JP5563849B2 - 処理銅箔 - Google Patents

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Description

本発明は、粗化処理層を形成している微細粒子が脱落しにくく、また、低粗度で、高い引きはがし強さを有する処理銅箔に係るものであり、特に、フレキシブルプリント配線板用銅箔の表面処理技術に関するものである。
周知のとおり、プリント配線板に使用される圧延銅箔や電解銅箔などの未処理銅箔には、絶縁樹脂基材に対して強固に接着して容易に引き剥がれない特性が必要とされており、このような特性を得るために未処理銅箔の処理方法が開発されている。
未処理銅箔の処理方法としては、例えば、後出特許文献1には、印刷回路用銅箔の処理方法において、銅箔の表面に銅−コバルト−ニッケル合金めっきによる粗化処理後、コバルト−ニッケル合金めっき層を形成し、更に亜鉛−ニッケル合金めっき層を形成する処理方法が開示されている。
前記従来の処理方法によれば、未処理銅箔の表面に粗化処理によって微細粒子が析出し、この微細粒子がその機械的投錨効果により絶縁樹脂基材との接着性を向上させる役割を果たし、処理銅箔と絶縁樹脂基材との間の引き剥がし強さが格段に向上する。
特開平9−87889号公報
しかし、前記従来の処理方法においては、銅箔の表面に微細粒子を析出させているため、当該処理銅箔を取り扱う際に表面から微細粒子が脱落し易く、この脱落した微細粒子によって製造ラインが汚染されてしまうという問題点があった。
そこで、本発明者は、表面に析出した微細粒子が表面から脱落し難い処理銅箔を得ることを技術的課題として、その具現化をはかるべく、試作・実験を繰り返した結果、未処理銅箔表面に析出させた銅とコバルト又はニッケルのいずれか一方とを含有する微細粒子からなる粗化処理層の表面にニッケル又はニッケルとリンを含有する処理層を設けることにより微細粒子が脱落し難くなるという刮目すべき知見を得、前記技術的課題を達成したものである。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって解決できる。
即ち、本発明に係る処理銅箔は、未処理銅箔と、該未処理銅箔表面に析出させた銅とコバルト又はニッケルのいずれか一方とを含有する微細粒子からなる粗化処理層と、該粗化処理層表面に析出させたニッケル又はニッケルとリンとを含有する微細粒子脱落防止処理層(以下「脱落防止処理層」という)を備えた処理銅箔であって、粗化処理層を構成する元素においてコバルトの析出付着量が1.9mg/m 2 〜5mg/m 2 又はニッケルの析出付着量が2.1mg/m 2 〜5mg/m 2 であって残部が銅であり、当該処理銅箔の表面色がJISZ8729に記載の色の色差系L*a*b*のL*が20〜40であり、かつ、JISG4401-2006に規定されるSK2で作成された刃先角度22°±2°、厚み0.38mmの刃を有するカッターナイフによって当該表面処理層を貫通する引き傷を1mm間隔で直交するように縦横11本並べることによって1mm×1mmの升目100個からなる碁盤目を形成し、該碁盤目を覆うように配置したJISZ1522に規定される粘着力が3.88N/cmの粘着テープを圧力192kpaで30秒間圧着した後に粘着テープを180°方向に引っ張って引き剥がした際に未処理銅箔から剥がれ落ちる升目の数が30以下であることを特徴としている(請求項1)。
更に、本発明に係る処理銅箔は、前記脱落防止処理層表面にクロメート処理層を形成し、該クロメート処理層表面にシランカップリング剤処理層を備えた処理銅箔にすることで、接着剤が片面に塗布された接着剤付きポリイミドフィルムと該処理面を、圧力1Mpa、加熱温度150℃にて5秒間圧着させた後、圧力1Mpa、加熱温度80℃にて1時間圧着状態を維持させ、その後、加熱温度を12時間かけて160℃まで昇温させ、最後に160℃で4時間保持して得られる銅張積層板を、JISC5016-1994に規定される方法で測定した導体の引きはがし強さが0.8kN/m以上であることを特徴としている(請求項4)。

