JP5695253B1 - 銅張積層板および該銅張積層板を用いたフレキシブルプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
Description
(i)前記樹脂フィルムに対向する前記銅箔の接合面に粗化銅めっき層が形成されており、前記粗化銅めっき層の平均厚さが0.05μm以上0.3μm以下である。
(ii)前記銅箔が圧延銅箔であり、前記銅箔と前記粗化銅めっき層との間に下地銅めっき層が形成されており、前記下地銅めっき層の平均厚さが0.1μm以上0.6μm以下である。
(iii)前記透過視認度Vtが「Vt≧20%」である。
(iv)前記透過視認度Vtが「Vt≧20%」である。
前述したように、本発明者等は、FPCにおける各種要求(例えば、樹脂フィルムと銅箔との優れた接合性、樹脂フィルム部分での優れた透過視認性)を満たすべく、銅箔エッチング除去後の樹脂フィルム部分での透過視認性を詳細に調査した。まず、樹脂フィルムの透明性を示す従来の指標(例えば、全光線透過率Tt、拡散透過率Td、曇度H)の測定方法について確認・検討した。
透過視認性の良否を判定できる適当な指標が存在しないと、透過視認性を改善するために制御する項目が定まらないため、非常に大きな問題になる。言い換えると、前述した要求(樹脂フィルムと銅箔との優れた接合性と、樹脂フィルムを介した良好な透過視認性との両立)を満たせる銅張積層板を得るためには、少なくとも、樹脂フィルムを介した透過視認性の良否を判定できる適当な指標が必要である。
図5は、本発明に係る銅張積層板の構造例を示す断面模式図である。図5に示したように、本発明に係る銅張積層板10は、銅箔1と樹脂フィルム6とが樹脂接着層を介さずに直接積層された二層銅張積層板であって、樹脂フィルム6に対向する銅箔1の接合面に、下地銅めっき層2と粗化銅めっき層3と防錆層4とが形成されている。通常、銅箔1〜防錆層4を総称して表面処理銅箔5と称する。
銅箔1に特段の限定はなく、従前の銅箔(例えば、電解銅箔や圧延銅箔)を用いることができる。FPCにおいて極めて優れた屈曲特性(例えば、100万回以上の屈曲特性)が要求される場合、圧延銅箔を用いることが好ましい。また、素材としては、純銅(例えば、タフピッチ銅(JIS H 3100 C1100)や無酸素銅(JIS H 3100 C1020))、および純銅にスズ(Sn)や銀(Ag)が微量添加された希薄銅合金がよく用いられる。以下では、特に断らない限り、銅箔1として圧延銅箔を用いた場合について説明する。
下地銅めっき層2は、銅箔1の直上に形成され、粗化銅めっき層3の下地となる層である。本発明においては、所定の下地銅めっき層2を設けることにより、その上に形成する粗化銅めっき層3の粗化形状(厚さ(凹凸)方向や面内方向の形状)を均等化・安定化することができる。本発明の下地銅めっき層2の平均厚さは0.1μm以上0.6μm以下が好ましい。平均厚さが0.1μm未満になると、下地銅めっき層の作用効果が不十分になる。平均厚さが0.6μm超では、作用効果が飽和しプロセスコストが無駄になる。素材としては、純銅または銅箔1と同じ組成が好ましい。
粗化銅めっき層3は、下地銅めっき層2の直上に形成される。粗化銅めっき層3の粗化形状が、「樹脂フィルムと銅箔との接合性」および「樹脂フィルム部分での透過視認性」に対して直接的に影響する。粗化銅めっき層3の平均厚さは0.05μm以上0.3μm以下が好ましい。平均厚さが0.05μm未満になると、樹脂フィルム6と表面処理銅箔5との接合性が不十分になる。平均厚さが0.3μm超では、表面処理銅箔5を化学エッチング除去した後の樹脂フィルム6の透過視認性が不十分になる。平均厚さの規定以外は、従前の技術を利用できる。
防錆層4は、粗化銅めっき層3の直上に形成される。防錆層4は、本発明において必須の層ではないが、FPC(およびFPC用の銅張積層板)においてしばしば形成される層である。防錆層4の構成に特段の限定はなく、従前の技術を利用できる。例えば、ニッケルめっき層(平均厚さ9 nm以上50 nm以下)、亜鉛めっき層(平均厚さ1 nm以上10 nm以下)、3価クロム化成処理層(平均厚さ1 nm以上10 nm以下)、シランカップリング処理層(分子層レベルの厚さ)が、この順に積層される。なお、従来技術と同様に、樹脂フィルム6に対向する銅箔1の接合面と反対側の面に、防錆層4を設けてもよい。
