず、比較例1の硬化性組成物では糊残りが発生することが判明した。
比較例7の表示サンプルでは、透明樹脂層が硬すぎるため、剥離する際に強い力を要した。剥離時に透明部材が破損し、剥離表面の透明樹脂に粘着性がないため再貼り付けも出来ないことによりリワーク性に劣ることが判明した。
比較例8の表示サンプルでは、透明樹脂層が存在しないため、ガラスと空気の界面における反射光により視認性が悪化することが判明した。
以上のように、画像表示部と透明部材との間を、貼り合わせ保持力が良好であり且つ界面剥離と再貼り付け可能となる透明樹脂層で挟持させることによって、画像表示装置の特性を維持したまま、貼り合わせ時の作業性が改善された画像表示装置を作製できることが判明した。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10・110・210…画像表示部、20・120・220…透明樹脂層、30・130・230…透明部材、112…第一の部材、132…第二の部材、100・200・300…画像表示装置、240…透明シート、250…透明保護レンズ、1000…静電容量式タッチパネル

Claims (12)

  1. 画像表示部と透明部材とが透明樹脂層を介して接着された画像表示装置において、
    下記の条件(i)〜(iv)を充たすことを特徴とする画像表示装置:
    (i)前記透明樹脂層の弾性率が50MPa以下であること;
    (ii)画像表示装置の接着面25mm×25mmあたり1kgのせん断方向の荷重を加えた場合において、前記画像表示部と前記透明部材との1時間後のずれが3mm以下であること;
    (iii)前記透明部材と前記画像表示部とを剥離した場合において、剥離モードが前記画像表示部又は前記透明部材と前記透明樹脂層との界面における界面剥離であること;
    (iv)前記条件(iii)で剥離した前記画像表示部と前記透明部材とを前記透明樹脂層を介して再接着した場合において前記条件(i)〜(iii)を充たすこと。
  2. 画像表示部、透明樹脂層及び透明部材をこの順番で備え、
    下記の条件(i)〜(iv)を充たすことを特徴とする画像表示装置:
    (i)前記透明樹脂層の弾性率が50MPa以下であること;
    (ii)前記画像表示部の被接着面を構成する第一の材と前記透明部材の被接着面を構成する第二の材とを前記透明樹脂層を構成する透明樹脂を介して接着して行われるJIS Z0237に規定される保持力試験において、画像表示装置の接着面25mm×25mmあたり1kgのせん断方向の荷重に対する両材間の1時間後のずれが3mm以下であること;
    (iii)前記第一の材と前記第二の材とを前記透明樹脂層を介して接着した後剥離した際の剥離モードが、前記第一の材又は前記第二の材と前記透明樹脂層との界面における界面剥離であること;
    (iv)前記条件(iii)で剥離した前記第一の材と前記第二の材とを前記透明樹脂層を介して再接着した場合において前記条件(i)〜(iii)を充たすこと。
  3. 前記第一の材及び前記第二の材の少なくとも一方が可撓性を有する材である場合において、JIS Z0237 10.5.1に準拠して前記可撓性を有する材を前記透明樹脂層から90°方向に剥離した際の最大剥離応力が5N/25mm以下である、請求項2に記載の画像表示装置。
  4. 画像表示部と透明部材とが透明樹脂層を介して接着されてなる画像表示装置の製造方法であって、
    (A)ビニル基又は(メタ)アクリロイル基及び脂環式骨格を有するモノマー、(B)ビニル基及び(メタ)アクリロイル基を有さず、常温で液体であり且つ重量平均分子量が500以上であるポリマー、並びに(C1)感放射線性ラジカル発生剤を含有し、前記(B)ポリマー100質量部に対して前記(A)モノマーを5質量部以上50質量部以下含有する硬化性組成物を前記透明部材もしくは前記画像表示部又はその両方に塗布する工程と、
    前記透明部材と前記画像表示部とを貼り合わせる工程と、
    放射線を照射して前記硬化性組成物を硬化させる工程と、
    を含む、画像表示装置の製造方法。
  5. (A)ビニル基又は(メタ)アクリロイル基及び脂環式骨格を有するモノマーと、
    (B)ビニル基及び(メタ)アクリロイル基を有さず、常温で液体であり且つ重量平均分子量が500以上であるポリマーと、
    (C)ラジカル発生剤と、
    を含有し、前記(B)ポリマー100質量部に対して前記(A)モノマーを5質量部以上50質量部以下含有する、硬化性組成物。
  6. 前記(A)モノマーの脂環式骨格が有橋脂環式骨格である、請求項5に記載の硬化性組成物。
  7. 前記(A)モノマーの分子量を前記(A)モノマー中に存在するビニル基及び(メタ)アクリロイル基の個数で除した値が500未満である、請求項5又は請求項6に記載の硬化性組成物。
  8. 前記(B)ポリマーが、ポリブタジエン及びポリイソプレンよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項5ないし請求項7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  9. 前記(A)モノマーが、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  10. さらに、(D)ビニル基又は(メタ)アクリロイル基を有するポリマーを、前記(B)ポリマー100質量部に対して0質量部を超えて25質量部以下含有する、請求項5ないし請求項9のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  11. 請求項5ないし請求項10のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化させてなる透明樹脂。
  12. 請求項11に記載の透明樹脂を備える画像表示装置。
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