本発明によれば、粗化処理層の微細粒子が脱落しにくく、また、低粗度で、高い引きはがし強さを有する処理銅箔が得られ、該処理銅箔を用いればプリント配線板やプラズマディスプレイパネルの製造工程における不具合として改善が求められている処理銅箔からの粉落ち(微細粒子の脱落)による製造ラインの汚染が解消できる。
従って、本発明の産業上利用性は非常に高いといえる。
実施の形態に係る処理銅箔を示した断面図である。 実施の形態に係る処理銅箔(クロメート処理層、シランカップリング剤処理層有り)を示した断面図である。 粉落ち度合いを評価する際に使用されるカッターナイフを示した説明図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係る処理銅箔は、未処理銅箔の少なくとも一方の面に粗化処理層が形成されている。
未処理銅箔としては、電解液に浸した陽極と陰極との間に電流を流すことによって陰極側に析出させて形成される電解銅箔やインゴット状の銅を圧延してなる圧延銅箔などを使用すればよい。なお、未処理銅箔の厚さは、6μm〜300μmが好ましく、より好ましくは9μm〜70μmである。また、未処理銅箔表面の粗度(RZJIS)は、粗化処理層の形成に伴う粗度の上昇を考慮して0.1μm〜1.2μmが好ましく、より好ましくは0.5μm〜1.0μmである。
粗化処理層は銅とコバルト又はニッケルのいずれか一方とが含まれた浴を使用した電気めっき処理によって得られ、未処理銅箔の表面に析出される0.5μm以下の微細粒子により形成されるものである。コバルト又はニッケルの析出付着量が5mg/m2以下であり残部が銅であることが好ましい。コバルト又はニッケルの析出付着量が5mg/m2を越えると粉落ちが多くなる、粗度が高くなる等の不具合が発生する。
粗化処理層表面の粗度(RZJIS)は、0.6μm〜1.5μmが好ましく、より好ましくは0.7μm〜1.4μmである。なお、粗化処理層表面の粗度は、プリント配線板に使用する場合にはファインパターン化に大きく影響するため出来るだけ低粗度であることが要求される。
粗化処理層表面にニッケル層又はニッケルとリン層からなる脱落防止処理層を設けることにより粉落ち抑制に非常に高い効果が得られる。脱落防止処理層を設けることでバリア的な効果があり微細粒子の脱落が抑制され、また、耐熱性、耐薬品性にも優れているため引きはがし強さの向上や長期信頼性が付与される。
脱落防止処理層は、ニッケルが含まれた浴又はニッケルとリンが含まれた浴を使用した電気めっき処理によって得られる。脱落防止処理層の析出付着量は15mg/m2〜350mg/m2が好ましく、より好ましくは20mg/m2〜330mg/m2である。脱落防止処理層の析出付着量が15mg/m2未満の場合、微細粒子の脱落が多くなる、耐熱性、防錆性が弱くなる等の不具合が生じる。逆にニッケル層又はニッケルとリン層の析出付着量が350mg/m2越える場合は、これ以上析出させても特性の向上は確認できず、また、不経済であるため好ましくない。
また、脱落防止処理層表面には周知の処理方法によってクロメート処理層を設けることもでき、該クロメート処理層表面には周知の処理によってシランカップリング剤処理層を設けることもできる。クロメート処理層及びシランカップリング剤処理層を設けることにより、引きはがし強さ、耐熱性、耐酸化性、長期信頼性が更に向上する。
本発明に係る処理銅箔は図1に示すように、未処理銅箔の少なくとも一方の面に、粗化処理層、脱落防止処理層が設けられている。
必要に応じて、図2に示すように、前記処理層にさらにクロメート処理層、シランカップリング剤処理層が設けられている。
本発明に係る処理銅箔の処理表面の色はJISZ8729に定義される表色系L*a*b*で表示でき、L*が20〜40の間であれば微細粒子の脱落が認められず、プリント配線板に必要とされる十分な引きはがし強さを得ることができる。L*が20未満の場合、微細粒子が乱雑化し粉落ちが多くなる。逆にL*が40を越える場合、微細粒子が少なく引きはがし強さが弱くなる不具合が生じる。
本発明に係る処理銅箔において粗化処理層を形成している微細粒子の脱落度合い(粉落ち度合い)は次の評価方法によって評価できる。