樹脂フィルム6は、FPCにおける可撓性基材となる層である。樹脂フィルム6の素材に特段の限定はなく、従前の技術を利用できる。例えば、ポリイミドフィルムが好適に用いられる。
本発明に係る銅張積層板の製造方法について、図6を用いて説明する。図6は、本発明に係る銅張積層板の製造工程の一例を示すフロー図である。なお、以下では、洗浄工程や乾燥工程の説明を省略する場合があるが、それらの工程は必要に応じて適宜行われることが好ましい。
本工程では、銅箔1を準備する。前述したように、銅箔1自体に特段の限定はなく、従前の銅箔(例えば、電解銅箔や圧延銅箔)を用いることができるので、銅箔準備方法にも特段の限定はなく、従前の方法を用いることができる。
本工程では、銅箔1の直上に下地銅めっき層2を形成する。下地銅めっき層2を形成する前に、電解脱脂処理および酸洗処理を行って銅箔1の表面を清浄化することは好ましい。電解脱脂処理は、銅箔1をアルカリ水溶液に浸漬し陰極電解脱脂を行う処理である。アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)を20 g/L以上60 g/L以下、炭酸ナトリウム(Na2CO3)を10 g/L以上30 g/L以下で含む水溶液を用いることができる。
硫酸銅五水和物:20 g/L以上300 g/L以下(50 g/L以上300 g/L以下がより好ましい)
硫酸:10 g/L以上200 g/L以下(30 g/L以上200 g/L以下がより好ましい)
添加剤:所定の有機系添加剤を添加
液温:15℃以上50℃以下
電流密度:2 A/dm2以上15 A/dm2以下(限界電流密度末満とする)
処理時間:1秒間以上30秒間以下
平均厚さ:0.1μm以上0.6μm以下。
本工程では、下地銅めっき層2の直上に粗化銅めっき層3を形成する。粗化銅めっき層3の形成は、硫酸銅および硫酸を主成分とする酸性銅めっき浴にて銅箔1を陰極とする電解処理により行い、粗化粒を下地銅めっき層2の表面に析出・成長させるものである。酸性銅めっき浴の液組成、液温、電解条件、粗化銅めっき層の平均厚さは、例えば下記の範囲から選択されることが好ましい。
硫酸銅五水和物:20 g/L以上300 g/L以下
硫酸:10 g/L以上200 g/L以下
その他成分:Fe,Mo,Ni,Co,Cr,Zn,Wから選ばれる一種以上の添加が好ましい
液温:15℃以上50℃以下
電流密度:20 A/dm2以上100 A/dm2以下(限界電流密度超とする)
処理時間:0.3秒間以上2.0秒間未満
平均厚さ:0.05μm以上0.3μm以下。
本工程では、粗化銅めっき層3の直上に防錆層4を形成する。前述したように、防錆層4は本発明において必須の層ではないが、ここでは、防錆層4を形成する場合の工程例について説明する。防錆層4の形成は、ニッケルめっき処理と、亜鉛めっき処理と、3価クロム化成処理(クロメート処理)と、シランカップリング処理とからなる。
硫酸ニッケル六水和物:280 g/L以上320 g/L以下
塩化ニッケル:40 g/L以上50 g/L以下
硼酸:40 g/L以上60 g/L以下
その他成分:他の金属元素(例えばCo)を添加してNi-Co合金めっき層としてもよい
液温:30℃以上60℃以下
電流密度:0.5 A/dm2以上10 A/dm2以下(限界電流密度末満とする)
処理時間:1秒間以上10秒間以下
平均厚さ:9 nm以上50 nm以下。
硫酸亜鉛:80 g/L以上120 g/L以下
硫酸ナトリウム:60 g/L以上80 g/L以下
その他成分:他の金属元素(例えばCu)を添加してZn-Cu合金めっき層としてもよい
液温:15℃以上35℃以下
電流密度:0.1 A/dm2以上10 A/dm2以下(限界電流密度末満とする)
処理時間:1秒間以上10秒間以下