粉落ち度合いの評価方法: JISG4401-2006に規定されているSK2で作成された図3の(a)、(b)に示すとおりの形状及び寸法のカッターナイフによって当該表面処理層を貫通する引き傷を1mm間隔で直交するように縦横11本並べることによって1mm×1mmの升目100個からなる碁盤目を形成し、該碁盤目を覆うように配置したJISZ1522に規定される粘着力が3.88N/cmの粘着テープを圧力192kpaで30秒間圧着した後に粘着テープを180°方向に引っ張って引き剥がした際に未処理銅箔から剥がれ落ちる升目の数を数え、当該数値によって粉落ち度合いを評価する。
粉落ち度合いを示す数値は30以下であることが好ましく、より好ましくは20以下である。粉落ち度合いを示す数値が30を越えると、粉落ちが顕著になり製造ラインの汚染が著しくなる。
本発明の実施に当って重要な粗化処理層及び脱落防止処理層の各処理方法を詳しく説明する。
先ず、粗化処理層の処理方法は、所定の組成からなる電解液に陰極となる未処理銅箔及び陽極を浸して両極間に電流を流すことによって陰極側に微細粒子を析出させれば粗化処理層が得られる。電解液としては、硫酸銅水溶液又は硫酸銅水溶液に、コバルト及びニッケルから選択される少なくとも一種を含有させたものを使用する。
硫酸銅水溶液としては、溶媒となる水に溶質となる硫酸銅を溶解させたものを使用すればよく、また、更に硫酸を加えたものを使用してもよい。従って、本発明における「硫酸銅水溶液」には、硫酸酸性硫酸銅水溶液も含まれる。なお、生産効率を考慮すると、硫酸酸性硫酸銅水溶液を使用することが好ましい。
なお、硫酸銅水溶液は、硫酸銅五水和物を水に溶かして形成すればよく、電解液中における銅の濃度を3〜200g/Lにすることが好ましく、より好ましくは10〜100g/Lである。また、電解液中における硫酸の濃度は電解液のpHが2〜6になるように調整する。
コバルトは、硫酸コバルト七水和物や塩化コバルトなどとして硫酸銅水溶液に添加すればよい。また、ニッケルは、硫酸ニッケル六水和物や塩化ニッケルなどとして硫酸銅水溶液に添加すればよい。
次に該粗化処理上に設ける脱落防止処理層であるニッケル層又はニッケルとリン層は電気めっき処理によって形成する。ニッケル層又はニッケルとリン層を形成することで二層の処理層となり粉落ち抑制、ピール強度の向上、耐薬品性、長期信頼性などが付与される。
ニッケル層又はニッケルとリン層を形成する電気めっき浴組成としては、次の浴組成を用いればよい。
(ニッケル層を形成するための浴組成)
硫酸ニッケル(II)六水和物 10〜100g/L(特に好ましくは20〜60g/L)。
酢酸ナトリウム三水和物 2〜40g/L(特に好ましくは5〜30g/L)。
pH 3.0〜5.5(特に好ましくは3.5〜5.0)。
(ニッケル−リン層を形成するための浴組成)
硫酸ニッケル(II)六水和物 10〜100g/L(特に好ましくは20〜60g/L)。
次亜リン酸ナトリウム一水和物0.1〜10g/L。
酢酸ナトリウム三水和物 2〜40g/L(特に好ましくは5〜30g/L)。
pH 3.0〜5.5(特に好ましくは3.5〜5.0)。
また、脱落防止処理層表面にクロメート処理層、次いでシランカップリング剤処理層を設けることにより絶縁樹脂基材と強い引きはがし強さが得られる処理銅箔になる。
クロメート処理層を形成させる浴は公知のものでよく、例えばクロム酸、重クロム酸ナトリウム、重クロム酸カリウムなどの六価クロムを有するものであればよい。また、特公昭58-15950号に記載されている亜鉛を含有するクロメート処理層を使用してもよい。なお、クロメート処理層形成後のクロムの析出形態はCr(OH)3とCr2O3が混在した状態であり、人体に悪影響を及ぼす六価クロムは含有されておらず三価クロムの形態で析出している。また、クロム酸液はアルカリ性、酸性のどちらでも構わない。
シランカップリング剤処理層を形成させる浴も公知のものでよく、シランカップリング剤水溶液に浸漬したり、スプレーで吹きかけて形成する。シランカップリング剤の種類はエポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ウレイド基、ビニル基等多種あるが絶縁樹脂基材の種類により異なった特性を示すため基材との相性を考慮して設ける必要がある。