平均厚さ:1 nm以上10 nm以下。
処理液:3価クロムの反応型クロメート液(3価クロムイオン濃度:金属クロム換算で70 mg/L以上500 mg/L未満。3価クロムイオンの供給源に特段の限定はなく、例えば、硝酸クロム、硫酸クロム、塩化クロムが挙げられる)
液温:15℃以上40℃以下
処理時間:3秒間以上30秒間以下
平均厚さ:1 nm以上10 nm以下。
処理液:シランカップリング液(積層する可撓性基材に適したものを選択する。例えば、可撓性基材がポリイミドからなる場合、アミノシランやアミノプロピルトリメトキシシランを主成分とするものを選択することが望ましい)
液温:15℃以上35℃以下
処理時間:3秒間以上40秒間以下
乾燥温度:100℃以上300℃以下
乾燥時間:5秒間以上35秒間以下
厚さ:分子層レベル。
本工程では、表面処理銅箔5と樹脂フィルム6とを積層する。二層銅張積層板の場合、表面処理銅箔5と樹脂フィルム6とが、樹脂接着層を介さずに加熱・押圧されて直接積層される。加熱・押圧の条件は、樹脂フィルム6の性状により適宜設定されるが、例えば下記の範囲から選択されることが好ましい。
温度:150℃以上400℃以下
圧力:0.5 MPa以上30 MPa以下
保持時間:1分間以上120分間以下。
上記で得られた銅張積層板10に対し、回路配線の形成工程を行うことによりFPCが製造される。回路配線の形成工程は、通常、銅張積層板10の表面処理銅箔5の一部を化学エッチング除去することによりなされる。表面処理銅箔5がエッチング除去され残った樹脂フィルム6部分において、良好な透過視認性を確保することが、本発明の目的の一つである。
以下の手順により、実施例1の表面処理銅箔5を作製した。はじめに、銅箔1として、無酸素銅からなる圧延銅箔(厚さ11μm)を準備した。次に、銅箔1に対して電解脱脂処理および酸洗処理をそれぞれ下記の条件で施して、銅箔1の表面を清浄化した。酸洗処理の後、銅箔1を水洗した。
溶液:水酸化ナトリウム40 g/Lと炭酸ナトリウム20 g/Lとを含む水溶液
液温:40℃
電流密度:10 A/dm2
処理時間:10秒。
溶液:硫酸150 g/Lを含む水溶液
液温:室温(25℃)
処理時間:10秒。
(下地銅めっき処理)
硫酸銅五水和物:170 g/L
硫酸:70 g/L
添加剤1:有機硫黄化合物としてSPS 30 mg/L
添加剤2:界面活性剤として荏原ユージライト株式会社製のCU-BRITE TH-R III
シリーズの界面活性剤薬液 3 mL/L
添加剤3:レベリング剤として荏原ユージライト株式会社製のCU-BRITE TH-R III
シリーズの高分子炭化水素を主成分とするレベリング剤薬液 5 mL/L
添加剤4:塩化物イオンを含む水溶液として塩酸試薬原液 0.15 mL/L
液温:35℃
電流密度:7 A/dm2
処理時間:10秒
平均厚さ:0.1μm。
(粗化銅めっき処理)
硫酸銅五水和物:100 g/L
硫酸:70 g/L
その他成分:硫酸鉄七水和物 20 g/L
液温:30℃
電流密度:60 A/dm2
処理時間:0.5秒
平均厚さ:0.05μm。
硫酸ニッケル六水和物:300 g/L
塩化ニッケル:45 g/L
硼酸:50 g/L
液温:50℃
電流密度:2 A/dm2
処理時間:5秒間
平均厚さ:20 nm。
硫酸亜鉛:90 g/L
硫酸ナトリウム:70 g/L
液温:30℃
電流密度:1.5 A/dm2
処理時間:4秒間
平均厚さ:7 nm。
処理液:硝酸クロムを3価クロムイオンの供給源とした3価クロムの反応型クロメート液
(3価クロムイオン濃度:金属クロム換算で300 mg/L)
液温:30℃
処理時間:5秒間
平均厚さ:5 nm。
処理液:5%の3-アミノプロピルトリメトキシシランを含有するシランカップリング液
液温:室温(25℃)
処理時間:5秒間
加熱乾燥:200℃,15秒間。
実施例2,3の表面処理銅箔5は、下地銅めっき層2の平均厚さをそれぞれ0.3μm,0.6μmとした以外は、上述の実施例1の表面処理銅箔5と同様の条件で作製した。
実施例4の表面処理銅箔5は、粗化銅めっき層3の平均厚さを0.11μmとして、粗化銅めっき層3の粗化粒を実施例1のよりも大きく形成したこと以外は、上述の実施例1の表面処理銅箔5と同様の条件で作製した。
実施例5,6の表面処理銅箔5は、下地銅めっき層2の平均厚さをそれぞれ0.3μm,0.6μmとした以外は、上述の実施例4の表面処理銅箔5と同様の条件で作製した。
実施例7の表面処理銅箔5は、粗化銅めっき層3の平均厚さを0.3μmとして、粗化銅めっき層3の粗化粒を実施例4のよりも更に大きく形成したこと以外は、上述の実施例1の表面処理銅箔5と同様の条件で作製した。
実施例8,9の表面処理銅箔5は、下地銅めっき層2の平均厚さをそれぞれ0.3μm,0.6μmとした以外は、上述の実施例7の表面処理銅箔5と同様の条件で作製した。
比較例1の表面処理銅箔は、粗化銅めっき層3の平均厚さを0.03μmとして、粗化銅めっき層3の粗化粒を実施例2のよりも小さく形成したこと以外は、上述の実施例2の表面処理銅箔5と同様の条件で作製した。比較例1は、粗化銅めっき層3の平均厚さの影響を観ることができる。また、比較例2の表面処理銅箔は、下地銅めっき層2の形成にあたって所定の有機系添加剤を添加しなかったこと以外は、比較例1の表面処理銅箔と同様の条件で作製した。比較例2は、比較例1に加えて、下地銅めっき層2の形成における所定の有機系添加剤の影響を観ることができる。
比較例3の表面処理銅箔は、粗化銅めっき層3の平均厚さを0.35μmとして、粗化銅めっき層3の粗化粒を実施例8のよりも更に大きく形成したこと以外は、上述の実施例8の表面処理銅箔5と同様の条件で作製した。比較例3は、粗化銅めっき層3の平均厚さの影響を観ることができる。また、比較例4の表面処理銅箔は、下地銅めっき層2の形成にあたって所定の有機系添加剤を添加しなかったこと以外は、比較例3の表面処理銅箔と同様の条件で作製した。比較例4は、比較例3に加えて、下地銅めっき層2の形成における所定の有機系添加剤の影響を観ることができる。
比較例5の表面処理銅箔は、下地銅めっき層2の形成にあたって所定の有機系添加剤を添加しなかったこと以外は、実施例5の表面処理銅箔5と同様の条件で作製した。比較例5は、下地銅めっき層2の形成における所定の有機系添加剤の影響を観ることができる。
比較例6の表面処理銅箔は、粗化銅めっき層3の形成にあたってその他成分として鉄成分(硫酸鉄七水和物)を添加しなかったこと以外は、実施例5の表面処理銅箔5と同様の条件で作製した。比較例6は、粗化銅めっき層3の形成におけるその他成分の影響を観ることができる。
比較例7〜9の表面処理銅箔は、下地銅めっき層2を形成しなかったこと以外は、それぞれ実施例1,4,7の表面処理銅箔5と同様の条件で作製した。比較例7〜9は、下地銅めっき層2の有無の影響を観ることができる。
上記の実施例1〜9および比較例1〜9の表面処理銅箔を用いて、以下の条件により、実施例1〜9および比較例1〜9の銅張積層板を作製した。なお、銅張積層板としては、表面処理銅箔の粗化面(粗化銅めっき層3を形成した側の面)を樹脂フィルムに対向させて、樹脂フィルムの両面に表面処理銅箔を積層した二層両面銅張積層板を作製した。
樹脂フィルム:ポリイミドフィルム(厚さ25μm、株式会社カネカ製、ピクシオ)
温度:300℃
圧力:5 MPa
保持時間:15分間。
実施例1〜9および比較例1〜9の銅張積層板に対して、両面の表面処理銅箔の一部を化学エッチング除去し、ポリイミドフィルムの両面が所定の面積で露出したFPC模擬試料(実施例1〜9および比較例1〜9)を作製した。化学エッチング除去は、塩化第二鉄のスプレーエッチングにより行った。
(1)表面処理銅箔の下地銅めっき層のXRD測定
実施例1〜9および比較例1〜9の表面処理銅箔において、下地銅めっき層を形成した段階で該下地銅めっき層の表面に対して、X線回折装置(株式会社リガク、型式:Ultima IV)を用いてXRD測定を行った。結果は後述の表1に併記する。なお、圧延銅箔の表面に対しても同様のXRD測定を行い、{022}Cu面に優先配向していること(圧延集合組織を有していること)を別途確認した。