銅張積層板は、本発明に係る処理銅箔の粗化処理層、脱落防止処理層、クロメート処理層、シランカップリング剤処理層を設けた面と絶縁樹脂基材を加熱圧着することにより得ることができる。絶縁樹脂基材は、ガラス布などの基材に絶縁樹脂を含浸させたものであり、絶縁樹脂基材としては、ポリイミド、フェノール、エポキシ、ポリエステル、液晶ポリマなどを使用すればよい。なお、銅張積層板における処理銅箔の引きはがし強さは0.7kN/m以上であることが好ましく、より好ましくは0.8kN/m以上である。引きはがし強さが0.7kN/m未満になると、銅張積層板を各用途に使用するために加工する際に処理銅箔が剥がれてしまう可能性があり、扱い難い。
本実施の形態においては、未処理銅箔の一方の面のみに各処理層を設けたが、未処理銅箔の両面に各処理層を設けてもよい。
なお、本発明にかかる処理銅箔はフレキシブル基板用だけでなく、プラズマディスプレイ用途にも適用できる。
《実施例》
実施例1:
未処理銅箔として厚さ18μmの圧延銅箔(日立電線株式会社製・品番:C1100R-H)を用意した。なお、圧延銅箔は、炭化水素系有機溶剤に60秒間浸漬して圧延油を除去した。
次に、未処理銅箔の一方の面に対して次の各処理を順次施した。
(粗化処理)
電解液として、硫酸銅五水和物40g/L、硫酸コバルト七水和物20g/L、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム130g/Lを添加した水溶液を硫酸にてpH4.5に調整したものを用意した。そして、陽極として白金を使用すると共に、陰極として未処理銅箔を使用し、両極を浴温40℃の電解液に浸した状態で両極に対して電流密度2.5A/dm2、通電時間20秒で電流を流すことで未処理銅箔表面に銅とコバルトを含有する微細粒子を析出させ粗化処理層を設けた。
(脱落防止処理)
硫酸ニッケル六水和物30g/L、次亜リン酸ナトリウム一水和物2g/L、酢酸ナトリウム三水和物15g/Lを含有するpH4.5、液温30℃の水溶液を用意した。そして陽極として白金を使用すると共に、陰極として前工程で粗化処理層を設けた銅箔を使用し、両極に対して電流密度2.0A/dm2、通電時間6秒で電流を流して脱落防止処理を施し、粗化処理層表面に脱落防止処理層を設けた。
実施例2〜7及び比較例1〜5:
表1に示すとおりに、粗化処理に使用する電解液並びに脱落防止処理に使用する電解液に添加される各添加物及びその添加量を変更すると共に、当該各電解液のpHを調整し、粗化処理時並びに脱落防止処理時における各電流密度及び電解時間を変更したほかは、前記実施例1と同様にして、処理銅箔を得た。なお、比較例5に関しては脱落防止処理層を施さなかったこと以外は実施例1と同じ操作を行い粗化処理層を得た。
次に、前記実施例1〜7及び比較例1〜5にて得られた処理銅箔に対して次の測定を行なった結果を表2示す。
(粗化処理層中コバルト又はニッケルの析出付着量)
理学電機株式会社製のRIX2000を用い、前記粗化処理層に含まれているコバルト又はニッケルの析出付着量を測定した。
(微細粒子脱落防止処理層中のニッケル又はニッケル−リンの析出付着量)
理学電機株式会社製のRIX2000を用いて脱落防止処理層に含まれているニッケル又はニッケルとリンの析出付着量を測定した。
(粗度RZJISの測定)
処理銅箔の処理が施された側の面について、JISB0651-2001に規定される触針式表面粗さ計に適合するサーフコーダSE1700α(株式会社小坂研究所製)にて、触針として触針先端の半径2μmのものを使用し、粗さ曲線用カットオフ値0.8mm、粗さ曲線の標準カットオフ値のためのカットオフ比300、測定距離2.5mmとしてJISB0601-2001に定義される十点平均粗さRZJISを測定した。
(L*a*b*の測定)
JISZ8729に定義される表色系L*a*b*を分光測色計(コニカミノルタ株式会社製・品番:CM-508d)にて測定した。
(粉落ち度合いの測定)