実施例1〜9および比較例1〜9の表面処理銅箔に対して、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、下地銅めっき層/圧延銅箔の界面付近の断面微細組織を観察した。また、撮影したSEM像から、圧延銅箔を構成する多結晶粒の平均厚さと下地銅めっき層を構成する多結晶粒の平均厚さとを求めた。結果は後述する。
実施例1〜9および比較例1〜9の表面処理銅箔において、粗化銅めっき層を形成した段階で該粗化銅めっき層の表面粗度を測定した。測定装置として表面粗さ測定機(株式会社小坂研究所、型式:SE500)を用い、十点平均粗さRzjis(JIS B 0601:2001)を測定した。測定条件は、触針径を2μm、測定速度を0.2 mm/s、測定長を4 mm、抜き取り基準長さを0.8 mm、荷重を0.75 mN以下とした。結果は後述の表1に併記する。
実施例1〜9および比較例1〜9のFPC模擬試料における露出したポリイミドフィルム部分対して、ヘイズメーター(BYKガードナー・ヘイズ-ガード プラス、株式会社東洋精機製作所)を用いて、該ポリイミドフィルムの全光線透過率Tt、拡散透過率Td、透明度Cを測定し、平行光線透過率Tpと透過視認度Vtとを前述の定義式を用いて算出した。結果を後述の表2に示す。
実施例1〜9および比較例1〜9のFPC模擬試料における表面処理銅箔が残存している部分(回路配線部分)に対して、JIS C6481に準拠してピール強度の測定を行った。結果を後述の表2に併記する。
実施例1〜9および比較例1〜9のFPC模擬試料における露出したポリイミドフィルム部分の下に透過視認するマーカーを配置し、該マーカーとポリイミドフィルムとの距離を「0 mm → 約10 mm」で変化させて、当該ポリイミドフィルムを介した透過視認性を目視で確認した。
1…銅箔、2…下地銅めっき層、3…粗化銅めっき層、4…防錆層、
5…表面処理銅箔、6…樹脂フィルム。
Claims (5)
- 樹脂フィルムと銅箔とが直接積層された銅張積層板であって、
前記樹脂フィルムがポリイミドフィルムで、前記銅箔が圧延銅箔であり、
前記樹脂フィルムに対向する前記銅箔の接合面には、平均厚さが0.05μm以上0.3μm以下の粗化銅めっき層が形成されており、
前記樹脂フィルムと前記銅箔とのピール強度が0.5 N/mm以上であり、
前記銅箔の一部が化学エッチング除去されたとき、化学エッチング除去後の残存した前記樹脂フィルムにおいて、式「Vt = (Tt − Td) × C/100」(Tt:全光線透過率(単位:%)、Td:拡散透過率(単位:%)、C:透明度(単位:%))で定義される透過視認度Vtが「Vt≧10%」であることを特徴とする銅張積層板。 - 請求項1に記載の銅張積層板において、
前記銅箔と前記粗化銅めっき層との間に下地銅めっき層が形成されており、
前記下地銅めっき層の平均厚さが0.1μm以上0.6μm以下であることを特徴とする銅張積層板。 - 請求項1又は請求項2に記載の銅張積層板において、
前記透過視認度Vtが「Vt≧20%」であることを特徴とする銅張積層板。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の銅張積層板の前記銅箔の一部が化学エッチング除去されて回路配線が形成されたフレキシブルプリント配線板であって、
化学エッチング除去後の残存した前記樹脂フィルムにおいて、式「Vt = (Tt − Td) × C/100」(Tt:全光線透過率(単位:%)、Td:拡散透過率(単位:%)、C:透明度(単位:%))で定義される透過視認度Vtが「Vt≧10%」であることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。 - 請求項4に記載のフレキシブルプリント配線板において、
前記透過視認度Vtが「Vt≧20%」であることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
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