1mm間隔でガイドが設けられたクロスカットガイド(コーテック株式会社製・品番:CCJ-1)と、JISG4401-2006に規定されるSK2で作成された刃先角度22°±2°、厚み0.38mmの刃を有するカッターナイフ(エヌティー株式会社製・品番:iA300RSP)と、
JISZ1522に規定される粘着力が3.88N/cmであって幅12mmの透明粘着テープ(ニチバン株式会社製・品番:CT405A-24)を用意した。そして、先ず、クロスカットガイド及びカッターナイフを用いて処理銅箔の処理面上に直交する縦横11本の引き傷を1mm間隔で平行に並べて形成し、処理面の100mm2の中に100個の升目を形成した。この時、カッターナイフの刃を処理面に対して45°の角度に保ち、当該処理層を貫通するように1本について約0.5秒かけて等速に引いて切り傷を形成した。続いて、全ての升目を被覆するように処理面上にゆっくりと設置した透明粘着テープ上に100mm2のゴムシートを置き、更にゴムシート上に該ゴムシートと接触する底面の面積が100 mm2以上である200gの錘を置くことにより、透明粘着テープを処理面に対して192kpaで30秒間加圧した後、透明粘着テープを180°方向に引いて処理面から引き剥がした。そして、処理面から引き剥がした透明粘着テープを白紙に貼り付け、透明粘着テープに貼り付いた升目の個数を顕微鏡で観察して数えることによって、処理銅箔から剥がれ落ちた升目の個数を計数した。
表2に示す諸結果によれば、実施例1、2、4、6の各処理銅箔においては、粗化処理層と脱落防止処理層を施した面からの粉落ち度合いが30以下と低く保たれており、また、粗度RZJISが1.5μm以下と低粗度である。これに対して、比較例1、2、4の各処理銅箔においては、粉落ち度合い(個数)が30以上と高い。
実施例3、5、7及び比較例3、5は、粗化処理層及び脱落防止処理層形成後に、次の処理を施して脱落防止処理層表面にクロメート処理層を設け、クロメート処理層表面にシランカップリング剤処理層を設けた。
(クロメート処理)
クロメート処理液として、ニクロム酸ナトリウム二水和物30g/Lを含有するpH4.2の水溶液を用意した。そして、陽極として白金を使用すると共に、陰極として前工程で脱落防止処理層を設けた銅箔を使用し、両極を浴温30℃のクロメート処理液に浸した状態で両極に対して電流密度0.5A/dm2、通電時間5秒で電流を流してクロメート処理を施し、脱落防止処理層表面にクロメート処理層を設けた。
(シランカップリング処理)
シランカップリング処理液として、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン2mL/Lを含有する水溶液を用意した。そして、前工程でクロメート処理層を設けた銅箔を浴温30℃のシランカップリング処理液に10秒間浸してシランカップリング処理を施しクロメート処理層表面にシランカップリング剤処理層を設けた。
次に、以下の手順で銅張積層板を作製し、引きはがし強さを測定した。
(引きはがし強さの測定)
銅箔と接着剤付きポリイミドフィルムを以下の工程で圧着し銅張積層板を成型した。まず、接着剤が片面に塗布された厚さ65μmの接着剤付きポリイミドフィルム(東レ株式会社製・品番:#8200)を用意し、粗化処理、脱落防止処理、クロメート処理及びシランカップリング処理が施された側の面をポリイミドフィルムの接着剤が塗布された側の面に圧力1Mpa、加熱温度150℃にて5秒間圧着させた後、圧力1Mpa、加熱温度80℃にて1時間圧着状態を維持させ、その後、加熱温度を12時間かけて160℃まで昇温させ、最後に160℃で4時間保持して銅張積層板を得た。
JISC5016-1994に規定される導体の引きはがし強さの測定方法に基づき、ここに得た銅張積層板の銅箔を銅箔除去面に対して90°方向に引きはがす方法にて引きはがし強さを測定した。測定結果を表3に示す。
表2、表3に示す諸結果によれば、クロメート処理層とシランカップリング剤処理層を設けた実施例3、5、7及び比較例3、5の各処理箔においては、実施例3、5、7は、粗化処理と脱落防止処理を施した面からの粉落ち度合いが30以下と低く保たれており、粗度RZJISが1.5μm以下と低粗度であり、銅張積層板に加工した状態において0.80kN/m以上の高い引き剥がし強さを有している。これに対して、比較例3は粉落ち度合いは0であるものの引きはがし強さが0.62kN/mと低く、比較例5は引きはがし強さは0.82kN/mと高いが粉落ち度合いが30以上である。
1 処理銅箔
2 未処理銅箔
3 粗化処理層
4 微細粒子脱落防止処理層
5 クロメート処理層
6 シランカップリング剤処理層

Claims (6)

  1. 未処理銅箔と、該未処理銅箔表面に析出させた銅とコバルト又はニッケルのいずれか一方とを含有する微細粒子からなる粗化処理層と、該粗化処理層表面に析出させたニッケル又はニッケルとリンとを含有する微細粒子脱落防止処理層を備えた処理銅箔であって、粗化処理層を構成する元素においてコバルトの析出付着量が1.9mg/m 2 〜5mg/m 2 又はニッケルの析出付着量が2.1mg/m 2 〜5mg/m 2 であって残部が銅であり、当該処理銅箔の表面色がJISZ8729に記載の色の色差系L*a*b*のL*が20〜40であり、かつ、JISG4401-2006に規定されるSK2で作成された刃先角度22°±2°、厚み0.38mmの刃を有するカッターナイフによって当該表面処理層を貫通する引き傷を1mm間隔で直交するように縦横11本並べることによって1mm×1mmの升目100個からなる碁盤目を形成し、該碁盤目を覆うように配置したJISZ1522に規定される粘着力が3.88N/cmの粘着テープを圧力192kpaで30秒間圧着した後に粘着テープを180°方向に引っ張って引き剥がした際に銅箔から剥がれ落ちる升目の数が30以下であることを特徴とする処理銅箔。
  2. 微細粒子脱落防止処理層の析出付着量が15mg/m2〜350mg/m2である請求項1に記載の処理銅箔。
  3. 処理面の表面粗さRzJISが0.6μm〜1.5μmである請求項1又は2に記載の処理銅箔。
  4. 未処理銅箔と、該未処理銅箔表面に析出させた銅とコバルト又はニッケルのいずれか一方とを含有する微細粒子からなる粗化処理層と、該粗化処理層表面に析出させたニッケル又はニッケルとリンとを含有する微細粒子脱落防止処理層と、該微細粒子脱落防止処理層表面に形成したクロメート処理層と、該クロメート処理層表面に形成したシランカップリング剤処理層とを備えた処理銅箔であって、粗化処理層を構成する元素においてコバルトの析出付着量が1.9mg/m 2 〜5mg/m 2 又はニッケルの析出付着量が2.1mg/m 2 〜5mg/m 2 であって残部が銅であり、当該処理銅箔の表面色がJISZ8729に記載の色の色差系L*a*b*のL*が20〜40であり、かつ、JISG4401-2006に規定されるSK2で作成された刃先角度22°±2°、厚み0.38mmの刃を有するカッターナイフによって当該表面処理層を貫通する引き傷を1mm間隔で直交するように縦横11本並べることによって1mm×1mmの升目100個からなる碁盤目を形成し、該碁盤目を覆うように配置したJISZ1522に規定される粘着力が3.88N/cmの粘着テープを圧力192kpaで30秒間圧着した後に粘着テープを180°方向に引っ張って引き剥がした際に銅箔から剥がれ落ちる升目の数が30以下であり、かつ、処理銅箔の粗化処理、脱落防止処理、クロメート処理及びシランカップリング処理が施された側の面とポリイミドフィルムの接着剤が塗布された側の面とを圧力1Mpa、加熱温度150℃にて5秒間圧着させた後、圧力1Mpa、加熱温度80℃にて1時間圧着状態を維持させ、その後、加熱温度を12時間かけて160℃まで昇温させ、最後に160℃で4時間保持して得られる銅張積層板を、JISC5016-1994に規定される方法で測定した導体の引きはがし強さが0.8kN/m以上であることを特徴とする処理銅箔。
  5. 微細粒子脱落防止処理層の析出付着量が15mg/m2〜350mg/m2である請求項に記載の処理銅箔。
  6. 処理面の表面粗さRzJISが0.6μm〜1.5μmである請求項4又は5に記載の処理銅箔。
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